JP2007234782A - 複合回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに重なりを有して一対の回路基板を半田接合するに当たり、十分な接合強度を実現することが可能な複合回路基板を提供すること。
【解決手段】第1の回路基板1に備えられる第1ランド11と、第2の回路基板2に備えられ、第1ランド11の一部と対向して半田接合される第2ランド21とを備えており、第1ランド11と第2ランド21とが半田接合されて複合回路基板3が構成される。第1ランド11のうち第2ランド21に対向しない非対向領域R1乃至R4には半田フィレットが形成され、半田の接合強度を向上させることができる。
【選択図】図4
【解決手段】第1の回路基板1に備えられる第1ランド11と、第2の回路基板2に備えられ、第1ランド11の一部と対向して半田接合される第2ランド21とを備えており、第1ランド11と第2ランド21とが半田接合されて複合回路基板3が構成される。第1ランド11のうち第2ランド21に対向しない非対向領域R1乃至R4には半田フィレットが形成され、半田の接合強度を向上させることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、回路基板が重ねあわされて接続される複合回路基板に関するものであり、特に、一対の回路基板の各々に備えられているランドを対向させて半田接合により接続される複合回路基板に関するものである。
特許文献1に開示されているプリント配線板では、図11に示すように、第1のプリント配線板11と第2のプリント配線板12とは同じ構造を有している。第1のパッド群11a、12aと、第1のパッド群11a、12aよりも先端部側に形成された第2のパッド群11b、12bとを備えている。第1のプリント配線板11と第2のプリント配線板12とは、第1のパッド群11aと第2のパッド群12b、および第2のパッド群11bと第1のパッド群12aとが対向して半田接合される。このとき、第1のパッド群11aは、破線で囲まれる領域として示すように、配線の引き出し方向の端部で第2のプリント配線板12で覆い隠されない位置まで形成されている。裏面には、同様に、第1のパッド群12aが、配線の引き出し方向の端部で第1のプリント配線板11で覆い隠されない位置まで形成されている。
特許文献1は、第1のパッド群11a、12aの端部がプリント配線板に覆い隠されないため、第1のパッド群11a、12aの端部に形成される半田フィレットを視認して半田接合の良否を確認することができ、また、この半田フィレットにより配線の引き出し方向への接合強度の向上を図るものではある。
しかしながら、半田フィレットは、配線の引き出し方向のみに形成されるため、引き出し方向とは異なる方向への接合強度を十分とすることができないおそれがあり問題である。
本発明は前記背景技術の課題に鑑みなされたものであり、互いに重なりを有して一対の回路基板を半田接合するに当たり、半田接合の良否を視認容易とすることができると共に、十分な接合強度を実現することが可能な複合回路基板を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る複合回路基板は、互いに重なりを有して接続される一対の回路基板を備える複合回路基板であって、第1の回路基板に備えられる第1ランドと、第2の回路基板に備えられ、少なくとも一部が第1ランドの一部と対向して半田接合される第2ランドとを備え、第1ランドは、第2の回路基板が重ねられている領域において、第2ランドに対向しない非対向領域を有することを特徴とする。
請求項1の複合回路基板では、第1の回路基板と第2の回路基板とが重なりを有して接続されている。第1の回路基板に備えられる第1ランドは、その一部が第2の回路基板に備えられる第2ランドの少なくとも一部と対向して半田接合されている。また、第2の回路基板が重ねられている領域において、第2ランドに対向しない非対向領域を有している。
これにより、第1および第2の回路基板を重ね合わせて半田接合する際、各々の回路基板に備えられている第1および第2ランドが対向して半田接合される。このとき、第1ランドには、第2の回路基板が重ねられている領域において、第2ランドと対向する領域からの広がりを有して第2ランドと対向しない非対向領域が存在する。このため、半田接合の際、この非対向領域に半田フィレットが形成され、第1および第2ランド間の半田接合の接合強度を向上させることができる。
