JP5938973B2 - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ Download PDF

Info

Publication number
JP5938973B2
JP5938973B2 JP2012065340A JP2012065340A JP5938973B2 JP 5938973 B2 JP5938973 B2 JP 5938973B2 JP 2012065340 A JP2012065340 A JP 2012065340A JP 2012065340 A JP2012065340 A JP 2012065340A JP 5938973 B2 JP5938973 B2 JP 5938973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
output
voltage
output voltage
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012065340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013195345A (ja
Inventor
加藤 忠
忠 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2012065340A priority Critical patent/JP5938973B2/ja
Publication of JP2013195345A publication Critical patent/JP2013195345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5938973B2 publication Critical patent/JP5938973B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、磁気検出素子を用いて磁界を検出する磁気センサに関する。
一般に、4個の磁気抵抗素子をホイートストンブリッジ接続してなる磁気センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。そこで、このような従来技術による磁気センサ31について、図13を用いて説明する。
磁気センサ31を構成する4個の磁気抵抗素子R11〜R14は、基板32の表面に設けられ、ブリッジ回路33を形成する。第1ないし第4の磁気抵抗素子R11,R12,R13,R14は、長い短冊状パターンと、短い短冊状パターンとを交互に直交させて接続することで、それぞれミアンダ状に形成される。第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12における、短い短冊状パターンはX方向に伸長し、長い短冊状パターンはY方向に伸長する。このため、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12の抵抗値の変化は、X方向に印加される磁界に対して最も大きく、Y方向に印加される磁界に対して最も小さい。すなわち、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12は、X方向に印加される磁界に対して最大感度を有する。第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14における、短い短冊状パターンはY方向に伸長し、長い短冊状パターンはX方向に伸長する。このため、第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14の抵抗値の変化は、Y方向に印加される磁界に対して最も大きく、X方向に印加される磁界に対して最も小さい。すなわち、第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14は、Y方向に印加される磁界に対して最大感度を有する。第1の磁気抵抗素子R11と第3の磁気抵抗素子R13とは、第1の接続端P11を介して直列接続されて第1の直列回路34をなし、第2の磁気抵抗素子R12と第4の磁気抵抗素子R14とは、第2の接続端P12を介して直列接続されて第2の直列回路35をなす。さらに、第1の直列回路34の第1の磁気抵抗素子R11側と第2の直列回路35の第4の磁気抵抗素子R14側とが第3の接続端P13を介して共通接続されると共に、第1の直列回路34の第3の磁気抵抗素子R13側と第2の直列回路35の第2の磁気抵抗素子R12側とが第4の接続端P14を介して共通接続される。第3の接続端P13には電源電圧Vccが印加されると共に、第4の接続端P14はグランドGNDに接続され、第1の接続端P11および第2の接続端P12を介して磁界強度に応じた出力電圧Cm,Cpが取り出される。なお、出力電圧Cm,Cpは、差動増幅器(図示せず)を介して差動増幅される。
次に、図14ないし図17を参照しつつ、磁気センサ31に印加される磁界の磁界方向と磁界強度とを変えたときの、磁気センサ31の出力電圧Cm,Cpについて説明する。なお、磁界方向は、基線であるY方向を、反時計回りに回転した角度θを正であらわし、時計回りに回転した角度θを負であらわす。なお、磁界強度がプラス(+)の場合は、角度θの方向の磁界強度をあらわし、磁界強度がマイナス(−)の場合は、角度θの方向と逆向きの方向、すなわち、角度(θ±180°)の方向の磁界強度をあらわす。また、磁気抵抗素子R11〜R14の抵抗値は、磁界が印加されないとき、すなわち、磁界強度が0[mT]のときに、出力電圧Cmが出力電圧Cpよりも大きくなるように設定される。
まず、図14を用いて、磁界方向の角度θが0度の場合(θ=0°)、すなわち、磁界方向がY方向の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ31に印加していくと、第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14の抵抗値は減少する。一方、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12にはX方向の成分が印加されないので、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12の抵抗値は殆ど変化しない。この結果、出力電圧Cmは減少し、出力電圧CPは増加する。すなわち、出力電圧Cm,Cpは反相で変化する。従って、θ=0°の場合は、磁界強度を徐々に増加させていくと、±Ba[mT]で出力電圧Cm,Cpはクロスする。このため、磁気センサ31の検出信号は、±Ba[mT]を閾値として、例えばLowレベルからHighレベルに切り換わるので、磁気センサ31は磁界を検出することができる。
次に、図15を用いて、磁界方向の角度θの絶対値が0度から45度の場合(0°<|θ|<45°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ31に印加していくと、X方向およびY方向の成分が増加する。なお、X方向の成分は、Y方向の成分よりも小さい。このため、第1ないし第4の磁気抵抗素子R11〜R14の抵抗値は減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14の抵抗値の変化量よりも小さい。この結果、出力電圧Cmは減少し、出力電圧CPは増加する。従って、0°<|θ|<45°の場合、磁界強度を徐々に増加させていくと、±Bb[mT]で出力電圧Cm,Cpはクロスする(Cm=Cp)。このため、磁気センサ31の検出信号は、±Bb[mT]を閾値として、例えばLowレベルからHighレベルに切り換わるので、磁気センサ31は磁界を検出することができる。なお、θ=0°の場合と比べて出力電圧Cm,Cpは緩やかに変化するため、|±Ba[mT]|<|±Bb[mT]|となる。
次に、図16を用いて、磁界方向の角度θの絶対値が45度の場合(|θ|=45°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ31に印加していくと、X方向およびY方向の成分が一様に増加する。このため、第1ないし第4の磁気抵抗素子R11〜R14の抵抗値は一様に減少する。この結果、出力電圧Cm,Cpは殆ど変化しない。従って、|θ|=45°の場合は、磁界強度を徐々に増加させていっても、出力電圧Cm,Cpはクロスしない。このため、磁気センサ31の検出信号は、例えばLowレベルからHighレベルに切り換わらないので、磁気センサ31は磁界を検出することができない。
次に、図17を用いて、磁界方向の角度θの絶対値が45度から90度の場合(45°<|θ|<90°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ31に印加していくと、X方向およびY方向の成分が増加する。なお、X方向の成分は、Y方向の成分よりも大きい。このため、第1ないし第4の磁気抵抗素子R11〜R14の抵抗値は減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R11,R12の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R13,R14の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Cmは増加し、出力電圧CPは減少する。従って、45°<|θ|<90°の場合は、磁界強度を徐々に増加させていっても、出力電圧Cm,Cpはクロスしない。このため、磁気センサ31の検出信号は、例えばLowレベルからHighレベルに切り換わらないので、磁気センサ31は磁界を検出することができない。
特開平9−283735号公報
