JP2007234207A - 光情報記録媒体、並びにその製造方法及び記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体、並びにその製造方法及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 360〜450nm、とくに400nm前後(たとえば405nm)の記録波長による高密度および高速の記録に適した光情報記録媒体およびその記録方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、従来のようにHigh to Low方式による記録ではなく、Low to High方式による記録に基づき、ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高く、ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にあると、良好なプッシュプル信号を得ることができる。また、反射層の膜厚を120〜180nmとし、反射層の溝幅を85〜150nmとすることが好ましい。
【選択図】 図3

Description

本発明は追記型の光情報記録媒体およびその記録方法にかかるもので、とくに半導体レーザーによる波長が360〜450nmのレーザー光(ブルーレーザー光、青色レーザー光)による記録を行う光情報記録媒体、並びにその製造方法及び記録方法に関するものである。
現在、従来より短波長側の360〜450nm付近(たとえば405nm前後)のブルーレーザー光を用いた追記型の光情報記録媒体について開発が行われている(特許文献1参照)。
この光情報記録媒体は、有機色素化合物をその光記録層に使用しており、この有機色素化合物がレーザー光を吸収することにより分解あるいは変質して、レーザー光の記録再生波長における光学的特性の変化を変調度として得て、記録を行うとともに、再生を行っていた。
近年の記録の高密度化および高速化に対応してレーザー光を短波長側のものを用いることが行われ、レーザー光が短波長側になるほど、光記録層としてより薄い薄膜を形成する必要があるが、とくに高屈折率の色素を得る方向での開発、いわゆるHigh to Low方式の光情報記録媒体の開発が行われている(特許文献2参照)。
すなわち、記録再生波長における屈折率の変化による光学的位相差を利用して変調度を得ていた。
このHigh to Low方式における光情報記録媒体の記録原理について図15を用いて説明する。図15は、レーザー光の波長に対する屈折率nおよび消衰係数kの関係をそれぞれ示すグラフであって、記録後に屈折率nは減少し、それにともなって反射率Rが低下する。屈折率nの変化Δnを大きく取ることにより、反射率の変化ΔRを十分に得て、記録ピットとその他の部分との間の変調度を確保し、再生可能な記録を行うようにしている。
また、消衰係数kのグラフは、当該色素のレーザー光に対する吸光度のグラフと事実上同様であり、この吸収ピークの長波長側における波長(記録波長)を記録光(レーザー光)の波長とすることが一般的である。すなわち、屈折率nのグラフは、消衰係数kのグラフの長波長側にその吸収ピークを有しており、この記録波長において屈折率nの変化Δnを大きく取ることができるからである。
一方、消衰係数kは、同じ記録波長において屈折率nと同様に、記録後に低下することが知られており、消衰係数kが低下すると、反射率Rは増加する。すなわち、消衰係数kの変化Δkは、屈折率nの変化Δnによる反射率Rの変化ΔRを減少させるように作用していた。すなわち、ΔRの絶対値を(Δn−Δk)に相当する量として得ることになる。したがって従来は、必要なレベルの変調度を得るために、Δnができるだけ大きいとともに、Δkができるだけ小さい色素を選択することに開発の関心が向けられていた。
しかしながら実際には、記録波長が360〜450nmの領域(たとえば405nm)のレーザー光に対しては、光記録層3の色素材料として適当な色素が得られていないのが現状である。
上述のように、色素材料としては、記録前後のコントラストを十分に確保することができるように、適度な消衰係数k(吸収係数)および大きな屈折率nを得る必要があり、色素の吸収スペクトルの吸収ピークの長波長側の裾野に記録再生波長が位置するように材料を選択して、大きな屈折率nの変化Δnを得るように設計していた。
さらに、この有機化合物に求められる特性として、ブルーレーザー光波長に対する上述の光学的性質とともに、分解挙動の適切な選択が必要である。しかしながら、このような短波長領域において光学特性が従来のCD−RおよびDVD−R並みの屈折率nを有する材料は少ない。すなわち、有機化合物の吸収帯をブルーレーザー光波長近傍に持たせるためには、有機化合物の分子骨格を小さくすること、あるいは共役系を短くすることが必要であるが、これらのことは、消衰係数kの低下および屈折率nの低下を招くという問題がある。
この点を解決するための方法としては、色素分子単体の光学特性ではなく、会合に代表される分子間の相互作用を利用することにより光学的性質を改善することができる可能性があることがわかってきたが、まだ十分な記録特性を得るまでには至っていない。
また、光情報記録媒体への高速記録では、従来ないし低速記録のときより短い時間で所定の記録を行う必要があるため、記録パワーが高くなり、記録時に発生する記録層における熱量、ないし単位時間あたりの熱量が大きくなり、熱ひずみの問題が顕在化しやすく、記録ピットがばらつく原因となっている。また、レーザー光を照射するための半導体レーザーの出射パワー自体に限界があり、高速記録に対応することができる高感度の色素材料が求められている。
当該光情報記録媒体は、既述のように、有機色素化合物を光記録層に使用しており、短波長側のレーザー光に対して、とくに高屈折率の色素を得る方向での開発が主であった。
ブルーレーザー波長の近傍に吸収帯を有する有機化合物は現在多数存在し、消衰係数kを制御することは可能となるが、大きな屈折率nを有していないために、記録部(記録ピット)の光学的な位相差を確保して変調度を得るためには、ある程度の色素膜厚が必要になる。
しかしながら、ブルーレーザー光を使用する記録媒体は、高密度記録が求められており、物理的なトラックピッチが狭く、色素分解時の熱が隣接トラックに伝わりやすいため、特性の悪化を招くという問題がある。
したがって、色素の高屈折率化が困難なブルーレーザー波長領域の記録媒体は、従来の屈折率n変化の位相変化による記録は、良好な記録特性を得ることが困難であるという問題がある。
また、最近では、Low to High方式による光情報記録媒体の開発も行われているが、ブルーレーザー波長域において、とくに、グルーブがレーザー光の入射に対して凹方向になり、0.1mmの光透過層をレーザー光の入射面に設けた光情報記録媒体の場合には、記録前後の複素屈折率の虚数部kの変化が主因子で反射率変化を起こすタイプの色素を用いると、このLow to High方式による光情報記録媒体では、未記録時のプッシュプル(NPPb)信号が高くなり過ぎてしまう。
プッシュプル(NPPb)信号が大きくなり過ぎると、非点収差法によるフォーカス方式において、フォトディテクターの明暗の識別が困難となり、フォーカス追従ができなかったり、DPP(ディファレンシャルプッシュプル)方式においても、フォトディテクターの明暗の識別が困難となり、トラッキング追従ができなくなるという課題が生じる。また、背景に消衰係数の比較的大きい有機色素を使う必要があり、グルーブの溝深さや幅に影響されてプッシュプルの値は大きくなり易い。また、この場合、屈折率は小さめのために、プッシュプルは良好な傾向ではあるが、消衰係数が大きい色素であるため、反射を生じやすいため、結局、材料の選定だけでは、適度で良好なプッシュプル値のあるディスクを得ることができなかった。
