JPH0741848A - 熱処理炉装置 - Google Patents

熱処理炉装置

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Publication number
JPH0741848A
JPH0741848A JP20369693A JP20369693A JPH0741848A JP H0741848 A JPH0741848 A JP H0741848A JP 20369693 A JP20369693 A JP 20369693A JP 20369693 A JP20369693 A JP 20369693A JP H0741848 A JPH0741848 A JP H0741848A
Authority
JP
Japan
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furnace
furnaces
temperature
gas
pressure
Prior art date
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Pending
Application number
JP20369693A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaneaki Kida
兼昭 紀田
Munehiro Hashimoto
宗弘 橋本
Tsutomu Kobayashi
力 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DEMU TEC KK
Original Assignee
DEMU TEC KK
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Publication date
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Publication of JPH0741848A publication Critical patent/JPH0741848A/ja
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種熱処理及び表面改質炉の兼用性及び併用
性を高め、処理内容に応じて、最小の炉数とし、各炉の
組合わせ配置を最良ならしめ、処理材の移動を最小に
し、炉の開閉回数を低減すると共に、各炉の雰囲気を最
良に保持して高品質の処理品を得ると共に、高効率で自
在性があり、省力・省エネの熱処理・表面改質処理を可
能とする。 【構成】 金属の焼き入れ、焼戻し、焼きなまし、焼き
ならし、溶体化、マルクエンチ・マルテンパ・オーステ
ンパ・サブゼロの各熱処理及び窒化・CVD・PVDの
各表面改質処理のうちの少なくとも2つ以上の処理を実
施する複数の兼用炉KA,UD,SQ,SD,AD,K
Uを直列または円周上に配置すると共に、加工金属材料
が搬入搬出される第1の経路25a,25bを各炉間を
連絡する第2の経路26を介して各炉に連絡し、第2の
経路26を介して第1の経路25a,25bから各炉へ
の加工金属材料の搬入出を行う自動搬入出機27を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の各種熱処理・表
面改質清浄を行うための熱処理炉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械部品、工具、治具、金型等の
熱処理及び表面改質処理は、単室または複数室炉を単独
で使用する方法、焼き入れや焼戻しや表面改質等の専用
炉を複数直列に設置し、扉を手動または自動により開閉
し、ローダで挿入送出する方法をとっている。
【0003】例えば、図17に示すように、焼入専用炉
をQ1,Q2の2基、焼戻し専用炉をT1〜T6の6
基、表面改質炉をD1,D2の2基が順に直列に配置さ
れ、各炉における金属加工部品を搬入・搬出するために
開閉されるドア側に、各炉に沿ってレール26が敷設さ
れ、該レール26上を往復移動し、各炉間の金属加工部
品を搬入・搬出する自動搬入出機27が設けられてい
た。
【0004】そのため、焼入れ,焼戻し、焼きなまし,
表面処理等の組合わせで形成される熱処理において、次
の欠点を有する。
【0005】熱処理のための雰囲気は、真空、大気、ガ
ス、加圧ガス等多岐にわたるため、それぞれの専用炉を
構成するために炉数を多数を要し、設置場所や各炉間の
移送を考慮しなければならず、時間、品質、配材等に余
分な要素を必要とする。
【0006】また、焼入れ,焼戻し、表面改質は、それ
ぞれ前後処理に深く関連し、独立して行われず、例え
ば、焼入れと焼戻し、一部では表面改質との連続処理を
要する。専用炉では、全サイクルを完了するためには、
各炉ごとに扉開閉、被処理材の搬出入を要するので、処
理品の移動を伴い、この移動による処理品倒れ、接触、
焼付等のトラブルを起こし、不良品を生む原因となって
いる。
【0007】これを防ぐため、専用治具や締め付け具、
これらの設置空間や余分の手間、人数が必要となり、移
動のための時間、エネルギーを要する。
【0008】さらに、炉外に処理品を排出するため、処
理品の表面酸化、吸湿を起し、炉内の開閉を頻繁に行う
ために炉内に大気、酸化、吸湿、汚染を惹き起す等の課
題をかかえている。
【0009】さらにまた、熱処理は、各種の組合せ処理
が多く、焼入れを施したものは、必ず焼戻しをする必要
