JP2007238949A - インクジェット記録用水性インク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷品質・耐水性・耐光性に優れた樹脂分散型水性インクの特徴を殺すことなく、分散安定性に優れ、かつノズル目詰まりもなく、安定したインクジェット噴射特性を有するインクジェット記録用水性インク。
【解決手段】 酸価が50以上280以下の合成樹脂の酸基の、少なくとも一部がアルカリ性の中和剤により中和されている自己水分散性樹脂によって、内包された着色剤からなる着色樹脂粒子(染顔料粒子)が分散したインクジェット記録用水性インクを提供する。合成樹脂のガラス転移点が50℃以上であることが好ましく、酸基の60モル%以上が中和されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用水性インクに関し、詳しくは、着色剤を含有する自己水分散性樹脂が水性媒体中に分散されたインクジェット記録用水性インクに関する。
インクジェット記録用インクは大別すると油性インクと水性インクがあるが、油性インクは臭気・毒性の点で問題があり、水性インクが主流となりつつある。
しかしながら、従来の水性インクの多くは着色剤として水溶性染料を用いているため耐水性や耐光性が悪いという欠点を有していた。また、染料が分子レベルで溶解しているため、オフィスで一般に使用されているコピー用紙などのいわゆる普通紙に印刷すると髭状のフェザリングと呼ばれるブリードを生じて著しい印刷品質の低下を招いていた。
上記欠点を改良するためにいわゆる水性の顔料インクが過去に様々に提案されており、例えばバインダー兼分散剤として水溶性樹脂を用いてカ−ボンブラックや有機顔料を分散させた樹脂溶解型のインクやポリマーラテックスあるいはマイクロカプセルとして着色剤を内包する樹脂分散型のインクが各種提案されている。
樹脂溶解型の水性インクは、インクの水分蒸発に伴いノズル付近のインク粘度上昇による異常噴射や、最悪ノズル目詰まりを生じ易かった。また、水溶性樹脂を用いているために耐水性が十分とはいえなかった。
樹脂分散型の水性インクは、インクの水分蒸発に伴う粘度上昇は比較的少なく、また耐水性に優れるという利点がある。具体的には、特許文献1では染料を含有したウレタンポリマーラテックスを含むインク組成物、特許文献2では水不溶性有機溶媒中にポリマーと油性染料を溶解し、さらに表面活性剤を含む水溶液と混合して乳化させた後に溶媒を蒸発してポリマー粒子中に内包された染料を含むインクが提案され、特許文献3ではカプセル化時の有機溶媒と水との間の界面張力を10ダイン以下にすることによる着色料水性懸濁液の製造法が提案され、特許文献4では同様にマクロカプセル化した色素を含有する記録液等が提案されているが、それらで得られた着色樹脂分散物の分散安定性は必ずしも十分ではなく、またカプセル化時に使用する界面活性剤の影響で泡立ちが大きく、インクジェットの噴射特性が必ずしも十分ではなかった。また、特許文献5では、一般的な微小カプセルおよびその製造方法ならびにその用途がとして、0.1μm以下の水準に自己分散する自己分散性樹脂を用いて微小カプセルを形成する方法が提案されているが、0.1μm以下の水準に自己分散する樹脂に限定されるために使用できる樹脂が少なく、また得られるマイクロカプセルのインクジェット特性は必ずしも十分ではなかった。
特開昭58−045272号公報 特開昭62−095366号公報 特開昭62−254833号公報 特開平1−170672号公報 特開平3−221137号公報
本発明が解決しようとする課題は、印刷品質・耐水性・耐光性に優れた樹脂分散型水性インクの特長を殺すことなく、分散安定性に優れ、かつノズル目詰まりもなく、安定したインクジェット噴射特性を有する、着色剤が自己水分散性樹脂によって内包された着色樹脂粒子が水性媒体中に分散した、インクジェット記録用水性インクを提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を解決するに至った。
即ち、本発明は、酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)の少なくとも一部の酸基が塩基(b)、好ましくはアルコールアミンで中和されてなる自己水分散性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子が、水を必須成分とする水性媒体(C)、好ましくは乾燥防止剤としての水溶性有機溶媒を含有する水性媒体中に分散していることを特徴とするインクジェット記録用水性インクを提供する。
また、本発明は、酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)の少なくとも一部の酸基が塩基(b)で中和された自己水分散性樹脂(A)の有機溶剤溶液に着色剤(B)が分散又は溶解した着色樹脂溶液と、水を必須成分とする水性媒体(C)とを混合して転相乳化を行い、着色剤(B)を該樹脂(A)で内包させた着色樹脂粒子を水性媒体(C)中に分散させ、次いで、得られた水性分散液から前記有機溶媒を除去することを特徴とするインクジェット記録用水性インクの製造方法を提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、印刷品質・耐水性・耐光性に優れた樹脂分散型水性インクの特長を殺すことなく、分散安定性に優れ、かつノズル目詰まりもなく、安定したインクジェット噴射特性を可能にする。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、着色剤(B)を水分散性樹脂(A)で内包させた着色樹脂粒子からなる着色マイクロカプセルが水を必須成分とする水性媒体中に分散したものである。
