JP2007228000A - 磁気式スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を低下させず、コストをアップさせずに、正確なスイッチングを行うことができる磁気式スイッチを提供すること。
【解決手段】入力磁束密度Bが±S1以内の場合、MRセンサ11とMRセンサ12の出力電圧の差はほぼ0である。入力磁束密度BがS1以上でS2以下の場合には、MRセンサ11の出力電圧V1とMRセンサ12の出力電圧V2との間の差分電圧は入力磁束密度Bに応じて直線的に変化する。この差分電圧について、スイッチをONにする判定閾値及びスイッチをOFFにする判定閾値と比較する。差分電圧V1−V2がVt(L→H)以上となる点を磁束密度Bopとし、差分電圧V1−V2がVt(H→L)以下となる点を磁束密度Brpとする。入力磁束密度がBop以上の場合にスイッチング出力をHとし、入力磁束密度がBrp以下の場合にスイッチング出力をLとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気センサを用いた磁気式スイッチに関する。
従来、磁気式スイッチとしては、磁気検出素子であるホール素子と、素子出力を増幅するためのICとを一体化したホールICが多く用いられていた。このホールICにおいては、IC内部でホール素子の出力電圧と、IC内部で発生させる基準電圧とを比較し、比較結果から出力のON、OFFを決定する。このようなホールICでは、出力信号がON、OFFとなるときの磁界の強さに着目すると、素子出力のオフセット電圧、素子感度の変化とばらつき、判定基準電圧の変化とばらつきが誤差の要因となる。ホールICにおいて判定する磁界強度の精度を高くするためには、前記誤差要因を徹底して抑え込む必要がある。内部の基準電圧源を安定化させるためには、高精度の電圧標準をIC内に作り込む必要があり、このため、IC内の回路部品の増加、ICチップの大型化、コスト及び消費電力の増大などの問題が生じる。
また、ホール素子の場合、オフセット電圧を低減するためには、ホール素子の入出力のスイッチングを行ったり、平均化によるオフセットをキャンセルする方法がある。このような方法においては、回路規模、コスト及び消費電力の増大などに繋がる。また、素子感度のばらつきを低減させるためには、半導体素子のキャリア密度のばらつきを低減させる必要があり、このためには高度な成膜技術が必要になる。さらに、素子感度の温度係数を低減させるためには、半導体素子のキャリア密度の変動をモニタして補正する高度な補正技術を用いる必要がある(特許文献1)。
特許第3283911号公報
上述したように、素子感度のばらつきを低減させるためには、高度な成膜技術や高度な補正技術が必要となり、このために高度な精度管理と半導体プロセス技術が必要になる。このような精度管理や半導体プロセス技術導入は、いずれも生産性の低下及びコストアップの要因となる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、正確なスイッチングを行うことができる磁気式スイッチを提供することを目的とする。
本発明の磁気式スイッチは、飽和磁束密度が異なる少なくとも2つの磁気センサを有するセンサ手段と、少なくとも一つの磁気センサの磁束密度が飽和した際に、磁束密度が飽和した磁気センサと磁束密度が飽和していない磁気センサとの間の出力電圧の差分に基づいてスイッチング信号を出力するスイッチング信号出力手段と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分電圧に基づいてスイッチングを行う。磁気センサにおける軟磁性体の飽和磁束密度は温度に対しても安定で経時変化も少ないので、周囲温度、電源電圧、経時変化による磁気的スイッチングポイントへの影響が小さく、安定して正確なスイッチングを行うことができる。また、製造上のばらつきも小さく抑えることができ、高精度の信号処理回路が必要ないので、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、高精度の磁気式スイッチを実現することができる。
本発明の磁気式スイッチにおいては、前記スイッチ手段は、スイッチをONにする第1判定閾値と、スイッチをOFFにする第2判定閾値とを有することが好ましい。この構成によれば、両判定閾値間にヒステリシスを設けることができるので、スイッチ出力が不安定になることを防止できる。
本発明の磁気式スイッチにおいては、前記磁気センサは、一対の軟磁性部材と、前記一対の軟磁性部材に挟持された磁気検出素子と、を有することが好ましい。この場合において、前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子、ホール素子及び磁気飽和素子からなる群より選ばれた一つであることが好ましい。