このように、従来技術による磁気センサでは、磁気センサに印加される磁界の磁界方向を変えていくと、磁界方向を検出できない領域が発生するという問題があった。また、磁気センサに印加される磁界の磁界方向と磁界強度とを変えていくと、磁気センサを構成する4個の磁気抵抗素子の抵抗値の変化量が異なるため、磁気センサの検出電圧の変化が異なる。この結果、磁気センサが磁界を検出するときの閾値が、磁界方向によって大きく変わる。すなわち、磁界方向によって、磁気センサの磁気感度が一定しないという問題があった。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、磁気の磁界方向に依存せずに磁界を検出することができる磁気センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、2軸平面上の第1の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1および第2の磁気検出素子と、前記第1の方向からθ1傾いた前記2軸平面上の第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第3および第4の磁気検出素子とを有し、前記第1および第3の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第1の直列回路と、前記第2および第4の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第2の直列回路とを並列接続してなり、前記第1および第2の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第1の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第1および第2の直列回路の接続端のそれぞれからは同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力する第1のブリッジ回路と、前記第1の方向から前記θ1とは異なるθ2傾いた前記2軸平面上の第3の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5および第6の磁気検出素子と、前記第1の方向から前記θ1および前記θ2とは異なるθ3傾いた前記2軸平面上の第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第7および第8の磁気検出素子とを有し、前記第5および第7の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第3の直列回路と、前記第6および第8の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第4の直列回路とを並列接続してなり、前記第3および第4の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第2の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第3および第4の直列回路の接続端のそれぞれからは反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する第2のブリッジ回路と、を備えた磁気センサであって、磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせるオフセット手段を前記第1のブリッジ回路に設けると共に、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧の電圧値が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定し、磁界が印加された際に、前記第1ないし第4の出力電圧の電圧値が、前記第1の出力電圧>前記第4の出力電圧あるいは、前記第1の出力電圧>前記第3の出力電圧あるいは、前記第4の出力電圧>前記第2の出力電圧あるいは、前記第3の出力電圧>前記第2の出力電圧のいずれかであるかを判定する電圧値比較手段を設けたことを特徴としている。
請求項2の発明は、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1ないし第4の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の第1および第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、2つの出力端子が磁界強度に対して同相で変化する第1および第2の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせた第1のブリッジ回路と、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5ないし第8の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の前記第1および第2の方向とは異なる第3および第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、2つの出力端子が磁界強度に対して反相で変化する第3および第4の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となる第2のブリッジ回路と、を備えた磁気センサであって、磁界が印加された際に、前記第1および第2の出力電圧のいずれかが、前記第3および第4の出力電圧のいずれかと一致する磁界強度が、検出される閾値磁界強度となることを特徴としている。
請求項3の発明は、2軸平面上の第1の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1および第2の磁気検出素子と、前記第1の方向からθ1傾いた前記2軸平面上の第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第3および第4の磁気検出素子とを有し、前記第1および第3の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第1の直列回路と、前記第2および第4の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第2の直列回路とを並列接続してなり、前記第1および第2の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第1の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第1および第2の直列回路の接続端のそれぞれからは同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力する第1のブリッジ回路と、前記第1の方向から前記θ1とは異なるθ2傾いた前記2軸平面上の第3の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5および第6の磁気検出素子と、前記第1の方向から前記θ1および前記θ2とは異なるθ3傾いた前記2軸平面上の第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第7および第8の磁気検出素子とを有し、前記第5および第7の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第3の直列回路と、前記第6および第8の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第4の直列回路とを並列接続してなり、前記第3および第4の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第2の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第3および第4の直列回路の接続端のそれぞれからは反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する第2のブリッジ回路と、を備え、前記第1および第2の出力電圧のいずれかと、前記第3および第4の出力電圧のいずれかとを比較することによって、磁界を検出する構成としている。
請求項4の発明は、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1ないし第4の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の第1および第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、2つの出力端子が磁界強度に対して同相で変化する第1および第2の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせた第1のブリッジ回路と、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5ないし第8の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の前記第1および第2の方向とは異なる第3および第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、2つの出力端子が磁界強度に対して反相で変化する第3および第4の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となる第2のブリッジ回路と、を備え、前記第1および第2の出力電圧のいずれかと、前記第3および第4の出力電圧のいずれかとを比較することによって、磁界を検出する構成としている。
請求項5の発明は、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧の電圧値が同じとなると共に、前記第3および第4の出力電圧と前記第1の出力電圧との間のオフセット電圧と、前記第3および第4の出力電圧と前記第2の出力電圧との間のオフセット電圧とが同じとしている。
請求項6の発明は、前記第1および第2の方向は互いに直交すると共に、前記第3および第4の方向は互いに直交し、前記第1および第2の方向に対して45度の角度差をもって前記第3および第4の方向を配置している。