かかる水分散性樹脂(A)は、その酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)で、その少なくとも一部の酸基が塩基(b)、即ちアルカリ性の中和剤によって中和されたものである。
合成樹脂(a)の酸価が50未満の時は、得られた着色剤粒子の水分散安定性が十分ではなく、また酸価が280を越える場合には有機溶媒に溶解した水分散性樹脂の塩基による中和の際に凝集を生じ易く、また水に添加した際に一部の樹脂が溶解することによってノズル目詰まりを生じ易いことから、インクジェット記録用としては水分散性の樹脂の酸価は、50以上280以下の範囲で、好ましくは70〜250の範囲である。
合成樹脂(a)の酸基としては、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基等であって特に限定されるものではないが、このうちカルボキシル基は一般的であり、良好な自己水分散性樹脂を与える。
またこの合成樹脂(a)のガラス転移温度としては、50℃未満であっても記録紙への印刷後の文字の定着性は良好であるが、ノズル目詰まりや貯蔵安定性を更に高めることを考慮するとガラス転移温度が好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上のものがインクジェット記録用として好適である。
このような合成樹脂(a)としては、上記特性を満足していればどれでも良いが、スチレンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレン、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位を含む共重合体が好ましく、さらに好ましくは自己水分散性樹脂(A)の必須モノマー成分としてスチレンモノマー、アクリル酸モノマー、メタアクリル酸モノマーを用いてなる共重合体であり、特にこれら必須モノマー成分の構成比率がスチレンモノマー60〜90モル%、アクリル酸モノマー5〜15モル%、メタアクリル酸モノマー5〜25モル%である場合にはインクジェット記録用としてノズル目詰まりのない優れた着色樹脂粒子を可能とする。
前記樹脂(a)の分子量範囲についても特に制限はないが1000以上10万以下の分子量のものがより好ましい。勿論、かかる樹脂から得られた自己水分散性樹脂が水性媒体との組み合わせで安定な着色樹脂粒子を形成するものであれば、これらに特に限定されるものではなく、同時に2種類以上を混合して使用しても良い。
前記した合成樹脂(a)の酸基を塩基(b)によって中和する、即ちアルカリ性中和剤による中和は、水分散性樹脂が水に溶解しない程度に中和する必要があり、溶解しない程度であればアルカリ性中和剤を過剰に加えても良いが、合成樹脂(a)の酸基の60モル%以上を中和するのが好ましい。中和率が60モル%以上であると、得られる着色樹脂粒子は微粒でかつ分散安定性に優れている。
自己水分散性樹脂(A)の使用量は、本発明における効果を達成すれば特に規定されないが、最終的に得られる水性インキ中で0.5〜20重量%となるような量が好ましい。
塩基(b)(アルカリ性中和剤)としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質の他、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミンが使用可能であり、特にアルコールアミンの使用が好ましい。アルコールアミンであると、より着色樹脂粒子(B)の分散安定性に優れ、また水分や有機溶剤の蒸発に伴う粒子凝集によるノズル目詰まりが改良されたインクジェット記録用インクが得られる。
本発明で使用される酸基を有する合成樹脂(a)にかかる塩基(b)を添加して中和する方法としては、予め該樹脂の有機溶媒溶液に添加するか、該樹脂の有機溶媒溶液と水媒体とを混合する際に水媒体中に添加するか等の方法があるが、その採用については最も良い条件を選択すればよい。
本発明での着色剤は、カーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラ等の無機顔料やフタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料のほか、モノアゾ系、ジスアゾ系、金属錯塩系、アントラキノン系、トリアリルメタン系等の油性染料や分散染料等の染料が用いられるが、これらに限定されるものではない。これら着色剤の添加にあたっては、そのままでも溶液又は分散液の形態でもよい。これらの着色剤はマイクロカプセルを形成している樹脂の中に分散又は溶解する形で存在する。かかる着色剤の使用量は、本発明における効果を達成すれば特に規定されないが、最終的に得られる水性インキ中で0.5〜20重量%となるような量が好ましい。
