JP6417318B2 - ゴム組成物の製造方法及びゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物の製造方法及びゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法及びそれにより製造したゴム組成物に関する。
天然ゴムは、製造・貯蔵・輸送される間に粘度が上昇(ゲル化)する。この原因として、イソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基等)が天然ゴム中のタンパク質やアミノ酸等と反応することによって架橋してゲル化が起こるとされているが、そのメカニズムは、はっきりと解明されていはいない。
このゲル化により、天然ゴムの加工性や、配合剤と配合してゴム組成物とした際にカーボンブラック分散性等の物性が低下するという問題が生じる。これらの問題を解消するために、混練工程の前に、せん断力でゴムの分子凝集をほぐし分子鎖を切断する素練り工程を行って、天然ゴム中に生成したゲルを釈解させることが行われている。素練り工程は、通常、混練機と別の素練り機を用いるか、又は素練り工程後に天然ゴムを一旦取り出して混練工程のために再度混練機に投入するという1以上の段階によって、配合剤の分散性を高める目的で行われる混練工程の予備練り段階よりも長時間練りが行われる。あるいは、生産時に天然ゴムに恒粘度剤を添加して粘度上昇を抑制した恒粘度天然ゴムを用いることが行われている。例えば、特許文献1には、天然ゴムに特定のヒドラジド化合物を添加して恒粘度天然ゴムを製造することが記載されている。
特開平6−256570号公報
しかしながら、素練り工程を行う場合には、上述のように、混練工程のみの場合と比べて1以上の段階が余分に存在し、また混練工程の予備練り段階よりも時間をかけて練りを行うため、生産効率の低下やCO2排出量及び消費エネルギーの増加が問題となる。他方、恒粘度天然ゴムを用いる場合には、充分な供給量の恒粘度天然ゴムを確保することが難しいことや、製造コストが高くつくことが問題となる。そこで、素練り工程を行わず恒粘度天然ゴムも用いずに、消費エネルギーを抑えつつ、天然ゴムの加工性を改良し、配合剤と配合してゴム組成物とした際のカーボンブラック分散性等の物性を良好にするゴム組成物の製造方法が必要となる。
本発明者らは、天然ゴムを含むゴム成分に混練工程のうちの特定段階で特定のヒドラジド化合物を添加して混練することにより、素練り工程を行わず恒粘度天然ゴムも用いずに、消費エネルギーを抑えつつ、天然ゴムの加工性を改良し、良好なカーボンブラック分散性を有するゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、天然ゴムを含むゴム成分(A)と、無機充填材及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種の充填材(B)と、下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)とを含むゴム組成物の製造方法であって、混練工程を任意の予備練り段階と複数段階の混練とで行い、該ヒドラジド化合物(C)を予備練り段階及び/又は混練の第一段階で加えて混練することを特徴とする。
R−CONHNH2 ・・・(I)
(式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、又はアリール基を示す。)
本発明の製造方法では、前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)のR基が、炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記混練の最終段階で、老化防止剤の一部または全部を加えて混練することが好ましい。
本発明の製造方法では、前記予備練り段階で、前記ヒドラジド化合物(C)を加えて混練することが好ましい。
本発明の製造方法では、前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)がプロピオン酸ヒドラジドであるのがより好ましい。
本発明の製造方法では、更に、前記充填材(B)が40〜250m2/gの窒素吸着比表面積(N2SA)若しくは20〜200mL/100gのDBP吸収量を有するカーボンブラックであることが好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、上記製造方法で製造したことを特徴とする。
本発明により、素練り工程を行わず恒粘度天然ゴムも用いずに、消費エネルギーを抑えつつ、天然ゴムの加工性を改良し、良好なカーボンブラック分散性を有するゴム組成物の製造方法を提供することができる。また、その製造方法によって、良好な未加硫粘度及びカーボンブラック分散性を有するゴム組成物も提供することができる。