請求項1の発明によれば、第1のブリッジ回路は第1および第2の直列回路の接続端のそれぞれから同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力し、第2のブリッジ回路は第3および第4の直列回路の接続端のそれぞれから反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する。これに加え、磁界が印加されない場合に、第3および第4の出力電圧の電圧値が第1の出力電圧と第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定した。
このため、磁界強度を大きくすると、第1の出力電圧に対して、第3および第4の出力電圧のいずれかの大きさが逆転する。同様に、磁界強度を大きくすると、第2の出力電圧に対して、第3および第4の出力電圧のいずれかの大きさが逆転する。従って、磁界が印加された際に、第1の出力電圧>第4の出力電圧あるいは、第1の出力電圧>第3の出力電圧あるいは、第4の出力電圧>第2の出力電圧あるいは、第3の出力電圧>第2の出力電圧のいずれかであるかを、電圧値比較手段が判定することによって、磁界が印加されたか否かを判定することができ、磁気印加方向に依存せずに磁界を検出することができる。
また、電圧値比較手段は、第1の出力電圧>第4の出力電圧あるいは、第1の出力電圧>第3の出力電圧あるいは、第4の出力電圧>第2の出力電圧あるいは、第3の出力電圧>第2の出力電圧のいずれかであるかを判定する。このため、磁気印加方向に応じて、これら4つの条件のうち磁界強度が最も小さいときに成り立つ条件を適宜選択することができる。この結果、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
請求項2の発明でも、請求項1の発明と同様に、第1のブリッジ回路は同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力し、第2のブリッジ回路は反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力すると共に、磁界が印加されない場合に、第3および第4の出力電圧の電圧値が第1の出力電圧と第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定した。このため、磁界が磁気センサに印加された際に、第1および第2の出力電圧のいずれかが、第3および第4の出力電圧のいずれかと一致する磁界強度を閾値磁界強度とすることによって、磁気印加方向に依存せずに磁界を検出することができると共に、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、第1のブリッジ回路は第1および第2の直列回路の共通接続端のそれぞれから同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力し、第2のブリッジ回路は第3および第4の直列回路の共通接続端のそれぞれから反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する。このため、磁界が印加されない場合に、第3および第4の出力電圧の電圧値が第1の出力電圧と第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定したときには、磁界強度を大きくすると、第1の出力電圧に対して、第3および第4の出力電圧のいずれかの大きさが逆転する。同様に、磁界強度を大きくすると、第2の出力電圧に対して、第3および第4の出力電圧のいずれかの大きさが逆転する。
従って、第1の出力電圧と第3および第4の出力電圧とを比較すると共に、第2の出力電圧と第3および第4の出力電圧とを比較することによって、磁界が印加されたか否かを判定することができ、磁気印加方向に依存せずに磁界を検出することができる。これに加え、磁気印加方向が異なるときでも、第1の出力電圧と第3および第4の出力電圧との比較結果と、第2の出力電圧と第3および第4の出力電圧との比較結果とのうち、いずれか一つを適宜選択することによって、磁界強度が最も小さいときに比較結果が変化するものを選択することができる。これにより、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、第1のブリッジ回路は同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力し、第2のブリッジ回路は反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力すると共に、磁界が印加されない場合に、第3および第4の出力電圧の電圧値が第1の出力電圧と第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定した。このため、第1および第2の出力電圧のいずれかが、第3および第4の出力電圧のいずれかとを比較し、磁界強度が最も小さいときに比較結果が変化するものを選択することができる。これにより、磁気印加方向に依存せずに磁界を検出することができると共に、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、磁界が印加されない場合に、第3および第4の出力電圧の電圧値が同じとなると共に、第3および第4の出力電圧と第1の出力電圧との間のオフセット電圧と、第3および第4の出力電圧と第2の出力電圧との間のオフセット電圧とが同じとしたから、磁気印加方向に対する磁気感度の変動を小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、第1および第2の方向は互いに直交すると共に、第3および第4の方向は互いに直交し、第1および第2の方向に対して45度の角度差をもって第3および第4の方向を配置したから、第1のブリッジ回路の最大感磁方向と第2のブリッジ回路の最大感磁方向とを、交互に、かつ等間隔に配置することができ、磁気印加方向に対する磁気感度の変動を小さくすることができる。
実施の形態による磁気センサを示す回路図である。 図1のセンサ回路部を示す平面図である。 磁界方向の角度が0度の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が0度から22.5度までの間の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が22.5度の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が22.5度から45度までの間の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が45度の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が45度から67.5度までの間の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が67.5度の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が67.5度から90度までの間の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度が90度の場合において、磁界強度と第1ないし第4の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度と磁界強度の閾値との関係を示す特性線図である。 従来技術による磁気センサを示す平面図である。 磁界方向の角度の絶対値が0度の場合において、磁界強度と、従来技術による第1および第2の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度の絶対値が0度から45度の間の場合において、磁界強度と、従来技術による第1および第2の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度の絶対値が45度の場合において、磁界強度と、従来技術による第1および第2の出力電圧との関係を示す特性線図である。 磁界方向の角度の絶対値が45度から90度の間の場合において、磁界強度と、従来技術による第1および第2の出力電圧との関係を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態による磁気センサについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、磁気センサ1を示す。磁気センサ1は、磁性薄膜で形成された磁気抵抗素子を備えるセンサ回路部2と、各種の演算を行う演算回路部3とを有する。
図2に示すように、センサ回路部2は、4個の磁気抵抗素子R1〜R4からなる第1のブリッジ回路5と、4個の磁気抵抗素子R5〜R8からなる第2のブリッジ回路6とを備える。磁気抵抗素子R1〜R8は、例えば互いに直交したX方向およびY方向に沿って広がる基板4の表面に形成される。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、長い短冊状パターンと、短い短冊状パターンとを交互に直交させて接続することで、ミアンダ状に形成される。
