JP2007240166A - 鋼管の水圧試験装置およびその使用方法 - Google Patents

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伊佐生 広
Toshio Onishi
寿雄 大西
Koji Sugano
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Abstract

【課題】サイクルタイムを短縮して水圧試験の生産性を向上させる。
【解決手段】両側のストック1a、1bとメインシリンダ2a、2bとの間に移動量検出手段3を設けるとともにヘッドストック1aの前面に近接スイッチ14を取り付け、両側のストック1a、1bを管端に突き当てることなしに所定距離移動して停止させるようにして、移動速度を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管の製造段階における水圧試験装置およびその使用方法に関する。
鋼管は、製造の終盤段階において水圧試験を実施して耐圧性能を確認する。鋼管の両端をヘッドストック、テールストックで挟持して内部に水を充満させ、所定時間加圧保持して圧力変動がない、すなわち水漏れがないことで合格を判定する。
油井管等の高圧仕様の鋼管は、両端に雄ねじが加工され、これをカップリングにねじこんで接続して使用する。そこで水圧試験においては両端のうち一方の端部にはカップリングを装着し、他方の端部にはねじ部の保護のためキャップをかぶせて行なうのが普通である。
水圧試験装置の構成を図3により説明する。Tは試験されるテストパイプ、Cはその一端にねじ込まれたカップリング、1はテストパイプTの一端を保持するヘッドストック、11は図示しない水圧源からヘッドストック1の内部に送り込まれた圧力水を封止するための締め切り弁、12はテストパイプTを保持するホルダ、13はシール部分のメインパッキン、21は水圧に対する反力としてヘッドストック1を外側から押圧するメインシリンダ(油圧シリンダ、図示せず)のラムである。なお、テストパイプTの反対側端部にはキャップがかぶせられ、ヘッドストック1とほぼ同様の構造を有するテールストックにより保持される。ヘッドストック1の内部に封止された圧力水は、図示しない増圧機構により所望の圧力に増圧される。
つづいて従来の水圧試験装置へのテストパイプTのセッテイング方法を図4により説明する。Tはテストパイプ、Cはカップリング、Pはキャップ、1aはヘッドストック、1bはテールストック、2a、2bは両側のメインシリンダ(油圧シリンダ)である。なお、テールストック側のメインシリンダ2bは圧力補償機能を付与するため2段式となっている。
水圧試験装置に到着したテストパイプは、(a)に示すように、図示しないリフトテーブル等の支持手段により所定高さに支持される。この際図示しないストッパにより、破線で示すテール側端部位置を基準とする。なお、テストパイプの長さが大きく変わる場合は、テールストック1b全体を載せた台車を移動させる。台車は所定寸法毎に定位置に固定される。
まずヘッドストック側のメインシリンダ2aによりヘッドストック1aが前進し、カップリングCに当たってテストパイプTを右側に押す。テールストック側のメインシリンダ2bもストローク一杯まで前進するが、2段式のうち小径シリンダがフリー状態にあり、キャップPがテールストック2bに当たった時点で押し返されて停止する。
キャップPは水圧試験時のねじ部の保護だけのために軽く嵌めてあるものであるから、このときキャップPがテールストック2bに強く当たるとねじ部を損傷するおそれがあり、前進速度を遅くしている。このためセッテイングには約10秒を要している。水圧試験全体のサイクルタイムは30〜45秒である。
本発明は、ねじ部の損傷のおそれをなくして前進速度を向上させ、水圧試験のサイクルタイムを短縮して能率を向上させることを目的とする。
本発明の鋼管の水圧試験装置は、両側のストックとメインシリンダとの間に距離変化を検出する移動量検出手段を設けるとともに、到着したテストパイプの端部を基準となる定位置に停止させる基準側に対して反基準側のストックの前面に、テストパイプへの接近を検知する近接スイッチを取り付けたことを特徴とする。
また本発明の鋼管の水圧試験装置の使用方法は、到着したテストパイプの一方の端部を基準となる定位置に停止させ、基準側のストックはこの端部位置から定められる前記端部に付き当てることのない所定距離だけ前進して停止させ、反基準側のストックは前記テストパイプの残る一方の端部への接近を検知し、その位置から定められるこの端部に付き当てることのない所定距離だけ前進して停止させて保持することを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドストック、テールストックの移動速度を高めることによりセッテイング時間が大きく短縮され、サイクルタイムが短くなって水圧試験における生産性が向上するという、すぐれた効果を奏する。
本発明の実施例を図面により説明する。本発明では両側のストック、すなわちヘッドストック1a、テールストック1bと、両側のメインシリンダ2a、2bとの間に、距離変化を検出するリニアスケール等の移動量検出手段3が設けられており、さらに、ヘッドストック1aの前面にはテストパイプTの先端、すなわちカップリングCの先端を検知する近接スイッチ14が取り付けてある。図2はヘッドストック1a付近を示す水圧試験装置の部分正面図である。
つづいて図1により本発明によるセッテイング方法を説明する。
(a)に示すテストパイプが水圧試験装置に到着し、待機している状態は従来の場合と同じである。
(b)に示すように、両側のメインシリンダ2a、2bを前進させる。ヘッドストック側については、前記の近接スイッチ14がカップリングCのヘッドストック1a入口への接近をピンポイントで検出するので、このときの位置を基準に移動量検出手段3が移動距離の監視を行い、ヘッドストック1aの内壁に突き当たる手前所定位置で停止させる。移動させる距離は、たとえばヘッドストック1aのホルダの開口深さから、誤差を考慮して10mm程度引いた距離である。
一方、テールストック側については、前記したように搬入時点でテストパイプTの端部位置は一定であるから、テールストック1bの内壁に突き当たらずに停止するための移動距離は既知であり、ヘッドストック側と同様に移動量検知手段3が移動距離を監視して、テールストック1bの内壁に突き当たる手前所定位置で停止させることができる。
このように、ヘッドストック1a、テールストック1bのいずれについても、テストパイプTに付き当てることなく移動距離を与えて停止させるので、移動速度については特に遅くする必要がないから、セッテイング時間が約5秒に半減できる。
本発明実施例のセッテイング手順を示す説明図である。 本発明実施例の水圧試験装置の要部を示す部分正面図である。 従来の技術における水圧試験装置の要部を示す断面図である。 従来の技術におけるセッテイング手順を示す説明図である。
符号の説明
1a ヘッドストック
1b テールストック
2a、2b メインシリンダ
3 リニアスケール(移動量検出手段)
11 締め切り弁
12 ホルダ
13 メインパッキン
14 近接スイッチ
21 ラム
C カップリング
P キャップ
T テストパイプ

Claims (2)

  1. 両側のストック(1a、1b)とメインシリンダ(2a、2b)との間に距離変化を検出する移動量検出手段(3)を設けるとともに、到着したテストパイプ(T)の端部を基準となる定位置に停止させる基準側に対して反基準側のストック(1a)の前面に、テストパイプ(T)への接近を検知する近接スイッチ(14)を取り付けたことを特徴とする鋼管の水圧試験装置。
  2. 到着したテストパイプの一方の端部を基準となる定位置に停止させ、基準側のストックはこの端部位置から定められる前記端部に付き当てることのない所定距離だけ前進して停止させ、反基準側のストックは前記テストパイプの残る一方の端部への接近を検知し、その位置から定められるこの端部に付き当てることのない所定距離だけ前進して停止させて保持することを特徴とする鋼管の水圧試験装置の使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103162978A (zh) * 2011-12-15 2013-06-19 河南省基本建设科学实验研究院有限公司 用于检测钢管脚手架扣件抗滑、抗破坏性能的检测装置
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