JP2007223590A - 自転車のボトム・ブラケット・アセンブリ - Google Patents

自転車のボトム・ブラケット・アセンブリ Download PDF

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Abstract


【課題】従来の技術よりも簡単かつ実用的で、信頼性の高いアセンブリを提供する。
【解決手段】自転車のボトム・ブラケット・アセンブリ(1)が、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するととともに、第1の端部(4)および第2の端部(3)を有しているシャフト(2)と、第1の端部(4)に近接する位置においてインナ・リング(410)にシャフト(2)が挿入されるとともに、アウタ・リング(411)がハウジングボックス(10)の第1の端部(12)に組み合わせられた第1のアダプタ(42)に結合されている第1の軸受(41)と、第2の端部(3)に近接する位置においてインナ・リング(310)にシャフト(2)が挿入されるとともに、アウタ・リング(311)がハウジングボックス(10)の第2の端部(11)に組み合わせられた第2のアダプタ(32)に結合されている第2の軸受(31)とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自転車のボトム・ブラケット・アセンブリに関する。
公知のとおり、自転車のボトム・ブラケット・アセンブリは、シャフトおよびシャフトの両端に組み合わせられた2つのクランク・アームを有している。シャフトは、クランク・アームとは別個の部品として製作可能であり、あるいは2つのクランク・アームのうちの一方と一緒に1つの部品として製作することが可能である。
自転車のボトム・ブラケット・アセンブリにおいて、クランク・アームとシャフトとを一体に結合させてなり、あるいはクランク・アームとシャフトとを1つの部品として製作してなる構成部品は、典型的には、クランク・アーム・アセンブリという表現で特定される。
ボトム・ブラケット・アセンブリは、シャフトを自転車のフレームに適切に設けられたハウジングボックスに収容することによって、自転車に取り付けられる。ハウジングボックスに対するボトム・ブラケット・アセンブリの回転は、1対の転がり軸受にシャフトが挿入されることによって達成される。それぞれの軸受は、シャフトにおいてクランク・アームに近接するそれぞれのシャフト本体部に配置されている。ボトム・ブラケット・アセンブリが自転車のフレームに取り付けられたとき、それぞれの軸受が、シャフトとフレームに適切に設けられたハウジングボックスとの間で機能するように配置される。
典型的には、シャフトへの軸受の取り付けシステムは、軸受が、ひとたびシャフトに取り付けられたならば、自転車のフレームに設けられたハウジングボックスにおいてボトム・ブラケット・アセンブリの正確な配置のための正確な基準を提供することができ、かつハウジングボックスの存在しうる寸法誤差および/または考えられるシャフトの膨張を、自転車のフレームに対するボトム・ブラケット・アセンブリの正確な位置決めを損なうことなく補償できるように、検討されている。
特許文献1には、それぞれがクランク・アームをそれぞれの半シャフトと一体に形成している2つのクランク・アセンブリを有するボトム・ブラケット・アセンブリが記載されている。図2に示されているように、2つの半シャフトが互いに入れ子に結合されており、両者の間に軸受(右側の軸受)のインナ・リングを固定している。一方で、他方の軸受(左側の軸受)のインナ・リングは、シャフトに対して軸心方向に自由に平行移動可能である。両方の軸受のアウタ・リングの軸心方向の平行移動は、それぞれのアダプタによってハウジングボックスの内側方向にしないようにされており、外側方向の移動については自由である。このボトム・ブラケット・アセンブリにおいては、インナ・リングが固定されている方の軸受(右側の軸受)が、自転車のフレームのハウジングボックスにボトム・ブラケット・アセンブリを取り付けるために基準を備えている一方で、インナ・リングが自由に平行移動できる方の軸受(左側の軸受)が、ハウジングボックスの存在しうる寸法誤差およびシャフトについて考えられる膨張の補償を可能にしている。
本件出願の出願人は、特許文献1に記載されているボトム・ブラケット・アセンブリについて、いくつかの欠点に気が付いた。
第1の欠点は、ボトム・ブラケット・アセンブリを自転車のフレームに取り付ける際の困難性に関係する。そのような取り付けは、実際のところ、左側の半シャフトがハウジングボックスに挿入される前に、左側の軸受に左側の半シャフトを挿入し、次いで半シャフトをハウジングボックスに挿入した後で、左側の軸受を該当のアダプタに当接するまで半シャフト上で平行移動させる必要がある。しかしながら、本件出願の出願人は、軸受を半シャフトに対して移動させることが、通常はどちらも鋼から作られている軸受と半シャフトとの間の圧入を変更するために、かなりの力を加えなければならない点、およびこのような組み立て工程においては、実際にはアセンブリがほぼ完全に組み立てられていて、左側ベアリングへのアクセス領域がきわめて小さいために、決して簡単ではないことに気が付いた。
第2の欠点は、自転車のフレームのハウジングボックスにおいて2つの半シャフトを入れ子状に結合することが困難である点に関係する。実際、2つのクランク・アセンブリの間の結合は、典型的には高精度の結合であり、したがってハウジングの内側で、すなわち作業者にとって視覚的基準を持つことができない中で、2つの半シャフトを互いに挿入することは、複数回の試行によってのみ達成することができ、時間がかかり面倒である。
第3の欠点は、自転車のフレームのハウジングボックスに取り付けられた後のボトム・ブラケット・アセンブリが、信頼性に乏しい点に関係する。実際、本件出願の出願人は、軸心方向の荷重がペダル漕ぎの際に通常予想される荷重よりもわずかに上方であるだけで、シャフトすなわちクランク・アームを自転車のフレームの中央面に対して移動させ、自転車を使用不能にしてしまうために充分であることに気が付いた。
第4の欠点は、シャフト上で軸受の軸心方向の位置を固定するために、軸受のインナ・リングとシャフトとの間に圧入をもたらす必要がある点に関係する。実際、このような種類の結合は、動作時にシャフトそのものに望ましくない応力を引き起こすばかりか、シャフトへの軸受の取り付け作業を複雑にする。
米国特許第6,116,114号明細書
本件出願の出願人は、シャフト上に軸受を取り付けるためのシステムであって、上述の従来技術の文献に記載のシステムよりも簡単であり、より実用的であって信頼性が高い新規なシステムを特定した。
したがって、本発明は、その第1の態様において、自転車のボトム・ブラケット・アセンブリであって、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するととともに、第1の端部および第2の端部を有しているシャフトと、前記第1の端部に近接する位置において前記シャフトが挿入される第1のリングと、自転車のフレームにある前記ボトム・ブラケット・アセンブリのハウジングボックスの第1の端部に組み合わせられるように構成された第1のアダプタに結合されている第2のリングとを有している第1の軸受と、前記第2の端部に近接する位置において前記シャフトが挿入される第1のリングと、前記ハウジングボックスの第2の端部に組み合わせられるように構成された第2のアダプタに結合されている第2のリングとを有している第2の軸受と、前記第1のリングが前記所定の方向の両方向に移動しないようにするために前記第1のリングに作用する前記第1および第2の軸受の前記第1のリングの第1の固定手段とを有しており、前記第1および第2のアダプタのうちの少なくとも一方のアダプタが、前記ハウジングボックスの前端面に当接して機能するように構成された第1の当接面と、前記第1および第2の軸受のうちの少なくとも一方の軸受の第2のリングに当接して機能するように構成された第2の当接面とを有しており、他方の軸受の第2のリングが、他方のアダプタに対して前記所定の方向の両方向について自由に移動できるボトム・ブラケット・アセンブリに関する。
好都合なことに、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリにおいては、軸受が両者とも、自転車のフレームの中央面に対するクランク・アームの正確な位置決めが損なわれることがないようシャフトに対して固定され、少なくとも1つの軸受の第2のリングの移動の自由度によって、ハウジングボックスに生じうる寸法誤差を、たとえかなりの程度であっても補償することができ、さらに/あるいはシャフトの膨張を補償することができる。実際、自由なリングが、シャフトの対する軸受の位置を、アダプタに対する軸受の位置と無関係にしている。したがって、アダプタが一般的にはアルミニウム合金などの軽量な材料から作られ、それらの壁面が通常は薄くて弾性的である点に鑑み、アダプタに対して自由であるリングの平行移動が、より容易であり、必要とされる労苦が、上述の従来技術の解決手段において必要とされる労苦よりも少ない。
好ましくは、第1のリングが、軸受のインナ・リングであり、第2のリングが、軸受のアウタ・リングである。