第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の長い短冊状パターンはY方向に沿って延び、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の長い短冊状パターンはX方向に沿って延びる。このため、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は、X方向と平行な第1の方向D1の磁界が印加されると最も小さくなり、Y方向と平行な第2の方向D2の磁界が印加されると最も大きくなる。一方、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値は、第1の方向D1の磁界が印加されると最も大きくなり、第2の方向D2の磁界が印加されると最も小さくなる。すなわち、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の最大感磁方向は第1の方向D1であり、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の最大感磁方向は第2の方向D2である。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、基板4の表面に成膜された、例えば、磁気抵抗材料であるパーマロイ(NiFe)等の強磁性体薄膜を、フォトリソグラフィ技術等の微細加工技術を用いて所定形状に形成されたものである。磁気抵抗素子R1〜R4は、AMR(異方性磁気抵抗素子)であってもよく、GMR(巨大磁気抵抗素子)であってもよく、磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する磁気検出素子であればいずれのものでもよい。なお、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の最大感磁方向である第1の方向D1と、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の最大感磁方向である第2の方向D2とが90度の角度をなす場合を例示したが、これに限られず、任意の角度θ1としてもよい。
第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4は、フルブリッジで接続され、第1のブリッジ回路5を構成する。具体的には、第1の磁気抵抗素子R1と第3の磁気抵抗素子R3とを第1の接続端P1を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第1の直列回路7を構成する。また、第2の磁気抵抗素子R2と第4の磁気抵抗素子R4とを第2の接続端P2を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第2の直列回路8を構成する。
第1の直列回路7の第1の磁気抵抗素子R1側と第2の直列回路8の第2の磁気抵抗素子R2側とを、共通接続端をなす第3の接続端P3を介して共通接続する。第1の直列回路7の第3の磁気抵抗素子R3側と第2の直列回路8の第4の磁気抵抗素子R4側とを、共通接続端をなす第4の接続端P4を介して共通接続する。これにより、第1の直列回路7と第2の直列回路8が並列接続され、ホイートストンブリッジをなす第1のブリッジ回路5が構成される。
そして、第3の接続端P3は、電源電圧Vccを供給するための電源電圧端子9が電気的に接続される。また、第4の接続端P4は、外部のグランドGNDに接続するためのグランド端子10が電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路5には、第3の接続端P3および第4の接続端P4を介して第1の電源電圧Vccが印加される。
一方、第1の接続端P1は、第1の出力電圧Amを取り出すための第1の出力端子11と電気的に接続される。また、第2の接続端P2は、第2の出力電圧Apを取り出すための第2の出力端子12と電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路5の第1の接続端P1と第2の接続端P2のそれぞれからは、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apが取り出される。
具体的には、磁気センサ1に、例えば第1の方向D1の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第1の出力電圧Amが増加すると共に、第2の出力電圧Apも増加する。一方、例えば第2の方向D2の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第1の出力電圧Amが減少すると共に、第2の出力電圧Apも減少する。すなわち、第1の出力電圧Amおよび第2の出力電圧Apは、同相で変化する。
なお、第1のブリッジ回路5には、磁気センサ1に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、第1の出力電圧Amが第2の出力電圧Apよりも低い電圧となるようにするオフセット手段が設けられる。オフセット手段は、例えば磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2との値を異ならせたり、磁気抵抗素子R3と磁気抵抗素子R4との値を異ならせたり、第1の直列回路7や第2の直列回路8にオフセット用の抵抗や定電流源、定電圧源を接続したりする等、種々の手段が考えられる。
第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8は、第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4と同様に形成される。但し、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の長い短冊状パターンは、X方向から反時計回りに45度回転させた方向に伸長するように形成される。また、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の長い短冊状パターンは、X方向から時計回りに45度回転させた方向に伸長するように形成される。このため、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値は、第1の方向D1を時計回りに角度45度回転させた第3の方向D3の磁界が印加されると最も小さくなり、第1の方向D1を反時計回りに角度45度回転させた第4の方向D4の磁界が印加されると最も大きくなる。一方、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値は、第3の方向D3の磁界が印加されると最も大きくなり、第4の方向D4の磁界が印加されると最も小さくなる。すなわち、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の最大感磁方向は第3の方向D3であり、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の最大感磁方向は第4の方向D4である。
なお、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の最大感磁方向である第3の方向D3と、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の最大感磁方向である第4の方向D4とが、第1の方向D1とそれぞれ45度の角度をなす場合を例示したが、これに限られず、第3の方向D3と第1の方向D1とは角度θ1と異なる任意の角度θ2をなし、第4の方向D4と第1の方向D1とは角度θ1,θ2と異なる任意の角度θ3をなすように、第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8を配置形成しても良い。
第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8は、フルブリッジで接続され、第2のブリッジ回路6を構成する。具体的には、第5の磁気抵抗素子R5と第7の磁気抵抗素子R7とを第5の接続端P5を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第3の直列回路13を構成する。また、第6の磁気抵抗素子R6と第8の磁気抵抗素子R8とを第6の接続端P6を介して直列接続することにより、ハーフブリッジをなす第4の直列回路14を構成する。
第3の直列回路13の第5の磁気抵抗素子R5側と第4の直列回路14の第8の磁気抵抗素子R8側とを、共通接続端をなす第7の接続端P7を介して共通接続する。第3の直列回路13の第7の磁気抵抗素子R7側と第4の直列回路14の第6の磁気抵抗素子R6側とを、共通接続端をなす第8の接続端P8を介して共通接続する。これにより、第3の直列回路13と第4の直列回路14が並列接続され、ホイートストンブリッジをなす第2のブリッジ回路6が構成される。
そして、第7の接続端P7は、電源電圧Vccを供給するための電源電圧端子15が電気的に接続される。また、第8の接続端P8は、外部のグランドGNDに接続するためのグランド端子16が電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路6には、第7の接続端P7および第8の接続端P8を介して第2の電源電圧Vccが印加される。なお、第2の電源電圧は、第1の電源電圧と同じ電圧でも、異なる電圧でもよい。
一方、第5の接続端P5は、第3の出力電圧Bmを取り出すための第3の出力端子17と電気的に接続される。また、第6の接続端P6は、第4の出力電圧Bpを取り出すための第4の出力端子18と電気的に接続される。これにより、ブリッジ回路6の第5の接続端P5および第6の接続端P6のそれぞれからは、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpとが取り出される。
具体的には、磁気センサ1に、例えば第3の方向D3の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第3の出力電圧Bmが増加すると共に、第4の出力電圧Bpは減少する。一方、例えば第4の方向D4の磁界を徐々に大きく可変して印加していくと、第3の出力電圧Bmが減少すると共に、第4の出力電圧Bpは増加する。すなわち、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpは、反相で変化する。
