JP2007233598A - 磁気インク文字読取装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気インク文字の認識精度を低下させないように図りつつ、磁気インク文字読取装置を比較的安価に実現できるようになる磁気インク文字読取装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を出力する磁気ヘッドを備え、磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、該磁気ヘッドから出力される信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置に関するものである。磁気ヘッドから出力される信号は、直流バイアス部30によって直流バイアスされた後、A/D変換される。認識部32は、A/D変換部31から出力される信号データに基づいて、記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する。特に、認識部32は、A/D変換部31から出力される信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて上記認識処理を実行する。
【選択図】図7
【解決手段】本発明は、磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を出力する磁気ヘッドを備え、磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、該磁気ヘッドから出力される信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置に関するものである。磁気ヘッドから出力される信号は、直流バイアス部30によって直流バイアスされた後、A/D変換される。認識部32は、A/D変換部31から出力される信号データに基づいて、記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する。特に、認識部32は、A/D変換部31から出力される信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて上記認識処理を実行する。
【選択図】図7
Description
本発明は磁気インク文字読取装置及びその制御方法に関する。
磁気インク文字(MICR文字:Magnetic Ink Character Recognition文字)による磁束の変化に応じた交流信号を出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、該磁気ヘッドから出力される信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置が知られている。従来、磁気インク文字読取装置では、磁気ヘッドから出力される交流信号を所定のサンプリング周波数でA/D(Analog/Digital)変換し、A/D変換によって得られるデジタルデータ(磁気ヘッドから出力される信号の波形を示すデータ)の特徴点のサンプル値(例えばピーク値)に基づいて、記録媒体に記録された文字列(磁気インク文字)を認識することが行われている。
上記のような磁気インク文字読取装置を実現するためには、磁気ヘッドから出力される信号をA/D変換するためのA/Dコンバータとして、交流信号をA/D変換するためのA/Dコンバータを用いる必要があり、片電源のA/Dコンバータを用いることはできなかった。このため、磁気インク文字読取部を単一電源で動作可能に構成することができず、磁気インク文字読取装置を比較的安価に実現することは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁気インク文字の認識精度を低下させないように図りつつ、磁気インク文字読取装置を比較的安価に実現できるようになる磁気インク文字読取装置及びその制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気インク文字読取装置は、磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を磁気検出信号として出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置において、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号を直流バイアスする直流バイアス手段と、前記磁気ヘッドから出力され、かつ、前記直流バイアス手段によって直流バイアスされた磁気検出信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点におけるサンプル値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する認識手段と、を含み、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る磁気インク文字読取装置の制御方法は、磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を磁気検出信号として出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置の制御方法において、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号を直流バイアスするための直流バイアスステップと、前記磁気ヘッドから出力され、かつ、前記直流バイアス手段によって直流バイアスされた磁気検出信号をA/D変換するためのA/D変換ステップと、前記A/D変換手段から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点におけるサンプル値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するための認識ステップと、を含み、前記認識ステップは、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする。