ここで、第2ランドの一部が第1ランドと対向する場合には、第2ランドにも、第1ランドと対向する領域からの広がりを有して第1ランドと対向しない領域が存在する。半田接合の際、この領域にも半田フィレットが形成される。第1ランドの非対向領域の半田フィレットとあわせて、第1および第2ランド間の半田接合の接合強度を更に向上させることができる。
また、請求項2に係る複合回路基板は、請求項1に記載の複合回路基板において、非対向領域は、第1ランドの少なくとも2方向の端部にあることを特徴とする。
請求項2の複合回路基板では、第1ランドと第2ランドとを半田接合した際、第1ランドの少なくとも2方向の端部に非対向領域が存在し、これらに半田フィレットが形成される。少なくとも2方向に半田フィレットが形成されることにより、少なくとも2方向で半田接合の接合強度を向上させることができる。
また、請求項3に係る複合回路基板は、請求項2に記載の複合回路基板において、第1ランドは、第2ランドを包含することを特徴とする。
これにより、第2ランドは第1ランドに包含されて半田接合されるので、第1ランドの周縁に非対向領域が形成され、半田フィレットが形成される。何れの方向に対しても半田接合の接合強度を向上させることができる。
また、請求項4に係る複合回路基板は、請求項2に記載の複合回路基板において、第1ランドは多角形形状であり、非対向領域は、少なくとも相異なる2方向の端辺にあることを特徴とする。
これにより、第1ランドにおける多角形形状の端辺のうち、異なる方向の少なくとも2つの端辺に非対向領域が形成されるので、相異なる少なくとも2方向に半田フィレットが形成される。相異なる少なくとも2方向への半田接合強度が向上する。
また、請求項5に係る複合回路基板は、請求項2に記載の複合回路基板において、第1ランドは多角形形状であり、互いに隣接して複数配置されてなり、非対向領域は、第1ランドの配置領域の外縁のうち、相異なる少なくとも2方向の端辺に配置されている第1ランドの端部にあることを特徴とする。
請求項5の複合回路基板では、多角形形状の第1ランドが、第1の回路基板に互いに隣接して複数配置されている。複数配置されている第1ランドの配置領域の外縁のうち、相異なる少なくとも2方向の端辺を構成する第1ランドの端部に非対向領域がある。
これにより、個々の第1ランドに非対向領域を備えていなくとも、複数の第1ランドが隣接して配置されている配置領域について、外縁の相異なる少なくとも2方向にある第1ランドの端部に非対向領域を備えて半田フィレットが形成される。配置領域の内方にある第1ランドは非対向領域を備えず、第1ランドの配置ピッチを狭ピッチとすることができる。加えて、配置領域の外縁については、相異なる少なくとも2方向にある第1ランドの端部に半田フィレットが形成されるので、少なくとも2方向への半田接合強度が強化される。第1ランドの配置密度と半田接合強度とを、共に向上させることができる。
また、請求項6に係る複合回路基板は、請求項1に記載の複合回路基板において、第1または第2の回路基板の少なくとも一方は、第1または第2の回路基板に備えられる第1または第2ランドに連続して半田濡れ性の良好な側壁を有し、開孔の少なくとも一部領域が、第1または第2の回路基板の他方に備えられる第1または第2ランドに対向する貫通孔を更に備えることを特徴とする。
請求項6の複合回路基板では、第1または第2の回路基板の少なくとも一方には貫通孔が備えられている。この貫通孔は、第1または第2の回路基板に備えられる前記第1または第2ランドに連続して半田濡れ性の良好な側壁を有しており、また開孔の少なくとも一部領域が、第1または第2の回路基板の他方に備えられる第1または第2ランドに対向する。
これにより、第1ランドと第2ランドとを半田接合する際、貫通孔の側壁も接合される。貫通孔の側壁から孔の中心に向かって延びる半田フィレットにより、側壁に向かうあらゆる方向に対して半田接合の接合強度を強化することができる。何れの方向に対しても半田接合の接合強度を向上させることができる。また、貫通孔に形成される半田フィレットが容易に視認できるので、第2の回路基板が重ねられた状態で半田接合の状態を容易に確認することができる。
