JP2007229700A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用時にシール材層がダメージを受けにくく、接着強度を維持することができる扁平形状のハニカム構造体を提供することを目的とすること。
【解決手段】 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された多孔質セラミックを主成分とするハニカムユニットが、シール材層を介して複数個接着された断面が扁平形状のハニカムブロックの外周部にシール材層が設けられたハニカム構造体であって、上記ハニカムユニットは、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカを含んでなり、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されていることを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒担体等として用いられるハニカム構造体に関する。
従来、一般に自動車排ガス浄化に用いられるハニカム触媒は一体構造で低熱膨張性のコージェライト質ハニカム構造体の表面に活性アルミナ等の高比表面積材料と白金等の触媒金属を担持することにより製造されている。また、リーンバーンエンジンおよびディーゼルエンジンのような酸素過剰雰囲気下におけるNOx処理のためにNOx吸蔵剤としてBa等のアルカリ土類金属を担持している。
ところで、浄化性能をより向上させるためには、排ガスと触媒貴金属およびNOx吸蔵剤との接触確率を高くする必要がある。そのためには、担体をより高比表面積にして、貴金属の粒子サイズを小さく、かつ、高分散させる必要がある。しかし、単純に活性アルミナ等の高比表面積材料の担持量が増やすことのみではアルミナ層の厚みの増加を招くのみであり、接触確率を高くすることにつながらなかったり、圧力損失が高くなりすぎてしまったりするといった不具合も生じてしまうため、セル形状、セル密度、および壁厚等が工夫されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、高比表面積材料からなるハニカム構造体として、無機繊維及び無機バインダとともに押出成形したハニカム構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、アルミナ等の高比表面積材料は、熱エージングによって、焼結が進行し、比表面積が低下し、さらに、担持されている白金等の触媒金属はそれに伴い、凝集し粒径が大きく、比表面積が小さくなる。つまり、熱エージング後に、より高比表面積であるためには、初期の段階においてその比表面積を高くする必要がある。また、上述したように、浄化性能をより向上させるためには、排ガスと触媒貴金属およびNOx吸蔵剤との接触確率を高くすることが必要である。つまり、担体をより高比表面積にして、触媒金属の粒子を小さく、かつ、より高分散させることが重要であるが、特許文献1に記載されているようなコージェライト質ハニカム構造体の表面に活性アルミナ等の高比表面積材料と白金等の触媒金属を担持したものでは、排ガスとの接触確率を高くすべく、セル形状、セル密度、および壁厚等を工夫し、触媒担体を高比表面積化したが、それでも十分大きくはなく、そのため、触媒金属が十分高分散されず、熱エージング後の排ガスの浄化性能が不足した。
なお、上記熱エージングとは、触媒担体として使用する際の熱に起因する熱エージング及び熱による加速試験等を行った際の熱エージングの両方を意味する。
そこで、この不足を補うために、触媒金属を多量に担持することや、触媒担体自身を大型化することで解決しようとしてきた。しかし、白金等の貴金属は非常に高価であり、限られた貴重な資源である。また、自動車に設置する場合、その設置スペースは非常に限られたものであるためどちらも適当な手段であるとはいえなかった。
さらに、高比表面積材料を無機繊維及び無機バインダとともに押し出し成形する特許文献2に記載のハニカム構造体は、基材自体が高比表面積材料からなるため、担体としても高比表面積であり、十分に触媒金属を高分散させることが可能であるが、基材のアルミナ等は比表面積を保つためには、十分に焼結させることができず、基材の強度は非常に弱いものであった。
さらに、上述したように自動車用に用いる場合、設置するためのスペースは非常に限られたものである。そのため、単位体積当たりの担体の比表面積を上げるためにセル壁を薄くする等の手段を用いるが、そうすることにより、基材の強度はいっそう弱いものとなった。また、アルミナ等は、熱膨張率が大きいこともあり、焼成(仮焼)時、および使用時に熱応力によって容易にクラックが生じてしまう。これらを考えると、自動車用として利用した場合、使用時に急激な温度変化による熱応力や大きな振動等の外力が加わるため、容易に破損し、ハニカム構造体としての形状を留めることができず、触媒担体としての機能を果たすことができないといった問題があった。
また、排ガスの浄化に使用するハニカム構造体としては、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された炭化珪素からなる多孔質セラミックを主成分とするハニカムユニットが、シール材層を介して複数個接着されたハニカムブロックの外周部にシール材層が設けられたハニカム構造体が知られている。
これらのハニカム構造体としては、長手方向に垂直な断面の形状が円形状のものが大部分であるが、最近では、長手方向に垂直な断面の形状が長円形状(レーストラック形)、楕円形状、略三角形状、略台形状等からなるハニカム構造体も提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6等参照)。