特開平11−120594号公報 特開2003−30442号公報
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、360〜450nm、とくに400nm前後(たとえば405nm)の記録波長による高密度および高速の記録に適した光情報記録媒体およびその記録方法を提供することを課題とする。
また本発明は、ブルーレーザー光に用いられるディスクにおいて、良好なプッシュプル信号を得ることができる記録を行うようにした光情報記録媒体およびその記録方法を提供することを課題とする。
また本発明は、ブルーレーザー光に用いられるディスクにおいて、良好な変調度を得ることができる記録を行うようにした光情報記録媒体およびその記録方法を提供することを課題とする。
さらに本発明は、ブルーレーザー光に用いられるディスクにおいて、熱干渉(熱歪み)が少なく、再生耐性の優れた光情報記録媒体およびその記録方法を提供することを課題とする。
本発明は、ランド部分の膜厚を従来の設計よりも薄くし、またトラックの幅(および深さ)を狭くしたことに着目したものである。
すなわち、本発明は、従来のようにHigh to Low方式による記録ではなく、Low to High方式による記録に基づき、ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高く、ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にあると、良好なプッシュプル信号を得ることができるものである。
すなわち、ランド部分の膜厚やグルーブ部分の膜厚を最適な条件に設定することにより、記録層として消衰係数の大きな材料を用いても吸収量と反射量のバランスを最適に保ちつつ、プッシュプルを小さくすることができる。また、同様にトラックの溝深さや溝幅を最適な条件に設定することでもプッシュプルを小さくすることができる。例えば溝深さを浅くすることにより反射率を向上させ、
プッシュプル(NPPb)信号=(PPb)信号/反射率
の分母を大きくし、NPPbを小さくすることができる。
プッシュプル(NPPb)信号は、4分割されたフォトディテクター(A、B、C、D)において、グルーブ上をレーザー光が走査した場合に、
プッシュプル(NPPb)信号=((A+B)−(C+D))/((A+B)+(C+D))
で定義される。
さらに、グルーブをWobblingさせた場合、トラックピッチは290nm〜350nm以内の範囲で変化するが、この場合の平均トラックピッチ320nmの半値160nmよりもグルーブ幅を狭くすることによっても、プッシュプルを小さくすることができる。
また、本発明は、Low to High方式による光情報記録媒体で、とくに、0.1mmの光透過層をレーザー光の入射面に設けた光情報記録媒体におけるランドとグルーブの光学的位相差と、記録層の消衰係数kとの関係に着目したものであり、2nabs{Dg−Dl+(nsub×Dsub)/nabs)}/λで規定される光学的位相差ΔSと、記録前後の消衰係数kの変化量Δkとの関係が、0.02≦ΔS×Δk≦0.11の範囲にあると、良好な変調度を確保することができるものである。
さらに、本発明は、Low to High方式による光情報記録媒体で、反射層の膜厚を120〜180nmの厚い膜とし、溝幅を85〜150nmとすることにより、良好なNPPb特性を満たしつつ、厚い膜により記録時に発生する過剰な熱を迅速に放熱させ熱干渉を抑制することができるものである。
したがって、従来のHigh to Low方式による高屈折率の色素による記録ではなく、Low to High方式による消衰係数kの変化による記録を行うことが可能となる。すなわち、360〜450nm、とくに400nm前後(たとえば405nm)の記録波長による高密度および高速の記録の信頼性を向上させることが可能となる。
すなわち、第一の発明は、グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記記録層にレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、前記ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高く、前記ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、前記トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体である。
また、第二の発明は、グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記記録層にレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、前記記録層は有機色素を含み、前記グルーブ部分の反射率が前記ランド部分の反射率よりも低いことを特徴とする光情報記録媒体である。
また、第三の発明は、グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、レーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、前記記録層のグルーブ部分の最大深さをDsub、前記反射層のグルーブ部分の最大深さをDrefとしたとき、1−Dsub/Drefが0.2〜0.6の範囲にあり、前記グルーブ部分の反射率が前記ランド部分の反射率よりも低いことを特徴とする光情報記録媒体である。
また、第四の発明は、グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層と、前記記録層の上に形成された光透過層とを有し、前記光透過層側からレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、
前記記録層の光透過層側の層界のグルーブ部分の最大深さをDsub、前記記録層のグルーブ部分の最大厚さをDg、前記記録層のランド部分の最大厚さをDl、前記記録層より光透過層側にある層の複素屈折率の実数部をnsub、前記記録層の複素屈折率の実数部をnabs、再生光の波長をλとしたときの光学的位相差ΔS=2nabs{Dg−Dl+(nsub×Dsub)/nabs)}/λとし、前記記録層の未記録時における複素屈折率の虚数部をkabsb、記録後における複素屈折率の虚数部をkabsaとしたときの変化量Δk=kabsb−kabsaとしたとき、0.02≦ΔS×Δk≦0.11の範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体である。
また、第五の発明は、グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記光透過層側からレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、前記反射層の膜厚を120〜180nmとし、前記反射層の溝幅を85〜150nmとしたことを特徴とする光記録媒体である。
また、第六の発明は、波長360〜450nmの範囲のレーザー光により光学的に読み取り可能なピットを記録する光情報記録媒体の製造方法であって、基板上に反射層を形成する工程と、前記反射層の上に、ピットが配列されるトラックの領域における最大膜厚が25〜60nmの範囲で、前記トラックに隣接した領域における最大膜厚が5〜30nmの範囲で記録層を形成する工程と、前記記録層の上に、厚さ約0.1mmの光透過層を配置する工程と、を備えることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