ここで、貫通孔は、第1または第2の回路基板の何れに備えられていても良い。更に、第1の回路基板と第2の回路基板との双方に備えられていてもよい。第1の回路基板に備えられていれば、第2の回路基板に重ねられた第1の回路基板側から半田フィレットを視認することができる。第2の回路基板に備えられていれば、第1の回路基板に重ねられた第2の回路基板側から半田フィレットを視認することができる。第1および第2の回路基板に備えられていれば、何れの側からも視認することができる。尚、貫通孔が、第1および第2の回路基板の双方に備えられる場合には、各々の貫通孔は、第1および第2ランドを対向させた状態において、位置をずらして開孔されていることが好ましい。
本発明によれば、互いに重なりを有する第1および第2の回路基板が半田接合された複合回路基板について、各々の回路基板にある第1および第2ランドの間で半田接合するに当たり、第1および第2ランドの対向する領域を越えて第1および第2ランドが対向しない非対向領域を設けることにより、非対向領域に半田フィレットを形成して半田接合における接合強度を強化することができる複合回路基板を提供することが可能となる。
以下、本発明の複合回路基板について具体化した実施形態を図1乃至図10に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3に示す本発明の第1実施形態の複合回路基板3は、図1に示す第1の回路基板1と、図2に示す第2の回路基板2とが、重なりを有して接続されたものである。第1の回路基板1には、コンデンサや抵抗等の受動素子、ダイオードやトランジスタ等の能動素子等の様々な回路部品が実装されている。これらの回路部品は、半田接合、圧着、ねじ止めなど、様々な方法により第1の回路基板1に実装される。更に、半田接合の場合には、基板の開孔に回路部品のリード端子を挿入して孔内に半田を充填して接合する接合方法のほか、近年では、高密度実装の要請から、表面実装技術により基板表面に半田接合される接合方法が多用されている。
第2の回路基板2は、第1の回路基板1と同様に、回路部品が実装された基板である場合のほか、配線パターンが形成されて、第1の回路基板1と不図示の回路基板やその他の装置との間を接続するプリント配線基板等であることが考えられる。ここで、配線パターンが形成されているプリント配線基板とは、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)基板等がある。以下の説明では、表面実装技術を利用して第1の回路基板1と第2の回路基板2とを半田接合する場合について説明する。
第1の回路基板1と第2の回路基板2とが、表面実装技術により半田接合される場合、両基板は、半田を介して半田濡れ性の良好な金属部が接合されることとなる。この金属部をランドと称する。第1の回路基板1には第1ランド11が備えられており、第2の回路基板2には第2ランド21が備えられている。第1および第2ランド11、21は、第1および第2の回路基板1、2に形成された金属配線に直結されて形成されている。一般的に、回路基板は、実装された金属配線の保護等のため、表面に絶縁物でコーティングされた保護膜が形成されていることが一般的である。第1および第2ランド11、21は、保護膜15、25(後述の図5、図6、図10において図示)を除去して金属配線を露出して形成されている。
例えば、図1に示す第1の回路基板1においては、金属配線13上の保護膜15が一部除去されて、一辺長L1の正方形形状の第1ランド11が形成されている。図2に示す第2の回路基板2においては、金属配線23の端部で保護膜25が一部除去され、一辺長L2の正方形形状の第2ランド21が形成されている。ここで、一辺長L1は一辺長L2に比して長いとする(L1>L2)。
尚、第1の回路基板1については、金属配線13の配線パターンは不図示である。第1の回路基板1の配線パターンは、基板表面にあって保護膜直下に形成されることのほか、多層回路基板である場合、裏面または/および内層に配線される場合も考えられる。
複合回路基板3では、7本の配線が第1の回路基板1と第2の回路基板2との間で連結される。第1の回路基板1と第2の回路基板2との半田接合によりこれらの配線を連結させるため、第1ランド11と第2ランド21とは配線ごとに備えられる。第1ランド11および第2ランド21は、共に同一のピッチPで列状に配置されている。
