JP4810145B2 - 高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、航空機用タイヤやリニアモーターカー用タイヤ等の高内圧状態で高速・高荷重で使用される機会の多い空気入りラジアルタイヤに関し、特にビード部の耐久性が大幅に向上した高速高荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
一般に、航空機用ラジアルタイヤのような高速・高荷重で使用されるラジアルタイヤのビード部は、荷重直下位置においてリムフランジと接触する部分より上部(タイヤ半径方向外側の部分)が倒れこむ変形を受ける。この際、変形部分のカーカス最外層外側に接するゴムに大きな断面内せん断歪が生じる。上記タイヤが転動すると、上記せん断歪が繰り返し加わるため、ビード部のリムフランジ近傍のカーカス最外層外側においてセパレーション故障(以下、背面セパと呼ぶことがある)が発生する恐れがある。
そのため、上記カーカス最外層外側に接するゴムの断面内せん断歪を緩和するために、カーカス最外層外側に第2スティフナーゴムが配置されており、通常、該第2スティフナーゴムには、カーカスのコーティングゴムに比べて軟らかいゴムが使用されている。
また、上記第2スティフナーゴムには、特許第3529569号公報(特許文献1)に記載されているように、タイヤの耐久性を確保するために、低発熱性と耐熱性とを両立させたゴム組成物が適用されることがある。
特許第3529569号公報
ところで、昨今、高速高荷重用タイヤの軽量化要求が強まる一方で、高耐久化の要請も強く、特に、航空機やリニアモーターカーへの適用を考慮した場合、高速耐久性に優れる必要があるため、タイヤの低発熱性と耐久性とを更に改良する必要となってきた。
また、高速高荷重用タイヤは、非常に高内圧で使用されるため、リムフランジと高剛性のカーカスとの間に位置する第2スティフナーゴムが非常に大きな圧縮入力を受ける。この高内圧状態での圧縮入力は、タイヤの静止時でも常に静的にかかるため、第2スティフナーゴムが静的にクリープ変形する。即ち、圧縮入力を受けているゴムが、リムフランジの近傍部分からリムに接していない部分に流動する。また、このクリープ変形に伴い、第2スティフナーゴムの弾性率が上昇してしまう。第2スティフナーゴムの弾性率が上昇すると、第2スティフナーゴムの緩衝材としての効果が減少するため、カーカス最外層外側における荷重時の断面内せん断歪が増加し、その結果として、タイヤのリムフランジ近傍のカーカス最外層外側においてセパレーション(背面セパ)が発生しやすくなる。
更に、航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤは、摩耗したトレッド部を貼り代えて使用する更生使用が前提となるが、タイヤの耐久性の向上に伴う更生可能回数の増加及び耐摩耗性の向上により、タイヤの使用期間は増加する傾向にある。そのため、第2スティフナーゴムのクリープ変形は、ますます無視できないものとなりつつあり、その改良が強く求められている。
そこで、本発明の目的は、ビード部のカーカスのタイヤ軸方向外側面に沿って第2スティフナーゴムが配設された高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、第2スティフナーゴムの耐クリープ性、更には低発熱性及び耐破壊特性を改善して、ビード部の耐久性を大幅に向上させた高速高荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、上記第2スティフナーゴムに、特定の官能基を有する変性ブタジエン系ゴムと天然ゴムとを特定の割合で含むゴム成分に対して硫黄を特定の配合量で配合したゴム組成物を適用することで、第2スティフナーゴムの耐クリープ性、低発熱性及び耐破壊特性が改善され、その結果として、高速高荷重用空気入りラジアルタイヤのビード部の耐久性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部と、一対のサイド部と、トレッド部と、前記ビード部に各々埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部及び各ビードコアの周りで折り返された折り返し部からなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトと、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側において前記カーカスの本体部と折り返し部との間でタイヤ半径方向外向きに延びる第1スティフナーゴムと、前記ビード部において前記カーカスのタイヤ軸方向外側面に沿って配置された第2スティフナーゴムと、前記サイド部から前記ビード部の底辺に至るタイヤの外側面を形成するゴムチェーファーとを備えた高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記第2スティフナーゴムに、変性ブタジエン系ゴム10〜30質量%と天然ゴム90〜70質量%とを含むゴム成分100質量部に対して、硫黄0.5〜2質量部と、粒径が20〜45 nmで且つ臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)比表面積が40〜100 m 2 /gであるカーボンブラック25〜70質量部とを配合してなるゴム組成物を適用し、
前記変性ブタジエン系ゴムが、1,3-ブタジエンの単独重合体又は1,3-ブタジエンとアニオン重合可能なコモノマーとの共重合体であって、該(共)重合体中のコモノマーの結合量が10質量%以下で、且つ下記式(I):
Figure 0004810145
[式中、R1は、それぞれ独立して炭素数12以下のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である]で表される置換アミノ基、及び下記式(II):
Figure 0004810145
[式中、R2は、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノアルキレン基である]で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有することを特徴とする。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記変性ブタジエン系ゴムは、1,3-ブタジエン単位のビニル結合量が25%以下であることが好ましい。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記変性ブタジエン系ゴムが1,3-ブタジエンとアニオン重合可能なコモノマーとの共重合体であって、該コモノマーがスチレンである。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記変性ブタジエン系ゴムが変性ポリブタジエンである。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記変性ブタジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が-50℃以下であることが好ましい。
