JP2008262671A - 追記型光情報記録媒体 - Google Patents

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拓郎 小平
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Abstract

【課題】 短波長レーザ光の照射により記録再生を行う追記型光記録ディスクでは、再生レーザのトラッキングが正常に行われなくなることがある。この問題を解決し、短波長レーザ光の照射により記録・再生を行う追記型の光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】 円盤状基板の一方の面にスパイラル又はリング状の案内溝が形成され、該案内溝の上面側に有機色素系の光記録層が形成されており、該光記録層の上面側から該案内溝に沿って短波長レーザー光を照射することにより情報を記録し、該情報記録後においては短波長レーザー光の反射光の変化を読み取って該情報を再生することができる追記型光情報記録媒体において、記録特性がLTH型であり、上記光記録層は、未記録時の屈折率nが1.2から2.1までの範囲、未記録時の消衰係数kが0.01から0.7までの範囲であり、かつn+kが1.4から2.1の範囲である追記型光情報記録媒体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、青色レーザーにより記録・再生が行える光情報記録媒体に関する。
有機色素を記録材料として用いた光情報記録媒体として、いわゆる追記型の光情報記録媒体がある。これは、情報を記録し、その記録した情報を再生するために照射する半導体レーザの波長が750〜830nmの赤色レーザ光、いわゆる赤色レーザ光を用いる光情報記録媒体である。そして、その記録容量が650MBあるいは700MBの追記型のCD(所謂、CD−R)がまず開発された。ついでこれより波長が短い640〜680nmの短波長赤色レーザ光を用いる記録容量4.7GBの追記型のDVD(所謂、DVD−R/+R)が開発された。そして、これらCD−RやDVD−R/+Rは既に広く普及している。これらのCD−RやDVD−R/+Rの記録極性は、High to Low型(以下、「HTL型」という。)である。具体的に説明すると、未記録状態のピット形成予定部分の反射率は高く、記録後に形成されたピット部分の反射率は、低くなるタイプである。
更なる大容量の光情報記録媒体として、従来の短波長赤色レーザ光より短波長側の350〜500nm付近(たとえば405nm前後)のレーザ光、いわゆる青紫色レーザー光を用いて記録および再生が可能な光ディスクについても開発が行われている。2006年には波長405nmのレーザ光で記録や再生を行う単層での記録容量が15GBの記録層に有機色素を使用した有機HD DVD−Rが商品化された。また、波長405nmのレーザ光で記録や再生を行う単層での記録容量をさらに大きくできる記録層に無機材料を使用した追記型無機ブルーレイ・ディスク(所謂、無機BD−R)も商品化された。これらの有機HD DVD−R、無機BD−RではDVD−R/+Rと同じようにグルーブに沿った記録である。そして、有機HD DVD−Rは記録極性は、Low to High型(以下、「LTH型」という。)である。具体的に説明すると、未記録状態のピット形成予定部分の反射率は低く、記録後に形成されたピット部分は、反射率が高くなるタイプである。それに対して無機BD−Rの記録極性は、DVD−R/+Rと同様にHTL型である。
図1に示すように、既に商品化されているHD DVD−Rは、一方の主面に案内溝であるグルーブ7が形成された円盤状の基板2が用いられる。この基板2のグルーブ7とグルーブ7との間は、ランド8といわれる。グルーブが形成された円盤状の基板2の上面に光記録層3、光反射層4が順次形成されている。光反射層4の上面に接着層5を介して保護層を兼ねるダミー基板6が積層される。こうして得られたHD DVD−Rディスク1において、基板2にスパイラル状に形成された案内溝であるグルーブ7に沿って光記録層3に向けてレーザ光9が照射されることにより記録が行われる。グルーブ7に沿って記録が行われたHD DVD−Rディスク1の再生は、グルーブ7に沿ってレーザ光9を照射し、その反射光から記録信号を読取ることにより行われる。即ち、グルーブに沿う記録であり、再生である。未記録のピット形成予定部分は、反射率が低く(Low)、記録後のピット部分は反射率が高く(High)なるLTH型である。