なお、第2のブリッジ回路6には、第1のブリッジ回路5と同様のオフセット手段が設けられる。これにより、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpの電圧値は、第2のブリッジ回路6に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apの電圧値との間の、同じ電圧値に設定される。すなわち、第1ないし第4の出力電圧Am,Ap,Bm,Bpは、磁気センサ1に印加される磁界強度がゼロ(0)[mT]の場合に、以下の数1の式に示す関係を満たす。
Figure 0005938973
なお、第3の出力電圧Bmと第4の出力電圧Bpの電圧値は、第1の出力電圧Amと第2の出力電圧Apの電圧値との間の、異なる値に設定してもよい。
次に、演算回路部3について説明する。演算回路部3は、4個の比較器21〜24と1個のOR回路25とを備え、電圧値比較手段を構成する。第1の比較器21の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第1の接続端P1と、第2のブリッジ回路6の第6の接続端P6とが接続される。第1の比較器21は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第1の出力電圧Amと第4の出力電圧Bpを比較し、第1の出力電圧Amが第4の出力電圧Bpよりも大きい(Am>Bp)ときに真となり、それ以外で偽となる第1の判定信号S1を出力する。
第2の比較器22の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第1の接続端P1と、第2のブリッジ回路6の第5の接続端P5とが接続される。第2の比較器22は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第1の出力電圧Amと第3の出力電圧Bmを比較し、第1の出力電圧Amが第3の出力電圧Bmよりも大きい(Am>Bm)ときに真となり、それ以外で偽となる第2の判定信号S2を出力する。
第3の比較器23の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第2の接続端P2と、第2のブリッジ回路6の第6の接続端P6とが接続される。第3の比較器23は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第4の出力電圧Bpと第2の出力電圧Apを比較し、第4の出力電圧Bpが第2の出力電圧Apよりも大きい(Bp>Ap)ときに真となり、それ以外で偽となる第3の判定信号S3を出力する。
第4の比較器24の±入力端子のそれぞれには、第1のブリッジ回路5の第2の接続端P2と、第2のブリッジ回路6の第5の接続端P5とが接続される。第4の比較器24は、2つの入力端子の電圧、すなわち、第3の出力電圧Bmと第2の出力電圧Apを比較し、第3の出力電圧Bmが第2の出力電圧Apよりも大きい(Bm>Ap)ときに真となり、それ以外で偽となる第4の判定信号S4を出力する。
OR回路25の入力端子には、第1ないし第4の比較器21〜24の出力端子が接続され、第1ないし第4の判定信号S1〜S4のうちのいずれかが真となるときに真(例えば、Highレベル)、全てが偽となるときに偽(例えば、Lowレベル)の検出信号Voutを出力する。
次に、図3ないし図11に示す、磁界強度と出力電圧Am,Ap,Bm,Bpとの関係を用いて、磁気センサ1の検出動作について説明する。なお、磁界方向は、基線であるY方向を、反時計回りに回転した角度θを正であらわし、時計回りに回転した角度θを負であらわす。また、磁界強度がプラス(+)の場合は、角度θの方向の磁界強度をあらわし、一方、磁界強度がマイナス(−)の場合は、角度θの方向と逆向きの方向、すなわち、角度(θ±180°)の方向の磁界強度をあらわす。
まず、図3を用いて、磁界方向の角度θが0度の場合(θ=0°)、すなわち、磁界方向が第2の方向D2の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1のブリッジ回路5を構成する第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値が減少する。一方、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2には第1の方向D1の磁界成分が印加されないので、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Amおよび出力電圧Apは減少する。すなわち、出力電圧Amおよび出力電圧Apは、同相で変化する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が一様に増加する。このため、第2のブリッジ回路6を構成する第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第2のブリッジ回路6の出力電圧Bm,Bpは殆ど変化しない。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B0[mT]に達すると、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpとクロスする(Ap=Bm,Ap=Bp)。
さらに、磁界強度が±B0[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Ap<Bm,Ap<Bp)なり、第3および第4の判定信号S3,S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S3およびS4は真、判定信号S1およびS2は偽となる。このため、OR回路25の検出信号Voutは±B0[mT]を閾値として偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図4を用いて、磁界方向の角度θが0度から22.5度までの間の場合(0°<θ<22.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。これに伴い、出力電圧Am,Apは、θ=0°の場合と比べて、同相で緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。すなわち、出力電圧Bm,Bpは、反相で変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B1[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、θ=0°の場合と比べて出力電圧Apは緩やかに減少するため、|±B0[mT]|<|±B1[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B1[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽となり、判定信号S4は真となる。このため、±B1[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図5を用いて、磁界方向の角度θが22.5度の場合(θ=22.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。この結果、0°<θ<22.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは、同相で緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、0°<θ<22.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、大きく変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B2[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、0°<θ<22.5°の場合と比べて出力電圧Apは緩やかに減少するため、|±B1[mT]|<|±B2[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B2[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽、判定信号S4は真となる。このため、±B2[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図6を用いて、磁界方向の角度θが22.5度から45度までの間の場合(22.5°<θ<45°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。なお、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも小さい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも小さい。この結果、θ=22.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは、同相でやや緩やかに減少する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=22.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、大きく変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、全ての判定信号S1〜S4は偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B3[mT]に達すると、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、θ=22.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは大きく変化するため、|±B2[mT]|>|±B3[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B3[mT]を超えると、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第4の判定信号S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1〜S3は偽、判定信号S4は真となる。