JP2007225237A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気側ろう材面の耐食性と接合部の耐食性とを確保する。
【解決手段】ろう材10、20を両面にクラッドしたアルミニウムの板材から成形したプレート111、112で構成される熱交換器において、耐食性が要求される面には犠牲腐食作用を示すZnろう材10をクラッドし、他方の面にはアルミニウム合金の自然電位を貴とするCuを添加させたCuろう材20をクラッドし、ろう付時に接合部30でZnろう材10とCuろう材20とを混合させる。
これにより、耐食性が要求される面では犠牲腐食作用を示すZnろう材10によって耐食性が確保される。また、犠牲腐食作用を発揮するためZnを添加したZnろう材10は電位が卑となっている。このようなZnろう材10に、電位を貴とするCuを添加させたCuろう材20を混合させることで、接合部30では電位が貴となり、接合部30のろう材にも耐食性を確保することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム合金製の熱交換器およびその製造方法に関するものである。
従来、車両用空調装置などにはアルミニウム合金製の熱交換器が用いられており、いろいろな地域で使用されることより大気側(熱交換器外側)面の耐食性の確保が重要となる。一般に、大気側にろう材がクラッドされている板材を採用するアルミニウム合金製の熱交換器では、下記特許文献1にも記されているように、このろう材にZnを添加して犠牲腐食作用を用いるという耐食性の向上手段が知られている。
また、ろう付部の耐食性確保のために下記特許文献2では、材料としてろう材と犠牲腐食層とをクラッドした材料を用い、犠牲腐食層を大気側として構成し、タンク部にてU字形に折り曲げ、この部分でろう付を実施している。
特開平7−24593号公報 特開2000−205785号公報
しかしながら、上記従来のろう材にZnを添加する方法においては、接合部のろう材にZnが含まれることでその接合部に選択腐食が起こり易くなるため、Znの添加量を多くすることはできない。また、上記従来のろう材と犠牲腐食層とをクラッドした材料を用いる方法においては、タンク部のU字形加工は加工が容易ではなく、製造コストが高くなるという問題点がある。
すなわち、大気側にろう材をクラッドしたアルミニウムの板材から成形したプレートで構成した熱交換器では、ろう材クラッド面と接合部との耐食性の確保が容易ではなく、安価に両立する方法が望まれている。本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、大気側ろう材クラッド面の耐食性とその接合部との耐食性を確保することのできる熱交換器およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項6に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、耐食性が要求される一方の面に犠牲腐食作用を示す第1ろう材(10)を施し、他方の面にアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分を添加させた第2ろう材(20)を施したプレート(111、112)同士をろう付接合して形成し、ろう付接合による接合部(30)で第1ろう材(10)と第2ろう材(20)とが混合していることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、ろう材(10、20)を両面にクラッドしたアルミニウムの板材から成形したプレート(111、112)で構成される熱交換器において、耐食性が要求される面には犠牲腐食作用を示す第1ろう材(10)をクラッドし、他方の面にはアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分、例えばCuやSiを添加させた第2ろう材(20)をクラッドし、ろう付時に接合部(30)で第1ろう材(10)と第2ろう材(20)とを混合させるようにしたものである。
これにより、耐食性が要求される面では犠牲腐食作用を示す第1ろう材(10)によって耐食性が確保される。また図3は、各添加成分の添加量に対するアルミニウム合金の自然電位の変化を表すグラフである。このグラフから分かるように、犠牲腐食作用を発揮するため、例えばZnを添加した第1ろう材(10)は電位が卑となっている。このような第1ろう材(10)に、電位を貴とする成分、例えばCuやSiを添加させた第2ろう材(20)を混合させることで、接合部(30)では電位が貴となり、接合部(30)のろう材にも耐食性を確保することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の熱交換器において、第1ろう材(10)を施した面を熱交換器の外側面とし、第2ろう材(20)を施した面を熱交換器の内側面としたことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、耐食性が要求される熱交換器の外側面、および熱交換器の外側に露出する接合部(30)での耐食性を確保できることで、耐食性の高い熱交換器とすることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の熱交換器において、第1ろう材(10)としてZnろう材(10)、第2ろう材(20)としてCuろう材(20)とし、接合部(30)のろう材はZnとCuとが混合していることを特徴としている。これは、第1、第2ろう材(10、20)をより具体的にしたものである。この請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2の記載の発明による効果を、より確実なものとすることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の熱交換器において、Znろう材(10)としてAl−Si−Zn系ろう材(10)、Cuろう材(20)としてAl−Si−Cu系ろう材(20)としたことを特徴としている。