半田接合の際、第1の回路基板1と第2の回路基板2との位置あわせは、不図示のあわせマーク等を利用して行なわれる。例えば、列状に配置されているランド列の両端の第1および第2ランド11、21において位置合わせが行なわれる。ここで、第1の回路基板1と第2の回路基板2とを半田接合する際、第1ランド11と第2ランド21とを対向させる必要がある。一方の端部に配置されている第1ランド11の外方の端辺の中点A11と、他方の端部に配置されている第2ランド21の内方の端辺の中点A21とが位置合わせされる。更に、他方の端部に配置されている第1ランド11の外方の端辺の中点A12と、一方の端部に配置されている第2ランド21の内方の端辺の中点A22とが位置合わせされる。これにより、第1ランドの外方端辺と第2ランドの内方端辺とが一致すると共に、各々の端辺の中点が一致して、第1ランド11と第2ランド21とが対向する。
ここで、第1および第2ランド11、12の各々の一辺長L1、L2は、L1>L2である。第2の回路基板2の第2ランド21の外方端部から第2に回路基板2の端部Eまでの距離E1をL1−L2に比して短いと仮定する。この場合、第1ランド11の外方端辺と第2ランド21の内方端辺とを一致させた複合回路基板3では、重ねられた第2の回路基板2の端部Eを越えて、第1ランド11の内方端部が飛び出した状態となる。飛び出しの長さは、L1−L2−E1である。第1ランド11の一部を直接視認することができる。
複合回路基板3において、第1ランド11と第2ランド21とが対向している様子を図4に示す。(Y’)側が複合回路基板3における第1の回路基板1の外方端側であり、第2の回路基板2は端部Eから(Y’)側に向かって配置されている。図4では、第1の回路基板1と第2の回路基板2とが重ねられた状態で、第1ランド11と第2ランド21とが対向している状態を示す図である。
第1ランド11と第2ランド21とは、(Y’)側で端辺とその中点とが一致して対向している。第1ランド11の一辺長L1は第2ランド21の一辺長L2に比して長いので、(Y)、(X)、および(X’)側では、第1ランド11のうち第2ランド21に対向しない非対向領域R1乃至R4が存在する。
非対向領域R1およびR2は、(Y)側に存在する領域である。このうち、非対向領域R1は第2の回路基板2の端部Eを越えて外方に広がる領域である。複合回路基板3において第2の回路基板2が重ならない領域である。(Y’)側から(Y)側に広がる幅W1はL1−L2−E1である。また、非対向領域R2は第2の回路基板2の端部Eから(Y’)側にある。複合回路基板3において第2の回路基板2が重なる領域である。(Y’)側から(Y)側に広がる幅W2はE1である。
非対向領域R3およびR4は、各々、(X)側および(X’)側に存在する領域である。第1ランド11と第2ランド21とが端辺の中点を一致させて重ねられているので、非対向領域R3およびR4は、左右対称の関係に立つ。共に第2の回路基板2が重なる領域にある。(X)−(X’)方向に広がる幅W3、W4は、共に(L1−L2)/2である。
第1ランド11と第2ランド21とが半田接合される際、各々のランドは半田濡れ性が良好であるので、溶融された半田は、第1ランド11と第2ランド21とが対向する領域から、なだらかな傾斜を有して非対向領域R1乃至R4にも広がる。これにより、第1および第2ランド11、21の対向面を接合する半田接合に連続して、(X)、(X’)、および(Y)側の3方向に半田フィレットが形成される。(X)−(X’)および(Y)−(Y’)の各方向への応力に対して半田強度を向上させることができる。
また、非対向領域R1乃至R4のうちの一部である非対向領域R1は第2の回路基板2が重ねられておらず、半田フィレットの状態を直接視認することができる。第1および第2ランド11、21の半田接合の状態を容易に確認することができる。特に、非対向領域R1は、非対向領域R1乃至R4のうち、第1および第2ランド11、21の対向面から最遠点にある領域である。最遠点にある非対向領域R1において半田フィレットの状態を確認することができる。より確実に半田接合の状態を確認することができる。
第1および第2ランド11、21の半田接合の状態を示す断面図を図5、図6に示す。図5が図4における(X)−(X’)断面であり、図6が図4における(Y)−(Y’)断面である。