このため、±B3[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは真(例えば、Highレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図7を用いて、磁界方向の角度θが45度の場合(θ=45°)、すなわち、磁界方向が第3の方向D3の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1の方向D1および第2の方向D2の成分が一様に増加する。このため、第1のブリッジ回路5を構成する第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第1のブリッジ回路5の出力電圧Am,Apは殆ど変化しない。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第2のブリッジ回路6を構成する第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値が減少する。一方、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8には第4の方向D4の成分が印加されないので、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B4[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスし(Am=Bp)、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは大きく変化するため、|±B4[mT]|<|±B3[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B4[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)、出力電圧Apは出力電圧Bmよりも小さく(Ap<Bm)なり、第1および第4の判定信号S1,S4は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1およびS4は真、判定信号S2およびS3は偽となる。このため、±B4[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図8を用いて、磁界方向の角度θが45度から67.5度の場合(45°<θ<67.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、出力電圧Am,Apは同相で緩やかに増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=45°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B5[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)。なお、θ=45°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは穏やかに変化するため、|±B4[mT]|<|±B5[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B5[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B5[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図9を用いて、磁界方向の角度θが67.5度の場合(θ=67.5°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、出力電圧Am,Apは同相で穏やかに増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量よりも大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B6[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとクロスする(Am=Bp)。なお、45°<θ<67.5°の場合と比べて出力電圧Bm,Bpは穏やかに変化するため、|±B5[mT]|<|±B6[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B6[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B6[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図10を用いて、磁界方向の角度θが67.5度から90度までの場合(67.5°<θ<90°)について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、磁界強度の第1の方向D1および第2の方向D2の成分が増加する。しかしながら、第1の方向D1の成分は、第2の方向D2の成分よりも大きい。このため、第1のブリッジ回路5の第1ないし第4の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が減少するが、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値の変化量は、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値の変化量よりも大きい。これに伴い、θ=67.5°の場合と比べて、出力電圧Am,Apは同相で大きく増加する。
また、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が増加する。なお、第3の方向D3の成分は、第4の方向D4の成分よりも大きい。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値が減少するが、第5および第6の磁気抵抗素子R5,R6の抵抗値の変化量は、第7および第8の磁気抵抗素子R7,R8の抵抗値の変化量より大きい。この結果、出力電圧Bmは増加し、出力電圧Bpは減少する。なお、θ=67.5°の場合と比べて、出力電圧Bm,Bpは、緩やかに変化する。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも小大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なる。このため、判定信号S1〜S4は全て偽となり、OR回路25の検出信号Voutは偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B7[mT]に達すると、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)。なお、θ=67.5°の場合と比べて出力電圧Am,Apは大きく変化するため、|±B7[mT]|<|±B6[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B7[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bpよりも大きく(Am>Bp)なり、第1の判定信号S1は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1は真、判定信号S2〜S4は偽となる。このため、±B7[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えば、LowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
次に、図11を用いて、磁界方向の角度θが90度の場合(θ=90°)、すなわち、磁界方向が第1の方向D1の場合について説明する。磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第1および第2の磁気抵抗素子R1,R2の抵抗値は減少する。一方、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4には第2の方向D2の成分が印加されないので、第3および第4の磁気抵抗素子R3,R4の抵抗値は殆ど変化しない。このため、磁界強度が大きくなるにつれて、出力電圧Am,Apは同相で増加する。
一方、磁界強度を徐々に大きく可変して磁気センサ1に印加していくと、第3の方向D3および第4の方向D4の成分が一様に増加する。このため、第2のブリッジ回路6の第5ないし第8の磁気抵抗素子R5〜R8の抵抗値は、一様に減少する。この結果、第2のブリッジ回路6の出力電圧Bm,Bpは殆ど変化しない。
従って、磁界強度が0[mT]付近では、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも小さく(Am<Bm,Am<Bp)、また、出力電圧Apは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Ap>Bm,Ap>Bp)なるため、判定信号S1〜S4は全て偽となる。このため、OR回路25の検出信号Voutは、偽(例えば、Lowレベル)となる。
磁界強度が±B8[mT]に達すると、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpとクロスする(Am=Bm,Am=Bp)。
なお、67.5°<θ<90°の場合と比べて、出力電圧Am,Apの変化が大きいため、|±B8[mT]|<|±B7[mT]|となる。