本発明の自己水分散性樹脂としては、特開平3−221137号公報のような平均粒径が0.1μm以下の水準に自己分散する分散能を有する自己水分散性樹脂類を用いる必要はない。また、微小なマイクロカプセルを形成するために、本発明の水性インクには必ずしも界面活性剤の併用は必要としない。
本発明では、着色剤は水性媒体中に分散される前に予め自己水分散性樹脂を含む有機溶剤溶液中に分散または溶解せしめられるのが好ましい。即ち、有機溶媒の存在下に合成樹脂(a)、塩基(b)及び着色剤(B)を攪拌機や分散装置を用いてよく混合して、着色剤の溶解又は分散と合成樹脂の自己水分散化とを行った後、当該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することによって着色剤を含む自己水分散性樹脂溶液の小滴が水性媒体中に分散される。
本発明において好適な製造方法としては、一般にはミルベースと呼ばれる合成樹脂(a)を含む有機溶剤溶液中に、着色剤を分散又は溶解せしめておき、この着色ミルベースに更に塩基を混合溶解し、中和して自己分散性樹脂とし(第1段階)、その後、滴下等で水を必須成分とする水性媒体と混合して乳化させる、即ち転相乳化を行なう(第2段階)のがよい。この場合、水を必須成分とする水性媒体中に、自己水分散性樹脂を含む着色溶液を加えても良いが、逆に当該樹脂を含む着色溶液中に水性媒体を加えるほうが、均一な粒子径の水性分散液が得られる点で好ましい。必要によっては界面活性剤を併用して、強制的に乳化させて得ることもできる。しかしながら界面活性剤や保護コロイドは最終的に得られる粒子の物性を低下させる傾向があるので用いないことが好まれる。転相乳化法によれば、着色剤(B)が樹脂(A)に内包され、一体化した粒子が水性媒体中に分散されるので好ましい。
樹脂を溶解する際に用いられる有機溶媒としては、例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチルエステル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒、アミド類等樹脂を溶解させるものであれば使用可能であるが、樹脂成分がアクリル系樹脂の場合にはケトン系溶媒とアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが良い。かかる有機溶媒の使用量は、本発明における効果を達成すれば特に規定されないが、合成樹脂/該有機溶媒の重量比が1/1〜1/20となるような量が好ましい。
上記合成樹脂溶液には、添加剤として、必要に応じて分散剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を溶媒、樹脂、着色剤と共に用いても良い。上記着色樹脂溶液と混合される、水性媒体において用いる水は、主としてジェットインクとして用いるため、ノズル目詰まりを回避するためにイオン交換水以上のグレードの水が好ましい。またインクジェット記録用インクが乾燥するのを防止のためには、水溶性有機溶媒を乾燥防止剤として当該インク中に存在させておくのが好ましい。当該乾燥防止剤は、転相乳化時にあるいは乳化後に、水性媒体中に添加すれば良い。かかる乾燥防止剤としては、インクジェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を与えるものであり、通常水の沸点以上の沸点を有するものが使用される。このような乾燥防止剤としては、従来知られているエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類またはそれらのアルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類、アミド類、ジメチルスルホオキサイド、イミダゾリジノン等があり、これらに限定されるものではないが、特に本発明においてはグリセリンがメインの乾燥防止剤の場合に最も優れた乾燥防止効果を示す。乾燥防止剤の使用量は、種類によって異なるが、通常、水100重量部に対して1〜150重量部の範囲から適宜選択されるが、グリセリン及びそれに他の乾燥防止剤を併用したものを使用する場合には10〜50重量部が好適である。
また、上記水を必須とする水性媒体には、必要に応じてジェット噴射して付着したインクを紙によりよく浸透させるために、浸透性付与剤として浸透性付与効果を示す水溶性有機溶媒を加えてもよい。かかる浸透性付与剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコールエーテル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。浸透性付与剤の使用量は、本発明における効果を達成すれば特に規定されないが、最終的に得られる水性インキ中で0.1〜10重量%となるような量が好ましい。
本発明の水性インクには、必要に応じて水溶性樹脂、pH調整剤、分散・消泡・紙への浸透のための界面活性剤、防腐剤、キレート剤等の添加剤を加えることができる。これら添加剤は、予め水性媒体中に添加しても、着色剤を含む自己水分散性樹脂溶液と水性媒体とを混合するときに添加しても、また、それらの混合後に添加してもよいが、好ましくは最終ろ過後の添加剤の添加は避けたほうがよい。
