以下、本発明の実施の形態による磁気センサについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、磁気センサ1を示す。磁気センサ1は、磁性薄膜で形成された磁気抵抗素子を備えるセンサ回路部2と、各種の演算を行う演算回路部3とを有する。
図2に示すように、センサ回路部2は、4個の磁気抵抗素子R1〜R4からなる第1のブリッジ回路5と、4個の磁気抵抗素子R5〜R8からなる第2のブリッジ回路6とを備える。磁気抵抗素子R1〜R8は、例えば互いに直交したX方向およびY方向に沿って広がる基板4の表面に形成される。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、長い短冊状パターンと、短い短冊状パターンとを交互に直交させて接続することで、ミアンダ状に形成される。
第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の長い短冊状パターンはY方向に沿って延び、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の長い短冊状パターンはX方向に沿って延びる。このため、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は、X方向と平行な第1の方向D1の磁界が印加されると最も小さくなり、Y方向と平行な第2の方向D2の磁界が印加されると最も大きくなる。一方、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値は、第1の方向D1の磁界が印加されると最も大きくなり、第2の方向D2の磁界が印加されると最も小さくなる。すなわち、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の最大感磁方向は第1の方向D1であり、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の最大感磁方向は第2の方向D2である。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、基板4の表面に成膜された、例えば、磁気抵抗材料であるパーマロイ(NiFe)等の強磁性体薄膜を、フォトリソグラフィ技術等の微細加工技術を用いて所定形状に形成されたものである。磁気抵抗素子R1〜R4は、AMR(異方性磁気抵抗素子)であってもよく、GMR(巨大磁気抵抗素子)であってもよく、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する磁気検出素子であればいずれのものでもよい。なお、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の最大感磁方向である第1の方向D1と、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の最大感磁方向である第2の方向D2とが90度の角度をなす場合を例示したが、これに限られず、任意の角度θ1としてもよい。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、フルブリッジで接続され、第1のブリッジ回路5を構成する。具体的には、第1の磁気抵抗素子R1と第3の磁気抵抗素子R3とを第1の接続端P1を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第1の直列回路7を構成する。また、第2の磁気抵抗素子R2と第4の磁気抵抗素子R4とを第2の接続端P2を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第2の直列回路8を構成する。
第1の直列回路7の第1の磁気抵抗素子R1側と第2の直列回路8の第2の磁気抵抗素子R2側とを、共通接続端をなす第3の接続端P3を介して共通接続する。第1の直列回路7の第3の磁気抵抗素子R3側と第2の直列回路8の第4の磁気抵抗素子R4側とを、共通接続端をなす第4の接続端P4を介して共通接続する。これにより、第1の直列回路7と第2の直列回路8が並列接続され、ホイートストンブリッジをなす第1のブリッジ回路5が構成される。
そして、第3の接続端P3は、電源電圧Vccを供給するための電源電圧端子9が電気的に接続される。また、第4の接続端P4は、外部のグランドGNDに接続するためのグランド端子10が電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路5には、第3の接続端P3および第4の接続端P4を介して第1の電源電圧Vccが印加される。
一方、第1の接続端P1は、第1の出力電圧Amを取り出すための第1の出力端子11と電気的に接続される。また、第2の接続端P2は、第2の出力電圧Apを取り出すための第2の出力端子12と電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路5の第1の接続端P1と第2の接続端P2のそれぞれからは、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apが取り出される。
具体的には、磁気センサ1に、例えば第1の方向D1の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第1の出力電圧Amが増加すると共に、第2の出力電圧Apも増加する。一方、例えば第2の方向D2の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第1の出力電圧Amが減少すると共に、第2の出力電圧Apも減少する。すなわち、第1の出力電圧Amおよび第2の出力電圧Apは、同相で変化する。
なお、第1のブリッジ回路5には、磁気センサ1に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、第1の出力電圧Amが第2の出力電圧Apよりも低い電圧となるようにするオフセット手段が設けられる。オフセット手段は、例えば磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2との値を異ならせたり、磁気抵抗素子R3と磁気抵抗素子R4との値を異ならせたり、第1の直列回路7や第2の直列回路8にオフセット用の抵抗や定電流源、定電圧源を接続したりする等、種々の手段が考えられる。
第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8は、第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4と同様に形成される。但し、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の長い短冊状パターンは、X方向から反時計回りに45度回転させた方向に伸長するように形成される。また、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の長い短冊状パターンは、X方向から時計回りに45度回転させた方向に伸長するように形成される。このため、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値は、第1の方向D1を時計回りに角度45度回転させた第3の方向D3の磁界が印加されると最も小さくなり、第1の方向D1を反時計回りに角度45度回転させた第4の方向D4の磁界が印加されると最も大きくなる。一方、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値は、第3の方向D3の磁界が印加されると最も大きくなり、第4の方向D4の磁界が印加されると最も小さくなる。すなわち、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の最大感磁方向は第3の方向D3であり、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の最大感磁方向は第4の方向D4である。
なお、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の最大感磁方向である第3の方向D3と、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の最大感磁方向である第4の方向D4とが、第1の方向D1とそれぞれ45度の角度をなす場合を例示したが、これに限られず、第3の方向D3と第1の方向D1とは角度θ1と異なる任意の角度θ2をなし、第4の方向D4と第1の方向D1とは角度θ1,θ2と異なる任意の角度θ3をなすように、第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8を配置形成しても良い。