本発明は、磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を磁気検出信号として出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、該磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置に関するものである。本発明では、磁気ヘッドから出力される磁気検出信号が直流バイアスされる。そして、磁気ヘッドから出力され、かつ、直流バイアスされた磁気検出信号がA/D変換される。そして、A/D変換によって得られる磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点におけるサンプル値に基づいて、記録媒体に記録された文字列の認識処理が実行される。特に、本発明では、磁気検出信号データの上記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、記録媒体に記録された文字列の認識処理が実行される。本発明によれば、記録媒体に記録された文字列(磁気インク文字)の認識精度を低下させないように図りつつ、磁気インク文字読取装置を比較的安価に実現できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記磁気検出信号データのサンプル値の平均値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記磁気検出信号データの特定サンプリング点のサンプル値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、そのサンプリング点と所定の関係を有するサンプリング点におけるサンプル値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点について、所定数のサンプリング点ごとにサンプル値の特徴値を算出する特徴値算出手段を含み、前記特徴値算出手段によって算出される特徴値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記所与の値と、の差分値を示す差分値列データを取得する差分値列データ取得手段と、前記差分値列データ取得手段によって取得される差分値列データについて、所定数の差分値ごとに特徴値を算出する特徴値算出手段と、を含み、前記特徴値算出手段によって算出される特徴値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、本発明の一態様では、前記特徴値は平均値であってもよい。
また、本発明の一態様では、前記認識手段は、前記磁気ヘッドから出力される信号に所定間隔以上のピーク間隔が存在するか否かを判定する判定手段を含み、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記文字列に空白文字が含まれるか否かを認識するようにしてもよい。
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気インク文字読取装置の全体構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係る磁気インク文字読取装置10は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース(I/F)13と、磁気インク文字読取部14と、印刷部15と、を含んで構成される。
制御部11は、記憶部12に記憶されるプログラムに従って動作し、磁気インク文字読取装置10全体の制御を行う。記憶部12は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を含んで構成される。記憶部12は、各種処理を実行するための各種データを記憶するワークメモリとしても動作する。
インタフェース13は、ホストコンピュータ(図示せず)とデータ授受可能に通信接続するためのものである。インタフェース13は、制御部11からの指示に従って各種データをホストコンピュータに送信する。例えば、磁気インク文字読取装置10の各種ステータス情報や、用紙(記録媒体)に印刷された(記録)された磁気インク文字の読み取り結果が、インタフェース13を介してホストコンピュータに送信される。また、インタフェース13はホストコンピュータから各種データを受信し、制御部11に供給する。例えば、ホストコンピュータにおいて各種アプリケーションプログラムによって生成された画像の印刷データが、インタフェース13を介して制御部11に供給される。
磁気インク文字読取部14は、用紙に印刷された磁気インク文字を読み取るためのものである。制御部11は、磁気インク文字読取部14から供給されるデータに基づいて、用紙に印刷された磁気インク文字を認識する。すなわち、用紙に磁気インク文字を用いて印刷された文字列を認識する。制御部11によって認識された文字列はインタフェース13を介してホストコンピュータに送信され、各種処理に供される。磁気インク文字読取部14の動作については後述する。
印刷部15は、用紙に画像を印刷するためのものである。制御部11は、ホストコンピュータからインタフェース13を介して供給される印刷データを解釈し、ラスタ画像データに変換する。制御部11はこのラスタ画像データを印刷部15に供給し、印刷させる。