図7は、このようなハニカム構造体からなるハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。また、図8(a)は、図7に示したハニカムフィルタを構成するハニカムユニットの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
図7に示すように、ハニカムフィルタ100は、炭化珪素等からなるハニカムユニット110が、シール材層101を介して複数個結束されてハニカムブロック105を構成し、このハニカムブロック105の周囲にコート層102が形成されている。このハニカムフィルタ100の端面は、長円形状をなしており、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対してほぼ垂直又は平行になるように構成されている。
ハニカムユニット110は、図8(a)、(b)に示したように、長手方向に多数のセル111が並設されており、流入した排ガスは、セル111内を通過し、浄化されるように構成されている。
このような、長手方向に垂直な断面が長円形状のハニカム構造体を製造する際には、まず、図8に示したような多孔質セラミックからなるハニカムユニットを製造し、その後、これら複数のハニカムユニットをシール材層により接着し、乾燥することにより、ハニカムユニット集合体を作製する。
次に、長手方向に垂直な断面が長円形状になるように切削を行うが、その際、上記断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して垂直又は平行な長円が形成されるように切削を行い、最後に外周のシール材層を形成し、乾燥することによりハニカムフィルタの製造を終了する。
上記文献によれば、このような形状のハニカム構造体は、キャニングに対する耐性(キャニング強度)の低下を抑制することができる等の効果を有することが記載されている。
しかしながら、図7に示したハニカムフィルタは、長手方向に垂直な断面に関し、断面の輪郭を構成する楕円の長軸に対してほぼ直角又は平行にシール材層が形成されている。
このような形状のハニカム構造体を内燃機関の排気管に設置した際には、短軸方向に熱応力が集中しやすくなり、外周に形成されたコート層としてのシール材層とハニカムユニット同士を接着する接着層としてのシール材層との継ぎ目の部分がダメージを受けやすく、クラックが入ったり、接着強度が低下したりしてしまうという問題があった。
特開平10−263416号公報 特開平5−213681号公報 特開2002−273130号公報 特開2003−260322号公報 国際公開第03/078026A1号パンフレット 特開2003−181233号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用時に熱応力によってシール材層がダメージを受けにくく、接着強度を維持することができる扁平形状のハニカム構造体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットが、シール材層を介して複数個接着された断面が扁平形状のハニカムブロックの外周部にシール材層が設けられたハニカム構造体であって、
上記ハニカムユニットは、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカを含んでなり、
長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されていることを特徴とする。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面の面積は、5〜50cmであることが望ましい。
また、上記ハニカム構造体では、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層と、断面の輪郭を構成する形状(外周形状)の長軸とがなす角度の小さい方が5〜85°の範囲内にあることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積に対して、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和が占める割合は、85%以上であることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト及びゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカムユニットは、上記無機粒子と上記無機繊維及び/又は上記ウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されており、
上記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体は、触媒が担持されていることが望ましく、上記触媒は、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが望ましい。
また、上記ハニカム構造体は、車両の排ガス浄化に用いるものであることが望ましい。
本発明のハニカム構造体によれば、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されており、短軸に近い内部の接着剤としてのシール材層と外周のコート層としてのシール材層との間に応力が集中しにくいため、使用時にシール材層がダメージを受けにくく、従って、シール材層は、接着強度を維持することができる。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットが、シール材層を介して複数個接着された断面が扁平形状のハニカムブロックの外周部にシール材層が設けられたハニカム構造体であって、
上記ハニカムユニットは、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカを含んでなり、
