JP2007224424A - 真空熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空熱処理装置において、複数の処理セルの中の1つの処理セルから他の処理セルまで短時間で移動させ、また、設置場所を増加させずに処理セルを増設できるようにする。
【解決手段】真空熱処理装置は、気密チャンバーの外周に配設された複数の処理セルの1つの下に気密油焼入セルが、処理物を処理セルから気密油焼入セルに投入可能に配置されるとともに、処理セルと気密油焼入セルの上部とが連結されており、気密チャンバーおよび複数の処理セルの少なくとも一方が上下方向に2段以上に亘って配設され、搬送機構が、処理物を搭載する収容函を有するとともに、収容函の水平方向の向きを変える回転機構部と、収容函を上下に移動させる昇降機構部とを有し、上段の処理セルと下段の処理セルが、気密チャンバーの外周に沿って、互いに半ピッチだけ円周方向に角度をずらせて配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属製の処理物を加熱して真空熱処理を行なう真空熱処理装置に関し、特に、処理物を複数の処理セルのうちの1つから他の処理セルに搬送装置により搬送する機構を有する真空熱処理装置に関するものである。
真空熱処理装置として、特許文献1に開示されたモジュール式真空熱処理装置が知られている。この真空熱処理装置は、水平軸を有する共通気密チャンバーに対して、水平に連結された、いくつかの処理セルを有している。この共通気密チャンバーの一端に、他の処理セルを有するシリンダ状の伸張部の形状のモジュールが、追加して接続されるようになっている。これにより、必要に応じて処理セルを水平方向に延長して増設できるように構成されている。
また、他の従来技術として、特許文献2に記載された真空熱処理装置がある。この真空熱処理装置においては、ドーナツ形の気密チャンバーの上部に複数の加熱室(処理セル)が星形状に配列され、これらの処理セル間に処理物を搬送するためにドーナツ形気密チャンバーの内筒に設置されるガイドレールに沿って走行する搬送車が配置されている。この搬送装置は、各処理セルの下部を通過するように回動して、特定の処理セルに処理物を移送するようになっている。
特開平11−237185号公報 日本国特許第3092136号
前者の従来技術では、処理セルの数が増加するほど共通チャンバーが平面上で長くなり、処理セルから処理セルへ処理物を移動させるのに時間がかかるようになる。処理の内容によっては、短時間で移動させる必要が生じる場合がある。特に真空熱処理装置では、油焼入工程あるいはガス冷却工程において、高温に加熱した金属加工部品即ち処理物を素早く焼入油槽、或いはガス冷セルへ投入して焼き入れする必要がある。この際、加熱を行なう処理セルから焼き入れを行なう処理セルまでの搬送時間が長いと、油槽またはガス冷却セルに投入する前に処理物の温度が下がってしまい、十分な焼き入れが行われず、所望の品質の製品が得られないという虞がある。さらに、処理セルは水平方向に延長拡大されるため、増設する処理セルの数に比例して、設置スペースが増大するという問題がある。
後者の従来技術にあっては、取り付けられる処理セルの数が気密チャンバーの大きさによって制約を受けるので、処理量を増加するのに限界があり、生産量の増大に対応することが困難である。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、処理物を複数の処理セルの中の1つの処理セルから他の処理セルまで短時間で移動させることができる真空熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、生産量に応じて処理セルを、設置場所を増加させずに増設することが可能な真空熱処理装置を提供することにある。
本発明の真空熱処理装置は、装置中央に配置された気密チャンバーと、該気密チャンバーの外周に配設された複数の処理セルとを備え、前記気密チャンバー内に、前記複数の処理セルとの間で処理物を移動させる搬送機構が設けられた、前記処理物を処理セル内で熱処理する真空熱処理装置において、