さらに、磁界強度が±B8[mT]を超えると、出力電圧Amは出力電圧Bm,Bpよりも大きく(Am>Bm,Am>Bp)なり、第1および第2の判定信号S1,S2は偽から真に切り換わる。この結果、判定信号S1およびS2は真、判定信号S3およびS4は偽となる。このため、±B8[mT]を閾値としてOR回路25の検出信号Voutは偽から真(例えばLowレベルからHighレベル)に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
以下同様に、磁気センサ1は、磁界方向の角度θが90度を超える場合にも、磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが90度から135度までの場合(90°≦θ≦135°)には、出力電圧Amと出力電圧Bmとがクロスする(Am=Bm)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Amが出力電圧Bmよりも大きくなると(Am>Bm)、第2の判定信号S2が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが135度から180度までの場合(135°≦θ≦180°)には、出力電圧Apと出力電圧Bpとがクロスする(Ap=Bp)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Apが出力電圧Bpよりも小さくなると(Ap<Bp)、第3の判定信号S3が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
また、磁界方向の角度θが−45度から0度までの場合(−45°≦θ≦0°)には、出力電圧Apと出力電圧Bpとがクロスする(Ap=Bp)磁界強度の閾値を超えて、出力電圧Apが出力電圧Bpよりも小さくなると(Ap<Bp)、第3の判定信号S3が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−90度から−45度までの場合(−90°≦θ≦−45°)には、出力電圧Amと出力電圧Bmとがクロスする(Am=Bm)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Amが出力電圧Bmよりも大きくなると(Am>Bm)、第2の判定信号S2が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−135度から−90度までの場合(−135°≦θ≦−90°)には、出力電圧Amと出力電圧Bpとがクロスする(Am=Bp)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Amが出力電圧Bpよりも大きくなると(Am>Bp)、第1の判定信号S1が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
磁界方向の角度θが−180度から−135度までの場合(−180°≦θ≦−135°)には、出力電圧Apと出力電圧Bmとがクロスする(Ap=Bm)磁界強度の閾値を超え、出力電圧Apが出力電圧Bmよりも小さくなると(Bm>Ap)、第4の判定信号S4が偽から真に切り換わり、磁気センサ1は磁界強度を検出することができる。
上述した記載に基づく、磁界方向の角度θ(−90°≦θ≦90°)と、角度θにおいて磁気センサ1が磁界強度を検出する閾値との関係を、図12中に実線で示す。なお、比較例として、従来技術による磁気センサ31に係る角度θ(−90°≦θ≦90°)と、角度θにおいて磁気センサ31が磁界強度を検出する閾値との関係を破線で示す。磁気センサ31では、角度θの絶対値が0度から45度(|θ|≦45°)の範囲でしか磁界を検出できないのに比べ、磁気センサ1は、角度θの絶対値が0度から90度(|θ|≦90°)の範囲、すなわち、全ての磁気方向の磁界を検出することができる。
また、磁気センサ31では、角度θによって閾値の大きさが大きく異なるため、検出方向の異方性が大きい。しかしながら、磁気センサ1では、角度θが異なる場合でも、閾値の変化が小さいため、検出方向の異方性が小さくなる。
なお、演算回路部3は、第1の出力電圧Am>第4の出力電圧Bpあるいは、第1の出力電圧Am>第3の出力電圧Bmあるいは、第4の出力電圧Bp>第2の出力電圧Apあるいは、第3の出力電圧Bm>第2の出力電圧Apのいずれかであるかを判定する。このため、角度θに応じて、これら4つの条件のうち磁界強度が最も小さいときに成り立つ条件を適宜選択してもよい。この結果、磁気印加方向に対する磁気感度の低下を抑制することができる。
また、磁気センサ1では、第1ないし第8の磁気抵抗素子R1〜R8は近接して平行に形成された複数本の線状パターンを先端部で互い違いに接続する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば1本の線状パターンによって磁気抵抗素子R1〜R8を構成してもよい。
1 磁気センサ
3 演算回路部(電圧値比較手段)
5 第1のブリッジ回路
6 第2のブリッジ回路
7 第1の直列回路
8 第2の直列回路
13 第3の直列回路
14 第4の直列回路
21〜24 比較器
25 OR回路
R1〜R8 磁気抵抗素子(磁気検出素子)

Claims (6)

  1. 2軸平面上の第1の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1および第2の磁気検出素子と、
    前記第1の方向からθ1傾いた前記2軸平面上の第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第3および第4の磁気検出素子とを有し、
    前記第1および第3の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第1の直列回路と、前記第2および第4の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第2の直列回路とを並列接続してなり、前記第1および第2の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第1の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第1および第2の直列回路の接続端のそれぞれからは同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力する第1のブリッジ回路と、
    前記第1の方向から前記θ1とは異なるθ2傾いた前記2軸平面上の第3の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5および第6の磁気検出素子と、
    前記第1の方向から前記θ1および前記θ2とは異なるθ3傾いた前記2軸平面上の第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第7および第8の磁気検出素子とを有し、
    前記第5および第7の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第3の直列回路と、前記第6および第8の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第4の直列回路とを並列接続してなり、前記第3および第4の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第2の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第3および第4の直列回路の接続端のそれぞれからは反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する第2のブリッジ回路と、を備えた磁気センサであって、
    磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせるオフセット手段を前記第1のブリッジ回路に設けると共に、
    磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧の電圧値が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となるように設定し、
    磁界が印加された際に、
    前記第1ないし第4の出力電圧の電圧値が、
    前記第1の出力電圧>前記第4の出力電圧あるいは、
    前記第1の出力電圧>前記第3の出力電圧あるいは、
    前記第4の出力電圧>前記第2の出力電圧あるいは、
    前記第3の出力電圧>前記第2の出力電圧のいずれかであるかを判定する電圧値比較手段を設けたことを特徴とする磁気センサ。
  2. 磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1ないし第4の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の第1および第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、
    2つの出力端子が磁界強度に対して同相で変化する第1および第2の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせた第1のブリッジ回路と、
    磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5ないし第8の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の前記第1および第2の方向とは異なる第3および第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、
    2つの出力端子が磁界強度に対して反相で変化する第3および第4の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となる第2のブリッジ回路と、を備えた磁気センサであって、