長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されていることを特徴とする。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した上記ハニカム構造体の長軸と短軸とを示している。図2(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカムユニットを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した上記ハニカムユニットのA−A線断面図である。
図1(a)に示すように、ハニカム構造体10は、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカを含んでなるハニカムユニット20が、シール材層(接着材層)11を介して複数個結束されてハニカムブロック15を構成し、このハニカムブロック15の周囲にシール材層(コート層)12が形成されている。このハニカム構造体10の端面は、長円形状(レーストラック形状)をなしており、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層(接着材層)11が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されている。
ハニカムユニット20は、図2(a)、(b)に示したように、長手方向に多数のセル21が並設されており、セル21に流入した排ガスは、セル21内を通過し、浄化されることとなる。
なお、ハニカムユニット20は、図示していないが、そのセル壁に、排ガスを浄化するための触媒が担持されている。上記触媒については後述する。
本発明では、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット20間のシール材層(接着材層)11が、断面の輪郭を構成する形状(長円形状)の長軸に対して斜め方向に形成されているので、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット20間のシール材層(接着材層)11とシール材層(コート層)12とのなす角が斜めである部分が多くなる。
従来のように、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して垂直に形成されていると、シール材層(接着材層)101とシール材層(コート層)102とのなす角度が、ほぼ垂直となる部分が多くなり、両者が接触する面積も小さい。
昇温の際等には、シール材層(接着材層)101とシール材層(コート層)102との間に応力が発生するが、その応力はシール材層(コート層)102に対して垂直に作用し、かつ、両者の接触面積も小さいので、さらにその力が大きくなり、シール材層(コート層)102が破壊されやすくなる(図7参照)。
しかしながら、本発明では、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット20間のシール材層(接着材層)11が、シール材層(コート層)12に対して斜め方向に形成されている部分が多く、かつ、シール材層(接着材層)11とシール材層(コート層)12との接触面積も大きいので、シール材層(コート層)12に対して垂直に作用する力は小さくなり、シール材層(コート層)12の破壊も発生しにくい。
本発明では、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層11と、外周形状の長軸とがなす角度の小さい方の最小値は、5°であることが望ましく、15°であることがより望ましく、30°であることがさらに望ましい。また、外周形状の長軸とがなす角度の小さい方の最大値は、85°であることが望ましく、75°であることがより望ましく、60°であることがさらに望ましい。
長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層11と、外周形状の長軸とがなす角度が5°未満であるか、85°を超えると、垂直である場合との差が殆どなく、シール材層が熱衝撃等によりダメージを受けやすい。
また、本発明では、ハニカム構造体を構成するハニカムユニットの長手方向に垂直な断面の面積は、望ましい下限が5cmであり、より望ましい下限が6cmであり、さらに望ましい下限が8cmである。一方、望ましい上限は50cmであり、より望ましい上限は40cmであり、さらに望ましい上限は30cmである。
5cm未満では、複数個のハニカムユニットを接合するシール材層(接着材層)の断面積が大きくなるため、触媒を担持する比表面積が相対的に小さくなるとともに、圧力損失が相対的に大きくなってしまうことがあり、断面積が50cmを超えると、ハニカムユニットの大きさが大きすぎ、それぞれのハニカムユニットに発生する熱応力を十分に抑えることができないことがある。
これに対し、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面の面積が5〜50cmであると、上記断面積が小さいので、昇温時等においても、真中付近と周辺部との温度差が余り大きくならず、熱応力が余り大きくならず、熱衝撃に強い。
加えて、ハニカムユニットの単位面積あたりの比表面積を、大きく保つことができ、触媒成分を高分散させることが可能となるとともに、熱衝撃や振動などの外力が加わってもハニカム構造体としての形状を保持することができる。
なお、単位体積あたりの比表面積は、後述の式(1)によって求めることができる。
本明細書において、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積とは、ハニカム構造体が上記断面積の異なる複数のハニカムユニットを含むときには、ハニカム構造体を構成する基本ユニットとなっているハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積をいい、通常、上記断面積が最大のハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積をいう。