さらに、第七の発明は、波長360〜450nmの範囲のレーザー光により光学的に読み取り可能なピットを記録する光情報記録媒体の記録方法であって、前記ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、前記トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にある光情報記録媒体を、ラジアルスポット径が0.3〜0.5μmの範囲にあり、記録パワーが4.9〜5.9mWの範囲にあるレーザー光で照射することにより、ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高くなるように前記ピットを形成することを特徴とする光情報記録媒体の記録方法である。
本発明によれば、光情報記録媒体の情報の高密度化および高速記録化を図ることが容易になるため、より短波長、例えば360nm〜450nmの波長領域のレーザー光に対応したLow to High方式による光情報記録媒体を実現することが可能になる。
また、本発明においては、360nm〜450nmのような短波長領域のレーザー光に対応して、良好なプッシュプル信号、変調度を得ることができる。
さらに、本発明においては、良好なNPPb特性を満たしつつ、熱干渉(Jitter)を抑制することができる。
本発明の実施の形態による光情報記録媒体を図1ないし図3に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるブルーレーザー光を用いる光情報記録媒体の断面図である。図1において、円盤状の光情報記録媒体10は、厚さ1.1mmの基板1と、この基板1上に形成した反射層2と、この反射層2の上に形成した記録層3(光吸収層)と、この記録層3の上に形成した中間層7と、この中間層7の上に形成された厚さ0.1mmの光透過層6と、を有する
基板1は、レーザー光に対する屈折率がたとえば1.5〜1.7程度の範囲内の透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた主として樹脂により形成したもの、たとえばポリカーボネート、ガラス板、アクリル板、エポキシ板等を用いる。
反射層2は、熱伝導率および光反射性の高い金属膜であり、たとえば、金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金を、蒸着法、スパッタ法等の手段により形成する。
記録層3は、反射層2の上に形成した色素材料からなるからなる層で、レーザー光を照射することにより、発熱、吸熱、溶融、昇華、変形または変性をともなう層である。この記録層3は、たとえば溶剤により溶解したアゾ系色素、シアニン系色素等、あるいはこれらの混合材料を、スピンコート法等の手段により、反射層2の表面に一様にコーティングすることによってこれを形成する。
記録層3としては、例えば、下記(化1)に示すようなアゾ系色素化合物などが用いられる。
Figure 2007234207
〔上記式中、A及びA’は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれるヘテロ原子を1又は複数含んでなる、互いに同じか異なる複素環を表わし、R21乃至R24は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、Y21、Y22は周期律表における第16族の元素から選ばれる互いに同じか異なるヘテロ原子を表す。〕
また、記録層3としては、例えば、下記(化2)に示すようなシアニン系色素化合物などが用いられる。
Figure 2007234207
〔上記式中、Φ及びφは、それぞれイドレニン環残基、ベンゾインドレニン環残基又はジベンゾインドレニン環残基を表し、Lはモノ又はジカルボシアニン色素を形成するための連結基を表し、Xは陰イオンを表し、mは0又は1の整数である。〕
記録層3に用いる材料は、任意の記録材料を採用することができるが、光吸収性の有機色素が望ましい。
中間層7は、記録層3を保護する機能を有し、記録材料の隣接層への混ざりを防止するために、蒸着法、スパッタ法等の手段により記録層3の表面に形成される。
中間層7としては、ZnS、SiO、SiN、AlN、ZnS−SiO、SiC等の材料が使用される。
光透過層6は、反射層2や記録層3を外部の衝撃から保護するとともに、これら各層2,3が湿気等の腐食因子と接触するのを防止する保護層として機能する。この光透過層6は、レーザー光を透過する材料によって構成され、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料よりなるシートやガラス板等の透明材を、紫外線硬化樹脂等の透明接着剤あるいは粘着剤によって中間層7上に貼り合せることで設けられる。
図1に示す光情報記録媒体においては、記録層3と光透過層6の間に中間層を介在させた例であるが、これに限らず、図2に示すように、記録層3の上に直接形成するようにしてもよい。例えば、記録層3上に紫外線硬化樹脂をスピンコート等の手法によって塗布し、紫外線照射することで光透過層5を形成しても良い。また、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料よりなるシートやガラス板等の透明材の一面に粘着剤等を形成して光透過層5とし、この光透過層5を記録層3上に貼り合せるようにしても差し支えない。
こうした構成の光情報記録媒体においては、光透過層6を通してレーザー光を照射し、照射された記録層3がそのレーザー光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換し、記録層3の分解あるいは変性などを生じさせ、記録ピットを形成し、記録部分および未記録部分の光反射率などによるコントラストを電気信号(変調度)として読み取っている。
ここで、本発明の構成について以下に説明する。
図3は、図1における光情報記録媒体の要部拡大図である。
図3において、Dsubは、記録層3に隣接する光透過層6側、すなわち中間層7のランド12の部分の層界を基準としたときのグルーブ11部分における同層界の最大深さを示す。nsubは、記録層3より光透過層6側にある層の複素屈折率の実数部を示し、その層が光透過層6を含んで複数層からなる場合には、光透過層を含むそれら複数層の表面を測定することにより、合成された複素屈折率の実数部とする。nabsは、記録層3の複素屈折率の実数部を示し、Dgは、グルーブ11部分における記録層3の最大厚さを示し、Dlは、ランド6部分における記録層3の最大厚さを示す。
この場合において、光透過層6側からレーザー光を照射したときに、記録層3の光透過層6側の層を基準としたときのランド12部分の光学的距離は、nabs・Dlで表され、グルーブ11部分の光学的距離は、nsub・Dsub+nabs・Dgで表される。したがって、その光学的距離差NDは、
ND=nabs・Dg+nsub・Dsub−nabs・Dl
となる。
このとき、光透過層6側から再生レーザー光を照射したとき、反射層2によりグルーブ11部分とランド12部分とで反射されたレーザー光の光学的位相差ΔSは、
ΔS=2ND/λ
=2(nabs・Dg+nsub・Dsub−nabs・Dl)/λ
=2nabs{Dg−Dl+(nsub×Dsub)/nabs)}/λ
となる。
なお、図2の断面図で示すように、記録層3の上に光透過層5が形成される場合には、光透過層5との層界を基準として、最大深さDsub、複素屈折率の実数部nsubを測定すればよい。
本発明では、ブルーレーザー光による光情報記録媒体を実現するために、Low to High方式による記録方式に着目し、具体的にはランド部分の記録層膜厚を従来の設計よりも薄くし、またトラックの幅(および深さ)を狭くしたことに着目したものである。
すなわち、360〜450nmの波長領域において、変調度を確保しつつプッシュプル(NPPb)信号は、0.4〜0.7の範囲にすることで良好な記録再生特性が得られることが実験上検証されている。