上記変性ブタジエン系ゴムにおいて、前記式(I)のR1としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基及びイソブチル基が好ましく、前記式(II)のR2としては、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基が好ましい。
上記変性ブタジエン系ゴムは、炭化水素溶媒中で1,3-ブタジエンを主体とする1種以上のアニオン重合可能モノマーの溶液を生じさせ、下記式(III):
(AM)Li(Q)a ・・・ (III)
[式中、aは0又は0.5〜3であり、Qは、炭化水素、エーテル類、アミン類及びそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分であり、AMは前記式(I)で表される置換アミノ基又は式(II)で表される環状アミノ基である]で表されるリチオアミンを重合開始剤として前記モノマーを(共)重合させて得た(共)重合体であることが好ましい。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記変性ブタジエン系ゴムが、更に、下記式(IV):
3 bSnXc ・・・ (IV)
[式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され、Xは塩素又は臭素であり、bは0〜3の整数で、cは1〜4の整数で、但し、b+c=4である]で表されるカップリング剤から誘導される少なくとも1種のスズ−炭素結合を有する。この場合、第2スティフナーゴムの低発熱性が更に向上する。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記第2スティフナーゴムに適用するゴム組成物が、更にヒドラジド化合物を前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部含む。この場合、第2スティフナーゴムの低発熱性が更に向上する上、耐クリープ性及び耐熱安定性も更に向上する。ここで、前記ヒドラジド化合物としては、ナフトエ酸ヒドラジド類及びサリチル酸ヒドラジド類が好ましい。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記第2スティフナーゴムに適用するゴム組成物が、更に下記式(V):
Figure 0004810145
[式中、R4〜R7は、それぞれ独立して炭素数8〜18のアルキル基を示す]で表されるチウラム化合物を前記ゴム成分100質量部に対して0.2〜2質量部含む。この場合、第2スティフナーゴムの耐クリープ性及び耐熱安定性が更に向上する。ここで、前記チウラム化合物としては、テトラ(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラ(n-ドデシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記第2スティフナーゴムに適用するゴム組成物は、粒径が20〜45 nmで且つ臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)比表面積が40〜100 m2/gであるカーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して25〜70質量部含むので、第2スティフナーゴムの低発熱性及び耐クリープ性を十分に確保しつつ、補強性も十分に確保することができる。
本発明によれば、上記式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムと天然ゴムとを特定の割合で含むゴム成分に対して硫黄と特定のカーボンブラックを特定の配合量で配合したゴム組成物が第2スティフナーゴムに使用されており、第2スティフナーゴムの耐クリープ性、低発熱性及び耐破壊特性が高く、ビード部の耐久性が大幅に向上した高速高荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤを図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの一実施態様を示す部分断面図であり、図2は、図1に示すタイヤのビード部の拡大図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイド部2と、トレッド部3と、該ビード部1に各々埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、該カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置したベルト6とを備え、更にベルト6のタイヤ半径方向外側に配置したカットプロテクター7と、該カットプロテクター7とベルト6と間に位置するクッションゴム8と、ベルト6の端部のタイヤ軸方向外側に配置したベルトエンドゴム9とを備える。なお、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤは、カットプロテクター7、クッションゴム8、ベルトエンドゴム9を有していなくてもよい。
図2に示すように、上記ラジアルカーカス5は、トレッド部3からサイド部2を経てビード部1のビードコア4に至る本体部と、ビードコア回りで折り返される折り返し部とからなり、カーカス5の一部5aは、ビードコア回りをタイヤ内側からタイヤ外側へ折り返されビードコア4の近傍で止まっており、他の一部5bは、ビードコア回りをタイヤ内側からタイヤ外側へ折り返されサイド部2に達しており、残り5cは、カーカスの一部5a,5bをタイヤ外面側から覆うようにタイヤ内側へビードコア回りで折り返されビードコア4の近傍で止まっている。なお、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、ラジアルカーカス5の構造及びプライ数は、これに限られるものではない。
また、図示例のタイヤのベルト6は、複数のベルト層からなるが、ベルト6を構成するベルト層の枚数及びベルト6の構造に特に制限はない。更に、ベルト6のタイヤ半径方向外側に位置するカットプロテクター7は、トレッド部3で生じたカットがベルト6まで進行するのを防止する役割を担い、通常、アラミドコードやナイロンコード等の有機繊維コードをコーティングゴムで被覆してなる。なお、ベルトエンドゴム9には、通常、トレッド部3を主として構成するゴム組成物よりも低発熱性のゴム組成物が使用される。
