JP2007302715A - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪のリムに接触するタイヤのリムクッション部の耐摩耗性、耐疲労破壊性、および耐セット性を同時に向上させることのできるゴム組成物および該ゴム組成物を用いて得たリムクッション部を有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分として、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム18〜55重量部、ポリブタジエンゴム43〜80重量部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム2重量部以上10重量部未満とからなるゴムを有し、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して35重量%以下、好ましくは15〜35重量%であるゴム組成物を用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ゴム組成物および空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは車輪のリムに接触する部分の耐摩耗性、耐疲労破壊性および耐セット性をともに向上させることのできるゴム組成物および該ゴム組成物を用いて得たリムクッション部を有する空気入りタイヤに関するものである。
自動車を道路に接地させ、速度および方向ともに自在に走行させるために、タイヤは極めて重要な役割を担っている。どんなに自動車本体の機械系、機械−電子制御系などの機能が向上しても、タイヤの接地性、ケーシング剛性などの強度、耐変形性、耐久性などが不十分であれば、総体的な自動車の性能向上は望むべくもない。
タイヤは、一見すると、構造的に単純に見えるが、実際には、大変緻密な構造を有している。図1に示すように、タイヤの構造は、直に路面に接するトレッド部1、側面を構成するサイドウォール部2、前記トレッド部1とサイドウォール部2とを連絡するショルダー部3、前記サイドウォール部2に連続し、自動車の車輪のリム4に嵌合するビート部5とに大別され、内部構造は、外面から内面に向かって、ゴム層6、ベルト7、カーカスコード8、ビートワイヤ9などによる強化層、インナーライナー層10などから構成されている。
また、現在のタイヤは、空気入りタイヤであって、この空気入りタイヤは、タイヤ内に空気を保持する構造から、チューブを有するものと、チューブを使用しないタイヤ(チューブレスタイヤ)とに分けられる。チューブレスタイヤでは、タイヤの内面に空気透過性の少ない特殊ゴム(インナーライナー層)を一体的に貼り付けている。このチューブレスタイヤでは、チューブを用いないため、エアバルブは車輪のリムに直接取り付けられている。これらのタイヤは、共に車輪のリムに嵌め込まれた後、内部に適切な圧力の空気が圧入されて、使用に供される。
前述のような構成、構造のタイヤは、内部に空気が入れられた状態で、自動車の走行に伴って、多種多様、様々な強度の外力や、温度変化などのストレスがかかるので、それらのストレスに対抗して、好適な走行性を与える役目を果たさなければならない。そのため、タイヤの材料には、様々な組成上の改良が加えられ続けられている。例えば、特許文献1には、空気入りラジアルタイヤとして、(i)(a)スチレン含量が25%以下で、1,2−ビニル結合が60%以上の高ビニル含量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム5〜20重量%および(b)天然ゴム35重量%超を含むジエン系ゴム95〜80重量%を含むゴム分100重量部並びに(ii)カーボンブラック35〜60重量部を含んでなるゴム組成物からタイヤのブラックサイドウォール部を構成したものが、開示されている。この特許文献1に開示のタイヤは、前記特有な組成のゴム組成物を用いてサイドウォール部を構成することにより、耐屈曲疲労性、転動抵抗および耐カット性のいずれにも優れるという特性を実現している。
特開平08−175120号公報
ところで、空気入りタイヤは、前述のように、車輪のリムに嵌合され、内部に空気を圧入されて使用に供されるため、図2に示すように、タイヤのビート部5の直にリム4に接触する部分(リムクッション部)11には、路面に接地するトレッド部を介して路面からの物理的な様々な応力がかかるばかりでなく、種々様々に回転数や回転方向や回転トルクなどが変化する車輪のリム4からの応力が直接的にかかる。したがって、リムクッション部11は、路面からの応力と、ほぼ逆向きとなる車輪のリム4からの応力をうけるので、大きな変形力がかかり、また、リム4との接触部分には大きな摩擦力が働き、その結果、材質的な寿命(耐久性)がタイヤの他の部分に比べて、損なわれやすい傾向にある。したがって、リムクッション部11のゴム(リムクッションゴム)には、リム4から摩擦力を受けて摩耗することに対する耐性(耐リム擦れ性または耐摩耗性)、一定の距離を走行した後の変形をできるだけ抑制する特性(耐ビード変形性または耐セット性)、所定の荷重をかけて走行した場合のビード部故障が生じるまでの走行距離をできるだけ延長する特性(ビード部耐久性または耐疲労破壊性)をより向上することが、要求される。これらの特性に対する要求は、内部に圧入した空気の気密保持をタイヤのリムクッション部11とリム4との間の密着性に依存しているチューブレスタイヤでは、特に重要となる。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、リムクッションゴムの耐摩耗性、耐疲労破壊性、および耐セット性を同時に向上させることのできるゴム組成物および該ゴム組成物を用いて得たリムクッション部を有する空気入りタイヤを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者は、鋭意、実験、検討を重ねたところ、次のような知見を得るに至った。