そこで、記録層におけるトラック領域(グルーブ11部分に相当)およびトラックに隣接した領域(ランド12部分に相当)での膜厚と、プッシュプル(NPPb)信号との関係を図4に示す。
図4において、横軸は記録層3のランド膜厚/グルーブ膜厚であり、縦軸はプッシュプル(NPPb)信号の値である。
同図からも分かるように、良好なプッシュプル(NPPb)信号を得るためには、記録層3のランド膜厚/グルーブ膜厚が0.1〜0.6の範囲であることが必要である。ランド膜厚/グルーブ膜厚が0.6を上回ると、プッシュプル(NPPb)信号が0.7を超え大きくなり過ぎてしまうため、レーザーピックアップのフォーカス追従ができなくなってしまう。逆に、ランド膜厚/グルーブ膜厚が0.1を下回ると、プッシュプル(NPPb)信号が0.4より小さくなってしまうため、記録後のトラッキング制御ができなくなってしまう。
図4の関係において、記録層3のランド膜厚とグルーブ膜厚の各データをサンプリングしてみると、トラック領域における記録層の最大膜厚Dgは25〜60nmが好ましく、トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚Dlは、5〜30nmが好ましい、という結果が得られている。この範囲は、図4に示すグルーブ膜厚に対するランド膜厚の割合0.1〜0.6の範囲に応じて設定することができる。
なお、記録層膜厚は、例えば、中間層7と記録層3の界面で剥離することにより原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定できる。例えば、ランド膜厚Dlは記録層3のうちグルーブの無いディスク内周領域あるいは外周領域で測定でき、グルーブ膜厚Dgは、予め記録層深さDsubとランド膜厚Dlを測定しておき、記録層洗浄後反射層深さDrefを測定すれば、記録層膜厚Dg=Dl+Dref−Dsubにより算出することができる。
ここでは、測定方法の一例を示したが、これに限らず他の方法で測定しても何ら差し支えない。
この場合、剥離によるばらつきを考慮して測定誤差を±5%見込んでおくのがよい。さらに、各測定値は、その測定ポイントにおける最大値を測定しておくことで差し支えない。
また、トラックの溝深さと溝幅について、それぞれプッシュプル(NPPb)信号との関係を図5、図6に示す。
図5において、横軸はトラックの溝深さに相当するグルーブ深さ、縦軸はプッシュプル(NPPb)信号の値であり、図6において、横軸はトラックの溝幅に相当するグルーブ幅、縦軸はプッシュプル(NPPb)信号の値である。
これらの結果からも分かるように、良好なプッシュプル(NPPb)信号を得るためには、図5においてその溝深さは少なくとも30〜70nmの範囲であればよいことになる。しかし、360〜450nmの波長領域において高密度な光情報記録媒体を得るには、トラックピッチを290〜350nmの範囲する必要がある。そのため、基板1の成形上の内外周ばらつきを抑えるためには、溝深さは35〜65nmの範囲であるのが好ましい。また、図6においても良好なプッシュプル(NPPb)信号を確保し、さらに基板1の成形上のばらつきを抑えるためには、溝幅は85〜150nmの範囲であるのが好ましい。
ここでいうトラックの溝深さ及び溝幅は、基板1上に反射層2が形成された状態で測定した値である。これは従来の光情報媒体における基板の溝深さ及び溝幅を定義したものと異なる。これは、レーザー光の照射方向が基板側からではなく基板と反対側、すなわち光透過層側から照射することによるものであり、トラックとして基板1上に反射層2が形成された状態での溝深さおよび溝幅を測定することが、安定したプッシュプル(NPPb)信号を得るために必要となる。
なお、溝深さはその測定ポイントにおける最大値を測定すればよく、溝幅は半値幅を測定すればよい。また、測定にあたっては、前述と同様に原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定でき、測定誤差として最大±5%を見込んでおけばよい。
また、本発明のLow to High方式の光情報記録媒体においては、レーザー光の照射により形成されたピット部分の反射率が非ピット部分の反射率よりも高いことを特徴としている。これは、図3においてグルーブ部分にレーザー光を照射すると、記録層3がレーザー光を吸収することにより分解あるいは変性することによりピットが形成される。このとき、記録層3の吸収スペクトルの吸収ピークは短波長側にシフトするようになる。そこで、記録再生波長を記録層の吸収ピークに対して短波長側に設定しておくことで、記録層3の消衰係数kの増加させることができ、記録後のピット部分の反射率を非ピット部分の半謝意率よりも高くさせることで、ピットの有無を判断することができる。
反射率は、スペクトラムアナライザ等の測定器を用いて測定することができ、ピット部分、非ピット部分の反射率の違いは電気的な信号の大小として測定することができる。
また、記録層に有機色素を用いた場合、本発明のLow to High方式の光情報記録媒体においては、グルーブ部分の反射率がランド部分の反射率より低いことを特徴としている。これは、図3におけるランドとグルーブの光学的位相差ΔSの設定することで調整できる。グルーブ部分の反射率を低く抑えることでグルーブ部分に形成されるピットをより鮮明に記録することができる。これにより最適なプッシュプル(NPPb)信号を得るとともに、記録後においても正確にピットを読み取ることができ、良好な変調度を得ることができる。
この反射率の測定は、前述と同様な方法で行うことができる。
また、記録層3のレベリングとプッシュプル(NPPb)との関係を図7に示す。
図7において、横軸はレベリングの値であり、縦軸はプッシュプル(NPPb)の値である。ここで、レベリングとは記録層のグルーブ部分の最大深さをDsub、前記反射層のグルーブ部分の最大深さをDrefとしたとき、1−Dsub/Drefの条件で得られる値であり、レーザー光の回折の影響を示す指標である。この結果から分かるように、良好なプッシュプル(NPPb)信号を得るためには、上記条件で得られる値が0.2〜0.6の範囲にあるのが好ましい。このレベリング値が0.2を下回ると、記録層3の凹凸が大きくなってしまいプッシュプル(NPPb)信号が大きくなり過ぎてしまう。また、逆にレベリング値が0.6を超えると、ランド・グルーブのコントラストが得にくくなってしまい、プッシュプル(NPPb)信号が小さくなり過ぎてしまい、トラック追従ができなくなってしまう。
なお、測定にあたっては、前述のように、例えば中間層7と記録層3の界面で剥離することにより原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定できる。ここでは、測定方法の一例を示したが、これに限らず他の方法で測定しても何ら差し支えない。
この場合、剥離によるばらつきを考慮して測定誤差を±5%見込んでおくのがよい。さらに、各測定値は、その測定ポイントにおける最大値を測定しておくことで差し支えない。
また、図3における光学的位相差ΔSと記録層の消衰係数kの記録前後の変化量Δkに対するプッシュプル(NPPb)信号との関係を図8に、変調度との関係を図9に示す。
図8において、横軸はΔS×Δkの値、縦軸はプッシュプル(NPPb)の値であり、図9において、横軸はΔS×Δkの値、縦軸は変調度の値である。これらの結果から分かるように、光学的位相差ΔSと消衰係数の変化量Δkとの積からなるパラメータは、プッシュプル(NPPb)信号および変調度とリニアな関係にあることが分かる。
これは、フレネル回折式と多層膜の吸収、透過、多重反射式を組み合わせ、グルーブ、ランド形状を条件に入れた追記型ディスクの理論計算と、フレネル回折式を用い、ピット形状を条件に入れたROMディスクのシミュレーションを行ったところ、追記型ディスクとROMディスクのプッシュプル信号のPeak to Peakの振幅差は追記型ディスクのほうが約1.8倍大きく、ROMディスクのプッシュプル信号はシミュレーション上0.3程度であり、この場合、ROMディスクでは50%以上の変調度を得ることが理論上分かっている。
