JP2007211054A - 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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【課題】耐老化性が長期に渡って優れたゴム組成物と、それを用いたタイヤと、そのゴム成分として好適な変性天然ゴムを提供する。
【解決手段】天然ゴムの分子鎖に、式(I):
Figure 2007211054

[R1はアリールアミノ基等、R2は単結合等]又は式(II):
Figure 2007211054

[R3はアルキル基等、R4はヒドロキシル基等、R5は単結合等]で表される化合物を付加させてなる変性天然ゴム。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性天然ゴム及びその製造方法、並びに該変性天然ゴムを用いたゴム組成物及びタイヤに関し、特にゴム組成物の耐老化性を長期に渡って向上させることが可能な変性天然ゴムに関するものである。
一般に、天然ゴムを原料としたゴム物品は、大気下で老化が進行し、表面に亀裂が発生したり、性能が低下してしまう。例えば、タイヤの場合は、長期間使用しているうちに、大気に触れるサイドウォールの外表面等に亀裂が発生して、外観が損なわれたり、耐久性が低下する等の問題が生じる。これに対し、タイヤ等のゴム物品の老化を抑制するため、即ち、耐老化性を向上させるために、天然ゴムに対して老化防止剤を配合したゴム組成物が使用されることが多い。
しかしながら、老化防止剤は、長期間の使用に伴い析出・流亡してしまうため、経時的にその効果が薄れていくといった問題を有している。そのため、現在、天然ゴムを原料としたゴム物品の耐老化性を長期に渡って高いレベルに維持するために、耐老化性が長期に渡って良好なゴム組成物の開発が求められている。
特開2000−63566号公報 特開2005−232421号公報
そこで、本発明の目的は、耐老化性が長期に渡って優れたゴム組成物と、該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物のゴム成分として好適な変性天然ゴム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、天然ゴムの主鎖中に老化防止作用を有する特定構造の化合物を導入することで、天然ゴム自体の耐老化性を向上させると共に、使用中の析出・流亡を防止でき、また、こうして得られた変性天然ゴムをゴム組成物のゴム成分として使用することで、該ゴム組成物を用いたゴム物品を長期に渡って使用しても、使用中に老化防止作用を有する化合物が析出・流亡することがないため、ゴム物品の耐老化性を長期に渡って高いレベルに維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の変性天然ゴムは、天然ゴムの分子鎖に、下記一般式(I):
Figure 2007211054

[式中、R1は、アリールアミノ基、アリール基、アリールスルホニルアミノ基、アルキル基、又はアリールアルキル基であり、R2は、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基である]又は下記一般式(II):
Figure 2007211054

[式中、R3は、アルキル基、又はヒドロキシアリール基であり、R4は、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアリール基、又はヒドロキシアリールアルキル基であり、R5は、単結合、又はアルキレン基である]で表される化合物を付加させてなることを特徴とする。
本発明の変性天然ゴムの好適例においては、前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の付加量が、前記天然ゴムの0.01〜6.0質量%である。
また、本発明の変性天然ゴムの第1の製造方法は、天然ゴムラテックスに前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加反応させ、更に凝固及び乾燥することを特徴とする。
更に、本発明の変性天然ゴムの第2の製造方法は、天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴムに前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、機械的せん断力を与えて、該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴム中の天然ゴム分子に付加反応させることを特徴とする。
また更に、本発明のゴム組成物は、上記の変性天然ゴムを用いたことを特徴とし、本発明のタイヤは、該ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とする。
本発明によれば、天然ゴムの分子鎖に上記一般式(I)又は一般式(II)で表されるメルカプト化合物を付加させて得た変性天然ゴムを含み、耐老化性が長期に渡って優れたゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。また、かかるゴム組成物のゴム成分として好適な変性天然ゴム及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の変性天然ゴムは、天然ゴムの分子鎖に、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を付加させてなることを特徴とし、本発明のゴム組成物は、上記変性天然ゴムを用いたことを特徴とし、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とする。
本発明の変性天然ゴムは、老化防止作用を有する上記一般式(I)又は一般式(II)で表されるメルカプト化合物を天然ゴムの分子鎖に付加させてなるため、耐老化性が高い。そして、本発明のゴム組成物は、優れた耐老化性を有する上記変性天然ゴムを含むため、耐老化性が高く、また、老化防止作用を有する上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物が天然ゴムの分子鎖に付加しているため、使用中に析出・流亡することがなく、長期に渡って耐老化性が維持されている。更に、本発明のタイヤは、かかるゴム組成物が使用されているため、長期に渡って耐老化性に優れ、高い耐久性を有する。
上記一般式(I)において、R1は、アリールアミノ基、アリール基、アリールスルホニルアミノ基、アルキル基、又はアリールアルキル基(アラルキル基)である。ここで、アリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等が挙げられる。また、上記一般式(I)において、R2は、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基である。
上記一般式(II)において、R3は、アルキル基、又はヒドロキシアリール基であり、R4は、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアリール基、又はヒドロキシアリールアルキル基である。ここで、アルキル基としては、tert-ブチル基、tert-アミル基、メチル基等が挙げられる。また、上記一般式(II)において、R5は、単結合、又はアルキレン基である。
上記一般式(I)で表される化合物として、具体的には、N-フェニル-N'-メルカプト-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチル-4-メルカプトブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-ナフチル-N'-メルカプト-p-フェニレンジアミン、更には、下記化学式(Ia)、化学式(Ib)又は化学式(Ic):
Figure 2007211054