また、図2に示すように、上記ビードコア4のタイヤ半径方向外側で且つカーカス5の本体部と折り返し部との間には、タイヤ半径方向外向きに延びる第1スティフナーゴム10aが配設されており、更に、ビード部1のカーカス5のタイヤ軸方向外側面に沿って第2スティフナーゴム10bが配設されている。
また更に、図2に示すように、上記ビード部1のリム11との接触部分にはゴムチェーファー12が配設されており、該ゴムチェーファー12は、タイヤのリムフランジ11aに接触する部分を含んでタイヤ半径方向外方に延び、サイド部2からビード部1の底面に至るタイヤの外側面を形成している。
そして、本発明のタイヤにおいては、ビード部1のカーカス5のタイヤ軸方向外側面に沿って配置された第2スティフナーゴム10bに後述する耐クリープ性、低発熱性及び耐破壊特性に優れるゴム組成物を適用することで、タイヤのビード部1の耐久性、特には背面セパ耐久性を大幅に向上させることが可能となり、その結果として、タイヤの耐久性を大幅に向上させることができる。
本発明のタイヤの第2スティフナーゴム10bに適用するゴム組成物は、変性ブタジエン系ゴム10〜30質量%と天然ゴム90〜70質量%とを含むゴム成分100質量部に対して硫黄0.5〜2質量部と粒径が20〜45 nmで且つ臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)比表面積が40〜100 m 2 /gであるカーボンブラック25〜70質量部とを配合してなり、硫黄1〜1.5質量部を配合してなることが好ましい。
第2スティフナーゴム用ゴム組成物において、ゴム成分として変性ブタジエン系ゴムを使用することで、カーボンブラック等の充填剤の分散性が向上して、ゴム成分の耐熱安定性が向上すると共に、第2スティフナーゴム10bの低発熱性が向上し、更には、第2スティフナーゴム10bの静的クリープの抑制及び弾性率変化の抑制が同時に可能となる。また、第2スティフナーゴム用ゴム組成物において、ゴム成分として天然ゴム(NR)を使用することで、第2スティフナーゴム10bの低発熱性と耐破壊特性とを確保することが可能となる。ここで、第2スティフナーゴム用ゴム組成物のゴム成分における変性ブタジエン系ゴムの含有率が10質量%未満では、変性ブタジエン系ゴムを使用する効果が不十分である。また、第2スティフナーゴム用ゴム組成物のゴム成分における変性ブタジエン系ゴムの含有率が30質量%を超えると、天然ゴムの含有率が小さくなり過ぎ、第2スティフナーゴム10bの耐破壊特性が不十分になる。
また、第2スティフナーゴム10bを軟らかく且つ耐クリープ性に優れたものにするためには、加硫剤として配合された硫黄による網目の変化が少ないことが重要であり、硫黄による網目の変化を低減するためには、第2スティフナーゴム用ゴム組成物における硫黄の配合量を低減することが好ましい。ここで、第2スティフナーゴム用ゴム組成物における硫黄の配合量がゴム成分100質量部に対して2質量部を超えると、第2スティフナーゴム10bの耐クリープ性及び耐熱安定性が悪化し、また、第2スティフナーゴム10bの初期弾性率が高くなる結果、第2スティフナーゴム10bの緩衝材としての効果が減少する。一方、第2スティフナーゴム用ゴム組成物における硫黄の配合量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、第2スティフナーゴム10bの初期弾性率が低くなり過ぎ、リムフランジ11aとカーカス4との間で受ける圧縮変形量が大きくなり過ぎ、第2スティフナーゴム10bの耐クリープ性が却って低下してしまう。
上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物において、ゴム成分として使用する変性ブタジエン系ゴムは、1,3-ブタジエンの単独重合体又は1,3-ブタジエンとアニオン重合可能なコモノマーとの共重合体であって、該(共)重合体中のコモノマーの結合量が10質量%以下で、且つ上記式(I)で表される置換アミノ基及び上記式(II)で表される環状アミノ基からなる群から選択された少なくとも一種の官能基を有する。ここで、共重合体成分であるコモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプレン、ピペリレン、及び1,3-ペンタジエン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。なお、変性ブタジエン系ゴムが共重合体である場合、共重合体成分であるコモノマーは、1種でも2種以上でもよい。
上記変性ブタジエン系ゴムは、(共)重合体中のコモノマーの結合量が10質量%以下であり、0質量%であることが好ましい。コモノマーの結合量が0質量%の場合、上記変性ブタジエン系ゴムは、1,3-ブタジエンの単独重合体、即ちポリブタジエンの変性物である。また、上記変性ブタジエン系ゴムは、1,3-ブタジエン単位のビニル結合量が25%以下であることが好ましく、20%以下であることが更に好ましい。変性ブタジエン系ゴムのコモノマーの結合量及び1,3-ブタジエン単位のビニル結合量を上記の範囲に限定することで、ゴム組成物の耐破壊特性と低発熱性とを向上させることができる。また、上記変性ブタジエン系ゴムは、ガラス転移温度が-50℃以下であることが好ましい。
式(I)において、R1は、炭素数12以下のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基等が好適に挙げられる。なお、式(I)中の2つのR1は、同一でも異なってもよい。
式(II)において、R2は、3〜16個のメチレン基を有する二価のアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノアルキレン基である。ここで、置換アルキレン基には、一置換から八置換のアルキレン基が含まれ、置換基としては、炭素数1〜12の鎖状若しくは分枝状アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。また、R2基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基等が好ましい。