前記複数の処理セルの1つの下に気密油焼入セルが、前記処理物を前記処理セルから前記気密油焼入セルに投入可能に配置されるとともに、前記処理セルと前記気密油焼入セルの上部とが連結されており、
前記気密チャンバーおよび前記複数の処理セルの少なくとも一方が上下方向に2段以上に亘って配設され、
前記搬送機構が、前記処理物を搭載する収容函を有するとともに、該収容函の水平方向の向きを変える回転機構部と、前記収容函を上下に移動させる昇降機構部とを有し、
上段の前記処理セルと下段の前記処理セルが、前記気密チャンバーの外周に沿って、互いに半ピッチだけ円周方向に角度をずらせて配置されていることを特徴とする。
また、前記収容函は、前記処理物を収容するバスケットを載置することができるテレスコープ式横移動機構部を有してもよい。
また、前記搬送機構は、前記気密チャンバーの内筒に沿ったリングにガイドされ、チャンバーの中心を軸にして回転可能な枠状のレール部材を有し、前記収容函が前記レール部材に沿って昇降可能に前記昇降機構部により保持されていてもよい。
本発明の真空熱処理装置は、上段の前記処理セルと下段の前記処理セルが、前記気密チャンバーの外周に沿って、互いに半ピッチだけ円周方向に角度をずらせて配置されているので、下段の処理セルの天井に突出した冷却ファンなどのモータがあっても気密チャンバーの外周に沿って周方向に、或いは気密チャンバーの上下方向に処理セルを増設することができる。
収容函が、処理物を収容するバスケットを載置することができるテレスコープ式横移動機構部を有している場合は、気密チャンバーから各処理セルに容易に処理物を搬送できる。
また、搬送機構が、気密チャンバーの内筒に沿ったリングにガイドされ、チャンバーの中心を軸にして回転可能な枠状のレール部材を有し、収容函がレール部材に沿って昇降可能に昇降機構部により保持されている場合は、気密チャンバーの上下方向に処理セルを増設することができる、即ち立体的に増設することができるので、限られた接地スペースの中で生産量の増大に対応することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す真空熱処理装置を側面からみた概略断面図である。図2は、図1の真空熱処理装置の一部を省略して示す概略平面図である。なお、図4、図6に示す真空熱処理装置の構成は、請求項1の構成に対応していない。
図1および図2に示すように、真空熱処理装置1は、円筒形の気密チャンバー2と、この気密チャンバー2の外周に沿って2段に配設された処理セル4、6、8、10、・・・を有する。なお上段の処理セル4、8と下段の処理セル6、10は、図1では、便宜上、上下に整列させて示しているが、実際は、図2に示すように半ピッチだけ位置ずれさせている。ここでいう1ピッチとは、処理セルとこの処理セルに円周方向に隣接する同じ段の処理セルとのなす角度をいう。即ち、処理セル4、8を含む上段の処理セル(以下、処理セルAという)は、気密チャンバー2の周りに十字形となるように配置され、処理セル6、10を含む下段の処理セル(以下、処理セルBという)は、上段の処理セルAと45°位置ずれさせて同様に十字形に配列されている。また、処理セル10の下部には処理セル12が連結されている。
気密チャンバー2の外周の上部には、4カ所の矩形の開口20(図1)が形成され、この開口20に上段の処理セルAが図示しないボルト等により取付けられている。また、上段の開口20と45°だけ、気密チャンバー2の円周方向にずれて形成された下段の開口20にも処理セルBが同様に取付けられている。これらの開口20のあるものは、通常は盲蓋にしておき、必要が生じたときに処理セルを増設してもよい。処理セルは、気密チャンバー2に着脱可能であってもよいし、着脱不能に固定してもよい。図1および図2に示された処理セルの内、処理セル4、6は、気密加熱室であり、処理セル8はガス冷却室である。