で表される化合物等が挙げられる。また、上記一般式(II)で表される化合物として、具体的には、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メルカプトフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルメルカプトフェノール、更には、下記化学式(IIa)、化学式(IIb)又化学式(IIc):
Figure 2007211054

で表される化合物等が挙げられる。なお、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合せて使用してもよい。
本発明の変性天然ゴムにおいて、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の付加量は、天然ゴムの0.01〜6.0質量%であることが好ましく、0.01〜4.0質量%であることが更に好ましい。上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の付加量が0.01質量%未満では、ゴム組成物の耐老化性を十分に改良できないことがある。また、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の付加量が6.0質量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を大きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた物理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の加工性が大幅に悪化するおそれがある。
本発明の変性天然ゴムは、例えば、(1)天然ゴムラテックスに上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加反応させ、更に凝固及び乾燥することで製造することができる。
ここで、上記変性天然ゴムの原料として用いる天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、及びこれらを組み合せたもの等を用いることができる。
上記(1)の方法においては、一般に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を加え、所定の温度で撹拌することで、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子の主鎖の二重結合に付加反応させる。なお、上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の天然ゴムラテックスヘの添加においては、予め天然ゴムラテックス中に乳化剤を加えてもよいし、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を乳化剤で乳化した後に天然ゴムラテックスに加えてもよい。また、必要に応じて、更に有機過酸化物を添加することもできる。なお、天然ゴムラテックス及び/又は一般式(I)若しくは一般式(II)で表される化合物の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
変性天然ゴムラテックスから得られる変性天然ゴムを用いたゴム組成物の加工性を低下させることなく耐老化性を向上させるには、各天然ゴム分子に上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記変性反応は、撹拌しながら行うことが好ましく、例えば、天然ゴムラテックス及び一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物等の上記成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜24時間反応させることで、天然ゴム分子に上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物が付加した変性天然ゴムラテックスが得られる。また、該変性天然ゴムラテックスを凝固させ、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することで変性天然ゴムが得られる。ここで、変性天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
また、本発明の変性天然ゴムは、例えば、(2)天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴムに上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、機械的せん断力を与えて該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴム中の天然ゴム分子に付加反応させることでも製造することができる。
上記(2)の方法においては、乾燥後の各種固形天然ゴム、各種天然ゴムラテックス凝固物(アンスモークドシートを包含する)を用いることができ、これら天然ゴム原材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。この場合、純度の高い天然ゴムラテックスを用いる必要がないため、比較的安価に変性天然ゴムを製造することができる。
上記天然ゴム原材料と一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物との混合物に機械的せん断力を与える手段としては、二軸押出混練装置及びドライプリブレーカーが好ましい。例えば、上記機械的せん断力を与えられる装置内に天然ゴム原材料及び一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を投入し、必要に応じて有機過酸化物等を更に投入して、機械的せん断力を与えることで、天然ゴム原材料中の天然ゴム分子の主鎖の二重結合に上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を付加反応させることができる。なお、この際、天然ゴム分子の変性反応を加温して行ってもよく、好ましくは30〜160℃、より好ましくは50〜130℃の温度で行うことで、十分な付加効率で変性天然ゴムを得ることができる。
本発明のゴム組成物は、上記変性天然ゴムを用いたことを特徴とし、更に充填剤を含有することが好ましい。ここで、充填剤の配合量は、特に限定されるものではないが、上記変性天然ゴム100質量部に対して5〜100質量部の範囲が好ましく、10〜70質量部の範囲が更に好ましい。充填剤の配合量が5質量部未満では、充分な補強性が得られない場合があり、100質量部を超えると、加工性が悪化する場合がある。
本発明のゴム組成物に用いる充填剤としては、カーボンブラック及び無機充填剤が挙げられ、ここで、無機充填剤としては、シリカ及び下記式(III):