本発明の磁気式スイッチによれば、飽和磁束密度が異なる少なくとも2つの磁気センサを有するセンサ手段と、少なくとも一つの磁気センサの磁束密度が飽和した際に、磁束密度が飽和した磁気センサと磁束密度が飽和していない磁気センサとの間の出力電圧の差分に基づいてスイッチング信号を出力するスイッチング信号出力手段と、を具備するので、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、正確なスイッチングを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、磁気センサにおける磁気検出素子がAMR(Anisotropic Magneto-Resistive)素子、GMR(Giant Magneto-Resistive)素子、TMR(Tunneling Magneto-Resistive)素子のような磁気抵抗効果素子である場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。図1に示す磁気式スイッチは、磁気センサ部1と、この磁気センサ部1の出力を差動的に接続したスイッチング信号出力部2とを有する。
磁気センサ部1は、飽和磁束密度がそれぞれ異なるMRセンサ11,12と、固定抵抗13,14とを有し、これらのMRセンサ11,12及び固定抵抗13,14によりブリッジを構成している。ここでは、MRセンサ12の飽和磁束密度のレベルがMRセンサ11の飽和磁束密度のレベルよりも低いとする。MRセンサ11,12は、磁束密度に対して対称性を有する変化を示す。
図2に示すように、MRセンサ11は、2つの軟磁性部材111と、2つの軟磁性部材111のギャップ間に挟持されたMR素子112とから構成されており、MRセンサ12は、2つの軟磁性部材121と、2つの軟磁性部材121のギャップ間に挟持されたMR素子122とから構成されている。このMRセンサ11,12においては、軟磁性部材111,112により空間中の磁束を収束し、ギャップ内の磁束密度を増加させている。軟磁性部材111と軟磁性部材121とは、基本的な幅や長さは略同じであり、くびれ部111a,121aの幅が異なっている(ここでは、軟磁性部材111のくびれ部111aの方が細い)。このような軟磁性部材111,112を有するMRセンサ11,12は、飽和磁束密度が異なり、その他の性質は略同じである。図2に示すように、くびれ部111a,121aの幅を変えることにより、磁気的スイッチングポイントが異なるMRセンサ11,12のシリーズ化を容易に行うことができる。なお、このような飽和磁束密度が異なるMRセンサ11,12は、MR素子112,122を構成する材料の組成や厚さを変えることにより実現することもできる。本実施の形態においては、くびれ部111a,121aの幅を変えて飽和磁束密度を変える場合について説明しているが、一方のMR素子のみにくびれ部を設けて飽和磁束密度を変えも良い。これらの磁気センサ部1からはセンサ出力電圧V1,V2が得られる。
スイッチング信号出力部2は、磁気センサ部1のセンサ出力電圧V1,V2の差分を求める比較器21と、比較器21の出力である差分電圧と基準電圧(閾値)とを比較する比較器22とから主に構成されている。比較器22の基準電圧は抵抗23の抵抗値により設定される。ここでは、比較器22に正帰還をかけることにより基準電圧(閾値)を変化させる。なお、本実施の形態においては、基準電圧を2つ設定した場合について説明しているが、本発明においては、これに限定されず、設定する基準電圧の数に応じて、設ける比較器の数を決定しても良い。
図1に示す磁気式スイッチにおいては、低磁場では両MRセンサ11,12の出力はほぼ同じであるので、比較器21において差分電圧(V1−V2)はほぼ0になる。すなわち、磁気センサ部1はブリッジ構造であるので、MRセンサ11,12の出力電圧(同相信号)がキャンセルされ、差分電圧は現れない。磁場が大きくなり、MRセンサ12の磁束密度が飽和すると、磁束密度が飽和していないMRセンサ11の出力電圧の変化分が差分電圧として現れる。すなわち、MRセンサ12の磁束密度の飽和点がトリガとなって、比較器21の差分電圧が現れる。そして、MRセンサ11の磁束密度が飽和するまでの間、差分電圧として、磁束密度変化に比例した電圧が得られる。この差分電圧について、比較器22においてそれぞれ基準電圧と比較してスイッチング信号を出力する。