があるが、焼入れ後の焼戻しは材料特性により、焼戻し
が1回のもの、2回のもの、さらに3,4,5回以上を
要するもの等の組合せが多岐にわたる。このため焼入れ
炉と焼戻し炉の需給能力とのバランスは極めてアンバラ
ンスとなり、通常、焼戻し炉が不足することとなる。焼
入れ炉か焼戻し炉かが遊休状態を起し高価な設備の稼働
率を大きく下げてしまう。
【0010】それを補うために、焼戻し回数を減らそう
として、材質差、形状差、寸法差等を無視して統合させ
て平均的パターンを選択して、不本意な混載を施し、即
ち、近似材質を集め、複雑、単純形状、形状の大きい物
等を同じロフトにしてワークを統合し、的確さを欠く熱
処理を施し、必要所用時間を無理やり短縮させて稼働率
をあげようとするため、不良品を生む原因となってい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
熱処理及び表面改質炉の兼用性及び併用性を高め、処理
内容に応じて、最小の炉数とし、各炉の組合わせ配置を
最良ならしめ、処理材の移動を最小にし、炉の開閉回数
を低減すると共に、各炉の雰囲気を最良に保持して高品
質の処理品を得ると共に、高効率で自在性があり、省力
・省エネの熱処理・表面改質処理が可能となる熱処理炉
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の熱処理炉装置
は、上記課題を解決するために、金属の焼き入れ、焼戻
し、焼きなまし、焼きならし、溶体化、マルクエンチ・
マルテンパ・オーステンパ・サブゼロの各熱処理及び窒
化・CVD・PVDの各表面改質処理のうちの少なくと
も2つ以上の処理を実施する複数の兼用炉を直列または
円周上に配置すると共に、加工金属材料が搬入搬出され
る第1の経路を前記各炉間を連絡する第2の経路を介し
て前記各炉に連絡し、前記第2の経路を介して前記第1
の経路から前記各炉への前記加工金属材料の搬入出を行
う自動搬入出機を設けたことを特徴とする。
【0013】また、前記各炉のうち、少なくとも1つが
真空と常圧または真空と高圧雰囲気を兼用可能な真空式
炉とする。
【0014】
【作用】熱処理される加工金属材料は、第1の経路によ
り移送されて、金属の焼き入れ、焼戻し、焼きなまし、
焼きならし、溶体化、マルクエンチ・マルテンパ・オー
ステンパ・サブゼロの各熱処理及び窒化・CVD・PV
Dの各表面改質処理のうちの少なくとも2つ以上の処理
を実施する直列または円周上に配置された複数の兼用炉
間を連絡する第2の経路上を移動する自動搬入出機によ
り、第2の経路を介して第1の経路から目的処理される
各炉のいずれかに搬入される。
【0015】順次第1の経路により移送されてくる各加
工金属材料に対する各熱処理のうち、最も多く処理しな
ければならない処理を複数の兼用炉に行わせ、各兼用炉
の遊休状態を解消する。
【0016】所定の処理された加工金属材料は、再び自
動搬入出機によって取り出された後、第2の経路を介し
て第1の経路の搬出側に載置されて次工程にむけて移送
される。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の実施例に使用する対流型真
空高圧炉である。
【0018】炉は、円筒状の耐圧ケーシング1を備え、
その下端側が脚19,19により支持されて水平方向に
配置される。耐圧ケーシング1は、その一端面が炉に金
属加工部品を供給及び排出することのできるドア2とし
て構成されている。
【0019】耐圧ケーシング1内には円筒形の断熱層4
が配備され、該断熱層4の内側には装入物室3が配設さ
れており、装入物室3は外方へは円筒形の断熱層4によ
り仕切られている。
【0020】断熱層4のドア2側の端面には、壁5が断
熱層4に対して開閉可動自在に設けられ、断熱層4の壁
5に相対する端面には、壁8が設けられている。断熱層
4は、装入物室3中の外方への輻射を遮蔽するので、僅
かなエネルギー損失が生じるにすぎない。なお、壁5
は、ドア2の外側より貫通されたシリンダロッド20に
固定されており、油圧により開閉可動される。
【0021】断熱層4の内側の装入物室3中には、装入
物室3に向かって穿孔7を備えた電気ヒータよりなる加
熱管6が配置されている。加熱管6は、その一端寄りを
壁8の外側より壁8と一体に延出された支持部18内に
挿嵌されると共に、冷却または加熱ガスを分配するガス
分配装置9の壁15に固定され、加熱管6の一端がガス
分配装置9内の室16に導入されている。
【0022】ガス分配装置9は、その内部の室16に駆
動モータ等により駆動される通風機10を有すると共に
耐圧ケーシング1内でドア2に相対する側に収納されて
いる。
【0023】断熱層4の壁8には、同軸の2つのシリン
ダが設けられている。外側シリンダ11は、装入物室3
の壁8のガス分配装置9側に堅固に固定されており、外
側シリンダ11の内側に僅かな隙間を以て内側シリンダ
12が配設されている。内側シリンダ12は、植込ボル
ト13によって装入物室3の壁8の内側に固定された衝
突プレート14と、ガス分配装置9を取囲む壁15との
間を、図3に示されるようなリンク機構によって移動さ
れる。耐圧ケーシング1と断熱層4との間の室17に
は、水冷式の熱交換器管14が収納されている。
【0024】図3において、シリンダ11,12の軸線
に対して横方向の軸21が耐圧ケーシング1内に案内さ
れ、軸21には切替えフォーク22の一端側が固定され
ている。内側シリンダ12には、ロッド23が該シリン
ダ12の径方向に貫通されると共に、その一端は、該シ