第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8は、フルブリッジで接続され、第2のブリッジ回路6を構成する。具体的には、第5の磁気抵抗素子R5と第7の磁気抵抗素子R7とを第5の接続端P5を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第3の直列回路13を構成する。また、第6の磁気抵抗素子R6と第8の磁気抵抗素子R8とを第6の接続端P6を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第4の直列回路14を構成する。
第3の直列回路13の第5の磁気抵抗素子R5側と第4の直列回路14の第8の磁気抵抗素子R8側とを、共通接続端をなす第7の接続端P7を介して共通接続する。第3の直列回路13の第7の磁気抵抗素子R7側と第4の直列回路14の第6の磁気抵抗素子R6側とを、共通接続端をなす第8の接続端P8を介して共通接続する。これにより、第3の直列回路13と第4の直列回路14が並列接続され、ホイートストンブリッジをなす第2のブリッジ回路6が構成される。
そして、第7の接続端P7は、電源電圧Vccを供給するための電源電圧端子15が電気的に接続される。また、第8の接続端P8は、外部のグランドGNDに接続するためのグランド端子16が電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路6には、第7の接続端P7および第8の接続端P8を介して第2の電源電圧Vccが印加される。なお、第2の電源電圧は、第1の電源電圧と同じ電圧でも、異なる電圧でもよい。
一方、第5の接続端P5は、第3の出力電圧Bmを取り出すための第3の出力端子17と電気的に接続される。また、第6の接続端P6は、第4の出力電圧Bpを取り出すための第4の出力端子18と電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路6の第5の接続端P5および第6の接続端P6のそれぞれからは、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpとが取り出される。
具体的には、磁気センサ1に、例えば第3の方向D3の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第3の出力電圧Bmが増加すると共に、第4の出力電圧Bpは減少する。一方、例えば第4の方向D4の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第3の出力電圧Bmが減少すると共に、第4の出力電圧Bpは増加する。すなわち、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpは、反相で変化する。
なお、第2のブリッジ回路6には、第1のブリッジ回路5と同様のオフセット手段が設けられる。これにより、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpの電圧値は、第2のブリッジ回路6に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apの電圧値との間の、同じ電圧値に設定される。すなわち、第1ないし第4の出力電圧Am,Ap,Bm,Bpは、磁気センサ1に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、以下の数1の式に示す関係を満たす。
なお、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpの電圧値は、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apの電圧値との間の、異なる値に設定してもよい。
次に、演算回路部3について説明する。演算回路部3は、4個の比較器21〜24と1個のOR回路25とを備え、電圧値比較手段を構成する。第1の比較器21の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第1の接続端P1と、第2のブリッジ回路6の第6の接続端P6とが接続される。第1の比較器21は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第1の出力電圧Amと第4の出力電圧Bpを比較し、第1の出力電圧Amが第4の出力電圧Bpよりも大きい(Am>Bp)ときに真となり、それ以外で偽となる第1の判定信号S1を出力する。
第2の比較器22の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第1の接続端P1と、第2のブリッジ回路6の第5の接続端P5とが接続される。第2の比較器22は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第1の出力電圧Amと第3の出力電圧Bmを比較し、第1の出力電圧Amが第3の出力電圧Bmよりも大きい(Am>Bm)ときに真となり、それ以外で偽となる第2の判定信号S2を出力する。
第3の比較器23の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第2の接続端P2と、第2のブリッジ回路6の第6の接続端P6とが接続される。第3の比較器23は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第4の出力電圧Bpと第2の出力電圧Apを比較し、第4の出力電圧Bpが第2の出力電圧Apよりも大きい(Bp>Ap)ときに真となり、それ以外で偽となる第3の判定信号S3を出力する。
第4の比較器24の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第2の接続端P2と、第2のブリッジ回路6の第5の接続端P5とが接続される。第4の比較器24は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第3の出力電圧Bmと第2の出力電圧Apを比較し、第3の出力電圧Bmが第2の出力電圧Apよりも大きい(Bm>Ap)ときに真となり、それ以外で偽となる第4の判定信号S4を出力する。
OR回路25の入力端子には、第1ないし第4の比較器21〜24の出力端子が接続され、第1ないし第4の判定信号S1〜S4のうちのいずれかが真となるときに真(例えば、Highレベル)、全てが偽となるときに偽(例えば、Lowレベル)の検出信号Voutを出力する。
次に、図3ないし図11に示す、磁界強度と出力電圧Am,Ap,Bm,Bpとの関係を用いて、磁気センサ1の検出動作について説明する。なお、磁界方向は、基線であるY方向を、反時計回りに回転した角度θを正であらわし、時計回りに回転した角度θを負であらわす。また、磁界強度がプラス(+)の場合は、角度θの方向の磁界強度をあらわし、一方、磁界強度がマイナス(−)の場合は、角度θの方向と逆向きの方向、すなわち、角度(θ±180°)の方向の磁界強度をあらわす。
まず、図3を用いて、磁界方向の角度θが0度の場合(θ=0°)、すなわち、磁界方向が第2の方向D2の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1のブリッジ回路5を構成する第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値が減少する。一方、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2には第1の方向D1の磁界成分が印加されないので、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Amおよび出力電圧Apは減少する。すなわち、出力電圧Amおよび出力電圧Apは、同相で変化する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が一様に増加する。このため、第2のブリッジ回路6を構成する第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第2のブリッジ回路6の出力電圧Bm,Bpは殆ど変化しない。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B0[mT]に達すると、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpとクロスする(Ap=Bm,Ap=Bp)。