例えば、特許文献1に、光記録層に有機色素を使用し、短波長レーザ光の波長域で高品位なHD DVD−Rを実現するために、その記録層に照射される短波長レーザ光の波長よりも最大吸収波長領域が長波長側に存在する、アニオン部とカチオン部とを持つ一つの有機色素でその記録層を形成することが記載されている。
特開2005−297406号公報
光記録層に有機色素を使用した追記型有機ブルーレイ・ディスク(以下「有機BD−R」という。)を図2に示す。有機BD−R 11は、円盤状の基板2の案内溝が形成された側を上面に光反射層4、光記録層3、保護層5が順次形成されている。更に、保護層5の上面に接着層6aを介してカバー層6bが貼り付けられている。このような有機BD−R 11において、基板2にスパイラル状に形成された案内溝が即ち、グルーブ7’であり、グルーブ7’とグルーブ7’との間に形成されている部分がランド8’である。グルーブ7’内の光記録層3(レーザ照射側からみてランド)、またはランド8’上の光記録層3(レーザ照射側からみてグルーブ)に向けてレーザ光9が照射されることにより記録が行われる。グルーブ7’に沿って記録が行われた有機BD−R 11の再生は、グルーブ7’に沿ってレーザ光9を照射し、その反射光からの記録信号を読取ることにより行われる。例えば記録層に有機色素を使用し、短波長レーザ光の波長域で高品位な有機BDーRを実現するために、光記録層の未記録時の屈折率(n)、未記録時の減衰係数(k)、記録前後のnとkの変化量、即ち、ΔnとΔkの範囲を規定する発明を開示した特許文献2が知られている。
特開2003−303442号公報
しかしながら、特許文献2の有機BD−Rの記録極性は、未記録時のピット形成予定部分の反射率が高く、記録後のピット部分は反射率が低くなるHTL型である。光記録層に有機色素を用いた有機BD−Rは、記録感度を向上させるために記録層の未記録時の減衰係数(k)を大きくとる方がレーザ光を多く吸収するため、有利である。しかし、その未記録時の減衰係数kを大きくとれないことが改善すべき課題である。
本発明者等は、特許文献2の記録極性をHTL型とするよりも、有機HD DVD−Rと同様に記録極性はLTH型とした方が特性改善に有利であり、同時に色素膜厚体積を大きくし、吸収効率を大きくできるランド記録、即ち、レーザ光を照射する側からみてランド記録であり、基板側からみるとグルーブ記録になることが望ましいと考えた。
この考え方から新しい有機BD−Rの開発を進めた結果、本発明に至った。この有機BD−Rはランド記録でLTH型の記録極性を有するものである。従って、従来のHTL型の記録極性の追記型光情報記録媒体とは異なる。このため、これまでとは異なった記録材料設計やディスク形状設計により性能を確保する必要がある。
ところで、従来の有機BD−Rは、HTL型記録において、記録後の再生時には再生信号の反射率が低下する。一方、LTH型記録の場合、記録後の再生時には再生信号の反射率が増加するため、トラッキングにおいて追従不能となる場合が多くなる。
本発明は有機色素を用いたLTH型の記録極性を有する有機BD−R等の新しい追記型の光情報記録媒体に関する。特に、LTH型の記録極性でありながら、再生用レーザ光が案内溝を含めて構成されるトラックをトラッキングする際に、追従不能となることがない有機BD−R等の追記型の光情報記録媒体を提供することを目的とする。
また本発明は、記録時の記録感度を向上させ、記録パワーを低下させることができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
また本発明は、記録した信号の再生の精度を示す信号品位である変調度が悪化するという問題を改善した有機BD−R等の光情報記録媒体を提供することを目的とする。