上記R2基は、環状アミン類から誘導することができ、該環状アミン類としては、特に限定されるものではないが、アザシクロヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2-(2-エチルヘキシル)ピロリジン、3-(2-プロピル)ピロリジン、3,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピペリジン、4-フェニルピペリジン、7-デシル-1-アザシクロトリデカン、3,3-ジメチル-1-アザシクロテトラデカン、4-ドデシル-1-アザシクロオクタン、4-(2-フェニルブチル)-1-アザシクロオクタン、3-エチル-5-シクロヘキシル-1-アザシクロヘプタン、4-ヘキシル-1-アザシクロヘプタン、9-イソアミル-1-アザシクロヘプタデカン、2-メチル-1-アザシクロヘプタデセ-9-エン、3-イソブチル-1-アザシクロドデカン、2-メチル-7-t-ブチル-1-アザシクロドデカン、5-ノニル-1-アザシクロドデカン、8-(4'-メチルフェニル)-5-ペンチル-3-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1-ブチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8-エチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1-プロピル-3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3-(t-ブチル)-7-アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5-トリメチル-3-アザビシクロ[4.4.0]デカン等が挙げられる。
ブタジエン系ゴムに式(I)の置換アミノ基又は式(II)の環状アミノ基を導入する方法としては、例えば、特開2001−131227号公報に記載のように、ブタジエン系ゴムに結合した2-ヒドロキシ-1,3-プロピレン基を有する有機基に環状アミノ基の中の少なくとも一つの窒素原子を介して結合させる方法等もあるが、リチオアミンからなる重合開始剤を用いて重合開始末端を上記アミノ基で変性する方法が好ましい。
即ち、炭化水素溶媒中で1,3-ブタジエンを主体とする1種以上のアニオン重合可能モノマーの溶液を生じさせ、上記式(III)で表されるリチオアミンを重合開始剤として上記モノマーを(共)重合させることで、式(I)の置換アミノ基又は式(II)の環状アミノ基が導入された変性ブタジエン系ゴムが得られる。
式(III)において、(Q)は可溶化成分であり、炭化水素、エーテル類、アミン類又はそれらの混合物である。この(Q)成分が存在することで、上記リチオアミンが炭化水素溶媒に可溶になる。上記(Q)としては、3〜約300の重合度を有するジエニル若しくはビニル芳香族のポリマー又はコポリマーが挙げられる。該ポリマー及びコポリマーとしては、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン及びそれらのコポリマーが挙げられる。また、上記(Q)の他の例としては、極性リガンド、例えば、テトラヒドロフラン(THF)及びテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)が挙げられる。
式(III)において、(AM)は、上記式(I)で表される置換アミノ基又は式(II)で表される環状アミノ基であり、例えば、ポリマーの開始部位又は頭部に組み込まれることによって、少なくとも一つの官能性基を末端に有するポリマーが合成される。
可溶化成分である(Q)が、エーテル類又はアミン類である場合、(Q)の存在下、無水の非プロトン性溶媒、例えばシクロヘキサン等を用いて官能化剤AM−Hの溶液を製造し、次に、この溶液に、同一又は同様の溶媒に溶解させた有機リチウム化合物の溶液を添加することにより、重合開始剤を生じさせることができる。ここで、上記有機リチウム化合物としては、下記式(VI):
8Li ・・・ (VI)
[式中、R8は、炭素数1〜約20のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基、並びにジオレフィン及びビニルアリールモノマー類から得られる25個以下の単位を有する短鎖長の低分子量ポリマー類からなる群から選択される]で表される化合物が好ましい。ここで、アルキル基としては、n-ブチル基、s-ブチル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、メンチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、アリル基、ビニル基等が挙げられる。また、アリール基及びアラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基、オリゴ(スチリル)基等が挙げられ、短鎖長ポリマー類としては、適当なモノマーのオリゴマー化を有機リチウムで開始させることによって生じさせたオリゴ(ブタジエニル)類、オリゴ(イソプレニル)類、オリゴ(スチリル)類等が挙げられる。上記有機リチウム化合物としては、n-ブチルリチウムが好ましい。式(III)のリチオアミンを生成させるに際しては、特開平6−199921号等に開示されているin situ法を用いることもできる。
また、必要に応じて式(III)のリチオアミンと以下の有機アルカリ金属化合物との混合物を重合開始剤として用いることもできる。この際、有機アルカリ金属化合物としては、下記式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(X)、又は式(XI):
9M ・・・ (VII)
10OM ・・・ (VIII)
11C(O)OM ・・・ (IX)
1213NM ・・・ (X)
14SO3M ・・・ (XI)
[式(VII)〜式(XI)において、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はフェニル基であり、Mは、Na、K、Rb又はCsである]で表される化合物が好ましい。ここで、金属成分Mとしては、Na及びKが特に好ましい。リチオアミンと有機アルカリ金属化合物からなる開始剤混合物は、リチオアミン中のリチウム1当量当たり有機アルカリ金属化合物を約0.02〜約0.5当量含有することが好ましい。
上記開始剤又はその混合物には、重合が不均一にならないようにキレート剤を添加することができる。有用なキレート剤としては、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、オキソラニル環状アセタール類及び環状オリゴマー状オキソラニルアルカン類等が挙げられ、これらの中でも、環状オリゴマー状オキソラニルアルカン類がより好ましく、2,2-ジ(テトラヒドロフリル)プロパンが最も好ましい。
また、重合溶媒としては、種々のヘキサン類、ヘプタン類、オクタン類及びそれらの混合物などが用いられる。
上記変性ブタジエン系ゴムは、更に、上記式(IV)で表されるカップリング剤から誘導される少なくとも1種のスズ−炭素結合を有することが好ましい。この場合、該変性ブタジエン系ゴムは、第2スティフナーゴム用ゴム組成物の低発熱性を更に向上させることができる。上記式(IV)においてR3としては、メチル基、エチル基、n-ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。上記式(IV)のカップリング剤の中でも、四塩化スズ、R3SnCl3、R3 2SnCl2、R3 3SnCl等が好ましく、四塩化スズが特に好ましい。
