JP5192984B2 - チップ部品の実装方法及びチップ部品を搭載した基板モジュール - Google Patents
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第1に本発明は、回路基板の実装面上に実装されるチップ部品の実装方法であって、以下の工程を有するものである。
この工程1では、実装面上で互いに近接した第1及び第2の実装位置にそれぞれ実装される予定の第1及び第2のチップ部品とともに、第1及び第2の実装位置の両方に近接した第3の実装位置に実装される予定の第3のチップ部品をそれぞれ用意する。
工程2では、回路基板を用意する。ここで用意する回路基板には、第1及び第2のチップ部品それぞれの両端部に形成された電極の配置に合わせて、予め第1及び第2の実装位置で個々の電極を半田付けするための複数のランド部が形成されるとともに、第3の実装位置を含むランド部の周囲が絶縁層で被覆されている。
工程3では、第1及び第2の実装位置で複数のランド部内にそれぞれクリーム半田を塗布するとともに、その中で第3の実装位置に近接した2箇所のランド部からそれぞれ絶縁層を跨いで第3の実装位置までクリーム半田を延長して塗布する。なお、絶縁層がランド部から間隔をおいて周囲(外側)に設けられている場合は、ランド部から外側の回路基板の上面をこえて絶縁層を跨ぐようにクリーム半田を塗布すればよい。
工程4では、第1から第3のチップ部品をそれぞれ対応する第1から第3の実装位置に配置し、第1及び第2のチップ部品についてはランド部内に塗布されたクリーム半田上にそれぞれの電極を位置付け、第3のチップ部品についてはその両端部に形成された2つの電極を2箇所のランド部から第3の実装位置まで延長して塗布されたクリーム半田上にそれぞれ位置付ける。
工程5では、回路基板をリフロー処理することで、第1及び第2のチップ部品についてはそれぞれの電極をランド部に半田付けし、第3のチップ部品についてはその両端部に形成された2つの電極の一方を第1のチップ部品の1つの電極に半田付けするとともに、他方の電極を第2のチップ部品の1つの電極に半田付けする。
図1は、完成状態で第1実施形態の基板モジュール10を構成する回路基板12を部分的に拡大して示した平面図である。この段階では、回路基板12の実装面(図示の表面)上には未だチップ部品が実装されていない。そこで先ず、実装方法の手順について説明する。
例えば実装方法の工程1において、回路基板12に実装する予定のチップ部品(図1には示されていない)を別途用意する。チップ部品を何個必要とするかは、最終的に完成させる基板モジュール10の回路構成によって異なるが、ここでは少なくとも3個のチップ部品を用意するものとする。なお、チップ部品がいかなる種類の電子部品(コンデンサ、抵抗、コイル、半導体等)であるかは特に限定されない。
用意した3個のチップ部品は、図1中の二点鎖線で示されるように回路基板12の実装面上で互いに近接した実装位置P1,P2,P3に実装される。全体的にみると実装位置P1,P2は互いに近接しており、さらに実装位置P3はその他の実装位置P1,P2の両方に近接している。なお、実装位置P1,P2,P3が実際にどの程度近接しているかは、回路基板12上の他の実装部品との関係から相対的に判断されるものであり、何らかの基準(例えば何mm以下である等)があるわけではない。
図1に示される実装位置P1,P2,P3は、それぞれチップ部品の外形を実装面上に投影したときの実装範囲に相当する。すなわち、回路基板12に実装される予定のチップ部品は、いずれも実装面上で矩形状の実装範囲を占める形状を有している。また各チップ部品には、その長手方向でみた両端部(例えば両端面及び両端近傍の上下面と両側面)に電極が形成されている。
さらに、2つの実装位置P1,P2と残る1つの実装位置P3とでは、そこに実装されるチップ部品の外形の大きさが異なる。すなわち、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品に比較して、実装位置P3に実装されるチップ部品の外形(サイズ)は小さい。また実装位置P3では、回路基板12の縁辺に対して斜め方向(例えば40度〜50度)にチップ部品が実装されるものとなっている。
次に実装方法の工程2では、上記の回路基板12を用意する。回路基板12には、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品の電極の配置に合わせて、予め適切な位置にランド部14,15,17,19が形成されている。
図2は、実装方法の工程3における作業例を示す平面図である。工程3では、回路基板12の実装面上にクリーム半田S1,S2を塗布する。クリーム半田S1,S2は、例えば図示しないメタルマスクを回路基板12上に設置した状態で、スキージングの手法により印刷することができる。図示しないメタルマスクには、予めクリーム半田S1,S2の塗布範囲に合わせて開口が形成されている。