この理論に基づき、360〜450nmの波長領域において追記型ディスクにおける変調度は40〜70の範囲を確保する必要があり、図8、図9の結果から光学的位相差ΔSと消衰係数の変化量Δkとの積:ΔS×Δkの値は、0.02〜0.11の範囲にすることが好ましい。
ここで、光透過層側の層の屈折率、記録層の屈折率、消衰係数は、例えばn,k計測装置(例えば、Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)により測定することができる。なお、測定にあたっては、前述のように、例えば中間層7と記録層3の界面で剥離して、例えばグルーブの無いディスク内周領域あるいは外周領域で測定できる。また、記録層の膜厚や溝深さなどの他の条件は、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定できる。ここでは、測定方法の一例を示したが、これに限らず他の方法で測定しても何ら差し支えない。
この場合、剥離によるばらつきを考慮して測定誤差を±5%見込んでおくのがよい。さらに、記録層の膜厚や溝深さなどの測定値は、その測定ポイントにおける最大値を測定しておくことで差し支えない。
図7に示すとおり、NPPbを低減させるためには、レベリング(1−Dsub/Dref)を大きくしなければならないが、そのためにはDsubを小さくして、記録層の膜厚を厚くする必要がある。しかしながら、記録層を厚膜化すると記録時に熱が過剰に蓄熱し、記録時に補償しきれない熱干渉が発生し、Jitter特性を悪化させる為に、NPPb特性とJitter特性とは相反する関係にある。
前述のとおり、本発明の光情報記録媒体は、基板上に反射層と記録層とを有するものであるため、反射層も溝形状を有しているが、該反射膜厚及び溝幅が、NPPb及びJitter特性に大きく影響を与えることがわかった。
反射膜厚とJitter特性の関係を図10に示す。
図10において、横軸は反射膜厚(nm)の値、横軸はJitter(%)の値である。
この結果から分かるように反射膜厚は、120〜180nmで良好な値を示し、120nmよりも薄くすると急激にJitterが悪化する。
溝の深さを基板と同じとして変化させず、溝幅を変化させたときの溝幅とプッシュプル(NPPb)信号との関係を図11に示す。
図11において、横軸は反射層の溝幅(nm)の値、縦軸はプッシュプル(NPPb)信号の値である。
この結果から分かるように反射層の溝幅は、85〜150nmで良好な値を示し、150nmを超えるとNPPbは0.7以上となる。
これらのことから、本発明においては、反射膜厚を120〜180nmの厚い膜で形成するとともに、幅溝を85〜150nmとすることにより、NPPb特性を満たしつつ、厚い反射膜により記録時に発生する過剰な熱を迅速に放熱させ熱干渉を抑制させることができる。
このようにして、360〜450nmの波長領域において記録可能な光情報記録媒体は、前述したように種々の条件を独立に設定することにより、または各条件を組み合わせることにより、良好なプッシュプル信号、変調度を得ることができる。
また、前述したような光情報記録媒体を記録装置により最適に記録するにあたっての記録方法について以下に説明する。
波長360〜450nmのような短波長領域のレーザー光を使用する場合、前述した光情報記録媒体の構成においてピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にあるのが好ましい。
この場合、レーザー光のスポット径によってプッシュプル(NPPb)信号がばらつくため、特にラジアル方向のスポット径に着目すれば、記録時のピットの広がりを抑えてクロストークを防止するために、ラジアルスポット径を0.3〜0.5μmの範囲にするのがよい。その場合、レーザー光の記録パワーも記録層の熱干渉を防ぐ、良好な変調度を得るために4.9〜5.9mWの範囲にするのがよい。このような条件で光情報記録媒体にレーザー光を照射することにより、ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高くなるように形成する。
このようにすれば記録された光情報記録媒体は、良好なプッシュプル(NPPb)信号および変調度を得ることができる。
なお、図12は、前述した光情報記録媒体10について記録層3の膜厚を変化させたときの変調度(反射率)に対する屈折率の変化量Δnおよび消衰係数の変化量Δkの影響度を示すグラフであって、図示のように、変調度に対する貢献度としては、従来の色素とは異なり、Δkの方がΔnより大きいことがわかる。この結果からは、変調度の約80%がΔkによる効果と推測することができる。
図13において得られた貢献度の比率から計算すると、変調度をたとえば0.45までに達成するには、Δnとしては、0.052(94%の上昇)が必要となり、Δkとしては、0.009(22%の上昇)が必要で、具体的には、Δn=0.335、Δk=0.055が必要となる。
また、図13は、屈折率nに対する反射率の変化を示すグラフであって、屈折率n単独で必要な変調度(たとえば0.45)を得ようとすると、屈折率の変化範囲として、図中一点鎖線による範囲のように、約1.55〜1.9の変化が必要となるが、実際の結果としては、Δnとしては0.055のみしか変化せず、図11に示すように非常に狭い領域(図中二点鎖線による範囲)の値の変化しかなく、必要な反射率の変化を得ることができない。
図14は、消衰係数kに対する反射率の変化を示すグラフであって、消衰係数k単独で必要な変調度(たとえば0.45)を得ようとすると、消衰係数kの範囲として、図中一点鎖線による範囲のように、約0.15〜0.2の変化が必要となるが、実際の結果としては、Δkとしては0.040の変化であり、図14に示すように、屈折率nの場合とは異なって非常に広い領域(図中二点鎖線による範囲)の値の変化を示し、Δkのみでも必要な反射率の変化を得ることができる。
なお図14中、Δkの範囲として、単独での必要値の範囲(図中一点鎖線)が実際の変化量の範囲(図中二点鎖線による範囲)より小さい値にずらしてあるのは、Δkに対する反射率の変化の傾向として、Δkが小さくなるほど反射率の上昇勾配が高くなるので、より好ましい範囲として示したものであり、実用上は、Δkの範囲を任意の部分に設定することができる。
(実施例1)
ピッチ0.32μmからなるグルーブを形成し、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板を作製した。この基板上に、Ag合金からなる反射層をスパッタリングし、深さ45nm、幅110nmのトラックを形成した。その後、(化1)に示すアゾ色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、グルーブ膜厚35nm、ランド膜厚15nmの記録層を形成した。その後、窒化アルミニウム材料からなる透明な中間層を30nmの厚さになるようにスパッタリングした。その後、0.1mmのポリカーボネート製シートからなる光透過層を、透明粘着剤を介して中間層の表面に貼り合わせることにより、光情報記録媒体を得た。
こうして得られた光情報記録媒体における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.42で、kは0.39であった。また、光学的位相差ΔSは0.37であり、消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.23であり、変化量Δkは0.16であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、波長405nm、開口数NA0.85、記録パワー5.3mWで、線速4.92m/sで記録し再生特性を評価したところ、プッシュプル(NPPb)値は0.45であり、変調度は55%であった。すなわち、いずれも良好な結果が得られた。