また、上記変性ブタジエン系ゴムには、他の変性剤を使用することもできる。好ましい他の変性剤としては、カルボジイミド類、N-メチルピロリジノン、環状アミド類、環状尿素類、イソシアネート類、シッフ塩基、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記変性ブタジエン系ゴムは、少なくとも1種の上記アミノ基(AM)を末端に有するポリマーであり、ここで、AMは、アミンと有機リチウム化合物との反応生成物から誘導することができる。
また、上記変性ブタジエン系ゴムは、更にスズ−炭素結合を分子鎖中又は末端に有する多官能性のポリマーであることが好ましく、該スズ−炭素結合は、例えば、停止剤、カップリング剤及び連結剤からなる変性剤から誘導することができる。これらの変性剤を反応容器に加えた後、容器を約1〜約1000分間撹拌することで、(共)重合体にスズ−炭素結合が生成する。スズ−炭素結合を有する変性ブタジエン系ゴムは、補強性充填材であるカーボンブラックに対して大きな親和性を示すため、カーボンブラックの分散性が改善され、その結果、ゴム組成物の低発熱性が大きく向上する。
上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物は、更にヒドラジド化合物を上述したゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部含むことが好ましい。第2スティフナーゴム用ゴム組成物がヒドラジド化合物を含む場合、天然ゴム中へのカーボンブラック等の充填剤の分散性が向上して、第2スティフナーゴムの低発熱性が向上する上、天然ゴム中の二重結合が安定化する効果によって、第2スティフナーゴムの耐クリープ性及び耐熱安定性も向上する。但し、ヒドラジド化合物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、ヒドラジド化合物の添加効果が不十分であり、一方、3質量部を超えても、効果の上昇幅が小さく、コスト高となり、採算性が悪化する。
上記ヒドラジド化合物としては、下記式(XII):
Figure 0004810145
[式中、Aはアリーレン基、二価のヒダントイン残基又は炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基で;Yは水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基又は下記式(XIII):
Figure 0004810145
で表される基で;R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜18のヒドロカルビル基を示し、R15とR16、R17とR18は互いに結合して環構造を形成していてもよい]で表される化合物が挙げられる。
式(XII)のAとしてのアリーレン基は、二価の芳香族性複素環式基を包含する。ここで、アリーレン基としては、フェニレン基又はナフチレン基が好ましく、その環上には、低級アルキル基や低級アルコキシル基等の適当な置換基を有していてもよい。また、二価のヒダントイン残基は、その環上に、低級アルキル基や低級アルコキシル基等の適当な置換基を有していてもよい。炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基が挙げられ、これらは直鎖状、分岐状のいずれでよい。該アルキレン基及びアルケニレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ビニレン基、アリレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基、デセニレン基等が挙げられる。
式(XII)及び式(XIII)のR15〜R18としての炭素数1〜18のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基及び炭素数7〜18のアラルキル基が挙げられる。上記シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の環上には、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、ヒドロキシル基等の適当な置換基を有していてもよい。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が;アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基等が;シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等が;アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が;アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
式(XII)の化合物の中でも、Aがアリーレン基で、且つYがヒドロキシル基である化合物が好ましく、下記式(XIV):
Figure 0004810145
[式中、R15及びR16は、上記と同義である]で表される化合物、及び下記式(XV):
Figure 0004810145
[式中、R15及びR16は、上記と同義である]で表される化合物が性能の点から特に好ましい。
式(XII)のヒドラジド化合物として、具体的には、1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド;3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,2-ジフェニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド;イソフタル酸ジ(1-メチルエチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1-メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1-メチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1,3-ジメチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)ヒドラジド;イソニコチン酸(1-メチルエチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1-メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1-メチルブチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1,3-ジメチルブチリデン)ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-サリチル酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