本発明でのインクジェット記録用水性インクは、前記したように好ましくは転相乳化法によって得られる。即ち、第1段階として塩基(b)で中和された合成樹脂(a)を含む溶液に着色剤が分散または溶解した着色ミルベースを作成する。第2段階として、第1段階で得られた着色ミルベースを過剰量の水性媒体と混合させることにより、着色剤を内包する水分散性樹脂粒子を得るカプセル化工程を実施する。当該水性インクの製造にあたっては、第3段階として、インクジェット記録用水性インク中のカプセル粒子の分散安定性を高めるために、第1段階のミルベース工程で用いた有機溶媒を除去する脱溶媒工程を入れるのが好ましい。この脱溶媒工程において必要なら水を除去してもよい。また勿論、この第3段階の工程は場合によっては省くこともある。尚、第2または3段階の工程が終了した後、フィルターろ過や遠心分離等で大粒径粒子を除去する工程を行うことが好ましい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」は『重量部』を表わす。
(ミルベース例1)
カ−ボンブラック 20部
スチレンアクリル酸樹脂 20部
(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル=60/20/10/7/3;分子量2万・酸価55・ガラス転移温度68℃)
メチルエチルケトン 60部
ガラスビーズ 150部
の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 40部
を加えて内容物を取り出し、ミルベース溶液170部を得た。
(ミルベース例2)
カ−ボンブラック 20部
スチレンアクリル酸樹脂 20部
(スチレン/メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル=59/15/15/11;分子量4万・酸価100・ガラス転移温度60℃)
メチルエチルケトン 60部
ガラスビーズ 150部
の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、
メチルエチルケトン 30部
イソプロピルアルコール 40部
を加えて内容物を取り出し、ミルベース溶液170部を得た。
(ミルベース例3)
カ−ボンブラック 20部
スチレンアクリル酸樹脂 20部
(スチレン/アクリル酸/メタアクリル酸=65/10/25;分子量4万5千・酸価241・ガラス転移温度116℃)
メチルエチルケトン 50部
ガラスビーズ 150部
の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、
メチルエチルケトン 40部
イソプロピルアルコール 40部
を加えて内容物を取り出し、ミルベース溶液170部を得た。
(実施例1)ミルベース例1のミルベース170部にN−メチル−ジエタノールアミン2.1部(樹脂の中和率90%相当)を加えを攪拌しながら、グリセリン200部とイオン交換水600部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色マイクロカプセルを得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去し、最終の着色マイクロカプセル水分散物を得た。この水分散物を3μmフィルターを用いてろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。
得られた水性インク中のマイクロカプセルは0.23μmの平均粒子径を有しており、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示し、インクジェットプリンターを用いた印字は安定しており、得られた印刷物は滲みもなく、耐水耐光性に優れていた。
ミルベース例1からカ−ボンブラックを除いた樹脂溶液にN−メチルジエタノールアミンを中和率100%相当加え、同様にして水を滴下、樹脂の自己分散乳化液を得た結果、分散物の平均粒子径は0.51μmであった。
(実施例2)ミルベース例2のミルベース170部にN−メチル−ジエタノールアミン2.9部(樹脂の中和率68%相当)を加えを攪拌しながら、グリセリン200部とイオン交換水600部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色マイクロカプセルを得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去し、最終の着色マイクロカプセル水分散物を得た。この得られたマイクロカプセル水分散物にグリセリン200部を加え、攪拌後3μmフィルターを用いてろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。
得られた水性インク中のマイクロカプセルは0.21μmの平均粒子径を有しており、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示し、インクジェットプリンターを用いた印字は安定しており、得られた印刷物は滲みもなく、耐水耐光性に優れていた。