すなわち、(1)従来からリムクッションゴムには、天然ゴム(NR)/ブタジエン重合物(BR)系のゴムが多用されている。この系のゴムでは、耐摩耗性および耐疲労破壊性の向上にはブタジエン重合物の配合量を増やすことが有利となるが、耐セット性は悪くなり、その結果、ビード周りの変形が増大してしまう。
(2)前記天然ゴム(NR)/ブタジエンゴム(BR)系のゴムにスチレン含有量が35重量%以下のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を2重量部以上10重量部未満の範囲で置換することにより、ブタジエンゴムの配合量の増加による耐摩耗性と耐疲労破壊性の向上を維持しつつ、耐セット性の向上が実現できる。
(3)さらに、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)のブタジエン部のビニル結合の含量を該ブタジエン部全量に対して30〜75%に設定することにより、前記耐疲労破壊性の向上効果が、列理方向(リムクッションゴムをシート状に押出成形した場合のシート長手方向)とそれに直交する方向の両方向で確認され、それに伴ってビード周りの耐久性が改善されることが判明した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたもので、本発明にかかるゴム組成物は、ゴム成分が、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム18〜55重量部、ポリブタジエンゴム43〜80重量部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム2重量部以上10重量部未満とからなるゴム組成物であって、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して35重量%以下であることを特徴とする。
前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量は、より好ましくは、スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して15〜35重量%である。
また、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムのブタジエン部のビニル結合の含量が該ブタジエン部全量に対して30〜75%であることが、リムクッションゴムの特性をさらに高めるために、より好ましい。
リムクッションゴムとしての基本的な特性を実現するためには、前記ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラック60重量部超、無機充填剤0〜25重量部未満からなる充填剤が60重量部超で85重量部以下配合されていることが、好ましい。
本発明のゴム組成物は、リムクッションゴムを製造するリムクッション用ゴム組成物として用いることによって、その最大限の効果を発揮できるが、リムクッションゴム以外のタイヤの他の部分に用いることも可能である。
本発明の空気入りタイヤは、前記構成のゴム組成物がリムクッションゴムとして使用されていることを特徴とする。
本発明にかかるゴム組成物は、車輪のリムに接触するタイヤ部分の耐摩耗性、耐疲労破壊性および耐セット性をともに向上させることができ、かかる諸特性を実現したリムクッション部を有する空気入りタイヤを提供することができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム18〜55重量部、ポリブタジエンゴム43〜80重量部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム2重量部以上10重量部未満とからなるゴムを含むゴム組成物であって、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して35重量%以下、好ましくは15〜35重量%であることを特徴とする。また、さらに好ましくは、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)のブタジエン部のビニル結合の含量が該ブタジエン部全量に対して30〜75%であることを特徴とする。なお、ここでいうビニル結合の含量はSBRのブタジエン部分(シス、トランス及びビニル)中のビニル含量をいう。またSBR中のシス含量は特に限定はないが、5〜15%が好ましい。
従来からタイヤを構成するゴム組成物に一般的に配合されてきたゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)などを挙げることができる。本発明のゴム組成物が含有するゴム成分は、前記従来のゴム材料を特にリムクッション部の特性を得るために好適に配合したものである。主体となるゴム成分は、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムと、ポリブタジエンゴムとであるが、リムクッション部に要求される特性を向上するために、スチレン含有量が35重量%以下のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを配合していることに、本発明のゴム組成物の特徴がある。