また本発明は、結果的に短波長レーザ光の照射に対応できる高速、高容量かつ精細度の高い記録、再生ができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来のHTL型の記録極性ではなく、ランド記録でLTH型の記録極性とすることを主眼に開発した。そして、本発明者らが鋭意開発の結果、光記録層の屈折率(n)、消衰係数(k)についてn+kが2.1以下とすることにより、変調度が低下することもないようにすることができ、その際ランド記録でLTH型の記録極性において反射率が増加することにより起こり易いトラッキング不能の問題も起こらないようにできることを見出し、本発明をするに至った。
本発明の第1の技術手段は、円盤状基板の一方の面上にスパイラル又はリング状の案内溝が形成され、該案内溝の上面側に有機色素材料系の光記録層が形成されており、該光記録層の上面側から該案内溝に沿って短波長レーザ光を照射することにより情報を記録し、該情報記録後においては短波長レーザ光の反射光の変化を読み取って該情報を再生することができる追記型光情報記録媒体において、記録特性がLTH型であり、上記光記録層は、未記録時の屈折率nが1.2から2.1までの範囲、未記録時の消衰係数kが0.01から0.7までの範囲であり、かつn+kが1.4から2.1までの範囲である追記型光情報記録媒体であって、これらの構成により上記目的が達成される。
また、本発明の第2の技術手段は、上記第1の技術手段に加えてさらに、前記光記録層は、有機色素材料膜からなり、該光記録層の吸収最大波長での光学密度(OD値)が0.3以下の光情報記録媒体とした。これにより上記目的が達成される。
また、本発明の第3の技術手段は、上記第1又は第2の技術手段に加えてさらに、情報を記録、再生する短波長レーザー光は波長350〜500nmの範囲のレーザ光である光情報記録媒体とした。これにより上記目的が達成される。
第1の技術手段によれば、光記録層における屈折率n、消衰係数kについてn+kを2.1以下とし、nが1.2から2.1までの範囲、kが0.01から0.7までの範囲にしたので、記録したトラックを再生レーザ光が確実に追従することができ、トラッキングが良好であり、短波長レーザ光の照射により記録した後に、短波長レーザ光を照射して再生する有機BD−R等の光情報記録媒体を提供することができる。
特に、光記録層を適切な有機色素の光学的膜厚とすることにより、屈折率nを2.1より小さくすることが可能になり、n+kが1.4から2.1の範囲に規定することが可能になる。その結果、トラッキングを良好に保つことができる。
光記録層の屈折率nが2.1を含みこれより小さいことにより、光記録層を適切な光学的膜厚とすることができる。屈折率nが1.2を含みこれより大きいことにより、光記録層を適切な光学的膜厚とすることができる。
光記録層の消衰係数kが0.01を含みこれより大きいことが可能になり、光記録層が吸収するレーザ光量が十分となり、記録時の記録感度を向上させ、記録パワーを低下させることができる。また、消衰係数kが0.7を含みこれより小さいことにより、光記録層が過度にレーザ光を吸収することがなく、ディテクターで光強度が低下しないようにすることができる。
第2の技術手段によれば、光記録層の吸収最大波長での光学密度(OD値)が0.3以下に調整することで光記録層の適切な光学的膜厚とすることができる。第1の技術手段と合わせて適切な光記録層の光学的膜厚を設定することにより、記録したトラックを再生レーザ光が確実に追従することができ、トラッキングができなくなることがなく、短波長レーザ光の照射により記録した後に、短波長レーザ光を照射して再生する有機BD−R等の追記型の光情報記録媒体を提供することができる。
第3の技術手段によれば、短波長レーザ光に対応できる高速、高容量かつ精細度の高い記録、再生ができる光情報記録媒体を提供することができる。
本発明によれば、有機色素材料系の光記録層でLHT型の記録極性の光情報記録媒体において、良好なトラッキングで再生することが可能な光情報記録媒体を提供することができる。