    磁界が印加された際に、前記第1および第2の出力電圧のいずれかが、前記第3および第4の出力電圧のいずれかと一致する磁界強度が、検出される閾値磁界強度となることを特徴とする磁気センサ。
  3. 2軸平面上の第1の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1および第2の磁気検出素子と、
    前記第1の方向からθ1傾いた前記2軸平面上の第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第3および第4の磁気検出素子とを有し、
    前記第1および第3の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第1の直列回路と、前記第2および第4の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第2の直列回路とを並列接続してなり、前記第1および第2の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第1の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第1および第2の直列回路の接続端のそれぞれからは同相の第1の出力電圧と第2の出力電圧を出力する第1のブリッジ回路と、
    前記第1の方向から前記θ1とは異なるθ2傾いた前記2軸平面上の第3の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5および第6の磁気検出素子と、
    前記第1の方向から前記θ1および前記θ2とは異なるθ3傾いた前記2軸平面上の第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持つと共に磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第7および第8の磁気検出素子とを有し、
    前記第5および第7の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第3の直列回路と、前記第6および第8の磁気検出素子が接続端を介して直列接続された第4の直列回路とを並列接続してなり、前記第3および第4の直列回路の2つの共通接続端のうち一方が第2の電源電圧に接続されると共に他方が接地され、前記第3および第4の直列回路の接続端のそれぞれからは反相の第3の出力電圧と第4の出力電圧を出力する第2のブリッジ回路と、を備え、
    前記第1および第2の出力電圧のいずれかと、前記第3および第4の出力電圧のいずれかとを比較することによって、磁界を検出する磁気センサ。
  4. 磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第1ないし第4の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の第1および第2の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、
    2つの出力端子が磁界強度に対して同相で変化する第1および第2の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第1および第2の出力電圧を異ならせた第1のブリッジ回路と、
    磁界強度に対して偶関数特性の電圧を出力する第5ないし第8の磁気検出素子を用いてホイートストンブリッジを構成し、2軸平面上の前記第1および第2の方向とは異なる第3および第4の方向の印加磁界に対して最大感度を持ち、
    2つの出力端子が磁界強度に対して反相で変化する第3および第4の出力電圧を出力し、磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧が前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧との間の電圧値となる第2のブリッジ回路と、を備え、
    前記第1および第2の出力電圧のいずれかと、前記第3および第4の出力電圧のいずれかとを比較することによって、磁界を検出する磁気センサ。
  5. 磁界が印加されない場合に、前記第3および第4の出力電圧の電圧値が同じとなると共に、前記第3および第4の出力電圧と前記第1の出力電圧との間のオフセット電圧と、前記第3および第4の出力電圧と前記第2の出力電圧との間のオフセット電圧とが同じとなる請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気センサ。
  6. 前記第1および第2の方向は互いに直交すると共に、前記第3および第4の方向は互いに直交し、前記第1および第2の方向に対して45度の角度差をもって前記第3および第4の方向を配置してなる請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気センサ。
JP2012065340A 2012-03-22 2012-03-22 磁気センサ Active JP5938973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065340A JP5938973B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 磁気センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065340A JP5938973B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 磁気センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013195345A JP2013195345A (ja) 2013-09-30
JP5938973B2 true JP5938973B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=49394459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012065340A Active JP5938973B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 磁気センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5938973B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014222217A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 株式会社村田製作所 磁気抵抗ブリッジ回路、磁気センサ及び磁気検出方法
CN115267623B (zh) * 2022-09-23 2023-10-20 微传智能科技(常州)有限公司 一种磁阻磁开关传感器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4805784B2 (ja) * 2006-10-17 2011-11-02 大同特殊鋼株式会社 位置センサ
JP5353536B2 (ja) * 2009-07-31 2013-11-27 大同特殊鋼株式会社 磁気センサ信号処理プログラム及び磁気センサモジュール
JP5062453B2 (ja) * 2011-05-24 2012-10-31 Tdk株式会社 磁気センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013195345A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5752322B2 (ja) 磁気式位置検出装置
CN103376426B (zh) 磁场传感器
EP2284555B1 (en) Magnetic sensor including a bridge circuit
JP2011027683A (ja) 磁気センサ
JP6597370B2 (ja) 磁気センサ
JP6969142B2 (ja) 磁気センサ
JP4582298B2 (ja) 磁気式位置検出装置
US10401195B2 (en) Magnet and displacement detection unit
JP6503802B2 (ja) 磁気センサ
US20150309129A1 (en) Magnetic sensor and production method therefor
CN105675026A (zh) 在磁阻传感器中磁化的软切换
US20120306488A1 (en) Spin-valve magnetoresistance structure and spin-valve magnetoresistance sensor
JP4114677B2 (ja) 角度スイッチセンサ
US20090251830A1 (en) Magnetic detector
KR101825313B1 (ko) 자기 검출 장치
WO2017094828A1 (ja) 位置検出装置
JP5978686B2 (ja) 磁気センサ
JP5938973B2 (ja) 磁気センサ
CN109959883B (zh) 磁传感器
JP5497621B2 (ja) 回転角度検出装置
WO2017094827A1 (ja) 位置検出装置
TWI714107B (zh) 電流感測器
JP5928235B2 (ja) 回転磁界センサ
JP2005121411A (ja) 磁気抵抗素子駆動回路
JP2023083648A (ja) 磁気センサ、電気制御装置、補正方法及び磁気センサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150303

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5938973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150