リンダ12の内周面に固定され、その他端は、該シリン
ダ12の外周面に突出して固定されている。また、外側
シリンダ11の外周には、軸方向にスリット24が設け
られ、スリット24内にロッド23の他端が案内され、
切替えフォーク22の他端側に係合されている。
【0025】軸21が、僅かな角度で回転すると、切替
えフォーク22が回転し、切替えフォーク22の他端側
に係合するロッド23がスリット24に沿って移動し、
内側シリンダ12は外側シリンダ11に対して、衝突プ
レート14とガス分配装置9を取囲む壁15との間で移
動する。
【0026】図1においては、内側シリンダ12の一端
面がガス分配装置9の壁15に当接しており、それによ
って、断熱層4よりも外側の室17がガス分配装置9内
の室16に対して遮断されると共に、衝突プレート14
と装入物室3の壁8との間のガス供給横断面が開放さ
れ、装入物室3は、内側シリンダ12内を介してガス分
配装置9内の室16と連通されている。
【0027】金属加工部品を装入物室3に装入した後、
装入物室3に不活性ガスを流して加熱する。不活性ガス
は通風機10によって加熱管6中へ圧送され、加熱管6
全長にわたって均等に分配された穿孔7より装入物室3
中に入り、内側シリンダ12内を通って再び通風機10
へ還流される。不活性ガスは、加熱管6を通って供給さ
れるので、熱輻射範囲内での熱ガスによる装入物の迅速
かつ均一な加熱が保証される。装入物は内部でも均一に
加熱される。保護ガス下のこの加熱工程は、約850℃
まで利用される。
【0028】金属加工部品を急冷する場合には、図2に
示すように内側シリンダ12を移動して、内側シリンダ
12の他端面を衝突プレート14に当接させる。このこ
とにより、断熱層4よりも外側の室17がガス分配装置
9内の室16に対して連通されると共に、装入物室3と
内側シリンダ12内を介するガス分配装置9内の室16
とのガスの流路は遮断される。またこれに伴い、壁5を
可動して開放する。このことにより、装入物室3が断熱
層4よりも外側の室17と連通する。
【0029】高圧で炉に冷たい不活性ガスを圧送する
と、冷却ガスは通風機10により、冷却された加熱管6
を経て高速で装入物室3中へ圧送され、ここから冷却ガ
スは断熱層4と壁5との間を通って断熱層4よりも外側
の室17から再びガス分配装置9中に流入し、循環され
る。
【0030】図4は、本発明の熱処理炉装置の一実施例
を示しており、図1に示される対流型真空高圧炉に表1
に示されるような各熱処理機能を兼用させた各兼用炉K
A,UD,SQ,SD,AD,KUが順に直列に配置さ
れると共に、兼用炉SQと兼用炉SDとの間に、加工金
属材料が搬入搬出されるコンベア25a,25bよりな
る第1の経路が設けられ、各兼用炉KA,UD,SQ,
SD,AD,KUにおける金属加工部品を搬入・搬出す
るために開閉されるドア側に、各兼用炉KA乃至KUに
沿ってレール26よりなる第2の経路が敷設され、該レ
ール26上を往復移動し、コンベア25を各兼用炉KA
乃至KU間を連絡するレール26を介して各兼用炉KA
乃至KUに連絡し、各兼用炉KA乃至KU間及び各兼用
炉KA乃至KUとコンベア25間の金属加工部品を搬入
・搬出する自動搬入出機27が設けられている。
【0031】
【表1】 なお、表1において、恒温処理は、マルクエンチ、マル
テンパ、オーステンパ、サブゼロの各処理よりなる。表
面硬化処理は、窒化処理及びプラズマ浸炭よりなるCV
D・PVD処理である。
【0032】ここで、マルクエンチは、オーステナイト
化された鋼を、マルテンサイト発生開始温度MS 点直上
の熱浴に焼入れして、材料の中心部分と外表温度が同一
温度になるまで恒温保持し、この状態では、オーステナ
イトは変態を開始せず、この後、空冷によりオーステナ
イトを変態させる処理である。
【0033】マルテンパは、オーステナイト化された鋼
を、マルテンサイト発生開始温度MS 点とマルテンサイ
ト終結温度Mf との間の熱浴に焼入れして、材料の中心
部分と外表温度が同一温度になるまで恒温保持し、この
状態で、オーステナイトを残留させ、この後、空冷によ
りオーステナイトを変態させる処理である。
【0034】オーステンパは、オーステナイトの状態に
加熱した鋼をオーステナイトが安定である温度区間以下
の任意の一定温度に保たれた熱浴に急に浸すことによ
り、いったんその浴温の過冷オーステナイトとなし、し
かる後この温度で恒温的に変態させる処理である。
【0035】図6は、恒温処理を実施する温度制御部の
概略を示す要部ブロック図であり、処理物の表面温度を
検出する熱電対Bと処理物の内部温度を検出する熱電対
Cとを装入物室3に設けておき、これらの熱電対B,C
による温度検出信号を入力して比較するコントローラ3
6を設け、該コントローラ36には、加熱ガス供給シス
テム37、冷却ガス供給システム38及びガス分配装置
9の通風機10が連絡されている。また、該コントロー
ラ36には、マルテンサイト発生開始温度MS点の温
度、通風機10の運転切替温度t1,t2,t3が予め
設定記憶されている。
【0036】図7に示すように、焼入保持時間完了とな
ると、コントローラ36は、加熱を停止し、冷却ガスを
圧送すると共に通風機10を作動し、炉内を冷却する。
処理物の表面温度を検出する熱電対Bよりの温度検出信
号及び処理物の内部温度を検出する熱電対Cよりの温度
検出信号がコントローラ36に入力され、コントローラ
36は、これらの温度検出信号と通風機10の運転切替
温度t1,t2,t3とを比較判定する。