)安息香酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)安息香酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)安息香酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン]安息香酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)-1-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン]-1-ナフトエ酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ヒドロキシフェニル)ベンジリデン]-2-ナフトエ酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ヒドロキシフェニル)ベンジリデン]プロピオン酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン]-2-メチルプロピオン酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(ベンジリデン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ジメチルアミノフェニルメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-メトキシフェニルメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(4-ヒドロキシフェニルメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(1-フェニルエチリデン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-(ジフェニルメチレン)-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N'-[1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン]-2,2-ジメチルプロピオン酸ヒドラジド等が挙げられる。これらヒドラジド化合物は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのヒドラジド化合物の中でも、1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,1-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,2-ジフェニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド等のナフトエ酸ヒドラジド類;N'-(1-メチルエチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-サリチル酸ヒドラジド等のサリチル酸ヒドラジド類が好ましい。
また、上記式(XIV)又は(XV)で表される特に好ましい化合物として、具体的には、3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,2-ジフェニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド;N'-(1-メチルエチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプロピリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-サリチル酸ヒドラジドが挙げられる。これらヒドラジド化合物は、例えば、原料となる3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド等と、アセトンやメチルイソブチルケトン等とを加温して反応させることにより容易に合成することができる。
上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物は、更に上記式(V)で表されるチウラム化合物を上述したゴム成分100質量部に対して0.2〜2質量部含むことが好ましい。第2スティフナーゴム用ゴム組成物が式(V)のチウラム化合物を含む場合、硫黄の網目変化を更に抑制することができ、第2スティフナーゴムの耐クリープ性及び耐熱安定性が向上する。但し、式(V)のチウラム化合物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.2質量部未満では、該チウラム化合物の添加効果が不十分であり、一方、2質量部を超えると、第2スティフナーゴムの初期の破壊特性が低下してしまう。
式(V)のR4〜R7は、それぞれ独立して炭素数8〜18のアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜12アルキル基である。該アルキル基としては、オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル基等の直鎖又は分枝の基が挙げられる。式(V)のチウラム化合物の中でも、テトラ(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOTD)及びテトラ(n-ドデシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物は、粒径が20〜45 nmで且つ臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)比表面積が40〜100 m2/gのカーボンブラックを上述したゴム成分100質量部に対して25〜70質量部含むここで、CTAB比表面積は、ASTM D3765−89に準拠して求められる値である。配合するカーボンブラックの粒径が20 nm未満では、第2スティフナーゴムの低発熱性及び耐クリープ性の悪化が顕著になり、一方、45 nmを超えると、第2スティフナーゴムの補強性の悪化が顕著になる。また、かかる物性を有するカーボンブラックの配合量が25質量部未満では、第2スティフナーゴムの補強性を十分に確保することができず、一方、70質量部を超えると、低発熱性が悪化する。