図3(a)〜(c)は、本実施の形態1に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。図3(a)は、MRセンサ11,12についての入力磁束密度と出力電圧との間の関係を示す特性図であり、図3(b)は、入力磁束密度と、MRセンサ11,12の出力電圧V1,V2の差分電圧との間の関係を示す特性図であり、図3(c)は、入力磁束密度と、スイッチング出力信号との間の関係を示す特性図である。なお、図3(a),(b)において、S1はMRセンサ11の磁気的飽和レベル(飽和磁束密度)を示し、S2はMRセンサ12の磁気的飽和レベル(飽和磁束密度)を示す。
図3(b)に示すように、入力磁束密度Bが±S1以内の場合(低磁場の場合)、MRセンサ11とMRセンサ12の出力電圧の差はほぼ0である。したがって、MRセンサ11,12の出力はキャンセルされて差分電圧はほぼ0となる。一方、入力磁束密度BがS1以上でS2以下の場合には、MRセンサ11の出力電圧V1とMRセンサ12の出力電圧V2との間の差分電圧は入力磁束密度Bに応じて直線的に変化する。
この差分電圧について、スイッチをONにする判定閾値(基準電圧Vt(L→H))及びスイッチをOFFにする判定閾値(基準電圧Vt(H→L))と比較する。本実施の形態においては、スイッチをONにする判定閾値(基準電圧Vt(L→H))と、スイッチをOFFにする判定閾値(基準電圧Vt(H→L))とは、比較器22の正帰還電圧により変化させる。
図3(c)に示すように、MRセンサ11の出力電圧V1からMRセンサ12の出力電圧V2を減じたV1−V2がVt(L→H)以上となる点(図3(b)におけるA点)を磁束密度Bopとし、MRセンサ11の出力電圧V1からMRセンサ12の出力電圧V2を減じたV1−V2がVt(H→L)以下となる点(図3(b)におけるB点)を磁束密度Brpとする。出力部24においては、入力磁束密度がBop以上の場合にスイッチング出力をHとし、入力磁束密度がBrp以下の場合にスイッチング出力をLとする。
このように、本実施の形態に係る磁気式スイッチは、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分電圧に基づいてスイッチングを行う。すなわち、本実施の形態に係る磁気式スイッチにおいては、磁気的スイッチングポイントをセンサ感度及び基準電圧の精度でなく、飽和磁束密度により決定する。本実施の形態に係る磁気式スイッチに用いる磁気センサにおける軟磁性体の飽和磁束密度は温度に対しても安定で経時変化も少ない。このため、周囲温度、電源電圧、経時変化による磁気的スイッチングポイントへの影響が小さく、安定して正確なスイッチングを行うことができるので、信頼性の高い磁気式スイッチを実現することができる。また、本実施の形態に係る磁気式スイッチは、製造上のばらつきも小さく抑えることができ、高精度の信号処理回路が必要ないので、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、高精度の磁気式スイッチを実現することができる。
本実施の形態においては、スイッチがONとなる判定閾値と、スイッチがOFFとなる判定閾値とを設けて、両判定閾値間にヒステリシスを設けている。このため、スイッチ出力が不安定になることを防止できる。スイッチ出力の安定性を示す指標となる最大Bopと最小Brpとの間の比(Bopmax/Brpmin)を求めると、本実施の形態に係る磁気式スイッチは約1.1に設定することが可能であり、従来の磁気式スイッチ1.3以上に対して高い安定性を発揮する。また、MRセンサ11,12の出力を確実に変化させるためには、MRセンサ11,12の最大磁束密度をBop以下とし、その最小磁束密度をBrp以下にする必要がある。
本実施の形態に係る磁気式スイッチにおいては、スイッチがONとなる判定閾値と、スイッチがOFFとなる判定閾値とを設けて、両判定閾値間にヒステリシスを設けているが、本発明はこれに限定されず、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分電圧に基づいてスイッチングを行うのであれば、一つの判定閾値でスイッチングを行うように構成しても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、磁気センサにおける磁気検出素子がホール素子である場合について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。図4に示す磁気式スイッチは、磁気センサ部1と、この磁気センサ部1の出力を差動的に接続したスイッチング信号出力部2とを有する。
磁気センサ部1は、飽和磁束密度がそれぞれ異なるホールセンサ15,16と、比較器17,18とを有する。ここでは、ホールセンサ16の飽和磁束密度のレベルがホールセンサ15の飽和磁束密度のレベルよりも高いとする。ホールセンサ15,16は、図2に示すMRセンサとほぼ同じ構成を有する。すなわち、ホールセンサ15,16は、図2に示すMRセンサにおけるMR素子112,122がホール素子に置き換えられたものである。なお、異なる飽和磁束密度を有するようにする構成などについては実施の形態1と同じである。ホールセンサ15,16は4端子であり、それぞれ比較器17,18を通した出力が磁気センサ部1からのセンサ出力電圧V1,V2となる。ホールセンサ15,16は、磁束密度に対して直線性を有する変化を示す。
