JP2007217897A - 建具および建具枠材の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建具は、建具枠材および障子を備える。建具枠材の下枠1は、障子に向かって突出するレール2を有する。障子は、上框、下框、縦框3を四周枠組みし、枠内にパネル材を設けて構成される。障子の縦框3は、レール2で案内される傾斜部38と、傾斜部38に連続して設けられてレール2が収容される突片収容部37とを有する。建具枠材に対して障子の位置がずれていても、レール2に傾斜部38が当接すれば、障子の位置が自動的に調整され、障子の位置合わせを容易に行うことができる。
【選択図】図1
Description
例えば、引違い戸や引違い窓では、障子をけんどん方式で建具枠材内に組み込み、その障子の戸車を建具枠材の下枠に突設されたレール上に配置している(例えば特許文献1参照)。
さらに、建物躯体や浴室ユニットの床パン等の突片を有する被取付部材に、窓枠等の建具枠材を取り付ける場合も、被取付部材の突片に対して下枠等の建具枠材を正しい位置に配置する必要があり、同様の問題があった。
また、本発明の目的は、被取付部材に対して建具枠材を取り付ける際に、建具枠材の位置合わせを容易に行うことができる建具枠材の取付構造を提供することにある。
また、縦框の下端部や上端部を加工するだけで傾斜部や突片収容部を形成できるため、傾斜部や突片収容部を容易にかつ低コストで形成できる。
また、上框や下框に傾斜部を形成しているので、各框の全長に渡って傾斜部を形成することができる。このため、突片が当接する傾斜部の面積を大きくでき、突片の一部のみに傾斜部が当接する場合に比べて突片に加わる力を分散でき、障子をスムーズに案内できる。
障子の見込み方向に溝を挟んで2つの傾斜部を設けたので、突片に対して障子が室内外のいずれの方向にずれていても障子の位置を容易に調整できる。
さらに、突片収容部の下端高さ位置が、戸車の突片案内部の下端高さ位置よりも下方に設けられているため、突片が戸車に当接する前に、突片と戸車の障子見込み方向の位置を合わせることができる。このため、戸車に脱落防止用のフランジが形成されている場合でも、このフランジに突片がぶつかってしまうことを防止でき、突片を戸車の突片案内部に確実に当接させることができる。その上、建具枠材および障子間にシール材が設けられている場合、シール材に無理な力が加わることを軽減でき、シール材の破損を防止できて安定した水密・気密性能を得ることができる。
建具枠材の見込み方向に溝を挟んで2つの傾斜部を設ければ、突片に対して障子が室内外のいずれの方向にずれていても障子の位置を容易に調整できる。
本発明の第1実施形態に係る建具である引戸について説明する。
引戸は、建物開口内に設けられる建具枠材と、この建具枠材内に組み込まれる障子(可動障子)とを備えて構成される。
建具枠材は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして構成される。
障子は、上框、下框および左右の縦框を四周枠組みし、この枠内にパネル材を組み込んで構成される。
中空本体部31は、障子の見込み方向(室内外方向)に沿って配置された2つの鉛直な連結壁部34,35を備えている。
中空本体部41は、障子の見込み方向に沿って配置された3つの水平な連結壁部44,45,46を備えている。
連結壁部45には、ビスホール47が一体に形成されている。
なお、パネル材支持片32の先端部は、ガスケットなどを保持するために内側に折り返されているが、下框4が設けられる縦框3の下端部においては折り返し部分は切り欠かれており、この切欠部を介してパネル材支持片32内に下框4が挿入されている。
また、溝36の下部側つまり突片収容部37に連続する部分は下方に向かうにしたがって開口幅寸法が大きくなるように傾斜されており、この部分によって傾斜部38が形成されている。
そして、前記傾斜部38は、各突出部341,342の溝36に面した端面にそれぞれ形成されている。すなわち、各傾斜部38は、溝36を挟んで障子の見込み方向に対向して形成されている。各傾斜部38は、下方つまり溝36の開口に向かうにしたがって互いに離れる向きに傾斜されている。従って、各傾斜部38間に設けられる溝36は、その幅寸法が下方に向かうにしたがって大きくされている。