本発明のハニカム構造体を構成するハニカムユニットは、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなるものである。
このように無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなる上記ハニカム構造体では、無機粒子によって比表面積が大きくなり、無機繊維及び/又はウィスカによって多孔質セラミックの強度が向上することとなる。
上記無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、これらのなかでは、アルミナ粒子が特に望ましい。
上記無機繊維や上記ウィスカとしては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等からなる無機繊維やウィスカが望ましい。
これらの無機繊維やウィスカは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記無機繊維や上記ウィスカの望ましいアスペクト比(長さ/径)は、望ましい下限が2であり、より望ましい下限が5であり、さらに望ましい下限が10である。一方、望ましい上限は、1000であり、より望ましい上限は800であり、さらに望ましい上限は500である。
なお、上記無機繊維や上記ウィスカのアスペクト比は、該アスペクト比に分布があるときには、その平均値である。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。
一方、望ましい上限は97重量%であり、より望ましい上限は90重量%であり、さらに望ましい上限は80重量%であり、特に望ましい上限は75重量%である。
無機粒子の含有量が30重量%未満では、比表面積の向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく、触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。一方、97重量%を超えると強度向上に寄与する無機繊維及び/又はウィスカの量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体の強度が低下することとなる。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機繊維及び/又は上記ウィスカの合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は70重量%であり、より望ましい上限は50重量%であり、さらに望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。
無機繊維及び/又は上記ウィスカの合計量が3重量%未満ではハニカム構造体の強度が低下することとなり、50重量%を超えると比表面積の向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく、触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。
また、上記ハニカムユニットは、上記無機粒子と上記無機繊維及び/又は上記ウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されていることが望ましい。
このように無機バインダを含む混合物を用いることにより、生成形体を焼成する温度を低くしても十分な強度の多孔質セラミックを得ることができる。
上記無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。
これらのなかでは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種が望ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記無機バインダの量は、後述する製造工程で調製する原料ペーストに含まれる固形分として、その望ましい下限は、5重量%であり、より望ましい下限は、10重量%であり、さらに望ましい下限は15重量%である。一方、望ましい上限は、50重量%であり、より望ましい上限は、40重量%であり、さらに望ましい上限は、35重量%である。
上記無機バインダの含有量が50重量%を超えると成型性が悪くなる。
本発明のハニカム構造体10において、シール材層(接着材層)11は、ハニカムユニット20間に形成され、複数個のハニカムユニット20同士を結束する接着剤としても機能するものであり、一方、シール材層(コート層)12は、ハニカムブロック15の外周面に形成され、ハニカム構造体10を内燃機関の排気通路に設置した際、ハニカムブロック15の外周面から排ガスが漏れ出すことを防止するための封止材として機能するものである。
なお、ハニカム構造体10において、シール材層11とシール材層12とは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。さらに、シール材層11及びシール材層12が同じ材料からなるものである場合、その材料の配合比は同じであってもよく、異なっていてもよい。
シール材層11の厚さの下限は、0.5mmであることが望ましく、上限は2mmであることが望ましい。
シール材層(接着材層)の厚さが0.5mm未満では、充分な接着強度を確保することができない場合があり、一方、シール材層の厚さが2mmを超えると、ハニカム構造体の単位体積あたりの比表面積が小さくなり、触媒成分を分散させた際に、充分に高分散させることができない場合がある。さらに、シール材層の厚さが2mmを超えると、圧力損失が大きくなることもある。