スイッチング信号出力部2は、磁気センサ部1のセンサ出力電圧V1,V2の差分を求める比較器21と、比較器21の出力である差分電圧と基準電圧(閾値)とを比較する比較器22,23と、比較器22の出力に基づいてスイッチング信号を出力する出力部24とから主に構成されている。比較器22の基準電圧は抵抗25の抵抗値により設定され、比較器23の基準電圧は抵抗26の抵抗値により設定される。したがって、抵抗25,26の抵抗値を適宜設定することにより、2つの基準電圧(閾値)を設定することができる。なお、本実施の形態においては、基準電圧を2つ設定した場合について説明しているが、本発明においては、これに限定されず、設定する基準電圧の数に応じて、設ける比較器の数を決定しても良い。
図4に示す磁気式スイッチにおいては、低磁場では両MRセンサ11,12の出力はほぼ同じであるので、比較器21において差分電圧(V1−V2)はほぼ0になる。すなわち、磁気センサ部1はブリッジ構造であるので、MRセンサ11,12の出力電圧(同相信号)がキャンセルされ、差分電圧は現れない。磁場が大きくなり、MRセンサ12の磁束密度が飽和すると、磁束密度が飽和していないMRセンサ11の出力電圧の変化分が差分電圧として現れる。すなわち、MRセンサ12の磁束密度の飽和点がトリガとなって、比較器21の差分電圧が現れる。そして、MRセンサ11の磁束密度が飽和するまでの間、差分電圧として、磁束密度変化に比例した電圧が得られる。この差分電圧について、2つの比較器22,23においてそれぞれ基準電圧と比較して出力部24からスイッチング信号を出力する。
図5(a)〜(c)は、本実施の形態2に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。図5(a)は、ホールセンサ15,16についての入力磁束密度と出力電圧との間の関係を示す特性図であり、図5(b)は、入力磁束密度と、ホールセンサ15,16の出力電圧V1,V2の差分電圧との間の関係を示す特性図であり、図5(c)は、入力磁束密度と、スイッチング出力信号との間の関係を示す特性図である。なお、図5(a),(b)において、S1はホールセンサ15の磁気的飽和レベル(飽和磁束密度)を示し、S2はホールセンサ16の磁気的飽和レベル(飽和磁束密度)を示す。
図5(b)に示すように、入力磁束密度Bが±S1以内の場合(低磁場の場合)、ホールセンサ15とホールセンサ16の出力電圧の差はほぼ0である。したがって、ホールセンサ15,16の出力はキャンセルされて差分電圧はほぼ0となる。一方、入力磁束密度BがS1以上でS2以下の場合には、ホールセンサ16の出力電圧V2とホールセンサ15の出力電圧V1との間の差分電圧(V2−V1)は入力磁束密度Bに応じて直線的に変化する。この差分電圧(V2−V1)について、スイッチをONにする判定閾値(基準電圧Vt(L→H))及びスイッチをOFFにする判定閾値(基準電圧Vt(H→L))と比較する。
図5(c)に示すように、ホールセンサ16の出力電圧V2からホールセンサ15の出力電圧V1を減じたV2−V1がVt(L→H)以上となる点(図5(b)におけるA点)を磁束密度Bopとし、ホールセンサ16の出力電圧V2からホールセンサ15の出力電圧V1を減じたV2−V1がVt(H→L)以下となる点(図5(b)におけるB点)を磁束密度Brpとする。出力部24においては、入力磁束密度がBop以上の場合にスイッチング出力をHとし、入力磁束密度がBrp以下の場合にスイッチング出力をLとする。
このように、本実施の形態に係る磁気式スイッチも、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分電圧に基づいてスイッチングを行う。すなわち、本実施の形態に係る磁気式スイッチにおいても、磁気的スイッチングポイントをセンサ感度及び基準電圧の精度でなく、飽和磁束密度により決定する。本実施の形態に係る磁気式スイッチに用いる磁気センサにおける軟磁性体の飽和磁束密度は温度に対しても安定で経時変化も少ない。このため、周囲温度、電源電圧、経時変化による磁気的スイッチングポイントへの影響が小さく、安定して正確なスイッチングを行うことができるので、信頼性の高い磁気式スイッチを実現することができる。また、本実施の形態に係る磁気式スイッチは、製造上のばらつきも小さく抑えることができ、高精度の信号処理回路が必要ないので、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、高精度の磁気式スイッチを実現することができる。