これは、Znろう材(10)とCuろう材(20)とをより具体的にしたものである。この請求項4に記載の発明によれば、請求項1または請求項2の記載の発明による効果を、より確実なものとすることができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の熱交換器において、Al−Si−Zn系ろう材(10)は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1.5mass%以上6mass%以下のZnとを含むアルミニウム合金であり、Al−Si−Cu系ろう材(20)は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1mass%以上4mass%以下のCuとを含むアルミニウム合金であることを特徴としている。
これは、Al−Si−Zn系ろう材(10)とAl−Si−Cu系ろう材(20)とをより具体的にしたものである。この請求項5に記載の発明によれば、請求項1または請求項2の記載の発明による効果を、より確実なものとすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、アルミニウム合金製の熱交換器をろう付接合によって製造するうえでの製造方法であり、外側となる面にZnろう材(10)、内側となる面にCuろう材(20)を施したプレート(111、112)を用いてチューブ(110)を形成し、ろう付接合時に接合部(30)でZnろう材(10)とCuろう材(20)とを混合させることを特徴としている。
この請求項6に記載の発明によれば、外側となって耐食性が要求される面では犠牲腐食作用を示すZnろう材(10)によって耐食性が確保される。また図3は、各添加成分の添加量に対するアルミニウム合金の自然電位の変化を表すグラフである。このグラフから分かるように、犠牲腐食作用を発揮するためにZnを添加したZnろう材(10)は、電位が卑となっている。
このようなZnろう材(10)に、ろう付接合時に電位を貴とする成分であるCuを添加させたCuろう材(20)を混合させることで、接合部(30)では電位が貴となり、接合部(30)のろう材にも耐食性を確保することができる。このように、耐食性が要求される熱交換器の外側面、および熱交換器の外側に露出する接合部(30)での耐食性を確保できることで、耐食性の高い熱交換器とすることができる。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態について添付した図1〜図3を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における熱交換器100を示す平面図である。また図2は、図1中の接合部Sを部分拡大した断面模式図であり、(a)はろう付け接合前、(b)はろう付け接合後を示す。また図3は、各添加成分の添加量に対するアルミニウム合金の自然電位の変化を表すグラフである。
本発明の熱交換器は、車両用空調装置などに使用されて、扁平チューブ(本発明におけるチューブに対応)110内を流通する冷媒と、熱交換フィン(以下、フィン)120の領域を流通する空調用空気との間で熱交換を行う冷媒蒸発器100に適用したものである。この熱交換器100は、図1に示すように、複数のチューブ110をフィン120と共に積層して構成される、いわゆるドロンカップタイプと呼ばれる熱交換器である。
この熱交換器100を構成する各部材(以下で説明)は、全てアルミニウム合金の材料でできており、各部材が熱交換器100の形状に組み立てられた後、一体的にろう付け接合される。チューブ110は、図1に示すように、一対のチューブプレート(本発明におけるプレートに対応)111、112を互いに対向させて接合することで形成されている。
両チューブプレート111、112は、細長で略矩形状の外形を成し、絞り加工によって全体に浅い絞り部が形成されており、その外周部にはフランジ部111a、112aが設けられている。また、両チューブプレート111、112の長手方向の両端側には、両チューブプレート111、112の短辺に沿って外周形状が扁平状を成して、絞り部から更に絞られた(外方に膨出する)打出し部がそれぞれ設けられており、各打出し部の平坦部111b、112bには、これらの各打出し部の外周形状に沿うようにして、内周側に連通口111c、112cがそれぞれ設けられている(図2参照)。
そして、チューブプレート111側の開口部111cの全周上の一部には、チューブ110を積層した際に相手側となるチューブプレート112側の開口部112cに挿入される図示しないバーリング部が設けられている。上記両チューブプレート111、112から成るチューブ110においては、絞り部によって扁平状の流路と成る扁平管部110aが形成される。
また、扁平管部110aは、一端側の打出し部によって形成される第1タンク部110bの内部空間に連通しており、同様に、他端側の打出し部によって形成される第2タンク部110cの内部空間とも連通している。複数のチューブ110は、図1に示すように、互いの第1タンク部110b、第2タンク部110c同士が当接するように水平方向に積層され、図示しないバーリング部が連通口112cに挿入されて、各平坦部111b、112b同士が接合される。
これにより、第1タンク部110b同士が各連通口111c、112cによって互いに連通し、扁平筒状の入口タンク部101が形成され、同様に、第2タンク部110c同士が各連通口111c、112cによって互いに連通し、扁平筒状の出口タンク部102が形成される。そして、複数の扁平管部110a(チューブ110)は、入口タンク部101、出口タンク部102にそれぞれ連通することになる。