但し、溝36の下端開口幅寸法は、下框4の突出片43間の寸法以下とされている。また、溝36下端の開口位置つまり各傾斜部38の下端の室内外方向(障子見込み方向)の位置は、突出片43間あるいは突出片43の互いに対向する端縁と一致する位置となるように形成されている。
突片収容部37は、その障子見込み方向の位置が、戸車5のレール案内部(突片案内部)5Aの位置に合わせて、つまり戸車5の脱落防止フランジ5B間に位置するように形成されている。
また、突片収容部37の上端の高さ位置は、前記戸車5のレール案内部5Aの下端位置よりも上方に配置されている。これにより、戸車5は、突片収容部37に配置されたレール2上に確実に配置されるように構成されている。
さらに、突片収容部37の下端つまり各傾斜部38の上端の高さ位置は、前記戸車5のレール案内部5Aの下端位置よりも下方に配置されている。これにより、戸車5がレール2上に載置される前、レール2から所定距離上方に戸車5が配置されている状態でも、レール2に対する下框4や戸車5の室内外方向の位置は正しい位置に調整される。
すなわち、障子の上框を上枠内に入れて障子を上方に持ち上げ、障子の下框4を下枠1の上方に配置する。次に、障子を下げて、レール2上に戸車5を配置する。
なお、障子を下げる際に、レール2と戸車5の室内外方向の位置がずれていても、図1(A)に示すように、レール2をいずれかの傾斜部38に当接させれば、障子を下げるにしたがって、傾斜部38がレール2に案内されることで、障子の下框4は、レール2と戸車5の室内外方向の位置が一致する状態に自動的に調整される。従って、突片収容部37に移動したレール2に戸車5が確実に載置され、障子を建具枠材に対して正しい位置に容易に配置される。
(1)縦框3に傾斜部38を形成し、この傾斜部38間にレール2が案内される溝36を設けたので、障子を建具枠材内に組み込む際に、下枠1に対する下框4の位置がずれていても、障子を下げるにしたがって自動的に下框4の位置を調整することができる。
このため、レール2上に戸車5を正確にかつ容易に配置でき、障子の取付作業を効率化できる。
すなわち、下框4に傾斜部38等を形成する場合、下框4を押出成形する金型自体を改良する必要があり、初期コストが嵩むことになる。
これに対し、本実施形態では、縦框3の連結壁部34の下端を打ち抜き加工などを行うだけで傾斜部38や突片収容部37を形成でき、さらに下框4は一般的な形状のものを流用できるので、容易にかつ低コストで形成できる。
第2実施形態の建具は、図3に示すように、縦框3A側ではなく下框4A側に傾斜部38および突片収容部37を形成したものである。
各突出部431,432は中空筒形状とされ、突出部431,432間に溝36が形成されている。
すなわち、突片収容部37は、突出部431,432において傾斜部38に連続して設けられた鉛直部371と、この鉛直部371の上端間の連結壁部46によって構成される上端部372とによって区画形成されている。
また、突片収容部37の戸車5に対する位置関係(室内外方向位置および上端位置、下端位置)は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
また、溝345の上端高さ位置は、前記第1実施形態の溝36と同様に、戸車5のレール案内部5A下端よりも高くされ、レール2が溝345の上端に当接することなく戸車5を案内できるようにされている。
なお、連結壁部35の下端部も、溝345と同一あるいはそれ以上に大きな溝が形成され、レール2が傾斜部38に案内されることを阻害しないように構成されている。
さらに、(7)前記第1実施形態では、縦框3に傾斜部38や突片収容部37を形成していたが、第2実施形態では、例えば、下框4Aを押出成形する際に、前記突出部431,432を下框4Aの全長に渡って形成できるため、レール2に当接する傾斜部38の面積が大きくなり、レール2に加わる力を分散でき、障子の位置をスムーズに調整できる。
第3実施形態の建具は、図4に示すように、下框4Bの各突出部431,432のうち、第2突出部432のみに傾斜部38を設け、第1突出部431は鉛直部371のみを設けた点が第2実施形態と相違する。