本実施の形態においても、スイッチがONとなる判定閾値と、スイッチがOFFとなる判定閾値とを設けて、両判定閾値間にヒステリシスを設けている。このため、スイッチ出力が不安定になることを防止できる。スイッチ出力の安定性を示す指標となる最大Bopと最小Brpとの間の比(Bopmax/Brpmin)を求めると、本実施の形態に係る磁気式スイッチは約1.1まで低く設定することが可能であり、従来の磁気式スイッチ1.3以上に対して高い安定性を発揮する。また、ホールセンサ15,16の出力を確実に変化させるためには、ホールセンサ15,16の最大磁束密度をBop以下とし、その最小磁束密度をBrp以下にすることが必要である。
本実施の形態に係る磁気式スイッチにおいては、スイッチがONとなる判定閾値と、スイッチがOFFとなる判定閾値とを設けて、両判定閾値間にヒステリシスを設けているが、本発明はこれに限定されず、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分電圧に基づいてスイッチングを行うのであれば、一つの判定閾値でスイッチングを行うように構成しても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、磁気センサにおける磁気検出素子が磁気飽和素子である場合について説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。図6に示す磁気式スイッチは、磁気センサ部1と、この磁気センサ部1の出力を差動的に接続したスイッチング信号出力部2と、磁気センサ部1に交流信号を与える発振回路3とを有する。
磁気センサ部1は、飽和磁束密度がそれぞれ異なる磁気飽和センサ19,20と、固定抵抗13,14とを有し、これらの磁気飽和センサ19,20及び固定抵抗13,14によりブリッジを構成している。ここでは、磁気飽和センサ20の飽和磁束密度のレベルが磁気飽和センサ19の飽和磁束密度のレベルよりも低いとする。
図7に示すように、磁気飽和センサ19は、磁性部材191と、磁性部材191に巻き付けられたコイル192とから構成されており、磁気飽和センサ20は、磁性部材201と、磁性部材201に巻き付けられたコイル202とから構成されている。磁性部材191と磁性部材201とは、基本的な幅や長さは略同じであり、磁性部材191のみにくびれ部191aを設けている。このような磁性部材191,201を有する磁気飽和センサ19,20は、飽和磁束密度が異なり、その他の性質は略同じである。図7に示すように、くびれ部191aを設けることにより、磁気的スイッチングポイントが異なる磁気飽和センサ19,20のシリーズ化を容易に行うことができる。本実施の形態においては、一方の磁性部材のみにくびれ部を設けて飽和磁束密度を変える場合について説明しているが、両方の磁性部材にそれぞれ幅の異なるくびれ部を設けて飽和磁束密度を変えても良い。これらの磁気センサ部1からはインダクタンスが得られる。
スイッチング信号出力部2は、磁気センサ部1のインダクタンスの差分を求める比較器21と、比較器21の出力である差分インダクタンスを検波する検波部27と、検波部27の出力電圧と基準電圧(判定閾値)とを比較する比較器28と、比較器28の出力に基づいてスイッチング信号を出力する出力部29とから主に構成されている。なお、本実施の形態においては、基準電圧を1つ設定した場合について説明しているが、本発明においては、これに限定されず、設定する基準電圧の数に応じて、設ける比較器の数を決定しても良い。
図6に示す磁気式スイッチにおいては、低磁場では両磁気飽和センサ19,20の出力はほぼ同じであるので、比較器21において差分インダクタンスに対応する高周波出力電圧はほぼ0になる。すなわち、磁気センサ部1はブリッジ構造であるので、磁気飽和センサ19,20の出力インダクタンスがキャンセルされ、差分インダクタンスは現れない。磁場が大きくなり、磁気飽和センサ20の磁束密度が飽和すると、磁束密度が飽和していない磁気飽和センサ19の出力インダクタンスの変化分が差分インダクタンスとして現れる。すなわち、磁気飽和センサ20の磁束密度の飽和点がトリガとなって、比較器21の差分インダクタンスが現れる。この差分インダクタンスに対応する出力電圧ついて、比較器28においてそれぞれ基準電圧と比較して出力部29からスイッチング信号を出力する。