本発明の構成の具体的一例の概要を図に従って説明する。本発明の有機BD−R 11は、厚さ1.1mmの円盤状の基板2の一方の面にスパイラル状の案内溝が形成された側の上面に光反射層4、光記録層3、保護層5が順次形成されている。更に、保護層5の上面に接着剤を用いた接着層6aを介してカバー層6bが貼り付けられている。このような有機BD−R 11において、基板2にスパイラル状に形成された案内溝が即ち、グルーブ7’であり、グルーブ7’とグルーブ7’との間に形成されている部分がランド8’である。グルーブ7’内の光記録層3(レーザ照射側からみてランド)、またはランド8’上の光記録層3(レーザ照射側からみてグルーブ)にレーザ光9が照射されることにより記録が行われる。
記録はレーザ光9が照射された部分の光記録層3が高温度に発熱することにより行われる。この発熱により、その周辺の化学変化と物理変化とにより光反射率の変化が起こることによってなされる。このように変化した部分をピットが形成されたという。そして、ピットの形状をレーザ光9の照射制御技術によって行うことにより必要な信号の記録とすることができる。このことは公知事項なので、これ以上の説明を省略する。グルーブ7’に沿って記録が行われた有機BD−R 11の再生は、グルーブ7’に沿ってレーザ光9を照射し、その反射光から記録信号を読取ることにより行われる。
このような構成の光情報記録媒体について、短波長レーザ光によりトラックを追従する原理を、図3及び図4を用いて説明する。図3(a)は、光情報記録媒体を模型化した断面図であり、図3(b)は図3(a)の模式図に位置合わせをした光情報記録媒体の上面からみたグルーブ7’とレーザ光のスポット径との位置関係を示す模式図である。また、レーザ光の照射による反射光を検知するディテクターDを図示した。図3(c)は図3(b)のレーザ光のスポットの位置に合わせたディテクターDの検出結果のプッシュプル(pp)信号を示す概要図である。
まず、図3(a)に示すように、基板2の案内溝であるグルーブ7’が形成された側の上面に光記録層が形成されている。グルーブ7’が形成された両側の基板表面にランド8’が形成されている。この光情報記録媒体の未記録の光記録層3にトラッキングをオフした状態で短波長レーザー光を照射する。この照射により、ランド8’とグルーブ7’周辺を往復しながら照射された短波長レーザ光の反射光はピックアップのディテクターDで検出され、同時に光電変換されてオシロスコープでプッシュプル(PP)信号として測定される。この測定の結果、図3(c)に示すプッシュプル(PP)信号が電圧として検知される。正弦波のような波形が得られるときには、短波長レーザ光によるトラックの追従が正常に行われることになる。すなわち、図3(b)の状態でトラッキングをオンして、レーザ光のスポットSをグルーブ7’(レーザー光照射側からみてランド)上に向けて追従させたとき、ディテクターDを半円に分けたA、Bからの反射光の演算値、すなわち、PP=A−B=0となる。
この状態を図4の振幅レベルの概要図に基づき説明すると、図4(d)のように未記録RF振幅が小さい値の場合、正常に機能する。実際のPP信号は正規化され、回路処理される。
上述のPP信号とRF信号を正規化する演算式を以下に示す。NPPbは未記録の正規化NPP信号を意味し、NPPaは記録後の正規化NPP信号を意味する。
NPPb=PP生振幅V1 〔V〕/(未記録RF生振幅V2 /2〔V〕
NPPa=PP生振幅V1 〔V〕/(記録後RF生振幅V3 /2〔V〕
図4(d)未記録でトラッキングをオフしたときの再生のRF信号で正規化されたPP値(NPPb)は、RF信号の振幅値が小さい為、演算上、NPPbは大きな値となり、上述のとおり、正常に機能するが、光記録層3に記録がなされると、図4(e)トラッキングをオフしたときの記録部分の再生のRF信号は反射率が上昇し、NPPaはNPPbの値よりも小さくなり、トラッキングが不能となる。すなわち、図3(b)の状態でトラッキングをオンして、レーザ光のスポットSをグルーブ7’上に追従させたとき、ディテクターDを半円に分けたA、Bからの反射光の演算動作は、PP=A−B≠0となり、正常に機能せず、トラッキングが不能となる。