(実施例2)
基板上に反射層をスパッタリングし、深さ57nm、幅110nmのトラックを形成したこと、記録層として、(化1)に示すアゾ色素と、(化2)に示すシアニン色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、グルーブ最大膜厚34nm、ランド膜厚10nmの記録層を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして光情報記録媒体を得た。
こうして得られた光情報記録媒体における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.41で、kは0.35であった。また、光学的位相差ΔSは0.49であり、消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.21であり、変化量Δkは0.14であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、実施例1と同様の条件で記録し再生特性を評価したところ、プッシュプル(NPPb)値は0.51であり、変調度は58%であった。すなわち、いずれも良好な結果が得られた。
(実施例3)
基板上に反射層をスパッタリングし、深さ35nm、幅85nmのトラックを形成したこと、記録層として、実施例1と同様の色素溶液をスピンコート法により塗布し、グルーブ最大膜厚23nm、ランド膜厚16nmの記録層を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして光情報記録媒体を得た。
こうして得られた光情報記録媒体における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.42で、kは0.39であった。また、光学的位相差ΔSは0.34であり、消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.23であり、変化量Δkは0.16であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、実施例1と同様の条件で記録し再生特性を評価したところ、プッシュプル(NPPb)値は0.40であり、変調度は47%であった。すなわち、いずれも良好な結果が得られた。
(比較例1)
基板上に反射層をスパッタリングし、深さ30nm、幅85nmのトラックを形成したこと、記録層として、実施例1と同様の色素溶液をスピンコート法により塗布し、グルーブ最大膜厚45nm、ランド膜厚30nmの記録層を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして光情報記録媒体を得た。
こうして得られた光情報記録媒体における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.42で、kは0.39であった。また、光学的位相差ΔSは0.24であり、消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.23であり、変化量Δkは0.16であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU−1000)を用いて、実施例1と同様の条件で記録し再生特性を評価したところ、プッシュプル(NPPb)値は0.26であり、変調度は38%であった。すなわち、いずれもいずれも低すぎる結果となってしまい、良好な特性が得られなかった。
(比較例2)
基板上に反射層をスパッタリングし、深さ70nm、幅153nmのトラックを形成したこと、記録層として、実施例1と同様の色素溶液をスピンコート法により塗布し、グルーブ最大膜厚55nm、ランド膜厚39nmの記録層を形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして光情報記録媒体を得た。
こうして得られた光情報記録媒体における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.42で、kは0.39であった。また、光学的位相差ΔSは0.70であり、消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.23であり、変化量Δkは0.16であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、実施例1と同様の条件で記録し再生特性を評価したところ、プッシュプル(NPPb)値は0.76であり、変調度は75%であった。すなわち、いずれもいずれも高すぎる結果となってしまい、良好な特性が得られなかった。
(評価条件1)
ピッチ0.32μmからなるグルーブを形成し、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板を作製した。この基板上に、Ag合金からなる反射層をスパッタリングし、以下、実施例および比較例の条件でトラックを形成した。その後、色素i):(化1)に示すアゾ色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、同じく実施例および比較例の条件からなるグルーブ膜厚、ランド膜厚の記録層を形成した。色素ii):(化1)に示すアゾ色素と、(化2)に示すシアニン色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、同じく実施例および比較例の条件からなるグルーブ膜厚、ランド膜厚の記録層を形成した。その後、i)、ii)それぞれについて、窒化アルミニウム材料からなる透明な中間層を20nmの厚さになるようにスパッタリングした。その後、0.1mmのポリカーボネート製シートからなる光透過層を、透明粘着剤を介して中間層の表面に貼り合わせることにより、光情報記録媒体を得た。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、波長405nm、開口数NA0.85、記録パワー5.3mWで、線速4.92m/sで記録し再生特性を評価した。
(実施例4)
深さ46nm、幅109nmのトラックを形成し、色素i)を用いてグルーブ膜厚27nm、ランド膜厚10nmの記録層を形成した。このとき、1−Dsub/Drefが0.37であって、再生評価したところプッシュプル値(NPPb)は0.59の良好な結果が得られた。
(実施例5)
深さ62nm、幅136nmのトラックを形成し、色素ii)を用いてグルーブ膜厚44nm、ランド膜厚12nmの記録層を形成した。このとき、1−Dsub/Drefが0.52であって、再生評価したところプッシュプル値(NPPb)は0.49の良好な結果が得られた。
(実施例6)
深さ35nm、幅86nmのトラックを形成し、色素i)を用いてグルーブ膜厚27nm、ランド膜厚6nmの記録層を形成した。このとき、1−Dsub/Drefが0.60であって、再生評価したところプッシュプル値(NPPb)は0.40の良好な結果が得られた。
(比較例3)
深さ57nm、幅153nmのトラックを形成し、色素i)を用いてグルーブ膜厚23nm、ランド膜厚14nmの記録層を形成した。このとき、1−Dsub/Drefが0.16であって、再生評価したところプッシュプル値(NPPb)は0.74の大きすぎる結果となった。
(比較例4)
深さ35nm、幅86nmのトラックを形成し、色素i)を用いてグルーブ膜厚27nm、ランド膜厚4nmの記録層を形成した。このとき、1−Dsub/Drefが0.66であって、再生評価したところプッシュプル値(NPPb)は0.35の小さすぎる結果となった。