さらに、この相違により、縦框3Aの溝345の幅寸法および形成位置が第1突出部431の鉛直部371の下端と、第2突出部432の傾斜部38の下端間の幅寸法および形成位置に合わせて設定されており、第2実施形態の溝345に比べて幅寸法が小さくされている点が第2実施形態と相違する。
さらに、(8)傾斜部38によるレール2に対する障子の調整量は、前記第1,2実施形態に比べて小さくなるが、その分、溝36内にレール2が配置された際には、レール2に対する障子の位置ずれ量も小さくなるため、シール材に加わる力を軽減できる。
例えば、第1実施形態のように、縦框3の連結壁部34に傾斜部38および突片収容部37を設ける際に、各突出部341,342に傾斜部38を設けるのではなく、前記第3実施形態と同様に、各突出部341,342のいずれか一方の突出部のみに傾斜部38を設けてもよい。
なお、本変形例や第3実施形態のように、一方の突出部のみに傾斜部38を設ける場合、溝36の室外側あるいは室内側のいずれの突出部341,342に設けてもよいが、通常は、けんどん方式で障子を組み込む際に、障子の移動方向側の突出部342に設けることが取付作業性を向上できる点で好ましい。
さらに、突片収容部37の下端高さ位置は、戸車5のレール案内部5Aの下端と同一の高さ位置に設けてもよい。
すなわち、図5,6に示すように、建物開口に設けられる建具枠材の下枠101に、上方に向かってレール(突片)102を突設し、この下枠101に障子の下框104を取り付けるものでもよい。
いずれの場合も、前記各実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
すなわち、建具枠材である下枠211には、前記実施形態や変形例と同様に突片収容部37および傾斜部38が形成されている。また、図8の下枠211には、引戸あるいは折れ戸の障子221を案内するレール212が形成されている。
従って、本発明によれば、ドア枠や窓枠を浴室ユニットの床パンや建物躯体に取り付ける際に、下枠や上枠等の建具枠材を床パンや建物躯体などの突片が形成された被取付部材に正確にかつ容易に取り付けることができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 建具枠材と、この建具枠材内に組み込まれる障子とを備える建具であって、
前記建具枠材は、障子に向かって突出する突片を有し、
前記障子は、上框、下框および縦框を四周枠組みし、その枠内にパネル材を設けて構成され、前記障子の縦框は、前記突片で案内される傾斜部と、前記傾斜部に連続して設けられて前記突片が収容される突片収容部とを有することを特徴とする建具。 - 建具枠材と、この建具枠材内に組み込まれる障子とを備える建具であって、
前記建具枠材は、障子に向かって突出する突片を有し、
前記障子は、上框、下框および縦框を四周枠組みし、その枠内にパネル材を設けて構成され、前記障子の上框および下框の少なくとも一方は、前記突片で案内される傾斜部と、前記傾斜部に連続して設けられて前記突片が収容される突片収容部とを有することを特徴とする建具。 - 前記傾斜部は、障子の見込み方向に溝を挟んで対向して形成された2つの傾斜部を備えており、各傾斜部は溝の開口に向かうにしたがって互いに離れる向きに傾斜されている請求項1または請求項2に記載の建具。
- 前記建具枠材は、前記突片が上方に向かって突設された下枠を備えて構成され、
前記障子は、前記下枠の突片上を転動する戸車を備え、
前記突片収容部は、その障子見込み方向の形成位置が、前記戸車の突片案内部の位置に合わせて形成され、かつ、突片収容部の下端高さ位置は、前記戸車の突片案内部の下端高さ位置よりも下方に設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。 - 被取付部材に建具枠材を取り付ける建具枠材の取付構造であって、
前記被取付部材は、建具枠材に向かって突出する突片を有し、
前記建具枠材は、前記突片で案内される傾斜部と、前記傾斜部に連続して設けられて前記突片が収容される突片収容部とを有することを特徴とする建具枠材の取付構造。
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