この追従不能になる場合を回避するためには、短波長レーザ光の再生パワー0.25mW、30kHzのローパスフィルターを通した後において、PP振幅V1 は0.2〔V〕以上、即ち、V1 〔V〕≧0.2〔V〕)であればよいことを本発明者らは見出した。そのためには、光記録層を形成する色素膜の未記録の屈折率nは1.2から2.1まで、未記録の消衰係数kは0.01〜0.7までが適切であることがわかった。
また、波長405nmの短波長レーザ光における有機色素薄膜からなる光記録層の吸収最大波長での光学密度(OD値)(吸光度)が0.3以下になるように有機色素材料により光記録層は形成されることが好ましいことがわかった。
なお、本発明に用いる色素としては、アゾ及びその金属錯体、メチン及びその金属錯体、アゾメチン及びその金属錯体、その他金属錯体、シアニン、メロシアニン、スクアリリウム、スチリル、クマリン、フタロシアニン、サブフタロシアニン、ポルフィリン、ピロメテン、オキソノール、互変異性体を形成する色素などを挙げるこができるが、特に限定するものではない。
後述する実施例の実測値を含めて未記録の屈折率n、消衰係数kについて、トラッキングが不能(サーボ追従不能)に陥る可能性が非常に小さい領域を探ってみた。その結果を表1に示した。表1中、化1〜化8は下記〔化1〕〜〔化8〕であり、「記録後のトラッキング」は上記したトラッキング追従について可能を「○」、不能を「×」で示している。その他は上述したとおりである。この表から、未記録n+kが2.04にり小さい値の側と未記録のPP振幅V1 〔V〕が0.21〔V〕より大きい値の側がトラッキングの追従について可能である「○」になった。この関係をグラフにした結果、図5のようになった。
表1、図5から、「記録後のトラッキング」が「○」であるトラッキングが可能になるには、未記録のPP振幅基準値V0 を0.20〔V〕以上、すなわち、V0 〔V〕≧0.20〔V〕に設定したn+k<2.1の範囲が望ましいということが導き出せることが分かった。
また、記録感度や変調度を確保する点からは、未記録の屈折率くnは1.2から2.1まで、未記録の消衰係数kは0.01から0.7までが適当である。このことからn+k≧1.21となる。
n>1.2、有機色素膜からなる記録層の厚さd<55nm、図5から、V0 〔V〕>0.25〔V〕、n+k<2.0又は1.95であることも好ましい。ランド部とグルーブ部からの反射光の干渉により生じるディテクターDでの光強度の変化および光強度分布はランド部とグルーブ部の光路差に依存することから光記録層の光学的膜厚、すなわち光記録層を形成する色素の未記録の屈折率nと光記録層の膜厚dの積であるndを適正な範囲に設定する必要がある。
上記透光性の基板2としては、レーザー光に対する屈折率がたとえば1.5〜1.7程度の範囲内の透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた主として樹脂で形成したもの、例えばポリカーボネート板、アクリル板、エポキシ板等の樹脂板を用いることが好ましい。また、ガラス板を用いてもよい。
また、光記録層3は、基板2の上に形成した色素材料を含む色素膜が、厚さ15nm〜120nmからなる層であることが好ましい。そして、レーザ光9を照射することにより、その色素の分子構造が変化すること等により、レーザ光9に対する有機色素の屈折率n、消衰係数kの変化Δn、Δkにより、レーザ光9の照射前の屈折率n、消衰係数kとの間で変調がとれることによりレーザー光による再生が可能となる。
本発明の光学記録層は、有機色薄膜であり、光学薄膜として機能する。この薄膜は未記録時の屈折率nおよび未記録時の消衰係数kが重要になる。この有機色素薄膜が単独の色素のみならず複数の色素の混合として形成された場合も、光記録層の未記録時の屈折率nおよび未記録時の消衰係数kは、単独の色素で構成された場合と同様に適用できる。
有機色素材料及びその他必要に応じて添加剤を溶剤に加えて混合液を調製し、これを例えばスピンコート法を用いて、厚さ1.1mmのトーナツ型円盤状の基板のスパイラル状の案内溝が形成された側の上面に塗布し、光記録層3を形成する。