図3は、実装方法の工程4における作業例を示す平面図である。この工程4では、用意した3つのチップ部品20,22,24をそれぞれ対応する実装位置P1,P2,P3に配置する。
図4は、実装方法の工程5を経て半田付けが完了した状態を示す平面図である。実装方法の工程5では、上記のようにチップ部品20,22,24を配置した状態で、回路基板12のリフロー処理を行う。
これにより、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品20,22については、それぞれの電極20a,20b,22a,22bがそれぞれ対応するランド部15,14,19,17(符号順で対応)に半田付けされる。
これに対し、実装位置P3に実装されるチップ部品24については、電極24a,24bがランド部15,17の上に位置しておらず、その大部分はもともとレジスト膜18上に位置していたものである。このため、リフロー時にクリーム半田S2が溶融すると、そのほとんどはレジスト膜18上から流れ去り、ランド部15,17や電極20a,24a,22b,24bの金属表面に付着(いわゆる塗れ上がり)する。これにより、チップ部品24については、その電極24a,24bが隣接するチップ部品20,22の一方の電極20a,22bに半田付けされることになる。
この後、例えば回路基板12の洗浄処理及び乾燥処理を行い、残留フラックスを除去すると、基板モジュール10の完成品が得られる。なお、基板モジュール10はさらにダイシング加工されるものであってもよいし、さらに他の基板に接続されるものであってもよい。
図5は、基板モジュール10の構造例を示す縦断面図(図4中のV−V断面)である。上記のように、凝固した半田(図中符号S2)はレジスト膜18上からは退避し、ランド部15の表面や電極20a,24aの表面に付着している。この状態で、チップ部品24の電極24aは、主に隣接するチップ部品20の電極20aに半田付けされていることが分かる。したがって、チップ部品24の電極24aは、隣接するチップ部品20の電極20aを介してランド部15に半田付けされていると言うこともできる。なお、ここでは上記の実装位置P3に実装されたチップ部品24と、実装位置P1,P2の一方に実装されたチップ部品20との半田付け状態を示しているが、他方のチップ部品22との半田付け状態についても同様に考えることができる。
図6は、上記の実装方法を利用して構成された基板モジュール10の構造例を部分的に示す平面図である。この例では、先に挙げた3つのチップ部品20,22,24の他に、回路基板12の実装面上にはさらに多数のチップ部品26が実装されている。
図7は、完成状態で第2実施形態の基板モジュール10を構成する回路基板12を部分的に拡大して示した平面図である。上述した第1実施形態では、各ランド部14,15,17,19の一部だけ(チップ部品20,22の両端側に位置する1つの縁辺部)がレジスト膜18で覆われていたが、第2実施形態では、各ランド部14,15,17,19の4つの縁辺部がレジスト膜18で覆われた構成(全周オーバーレジスト)である。
第2実施形態においても、例えば実装方法の工程1において、回路基板12に実装する予定のチップ部品を別途用意する点は第1実施形態と共通である。また、回路基板12の実装面上でみた実装位置P1,P2,P3やそれらの相互の位置関係、また、各実装位置P1,P2,P3に実装されるチップ部品の外形の大きさについても第1実施形態と共通である。
実装方法の工程2では、図7に示される構成の回路基板12を用意する。このとき回路基板12には、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品の電極の配置に合わせて、予め適切な位置にランド部14,15,17,19が形成されており、各ランド部14〜19の周囲には、全周(4つの縁辺部)を覆うレジスト膜18が形成されている。したがって第2実施形態では、レジスト膜18の開口18aがランド部14〜19の外側にまで拡がっておらず、第1実施形態よりも開口18aの面積が小さくなっている。なお、回路基板12に配線パターン16や図示しないスルーホール等が設けられている点は第1実施形態と同じである。
図8は、第2実施形態に適用される実装方法の工程3での作業例を示す平面図である。第2実施形態においても、工程3で回路基板12の実装面上にクリーム半田S1,S2を塗布する。また、各実装位置P1,P2において、実装位置P3に隣接しない側に位置するランド部14,19については、開口18aの範囲内だけで適宜、クリーム半田S1が塗布される。そして、実装位置P3に隣接する側に位置するランド部15,17については、開口18aの範囲内を超えてレジスト膜18上にまでクリーム半田S2が延長して塗布されている点も第1実施形態と同じである。