【0037】コントローラ36は、処理品の表面温度を
測定する熱電対Bよりの温度検出信号が通風機10の運
転切替温度t1に達すると、冷却ガス圧を約1bに減少
し、通風機10の送風を弱に切替える。この後、コント
ローラ36は、熱電対Bよりの温度検出信号がマルテン
サイト発生開始温度MS 点の温度よりもやや高いところ
の温度通風機10の運転切替温度t2に達すると、通風
機10を作動し、再び炉内を冷却する。
【0038】処理品の表面温度がマルテンサイト発生開
始温度MS 点の温度よりもやや低い温度t3に達する
と、コントローラ36は、通風機10の作動を停止す
る。この時点では、処理品の内部温度は、処理品の外部
温度よりも高いため、熱電対Bによって測定される処理
品の表面温度は、上昇し始め、再び通風機10の運転切
替温度t2に達する。この時、コントローラ36は、通
風機10を作動し、再び炉内を冷却する。
【0039】この冷却工程は、熱電対Cよりの温度検出
信号により測定される処理品の内部温度が、熱電対Bよ
りの温度検出信号により測定される処理品の表面温度と
等しくなるまで繰り返される。
【0040】コントローラ36は、処理品の内部温度が
処理品の表面温度と等しくなり、MS 点の温度より下が
ると、急冷を再び開始する。
【0041】表1において、サブゼロは、0℃より下の
温度で、焼入れした鋼に5〜20%残存する残留オース
テナイトをマルテンサイトに変化させる処理であり、実
施例においては、焼入れ直後、ただちに−80℃程度ま
で冷却する処理とする。
【0042】CVDは、即ち、化学的蒸着法であり、T
iC,CrC等の炭化物、TiN等の窒化物、TiCN
等の炭窒化物及びセラミックス(Al2 3 )などの単
層あるいは複層多重のコーティングをする操作であっ
て、処理温度900〜1050℃で加熱密閉したレトル
ト内に処理品をセットし、TiCl4 ,H2 ,CH4
よびN2 などの高純度ガスを供給して母材表面に約10
μmの超硬質化合物を化学的に被服させる処理である。
【0043】PVDは、即ち、物理的蒸着法であり、真
空容器中で処理品を200〜485℃に加熱し、高圧電
弧によって陰極からTiイオンを蒸発させる処理であ
る。Tiイオンは窒素ガスと結合し、高エネルギーのプ
ラズマを作って処理品の表面に突進し、TiNやTiC
の層厚2〜4μmの硬いコーティングを作る。
【0044】本実施例では、CVD処理とPVD処理と
を兼ねる処理として、プラズマ浸炭を行う。プラズマ浸
炭は、プロパン,メタンまたはLNG等の浸炭ガスを1
33.3〜1333Paの圧力に保ち、陰極である処理
品と陽極である電極との間に直流電圧を印加した時に生
ずる異常グロー放電によって、浸炭ガスを分解解離し、
発生した炭素イオンを電位差により処理品に打ち込んで
浸炭を行う処理である。
【0045】図8は、プラズマ浸炭を行うSD炉の概略
を示しており、SD炉は、図1に示される対流型真空高
圧炉の耐圧ケーシング1に対して耐圧ケーシング1内の
残留ガスを回収する真空システム31が接続されると共
に、加熱管6にN2 ,C3 6 ,Ar,H2 ,Heの各
ガスが加熱管6に個別にまたは同時にこれら各ガスを供
給するガス供給システム32により接続され、装入物室
3内には陰極33が設けられると共に、該陰極33に対
設して陽極34が設けられ、該陽極34には直流電源3
5が接続されている。装入物室3内に金属加工部品を搬
入した後、プラズマ浸炭を行う場合には、耐圧ケーシン
グ1内を真空システム31により真空後、陽極34と陰
極33との間に直流電圧を印加し、発生した異常グロー
放電によって金属加工部品はプラズマの中で浸炭され
る。
【0046】図4において、熱処理される金属加工部品
はカゴ28b内に搬入され、各カゴが搬入側のコンベア
上に載置されて順次移送され、コンベア25aの末端に
て自動搬入出機27によって目的処理される各兼用炉K
A乃至KUのいずれか熱処理室に搬入される。また、所
定の処理された金属加工部品のカゴ28bは、再び自動
搬入出機27によって取り出された後、搬出側のコンベ
ア25bに載置されて次工程にむけて移送される。
【0047】図5は、本発明の熱処理炉装置の他の実施
例を示しており、径方向にレールが敷設されたターンテ
ーブル29には、レール上に自動搬入出機27が往復移
動自在に設けられており、かつ該自動搬入出装置は、図
示されていないレール26上の脚部に対して一側に掴持
アーム30を備えた胴部が回動自在に連結されている。
【0048】また、ターンテーブル29の周方向に沿っ
て、加工金属材料が搬入搬出されるコンベア25a,2
5bが設けられ、コンベア25a,25bの左側より右
側までに時計回りに各兼用炉がUD1,KA,UD2,
SQ,SD,AD,KUの順にターンテーブルを中心と
する同一円周上に略等間隔で配設されると共に、各兼用
炉UD乃至KUは、その金属加工部品を搬入・搬出する
ために開閉されるドア側がターンテーブル29に向けら
れている。
【0049】次に、本発明の熱処理炉装置による各処理
について説明する。対流加熱及び冷却に用いる加熱ガス
及び冷却ガスは、窒素ガスを用いるが、He,H2 ,N
2 ,Ar等の不活性ガス単体またはこれらのうちより選
ばれた混合ガスを用いてもよい。
【0050】図9は、高速度工具鋼(SKD61)にお
ける焼き入れ焼戻し処理の工程を示す図である。
【0051】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で550℃まで加熱する。