以上のように、磁気インク文字読取装置10は、記録媒体に磁気インク文字を用いて記録された文字列を読み取る機能と、記録媒体に画像を印刷するための機能と、を備えている。この磁気インク文字読取装置10は、例えば小売店等での小切手による精算において次のようにして用いられる。すなわち、小売店等の担当者は商品購入者から小切手を受け取り、その小切手に店識別情報や購入金額等を印刷する。この印刷には磁気インク文字読取装置10の印刷部15が用いられる。次に、商品購入者は、小切手に印刷された店識別情報や購入金額等を確認し、小切手にサインする。そして、店側担当者は、サインされた小切手を受け取り、小切手の表面に磁気インク文字で印刷された口座番号等を磁気インク文字読取装置10に読み取らせる。読み取られた口座番号等はインタフェース13を介してホストコンピュータに送信され、その正当性が確認される。そして、口座番号等の正当性が確認されると、その旨が印刷部15によって小切手に印刷され、小切手による精算が完了する。
ここで、磁気インク文字読取部14についてさらに詳しく説明する。図2は磁気インク文字読取部14の機構を示す模式図である。図1及び図2に示すように、磁気インク文字読取部14は、用紙センサ16(用紙センサ16a及び16b)と、搬送ローラ17と、搬送モータ18と、搬送モータ駆動制御部19と、磁石20と、磁気ヘッド21と、磁気検出信号処理回路部22と、A/Dコンバータ23と、を含んで構成される。
用紙センサ16aは磁気インク文字読取装置10の所定の挿入口に用紙24が挿入されたか否かを検出する。搬送ローラ17は挿入口に挿入された用紙24を一定速度で搬送する。搬送ローラ17によって用紙24が搬送されることによって、磁気ヘッド21と用紙24との相対移動が実現される。搬送モータ18は搬送ローラ17を一定速度で回転させるためのステップモータを含んで構成される。搬送モータ駆動制御部19は搬送モータ18の駆動を制御する。制御部11は、用紙センサ16aによって挿入口に用紙24が挿入されたことが検出されたら、搬送モータ駆動制御部19に搬送モータ18を駆動させる。搬送モータ18が駆動されると、搬送ローラ17が図2に示すA方向(時計回り方向)に回転され、用紙24が図2に示すB方向に搬送される。このとき、用紙24は磁気ヘッド21と搬送ローラ17とに挟持される。
用紙24の表面24aの磁気インク文字が印刷された領域は磁石20によって磁化される。磁気ヘッド21は磁束の変化を検出する素子である。磁気ヘッド21は、用紙24の表面24aに印刷された磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号(磁気検出信号)を出力する。磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号は磁気検出信号処理回路部22に入力される。
ここで、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号について説明する。なお、本実施の形態では、JIS X9002で規定される磁気インク文字を読み取り対象としている。JIS X9002では14種類の磁気インク文字(ストローク0〜13)が規定されている。ストローク0〜9はそれぞれ0〜9の数字に対応している。ストローク10〜13はそれぞれ所定の記号に対応している。図3(a)は、JIS X9002で規定される磁気インク文字の一例を示している。ここでは、ストローク0とストローク8とが表されている。同図に示すように、各磁気インク文字は、1辺の長さが0.33mmの正方形が縦に9個、横に7個配列されてなる矩形内に収まるように規定されている。また、JIS X9002では、磁気インク文字の1文字ごとのピッチが3.175mmと規定されている。
図3(b)は、同図(a)に示す磁気インク文字が読み取られる場合に、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号を示している。同図(b)に示すように、磁気ヘッド21の検出対象領域の少なくとも一部が、用紙24の磁気インク文字が印刷されていない領域から磁気インク文字が印刷された領域へと変わるタイミング(A,C,E,F,H)、すなわち、磁束が増加するタイミングでは、正極性のパルスが磁気ヘッド21から出力される。また、磁気ヘッド21の検出対象領域の少なくとも一部が、用紙24の磁気インク文字が印刷されている領域から磁気インク文字が印刷されていない領域に変わるタイミング(B,D,G,I,J)、すなわち、磁束が減少するタイミングでは、負極性のパルスが磁気ヘッド21から出力される。
磁気検出信号処理回路部22は、磁気ヘッド21から入力される磁気検出信号の増幅及びフィルタリングを行う。図4は磁気検出信号処理回路部22の機能ブロック図である。図5は磁気検出信号処理回路部22の回路の一例を示す回路図である。これらの図に示すように、磁気検出信号処理回路部22は、差動増幅器22aと、微分回路22bと、ローパスフィルタ22cと、微分回路22dと、反転回路22eと、を含んで構成される。
磁気ヘッド21から入力された磁気検出信号は、差動増幅器22aによって直流バイアス(直流レベルシフト)されることによって増幅される。本実施の形態では、磁気ヘッド21から入力される磁気検出信号が差動増幅器22aによって2.5V分だけ直流バイアスされる。差動増幅器22aによって増幅された磁気検出信号は、微分回路22bによってピーク部分が強調され、ローパスフィルタ22cによってノイズ成分が除去される。ローパスフィルタ22cによってノイズ成分が除去された磁気検出信号は、微分回路22d及び反転回路22eを介してA/Dコンバータ23に入力される。
図3(c)は、同図(b)に示す磁気検出信号が磁気ヘッド21から入力される場合に、磁気検出信号処理回路部22から出力される信号を示している。同図(c)に示すように、磁気検出信号処理回路部22からは、磁気ヘッド21から入力される磁気検出信号が直流バイアスされてなる信号が出力される。