特に図示していないが、第2実施形態においても、工程4では用意した3つのチップ部品20,22,24をそれぞれ対応する実装位置P1,P2,P3に配置する。また、このとき実装位置P1,P2に実装されるチップ部品20,22については、ランド部14〜19内(開口18aの範囲内)に塗布されているクリーム半田S1,S2上にそれぞれの電極20a,20b,22a,22bを位置付け、実装位置P3に実装されるチップ部品24については、ランド部15,17からそれぞれ実装位置P3まで延長された部分のクリーム半田S2上にその2つの電極24a,24bを位置付ける点は第1実施形態と同じである。
同じく図示していないが、実装方法の工程5では、上記のようにチップ部品20,22,24を配置した状態で、回路基板12のリフロー処理を行う。これにより第2実施形態においても、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品20,22については、それぞれの電極20a,20b,22a,22bがそれぞれ対応するランド部15,14,19,17(符号順で対応)に半田付けされ、実装位置P3に実装されるチップ部品24については、その電極24a,24bが隣接するチップ部品20,22の一方の電極20a,22bに半田付けされる。
図9は、第2実施形態において完成された基板モジュール10の構造例を示す縦断面図である(第1実施形態で挙げた図6に相当)。第2実施形態でも同様に、凝固した半田(図中符号S2)はレジスト膜18上からは退避し、ランド部15の表面や電極20a,24aの表面に付着している。なお第2実施形態では、ランド部15の全周がレジスト膜18で覆われているため、チップ部品20の中心寄りの位置でも半田S2は開口18aの内側に収まっている。
次に、第3実施形態について説明する。図10は、完成状態で第3実施形態の基板モジュール10を構成する回路基板12を部分的に拡大して示した平面図である。第3実施形態では、各ランド部14,15,17,19がレジスト膜18で覆われていない構成(いわゆるノーマルレジスト)である。
第3実施形態においても、例えば実装方法の工程1において、回路基板12に実装する予定のチップ部品を別途用意する点は上述した第1,第2実施形態と共通である。また、回路基板12の実装面上でみた実装位置P1,P2,P3やそれらの相互の位置関係、また、各実装位置P1,P2,P3に実装されるチップ部品の外形の大きさについても第1,第2実施形態と共通である。
次に実装方法の工程2では、図10に示される構成の回路基板12を用意する。ここでも同様に、回路基板12には実装位置P1,P2に実装されるチップ部品の電極の配置に合わせて予め適切な位置にランド部14,15,17,19が形成されている。ただし第3実施形態では、各ランド部14〜19の周囲に間隔をおいてレジスト膜18が形成されている。したがって第3実施形態では、レジスト膜18の開口18aが各ランド部14〜19の全周でそれぞれの外側にまで拡がっており、第1,第2実施形態よりも開口18aの面積が大きくなっている。また、回路基板12に配線パターン16や図示しないスルーホール等が設けられている点は第1,第2実施形態と同じである。
図11は、第3実施形態に適用される実装方法の工程3での作業例を示す平面図である。第3実施形態においても、工程3で回路基板12の実装面上にクリーム半田S1,S2を塗布する。また、各実装位置P1,P2において、実装位置P3に隣接しない側に位置するランド部14,19については、その上面の範囲内だけで適宜、クリーム半田S1が塗布される。なお図11では、クリーム半田S1の塗布面積を比較的小さく示しているが、これより塗布面積を大きくしてもよい。
特に図示していないが、第3実施形態においても、工程4では用意した3つのチップ部品20,22,24をそれぞれ対応する実装位置P1,P2,P3に配置する。また、このとき実装位置P1,P2に実装されるチップ部品20,22については、ランド部14〜19に塗布されているクリーム半田S1,S2上にそれぞれの電極20a,20b,22a,22bを位置付け、実装位置P3に実装されるチップ部品24については、ランド部15,17からそれぞれ実装位置P3まで延長された部分のクリーム半田S2上にその2つの電極24a,24bを位置付ける点は第1,第2実施形態と同じである。
同じく図示していないが、実装方法の工程5では、上記のようにチップ部品20,22,24を配置した状態で、回路基板12のリフロー処理を行う。これにより第3実施形態においても、実装位置P1,P2に実装されるチップ部品20,22については、それぞれの電極20a,20b,22a,22bがそれぞれ対応するランド部15,14,19,17(符号順で対応)に半田付けされ、実装位置P3に実装されるチップ部品24については、その電極24a,24bが隣接するチップ部品20,22の一方の電極20a,22bに半田付けされる。