(評価条件2)
ピッチ0.32μmからなるグルーブを形成し、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板を作製した。この基板上に、Ag合金からなる反射層をスパッタリングし、トラックを形成した。その後、色素i):(化1)に示すアゾ色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、記録層を形成した。色素ii):(化1)に示すアゾ色素と、(化2)に示すシアニン色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、記録層を形成した。その後、i)、ii)それぞれについて、窒化アルミニウム材料からなる透明な中間層を20nmの厚さになるようにスパッタリングした。その後、0.1mmのポリカーボネート製シートからなる光透過層を、透明粘着剤を介して中間層の表面に貼り合わせることにより、光情報記録媒体を得た。
このとき、色素i)における記録層の屈折率n、消衰係数kをn,k計測装置(Steage ETA−Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.42で、kは0.39であった。消衰係数kの変化量Δkは、示差熱分析装置(TG−DTA)を用いて記録層を加熱し、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.23であり、変化量Δkは0.16であった。同様に、色素ii)における記録層の屈折率nは1.41、消衰係数kは0.35であり、消衰係数kの変化量Δkは、加熱後の消衰係数を測定したところkは0.21であったため、変化量Δkは0.14であった。
この光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 DDU-1000)を用いて、波長405nm、開口数NA0.85、記録パワー5.3mWで、線速4.92m/sで記録し再生特性を評価した。
(実施例7)
色素i)を用いて、前述した光学的位相差ΔSの式に基づき、ΔSが0.5となるように光情報記録媒体を形成した。このとき、ΔS×Δkは0.08であって、プッシュプル値(NPPb)は0.40、変調度は52%の良好な結果が得られた。
(実施例8)
色素ii)を用いて、前述した光学的位相差ΔSの式に基づき、ΔSが0.7となるように光情報記録媒体を形成した。このとき、ΔS×Δkは0.1であって、プッシュプル値(NPPb)は0.53、変調度は64%の良好な結果が得られた。
(比較例5)
色素i)を用いて、前述した光学的位相差ΔSの式に基づき、ΔSが1.0となるように光情報記録媒体を形成した。このとき、ΔS×Δkは0.16であって、プッシュプル値(NPPb)は0.75、変調度は76%で、プッシュプル値が大きすぎる結果だった。
(実施例9〜11及び比較例6,7)
ピッチ0.32μmからなるグルーブを形成し、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板を作製した。この基板上に、Ag合金からなる反射層を60〜180nmの厚さでスパッタリングし、トラックを形成した。その後(化1)に示すアゾ色素をTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶かした色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、グルーブ膜厚35nm、ランド膜厚15nmの記録層を形成した。
その後、窒化アルミニウム材料からなる透明な中間層を20nmの厚さになるようにスパッタリングした。その後、0.1mmのポリカーボネート製シートからなる光透過層を、透明粘着剤を介して中間層の表面に貼り合わせることにより、光情報記録媒体を得た。
これらの光情報記録媒体を、市販の記録再生装置(パルステック製 ODU−1000)を用いて、波長405nm、開口数NAO.85、線速4.92m/sで、記録/再生特性を評価した。
基板、反射膜形成後の溝深さ、溝幅はAFMを用いて計測を行った。基板の溝深さは35〜623nmの範囲で作製し、反射膜厚形成後の深さ変化は±3nmであり、誤差程度の結果だった。
実施例4〜6及び比較例3、4における、それぞれの基板の溝幅、反射膜厚、反射層の溝深さ及び溝幅、NPPb、及びJitterを下記の表に示す。
Figure 2007234207
ここで、NPPb値は、プッシュプル信号を4分割ディテクター(A,B,C,D)の回転追従方向で二分割し(A+B,C+D)、それらの差分を取ったものを反射光量で除算した値である。この値自体は、上記のような市販の記録再生装置で算出される。
また、Jitter値は、RF信号を二値化して、この二値化されたデジタル信号と基準クロックとのずれ量を算出した値である。この値自体も、上記のような記録再生装置で算出される。
そして、360〜450nmの波長領域において、変調度を確保しつつプッシュプル(NPPb)特性の上限を0.7にすることで、良好な記録再生特性を得られることができる。プッシュプル(NPPb)信号が0.7を超えてしまうと、フォトディテクターの明暗の識別が困難となり、トラッキング追従ができなくなってしまう。
また、Jitter特性は、プッシュプル特性を満足しつつ8%以下であると、良好な記録再生特性を得ることができる。Jitter特性が8%を超えてしまうと、データ読み取りが困難になり、ドライブ側でデータの読み取りができなくなってしまう恐れが生じてしまう。
実施例4ないし実施例6では、いずれもNPPb及びJitterは共に良好な結果を得た。一方、比較例3では、NPPbは良好であったが、熱干渉が大きく、Jitterは12.6%の結果となり、比較例4では、Jitterは良好であったが、NPPbは0.75と大きすぎる結果となった。
なお、前述した本発明の実施の形態においては、記録層が一層の場合を示したが、これに限らず、記録層が複数形成された多層記録型の光情報記録媒体についても十分適用可能である。
また、前述した本発明の実施の形態では、記録層として色素材料からなる層について示したが、これに限られるものではなく、例えば、反射層が記録に関与するような光学干渉を引き起こす場合には、記録層としては反射層も含めた複数層からなるものである。また、記録層に隣接して光学特性を調整する光干渉層やエンハンス層を設けた場合にも同様のことがいえる。要は、記録層としては、記録に関与する層であれば、それが一層であっても複数層であってもよい。
以上のように、本発明の光情報記録媒体は、プッシュプルを小さくすることができることにより、情報の高密度化及び高速化を図ることができるために、より、短波長、たとえば360〜450nmの波長領域に対応したLow to High方式による光学情報媒体の提供を可能にするものであって、360〜450nmのような短波長領域のレーザー光に対応して、良好なプッシュプル信号及び変調を可能とした光情報記録媒体への記録方法が提供される。
本発明の一実施の形態における光情報記録媒体の断面図である。 本発明の他の実施形態における光情報記録媒体の断面図である。 本発明の一実施の形態における光情報記録媒体の要部拡大図である。 本発明における記録層膜厚とプッシュプル信号との関係を示すグラフである。 本発明におけるトラックの溝深さとプッシュプル信号との関係を示すグラフである。 本発明におけるトラックの溝幅とプッシュプル信号との関係を示すグラフである。 本発明における記録層のレベリングとプッシュプル信号との関係を示すグラフである。 本発明における光学パラメータとプッシュプル信号との関係を示すグラフである。 本発明における光学パラメータと変調度との関係を示すグラフである。 本発明における反射膜厚とJitter特性の関係を示すグラフである。 本発明における溝幅とプッシュプル信号との関係を図11に示すグラフである。 本発明における光情報記録媒体について記録層の膜厚を変化させたときの変調度(反射率)に対するΔnおよびΔkの影響度を示すグラフである。 同、屈折率nに対する反射率の変化を示すグラフである。 同、消衰係数kに対する反射率の変化を示すグラフである。 レーザー光の波長に対する屈折率nおよび消衰係数kの関係をそれぞれ示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 反射層