A/Dコンバータ23は、磁気検出信号処理回路部22から入力される信号を、タイマ回路(図示せず)によって発生される割り込み信号に従ってA/D変換する。磁気インク文字を認識する場合には磁気検出信号のピーク位置が重要になるため、磁気インク文字の認識処理において磁気検出信号のピーク位置が正確に特定できるよう、ここでは、磁気検出信号の最小ピーク間隔の10倍程度のサンプリング周波数でサンプリングされる。また、磁気検出信号は、例えば量子化ビット数10ビットで量子化される。より具体的には、0〜5Vの電圧が1024段階の数値で表されるように量子化される。A/D変換された信号(以下、磁気検出信号データと記載する。)は制御部11に順次供給され、記憶部12に順次記憶される。図6は、記憶部12に記憶される磁気検出信号データの一例を示している。
以上に説明した磁気インク文字読取部14の動作は、磁気ヘッド21の下流側に設けられた用紙センサ16bによって用紙24が検出されなくなるまで、又は、搬送ローラ17によって用紙24が所定量搬送されるまで繰り返される。
次に、記憶部12に記憶された磁気検出信号データに基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)を認識するための構成について説明する。
図7は磁気インク文字読取装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す図である。同図に示すように、磁気インク文字読取装置10は、直流バイアス部30と、A/D変換部31と、認識部32と、を含んで構成される。
[1.直流バイアス部]
直流バイアス部30は磁気検出信号処理回路部22(差動増幅器22a)を主として実現される。直流バイアス部30は、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号を所定電圧(本実施の形態では2.5V)分だけ直流バイアスする。
直流バイアス部30は磁気検出信号処理回路部22(差動増幅器22a)を主として実現される。直流バイアス部30は、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号を所定電圧(本実施の形態では2.5V)分だけ直流バイアスする。
[2.A/D変換部]
A/D変換部31はA/Dコンバータ23を主として実現される。A/D変換部31は、直流バイアス部30によって直流バイアスされた磁気検出信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングすることによりデジタルデータ(磁気検出信号データ)に変換する。
A/D変換部31はA/Dコンバータ23を主として実現される。A/D変換部31は、直流バイアス部30によって直流バイアスされた磁気検出信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングすることによりデジタルデータ(磁気検出信号データ)に変換する。
[3.認識部]
認識部32は制御部11及び記憶部12を主として実現される。A/D変換部31から出力される磁気検出信号データに基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。特に、認識部32は、A/D変換部31から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。
認識部32は制御部11及び記憶部12を主として実現される。A/D変換部31から出力される磁気検出信号データに基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。特に、認識部32は、A/D変換部31から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。
例えば、認識部32は、磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、磁気検出信号データのサンプル値の平均値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。すなわち、認識部32は、上記所与の値として、磁気検出信号データのサンプル値の平均値を用いる。
また例えば、認識部32は、磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、磁気検出信号データの特定サンプリング点のサンプル値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。すなわち、認識部32は、上記所与の値として、磁気検出信号データの特定サンプリング点のサンプル値を用いる。ここで、「特定サンプリング点」とは、例えば、磁気検出信号データの先頭のサンプリング点としてもよいし、上記少なくとも一部のサンプリング点のうちの先頭のサンプリング点としてもよい。また、他のサンプリング点を特定サンプリング点としてもよい。
また例えば、認識部32は、磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、そのサンプリング点と所定の関係を有するサンプリング点におけるサンプル値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する。すなわち、認識部32は、磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々ごとに、上記所与の値として、そのサンプリング点と所定の関係を有するサンプリング点におけるサンプル値を用いる。ここで、「そのサンプリング点と所定の関係を有するサンプリング点」とは、例えば、そのサンプリング点の直前のサンプリング点(時間的に隣接するサンプリング点のうちの直前のもの)である。
本実施の形態では、認識部32は、磁気検出信号データの全サンプリング点の各々におけるサンプル値と、磁気検出信号データの全サンプル値の平均値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する(図8、図9及び図10参照)。