溶剤としては、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッソ化アルコールが好ましいが、クロロホルム、ジクロロエタン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メタノール、トルエン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン等も基板を侵食しない程度に単独又は併用し、また、フッソ化アルコールと単数又は複数併用することもできる。
光反射層4は、熱伝導率および光反射性の高い金属膜であり、たとえば、金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金等の金属材料を、蒸着法、スパッタ法等の手段により形成される。
保護層5は、透明な無機材料からなり、たとえばスパッタにより成膜される。
カバー層6bは、例えば厚さ0.1mmの光透過性の樹脂である。そして、透明接着剤により形成した接着層6aを介して貼り合わせることにより、ディスクとして約1.2mmの所定の厚さを確保する。
なお、有機BD−R 11は、光記録層3、光反射層4、保護層5を1層ずつ設けるだけであったが、これを複数層設け、いわゆる多層型としてもよく、さらに高密度、高容量記録を可能にすることができる。
つぎに本発明の実施例を図2〜図5にもとづき説明する。
実施例1
外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板2にピッチ0.32μmからなるスパイラル状の案内溝を形成した。トラッキングの誘導をするソフト等の変更を伴えば、溝はリング状の溝でも使用が可能となる。この基板2の案内溝が形成された側の上面に、Ag合金からなる反射層4をスパッタリングにより形成し、案内溝に対応するトラックを基板側からみて光反射層上に深さ45nm、幅160nmに形成した。 上記光反射層が形成されたその上面に、上記〔化1〕の化合物(シアニン色素)を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)に溶解した色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分乾燥後、グルーブ7’の膜厚(レーザー照射側からみたランドでの膜厚)35nm、ランド8’の膜厚(レーザー照射側からみたグルーブでの膜厚)15nmの光記録層3を形成し、吸収最大波長(λmax)での光学密度(OD値)を0.3となるように形成した。その後、更に光記録層3の上面にZnS−SiO2 材料からなる透明な保護層5を20nmの厚さになるようにスパッタリングした。それから0.1mmのポリカーボネート製シートからなるカバー層(光透過層)6bを透明接着剤からなる接着層6aを介して保護層5の表面に貼り合わせることにより有機BD−R 11の追記型の光情報記録媒体の試料を得た。
このようにして得られた有機BD−R 11における記録層3の未記録時の屈折率nと未記録時の消衰係数kは、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の両面が平坦な基板の上面に、上記〔化1〕の化合物をTFPに溶解した色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で30分乾燥後、膜厚40nmである色素薄膜を形成し、nとkの計測装置(STEAG ETA Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定したところ、nは1.28、kは0.41であった。また、短波長レーザ光の3ビームのメインビーム再生パワーが0.25mW、30kHzのローパスフィルターを通した後で、未記録PP振幅V1 〔V〕は0.31〔V〕であった。
なお、〔化1〕の化合物(シアニン色素)以外の化合物〔化2〕、〔化3〕、〔化4〕、〔化5〕、〔化6〕、〔化7〕及び〔化8〕についても、同様の試料を作製し、同様に未記録のnとkを計測装置(STEAG ETA Optik GmbH社製ETA−RT/UV)で測定した。その計測値は、表1に示した。