上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物には、上述のゴム成分、硫黄、ヒドラジド化合物、チウラム化合物、カーボンブラックの他、シリカ等の他の充填剤、軟化剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記第2スティフナーゴム用ゴム組成物は、ゴム成分に、硫黄と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤは、航空機用タイヤやリニアモーターカー用タイヤとして好適である。本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤは、第2スティフナーゴム10bに上述のゴム組成物を適用する以外特に制限はなく、従来の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤと同様にして製造することができる。なお、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、上述した第2スティフナーゴム用ゴム組成物を、カットプロテクター7のコーティングゴム、クッションゴム8、ベルトエンドゴム9に適用することで、タイヤの低発熱性を更に改良することもできる。また、本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<変性ポリブタジエンゴムの製造>
乾燥し、窒素置換された内容積約900mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン 283g、1,3-ブタジエン 50g、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.0057mmol、及びヘキサメチレンイミン 0.513mmolをそれぞれシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.57mmolのn-ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃の温水浴中で4.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。この重合系に四塩化スズ 0.100mmolをシクロヘキサン溶液として加え50℃で30分撹拌した。その後さらに、2,6-ジ-t-ブチルパラクレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液 0.5mLを加えて反応を停止させ、さらに,常法に従い乾燥して変性ポリブタジエンゴム(変性BR)を得た。
得られた変性BRのビニル結合(1,2-結合)量を、1H-NMR[日本電子製, Alpha 400MHz NMR装置、CDCl3中]スペクトルにおける積分比より求めたところ、ブタジエン単位のビニル結合量が14%であった。また、得られた変性BRのカップリング効率を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より得られるデータのうち高分子量側のピークの面積比率を用いて算出したところ、カップリング効率は65%であった。また、得られた変性BRは、ガラス転移温度が-95℃であった。
次に、表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物に対して下記の方法で破断強力、低発熱性及び耐クリープ性を評価した。結果を表1に示す。
(1)破断強力
上記ゴム組成物からなる厚さ2mmのゴムシートを145℃で40分間加硫して加硫ゴムシートを得、該加硫ゴムシートをJIS−3号ダンベル型に打ち抜いて試験片を作製した。得られた試験片に対し、100℃の雰囲気下でJIS K6301(3)に従って引張試験して破断時の強力(TB)を測定し、実施例1の破断強力の値を100として指数表示した。指数値が大きい程、破断強力が大きく、耐破壊特性に優れることを示す。
(2)低発熱性(レジリエンス)
ブリティッシュスタンダード903:Part A8:1963に準拠して反発弾性試験を行い、下記式:
低発熱性指数={供試試験片の反発弾性率/実施例1の試験片の反発弾性率}×100
から低発熱性指数を算出した。指数値が大きい程、発熱量が小さく、低発熱性に優れることを示す。
(3)耐クリープ性
JIS K6301(10)に準拠して圧縮永久歪試験を行い、下記式:
耐クリープ性指数={実施例1の試験片の圧縮永久歪/供試試験片の圧縮永久歪}×100
から耐クリープ性指数を算出した。指数値が大きい程、クリープ量が小さく、耐クリープ性に優れることを示す。
次に、図1及び図2に示す構造を有し、上記ゴム組成物を第2スティフナーゴムに適用した、サイズ:46×17.0 R20 30PRの航空機用ラジアルタイヤを作製し、下記のようにして新品及びクリープ後のタイヤに対してドラム試験を実施し、実施例1のタイヤのドラム走行時間の累計を100として指数表示した。指数値が大きい程、破壊に至るまでのドラム走行時間の累計が大きく、リムフランジ近傍のカーカス最外層外側におけるセパレーションに対する耐久性(背面セパ耐久性)が高いことを示す。結果を表1に示す。
(4)新品タイヤに対するドラム試験
新品のタイヤに正規内圧を充填し、正規荷重の100%の荷重の下、速度64km/hで故障までタイヤを走行させた。但し、10分間の走行と110分間の停止とからなるサイクル(1サイクルの所要時間が2時間)を繰り返して試験を行った。
(5)クリープ後のタイヤに対するドラム試験
新品のタイヤに窒素ガスを正規内圧充填し、60℃の恒温庫中に1ヶ月放置し、内圧による圧縮変形によってビード部をクリープさせた。その後、新品に対するドラム試験と同様にして、クリープ後のタイヤに対してドラム試験を行った。
Figure 0004810145
*1 JSR製ポリブタジエンゴム, BR01.
*2 上記の方法で合成した変性ポリブタジエンゴム.
*3 四塩化スズ変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム[式(I)又は式(II)で表される官能基を有さない変性SBR], スチレン結合量=5質量%, ビニル結合量=34%.
*4 N330, 粒径=28nm, CTAB比表面積=70m2/g, DBP吸収量=100mL/100g.
*5 3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド.
*6 テトラ(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド.
*7 大内新興化学製, ノクセラーNS, N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
*8 本実施例及び比較例で調製した第2スティフナーゴム用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、他の配合剤として、更にステアリン酸 2質量部、亜鉛華 3.5質量部、老化防止剤6C[N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン]2.0質量部を含有する.