本発明のゴム成分(A)は、天然ゴムを含むものである。本発明の製造方法に用いる天然ゴムは、天然ゴムラテックスを凝固させた固形天然ゴム(生ゴム)であり、技術的格付ゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、クレープ、低級ゴム、へベアクラム、油展天然ゴム等が挙げられる。これらの天然ゴムのうち、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。ゴム成分(A)中の天然ゴム分のうち、主鎖、側鎖及び末端のうちのいずれか又はそれらの2以上をいずれかの官能基で修飾及び/又は変性剤で変性した天然ゴムを一部又は全部として用いることもできる。本発明のゴム成分(A)に含まれる天然ゴムの割合は特に限定されず、ゴム成分(A)を天然ゴムのみで構成することもできる。
本発明のゴム成分(A)は、天然ゴム以外に合成ゴムを含むことができる。本発明のゴム成分(A)に含まれ得る合成ゴムの種類は特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、スルフィドゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらの合成ゴムは、主鎖、側鎖及び末端のうちのいずれか又はそれらの2以上をいずれかの官能基で修飾及び/又は変性剤で変性したものを一部又は全部として用いることもできる。
本発明は、カーボンブラック及び無機充填材から選ばれる少なくとも1種の充填材(B)を用いる。充填材(B)として用いることができるカーボンブラックの種類は、特に限定されず、例えば、SAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SRF、CF、FT、MTグレードのカーボンブラックが挙げられる。中でも、窒素吸着比表面積(N2SA)が40〜250m2/g若しくは、DBP吸収量が20〜200mL/100gであるものが好ましい。
本発明の充填材(B)として用いることができる無機充填材としては、シリカ及び一般式:mM・xSiOy・zH2O ・・・(II)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物等を挙げることができる。シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等を用いることができる。上記一般式(II)の無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。これら充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の充填材(B)の配合量は、特に限定されず、用いる充填材(B)及びゴム成分(A)の種類や組成によっても異なるが、ゴム成分(A)100重量部に対して5〜100重量部が好ましい。
本発明では、下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)を用いる。
R−CONHNH2 ・・・ (I)
(式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、又はアリール基を示す。)炭素数1〜30のアルキル基のヒドラジド化合物は、例えば、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、イソプロピオン酸ヒドラジド、ブタン酸ヒドラジド、イソブタン酸ヒドラジド、ペンタン酸ヒドラジド、イソペンタン酸ヒドラジド、ヘキサン酸ヒドラジド、イソヘキサン酸ヒドラジド、ヘプタン酸ヒドラジド、イソヘプタン酸ヒドラジド、オクタン酸ヒドラジド、2−エチルヘキサン酸ヒドラジド、ノナン酸ヒドラジド、デカン酸ヒドラジド、ウンデカン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド等が挙げられる。炭素数3〜30のシクロアルキル基のヒドラジド化合物としては、例えば、シクロプロピルヒドラジド、シクロヘキシルヒドラジド、シクロヘプチルヒドラジド等が挙げられる。アリール基のヒドラジド化合物は、置換基を有してもよく、例えば、フェニルヒドラジド(C65−CONHNH2)、o−,m−,p−トリルヒドラジド、p−メトキシフェニルヒドラジド、3,5−キシリルヒドラジド、1−ナフチルヒドラジド等が挙げられる。中でも、R基の炭素数が少ないもの、具体的にはR基が炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれる一般式(I)のヒドラジド化合物が好ましい。より好ましくは、プロピオン酸ヒドラジドである。一般式(I)のヒドラジド化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記一般式で表されるヒドラジド化合物は、公知物質であり、それらの製造方法も知られている。
ゴム組成物中における一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)の配合量は、天然ゴム100重量部に対して、0.001重量部以上であるのが好ましい。ヒドラジド化合物(C)の配合量が0.001重量部以上であれば、天然ゴムのゲル化防止効果を充分発揮することができる。使用する天然ゴムの種類及び使用するヒドラジド化合物の種類により上記ヒドラジド化合物の配合量は、若干変動する。好ましい範囲としては、0.1〜3.0重量部である。例えば、Rが炭素数1〜10の各ヒドラジド化合物では、配合量は0.1〜1.0重量部であることが好ましい。前記ヒドラジド化合物(C)の配合量がこの範囲内であると、ゴム組成物において物性(例えば、カーボンブラックのマクロ分散性、ヒステリシスロスなど)と加工性とのバランスが良好であるからである。