次に、気密加熱室4、6について説明する。気密加熱室4、6は、断熱壁22により内部が囲まれており、ヒーター24により内部が高温に熱せられ、図示しない処理物を加熱するように構成されている。これらの断熱壁22は、例えばセラミックやグラファイトなどの耐熱材料、断熱材料からなることが好ましい。なお、図示はしていないが、各気密加熱室4、6にはそれぞれ、温度制御手段が設けられている。加熱される前の前記処理物は、例えば、歯車、シャフトの如き金属加工部品であって、表面硬化処理を必要とする未処理品である。処理物は、断熱壁を兼ねた扉26を開放して気密加熱室4、6内の台28上に載置され、扉26が閉鎖された後、所定の温度、例えば約1000°Cまで加熱される。なお図中30で示すのは、処理物を搭載した金属製のバスケットである。また、気密加熱室4、6では加熱の際、気密チャンバー2とともに真空引きされる。
また、ガス冷却室8には、チェーン駆動のコンベア32が配置され、この上に前述の気密加熱室4、6で加熱された処理物が載置されて、ガス冷却により焼き入れされる。ガス冷却室8と、気密チャンバー2とは扉(シールドア)36の開閉により、加熱された処理物が搬入される。前述の扉26、36は、それが開いたときに、各処理セルの該扉26、36近傍の側方に配置されたドアポケット44(図2)に収納されるようになっている。また、外側の扉38は、外部から搬送された、これから熱処理を行おうとする処理物を収容するためのもので、前述のコンベア32は、このとき外部から処理物をガス冷却室8に収容するときに使用される。また、熱処理/焼き入れが完了した処理物をこのガス冷却室8から外部に搬出することもできる。この場合は、ガス冷却室8が処理物の搬入および搬出セルと兼用になる。
次に、処理セル10、12について説明する。これらの処理セル10、12は、上下に重なっており、上側に位置するのは、両側に気密の扉36、38を有する準備室として使用される処理セルであり、その下側に位置するのは、油槽即ち気密油焼入室(以下、油焼入セルという)12である。準備室として使用される処理セル10は、外部から処理物を扉38を開放して収容する。この処理セル10に処理物を収容した後、空気を排除して真空にする。そして次に、不活性ガス、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が気密チャンバー2と同じ気圧になるまで充填される。なお、気密チャンバー2は、通常、大気圧より低い気圧に保たれている。同じ気圧にされた後、扉36が開放されて、後述する搬送機構51により他の処理セルに移送される。また、気密チャンバー2は、前述の如く、気密加熱室4、6で加熱が行われるときは、真空状態となる。
処理セル10の下部に連結された油焼入セル12には、焼き入れ用の油40が満たされており、この油40に前述の加熱された処理物を投入して焼き入れを行うようになっている。具体的には、処理セル10の扉36を開いて、処理セル10に処理物が一旦搬入され、図示しない吊り下げ手段により吊り下げられる。そしてこの吊り下げ手段が降下して油焼入セル12に投入される。この油焼入セル12は、図2に示すように処理セル10の両側に張り出すサイズの寸法を有し、両側に取付けられた下向きの攪拌用のモータ42により油40を攪拌してムラなく処理物を冷却するようになっている。
なお、各処理セルには、真空引きするための図示しない真空弁が設けられ、各加熱室には各加熱室内に必要に応じて不活性ガスあるいは浸炭ガスを導入するガス導入弁(図示せず)および圧力を調整するためのバイパス弁(図示せず)がそれぞれ設けられている。これについては、後述する他の実施形態についても同様である。
次に気密チャンバー2について説明する。気密チャンバー2は、前述の如く円筒形であり、内部に枠状のレール部材52を有する搬送機構51が配置されている。このレール部材52は、上下の両端中央に、気密チャンバー2の中央に支持された垂直軸50を有し、この垂直軸50を中心に気密チャンバー2内で、図示しない回転機構部により回転可能に配置されている。図1ではレール部材52は、紙面と垂直方向に位置しているので、レール部材52の片側のみ示されている。