3 記録層
4 凹部
5、6 光透過層
7 中間層
10 光情報記録媒体
11 グルーブ
12 ランド

Claims (19)

  1. グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記記録層にレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、
    前記ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高く、前記ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、前記トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚と、前記トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚との比が、0.1〜0.6の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記トラックの最大深さは、35〜65nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記トラックは、290〜350nmの範囲のピッチで、かつ85〜150nmの範囲の幅で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  5. グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記記録層にレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、
    前記記録層は有機色素を含み、前記グルーブ部分の反射率が前記ランド部分の反射率よりも低いことを特徴とする光情報記録媒体。
  6. 前記有機色素の消衰係数は、前記レーザー光の再生波長において、0.1〜0.6の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の光情報記録媒体。
  7. 前記有機色素の屈折率は、前記レーザー光の再生波長において、1.1〜1.7の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の光情報記録媒体。
  8. 前記レーザー光の記録波長は、前記記録層における吸収スペクトルの吸収ピークに対し短波長側にあることを特徴とする請求項5に記載の光情報記録媒体。
  9. グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、レーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、
    前記記録層のグルーブ部分の最大深さをDsub、前記反射層のグルーブ部分の最大深さをDrefとしたとき、1−Dsub/Drefが0.2〜0.6の範囲にあり、前記グルーブ部分の反射率が前記ランド部分の反射率よりも低いことを特徴とする光情報記録媒体。
  10. 前記記録層の上に形成された光透過層を有し、前記光透過層側からレーザー光が照射されることを特徴とする請求項9に記載の光情報記録媒体。
  11. 前記記録層は、波長360〜450nmの範囲のレーザー光を吸収することを特徴とする請求項5又は9に記載の光情報記録媒体。
  12. 前記記録層は、波長405nmのレーザー光を吸収することを特徴とする請求項5又は9に記載の光情報記録媒体。
  13. グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層と、前記記録層の上に形成された光透過層とを有し、前記光透過層側からレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、
    前記記録層の光透過層側の層界のグルーブ部分の最大深さをDsub、前記記録層のグルーブ部分の最大厚さをDg、前記記録層のランド部分の最大厚さをDl、前記記録層より光透過層側にある層の複素屈折率の実数部をnsub、前記記録層の複素屈折率の実数部をnabs、再生光の波長をλとしたときの光学的位相差ΔS=2nabs{Dg−Dl+(nsub×Dsub)/nabs)}/λとし、
    前記記録層の未記録時における複素屈折率の虚数部をkabsb、記録後における複素屈折率の虚数部をkabsaとしたときの変化量Δk=kabsb−kabsaとしたとき、
    0.02≦ΔS×Δk≦0.11の範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体。
  14. 前記記録層と前記光透過層の間に中間層が介在していることを特徴とする請求項12記載の光情報記録媒体。
  15. グルーブとランドが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び記録層とを有し、前記記録層にレーザー光が照射されることにより光学的に読み取り可能なピットを記録した又は記録することができる光情報記録媒体であって、前記反射層の膜厚を120〜180nmとし、前記反射層の溝幅を85〜150nmとしたことを特徴とする光記録媒体。
  16. 波長360〜450nmの範囲のレーザー光により光学的に読み取り可能なピットを記録する光情報記録媒体の製造方法であって、
    基板上に反射層を形成する工程と、
    前記反射層の上に、ピットが配列されるトラックの領域における最大膜厚が25〜60nmの範囲で、前記トラックに隣接した領域における最大膜厚が5〜30nmの範囲で記録層を形成する工程と、
    前記記録層の上に、厚さ約0.1mmの光透過層を配置する工程と、
    を備えることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  17. 前記記録層を形成した後に、前記記録層上に中間層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項16に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  18. 波長360〜450nmの範囲のレーザー光により光学的に読み取り可能なピットを記録する光情報記録媒体の記録方法であって、前記ピットが配列されるトラックの領域における記録層の最大膜厚が25〜60nmの範囲にあり、前記トラックに隣接した領域における記録層の最大膜厚が5〜30nmの範囲にある光情報記録媒体を、ラジアルスポット径が0.3〜0.5μmの範囲にあり、記録パワーが4.9〜5.9mWの範囲にあるレーザー光で照射することにより、ピットの反射率が非ピット領域の反射率よりも高くなるように前記ピットを形成することを特徴とする光情報記録媒体の記録方法。
  19. 前記レーザー光の記録波長は、前記記録層における吸収スペクトルの吸収ピークに対し短波長側にあることを特徴とする請求項18に記載の光情報記録媒体の記録方法。
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