さらに、磁界強度が±B0[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Ap<Bm,Ap<Bp)なり、第3および第4の判定信号S3,S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S3およびS4は真、判定信号S1およびS2は偽となる。このため、OR回路25の検出信号Voutは±B0[mT]を閾値として偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図4を用いて、磁界方向の角度θが0度から22.5度までの間の場合(0°<θ<22.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。これに伴い、出力電圧Am,Apは、θ=0°の場合と比べて、同相で緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。すなわち、出力電圧Bm,Bpは、反相で変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B1[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、θ=0°の場合と比べて出力電圧Apは緩やかに減少するため、|±B0[mT]|<|±B1[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B1[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽となり、判定信号S4は真となる。このため、±B1[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図5を用いて、磁界方向の角度θが22.5度の場合(θ=22.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。この結果、0°<θ<22.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは、同相で緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、0°<θ<22.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、大きく変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B2[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、0°<θ<22.5°の場合と比べて出力電圧Apは緩やかに減少するため、|±B1[mT]|<|±B2[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B2[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽、判定信号S4は真となる。このため、±B2[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図6を用いて、磁界方向の角度θが22.5度から45度までの間の場合(22.5°<θ<45°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。この結果、θ=22.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは、同相でやや緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=22.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、大きく変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B3[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、θ=22.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは大きく変化するため、|±B2[mT]|>|±B3[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B3[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽、判定信号S4は真となる。このため、±B3[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図7を用いて、磁界方向の角度θが45度の場合(θ=45°)、すなわち、磁界方向が第3の方向D3の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が一様に増加する。このため、第1のブリッジ回路5を構成する第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第1のブリッジ回路5の出力電圧Am,Apは殆ど変化しない。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第2のブリッジ回路6を構成する第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値が減少する。一方、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8には第4の方向D4の成分が印加されないので、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B4[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスし(Am=Bp)、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは大きく変化するため、|±B4[mT]|<|±B3[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B4[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第1および第4の判定信号S1,S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1およびS4は真、判定信号S2およびS3は偽となる。このため、±B4[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図8を用いて、磁界方向の角度θが45度から67.5度の場合(45°<θ<67.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、出力電圧Am,Apは同相で緩やかに増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=45°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B5[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)。なお、θ=45°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは穏やかに変化するため、|±B4[mT]|<|±B5[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B5[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B5[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図9を用いて、磁界方向の角度θが67.5度の場合(θ=67.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、出力電圧Am,Apは同相で穏やかに増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B6[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとクロスする(Am=Bp)。