好ましくは、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリは、前記シャフトの前記第1の端部に結合された第1のクランク・アームと、前記シャフトの前記第2の端部に結合された第2のクランク・アームとをさらに有しており、前記第1および第2のクランク・アームのうちの少なくとも一方が、前記シャフトに対して前記所定の方向に沿って軸心方向に可動であるとともに、該第1および第2のクランク・アームのうちの少なくとも一方が前記第1および第2の軸受のうちの少なくとも一方を前記シャフトに対する軸心方向の位置に固定するために前記所定の方向に沿って前記第1のリングの少なくとも一方に対して軸心方向の押圧力を作用させる軸心方向の位置において、シャフトのそれぞれの端部に固定可能である。
好都合には、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリにおいては、シャフト上の所望の軸心方向の位置への少なくとも1つの軸受は、単純に、シャフトのそれぞれの端部に沿って軸心方向に可動であり、かつそのまま所定の軸心方向の位置に固定できるクランク・アームによって前記少なくとも1つの軸受に加えられる押圧力の作用を利用することによって固定される。したがって、そのような軸受のシャフト上への取り付けが、単に軸受をシャフトに組み合わせ、軸受をシャフト上の所定の位置に固定するためにクランク・アームをシャフトに対して軸心方向に移動させるだけでよいため、迅速かつ容易である。したがって、上述の先行技術文献に記載されているボトム・ブラケット・アセンブリと異なり、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリは、軸受とシャフトとの間の圧入を必要としない。したがって、本発明のアセンブリのシャフトにおいては、好都合なことに、上述の先行技術文献に記載のアセンブリのシャフトに比べ応力が小さい。
さらに好都合なことには、自転車のフレームに適切に設けられたハウジングボックスへのボトム・ブラケット・アセンブリの取り付けも、シャフトとクランク・アームとの間の結合が自転車のフレームに設けられたハウジングボックスの外側であるため、作業者が目視できるので、迅速かつ容易である。
好ましくは、前記第1のクランク・アームが、シャフトの前記第1の端部に、前記所定の方向に沿って前記第1のクランク・アームとシャフトの前記第1の端部との間の相対的な移動を許容する形状による第1の結合によって結合される。好都合なことに、軸受とシャフトとの間の形状による結合は、従来技術の圧入に比べてシャフトに加わる応力が小さい。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリの第1の好ましい実施形態においては、前記形状による第1の結合が、例えば本件出願と同じ出願人の欧州特許出願第05425377号に記載されている結合のような、溝による結合である(上記欧州特許出願は、このような種類の結合を記載している部位に関し、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする)。好ましくは、溝による結合は、後述するように、直線状の母線をシャフトおよびクランク・アームの結合孔の軸心と平行に有する形式の結合である。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリの第2の好ましい実施形態においては、前記形状による第1の結合が、四角形の面による結合である
好ましくは、前記第1の固定手段が、シャフトに対して固定されて、前記第1のリングの少なくとも一方に対して前記第1のクランク・アームの反対側において作用し、前記第1のリングの前記少なくとも一方を前記シャフト上の軸心方向の位置に固定する第1の当接要素を有している。好都合なことに、当接要素が、シャフトのそれぞれの端部に沿って可動であるクランク・アームによって軸受に加えられる軸心方向の押圧力に対し、反作用をもたらし、そのように軸受のシャフト上での位置の固定を確実にする。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリのとくに好ましい実施形態においては、前記第1の当接要素が、前記シャフトに一体に形成された段部によって形成されている。好都合なことに、クランク・アームによって軸受に加えられる軸心方向の押圧力に対する反作用を、弾性リングや類似の要素などといった追加の要素を使用する必要なく得ることができる。
あるいは、前記第1の当接要素を、前記第2のクランク・アームの前端面によって形成してもよい。好都合なことに、この場合には、シャフトに段部を設ける必要がなく、シャフトの製造が簡単になる。
好ましくは、前記第1の固定手段に、前記第1および第2の軸受の間において前記シャフトが挿入され、前記第1および第2の軸受の第1のリングに当接して作用する第1のスペーサをさらに有しており、前記第1の当接要素が、シャフトの前記第2の端部に形成され、前記第2の軸受の第1のリングに対して前記第1のスペーサの反対側において作用し、前記第1および第2の軸受の第1のリングを前記シャフト上の軸心方向の位置に固定する。好都合なことに、シャフト上での両方の軸受を、シャフトの該当の端部で軸心方向に可動であるただ1つのクランク・アームによって両方の軸受に加えられる軸心方向の押圧力にて、所定の位置に固定することができる。さらに、2つの軸受の間に配置されたスペーサが、シャフトの中央部を外側にて覆い、シャフトをペダル漕ぎの際にシャフトに主として加わる曲げ応力に対して強くしている。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリの上述の好ましい実施形態において、前記第2のクランク・アームを、前記シャフトと一体に形成することができ、あるいは締め代を伴う圧入によって前記シャフトに結合させることができ、さらには第1のクランク・アームとシャフトの該当の端部との間の結合に関して上述した第1の結合と同一の形状による第2の結合、すなわち前記所定の方向に沿って前記第2のクランク・アームとシャフトの前記第2の端部との間の相対的な移動を許容する結合によって、前記シャフトに結合することもできる。
形状による結合によって第2のクランク・アームがシャフトの第2の端部に結合される特定の実施形態において、前記第1の当接要素が、シャフトの前記第1の端部に形成され、前記第1の軸受の第1のリングに対して前記第1のクランク・アームの反対側において作用して、前記第1の軸受を前記シャフト上の軸心方向の位置に固定し、前記第1の固定手段が、シャフトの前記第2の端部において前記シャフト上に形成され、前記第2の軸受の第1のリングに対して前記第2のクランク・アームの反対側において作用し、前記第2の軸受を前記シャフト上の軸心方向の位置に固定する第2の当接要素を有している。この場合、シャフト上での各軸受が、シャフトのそれぞれの端部において軸心方向に可動であるそれぞれのクランク・アームによって、そのような軸受に加えられる軸心方向の押圧力によって、所定の位置に固定される。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリの第1の好ましい実施形態においては、前記アダプタが、前記ハウジングボックスの内側に収容されるように構成されている。
好ましくは、この場合には、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリは、前記所定の方向の両方向について前記第2のリングの移動を防止するため、前記第2のリングに作用する前記少なくとも1つの軸受の第2のリングの第2の固定手段を有している。好都合なことに、軸受の第2のリングが、前記所定の方向の両方向の移動に抗して固定されるため、ペダル漕ぎの際に通常予想される軸心方向の応力を超える軸心方向の応力であっても、シャフトを自転車のフレームに設けられたハウジングボックスに対して動かすことはできず、上述のハウジングボックスにおけるボトム・ブラケット・アセンブリの取り付けのための正確な基準がもたらされる。
より好ましくは、前記第2の固定手段が、前記第2の当接面と、前記第2のリングに対して前記少なくとも1つのアダプタの反対側において作用する第2のスペーサとを有しており、前記第2のスペーサが、他方のアダプタによって前記第2のリングに押し付けられる。好都合なことに、他方の軸受に組み合わせられたアダプタによって軸受のアウタ・リングとの当接に押しやられる第2のスペーサを使用することによって、ハウジングボックスの考えられる寸法誤差が存在しても、軸受のアウタ・リングを固定できるよう保証される。実際、スペーサの位置は、そのような誤差によって左右されることがなく、シャフトの膨張によって自由に動くことができる他方の軸受の位置を定めることもない。
好ましくは、前記少なくとも1つのアダプタが、前記第1の当接面が形成されるフランジを有している。そのようなフランジは、自転車のフレームに適切に設けられたハウジングボックスに対してボトム・ブラケット・アセンブリの位置を一意に決定するために、シャフト上の所定の位置に固定された軸受のアウタ・リングの当接面と協働する。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリの第2の好ましい実施形態においては、前記アダプタが、前記ハウジングボックスに片持ち梁状に取り付けられるように構成されている。