シール材層11及びシール材層12を構成する材料としては特に限定されず、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等を挙げることができる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナファイバー、ムライトファイバー、アルミナファイバー、シリカファイバー等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバー、シリカ−アルミナファイバーが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、酸化物、炭化物、窒化物等からなる粒子を挙げることができ、具体的には、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、本発明のハニカム構造体において、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和は、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の85%以上を占めることが望ましく、90%以上占めることがより望ましい。
85%未満では、シール材層の断面積が占める割合が大きくなり、ハニカムユニットの総断面積が減るので、触媒を担持する比表面積が相対的に小さくなるとともに、圧力損失が相対的に大きくなってしまうからである。
また、90%以上では、より圧力損失を小さくすることができる。
図1に示したハニカム構造体10は、長円形状(レーストラック形状)であるが、本発明のハニカム構造体は断面が扁平形状であれば特に限定されず、例えば、図3に示すような長手方向に垂直な断面の形状が楕円形等を挙げることができ、さらに、図4や図5に示す形状のものも挙げられる。なお、図3〜図5において、31、41、51は、内部のシール材層(接着材層)であり、32、42、52は、外周のシール材層(コート層)であり、33、43、53は、ハニカムユニットである。
なお、本発明のハニカム構造体の「断面が扁平形状」について、断面とは、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面をいう。また、扁平形状は、長円形状や楕円形状以外に、図4や図5に示すような、長軸を有し、線対称をなす形状等も含むものとする。
また、ハニカム構造体10には、排ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒が担持されていることが望ましい。
このような触媒が担持されていることで、ハニカム構造体10は、排ガスに含有されるCO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとして機能する。
ハニカム構造体10に担持させる触媒としては排ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒であれば特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、酸化物が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
次に本発明のハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
まず、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカとを含む原料ペーストを用いて押出成形を行い、四角柱形状のセラミック成形体を作製する。
上記原料ペーストとしては、上記無機粒子と、上記無機繊維及び/又は上記ウィスカとを必ず含み、さらにこれらに加えて、上述した無機バインダや、有機バインダ、分散媒、成形助剤等が適宜添加されたものを用いることができる。
上記原料ペーストの調製は、各種配合物をアトライター等で混合し、ニーダー等で充分に混練すること等により行う。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記有機バインダの配合量は、上記無機粒子、上記無機繊維、上記ウィスカ及び上記無機バインダの合計、100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
また、上記原料ペーストには、必要に応じて成形助剤を添加してもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を挙げることができる。
次に、上記セラミック成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、セラミック乾燥体とする。
その後、上記セラミック乾燥体に対して、所定の条件で脱脂、焼成を行うことにより、少なくとも、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含み、その全体が一の焼結体から構成されたハニカムユニット20を製造することができる。
上記セラミック乾燥体の脱脂は、例えば、400℃、2時間の条件で行う。これにより、上記有機バインダ等の大部分が揮散するとともに、分解、消失する。
また、上記焼成は、600〜1200℃で加熱することにより行う。
焼成温度が600℃未満では、セラミック粒子など焼結が進行せず、ハニカム構造体としての強度が低くなる場合があり、1200℃を超えると、セラミック粒子などの焼結が進行しすぎて単位体積あたりの比表面積が小さくなり、触媒を担持させた際に、触媒成分を充分に高分散させることができなくなる場合があるからである。
なお、より望ましい焼成温度は、600〜1000℃である。
上記ハニカムユニットにアルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をセラミック焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