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは穏やかに変化するため、|±B5[mT]|<|±B6[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B6[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B6[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図10を用いて、磁界方向の角度θが67.5度から90度までの場合(67.5°<θ<90°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、θ=67.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは同相で大きく増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量より大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=67.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも小大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B7[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)。なお、θ=67.5°の場合と比べて出力電圧Am,Apは大きく変化するため、|±B7[mT]|<|±B6[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B7[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B7[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図11を用いて、磁界方向の角度θが90度の場合(θ=90°)、すなわち、磁界方向が第1の方向D1の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は減少する。一方、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4には第2の方向D2の成分が印加されないので、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Am,Apは同相で増加する。
一方、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が一様に増加する。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第2のブリッジ回路6の出力電圧Bm,Bpは殆ど変化しない。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なるため、判定信号S1〜S4は全て偽となる。このため、OR回路25の検出信号Voutは、偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B8[mT]に達すると、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpとクロスする(Am=Bm,Am=Bp)。
なお、67.5°<θ<90°の場合と比べて、出力電圧Am,Apの変化が大きいため、|±B8[mT]|<|±B7[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B8[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Am>Bm,Am>Bp)なり、第1および第2の判定信号S1,S2は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1およびS2は真、判定信号S3およびS4は偽となる。このため、±B8[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えばLowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
以下同様に、磁気センサ1は、磁界方向の角度θが90度を超える場合にも、磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが90度から135度までの場合(90°≦θ≦135°)には、出力電圧Amと出力電圧Bmとがクロスする(Am=Bm)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Amが出力電圧Bmよりも大きくなると(Am>Bm)、第2の判定信号S2が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが135度から180度までの場合(135°≦θ≦180°)には、出力電圧Apと出力電圧Bpとがクロスする(Ap=Bp)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Apが出力電圧Bpよりも小さくなると(Ap<Bp)、第3の判定信号S3が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
また、磁界方向の角度θが−45度から0度までの場合(−45°≦θ≦0°)には、出力電圧Apと出力電圧Bpとがクロスする(Ap=Bp)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Apが出力電圧Bpよりも小さくなると(Ap<Bp)、第3の判定信号S3が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−90度から−45度までの場合(−90°≦θ≦−45°)には、出力電圧Amと出力電圧Bmとがクロスする(Am=Bm)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Amが出力電圧Bmよりも大きくなると(Am>Bm)、第2の判定信号S2が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−135度から−90度までの場合(−135°≦θ≦−90°)には、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Amが出力電圧Bpよりも大きくなると(Am>Bp)、第1の判定信号S1が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−180度から−135度までの場合(−180°≦θ≦−135°)には、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Apが出力電圧Bmよりも小さくなると(Bm>Ap)、第4の判定信号S4が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
上述した記載に基づく、磁界方向の角度θ(−90°≦θ≦90°)と、角度θにおいて磁気センサ1が磁界強度を検出する閾値との関係を、図12中に実線で示す。なお、比較例として、従来技術による磁気センサ31に係る角度θ(−90°≦θ≦90°)と、角度θにおいて磁気センサ31が磁界強度を検出する閾値との関係を破線で示す。磁気センサ31では、角度θの絶対値が0度から45度(|θ|≦45°)の範囲でしか磁界を検出できないのに比べ、磁気センサ1は、角度θの絶対値が0度から90度(|θ|≦90°)の範囲、すなわち、全ての磁気方向の磁界を検出することができる。
また、磁気センサ31では、角度θによって閾値の大きさが大きく異なるため、検出方向の異方性が大きい。しかしながら、磁気センサ1では、角度θが異なる場合でも、閾値の変化が小さいため、検出方向の異方性が小さくなる。
なお、演算回路部3は、第1の出力電圧Am>第4の出力電圧Bpあるいは、第1の出力電圧Am>第3の出力電圧Bmあるいは、第4の出力電圧Bp>第2の出力電圧Apあるいは、第3の出力電圧Bm>第2の出力電圧Apのいずれかであるかを判定する。このため、角度θに応じて、これら4つの条件のうち磁界強度が最も小さいときに成り立つ条件を適宜選択してもよい。この結果、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
また、磁気センサ1では、第1ないし第8の磁気抵抗素子R1〜R8は近接して平行に形成された複数本の線状パターンを先端部で互い違いに接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば1本の線状パターンによって磁気抵抗素子R1〜R8を構成してもよい。