好ましくは、この場合には、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリは、前記所定の方向に沿って前記ハウジングボックスの内側に向かう前記第2のリングの移動を防止するため、前記第2のリングに作用する前記少なくとも1つの軸受の第2のリングの第3の固定手段を有している。好都合なことに、2つの軸受のうちの一方の第2のリングを、前記所定の方向の2つの方向のうちの一方について固定することで、自転車のフレームに適切に設けられたハウジングボックスにボトム・ブラケット・アセンブリを位置決めするための基準がもたらされる一方で、他方の軸受の第2のリングが前記所定の方向の2方向に自由に移動できることで、ハウジングボックスの寸法誤差を補償することができる。
好ましくは、前記第3の固定手段が、前記第2のリングのための前記当接面を有している。
本発明のボトム・ブラケット・アセンブリのさらなる好ましい実施形態においては、前記シャフトが、前記第1および第2の端部の直径よりも大きい直径を有する中央本体部を有している。そのようなシャフトは、好都合にも、ペダル漕ぎの際に加わる曲げ応力に対して高い耐性を有している。
さらに、本件出願の出願人は、シャフト‐クランク・アームの結合が形状による結合である場合について、クランク・アームおよびシャフトの端部の結合用の外形をいかに単純に製作するかについて検討を行った。
実際、本件出願の出願人は、従来技術のボトム・ブラケット・アセンブリにおいては、そのような種類の結合が、シャフトの端部およびクランク・アームの本体に設けられた対応する結合用の孔に、軸心方向に先細りの結合用外形によって製作されていることに気が付いた。すなわち、シャフトとクランク・アームとの間の結合が、クランク・アームをシャフトの端部に嵌め合わせ、クランク・アームをシャフトとクランク・アームとの先細りの外形の締め代による機械的な結合によって当接するまで、シャフトに対して軸心方向に移動させることによって実行されている。
従来技術のボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトおよびクランク・アームにおいて典型的に使用されている結合用の外形の例が、例えば「ISIS Drive‐The International Spline Interface Standard」、ISIS Drive Standard Committee、2001年に記載されている公知のISIS規格の結合である。そのような結合は、シャフトおよびクランク・アームの尾根および溝について所定の形状および正確な寸法値を有するそれぞれの溝付きの結合用外形によって製作されている。
とくに、ISIS規格によれば、シャフトの端部およびクランク・アームの孔が、円錐面の締め代による結合を形成するために、軸心方向の向きにわずかに先細りの溝付きの外形(軸に対して1°の傾き)を有している。
しかしながら、本件出願の出願人は、上述の先細りの外形を製作することが、とくには例えば溝付きの外形などといった複雑な結合用外形の場合に、シャフト上でのクランク・アームの正しい位置決めを達成するためにきわめて狭い結合用の公差を設ける必要があるため、きわめて困難かつ高価であることに気が付いた。これが、上述の構成部品の製造コストに悪影響を及ぼすことは明らかである。
そこで、本件出願の出願人は、現在公知のものよりも費用対効果が高く、かつより単純であるシャフト‐クランク・アームの結合用外形を検討した。
したがって、本発明は、その第2の態様において、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するととともに、クランク・アームとの結合のための少なくとも1つの端部を有しているシャフトと、シャフトの前記端部との結合のため、長手軸心X−Xを前記所定の方向に沿って延伸させて有する孔を有している少なくとも1つのクランク・アームとを有しており、シャフトの前記端部および前記結合孔が、一致する形状のそれぞれの結合用外形を有している自転車のクランク・アーム・アセンブリであって、前記結合用外形が、前記長手軸心X−Xと平行に延びるそれぞれの結合要素によって形成されていることを特徴とするクランク・アーム・アセンブリに関する。
したがって、好都合なことに、シャフトおよびクランク・アームの相互の結合用外形が、直線状かつ平行な母線を有する外形であり、現在公知の先細りの外形に比べてはるかに簡単に製作でき、したがってより費用対効果が高い。さらに好都合なことには、直線状かつ平行な母線を有する外形を使用することで、シャフトに対するクランク・アームの軸心方向の位置を、例えば間隔ワッシャを利用して自由に選択することができる。
上述のクランク・アーム・アセンブリのシャフトは、ボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトの一部であってよく(この場合、ボトム・ブラケット・アセンブリは2つの別個の部品を一体に結合して構成される)、あるいはボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトと同じであってよい(この場合、ボトム・ブラケット・アセンブリが1つの部品で構成される)。
好ましくは、前記結合用外形が、溝付きの外形であり、前記結合要素が、シャフトの前記端部および前記クランク・アームの前記結合孔に形成された複数の尾根および複数の溝を有している。
さらに好ましくは、前記尾根および溝が、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする本件出願と同じ出願人の欧州特許出願第05425377.8号の記載に従い、つながった曲面によって形成されている。この種の溝付きの外形は、例えばクランク・アームが複合材料から作られている場合など、溝付きの外形を単一方向の構造繊維を有する構成部品に製作しなければならない場合に、鋭い縁および深い溝がないので上述の単一方向の構造繊維の破損または損傷の可能性が最小限であり、とくに好都合である。
好ましくは、シャフトに形成される溝が、先細りの軸心方向内側部分を有している。これにより、シャフト上に軸受のためのより大きな当接面を製作することができ、あるいは軸受と当接面との間におそらくは配置されるスペーサ部材のために、より大きな当接面を製作することができる。
本発明は、その第3の態様において、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有する本体を有しており、該本体がクランク・アームとの結合のための端部を有している自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのためのシャフトであって、シャフトの前記端部が、前記長手軸心X−Xと平行に延びる結合要素によって形成される結合用外形を有していることを特徴とするシャフトに関する。
本発明は、その第4の態様において、自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトとの結合のための孔を有する本体を有しており、前記結合孔が所定の方向に沿って延びる長手軸心X−Xを有している自転車のクランク・アームであって、前記結合孔が、前記長手軸心X−Xと平行に延びる結合要素によって形成される結合用外形を有していることを特徴とするクランク・アームに関する。
このようなシャフトおよびこのようなクランク・アームは、上述のクランク・アーム・アセンブリおよびボトム・ブラケット・アセンブリに好都合に使用することができる。
さらに、本件出願の出願人は、これまで慣例的に使用されてきたボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトに比べ、より強度が高く、同時により軽量でもあるボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトをいかに製造するかについて、検討した。
実際、競走用自転車の分野においては、自転車の種々の構成部品について構造強度と軽さとの間の良好な折衷を見つけるというニーズが高まっている。とくにボトム・ブラケット・アセンブリのシャフトに関しては、シャフトに加わる応力が多数であって互いに加算されるため、より軽量なシャフトを得ることについて、常に構造強度がきわめて制約的な因子である。
従来技術は、良好な構造強度を適切な軽さと同時に有するというニーズを満足するための最適なシャフトとして、鋼製の中空シャフトを提案している。
しかしながら、今日では、競争力の見地から、従来技術によってこれまで課されてきた構造上の制約を克服し、高い構造強度を有すると同時に、これまで慣例的に使用されてきたシャフトに比べて軽量であるシャフトを製造することが、求められている。
本件出願の出願人は、このニーズを満足するシャフトを考え出した。
したがって、本発明は、その第5の態様において、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有する第1の本体を有しており、該第1の本体が第1の素材層を有している自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのためのシャフトであって、前記第1の素材層と別個でありかつ前記第1の素材層を覆っている少なくとも1つの第2の素材層を有していることを特徴とするシャフトに関する。