フィン120は、空調用空気の流通方向から見た形状が波形に形成されたコルゲートタイプのフィンであり、各チューブ110の扁平管部110a間に介在されている。扁平管部110aとフィン120とによって、コア部(熱交換部)100aが形成される。そして、チューブ積層方向の両側の端部となるチューブ(図1中の上下側のチューブ)110、120には、それぞれサイドプレート150が接合される。
そして、図1中の下側のサイドプレート150には、冷媒導入口130および冷媒導出口140が設けられており、冷媒導入口130は第1タンク部110b(入口タンク部101)の最下端側に連通するように接続され、冷媒導出口140は第2タンク部110c(出口タンク部102)の最下端側に連通するように接続されている。
次に、上記構成に基づく熱交換器100の作動について説明する。冷媒は、熱交換器100の冷媒導入口130から入口タンク部101内に流入し、各チューブ110の扁平管部110aを流れて、出口タンク部102から冷媒導出口140を通って流出する。一方、空調用空気は、熱交換器100の手前側から奥側へと向かって流れ、コア部100aを通過する際に冷媒との熱交換を行い、空調用空気を冷却する。そして、冷却された空調用空気は、車室内に設けられた吹出口から車室内へ吹き出される。
次に、本発明に係わる部分について説明する。各チューブ110は、図2(a)に示すように、ろう材10、20を両面にクラッドしたアルミニウムの板材から成形したチューブプレート111、112で構成している。そして、耐食性が要求される熱交換器外面の大気側面となる部分には、犠牲腐食作用を示す第1ろう材としてZnろう材、より具体的にはAl−Si−Zn系ろう材、更に具体的には、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1.5mass%以上6mass%以下のZnとを含むアルミニウム合金のろう材10をクラッドしている。
また、他方の熱交換器内面の冷媒側面となる部分にはアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分、例えばCuやSiを添加させた第2ろう材としてCuろう材、より具体的にはAl−Si−Cu系ろう材、更に具体的には、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1mass%以上4mass%以下のCuとを含むアルミニウム合金のろう材20をクラッドしている。なお、ろう材20のSiの量は、少なくとも7mass%以上13mass%以下とされても良い。
そして、ろう付時のフィレット部(接合部)30で第1ろう材10と第2ろう材20とが混ざり合い、フィレット部30のろう材で含有しているZnとCuとが混ざるようにしている。これにより、耐食性が要求される熱交換器外面の大気側面では犠牲腐食作用を示すZnろう材10によって耐食性が確保される。
また図3のグラフから分かるように、犠牲腐食作用を発揮するため、例えばZnを添加したZnろう材10は電位が卑となっている。このようなZnろう材10に、電位を貴とする成分としてCuを添加させたCuろう材20を混合させることで、フィレット部30では電位が貴となり、フィレット部30のろう材にも耐食性を確保することができる。
下記表1は、評価に用いた大気側、冷媒側それぞれのろう材材料と、ミストスプレーによる腐食試験結果を示すものである。なお、評価用プレートは板厚0.2mm、クラッド率10%のブレージングシートを用いてサイクル腐食試験を行い、腐食試験条件として、腐食液噴霧50℃2時間→湿潤50℃6時間→乾燥50℃4時間のサイクルを、1〜5サイクルはA液(Cl:6060ppm、SO42−:200ppm、Cu2+:10ppm)噴霧、6サイクル以降はB液(Cl:6060ppm、SO42−:200ppm)噴霧とした。
Figure 2007225237

上記腐食試験の結果、本発明の含有量範囲のクラッド材においては、一般板部およびろう付け部のいずれにおいても、ミストスプレー1500時間以上でも洩れば発生しないことが確認できた。これに対して、比較品の表上段の条件では、大気側ろう材の犠牲腐食作用を発揮するZnの量が少ないため、ミストスプレー1500時間未満で一般板部から洩れが発生した。また、比較品の表下段の条件では、ろう付け部で両側のろう材が混ざり合い、大気側のろう材に含まれるZnがろう付け部にも混ざり込んだため、ろう付け部で選択腐食が起こり、ミストスプレー1500時間未満でろう付け部から洩れが発生した。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。まず、耐食性が要求される一方の面に犠牲腐食作用を示す第1ろう材10を施し、他方の面にアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分を添加させた第2ろう材20を施したプレート111、112同士をろう付接合して形成し、ろう付接合による接合部30で第1ろう材10と第2ろう材20とが混合している。
これによれば、ろう材10、20を両面にクラッドしたアルミニウムの板材から成形したプレート111、112で構成される熱交換器において、耐食性が要求される面には犠牲腐食作用を示す第1ろう材10をクラッドし、他方の面にはアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分、例えばCuやSiを添加させた第2ろう材20をクラッドし、ろう付時に接合部30で第1ろう材10と第2ろう材20とを混合させるようにしたものである。
これにより、耐食性が要求される面では犠牲腐食作用を示す第1ろう材10によって耐食性が確保される。また図3のグラフから分かるように、犠牲腐食作用を発揮するため、例えばZnを添加した第1ろう材10は電位が卑となっている。このような第1ろう材10に、電位を貴とする成分、例えばCuやSiを添加させた第2ろう材20を混合させることで、接合部30では電位が貴となり、接合部30のろう材にも耐食性を確保することができる。