基台17、27上に金属配線13、23により配線が形成され、その上に保護膜15、25がコーティングされた第1および第2の回路基板1、2は、第1および第2ランド11、21で保護膜が除去されて金属配線13、23が露出している。金属配線13、23が露出した第1および第2ランド11、21は、半田31を介して金属配線13、23が接合されている。半田31は、対向領域にとどまらず、第1ランド11の非対向領域R1乃至R4に広がる。非対向領域R1乃至R4では、対向する金属配線などが無いため、半田形状はなだらかな傾きを有する半田フィレット形状となる。(X)−(X’)方向には、図5に示すように、非対向領域R3、R4に左右対称に半田フィレットが形成されている。
(Y)−(Y’)方向には、図6に示すように、非対向領域R1、R2に跨って半田フィレットが形成されている。このうち、非対向領域R1は第2の回路基板2が重ねられていないので、半田フィレットを確認することができる。
図7に示す第1実施形態の変形例では、第2ランド21は第1実施形態と同様である。第1の回路基板1において、正方形形状の第1ランド11に代えて、台形形状の第1ランド11A1、11A2が備えられている。ここで、第1ランド11A1は、第1ランド11の一辺長L1と同じ長さを有する下底と、第2ランド21の一辺長L2と同じ長さを有する上底とを備えている。第1の回路基板1では、ランドごとに上底および下底が交互に入れ替わって、第1ランド11A1、11A2が配置されている。
非対向領域R1A1乃至R4A1、R1A2乃至R4A2は、第1ランド11の非対向領域R1乃至R4(図4)と同様に、第1ランド11A1、11A2と第2ランド21との位置合わせの辺から、縦横の3方向に広がっている。非対向領域R1A1、R1A2は、非対向領域R1と同様に第2の回路基板2の端部Eを越えて外方に広がる領域である。複合回路基板3において第2の回路基板2が重ならない領域である。非対向領域R2A1、R2A2は、端部Eから第2の回路基板2側にある領域である。複合回路基板3において第2の回路基板2が重なる領域である。非対向領域R3A1、R3A2およびR4A1、R4A2は、対向領域の両側に左右対称にある領域である。複合回路基板3において第2の回路基板2が重なる領域である。
各非対向領域R1A1乃至R4A1、R1A2乃至R4A2の形状は、第1ランド11A1、11A2の台形形状に合わせた形状である。非対向領域R1A1、R2A1は、第1ランド11A1の下底(一辺長L1)に向かって拡幅される台形形状であり、非対向領域R3A1、R4A1は、第1ランド11A1の下底(一辺長L1)に向かって拡幅される三角形形状である。また、非対向領域R1A2、R2A2は、第1ランド11A2の上底(一辺長L2)に向かって縮幅される台形形状であり、非対向領域R3A2、R4A2は、第1ランド11A2の上底(一辺長L2)に向かって縮幅される三角形形状である。
一辺長L1の下底を有する台形形状の第1ランド11A1を、交互にひっくり返して隣接させる変形例(図7)によれば、第1の回路基板1の配線方向および幅方向に半田フィレットが形成されて半田接合の接合強度が向上すると共に、その一部が視認容易であることにより半田接合の良否を容易に判断できるという第1実施形態(図4)の作用・効果を奏することができる。加えて、上底と下底とを交互に入れ替えて台形形状の第1ランド11A1、11A2を隣接配置することにより、正方形形状の第1ランド11が配置される場合の配置ピッチPに比して、配置ピッチPAを狭めることができる。1ピッチあたり短縮長は、PA−P=(L1−L2)/2である。
図8に示す第2実施形態では、第2ランド21は第1実施形態と同様である。第1ランドが一列に列状に配置されて第1ランド列を構成する第1の回路基板1において、第1ランドが隣接する端辺については非対向領域を備えない形状を有している。具体的には、第1ランド列の両端にある第1ランド11B1、11B3では、内方の端辺には非対向領域が備えられていない。列状方向の幅は一辺長L3である。ここで、L3=L1−(L1−L2)/2である。第1ランド列の中間位置にある第1ランド11B2では、第1ランド11B2が隣接する両側の端辺において非対向領域が備えられていない。列状方向の幅は第2ランド21と同じ一辺長L2である。