好都合なことに、本件出願の出願人は、そのようなシャフトが、従来技術において使用されている従来の単層のシャフトに比べ、より高い強度を有すると同時により軽量であることを確認した。より高い構造強度は、層化によってシャフトがより弾性的になり、したがって疲労によりよく耐えるようになるためである。一方、軽さの向上は、同じ強度であれば、2層のシャフトは、各層の厚さを2つの層の厚さの合計が従来技術において使用されている従来のシャフトの単層の厚さよりも薄くなるようにして、製造できることによる。
このようなシャフトを、上述のクランク・アーム・アセンブリおよびボトム・ブラケット・アセンブリにおいて、好都合に使用することが可能である。
好都合なことに、シャフトの外側層が、シャフトが挿入された軸受のためのスペーサとして機能することができる。
好ましくは、前記第1および少なくとも1つの第2の素材層が、同じ材料から作られる。さらに好ましくは、前記第1の本体が実質的に円筒形であり、前記少なくとも1つの第2の素材層が、前記第1の本体の外側に同軸に配置された少なくとも1つの第2の実質的に円筒形の本体を形成している。
さらに、本件出願の出願人は、ボトム・ブラケット・アセンブリの軸受を自転車のフレームの内部および外部の環境因子から保護する新規な方法を検討した。
実際、ボトム・ブラケット・アセンブリにおいて使用される軸受が、塵埃および湿気などといった外部の環境因子に対する保護を常に取り入れていることは、公知である。しかしながら、軸受自身の有する保護が常には充分でないことが明らかになっていることから、ボトム・ブラケット・アセンブリにさらなる保護を追加することが一般的な実務である。
補助の保護の適用の典型的な例が、欧州特許出願第1449760号に記載されている。
この出願においては、対応する軸受を外部の環境から隔離するためにそれぞれのアダプタに組み合わせられたガスケットが記載されている。
一方で、ボトム・ブラケット・アセンブリが連結している自転車のフレームの内部に由来する湿気から軸受を保護するため、保護用の部材が設けられている。実際、フレームは、凝結を生じる可能性があり、さらに悪いことには雨を透す可能性がある。
保護用の部材は、一般的には、シャフトに対して同軸に取り付けられる円筒形のスリーブで構成され、その両自由端が、その上に乗せられる軸受を支持するためのアダプタを有している。スリーブとアダプタとの間には、それらの結合領域をシールするため、ゴム製のOリングが配置されている。
本件出願人は、上述の特許出願において提案されている解決手段は、スリーブのアダプタとの結合が、スリーブがすでにハウジングボックスに挿入され、したがって目視による基準を持つことができない中で実行されるため、取り付けの実用性に乏しいことに気が付いた。
そこで、本件出願の出願人は、軸受を自転車のフレームの外部および内部の環境因子から保護するためのシステムであって、上述の従来技術のシステムと比べて設置がより容易であるシステムを備えているボトム・ブラケット・アセンブリを特定した。
したがって、本発明は、そのさらなる態様において、自転車のボトム・ブラケット・アセンブリであって、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有しているシャフトと、前記シャフトの端部が挿入された少なくとも1つの軸受と、前記少なくとも1つの軸受に結合され、自転車のフレームにある当該ボトム・ブラケット・アセンブリのハウジングボックスに組み合わせられるように構成されているアダプタと、前記少なくとも1つの軸受を外部の環境から保護するように構成され、前記アダプタと前記シャフトとの間で機能するように配置される第1のガスケットとを有しており、さらに、前記少なくとも1つの軸受をハウジングボックスの内側から保護するように構成され、前記アダプタと前記シャフトとの間で機能するように配置される第2のガスケットを有していることを特徴とするボトム・ブラケット・アセンブリに関する。
好都合なことに、このようなアセンブリは、自転車のフレームに設けられたハウジングボックスの外部にて、前もって少なくとも部分的に組み立てることができる。したがって、種々の構成部品を迅速かつ容易に配置することができ、したがってアセンブリの組み立ておよびフレームに設けられたハウジングボックスへの取り付けを、より容易にすることができる。
上述のガスケットは、上述の本発明のボトム・ブラケット・アセンブリに、好ましく使用される。
好ましくは、前記第1および第2のガスケットが、前記少なくとも1つの軸受に対して両側に配置されている。したがって、このようなガスケットが、アダプタおよびシャフトと協働し、内部に軸受が収容される実質的に防水チャンバを作り出している。
好ましくは、前記第1のガスケットが、弾性材料から作られた第1の環状の部材に組み合わせられた第1の剛性のリングを有している。剛性のリングが、支持の機能を有する一方で、弾性環状部材(好ましくは、ゴムから作られる)が、シールおよび隔離を確実にする。
好ましくは、前記第1の環状の部材が、アダプタの直径よりもわずかに小さい直径を有する半径方向外側の自由端、およびシャフトに接する半径方向内側の自由端を有している。
さらに好ましくは、前記第1の環状の部材の半径方向内側の自由端が、シャフトに形成された環状の座に収容されている。
特定の実施形態においては、前記第1の環状の部材が、さらにクランク・アームの前壁に当接して協働するように構成された環状の突起を有している。この方法で、さらにシャフトとクランク・アームとの間の結合領域によって、外部の環境から保護され、この領域において腐食現象が発生することがないようにされている。
好ましくは、前記第1の環状の部材が、前記第1の剛性のリングの上にあるフィンを前記半径方向外側の自由端に有するとともに、縁部を前記半径方向内側の自由端に有しており、前記第1の剛性のリングが、前記縁部によって支持されている。
好ましくは、前記第2のガスケットが、第2の剛性のリングを、弾性材料の第2の環状の部材に組み合わせて有している。
さらに好ましくは、前記第2の環状の部材が、前記アダプタに接する半径方向外側の自由端、および前記シャフトの直径よりもわずかに大きい直径を有する半径方向内側の自由端を有している。
またさらに好ましくは、前記第2の環状の部材の半径方向外側の自由端が、前記アダプタに形成された環状の座に収容されている。
好ましくは、前記第2の環状の部材が、前記第2の環状の部材の半径方向外側の自由端に、前記第2の剛性のリングを少なくとも部分的に覆うシースを有している。
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照しつつ行われる本発明のいくつかの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による自転車のボトム・ブラケット・アセンブリが、符号1で示されている。
アセンブリ1は、長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するシャフト2を有している。シャフト2は、それぞれ右側および左側の両端部3および4を有しており、両端部3および4に、右側クランク・アーム30および左側クランク・アーム40がそれぞれ組み合わせられている。
シャフト2は、右側軸受31および左側軸受41にシャフト2を適切に挿入して位置させることによって、自転車のフレームに適切に設けられたハウジングボックス10に回転自在に支持されている。ハウジングボックス10は、実質的に円筒形の形状であって、シャフト2がハウジングボックス10に収容されたときに、シャフト2の軸心X−Xに一致するように長手軸心X−Xに沿って延びている。
図1に示した特定の実施形態においては、軸受31および41が球軸受であるが、例えばころ軸受など、シャフト2とハウジングボックス10との間に相対的に回転できるように構成された他の種類の軸受も使用可能である。
軸受31および41は、それぞれ右側アダプタ32および左側アダプタ42に挿入されている。アダプタ32、42は、ハウジングボックス10の両方の自由端部11および12においてハウジングボックス10の内側にねじ込まれている。
組み込まれた構成において、軸受31は、インナ・リング310をシャフトの端部3に近接する部位21に結合させ、アウタ・リング311を右側アダプタ32の環状の内表面に結合させている。同様に、軸受41は、インナ・リング410をシャフトの端部4に近接する部位22に結合させ、アウタ・リング411を左側アダプタ42の環状の内表面に結合させている。
左側クランク・アーム40は、クランク・アーム40をシャフト2に対してシャフト2の軸心X−Xと平行に動かすことができる形状の結合によって、シャフト2の左端部4に結合されている。図1に示した実施形態においては、そのような結合が、例えば本件出願と同じ出願人の欧州特許出願第05425377号に記載されているような、溝による結合である。好ましくは、図1に示されているように、溝による結合が、直線状の母線をシャフト2の軸心X−Xと平行に有する結合要素400(とくには、好ましくはつながった曲面によって形成される尾根および溝)によって形成される溝付き孔43を、左側クランク・アーム40に形成し、孔43の溝に一致する溝付き表面44を、シャフト2の左端部4に形成することによって、好ましくは形成されている。孔43には、段部45によって形成された当接要素が設けられている。