また、第1ろう材10を施した面を熱交換器の外側面とし、第2ろう材20を施した面を熱交換器の内側面としている。これによれば、耐食性が要求される熱交換器の外側面、および熱交換器の外側に露出する接合部30での耐食性を確保できることで、耐食性の高い熱交換器とすることができる。
また、第1ろう材10としてZnろう材10、第2ろう材20としてCuろう材20とし、接合部30のろう材はZnとCuとが混合している。これは、第1、第2ろう材10、20をより具体的にしたものである。これによれば、上述した効果をより確実なものとすることができる。
また、Znろう材10としてAl−Si−Zn系ろう材10、Cuろう材20としてAl−Si−Cu系ろう材20としている。これは、Znろう材10とCuろう材20とをより具体的にしたものである。これによれば、上述した効果をより確実なものとすることができる。
また、Al−Si−Zn系ろう材10は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1.5mass%以上6mass%以下のZnとを含むアルミニウム合金であり、Al−Si−Cu系ろう材20は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1mass%以上4mass%以下のCuとを含むアルミニウム合金である。これは、Al−Si−Zn系ろう材10とAl−Si−Cu系ろう材20とをより具体的にしたものである。これによれば、上述した効果をより確実なものとすることができる。
また、アルミニウム合金製の熱交換器をろう付接合によって製造するうえでの製造方法として、外側となる面にZnろう材10、内側となる面にCuろう材20を施したプレート111、112を用いてチューブ110を形成し、ろう付接合時に接合部30でZnろう材10とCuろう材20とを混合させるようにしている。
これによれば、外側となって耐食性が要求される面では犠牲腐食作用を示すZnろう材10によって耐食性が確保される。また図3のグラフから分かるように、犠牲腐食作用を発揮するためにZnを添加したZnろう材10は、電位が卑となっている。このようなZnろう材10に、ろう付接合時に電位を貴とする成分であるCuを添加させたCuろう材20を混合させることで、接合部30では電位が貴となり、接合部30のろう材にも耐食性を確保することができる。このように、耐食性が要求される熱交換器の外側面、および熱交換器の外側に露出する接合部30での耐食性を確保できることで、耐食性の高い熱交換器とすることができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の熱交換器100を冷媒蒸発器に適用した例で説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、冷媒の熱を放熱させる冷媒放熱器に適用しても良いし、冷媒の他に水やブライン(熱交換媒体)など、流体の熱交換に用いられる熱交換器に広く適用することができる。
本発明の一実施形態における熱交換器100を示す平面図である。 図1中の接合部Sを部分拡大した断面模式図であり、(a)はろう付け接合前、(b)はろう付け接合後を示す。 各添加成分の添加量に対するアルミニウム合金の自然電位の変化を表すグラフである。
符号の説明
10…第1ろう材、Znろう材、Al−Si−Zn系ろう材
20…第2ろう材、Cuろう材、Al−Si−Cu系ろう材
30…フィレット部(接合部)
110…扁平チューブ(チューブ)
111…チューブプレート(プレート)
112…チューブプレート(プレート)

Claims (6)

  1. 耐食性が要求される一方の面に犠牲腐食作用を示す第1ろう材(10)を施し、他方の面にアルミニウム合金の自然電位を貴とする成分を添加させた第2ろう材(20)を施したプレート(111、112)同士をろう付接合して形成し、前記ろう付接合による接合部(30)で前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)とが混合していることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記第1ろう材(10)を施した面を熱交換器の外側面とし、前記第2ろう材(20)を施した面を熱交換器の内側面としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第1ろう材(10)としてZnろう材(10)、前記第2ろう材(20)としてCuろう材(20)とし、前記接合部(30)のろう材はZnとCuとが混合していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記Znろう材(10)としてAl−Si−Zn系ろう材(10)、前記Cuろう材(20)としてAl−Si−Cu系ろう材(20)としたことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記Al−Si−Zn系ろう材(10)は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1.5mass%以上6mass%以下のZnとを含むアルミニウム合金であり、前記Al−Si−Cu系ろう材(20)は、少なくとも5mass%以上13mass%以下のSiと、1mass%以上4mass%以下のCuとを含むアルミニウム合金であることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. アルミニウム合金製の熱交換器をろう付接合によって製造するうえでの製造方法であり、外側となる面にZnろう材(10)、内側となる面にCuろう材(20)を施したプレート(111、112)を用いてチューブ(110)を形成し、前記ろう付接合時に接合部(30)で前記Znろう材(10)と前記Cuろう材(20)とを混合させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
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