このレール部材52は、レール部材52により上下方向に案内されるゴンドラ即ち収容函54を有する。収容函54は、レール部材52に保持されたカム従動子56によりレール部材52に沿って、図示しない昇降機構部により昇降可能に保持されるようになっている。また、レール部材52が回転機構部により回動すると、それにともなって収容函54も回動するようになっている。収容函54はレール部材52内に位置した状態で回動されるので、回動させるためのモーメントが小さくて済み、重量の大きい処理物でも素早く回動させることができる。また、それに要する駆動力も小さくて済む。
この収容函54には、テレスコープタイプの横移動機構部58が取付けられている。この横移動機構部58は、通常は収容函54に取付けられて、気密チャンバー2内を収容函54とともに回動するが、2段或いは3段になった伸縮可能なフォーク状部材58aが横方向に延出可能になっている。この横移動機構部58のフォーク状部材58aに、レー60が載置されており、このトレー60にバスケット30が取付けられている。そして、横移動機構部58が横方向に延びると、それに載置されたバスケット30が横方向に移動するようになっている。前述の回転機構部、昇降機構部、横移動機構部58は図示しない駆動源、例えば電気モータ、油圧シリンダ等により駆動される。以上の構成により搬送機構51が構成されている。
次に真空熱処理について説明する。処理物は一旦、外部から、例えば処理セル10に搬入された後、処理物の酸化を防止するため酸素を含む空気が排出されて、処理セル10内が真空とされ、所謂真空パージがなされる。その後搬送機構51により、予め真空状態にされている気密チャンバー2を経て、例えば、同様に真空状態の気密加熱室4に搬送される。この後加熱が開始される。加熱時間は、処理物のサイズ、材質および量によって変わるが、約2時間以上、場合によっては十数時間加熱処理される。
加熱を開始後、徐々に温度が上昇し、ある時間経過して所定の温度に達したときに、浸炭ガス、例えば、アセチレンガス等の炭素含有ガス(浸炭ガス)が気密加熱室4に導入される。そして、さらに所定時間、加熱を継続してガス中の炭素成分が処理物の組織表面に進入し、金属表面がセメンタイトの組織となる。この真空浸炭の時間が長ければ長いほど、炭素成分は処理物の表面から内部に浸透するが、必要とされる深さまで浸炭できる時間が経過すると加熱処理が完了する。次に不活性ガスが供給されて拡散と称される処理工程に移行し、組織中の炭素が拡散して表面組織の炭素濃度が低下し、所定の値、例えば0.8%になると真空浸炭処理(真空熱処理)工程が終了する。
加熱処理工程、即ち真空浸炭処理が完了すると、扉26が開放され、搬送機構51の前述の横移動機構部58のフォーク状部材58aが気密加熱室4に進入して、処理物を搭載したバスケット30を載置し、気密加熱室4から気密チャンバー2内に引き戻し、次にガス冷却室8或いは、気密油焼入室12で焼き入れを行なう。ガス冷却室8で焼入を行うときは、扉36を開放して、横移動機構部58により処理物がガス冷却室8に搬入される。次に、扉36が閉じられてガス冷却室8が気密状態とされる。そして、窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガスが充填されて、モータ35に連結されたファン34により内部のガスが攪拌されて冷却される。これにより、処理物の焼き入れ即ち表面硬化処理が行われる、ガスを使用したこの種の焼入は、内部のガスの比熱が小さいため比較的ゆっくりと焼き入れが行われる。急激に冷却して焼入を行うと、処理物に、割れや変形が生じる場合にこの方法が採用される。
気密油焼入室12で焼き入れを行なう場合は、一旦、収容函54は、図1に示す下段まで降下され、次に収容函54内に収容されているバスケット30をフォーク状の横移動機構部58で準備室となる処理セル10に移送される。そして、前述の如く気密油焼入室12内の油40に落とし込むように投入されて急激に冷却されて、金属表面の組織がオーステナイト域からマルテンサイトになるように焼き入れがなされる。このときの油40の温度は約60°から200°C、好ましくは150°Cであり、油40の沸騰を防ぐために気密油焼入室12内の気圧は高くされている。