シャフトに形成された溝は、軸心X−Xに沿った先細りを有する軸心方向内側部401を有している。したがって、そのような部位においては、溝の深さが、ゼロになるまで徐々に減少している。
一方で、右側クランク・アーム30は、シャフト2の右端部3に、例えば圧入によって、共成型によって、あるいはシャフトそのものと一体に形成することによって恒久的に組み合わせられている。図1に示した典型的な実施形態においては、それぞれの溝付き形状を締め付ける圧入が示されている。
しかしながら、クランク・アーム30とシャフト2の右端部3との間にシャフトの軸心X−Xと平行な方向に沿う相対的な移動を許容する結合によって、右側クランク・アーム30がシャフト2に結合されている他の実施形態も考えることができる。そのような結合は、例えば、左側クランク・アーム40とシャフト2の左端部4との間の結合に関して上述した形式の結合であってよい。
シャフト2の左端部4における左側クランク・アーム40は、ねじ60をシャフト2の左端部4に作られたねじ孔61にねじ込むことによって所望の軸位置に固定される。ねじ60が、左側クランク・アーム40の孔43に挿入され、頭部62が、左側クランク・アーム40の孔43に形成された段部45に当接するように意図されている。段部45とねじ60の頭部62との間には、ねじ60とシャフト2の左端部4との間の張力の分布を改善するため、ワッシャ63が配置されている。
左側クランク・アーム40とシャフト2の左端部4との間の結合について、溝による結合に代え、本件出願と同じ出願人の欧州特許出願第05026302号に記載されている結合など、四角の面による結合またはねじ結合を設けることができる。いずれの場合も、この結合によって、左側クランク・アーム40はシャフト2の軸心X−Xと平行に移動可能でなくてはならない。
シャフト2の右端部3と左端部4との間には、一定の直径の中央部5が形成されている。これに対し、右端部3は、より直径の大きいシャフト本体部に形成されており、したがってシャフト2の右端部3に当接要素または段部35が形成され、さらに詳しくは後述されるとおり、右側軸受31のインナ・リング310のための当接面(おそらくは、適切なスペーサを介在させて)として機能するように構成されている。
図1に示した実施形態においては、右側軸受31のインナ・リング310と左側軸受41のインナ・リング410との間に、中央スペーサ56が配置されている。さらに、右側スペーサ36が、段部35と右側軸受31のインナ・リング310との間に配置され、左側スペーサ46が、左側軸受41のインナ・リング410と左側クランク・アーム40との間に配置されている。このように、クランク・アーム30,40、段部35およぼスペーサ36,46,56はシャフト2にインナ・リング310,410を固定するための第1の固定手段を形成する。
取り付け工程において、図1に示した実施形態に関しては、作業者が右側アダプタ32をハウジングボックス10の右端にねじ込み、右側スペーサ36、右側軸受31、中央スペーサ56、左側軸受41、左側スペーサ46、および左側クランク・アーム40を順に、左端からシャフト2に嵌めこむ。この時点で、シャフト2がハウジングボックス10に挿入され、左側アダプタ42が、ハウジングボックス10の左端部12にねじ込まれる。次いで、ねじ60が、シャフト2のねじ孔61に締め込まれる。ねじ60を締め込む際、クランク・アーム40がシャフト2の左端部4上を移動し、上述のすべての構成部品を、シャフト2の左端部3に形成されている段部35に向かって押す。締め付けは、左側クランク・アーム40が左側スペーサ46、左側軸受41、中央スペーサ56、右側軸受31、および右側スペーサ36を段部35に向かって押し込めたときに完了する。これが可能であるために、スペーサ36、46、および56が、左側クランク・アーム40に形成された段部45がシャフト2の左端前面に当接することがないように寸法付けられていなければならない点に、注意すべきである。スペーサの寸法が、シャフト2の長さおよび左側クランク・アーム40の幅に依存して決まること、および左側クランク・アーム40が左側軸受41のインナ・リング410に直接当接でき、右側軸受31がシャフト2の右端部3に形成された段部35に直接当接できるようにアセンブリ1が寸法作られている場合には、右側および左側スペーサ36、46がなくてもよいことを、当業者であれば理解できるであろう。
図示はされていない他の実施形態においては、シャフト2が、自身の長手方向の延伸の全体にわたって一定の直径を有している。したがって、段部35は設けられておらず、その機能は、右側スペーサ36が当接し、あるいは右側軸受31が直接当接する右側クランク・アーム30の前端面によって直接実現される。
取り付けが完了したとき、右側および左側の軸受31、41のインナ・リング310、410は、シャフト2上で所定の位置に固定され、すなわちそのようなインナ・リングは、シャフト2の軸心X−Xに平行な方向に沿う両方向(相反する両方向)に移動しないようにされている。
さらに、図1のアセンブリ1は、実質的にスペーサ56の外側に挿入される円筒形の形状であって、左側アダプタ42と右側軸受31のアウタ・リング311との間に当接させて配置できる長手方向の寸法を有する外側スペーサ76を有している。そのようなアウタ・リング311は、上記外側スペーサ76の反対側において、右側アダプタ32に形成された当接面77に当接している。右側軸受31のアウタ・リング311が、右側アダプタ32と左側アダプタ42によってアウタ・リング311に押し付けられている外側スペーサ76との間の協働によって加えられる万力作用によって、所定の位置に固定されている。したがって、取り付けが完了したとき、右側軸受31のアウタ・リング311は、シャフト2の軸心X−Xに平行な方向に沿う両方向(相反する両方向)に移動しないようにされている。このように、アダプタ42、スペーサ76および当接面はアウタ・リング311を固定する第2の固定手段を形成する。
図1に示されているように、右側アダプタ32は、端部を半径方向外向きに延伸させて有するフランジ37を有しており、フランジ37上に、ハウジングボックス10の右前端面13に当接して機能するように構成された当接面78が形成されている。そのようなフランジ37は、インナ・リング310が段部35とスペーサ56との間に固定され、アウタ・リング311が右側アダプタ32と外側スペーサ76との間に固定されている右側軸受31とともに、ハウジングボックス10に対するアセンブリ1の位置を明確に決定する。さらに、右側軸受31が固定されていることで、軸心方向の超過荷重の場合にも、ハウジングボックス10内でのアセンブリ1の正確な位置決めが保証される。
一方、左側アダプタ42は、左側軸受41のアウタ・リング411がシャフト2の軸心X−Xと平行な方向の両方向(相反する両方向)に移動できるように、寸法付けられている。左側アダプタ42は、外側スペーサ76を押して右側軸受31のアウタ・リング311に当接させるまで、ハウジングボックス10の左端部12にねじ込まれ、結果として右側軸受31のアウタ・リング311が、右側アダプタ32に形成された当接面77に当接する。
さらに図1のアセンブリ1は、右側および左側の軸受31、41を外部の環境から保護するために、軸受31、41の軸心方向外側の位置においてアダプタ32、42とスペーサ36、46との間に配置された環状のガスケット36a、46aを有している。
図2は、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリ1の他の実施形態を示している。このような図において、図1に関して図示および説明した要素と同一の要素は、同一の符号によって指し示されており、対応する要素は、100だけ増加させた同じ符号で示されている。
図2のボトム・ブラケット・アセンブリ1は、アダプタ132、142をハウジングボックス10の両端11、12に片持ち梁状に取り付けて有している点で、図1のボトム・ブラケット・アセンブリと相違している。したがって、軸受31、41がハウジングボックス10の外部に収容されている。
この場合、図1の実施形態と異なり、アウタ・リング311、411の間に外側スペーサはもはや存在せず、アダプタ132、142が、左側軸受41のアウタ・リング411が依然としてシャフト2の軸心X−Xと平行な方向の2方向に移動できる一方で、右側軸受31のアウタ・リング311がハウジングボックス10の外側に向かってのみ移動できるように、設計および寸法付けられている。したがって、右側アダプタ132は、この実施形態においても、右側軸受31のアウタ・リング311がハウジングボックス10の内側に向かって移動することがないようにするための当接面または第3の固定手段177を有している。
シャフト2の軸心X−Xと平行な方向の2方向のうちの一方について右側軸受31のアウタ・リング311が固定されることで、ハウジングボックス10内でのボトム・ブラケット・アセンブリの位置決めのための基準が設けられる一方で、シャフト2の軸心X−Xと平行な方向の2方向について左側軸受41のアウタ・リング411が自由に移動できることで、図1の解決手段に比べて程度がより少ないかもしれないにせよ、ハウジングボックス10の寸法誤差を補償することができる。