次に、ハニカムユニット20の側面に、シール材層11となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカムユニット20を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカムユニット集合体を作製する。
なお、上記シール材ペーストを構成する材料としては、既に説明しているのでここではその説明を省略する。
次に、このハニカムユニット集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層11とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカムユニット20がシール材層11を介して複数個接着されたハニカムユニット集合体を、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット20間のシール材層11が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向になるように切削加工を施し、扁平形状のハニカムブロック15を作製する。
また、このように切削加工によりハニカムブロックを製造する場合、様々な形状のハニカムユニットを製造し、これらを組み合わせて接着することにより所定形状のハニカムブロックを製造する方法に比べて、製造工程が簡略化されることとなる。
そして、ハニカムブロック15の外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層12を形成することで、ハニカムユニット20がシール材層11を介して複数個接着された扁平形状のハニカムブロック15の外周部にシール材層12が設けられたハニカム構造体10を製造することができる。
本発明のハニカム構造体の用途は特に限定されないが、車両の排ガス浄化に用いることが望ましい。
図6は、本発明のハニカム構造体が設置された車両の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図6に示したように、排ガス浄化装置70は、主に、ハニカム構造体80、ハニカム構造体80の外方を覆うケーシング71、ハニカム構造体80とケーシング71との間に配置される保持シール材72から構成されており、ケーシング71の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管74が接続されており、ケーシング71の他端部には、外部に連結された排出管75が接続されている。なお、図6中、矢印は排ガスの流れを示している。
また、図6において、ハニカム構造体80は、図1に示したハニカム構造体10であってもよく、図3〜5に示したハニカム構造体30、40、50であってもよい。ただし、ケーシングは、それぞれの形に合うような形状とする必要がある。
このような構成からなる排ガス浄化装置70では、エンジン等の内燃機関から排出された排ガスは、導入管74を通ってケーシング71内に導入され、入口側セルからハニカム構造体内に流入し、セル内を通過して浄化された後、出口側セルからハニカム構造体外に排出され、排出管75を通って外部へ排出されることとなる。
なお、図示していないが、ハニカム構造体のセル壁には、上述した触媒が担持してある。
また、ディーゼルエンジンの排ガス浄化用の触媒担体として用いる場合、炭化珪素等のセラミックハニカム構造を有し、排ガス中の粒状物質(PM)をろ過し燃焼浄化する機能を持つディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)と併用することがあるが、このとき本発明のハニカム構造体とDPFとの位置関係は、本発明のハニカム構造体が前側でも後側でもよい。
前側に設置された場合は、本発明のハニカム構造体が、発熱を伴う反応を示した場合において、後側のDPFに伝わり、DPFの再生時の昇温を促進させることができる。
また、後側に設置された場合は、排ガス中のPMがDPFによりろ過され、本発明のハニカム構造体のセルを通過するため、目詰まりを起こしにくく、更に、DPFにてPMを燃焼する際に不完全燃焼により発生したガス成分についても本発明のハニカム構造体を用いて処理することができるためである。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
γアルミナ粒子(平均粒径2μm)40重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm、アスペクト比10)10重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)50重量%を混合し、得られた混合物100重量部に対して有機バインダとしてメチルセルロース6重量部、可塑剤及び潤滑剤を少量加えて更に混合・混練して混合組成物を得た。
次に、この混合組成物を用いて押出成形を行い、図2(a)に示した端面形状と略同様の端面形状の生成形体を作製した。
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させてセラミック乾燥体とし、その後、400℃、2時間で脱脂し、その後、800℃、2時間の条件で焼成を行うことにより、比表面積42000m/L、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セル21の数が93個/cmセル壁23の厚さが0.20mmのハニカムユニット20を製造した。
上記ハニカムユニットの断面積を表1に示す。表1に示すように、上記ハニカムユニットの断面積は、11.8cmであった。
また、このハニカムユニットのセル壁の電子顕微鏡(SEM)写真を図9に示す。