焼き入れに要する時間は、通常、15分から20分程度であるのに対して、真空浸炭に要する時間は、前述の如く2時間以上要するのが普通である。このため、真空熱処理装置1には、気密加熱室を多く配置し、焼き入れのためのガス冷却室8および気密油焼入室12を少なく配置することによって、ガス冷却室8および気密油焼入室12を遊ばせることなく、効率よく処理セルを使用することができるようになっている。真空熱処理装置1には、ガス冷却室8と気密油焼入室12とを共に設置してもよいし、用途に応じていずれか一方を設置してもよい。2種類の焼き入れ室を設けた場合には、処理物の材質に応じて、例えばSKD等の場合はガス冷却室8を使用する等、適切な方を選択すればよい。これは、後述の他の実施形態の場合についても同様なことがいえる。
次に、図3を参照して、本発明の真空熱処理装置の第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態の真空熱処理装置100の、図1と同様な側面からみた概略断面図である。なお説明にあたり、図1と同じ部品については、同じ参照番号を使用して説明する。第1の実施形態と異なるのは、気密油焼入室112が気密チャンバー102の下に配置されている点である。これによって、第2の実施形態では、気密チャンバー102は3段になっている。また、気密油焼き入れ室112を使用するときは、加圧状態で行われ、同時に処理セル(気密加熱室)4,6が使用される時は真空状態で熱処理が行われるので、気密チャンバー102と処理セル4、6との間には、互いに気密状態にして分離するための扉137が設けられている。他の処理セル4、6、8、10の種類および配置は、第1の実施形態の真空熱処理装置1と同じである。
本実施形態では、気密油焼入室112を気密チャンバー2の下部に配置したことによって、油焼入処理が同じ段のどの処理セルからも、略同じ距離になり、短時間で焼き入れ処理が可能になる点が最大の特徴である。具体的には、各処理セル(気密加熱室)4、6で、例えば、真空浸炭等の処理が完了した処理物を、気密チャンバー2内の搬送機構151によって気密チャンバー102内に引き戻した後、処理物を搭載した収容函54を降下させ、或いは落下させて直ちに気密油焼入室112に投入することができる。従って、収容函54を他の段で一旦停止させて、横移動機構部58により他の処理セルに移動させる必要がないので、極めて短時間で油焼き入れを行うことができる。この第2の実施形態においては、搬送機構151は第1の実施形態の搬送機構51よりも1段分長くされ、3段の気密チャンバー102に対応して3段に位置決め可能となっている。
次に、本発明の第3の実施形態の真空熱処理装置200について、図4および図5を参照して説明する。図4は、第3の実施形態の、図1と同様な側面からみた概略断面図、図5は図4の真空熱処理装置200の平面図である。この第3の実施形態の特徴は、処理セル(気密加熱室)204、処理セル(ガス冷却室)208が気密チャンバー202に、図5に示すように1段で放射状即ち星形に配設され、他の処理セル即ち油焼入セル212が気密チャンバー202の下部に位置して、気密チャンバー202が全体として2段になっている点である。なお、この第3の実施形態においては、ドアポケット244は各処理セル204、208の上方に突設されている。また、気密チャンバー202には、各処理セルとの間を気密状態にする真空シール扉261が開閉可能に設けられている。この真空シール扉261は、気密チャンバー202との気圧差を確保するためのものである。この実施形態では、気密チャンバー202の上部は、モータ263および冷却ファン265を有するガス冷却室としても使用できるよう構成されているので、必要に応じて気密チャンバー202の上部でガス冷却を行ってもよい。
この第3の実施形態では、2段の気密チャンバー202の下部が気密油焼入セル212なので、第2の実施形態と同様に、加熱された処理物を短時間で油焼入することができる。なお、図5において266で示すのは、処理物が移送される搬送路である。