さらに、図2のアセンブリは、左側クランク・アーム40と左側軸受41のインナ・リング410との間、および右側軸受のインナ・リング310と段部35との間に、いかなるスペーサも使用されていない点で、図1のアセンブリと相違している。一方で、2つの軸受のインナ・リングの間の中央スペーサ56は、依然として使用されている。左側クランク・アーム40と左側軸受41のインナ・リング410との間には、左側クランク・アーム40によって加えられる押圧力の作用をよりよく分布させるとともに、軸受を保護するためのガスケット(本明細書の残りの部分でより詳しく説明される)に円筒形の滑り面を備えるため、ワッシャ47が配置されている。さらに、この実施形態においては、右側クランク・アーム30が、本件出願と同じ出願人の欧州特許出願第05026302号に記載されているようなねじ結合によって、シャフト2の右端部3に結合されている。しかしながら、左側および右側のスペーサが図1に関して説明した方法とまったく同じ方法で使用される他の解決手段も考えることができる。また、右側クランク・アーム30が、例えば図1に関して上述した形式の溝による結合または四角形の面による結合など、ねじ結合とは異なる形式の結合によってシャフト2の右端部3に結合される他の解決手段も、考えることができる。
図3は、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリ1の他の実施形態を示している。このような図においては、図1および2に関して図示および説明した要素と同一の要素が、同一の符号によって指し示されている一方で、対応する要素は、100だけ増加させた同じ符号で示されている。
図3のボトム・ブラケット・アセンブリ1は、2つの軸受31、41のインナ・リング310、410の間の中央スペーサが、それぞれシャフト2の自由端部3および4に一体に形成された一対の段部135、136によって置き換えられている点で、図2のボトム・ブラケット・アセンブリと相違している。さらに、図3のアセンブリにおいては、右側クランク・アーム30が、左側クランク・アーム40と同様の方法で、すなわち左側クランク・アーム40に関して上述した形式の形状による結合によって、シャフト2の該当の端部3に結合されている。図示の実施形態においては、右側スペーサ37が、右側クランク・アーム30と右側軸受31のインナ・リング310との間に使用されている。しかしながら、スペーサ37は、右側クランク・アーム30の本体が右側軸受31に直接当接するように寸法作られている場合には、設けなくてもよい。
図3のアセンブリにおいては、それぞれの軸受31、41に、シャフト2のそれぞれの端部からシャフト2が挿入され、それぞれのクランク・アーム30、40によってそれぞれの段部135、136に押し付けられる。
この場合にも、右側クランク・アーム30が、例えばねじによる結合または四角形の面による結合など、溝による結合とは異なる形式の形状による結合によってシャフト2の端部3に結合される他の解決手段を、考えることができる。
図4は、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリ1の他の実施形態を示している。
図4のボトム・ブラケット・アセンブリ1は、シャフト2の中央部5が端部3および4よりも大きな直径を有しているというただ1つの理由で、図3のボトム・ブラケット・アセンブリとは異なっている。詳しくは、中央部5と端部3および4との間の直径の相違が、軸受31、41を固定するための段部135および136を決定している。
図2、3、および4に示した実施形態においては、アセンブリ1が、それぞれの軸受31、41に、外側ガスケット260および内側ガスケット270を有している。外側ガスケット260が、軸受を外部の環境から隔離する一方で、内側ガスケット270が、軸受を自転車のフレームに設けられたハウジングボックス10の内側から隔離している。
ガスケットが図2aに詳しく示されている一方で、図2bは、そのようなガスケットのうちの一方、とくには内側ガスケット270の断面を示している。ガスケット260、270を、シャフト2の右端に関してのみ説明するが、説明の内容はシャフトの左端についても有効である。
ガスケット260および270は、軸受31に対して軸心方向の両側に配置されている。外側ガスケット260は、好ましくは金属製である剛性の支持リング262を、弾性材料から作られた環状のディスク264に組み合わせて有している。弾性材料から作られたディスク264は、半径方向の両端部に、剛性のリング262の外側に重なるフィン266およびディスク264の半径方向内向きの面を囲む縁部268を、それぞれ備えている。フィン266が、アダプタ132の内表面にスライド可能に接する一方で、縁部268が、シャフト2に形成された環状の溝265に挿入されている。
内側ガスケット270は、図2bに詳しく示されているが、やはり好ましくは金属製である剛性の支持リング272を、弾性的なシース274によって少なくとも部分的に覆って有している。内側ガスケット270は、アダプタ132に形成された環状の溝276に挿入され、その内径は、回転の際にシャフト2に接触して摩擦を生むことがないよう、シャフト2の直径よりもわずかに、好ましくは10分の1だけ大きい。
ガスケット260および270が、アダプタ132およびシャフト2と協働し、内側に軸受31が収容される実質的には防水チャンバを形成している。
さらに、外側ガスケット260が、クランク・アームの前面に接するように構成された環状の突起を有してもよい。
シャフト2は、好都合には、一方が他方の内側に同軸に配置される同じ材料からなる2つの円筒形の本体で構成することができる。外側の円筒形の本体が、軸受のインナ・リングのためのスペーサとして機能することができる。
好ましくは、本発明のボトム・ブラケット・アセンブリのクランク・アーム30、40は、どの具体的実施形態であるかに関わらず、アルミニウム合金または他の軽合金など、金属材料から製作される。しかしながら、クランク・アームを複合材料から製作する可能性を排除するものではない。
この場合、複合材料は、構造繊維をポリマー材料に取り入れて有することができる。典型的には、構造繊維は、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択できる。炭素繊維が特に好ましい。
ポリマー材料におけるこれら構造繊維の配置は、構造繊維のブロックまたは小シートの無作為配置であってよく、繊維の実質的に単一方向の整列配置であってよく、繊維の実質的に二方向の整列配置であってよく、あるいは上述の組み合わせであってよい。
好ましくは、クランク・アームの本体のポリマー材料は、熱硬化性であり、好ましくはエポキシ樹脂からなる。しかしながら、熱可塑性材料の使用の可能性を排除するものではない。
本発明の第1の実施形態の自転車のボトム・ブラケット・アセンブリの長手断面の概略図である。 本発明の第2の実施形態の自転車のボトム・ブラケット・アセンブリの長手断面の概略図である。 図2のアセンブリの一部分の拡大図である。 図2のアセンブリの細部の拡大図である。 本発明の第3の実施形態の自転車のボトム・ブラケット・アセンブリの長手断面の概略図である。 本発明の第4の実施形態の自転車のボトム・ブラケット・アセンブリの長手断面の概略図である。

Claims (50)

  1. 自転車のボトム・ブラケット・アセンブリ(1)であって、
    長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するととともに、第1の端部(4)および第2の端部(3)を有しているシャフト(2)と、
    前記第1の端部(4)に近接する位置において前記シャフト(2)が挿入される第1のリング(410)と、自転車のフレームに位置する当該ボトム・ブラケット・アセンブリ(1)のハウジングボックス(10)の第1の端部(12)に組み合わせられるように構成された第1のアダプタ(42)に結合されている第2のリング(411)とを有している第1の軸受(41)と、
    前記第2の端部(3)に近接する位置において前記シャフト(2)が挿入される第1のリング(310)と、前記ハウジングボックス(10)の第2の端部(11)に組み合わせられるように構成された第2のアダプタ(32)に結合されている第2のリング(311)とを有している第2の軸受(31)と、
    前記第1のリング(410、310)が前記所定の方向の両方向に動かないようにするために、前記第1のリング(410、310)に作用する前記第1および第2の軸受(41、31)の前記第1のリング(410、310)の第1の固定手段(30、40、35、36、46、56、135、136)と、
    を有しており、
    前記第1および第2のアダプタ(42、32)のうちの少なくとも一方のアダプタ(32)が、前記ハウジングボックス(10)の前端面(13)に当接して機能するように構成された第1の当接面(78)と、前記第1および第2の軸受(41、31)のうちの少なくとも一方の軸受(31)の第2のリング(311)に当接して機能するように構成された第2の当接面(77)とを有しており、
    他方の軸受(41)の第2のリング(411)が、他方のアダプタ(42)に対して前記所定の方向の両方向について自由に移動できるボトム・ブラケット・アセンブリ。