【0052】(2) 550℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0053】(3) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
圧力700KPa,昇温速度20/分で800℃まで加
熱する。
【0054】(4) 800℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0055】(5) その後、70Paで真空パージを行
い、熱輻射により昇温速度20/分で1020℃まで真
空加熱する。
【0056】(6) 1020℃,圧力70Paで0.5
時間保持する。
【0057】(7) 加圧冷却ガスを還流させて9.5b
で急冷する。
【0058】(8) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で560℃〜60
0℃まで加熱する。
【0059】(9) 圧力1〜7bの範囲内で、温度56
0℃〜600℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0060】(10) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0061】(11) その後、加熱ガスを炉内に供給
し、1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で560℃〜
600℃まで加熱する。
【0062】(12) 圧力1〜7bの範囲内で、温度5
60℃〜600℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0063】(13) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0064】(14) その後、加熱ガスを炉内に供給
し、1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で560℃〜
600℃まで加熱する。
【0065】(15) 圧力1〜7bの範囲内で、温度5
60℃〜600℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0066】(16) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0067】図10は、高速度工具鋼(SKD61)に
おけるマルテンパ処理の工程を示す図である。
【0068】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で550℃まで加熱する。
【0069】(2) 550℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0070】(3) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
圧力700KPa,昇温速度20/分で800℃まで加
熱する。
【0071】(4) 800℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0072】(5) その後、70Paで真空パージを行
い、熱輻射により昇温速度20/分で1020℃まで真
空加熱する。
【0073】(6) 1020℃,圧力70Paで0.5
時間保持する。
【0074】(7) 9.5bで加圧冷却ガスを還流させ
て製品の表面温度が500℃となるまで冷却した後、1
bで冷却ガスを還流させてと製品の表面温度と中心温度
とが500℃となるまで冷却する。
【0075】(8) その後、9.5bで加圧冷却ガスを
還流させて急冷する。
【0076】(9) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で560℃〜60
0℃まで加熱する。
【0077】(10) 圧力1〜7bの範囲内で、温度5
60℃〜600℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0078】(11) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0079】(12) その後、加熱ガスを炉内に供給
し、1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で560℃〜
600℃まで加熱する。
【0080】(13) 圧力1〜7bの範囲内で、温度5
60℃〜600℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0081】(14) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0082】図11は、高速度工具鋼(SKD61)に
おける焼入、焼戻し、窒化処理の工程を示す図である。
【0083】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で550℃まで加熱する。
【0084】(2) 550℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0085】(3) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
圧力700KPa,昇温速度20/分で800℃まで加
熱する。