次に、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)29重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%及び水25重量%を混合し耐熱性のシール材(接着剤)ペーストとした。このシール材ペーストを用いて、ハニカムユニット20を多数積層させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカムユニット間のシール材層が、図1に示したようなパターンとなるように切断し、端面の輪郭が長円形のハニカムブロック15を作製した。
このとき、ハニカムユニット20を接着するシール材層11の厚さが1.0mmとなるように調整した。
次に、上記シール材ペーストと同様のペーストを用いて、ハニカムブロック15の外周部にシール材ペースト層を形成した。そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、シール材層(コート層)12とし、シール材層(コート層)の厚さが0.2mm、長軸が200mm×短軸が100mmの端面の輪郭が長円形のハニカム構造体10を製造した。なお、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の断面積は、179cmであり、この断面におけるハニカムユニット間のシール材層と、断面の輪郭を構成する形状の長軸とがなす角度は、5°であった。
なお、このハニカムユニットの断面積は、最大で11.8cmとなっていた。
また、ハニカムユニットの比表面積は下記の方法で測定した。
すなわち、まず、ハニカムユニット及びシール材層の体積を実測し、ハニカム構造体の体積に対しハニカムユニットが占める割合A(体積%)を計算した。次に、ハニカムユニットの単位重量あたりのBET比表面積B(m/g)を測定した。BET比表面積は、BET測定装置(島津製作所社製、MicromeriticsフローソーブII−2300)を用いて、日本工業規格で定められるJIS−R−1626(1996)に準じて1点法により測定した。測定には、円柱形状の小片(直径15mm×高さ15mm)に切り出したサンプルを用いた。
そして、ハニカムユニットの見かけ密度C(g/L)をハニカムユニットの重量と外形の体積から計算し、ハニカム構造体の比表面積S(m/L)を、次式(1)から求めた。なお、ここでのハニカム構造体の比表面積は、ハニカム構造体の見かけ体積あたりの比表面積のことをいう。
S(m/L)=(A/100)×B×C・・・(1)
(実施例2〜7、比較例1〜3)
長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層(接着材層)と、断面の輪郭を構成する形状の長軸とがなす角度、及び、ハニカムユニットの長さ方向に垂直な最大断面積を表1に示す値にしたほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体10を製造した。
(実施例8〜14、比較例4〜6)
端面の輪郭を図3に示す楕円形とするとともに、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層(接着材層)と、断面の輪郭を構成する形状の長軸とがなす角度、及び、ハニカムユニットの長さ方向に垂直な最大断面積を表1に示す値にしたほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体30を製造した。
(実施例15〜21、比較例7〜9)
端面の輪郭を図4に示す略三角形状とするとともに、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層(接着材層)と、断面の輪郭を構成する形状の長軸とがなす角度、及び、ハニカムユニットの長さ方向に垂直な最大断面積を表1に示す値にしたほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体50を製造した。
(実施例22〜23、参考例1〜2)
ハニカムユニットの長さ方向に垂直な最大断面積を表1に示す値に変更したほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体10を製造した。ちなみに、用いたハニカムユニットの長さ方向に垂直な断面の寸法は、実施例22では2.24×2.24cm、実施例23では7.10×7.10cm、参考例1では2.0×2.0cm、参考例2では7.41×7.41cmであった。
(評価)
実施例、比較例及び参考例で製造したハニカム構造体について、下記の方法により、熱衝撃・振動繰返し試験と圧力損失の測定とを行った。
[熱衝撃・振動繰返し試験]
熱衝撃試験は、アルミナ繊維からなる断熱材のアルミナマット(三菱化学製マフテック、厚さ6mm)をハニカム構造体の外周面に巻き金属ケーシング321に入れた状態で600℃に設定された焼成炉に投入し、10分間加熱し、焼成炉から取り出し室温まで急冷した。次に、ハニカム構造体をこの金属ケーシングに入れたまま振動試験を行った。図10(a)に振動試験に用いた振動装置320の正面図を、図10(b)に振動装置320の側面図を示す。ハニカム構造体を入れた金属ケーシング321を台座322の上に置き、略U字状の固定具323をネジ324によって締めて金属ケーシング321を固定した。すると、金属ケーシング321は、台座322と固定具323と一体となった状態で振動可能となる。振動試験は、周波数160Hz、加速度30G、振幅0.58mm、保持時間10hr、室温、振動方向Z軸方向(上下)の条件で行った。この熱衝撃試験と振動試験とを交互にそれぞれ10回繰り返し、試験前のハニカム構造体の重量T0と試験後の重量Tiを測定し、次式(2)を用いて重量減少率Gを求めた。
G(重量%)=100×(T0−Ti)/T0・・・(2)
なお、本試験では、金属ケーシングとして、その形状が各ハニカム構造体の形状に対応したものを使用した。
[圧力損失測定]
圧力損失測定装置340を図11に示す。測定方法は、2Lのコモンレール式ディーゼルエンジンの排気管にアルミナマットを巻いたハニカム構造体を金属ケーシングにいれて配置し、ハニカム構造体の前後に圧力計を取り付けた。なお、測定条件は、エンジン回転数を1500rpm、トルク50Nmに設定し、運転開始から5分後の差圧を測定した。