  2. 請求項1において、前記第1のリングが、軸受のインナ・リングであり、前記第2のリングが、軸受のアウタ・リングであるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  3. 請求項1または2において、前記シャフト(2)の前記第1の端部(4)に結合された第1のクランク・アーム(40)と、
    前記シャフト(2)の前記第2の端部(3)に結合された第2のクランク・アーム(30)と、
    をさらに有しており、
    前記第1および第2のクランク・アーム(40、30)のうちの少なくとも一方が、前記シャフト(2)に対して前記所定の方向に沿って軸心方向に可動であるとともに、該第1および第2のクランク・アーム(40、30)のうちの少なくとも一方が前記第1および第2の軸受(41、31)のうちの少なくとも一方を前記シャフト(2)に対する軸心方向の位置に固定するために前記所定の方向に沿って前記第1のリング(410、310)の少なくとも一方に対して軸心方向の押圧力を作用させる軸心方向の位置において、シャフトのそれぞれの端部(4、3)に固定可能であるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  4. 請求項3において、前記第1のクランク・アーム(40)が、シャフトの前記第1の端部(4)に、前記所定の方向に沿って前記第1のクランク・アーム(40)とシャフトの前記第1の端部(4)との間の相対的な移動を許容する形状による第1の結合によって結合されるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  5. 請求項4において、前記形状による第1の結合が、溝による結合であるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  6. 請求項4において、前記形状による第1の結合が、四角形の面による結合であるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  7. 請求項4〜6の何れか一項において、前記第1の固定手段が、シャフト(2)に対して固定されて、前記第1のリング(310、410)の少なくとも一方に対して前記第1のクランク・アーム(40)の反対側において作用し、前記第1のリング(310、410)の前記少なくとも一方を前記シャフト(2)上の軸心方向の位置に固定する第1の当接要素(35、136)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  8. 請求項7において、前記第1の当接要素(35、136)が、前記シャフト(2)に一体に形成された段部によって形成されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  9. 請求項7において、前記第1の当接要素(35、136)が、前記第2のクランク・アーム(30)の前端面によって形成されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  10. 請求項7〜9の何れか一項において、前記第1の固定手段に、前記第1および第2の軸受(41、31)の間において前記シャフト(2)が挿入され、前記第1の固定手段が前記第1および第2の軸受(41、31)の第1のリング(410、310)に当接して作用する第1のスペーサ(56)をさらに有しており、
    前記第1の当接要素(35)が、シャフトの前記第2の端部(3)に形成され、前記第2の軸受(31)の第1のリング(310)に対して前記第1のスペーサ(56)の反対側において作用し、前記第1および第2の軸受(41、31)の第1のリング(410、310)を前記シャフト(2)上の軸心方向の位置に固定するボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  11. 請求項4〜10の何れか一項において、前記第2のクランク・アーム(30)が、前記シャフト(2)と一体に形成されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  12. 請求項4〜10の何れか一項において、前記第2のクランク・アーム(30)が、締め代を伴う圧入によって前記シャフト(2)に結合されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  13. 請求項4〜10の何れか一項において、前記第2のクランク・アーム(30)が、シャフトの前記第2の端部(3)に、前記所定の方向に沿って前記第2のクランク・アーム(30)とシャフトの前記第2の端部(3)との間の相対的な移動を許容する形状による第2の結合によって、結合されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  14. 請求項13において、前記第1の当接要素(136)が、シャフトの前記第1の端部(4)に形成され、前記第1の軸受(41)の第1のリング(410)に対して前記第1のクランク・アーム(40)の反対側において作用して、前記第1の軸受(41)を前記シャフト(2)上の軸心方向の位置に固定し、
    前記第1の固定手段が、シャフトの前記第2の端部(3)において前記シャフト(2)上に形成され、前記第2の軸受(31)の第1のリング(310)に対して前記第2のクランク・アーム(30)の反対側において作用し、前記第2の軸受(31)を前記シャフト(2)上の軸心方向の位置に固定する第2の当接要素(135)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  15. 請求項13または14において、前記形状による第2の結合が、溝による結合であるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  16. 請求項13または14において、前記形状による第1の結合が、四角形の面による結合であるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  17. 請求項1〜16の何れか一項において、前記アダプタ(42、32)が、前記ハウジングボックス(10)の内側に収容されるように構成されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  18. 請求項17において、前記所定の方向の両方向について前記第2のリング(311)の移動を防止するため、前記第2のリング(311)に作用する前記少なくとも1つの軸受(31)の第2のリング(311)の第2の固定手段(42、76、77)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  19. 請求項18において、前記第2の固定手段が、前記少なくとも1つのアダプタ(32)に形成された前記第2の当接面(77)と、前記第2のリング(311)に対して前記少なくとも1つのアダプタ(32)の反対側において作用する第2のスペーサ(76)とを有しており、
    前記第2のスペーサ(76)が、他方のアダプタ(42)によって前記第2のリング(311)に押し付けられるボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  20. 請求項19において、前記少なくとも1つのアダプタ(32)が、前記第1の当接面(78)が形成されるフランジ(37)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  21. 請求項1〜16の何れか一項において、前記アダプタ(142、132)が、前記ハウジングボックス(10)に片持ち梁状に取り付けられるように構成されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  22. 請求項21において、前記所定の方向に沿って前記ハウジングボックス(10)の内側に向かう前記第2のリング(311)の移動を防止するため、前記第2のリング(311)に作用する前記少なくとも1つの軸受(31)の第2のリング(311)の第3の固定手段を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  23. 請求項22において、前記第3の固定手段が、前記第2のリング(311)のための前記当接面(177)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  24. 請求項1〜23の何れか一項において、前記シャフト(2)が、前記第1および第2の端部(4、3)の直径よりも大きい直径を有する中央本体部(5)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  25. 請求項5または15において、前記溝による結合が、前記長手軸心X−Xと平行に延びる結合要素(400)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  26. 請求項25において、前記結合要素(400)が、つながった曲面によって形成される複数の尾根および複数の溝を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  27. 請求項26において、シャフトに形成された溝が、先細りの軸心方向内側部分(401)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  28. 請求項1〜27の何れか一項において、前記シャフト(2)が、第1の素材層、および前記第1の素材層と別個でありかつ前記第1の素材層を覆っている少なくとも1つの第2の素材層を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  29. 請求項28において、前記第1および少なくとも1つの第2の素材層が、同じ材料から作られているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  30. 請求項1〜29の何れか一項において、それぞれの軸受(31、41)を外部の環境から保護するように構成され、それぞれのアダプタ(132、142)と前記シャフト(2)との間で機能するように配置された少なくとも1つの第1のガスケット(260)、および