【0086】(4) 800℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0087】(5) その後、70Paで真空パージを行
い、熱輻射により昇温速度20/分で1020℃まで真
空加熱する。
【0088】(6) 1020℃,圧力70Paで0.5
時間保持する。
【0089】(7) 加圧冷却ガスを還流させて9.5b
で急冷する。
【0090】(8) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で600℃まで加
熱する。
【0091】(9) 圧力1〜7bの範囲内で、温度60
0℃で6時間保持し、焼き戻す。
【0092】(10) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0093】(11) その後、NH3 ,N2 ,CO2
2 の混合ガスをを炉内に供給し、1〜7bの範囲内で
昇温速度20/分で570℃まで加熱する。
【0094】(12) NH3 ,N2 ,CO2 ,O2 の混
合ガス中で、温度570℃で3時間保持し、窒化する。
【0095】(13) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0096】図12は、高速度工具鋼(SKD61)に
おけるプラズマ浸炭、焼戻し処理の工程を示す図であ
る。
【0097】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で800℃まで加熱する。この工程において、
電圧を印加して、プラズマを発生させる。
【0098】(2) プラズマ発生下、温度800℃,圧
力700KPaで0.5時間保持する。
【0099】(3) その後、プラズマ発生下、70Pa
で真空パージを行い、熱輻射により昇温速度20/分で
1000℃まで真空加熱する。
【0100】(4) プラズマ発生下、1000℃,圧力
700Paで15時間保持する。
【0101】(5) 圧力20bで加圧冷却ガスを還流さ
せて急冷する。
【0102】(6) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で600℃まで加
熱する。
【0103】(7) 圧力1〜7bの範囲内で、温度60
0℃で3時間保持し、焼き戻す。
【0104】(8) 圧力10bで加圧冷却ガスを還流さ
せて冷却する。
【0105】図13は、高速度工具鋼(SKD61)に
おける焼きなまし、焼入、焼戻し処理の工程を示す図で
ある。
【0106】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で850℃まで加熱する。
【0107】(2) 850℃,圧力700KPaで2時
間保持する。
【0108】(3) その後、炉冷し、焼きなます。
【0109】(4) その後、図9に示す焼入、焼戻し処
理を続けて行う。
【0110】図14は、炭素鋼(S40C)における窒
化、焼入、焼戻し処理の工程を示す図である。
【0111】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
NH3 ,N2 ,CO2 ,O2 の混合ガスをを炉内に供給
し、1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で850℃ま
で加熱する。
【0112】(2) NH3 ,N2 ,CO2 ,O2 の混合
ガス中で、温度850℃で2時間保持し、窒化する。
【0113】(3) その後、圧力6bで加圧冷却ガスを
還流させて冷却する。
【0114】(4) その後、図9に示す焼入、焼戻し処
理を続けて行う。
【0115】図15は、18%Niマルエージング鋼
(YAG300)における溶体化処理、析出硬化処理の
工程を示す図である。
【0116】(1) 10-3Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で800℃まで加熱する。
【0117】(2) 800℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0118】(3) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
圧力700KPa,昇温速度20/分で850℃まで加
熱する。
【0119】(4) 850℃,圧力700Paで0.5
時間保持する。
【0120】(8) その後、20bで加圧冷却ガスを還
流させて急冷する。
【0121】(9) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
1〜7bの範囲内で昇温速度20/分で500℃まで加
熱する。
【0122】(10) 圧力1〜7bの範囲内で、温度5
00℃で3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0123】(11) 圧力6bで加圧冷却ガスを還流さ
せて冷却する。
【0124】図16は、鋼(SKD11)における焼
入、サブゼロ、焼戻し処理の工程を示す図である。
【0125】(1) 10-2Pで真空パージを行った後、
加熱ガスを炉内に供給し、圧力700KPa,昇温速度
20/分で550℃まで加熱する。
【0126】(2) 550℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0127】(3) その後、加熱ガスを炉内に供給し、
圧力700KPa,昇温速度20/分で800℃まで加