本発明の製造方法の混練工程は、任意の予備練り段階と複数段階の混練とで行う。混練工程は、充填材等の配合剤をゴム成分に混合分散させる工程である。予備練り段階は、混練工程を行う混練装置において、充填材等の配合剤との混練に先立ち、ゴム成分をほぐしておくために行うものである。本発明において、予備練り段階は、必要に応じて行っても行わなくてもよい任意の段階である。一方、混練とは、任意の予備練り段階に続き、ゴム成分に充填材等の配合剤を加えて練ることである。本発明において、混練の第一段階とは、ゴム成分(A)に充填材(B)を加えて混合分散させる混練の最初の段階を意味する。本発明の混練は、複数段階で行う、つまり、第一段階以外に、少なくとも1つの段階を有する。そのような第一段階以外の段階は、加硫剤(例えば、硫黄)のような他の配合剤を加えて混合分散させる段階等であってもよい。混練工程において、充填材(B)及びヒドラジド化合物(C)以外の他の配合剤を加えて混合分散させる段階は、特に限定しない。かかる他の配合剤の一部又は全部を、予備練り段階及び/又は混練の第一段階で加えて混合分散させても、混練の第二段階以降で加えて混合分散させてもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法では、一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)を予備練り段階及び/又は混練の第一段階で加える。つまり、ヒドラジド化合物(C)は、予備練り段階及び混練の第一段階の両方の段階で加えることもでき、予備練り段階又は混練の第一段階のいずれか一方の段階でのみ加えることもできる。ヒドラジド化合物(C)を予備練り段階及び/又は混練の第一段階で加えて練ると、ヒドラジド化合物(C)が天然ゴムのイソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基等)と充分に反応して、イソプレン鎖中の異種結合と天然ゴム中のタンパク質やアミノ酸との架橋反応が効果的に阻害されて、天然ゴムのゲル化が防止できるからである。
一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)は、予備練り段階で加えるのが好ましい。予備練り段階でヒドラジド化合物(C)を加えてゴム成分(A)と練ると、それに続く混練の第一段階で加える充填材(B)の分散性がより向上するからである。
予備練り段階は、70〜120℃の温度で15〜60秒間行う。混練の第一段階は、開始温度70〜120℃で30〜180秒間行う。混練の第二段階以降の段階は、加える配合剤の種類等に応じて開始温度や時間を適宜設定することができ、例えば加硫剤を加えて混合分散させる段階は、混練の第一段階より低温、例えば開始温度50〜90℃で30〜180秒間行う。
混練工程は、バッチ式で行っても連続式で行ってもよく、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ロール、ニーダー等の通常使用されているゴム混練機を用いて行うことができる。
本発明のゴム組成物の製造方法において、混練工程で、充填材(B)やヒドラジド化合物(C)以外のゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、加工助剤、充填材改質剤、粘着付与剤、発泡剤、着色剤等を目的に応じて適宜配合して混練することができる。これら配合剤のうち加硫剤以外のものを加える順序や段階は、上述した通り、混練の各段階のうち特に限定しない。また、これら配合剤は、市販品を使用することができる。
上記配合剤のうち、老化防止剤は、混練の最終段階で配合するのが好ましい。混練の予備練り段階や混練の最終段階より前の段階(例えば、第一段階)で配合した場合と比べ、得られたゴム組成物のヒステリシスロスの悪化を防ぐことができるからである。
このようにして混練工程を行ったゴム組成物に、目的に応じた成形工程、組立工程、加熱・加硫工程等を行って、所望のゴム製品を製造することができる。本発明の製造方法で製造したゴム組成物から、例えば、タイヤ、ベルト、ホース、履物、防振ゴム、ゴム部品等をはじめとする多種多様なゴム製品を製造することができる。
以下で実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
[ゴム組成物の調製及び評価]
ラボプラストミル(東洋精機社製)を用い、下記表1及び2に示す配合で、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。比較例1〜3では、開始温度90℃で2分間素練り工程を行った後に、混練工程を行った。実施例1〜26及び比較例4〜21では、素練り工程を行わず、混練工程のみ行った。混練工程では、任意の予備練り段階を開始温度90℃で30秒間、混練の第一段階を開始温度90℃で2分間、混練の最終段階(第二段階)を開始温度70℃で1分間行った。これら実施例及び比較例について、混練工程終了までに要した練りエネルギー、得られたゴム組成物の未加硫粘度、カーボンブラックのマクロ分散性及びヒステリシスロスを、下記の方法で評価した。
(1)練りエネルギー