    前記軸受(31)をハウジングボックス(10)の内部から保護するように構成され、前記アダプタ(132)と前記シャフト(2)との間で機能するように配置された少なくとも1つの第2のガスケット(270)
    をさらに有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  31. 長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有するととともに、クランク・アーム(30、40)との結合のための少なくとも1つの端部(3、4)を有しているシャフト(2)と、
    シャフトの前記端部(4)との結合のため、長手軸心X−Xを前記所定の方向に沿って延伸させて有する孔(43)を有している少なくとも1つのクランク・アーム(40)と、を有しており、
    シャフトの前記端部(4)および前記結合孔(43)が、一致する形状のそれぞれの結合用外形(400)を有している自転車のクランク・アーム・アセンブリ(1)であって、
    前記結合用外形(400)が、前記長手軸心X−Xと平行に延びるそれぞれの結合要素によって形成されていることを特徴とするクランク・アーム・アセンブリ(1)。
  32. 請求項31において、前記結合用外形(400)が、溝付きの外形であり、前記結合要素が、シャフトの前記端部(4)および前記クランク・アーム(40)の前記結合孔(43)に形成された複数の尾根および複数の溝を有しているクランク・アーム・アセンブリ(1)。
  33. 請求項32において、前記尾根および溝が、つながった曲面によって形成されているクランク・アーム・アセンブリ(1)。
  34. 請求項32または33において、シャフト(2)に形成された溝が、先細りの軸心方向内側部分(401)を有しているクランク・アーム・アセンブリ(1)。
  35. 長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有する本体を有しており、該本体がクランク・アーム(30、40)との結合のための端部(3、4)を有している自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのためのシャフト(2)であって、
    シャフトの前記端部(3、4)が、前記長手軸心X−Xと平行に延びる結合要素によって形成される結合用外形(400)を有していることを特徴とするシャフト(2)。
  36. 自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのシャフト(2)との結合のための孔(43)を有する本体を有しており、前記結合孔(43)が所定の方向に沿って延びる長手軸心X−Xを有している自転車のクランク・アーム(30、40)であって、
    前記結合孔(43)が、前記長手軸心X−Xと平行に延びる結合要素によって形成される結合用外形(400)を有していることを特徴とする自転車のクランク・アーム。
  37. 長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有する第1の本体を有しており、該第1の本体が第1の素材層を有している自転車のボトム・ブラケット・アセンブリのためのシャフト(2)であって、
    前記第1の素材層と別個でありかつ前記第1の素材層を覆っている少なくとも1つの第2の素材層を有していることを特徴とするシャフト。
  38. 請求項37において、前記第1および少なくとも1つの第2の素材層が、同じ材料から作られているシャフト(2)。
  39. 請求項37または38において、前記第1の本体が実質的に円筒形であり、前記少なくとも1つの第2の素材層が、前記第1の本体の外側に同軸に配置された少なくとも1つの第2の実質的に円筒形の本体を形成しているシャフト(2)。
  40. 自転車のボトム・ブラケット・アセンブリ(1)であって、
    長手軸心X−Xを所定の方向に沿って延伸させて有しているシャフト(2)と、
    前記シャフトの端部(3、4)が挿入された少なくとも1つの軸受(31、41)と、
    前記少なくとも1つの軸受(31、41)に結合され、自転車のフレームにある当該ボトム・ブラケット・アセンブリのハウジングボックス(10)に組み合わせられるように構成されているアダプタ(132、142)と、
    前記少なくとも1つの軸受(31、41)を外部の環境から保護するように構成され、前記アダプタ(132、142)と前記シャフト(2)との間で機能するように配置される第1のガスケット(260)と、
    を有しており、
    さらに、前記少なくとも1つの軸受(31、41)をハウジングボックス(10)の内側から保護するように構成され、前記アダプタ(132、142)と前記シャフト(2)との間で機能するように配置される第2のガスケット(270)を有していることを特徴とするボトム・ブラケット・アセンブリ。
  41. 請求項40において、前記第1および第2のガスケット(260、270)が、前記少なくとも1つの軸受(31、41)に対して両側に配置されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  42. 請求項40または41において、前記第1のガスケット(260)が、弾性材料から作られた第1の環状の部材(264)に組み合わせられた第1の剛性のリング(262)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  43. 請求項42において、前記第1の環状の部材(264)が、前記アダプタ(132)の直径よりもわずかに小さい直径を有する半径方向外側の自由端、および前記シャフト(2)に接する半径方向内側の自由端を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  44. 請求項43において、前記第1の環状の部材(264)の前記半径方向内側の自由端が、前記シャフト(2)に形成された環状の座(265)に収容されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  45. 請求項40〜44の何れか一項において、前記第1の環状の部材(264)が、クランク・アームの前壁に当接して協働するように構成された環状の突起を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  46. 請求項44または45において、前記第1の環状の部材(264)が、前記第1の剛性のリング(262)の上に位置するフィン(266)を前記半径方向外側の自由端に有するとともに、縁部(268)を前記半径方向内側の自由端に有しており、前記第1の剛性のリング(262)が、前記縁部(268)によって支持されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  47. 請求項40〜46の何れか一項において、前記第2のガスケット(270)が、弾性材料から作られた第2の環状の部材(274)に組み合わせられた第2の剛性のリング(272)を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  48. 請求項47において、前記第2の環状の部材(274)が、前記アダプタ(132)に接する半径方向外側の自由端、および前記シャフト(2)の直径よりもわずかに大きい直径を有する半径方向内側の自由端を有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  49. 請求項48において、前記第2の環状の部材(274)の半径方向外側の自由端が、前記アダプタ(132)に形成された環状の座(276)に収容されているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
  50. 請求項47〜49の何れか一項において、前記第2の環状の部材(274)が、前記第2の環状の部材(274)の半径方向外側の自由端に、前記第2の剛性のリング(272)を少なくとも部分的に覆うシースを有しているボトム・ブラケット・アセンブリ(1)。
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