ミルベース例2からカ−ボンブラックを除いた樹脂溶液にN−メチルジエタノールアミンを中和率100%相当加え、同様にして水を滴下、樹脂の自己分散乳化液を得た結果、分散物の平均粒子径は0.52μmであった。
(実施例3)ミルベース例3のミルベース170部にトリエタノールアミン11.7部(樹脂の中和率100%相当)を加え、攪拌しながらグリセリン80部とイオン交換水300部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色マイクロカプセル前駆液(凝集分散物)を得た。得られたカプセル前駆液をガラスビーズを分散メディアとするペイントシェーカーを用いて1時間分散し、その後グリセリン80部とイオン交換水300部の混合液を毎分5mlの速度で滴下しカプセル液を得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去し、最終の着色マイクロカプセル水分散物を得た後、1.2μmフィルターを用いてろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。
得られた水性インク中のマイクロカプセルは0.10μmの平均粒子径を有しており、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を示し、インクジェットプリンターを用いた印字は安定しており、得られた印刷物は滲みもなく、耐水耐光性に優れていた。
(比較例1)特開平3−221137号公報の樹脂A−3(酸価:固形分相当40)を用いた実施例6(トリエチルアミン中和率48.5%)のマイクロカプセル水分散物にグリセリン60部を加え、攪拌した後3μmフィルターを用いてろ過を行い、インクジェット記録用インクとした。得られた水性インク中のマイクロカプセルは0.7μmの平均粒子径を有しており、長期の保管では容器の底に目視可能な凝集物が存在しており、インクジェットプリンターを用いた印字は不安定であった。
(比較例2)ミルベース例3の樹脂の代わりにスチレンモノマー/アクリル酸モノマー/メタアクリル酸モノマー=55/15/30;酸価310・ガラス転移温度119℃のスチレンアクリル樹脂を用いて、ミルベース化し、このミルベース170部にトリエタノールアミン16.5部(樹脂の中和率100%相当)を加えた、実施例3と同様の方法でカプセル化を試みたが、行程の途中で凝集して微粒径で安定したマイクロカプセルは得られなかった。

Claims (10)

  1. 酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)の少なくとも一部の酸基が塩基(b)で中和されてなる自己水分散性樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂粒子が、水を必須成分とする水性媒体中に分散していることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 合成樹脂(a)が、ガラス転移温度50℃以上の樹脂である請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 合成樹脂(a)の酸基の60モル%以上が塩基(b)で中和されている自己水分散性樹脂(A)である請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 合成樹脂(a)が、スチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸との共重合体である請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 合成樹脂(a)の必須モノマー成分が、スチレンモノマー、アクリル酸モノマー、メタアクリル酸モノマーである請求項4記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 合成樹脂(a)の必須モノマー成分構成比率がスチレンモノマー60〜90モル%、アクリル酸モノマー5〜15モル%、メタアクリル酸モノマー5〜25モル%である請求項5記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. 塩基(b)が、アルコールアミンである請求項1、2又は3記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. さらに乾燥防止剤としての水溶性有機溶媒を含有する請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. 乾燥防止剤としての水溶性有機溶媒がグリセリンである請求項8記載のインクジェット記録用水性インク。
  10. 酸価が50以上280以下の合成樹脂(a)の少なくとも一部の酸基が塩基(b)で中和された自己水分散性樹脂(A)の有機溶剤溶液に着色剤(B)が分散又は溶解した着色樹脂溶液と、水を必須成分とする水性媒体(C)とを混合して転相乳化を行い、着色剤(B)を該樹脂(A)で内包させた着色樹脂粒子を水性媒体(C)中に分散させ、次いで、得られた水性分散液から前記有機溶媒を除去することを特徴とするインクジェット記録用水性インクの製造方法。
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