ラボプラストミル(東洋精機社製)を用い、混練工程終了までの練りに要したトルク(仕事率)を測定し、その大きさを比較した。評価値は、比較例1の実測値を100として、実施例及び比較例の実測値を指数表示した。評価値(指数値)が小さいほど、混練工程終了までに要した練りエネルギーが少なく、製造方法全体のCO2排出量及び消費エネルギーを低減することができる。
(2)カーボンブラックのマクロ分散性
ISO 11345:2006に準拠して1〜10の値で評価したカーボンブラックの分散の程度をマクロ分散性として示した。評価値は、比較例1の値を100として、実施例及び比較例の値を指数表示した。評価値(指数値)が大きいほど、ゴム組成物中のカーボンブラックのマクロ分散性が高く、製品とした際の耐破壊性に優れる。
(3)未加硫粘度
JIS−K6300−1:2001に準拠し、ムーニー粘度計(モンサント社製RPA)でL型ローターを用い、130℃にて、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度[ML1+4(130℃)]を測定した。未加硫粘度の評価値は、比較例1の実測値を100として、実施例及び比較例の実測値を指数表示した。評価値(指数値)が小さいほど、未加硫ゴム組成物の流れ性が良く、加工性に優れる。
(4)ヒステリシスロス(tanδ)
ゴム組成物を145℃の金型温度にて33分間加硫することにより、加硫ゴムを得た。加硫ゴムから試験片を作製し、粘弾性測定装置(上島製作所製スペクトロメーター)を用いて、100℃、周波数52Hz、初期歪み10%、動歪1%の条件で、損失正接(tanδ)を測定した。評価値は、比較例1のtanδの数値を100として、実施例及び比較例のtanδを指数表示した。評価値が小さいほど、加硫ゴムのtanδ(ヒステリシスロス)の値が小さく、低ロス性、すなわち、低発熱性である。
Figure 0006417318
Figure 0006417318
表1及び2に示すように、素練り工程を行わずに本発明のヒドラジド化合物(C)を予備練り段階及び/又は混練の第一段階で加えて混練工程を行った実施例1〜26は、素練り工程を行った比較例1〜3と比較して、混練工程終了までに要する練りエネルギーを3割以上低減しただけでなく、同等以上に良好な未加硫粘度及びカーボンブラック分散性を有するゴム組成物を得ることができた。一方、素練り工程を行わず本発明のヒドラジド化合物(C)も加えなかった比較例4〜21のゴム組成物は、実施例1〜26と比較して、混練工程終了までに要した練りエネルギーが同等であったが、未加硫粘度が劣り、カーボンブラック分散性も非常に劣っていた。
本発明の製造方法により、素練り工程を行わず恒粘度天然ゴムも使用せずに、消費エネルギーを抑えつつ、天然ゴムの加工性を向上させることができ、良好なカーボンブラック分散性を有するゴム組成物を製造することができる。この本発明の製造方法により、素練り工程を具えた従来の製造方法と比べ、CO2排出量及び消費エネルギーを大幅に低減することができる。また、恒粘度天然ゴムを使用しないため、恒粘度天然ゴムの供給量不足に悩まされること無く製造コストも抑えることができる。更に、良好な未加硫粘度及びカーボンブラック分散性を有するゴム組成物並びにそれから製造した耐破壊性に優れたゴム製品を提供することができる。

Claims (6)

  1. 天然ゴムを含むゴム成分(A)と、無機充填材及びカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種の充填材(B)と、下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)とを含むゴム組成物の製造方法であって、混練工程を任意の予備練り段階と複数段階の混練とで行い、予備練り段階及び/又は混練の第一段階で該ヒドラジド化合物(C)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
    R−CONHNH ・・・(I)
    (式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、又はアリール基を示す。)
  2. 前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物(C)のR基が炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記混練の最終段階で、老化防止剤の一部または全部を加えて混練することを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記予備練り段階で、前記ヒドラジド化合物(C)を加えて混練することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記ヒドラジド化合物(C)がプロピオン酸ヒドラジドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記充填材(B)が40〜250m/gの窒素吸着比表面積若しくは20〜200mL/100gのDBP吸収量を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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