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (III)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら充填剤は、一種単独で用いてもよし、二種以上を混合して用いてもよい。
上記カーボンブラックとしては、GPF,FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのもの等が挙げられ、また、上記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。更に、上記式(III)の無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物には、上記変性天然ゴム、充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。本発明のゴム組成物は、変性天然ゴムに、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とし、ここで、タイヤ部材としては、サイドウォールが好ましい。上記ゴム組成物をサイドウォールに用いたタイヤは、耐老化性に優れ、耐久性が高いと共に、長期に渡って良好な外観を維持することができる。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<製造例1>
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスに水を添加して、乾燥ゴム濃度30%のラテックスを得た。このラテックス2000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN-フェニル-N'-メルカプト-p-フェニレンジアミン 6.0gに加えて乳化したものを添加し、撹拌しながら60℃で8時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(凝固及び乾燥工程)
次に、上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。また、得られた変性天然ゴムAにおけるN-フェニル-N'-メルカプト-p-フェニレンジアミンの付加量を熱分解ガスクロマトグラフ−質量分析計を用いて分析したところ、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.72質量%であった。
<製造例2>
N-フェニル-N'-メルカプト-p-フェニレンジアミン 6.0gの代わりに2,6-ジ-tert-ブチル-4-メルカプトフェノール 6.0gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムBにおける2,6-ジ-tert-ブチル-4-メルカプトフェノールの付加量を分析したところ、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.69質量%であった。
<製造例3>
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムCを調製した。
次に、プラストミルで混練して表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物に対して、下記の方法で引張試験を行った。結果を表1に示す。
(1)引張試験
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)、切断時伸び(Eb)及び300%伸長時の引張応力(M300)を測定した。また、上記加硫ゴムを100℃、60時間の老化条件で熱劣化させたサンプルに対しても、同様に引張試験を行った。
Figure 2007211054
*1 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
実施例1と比較例1、並びに実施例2と比較例2との比較から、配合時に天然ゴムに上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加して調製したゴム組成物よりも、天然ゴムの分子鎖に上記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を付加させて得た変性天然ゴムを含むゴム組成物の方が、熱劣化による物性の低下が小さく、耐老化性に優れることが確認された。

Claims (6)

  1. 天然ゴムの分子鎖に、下記一般式(I):
    Figure 2007211054

    [式中、R1は、アリールアミノ基、アリール基、アリールスルホニルアミノ基、アルキル基、又はアリールアルキル基であり、R2は、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基である]又は下記一般式(II):
    Figure 2007211054

    [式中、R3は、アルキル基、又はヒドロキシアリール基であり、R4は、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアリール基、又はヒドロキシアリールアルキル基であり、R5は、単結合、又はアルキレン基である]で表される化合物を付加させてなる変性天然ゴム。
  2. 前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の付加量が、前記天然ゴムの0.01〜6.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の変性天然ゴム。
  3. 天然ゴムラテックスに前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加反応させ、更に凝固及び乾燥することを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
  4. 天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴムに前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を添加し、機械的せん断力を与えて該一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を天然ゴムラテックスの凝固物又は乾燥天然ゴム中の天然ゴム分子に付加反応させることを特徴とする変性天然ゴムの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の変性天然ゴムを用いたゴム組成物。
  6. 請求項5に記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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