次に、第4の実施形態について図6を参照して説明する。図6は第4の実施形態の真空熱処理装置300を示す図1と同様な断面図である。この真空熱処理装置300は、気密チャンバー302が1段であり、この気密チャンバー302の周りに気密加熱室306と、ガス冷却室308が配置されている。そして、ガス冷却室308の下に気密油焼入セル312が、配置されている。この真空熱処理装置300の真空熱処理および油焼入処理の方法は、図1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
また、第5の実施形態として、図には示さないが、1つの気密チャンバーの外周に処理セルを平面的、即ち1段に配置した構成とすることもできる。この場合も、他の実施形態と同様に気密チャンバー内に搬送機構を有する。この搬送機構も、処理セル内に、或いは処理セルから取り出すときに収容函を上下させる昇降機構部および回転機構部を有する。
以上のように、本発明の真空熱処理装置1、100、200および300は、夫々、気密チャンバー2、102、202、302の外周に複数の処理セルを配置した構成であるので、追加の処理セルを、外周方向に、或いは上下方向に増設することが可能となり、設置スペースを増大させずに生産量を増加させることができる。また、加熱処理後の処理物も加熱温度を維持したまま、約1分以内に油焼入セルに投入することが可能となる。特に油焼入セルが気密チャンバーの下部に位置する場合は、処理物を落下させることにより、一層早く投入することができるので、温度低下が急激な小物の処理物の場合でも、必要な時間内に焼入処理を行うことができるので、所望の高品質の製品を得ることができる。
また、気密チャンバー2、102、202、302は上記実施形態では円筒形として示されているが、円筒形に限定されるものではなく、正方形、正多角形等、種々の形状が考えられる。
本発明の真空熱処理装置は、金属製の処理物の連続的な加熱処理を狭い敷地において適用することができる。
本発明の第1の実施の形態を示す真空熱処理装置を側面からみた概略断面図 図1の真空熱処理装置の一部を省略して示す概略平面図 本発明の第2の実施形態の真空熱処理装置の、図1と同様な側面からみた概略断面図 本発明の第3の実施形態の真空熱処理装置の、図1と同様な側面からみた概略断面図 図4の真空熱処理装置の平面図 本発明の第4の実施形態の真空熱処理装置を示す図1と同様な断面図
符号の説明
1、100、200、300 真空熱処理装置
2、102、202、302 気密チャンバー
4、6、204、304 気密加熱室(処理セル)
8、208、308 ガス冷却室(処理セル)
10 準備室(処理セル)
12、112、212、312 気密油焼入室(油焼入セル)
51、151 搬送機構
54 収容函

Claims (3)

  1. 装置中央に配置された気密チャンバーと、該気密チャンバーの外周に配設された複数の処理セルとを備え、前記気密チャンバー内に、前記複数の処理セルとの間で処理物を移動させる搬送機構が設けられた、前記処理物を処理セル内で熱処理する真空熱処理装置において、
    前記複数の処理セルの1つの下に気密油焼入セルが、前記処理物を前記処理セルから前記気密油焼入セルに投入可能に配置されるとともに、前記処理セルと前記気密油焼入セルの上部とが連結されており、
    前記気密チャンバーおよび前記複数の処理セルの少なくとも一方が上下方向に2段以上に亘って配設され、
    前記搬送機構が、前記処理物を搭載する収容函を有するとともに、該収容函の水平方向の向きを変える回転機構部と、前記収容函を上下に移動させる昇降機構部とを有し、
    上段の前記処理セルと下段の前記処理セルが、前記気密チャンバーの外周に沿って、互いに半ピッチだけ円周方向に角度をずらせて配置されていることを特徴とする真空熱処理装置。
  2. 前記収容函が、前記処理物を収容するバスケットを載置することができるテレスコープ式横移動機構部を有することを特徴とする請求項1記載の真空熱処理装置。
  3. 前記搬送機構が、前記気密チャンバーの内筒に沿ったリングにガイドされ、チャンバーの中心を軸にして回転可能な枠状のレール部材を有し、前記収容函が前記レール部材に沿って昇降可能に前記昇降機構部により保持されていることを特徴とする請求項2記載の真空熱処理装置。
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