また、認識部32(特徴値算出手段)は、A/D変換部31から出力される磁気検出信号データについて、所定数のサンプリング点ごとにサンプル値の特徴値を算出するようにしてもよい。そして、その算出された特徴値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行するようにしてもよい。ここで、「特徴値」とは、例えば平均値、最大値や最小値等である。
本実施の形態の場合、認識部32は、A/D変換部31から出力される磁気検出信号データについて、全サンプリング点を、時間的に連続する4つのサンプリング点ごとのグループに分割し、各グループごとにサンプル値の平均値を算出する。そして、認識部32は、算出された各平均値と、磁気検出信号データの全サンプル値の平均値と、の差分値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行する(図8、図9及び図10参照)。
なお、認識部32(特徴値算出手段)は、A/D変換部31から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値(例えば、磁気検出信号データのサンプル値の平均値)と、の差分値を示す差分値列データを取得した後、該差分値列データについて、所定数の差分値ごとに特徴値を算出し、その算出された特徴値に基づいて、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識処理を実行するようにしてもよい。
また、認識部32は、磁気ヘッド21から出力される信号に所定間隔以上のピーク間隔が存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて、用紙24に印刷された文字列に空白文字が含まれるか否かを認識するようにしてもよい(図8及び図9参照)。
ここで、磁気インク文字読取装置10において実行される処理について説明する。図8及び図9は、磁気インク文字読取装置10において実行される処理を示すフロー図である。また図10は、この処理を説明するための図である。図8及び図9に示す処理が制御部11によって実行されることによって認識部32は実現される。
図8に示すように、まず、文字列型変数sが初期化される(S101)。具体的には、文字列型変数sに保持される文字列が空文字列(長さ0の文字列)に初期化される。この文字列型変数sは、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識結果を保持するために用いられる。
次に、磁気検出信号データ(図6)の全サンプル値の平均値aが算出される(S102)。
次に、磁気検出信号データ(図6)について、正極性のピーク点(図3(b)に示すタイミングA,C,E,F,H等)に対応するサンプリング点が存在するか否かが判定される(S103)。すなわち、用紙24に磁気インク文字が印刷されているか否かが判定される。より具体的には、「サンプリング点のサンプル値が、直前のサンプリング点のサンプル値よりも大きく、かつ、直後のサンプリング点のサンプル値よりも大きいとの条件」を満足するようなサンプリング点が存在するか否かが判定される。正極性のピーク点に対応するサンプリング点が存在しないと判定された場合には、本処理は終了する。
正極性のピーク点に対応するサンプリング点が存在する場合には、用紙24に印刷された最初の磁気インク文字に対応する磁気検出信号データを取得するための処理(S104及びS105)が実行される。
すなわち、まず、正極性のピーク点に対応する最初のサンプリング点が基準サンプリング点として特定される(S104)。そして、基準サンプリング点を読み出し開始位置として、基準サンプリング点以降のNa個分のサンプリング点の各サンプル値がサンプル値列Xとして読み出される(S105:図10の(i)参照)。ここで、Naはあらかじめ定められる定数であり、その値は、1文字分の磁気検出信号を所定のサンプリング周波数(A/Dコンバータ23で用いられるサンプリング周波数)でサンプリングした場合のサンプリング点数に基づいて決定される。サンプル値列Xは1文字分の磁気検出信号データに相当する。
次に、サンプル値列Xに対応する磁気インク文字を特定するための処理(S106乃至S109)が実行される。
すなわち、まず、S105で取得されたサンプル値列Xについて、時間的に連続する4個のサンプリング点ごとにサンプル値の平均値が算出され、平均値列Yが生成される(S106:図10の(ii))。平均値列Yのデータ量はサンプル値列Xのデータ量の約1/4になる。
その後、平均値列Yの各値と、S102で取得された平均値aと、の差分値が算出され、差分値列Zが生成される(S107:図10の(iii))。言い換えれば、平均値列Yの各値からS102で取得された平均値aが減算され、差分値列Zが生成される。なお、図10は、S102で取得された平均値aの値が512である場合を示している。
次に、各磁気インク文字(ストローク0〜13)ごとに類似度が算出される(S108)。
記憶部12(ROM)には、例えば図11に示すような基準値列テーブルがあらかじめ記憶されている。同図に示すように、基準値列テーブルは各磁気インク文字ごとの基準値列Pを示すテーブルである。ここで、「基準値列」は、各磁気インク文字の原磁気検出信号(各磁気インク文字が読み取られる際に磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号)に対して、磁気検出信号処理回路部22における処理と同様の処理(直流バイアス等)を施した後、A/Dコンバータ23における処理と同様のA/D変換処理を行うことによって得られる基準磁気検出信号データである。
S108の処理では、まず、各磁気インク文字の基準値列Pが読み出され、S106の処理と同様の処理が実行され、各磁気インク文字ごとの基準平均値列Qが生成される(図10の(iv))。そして次に、各磁気インク文字の基準平均値列Qに対して、S107の処理と同様の処理が実行され、基準差分値列Rが生成される(図10の(v))。そして、各磁気インク文字ごとに、差分値列Zと、基準差分値列Rと、の類似度が算出される(図10の(vi))。この類似度は下記の式(1)によって算出される。