続いて、この有機BD−R 11を市販の記録再生装置(パルステック社製DDU−1000)を用いて波長405nmの短波長レーザを用い、開口数NA0.85、記録パワー5.0mW、線速4.92m/秒で記録し、波長405nmの短波長レーザを用いて再生特性を評価したところ、トラッキングでの追従が可能であり、短波長レーザ光の3ビームのメインビーム再生パワーが0.3mW、30kHzのローパスフィルターを通した後、記録後のPP振幅V2 〔V〕は0.23〔V〕であり、変調度は0.47であった。
これらのことから、未記録n、kのn+k=1.69に対して、未記録PP振幅V1 〔V〕は0.31〔V〕になり、上記のV0 〔V〕≧0.20〔V〕のためのn+k<2.1を満足する。これらの結果は表1の化1の欄に示してある。
実施例2、3、4、5
実施例1において、〔化1〕の化合物の代わりに、それぞれ上記〔化2〕、〔化3〕、〔化4〕、〔化5〕の化合物を用いたこと以外は同様にして有機BD−R 11を得た。実施例1と同様にして測定した結果は表1の化2、化3、化4、化5のそれぞれの欄に示した通り、いずれもトラッキングが可能であった。
それぞれ未記録n、kのn+k=1.54、1.70、1.95、2.04に対して、未記録PP振幅V1 〔V〕は0.34〔V〕、0.30〔V〕、0.27〔V〕、0.21〔V〕になり、いずれも、上記のV0 〔V〕≧0.20〔V〕)のためのn+k<2.1を満足する。また、変調度はそれぞれ0.40、0.41、0.43、0.40であった。
比較例1、2、3
実施例1において、〔化1〕の化合物の代わりに、上記〔化6〕、〔化7〕、〔化8〕の化合物を用いたこと以外は同様にして有機BD−R 1を得た。実施例1と同様にして測定した結果は表2の化6、化7、化8の欄に示した通り、トラッキング追従不能であった。
未記録n、kのn+k=2.11、2.23、2.15に対して、PP振幅V1 〔V〕は0.19〔V〕、0.14〔V〕、0.18〔V〕になり、上記のV0 〔V〕≧0.20〔V〕)のためのn+k<2.1を満足することができない。また、変調度はそれぞれ0.44、0.42、0.45であった。
なお、本発明の構成及び動作は前述の各説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えてもよい。
従来のHD DVD−Rの断面説明図である。 本発明の追記型の光情報記録媒体の断面説明図である。 短波長レーザ光によりトラックを追従する原理を簡略化して説明する説明図である。 その続きの説明図である。 未記録n+kと未記録PP振幅の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 HD DVD−Rディスク
11 本発明の追記型光情報記録媒体
2 基板
3 光記録層(光吸収層)
4 光反射層
5 保護層あるいは接着層 6 ダミー基板
6a 接着剤層
6b カバー層
7 グルーブ
8 ランド
7’グルーブ
8’ランド
9 レーザ光(記録光、再生光)

Claims (3)

  1. 円盤状基板の一方の面にスパイラル又はリング状の案内溝が形成され、該案内溝の上面側に有機色素材料系の光記録層が形成されており、該光記録層の上面側から該案内溝に沿って短波長レーザー光を照射することにより情報を記録し、該情報記録後においては短波長レーザー光の反射光の変化を読み取って該情報を再生することができる追記型光情報記録媒体において、
    記録特性がLTH型であり、
    上記光記録層は、未記録時の屈折率nが1.2から2.1までの範囲、未記録時の消衰係数kが0.01から0.7までの範囲であり、かつn+kが1.4から2.1までの範囲であることを特徴とする追記型光情報記録媒体。
  2. 前記光記録層は、有機色素材料膜からなり、光記録層の吸収最大波長での光学密度(OD値)が0.3以下でるある請求項1に記載の追記型光情報記録媒体。
  3. 情報を記録、再生する短波長レーザー光は、波長350〜500nmの青色レーザー光である請求項1又は2に記載の追記型光情報記録媒体。
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