熱する。
【0128】(4) 800℃,圧力700KPaで0.
5時間保持する。
【0129】(5) その後、70Paで真空パージを行
い、熱輻射により昇温速度20/分で1020℃まで真
空加熱する。
【0130】(6) 1020℃,圧力70Paで0.5
時間保持する。
【0131】(7) 6.0bで加圧冷却ガスを還流させ
て30℃となるまで冷却する。
【0132】(8) 圧力6.0bで加熱ガスを炉内に供
給し、100℃まで加熱する。
【0133】(9) 100℃,圧力6.0bで0.3時
間保持する。
【0134】(10) その後、6.0bで加圧冷却ガス
を還流させて20℃まで冷却する。 (11) 20℃,圧力6.0bで0.2時間保持する。
【0135】(12) その後、1.0bで液体窒素ガス
を還流させ、−70℃まで冷却する。
【0136】(13) −70℃、1.0bで2時間持す
る。
【0137】(14) その後、加熱ガスを炉内に供給
し、1bで昇温速度10/分で20℃まで加熱する。
【0138】(15) 20℃,圧力1.0bで0.2時
間保持する。
【0139】(16) その後、加熱ガスを炉内に供給
し、圧力1.0b,昇温速度10/分で200℃まで加
熱する。
【0140】(17) 圧力1.0bで、温度200℃で
3〜6時間保持し、焼き戻す。
【0141】(18) 加圧冷却ガスを還流させて冷却す
る。
【0142】図9乃至図16に示された各熱処理及び各
表面改質処理は、各工程の最初の段階では焼入処理をま
た各工程の最終段階においては焼戻し処理を必要とする
ものであり、図17に示した従来の直列式の専用炉で
は、全サイクルを完了するためには、各炉ごとに扉開
閉、被処理材の搬出入を要するので、処理品の移動を伴
い、この移動による処理品倒れ、接触、焼付等のトラブ
ルを起こし、さらに、炉外に処理品を排出するため、処
理品の表面酸化、吸湿を起し、炉内の開閉を頻繁に行う
ために炉内に大気、酸化、吸湿、汚染を惹き起す等の課
題をかかえて、不良品を生む原因となっていた。
【0143】さらにまた、熱処理は、各種の組合せ処理
が多く、焼入れを施したものは、必ず焼戻しをする必要
があるが、焼入れ後の焼戻しは材料特性により、図9乃
至図16に示すように、焼戻しが1回のもの、2回のも
の、さらに3,4,5回以上を要するもの等の組合せが
多岐にわたり、焼入れ炉と焼戻し炉の需給能力とのバラ
ンスは極めてアンバランスとなり、通常、焼戻し炉が不
足することとなり、設備の稼働率を大きく下げてしまっ
ていた。
【0144】本発明の熱処理炉装置は、例えば、焼入処
理がピークであれば、図4におけるSQ炉及びSD炉を
焼入処理専用炉として使用する。また、焼戻し処理がピ
ークとなる時には、KA炉、UD炉、SQ炉、SD炉、
AD炉及びKU炉の全炉に焼戻し処理を行わせる。さら
に、表面改質処理がピークとなる時には、KA炉、UD
炉、SD炉及びAD炉に表面改質処理を行わせる。
【0145】このように、本発明の熱処理炉装置は、表
1に示すように、各炉において実行可能な処理の兼用性
を高め、図4または図5に示すように、これら各兼用炉
を直列または円周上に配置して併用性を高めたことによ
り、例えば、コンベア25aより移送されてきた処理品
が、マルテンパ処理を行うものであれば、該処理品をS
Q炉に搬入し、次に移送されてきた処理品がプラズマ浸
炭を行うものであれば、SD炉に搬入する。
【0146】SQ炉においては、図10に示されるサイ
クルの熱処理が連続して行われ、またSD炉において
は、図12に示されるサイクルの表面改質処理を含む熱
処理が連続して行われるため、各炉ごとに扉開閉、被処
理品の搬出入を要することなく、処理品の移動を行わな
いので、移動による処理品倒れ、接触、焼付等のトラブ
ルが解消され、さらに、炉外に処理品を排出することに
よる、処理品の表面酸化、吸湿がなく、炉内に大気、酸
化、吸湿、汚染を惹き起すことがない。
【0147】また、焼戻し処理を行う処理品が連続して
移送されてくる場合であっても、順次KA炉、UD炉、
AD炉、KU炉へと搬入し、KA炉、UD炉、AD炉、
KU炉において焼戻し処理を行わせることにより、設備
の稼働率を下げることはない。
【0148】次に、実施例における効果を述べると、従
来炉では、焼入れ炉2基、焼戻し炉6基、表面硬化炉2
基計10台を設置し、70t/月の処理能力であったの
に対し、本発明の熱処理炉装置では、この6基で100
t/月の処理が可能となった。
【0149】従来炉では、高速度工具鋼の焼入れ、焼戻
し3回で計33時間を要していたが、兼用炉の組合せに
よって17時間に短縮できた。この場合、焼入れのみの
時間で対比すれば10時間が5時間に短縮された。
【0150】また、高速度工具鋼熱処理の場合、従来3
00kgが700kgへチャージ量が大巾に増加でき
た。
【0151】配置される炉数が10基から6基に削減さ
れたため、66%の設置面積で稼働が可能となり故障頻
度も半減した。
【0152】従来炉に対し73%の消費量で十分であ
り、エネルギー・電気消費量の節減された。
【0153】従来炉では、昼夜連続操業であったが、本
発明の熱処理炉装置では夜勤を廃止できた。また、所要
人員も7名を4名で処理でき大巾な省人と時間外労働時
間を30時間/人カットすることができた。
【0154】従来炉では、焼入れ、焼戻し3回、表面硬
化の計5回の別炉で、その都度入れ替え、大気接触の必
要があったが、本発明の熱処理炉装置では、必要製品に
よって一炉連続操業のまま全処理が達成された。特に、