上記式(1)に示すように、類似度は、差分値列Zと、基準差分値列Rとの内積を、差分値列Zの絶対値と、基準差分値列Rの絶対値との積で除することによって算出される。類似度は−1以上1以下の値となり、その値が大きいほど、差分値列Zと、基準差分値列Rと、が類似していることを示す。
各磁気インク文字ごとに類似度が算出されたら、最も類似度の高い磁気インク文字が、S105で取得されたサンプル値列Xに対応する磁気インク文字として特定される。そして、その磁気インク文字に対応する文字が、文字列型変数sに保持される文字列の末尾に追加される(S109)。例えば、最も類似度の高い磁気インク文字がストローク0である場合には、ストローク0に対応する文字、すなわち「0」が、文字列型変数sに保持される文字列の末尾に追加される。また例えば、最も類似度の高い磁気インク文字がストローク10である場合には、ストローク10に対応する文字、例えば「A」が、文字列型変数sに保持される文字列の末尾に追加される。
次に、読み出し済みのサンプリング点より後のサンプリング点のうちに、正極性のピーク点に対応するサンプリング点が存在するか否かが判定される(S110)。すなわち、S109において特定された磁気インク文字の次の磁気インク文字が存在するか否かが判定される。
読み出し済みのサンプリング点より後のサンプリング点のうちに、正極性のピーク点に対応するサンプリング点が存在する場合には、すなわち、次の磁気インク文字が存在する場合には、S109において特定された磁気インク文字と、次の磁気インク文字と、の間に空白文字が存在するか否かが判定される。
より具体的には、「読み出し済みのサンプリング点のうちの最後のサンプリング点」と、「読み出し済みのサンプリング点より後のサンプリング点のうちの、正極性のピーク点に対応する最初のサンプリング点」と、の間のサンプリング点数nが取得され(S111)、
その値が所定数Nb以上であるか否かが判定される(S112)。ここで、Nbの値はあらかじめ定められる定数であり、その値は、2つの磁気インク文字がどの程度離れていたら、それらの磁気インク文字の間に空白文字が存在していると判断するかの判定基準(例えば4mm等)に基づいて決定される。
その値が所定数Nb以上であるか否かが判定される(S112)。ここで、Nbの値はあらかじめ定められる定数であり、その値は、2つの磁気インク文字がどの程度離れていたら、それらの磁気インク文字の間に空白文字が存在していると判断するかの判定基準(例えば4mm等)に基づいて決定される。
サンプリング点数nが所定数Nb以上である場合には、文字列型変数sに保持される文字列の末尾に空白文字が追加される(S113)。
S113の処理が実行された後、又は、S112においてサンプリング点数nが所定数Nb未満であると判定された場合には、「読み出し済みの最後のサンプリング点より後のサンプリング点のうちの、正極性のピーク点に対応する最初のサンプリング点」が基準サンプリング点として特定される(S114)。そして、S105乃至S114の処理が再実行される。すなわち、次の磁気インク文字に対応する磁気検出信号データを取得するための処理(S105)が実行され、その後、その磁気インク文字を特定するための処理(S106乃至S109)が実行される。
一方、S110において、読み出し済みのサンプリング点より後のサンプリング点のうちに、正極性のピーク点に対応するサンプリング点が存在しないと判定された場合には、すなわち、次の磁気インク文字が存在しないと判定された場合には、本処理は終了する。このとき、文字列型変数sには、用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の認識結果が保持されていることになる。文字列型変数sの内容はインタフェース13を介してホストコンピュータ等に送信され、各処理に供される。
用紙24に印刷された文字列(磁気インク文字)の読み取りが正常に終了した場合には、用紙24が印刷部15に搬送される。一方、磁気インク文字の読み取りに失敗した場合には、搬送ローラ17が逆回転され、用紙24が最初の位置(挿入口)に戻される。
磁気インク文字の読み取りの成否は、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号のピークの数や、読み取られた磁気インク文字のフォーマットの種類等に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号のピークの数が所定数以下である場合には、用紙24が正常な向きで挿入されていない(例えば、用紙24の表裏が逆の状態で挿入されている)可能性があると判断し、磁気インク文字の読み取りに失敗したと判断するようにしてもよい。
また、磁気インク文字の読み取りの成否は、1文字分の読み取り(認識)が行われるごとに、最も高い類似度の値や、最も高い類似度と2番目に高い類似度との差等に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、S109の処理時において、最も高い類似度の値が所定値以下である場合には、磁気インク文字の読み取りに失敗したと判断するようにしてもよい。
また、磁気インク文字の読み取りに失敗したと判断され、用紙24が最初の位置(挿入口)に戻された場合には、磁気インク文字の読み取りが自動的に再実行されるようにしてもよい。このような再実行は、磁気インク文字の読み取りが正常に終了するまで繰り返し行われるようにしてもよい。なお、磁気ヘッド21から出力される磁気検出信号のピークの数が所定数以下である場合には、用紙24が正常な向きで挿入されていない可能性があるため、このような再実行が制限(抑止)されるようにしてもよい。また、このような再実行の有無及び再実行回数は、ホストコンピュータから磁気インク文字読取装置10に所定のコマンドデータを送信することによって設定できるようにしてもよい。