表1に示したように、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されている実施例に係るハニカム構造体は、熱衝撃や振動に対する耐久性に優れていたのに対し、長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対してほぼ垂直方向に形成されている比較例に係るハニカム構造体は、実施例に係るハニカム構造体に比べて熱衝撃や振動に対する耐久性に劣っていた。これは、ハニカムユニット間のシール材層や、外周のシール材層にクラックが発生したためと考えられる。
また、ハニカムユニットの断面積が5cm未満(4cm)である参考例1に係るハニカム構造体は、実施例に係るハニカム構造体と比べて、圧力損失が高くなった。また、ハニカムユニットの断面積が50cmを超える(55cm)参考列2に係るハニカム構造体は、シール材層が斜めに形成されているもの、他の実施例に係るハニカム構造体に比べて、熱衝撃や振動に対する耐久性が劣っていた。これは、1つのハニカムユニットが大きすぎるため、ハニカムユニットに掛かる熱衝撃を充分に緩和することができなかったためと考えられる。
また、本実施例に係るハニカム構造体では、高い比表面積を確保することができている。
(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示したハニカム構造体の長軸と短軸とを示す図である。 (a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示したハニカムユニットのA−A線断面図である。 本発明のハニカム構造体の別の一例の長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。 本発明のハニカム構造体の別の一例の長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。 本発明のハニカム構造体の別の一例の長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。 本発明のハニカム構造体が設置された車両の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 従来のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 (a)は、従来のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示したハニカムユニットのA−A線断面図である。 実施例1に係るハニカムユニットのセル壁の電子顕微鏡(SEM)写真である。 (a)は、振動試験に用いた振動装置の正面図であり、(b)は振動装置の側面図である。 圧力損失測定装置の概略図である。
符号の説明
10、20、30、40、50 ハニカム構造体
11、31、41、51 シール材層
12、32、42、52 シール材層
33、43、53 ハニカムユニット
15 ハニカムブロック
20 ハニカムユニット
21 セル
23 セル壁

Claims (10)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットが、シール材層を介して複数個接着された断面が扁平形状のハニカムブロックの外周部にシール材層が設けられたハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットは、無機粒子と無機繊維及び/又はウィスカを含んでなり、
    長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層が、断面の輪郭を構成する形状の長軸に対して斜め方向に形成されていることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面の面積が5〜50cmである請求項1記載のハニカム構造体。
  3. 長手方向に垂直な断面におけるハニカムユニット間のシール材層と、断面の輪郭を構成する形状の長軸とがなす角度の小さい方が5〜85°の範囲内にある請求項1又は2記載のハニカム構造体。
  4. 長手方向に垂直な断面における断面積に対して、前記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和が占める割合は、85%以上である請求項1に記載のハニカム構造体。
  5. 前記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト及びゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載のハニカム構造体。
  6. 前記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカーアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体。
  7. 前記ハニカムユニットは、前記無機粒子と前記無機繊維及び/又はウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されており、
    前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
  8. 触媒が担持されている請求項1〜7のいずれかに記載のハニカム構造体。
  9. 前記触媒は、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項8に記載のハニカム構造体。
  10. 車両の排ガス浄化に用いる請求項1〜9のいずれかに記載のハニカム構造体。
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