小物、細物等の移動に伴う製品の倒れ、接触の虞れがあ
るものについては、それらを絶無とすることができた。
【0155】兼用炉の増加により、移動距離、扉開閉が
少なくなった。これにより時間短縮、省エネまた、移動
に伴うトラブルの減少があった。
【0156】また、扉開閉の半減により大気吸湿量が半
減したため、炉内機器、内壁等への温度、熱密度が向上
し、真空制御の時間が半減し、汚染度の真空ポンプ等の
機器の保全等が改善された。
【0157】
【発明の効果】本発明の熱処理炉装置は、金属の焼き入
れ、焼戻し、焼きなまし、焼きならし、溶体化、マルク
エンチ・マルテンパ・オーステンパ・サブゼロの各熱処
理及び窒化・CVD・PVDの各表面改質処理のうちの
少なくとも2つ以上の処理を実施する複数の兼用炉を直
列または円周上に配置すると共に、加工金属材料が搬入
搬出される第1の経路を各炉間を連絡する第2の経路を
介して各炉に連絡し、第2の経路を介して第1の経路か
ら各炉への加工金属材料の搬入出を行う自動搬入出機を
設けたことにより、第1の経路により移送される加工金
属材料を直列または円周上に配置された複数の兼用炉間
を連絡する第2の経路上を移動する自動搬入出機によ
り、第2の経路を介して第1の経路から目的処理される
各炉のいずれかに搬入して、各加工金属材料に対する各
熱処理のうち、最も多く処理しなければならない処理を
複数の兼用炉に行わせるので、加工金属材料の移動を最
小とし、炉の開閉回数を低減することができると共に、
各炉の雰囲気を最良に保持して高品質の処理品を得るこ
とができ、目標処理量に対する必要な熱処理、表面改質
炉の台数が減少でき、初度整備量やランニングコストが
節減でき、装置設置面積が縮小され、炉の稼働率が大き
く向上し、処理サイクルが短縮でき、納期短縮に寄与す
ると共に、ランニングコストの低減を計ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における対流型真空高圧炉の対流加熱作
業時の断面図
【図2】図1の対流型真空高圧炉の冷却作業時の断面図
【図3】図1の一部拡大図
【図4】本発明の実施例に係る熱処理炉装置の平面図
【図5】本発明の別の実施例に係る熱処理炉装置の平面
【図6】恒温処理を実施する温度制御部の概略を示す要
部ブロック図
【図7】温度制御部によるマルテンパ処理の処理工程を
示す図
【図8】実施例におけるSD炉を概略で示す図
【図9】本発明の実施例における高速度工具鋼(SKD
61)における焼き入れ焼戻し処理の工程を示す図
【図10】本発明の実施例における高速度工具鋼(SK
D61)におけるマルテンパ処理の工程を示す図
【図11】本発明の実施例における高速度工具鋼(SK
D61)における焼入、焼戻し、窒化処理の工程を示す
【図12】本発明の実施例における高速度工具鋼(SK
D61)におけるプラズマ浸炭、焼戻し処理の工程を示
す図
【図13】本発明の実施例における高速度工具鋼(SK
D61)における焼きなまし、焼入、焼戻し処理の工程
を示す図
【図14】本発明の実施例における炭素鋼(S40C)
における窒化、焼入、焼戻し処理の工程を示す図
【図15】本発明の実施例における18%Niマルエー
ジング鋼(YAG300)における溶体化処理、析出硬
化処理の工程を示す図
【図16】本発明の実施例における鋼(SKD11)に
おける焼入、サブゼロ、焼戻し処理の工程を示す図
【図17】従来の熱処理炉装置の平面図
【符号の説明】
1 耐圧ケーシング 2 ドア 3 装入物室 4 断熱層 5 壁 6 加熱管 7 穿孔 8 壁 9 ガス分配装置 10 通風機 11 外側シリンダ 12 内側シリンダ 13 植込ボルト 14 衝突プレート 15 壁 16 室 17 室 18 支持部 19 脚 20 シリンダロッド 21 軸 22 切替えフォーク 23 ロッド 24 スリット 25 コンベア(第1の経路) 26 レール(第2の経路) 27 自動搬入出装置 28 カゴ 29 ターンテーブル 30 掴持アーム 31 真空システム 32 ガス供給システム 33 陰極 34 陽極 35 直流電源 36 コントローラ 37 加熱ガス供給システム 38 冷却ガス供給システム UD 兼用炉 UD1 兼用炉 UD2 兼用炉 KA 兼用炉 SQ 兼用炉 SD 兼用炉 AD 兼用炉 KU 兼用炉

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の焼き入れ、焼戻し、焼きなまし、
    焼きならし、溶体化、マルクエンチ・マルテンパ・オー
    ステンパ・サブゼロの各熱処理及び窒化・CVD・PV
    Dの各表面改質処理のうちの少なくとも2つ以上の処理
    を実施する複数の兼用炉を直列または円周上に配置する
    と共に、加工金属材料が搬入搬出される第1の経路を前
    記各炉間を連絡する第2の経路を介して前記各炉に連絡
    し、前記第2の経路を介して前記第1の経路から前記各
    炉への前記加工金属材料の搬入出を行う自動搬入出機を
    設けたことを特徴とする熱処理炉装置。
  2. 【請求項2】 前記各炉のうち、少なくとも1つが真空
    と常圧または真空と高圧雰囲気を兼用可能な真空式炉で
    あることを特徴とする請求項1記載の熱処理炉装置。
JP20369693A 1993-07-27 1993-07-27 熱処理炉装置 Pending JPH0741848A (ja)

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