以上説明したように、磁気インク文字読取装置10では、磁気検出信号処理回路部22において、磁気ヘッド21から入力される磁気検出信号が直流バイアスされることによって増幅される。その結果、磁気検出信号をA/D変換するためのA/Dコンバータ23として片電源のA/Dコンバータを用いることが可能になり、磁気インク文字読取部14を単一電源で動作可能に構成することが可能になる。すなわち、磁気インク文字読取装置10を比較的安価に実現できるようになる。
また、磁気インク文字読取装置10では、記憶部12に記憶される磁気検出信号データからサンプル値列X(1文字分の磁気検出信号データ)が取得されたら、そのサンプル値列Xよりもデータ量の少ない平均値列Yが生成され、その平均値列Yに基づいて、磁気インク文字の特定が行われるようになっている。磁気インク文字読取装置10によれば、磁気インク文字の特定にかかる処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
さらに、磁気インク文字読取装置10では、平均値列Yに基づいて磁気インク文字の特定が行われる場合には、平均値列Yの各値と磁気検出信号データのサンプル値の平均値との差分値を示す差分値列Zが生成される。言い換えれば、平均値列Yの各値が磁気検出信号データのサンプル値の平均値だけ減算されてなる差分値列Zが生成される。そして、その差分値列Zに基づいて、磁気インク文字の特定が行われる。磁気検出信号処理回路部22による処理が施された磁気検出信号では、交流成分(元々の磁気検出信号成分:±2.5mV程度)が直流バイアス成分(2.5V)に比べて小さくなるため、この磁気検出信号をA/D変換してなる磁気検出信号データではダイナミックレンジが小さくなる。このため、この磁気検出信号データをそのまま用いて、すなわち、平均値列Yをそのまま用いて磁気インク文字の特定を行うと、磁気インク文字の特定精度が低下してしまう。この点、磁気インク文字読取装置10では、平均値列Yから直流バイアス成分が除去された差分値列Zを用いて、磁気インク文字の特定が行われるようになっており、磁気インク文字の特定精度が低下しないように図られている。
以上のように、磁気インク文字読取装置10によれば、磁気インク文字の特定にかかる処理負荷の軽減を図りつつ、かつ、磁気インク文字の特定精度が低下しないように図りつつ、磁気インク文字読取装置10を比較的安価に実現できるようになる。
また、磁気インク文字読取装置10では、S111乃至S113の処理が実行されることにより、用紙24に印刷された文字列に含まれる空白文字が認識されるようになっている。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、印刷部15は必須の構成ではない。
また例えば、用紙24に印刷される磁気インク文字は、JIS X9002以外のフォーマットの磁気インク文字であってもよい。
また例えば、基準値列テーブル(図11)では、各磁気インク文字に対応づけて、基準値列Pに代えて、或いは、基準値列Pとともに、基準平均列Qが記憶されるようにしてもよい。こうすれば、S108の処理において基準平均列Qを生成する処理を省略することができ、磁気インク文字の特定にかかる処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
また例えば、磁気インク文字の読み取りに失敗した場合には、その旨を示すステータス情報がインタフェース13を介してホストコンピュータに送信されるようにしてもよい。
また例えば、磁気インク文字の読み取りに失敗した場合に磁気インク文字の読み取りを再実行する場合には、S106の処理を行わないようにしてもよい。そして、S107では、S105で取得されたサンプル値列Xの各値と、S102で取得された平均値aと、の差分値を示す差分値列(言い換えれば、S105で取得されたサンプル値列Xの各値からS102で取得された平均値aが減算された差分値列)が生成されるようにしてもよい。そして、S108では、この差分値列と、各磁気インク文字ごとの、基準値列Pの各値と、S102で取得された平均値aと、の差分値を示す差分値列(言い換えれば、各磁気インク文字ごとの基準値列Pの各値からS102で取得された平均値aが減算された差分値列)と、の間の類似度に基づいて、磁気インク文字の特定が行われるようにしてもよい。こうすれば、再実行時において、磁気インク文字の認識精度を向上させることが可能になる。
また例えば、サンプル値にはノイズ成分が含まれるため、値のばらつきが大きくなってしまう場合があることから、図8及び図9に示す処理を実行する前に、磁気検出信号データ(図6)に関して移動平均値列を演算するようにしてもよい。すなわち、磁気検出信号データ(図6)に関して、所定数(例えば直近10個)のサンプル値の移動平均を演算するようにしてもよい。そして、その演算結果の移動平均値列を磁気検出信号データに代えて用いて、図8、図9及び図10に示す処理が行われるようにしてもよい。こうすれば、サンプル値全体のばらつきを抑えることが可能になる。
なお、この場合、磁気検出信号データの移動平均値列の算出は、図8及び図9に示す処理が実行される前であれば、どのタイミングで行われるようにしてもよい。例えば、磁気検出信号処理回路部22の出力信号をサンプリングしながら、移動平均値列を算出するようにしてもよい。
また、この場合、移動平均演算は積分演算により行うようにし、その積分演算におけるパラメータとして、移動平均値の算出に用いるサンプル値数や、サンプル値に対する重み付けを設定できるようにするとよい。例えば、サンプル値に対する重み付けを設定することにより、より近いデータの影響度を大きくすることが可能になる。なお、この場合において、磁気インク文字の読み取りに失敗し、磁気インク文字の読み取りを再実行する場合には、移動平均演算(積分演算)のパラメータ設定を変更して(例えば、より読み取り精度が増すように変更して)、磁気インク文字の読み取りを再実行するようにするとよい。