図8は、本実施の形態3に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。図8に示すように、磁気飽和センサ20の磁束密度が飽和すると、コイルのインダクタンスが急減するので、ブリッジのバランスが崩れて大きな出力電圧が得られる。この出力電圧と基準電圧(判定閾値)とを比較して、出力電圧が基準電圧を以上のとき(入力磁束密度Bop)にスイッチをON(スイッチング出力H)とし、出力電圧が基準電圧を下回るとき(入力磁束密度Brp)にスイッチをOFF(スイッチング出力L)とする。
このように、本実施の形態に係る磁気式スイッチも、異なる飽和磁束密度を有する複数の磁気センサを用いて、磁束密度の飽和レベルの違いに起因する差分インダクタンスに基づいてスイッチングを行う。すなわち、本実施の形態に係る磁気式スイッチにおいても、磁気的スイッチングポイントをセンサ感度及び基準電圧の精度でなく、飽和磁束密度により決定する。本実施の形態に係る磁気式スイッチに用いる磁気センサにおける磁性体の飽和磁束密度は温度に対しても安定で経時変化も少ない。このため、周囲温度、電源電圧、経時変化による磁気的スイッチングポイントへの影響が小さく、安定して正確なスイッチングを行うことができるので、信頼性の高い磁気式スイッチを実現することができる。また、本実施の形態に係る磁気式スイッチは、製造上のばらつきも小さく抑えることができ、高精度の信号処理回路が必要ないので、生産性を低下させず、コストをアップさせずに、高精度の磁気式スイッチを実現することができる。
本実施の形態においては、一つの判定閾値を設けてスイッチングを行う場合について説明しているが、本発明においては、実施の形態1,2と同様に、スイッチがONとなる判定閾値と、スイッチがOFFとなる判定閾値とを設けて、両判定閾値間にヒステリシスを設けても良い。これにより、スイッチ出力が不安定になることを防止できる。
本発明は上記実施の形態1〜3に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1〜3における回路構成や素子構造については一例であり、本発明の効果を発揮できる限りにおいて適宜変更することができる。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明の磁気式スイッチは、例えばコイルで発生した磁界を検出するように構成することにより電流センサとして利用することができる。これにより、電流の極性に拘らず電流の絶対値を高精度に検出することができる。
本発明の実施の形態1に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る磁気式スイッチの磁気センサ部を説明するための図である。 (a)〜(c)は、本実施の形態1に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。 (a)〜(c)は、本実施の形態2に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。 本発明の実施の形態3に係る磁気式スイッチの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る磁気式スイッチの磁気センサ部を説明するための図である。 本実施の形態3に係る磁気式スイッチのスイッチング信号出力を説明するための図である。
符号の説明
1 磁気センサ部
2 スイッチング出力部
3 発振回路
11,12 MRセンサ
13,14 固定抵抗
15,16 ホールセンサ
17,18,21,22,28 比較器
19,20 磁気飽和センサ
27 検波部
29 出力部
111,121 軟磁性部材
111a,121a,191a くびれ部
121,122 MR素子
191,201 磁性部材
192,202 コイル

Claims (4)

  1. 飽和磁束密度が異なる少なくとも2つの磁気センサを有するセンサ手段と、少なくとも一つの磁気センサの磁束密度が飽和した際に、磁束密度が飽和した磁気センサと磁束密度が飽和していない磁気センサとの間の出力電圧の差分に基づいてスイッチング信号を出力するスイッチング信号出力手段と、を具備することを特徴とする磁気式スイッチ。
  2. 前記スイッチ手段は、スイッチをONにする第1判定閾値と、スイッチをOFFにする第2判定閾値とを有することを特徴とする請求項1記載の磁気式スイッチ。
  3. 前記磁気センサは、一対の軟磁性部材と、前記一対の軟磁性部材に挟持された磁気検出素子と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気式スイッチ。
  4. 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子、ホール素子及び磁気飽和素子からなる群より選ばれた一つであることを特徴とする請求項3記載の磁気式スイッチ。
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