図12は、第3実施形態において完成された基板モジュール10の構造例を示す縦断面図である(第1実施形態で挙げた図6に相当)。第3実施形態でも同様に、凝固した半田(図中符号S2)はレジスト膜18上及び回路基板12の上面(地肌)からは退避し、ランド部15の表面や電極20a,24aの表面に付着している。なお第3実施形態では、ランド部15がレジスト膜18には覆われていないため、チップ部品20の両端より外側の位置と、その中心寄りの位置でいずれも半田S2はランド15上の範囲内に収まっている。
第1〜第3実施形態で挙げた実装方法では、2つのチップ部品20,22を90度の開きをおいて配置しているが、両者の角度は特に限定されるものではない。また、チップ部品24は2つのチップ部品20,22と同サイズであってもよいし、これらより大きいサイズのものであってもよい。
12 回路基板
14,15 ランド部
16 配線パターン
17 ランド部
18 レジスト膜(絶縁層)
18a 開口(レジスト抜き)
19 ランド部
20 チップ部品(第1のチップ部品)
20a,20b 電極
22 チップ部品(第2のチップ部品)
22a,22b 電極
24 チップ部品(第3のチップ部品)
24a,24b 電極
26 電極
P1,P2,P3 実装位置(第1〜第3の実装位置)
Claims (5)
- 回路基板の実装面上に実装されるチップ部品の実装方法であって、
前記実装面上で互いに近接した第1及び第2の実装位置にそれぞれ実装される予定の第1及び第2のチップ部品とともに、前記第1及び第2の実装位置の両方に近接した第3の実装位置に実装される予定の第3のチップ部品をそれぞれ用意する工程と、
前記第1及び第2のチップ部品それぞれの両端部に形成された電極の配置に合わせて、予め前記第1及び第2の実装位置で個々の電極を半田付けするための複数のランド部が形成されるとともに、前記第3の実装位置を含む前記ランド部の周囲が絶縁層で被覆された状態の回路基板を用意する工程と、
前記第1及び第2の実装位置で複数の前記ランド部内にそれぞれクリーム半田を塗布するとともに、その中で前記第3の実装位置に近接した2箇所の前記ランド部からそれぞれ前記絶縁層を跨いで前記第3の実装位置までクリーム半田を延長して塗布する工程と、
前記第1から第3のチップ部品をそれぞれ対応する前記第1から第3の実装位置に配置し、前記第1及び第2のチップ部品については前記ランド部内に塗布されたクリーム半田上にそれぞれの電極を位置付け、前記第3のチップ部品についてはその両端部に形成された2つの電極を2箇所の前記ランド部から前記第3の実装位置まで延長して塗布されたクリーム半田上にそれぞれ位置付ける工程と、
前記回路基板をリフロー処理することで、前記第1及び第2のチップ部品についてはそれぞれの電極を前記ランド部に半田付けし、前記第3のチップ部品についてはその両端部に形成された2つの電極の一方を前記第1のチップ部品の1つの電極に半田付けするとともに、他方の電極を前記第2のチップ部品の1つの電極に半田付けする工程と
を有するチップ部品の実装方法。 - 請求項1に記載のチップ部品の実装方法において、
前記第1及び第2のチップ部品は、
前記実装面上で矩形状の実装範囲を占める形状を有しており、
前記第1及び第2の実装位置は、
前記第1及び第2のチップ部品の長手方向の軸線をそれぞれ前記実装面上で延長したとき、これら2本の軸線が互いに交差する位置関係にあって、
前記第3の実装位置は、
前記実装面上で前記2本の軸線の交点を含む位置に設定されていることを特徴とするチップ部品の実装方法。 - 請求項1又は2に記載のチップ部品の実装方法において、
前記第1及び第2のチップ部品に比較して、前記第3のチップ部品の外形が小さく設定されていることを特徴とするチップ部品の実装方法。 - 実装面上に半田付け用のランド部が形成され、かつ、このランド部の周囲が絶縁層で被覆された回路基板と、
両端部にそれぞれ電極が形成され、これら電極がいずれも前記ランド部上に半田付けされた状態で、前記実装面上の互いに近接した位置に実装された第1及び第2のチップ部品と、
前記第1及び第2のチップ部品の両方に近接した位置に実装され、両端部に形成された2つの電極のうち一方の一部が前記絶縁層上にある状態で前記第1のチップ部品の1つの電極に半田付けされた状態にあり、かつ、他方の一部が前記絶縁層上にある状態で前記第2のチップ部品の1つの電極に半田付けされた状態にある第3のチップ部品とを備え、
前記第1及び第2のチップ部品は、
前記実装面上で矩形状の実装範囲を占める形状を有し、かつ、前記第1及び第2のチップ部品の長手方向の軸線をそれぞれ前記実装面上で延長したとき、これら2本の軸線が互いに交差する位置関係にあって、
前記第3のチップ部品は、
前記実装面上で前記2本の軸線の交点を含む位置に実装されていることを特徴とするチップ部品を搭載した基板モジュール。 - 請求項4に記載のチップ部品を搭載した基板モジュールにおいて、
前記第1及び第2のチップ部品に比較して、前記第3のチップ部品の外形が小さく設定されていることを特徴とするチップ部品を搭載した基板モジュール。
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