10 磁気インク文字読取装置、11 制御部、12 記憶部、13 インタフェース、14 磁気インク文字読取部、15 印刷部、16,16a,16b 用紙センサ、17 搬送ローラ、18 搬送モータ、19 搬送モータ駆動制御部、20 磁石、21 磁気ヘッド、22 磁気検出信号処理回路部、22a 差動増幅器、22b,22d 微分回路、22c ローパスフィルタ、22e 反転回路、23 A/Dコンバータ、24 用紙、24a 表面、30 直流バイアス部、31 A/D変換部、32 認識部。
Claims (9)
- 磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を磁気検出信号として出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置において、
前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号を直流バイアスする直流バイアス手段と、
前記磁気ヘッドから出力され、かつ、前記直流バイアス手段によって直流バイアスされた磁気検出信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点におけるサンプル値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する認識手段と、を含み、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する、
ことを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1に記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記磁気検出信号データのサンプル値の平均値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1に記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記磁気検出信号データの特定サンプリング点のサンプル値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1に記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、そのサンプリング点と所定の関係を有するサンプリング点におけるサンプル値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点について、所定数のサンプリング点ごとにサンプル値の特徴値を算出する特徴値算出手段を含み、前記特徴値算出手段によって算出される特徴値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、前記所与の値と、の差分値を示す差分値列データを取得する差分値列データ取得手段と、前記差分値列データ取得手段によって取得される差分値列データについて、所定数の差分値ごとに特徴値を算出する特徴値算出手段と、を含み、前記特徴値算出手段によって算出される特徴値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項5又は6に記載の磁気インク文字読取装置において、
前記特徴値は平均値であることを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気インク文字読取装置において、
前記認識手段は、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に所定間隔以上のピーク間隔が存在するか否かを判定する判定手段を含み、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記文字列に空白文字が含まれるか否かを認識することを特徴とする磁気インク文字読取装置。 - 磁気インク文字による磁束の変化に応じた交流信号を磁気検出信号として出力する磁気ヘッドを備え、1又は複数の磁気インク文字を用いて記録媒体に記録された文字列を、前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号に基づいて認識する磁気インク文字読取装置の制御方法において、
前記磁気ヘッドから出力される磁気検出信号を直流バイアスするための直流バイアスステップと、
前記磁気ヘッドから出力され、かつ、前記直流バイアス手段によって直流バイアスされた磁気検出信号をA/D変換するためのA/D変換ステップと、
前記A/D変換手段から出力される磁気検出信号データの少なくとも一部のサンプリング点におけるサンプル値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行するための認識ステップと、を含み、
前記認識ステップは、前記磁気検出信号データの前記少なくとも一部のサンプリング点の各々におけるサンプル値と、所与の値と、の差分値に基づいて、前記記録媒体に記録された文字列の認識処理を実行する、
ことを特徴とする磁気インク文字読取装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2006053197A JP2007233598A (ja) | 2006-02-28 | 2006-02-28 | 磁気インク文字読取装置及びその制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009289195A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Nidec Sankyo Corp | 磁気文字認識方法及び磁気文字認識装置 |
KR101026153B1 (ko) | 2009-12-18 | 2011-04-05 | 노틸러스효성 주식회사 | 자기잉크문자의 인식방법 |
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