これにより、第2の回路基板2の端部Eを挟んで備えられる非対向領域R1B1、R2B1、R1B2、R2B2は、第1実施形態の場合と同様に、各々の第1ランド11B1、11B2、11B3に備えられている。これに対して、非対向領域R3B、R4Bは、第1ランド列の両端部に配置されている。一方の端部にある第1ランド11B1の外方端部に向かっては非対向領域R3Bが備えられている。他方の端部にある第1ランド11B3の外方端部に向かっては非対向領域R4Bが備えられている。
第2の回路基板2の配線方向に対しては、第1実施形態の場合と同様に、第1ランド11B1乃至11B3ごとに非対向領域R1B1、R2B1、R1B2、R2B2に半田フィレットが形成される。半田接合の接合強度が向上する。また、非対向領域R1B1、R1B2の半田フィレットが視認容易であることにより半田接合の良否を容易に判断できる。
また、第2の回路基板2の幅方向については、第1ランド11B1乃至11B3ごとには半田フィレットは形成されないものの、第1ランド列の両端部にある非対向領域R3B、R4Bに形成される半田フィレットにより、幅方向の半田接合強度を確保することができる。
第2実施形態では、隣接する第1ランド間に非対向領域を備えないので、第1ランドの配置ピッチPBを、第1実施形態のピッチPおよび変形例のピッチPAに対して短縮することができる。1ピッチあたり短縮長は、第1実施形態に対しては、PB−P=L1−L2であり、変形例に対しては、PB−PA=(L1−L2)/2である。
これにより、第1実施形態の場合と同様に、第2の回路基板2の配線方向および幅方向に半田フィレットが形成されて半田接合の接合強度が向上する。加えて、第1および第2ランド11B1乃至11B3、21の配置ピッチPBを、第1実施形態および変形例に比して更に狭めることができる。
図9は第3実施形態である。(A)として第2の回路基板2の第2ランド21Aを示し、(B)として第2ランド21Aの裏面を示す。第2ランド21A内に第2の回路基板2を貫く貫通孔H1を備えている。貫通孔H1は、その側壁および裏面の開孔外周縁29に、半田濡れ性の良好な金属部材が備えられている。
図10に、第2ランド21Aを第1ランドに対向させて半田接合した場合の断面図を示す。ここでは、第1ランドの一辺長は第2ランド21Aと同じであるとする。
第1および第2ランドを対向させて半田接合すると、対向するランドの間に半田31が充填されると共に第2ランド21Aの貫通孔H1内にも半田が充填される。更に、半田31は、裏面の開孔外周縁29まで到達する。貫通孔31の側壁および裏面の開孔外周縁29は半田濡れ性の良好な金属部材で構成されているので、充填された半田31は、第1および第2ランドと共に、貫通孔H1の側壁および裏面の開孔外周縁29に接合される。
これにより、第1および第2ランドと貫通孔H1の側壁との間で半田接合されて、貫通孔H1の側壁のあらゆる方向に対しても半田の接合強度を確保することができる。同時に、貫通孔H1は第2の回路基板2を貫く開孔であり、この領域が非対向領域になる。貫通孔H1により半田接合の状態を容易に視認することができる。
以上、詳細に説明したように本実施形態によれば、第1および第2の回路基板1、2を重ね合わせて半田接合する際、各々の回路基板に備えられている第1ランド11、11A1乃至11A2、11B1乃至11B3、および第2ランド21、21Aが対向して半田接合される。このとき、第1ランド11、11A1乃至11A2、11B1乃至11B3には、第2ランド21、21Aと対向する領域からの広がりを有して第2ランド21,21Aと対向しない非対向領域R1乃至R4、R1A1乃至R4A1、R1A2乃至R4A2、R1B1乃至R2B1、R1B2乃至R2B2、R3B、R4B、および貫通孔H1による開孔部分が存在する。このため、半田接合の際、この非対向領域に半田フィレットが形成され、第1および第2ランド間の半田接合の接合強度を向上させることができる。
加えて、非対向領域の少なくとも一部の領域は第2の回路基板2が重ねられていないので、半田接合の際、半田フィレットを容易に視認することができる。半田接合の状態を容易に確認することができる。
また、第1実施形態の変形例(図4)によれば、第1ランド11A1、11A2が台形形状を有しており、第1の回路基板1において隣接する第1ランドごとに上底と下底とが反転して配置されているので、正方形形状の第1ランド11を隣接配置する場合の配置ピッチPに比して、配置ピッチPAを狭ピッチとすることができる。