実施例1と比較例1との比較から、ポリブタジエンゴムを式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムで置き換えることで、ゴム組成物の低発熱性及び耐クリープ性が向上し、更に、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いることで、タイヤの耐久性が大幅に向上することが分る。
但し、比較例2の結果から、使用する変性ブタジエン系ゴムが上記式(I)又は式(II)で表される官能基を有さない場合、ゴム組成物の耐クリープ性及び低発熱性を向上させることができず、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いても、タイヤの耐久性を十分に向上させることができないことが分る。
また、比較例3の結果から、式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムを用いても、硫黄の配合量がゴム成分100質量部に対して2質量部を超えると、ゴム組成物の耐クリープ性が悪化してしまうため、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いても、タイヤの耐久性を十分に向上させることができないことが分る。
更に、比較例4の結果から、ゴム成分中の式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムの含有率が30質量%を超えると、ゴム組成物の耐破壊特性が悪化するため、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いても、タイヤの耐久性を十分に向上させることができないことが分る。
また更に、実施例2の結果から、式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムを使用した上で、ヒドラジド化合物を添加することで、ゴム組成物の耐破壊特性、低発熱性及び耐クリープ性が更に向上し、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いることで、タイヤの耐久性が更に向上することが分る。
更にまた、実施例3の結果から、式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムを使用し、ヒドラジド化合物を添加した上で、式(V)のチウラム化合物を添加することで、ゴム組成物の耐破壊特性、低発熱性及び耐クリープ性がより一層向上し、該ゴム組成物を第2スティフナーゴムに用いることで、タイヤの耐久性がより一層向上することが分る。
なお、実施例4の結果から、ゴム成分中の天然ゴムの含有率を上げることで、ゴム組成物の耐破壊特性が向上し、実施例5の結果から、ゴム成分中の式(I)又は式(II)で表される官能基を有する変性ブタジエン系ゴムの含有率を上げることで、ゴム組成物の低発熱性及び耐クリープ性が向上することが分る。
本発明の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤの一実施態様を示す部分断面図である。 図1に示す高速高荷重用空気入りラジアルタイヤのビード部の拡大図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイド部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
5a,5b,5c カーカスの一部
6 ベルト
7 カットプロテクター
8 クッションゴム
9 ベルトエンドゴム
10a 第1スティフナーゴム
10b 第2スティフナーゴム
11 リム
11a リムフランジ
12 ゴムチェーファー


Claims (13)

  1. 一対のビード部と、一対のサイド部と、トレッド部と、前記ビード部に各々埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部及び各ビードコアの周りで折り返された折り返し部からなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトと、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側において前記カーカスの本体部と折り返し部との間でタイヤ半径方向外向きに延びる第1スティフナーゴムと、前記ビード部において前記カーカスのタイヤ軸方向外側面に沿って配置された第2スティフナーゴムと、前記サイド部から前記ビード部の底辺に至るタイヤの外側面を形成するゴムチェーファーとを備えた高速高荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記第2スティフナーゴムに、変性ブタジエン系ゴムを10〜30質量%含み且つ天然ゴムを90〜70質量%含むゴム成分100質量部に対して、硫黄0.5〜2質量部と、粒径が20〜45 nmで且つ臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)比表面積が40〜100 m 2 /gであるカーボンブラック25〜70質量部とを配合してなるゴム組成物を適用し、
    前記変性ブタジエン系ゴムが、1,3-ブタジエンの単独重合体又は1,3-ブタジエンとアニオン重合可能なコモノマーとの共重合体であって、該(共)重合体中のコモノマーの結合量が10質量%以下で、且つ下記式(I):
    Figure 0004810145
    [式中、R1は、それぞれ独立して炭素数12以下のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である]で表される置換アミノ基、及び下記式(II):
    Figure 0004810145
    [式中、R2は、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノアルキレン基である]で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有することを特徴とする高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記変性ブタジエン系ゴムは、1,3-ブタジエン単位のビニル結合量が25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記変性ブタジエン系ゴムが1,3-ブタジエンとアニオン重合可能なコモノマーとの共重合体であって、該コモノマーがスチレンであることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記変性ブタジエン系ゴムが変性ポリブタジエンであることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記変性ブタジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が-50℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記式(I)のR1が、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基又はイソブチル基であることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記式(II)のR2が、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基又はヘキサデカメチレン基であることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記変性ブタジエン系ゴムが、炭化水素溶媒中で1,3-ブタジエンを主体とする1種以上のアニオン重合可能モノマーの溶液を生じさせ、下記式(III):
    (AM)Li(Q)a ・・・ (III)
    [式中、aは0又は0.5〜3であり、Qは、炭化水素、エーテル類、アミン類及びそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分であり、AMは前記式(I)で表される置換アミノ基又は式(II)で表される環状アミノ基である]で表されるリチオアミンを重合開始剤として前記モノマーを(共)重合させて得た(共)重合体であることを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  9. 前記変性ブタジエン系ゴムが、更に、下記式(IV):
    3 bSnXc ・・・ (IV)
    [式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され、Xは塩素又は臭素であり、bは0〜3の整数で、cは1〜4の整数で、但し、b+c=4である]で表されるカップリング剤から誘導される少なくとも1種のスズ−炭素結合を有することを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  10. 前記第2スティフナーゴムに適用するゴム組成物が、更にヒドラジド化合物を前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜3質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  11. 前記ヒドラジド化合物がナフトエ酸ヒドラジド類及びサリチル酸ヒドラジド類からなる群から選択した少なくとも一種であることを特徴とする請求項10に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  12. 前記第2スティフナーゴムに適用するゴム組成物が、更に下記式(V):
    Figure 0004810145
    [式中、R4〜R7は、それぞれ独立して炭素数8〜18のアルキル基を示す]で表されるチウラム化合物を前記ゴム成分100質量部に対して0.2〜2質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  13. 前記チウラム化合物がテトラ(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラ(n-ドデシル)チウラムジスルフィドから選択した少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項12に記載の高速高荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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