また、第2実施形態(図8)では、一列に列状に配置される第1ランド11B1乃至11B3のうち隣接する端辺については非対向領域を備えず、第1ランド列の外周縁に非対向領域を備えて第1ランド列の全体で接合強度を確保する。これにより、更に第1ランド11B1乃至11B3の配置ピッチPBを更に狭ピッチとすることができる。
更に、第3実施形態に示したように、貫通孔H1が開孔された第2ランド21Aを用いれば、半田接合の状態を容易に確認することができると共に、貫通孔H1の側壁に半田接合されるため、あらゆる方向に対して半田接合を強化することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態においては、第2の回路基板2としてFPC基板を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の回路基板2についても第1の回路基板1と同様の基板とすることができる。また、第1および第2の回路基板1,2を、共にFPC基板等のプリント配線基板とすることもできる。
また、ランド形状として、正方形形状(第1ランド11、第2ランド21)、台形形状(第1ランド11A1、11A2)、および矩形形状(第1ランド11B1乃至11B3)について説明したが、形状についてはこれ以外の形状についても同様の作用・効果を奏することは言うまでもない。更に、第2ランド21Aに備えられる貫通孔H1についても、第1および第2の回路基板1、2を半田接合するという第2ランドの基本機能が失われない範囲で、その大きさ、数について様々な変形が可能であることはいうまでもない。
1 第1の回路基板
2 第2の回路基板
3 複合回路基板
11、11A1、11A2、11B1乃至11B3 第1ランド
13、23 金属配線
15、25 保護膜
17、27 基台
21、21A 第2ランド
29 開孔外周縁
31 半田
E 第2の回路基板2の端部
H1 貫通孔
R1乃至R4、R1A1乃至R4A1、R1A2乃至R4A2、R1B1、R2B1、R1B2、R2B2、R3B、R4B 非対向領域
2 第2の回路基板
3 複合回路基板
11、11A1、11A2、11B1乃至11B3 第1ランド
13、23 金属配線
15、25 保護膜
17、27 基台
21、21A 第2ランド
29 開孔外周縁
31 半田
E 第2の回路基板2の端部
H1 貫通孔
R1乃至R4、R1A1乃至R4A1、R1A2乃至R4A2、R1B1、R2B1、R1B2、R2B2、R3B、R4B 非対向領域
Claims (6)
- 互いに重なりを有して接続される一対の回路基板を備える複合回路基板であって、
第1の回路基板に備えられる第1ランドと、
第2の回路基板に備えられ、少なくとも一部が前記第1ランドの一部と対向して半田接合される第2ランドとを備え、
前記第1ランドは、前記第2の回路基板が重ねられている領域において、前記第2ランドに対向しない非対向領域を有することを特徴とする複合回路基板。 - 前記非対向領域は、前記第1ランドの少なくとも2方向の端部にあることを特徴とする請求項1に記載の複合回路基板。
- 前記第1ランドは、前記第2ランドを包含することを特徴とする請求項2に記載の複合回路基板。
- 前記第1ランドは多角形形状であり、
前記非対向領域は、相異なる少なくとも2方向の端辺にあることを特徴とする請求項2に記載の複合回路基板。 - 前記第1ランドは多角形形状であり、互いに隣接して複数配置されてなり、
前記非対向領域は、前記第1ランドの配置領域の外縁のうち、相異なる少なくとも2方向の端辺に配置されている前記第1ランドの端部にあることを特徴とする請求項2に記載の複合回路基板。 - 前記第1または第2の回路基板の少なくとも一方は、該第1または第2の回路基板に備えられる前記第1または第2ランドに連続して半田濡れ性の良好な側壁を有し、開孔の少なくとも一部領域が、前記第1または第2の回路基板の他方に備えられる前記第1または第2ランドに対向する貫通孔を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の複合回路基板。
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