ゴム成分全体における前記天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムの配合量は18〜55重量部であり、ポリブタジエンゴムの配合量は43〜80重量部であり、特性向上の上で重要な役目を果たす前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムの配合量は2重量部以上10重量部未満である。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン共重合ゴムの特徴は、先に述べたように、スチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して35重量%以下、好ましくは15〜35重量%である点にある。かかる構成によって、本発明のゴム組成物は、該ゴム組成物を用いてタイヤのリムクッション部を形成することにより、車輪のリムに接触するタイヤ部分の耐摩耗性、耐疲労破壊性および耐セット性をともに向上させることができる。本発明のゴム組成物を構成するゴム成分における該スチレン−ブタジエン共重合ゴムの配合量が2重量部以上10重量部未満の範囲を外れると、先の効果を得ることができなくなる。
また、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムのブタジエン部のビニル結合の含量が該ブタジエン部全量に対して30〜75%に調整することによって、リムクッションゴムにおいて所望とする前述の特性をさらに高めることができる。
本発明のゴム組成物を実際に空気入りタイヤのリムクッションゴムの作製に適用する場合には、添加材料として、カーボンブラック60重量部超、無機充填剤0〜25重量部未満からなる充填剤を、前記ゴム成分100重量部に対して60重量部超で85重量部以下の範囲で配合することが必要である。この充填剤100重量%におけるカーボンブラックの配合量は、75重量%〜100重量%であることが好ましい。
前記カーボンブラックとしては、ゴム配合物に一般的に用いられるカーボンブラック、好ましくは窒素比表面積(N2 SA)20〜130m2/g、更に好ましくは38〜92m2/g、DBP(ジブチルフタレート)吸油量70mL/100g以上、更に好ましくは99〜130mL/100gを挙げることができる。
また、前記無機充填剤としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、ウォラストナイト、モンモリロナイト、マイカを挙げることができる。
本発明のゴム組成物には前記必須成分に加えて、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤ用に一般に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明する例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜8)
表1に示す組成および配合量(重量部)でそれぞれの成分を配合し、加硫促進剤と硫黄を除く原料ゴム及び配合剤を1.6リットルのバンバリーミキサーを用い、回転数30rpmで、5分間、混合した後、この混合物に加硫促進剤と硫黄とを同様のバンバリーミキサーにて4分間混練し、ゴム組成物を得た。
表1に記載の各組成分の詳細は、以下の通りである。
天然ゴム:STR−20
ポリブタジエンゴム:Nipol BR1220(日本ゼオン(株)製、商品名)
SBR(スチレン−ブタジエン共重合ゴム)−1:アサプレン1204(旭化成(株)製、商品名)
SBR−2:Nipol NS116R(日本ゼオン(株)製、商品名)
SBR−3:Nipol 1502(日本ゼオン(株)製、商品名)
SBR−4:Nipol NS110(日本ゼオン(株)製、商品名)
SBR−5:アサプレンESR−10(旭化成(株)製、商品名)
カーボンブラック:シーストN(東海カーボン(株)製、商品名)
シリカ:Nipsil AQ(日本シリカ工業(株)製、商品名)
アロマティックオイル:デソレックス3号(昭和シェル石油(株)製、商品名)
老化防止剤(6PPD):アンチゲン6C(住友化学(株)製、商品名)
亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業(株)製、商品名)
ステアリン酸:千葉脂肪酸工業(株)製
シランカップリング剤:Si69(デグッサ社製、商品名)
ジエチレングリコール:丸善ケミカル(株)製
加硫促進剤(TBBS):サントキュアNS(Flexsys社製、商品名)
硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業(株)製)
Figure 2007302715
前記SBR−1、2、3、4、5の各SBRにおけるそれぞれのスチレン含有量と、ブタジエン部のシス、トランス、およびビニル結合の含有量は、表2に示す通りである。
Figure 2007302715
前述のようにして得られた各実施例および各比較例のゴム組成物を金型中で150℃で30分間プレス加硫し、所定形状の試料を作製した。
この試料を用いて耐セット性、耐摩耗性、定歪疲労の各特性を評価した。評価方法は、以下に記載した通りである。測定結果は、表1に併記した。
耐セット性:JIS K6262に準拠して、100℃で72時間、25%圧縮後の圧縮永久歪(%)を測定した。測定値の逆数を求め、標準例を100とした指数で示した。数値が大きいほど耐セット性が良好であることを示す。
耐摩耗性:ピコ摩耗試験機でJIS K6264に準拠して測定した。標準例の値を100とした指数で示した。数値が大きいほど、耐摩耗性が高く、耐リム擦れ性で有利であることを示す。
定歪疲労:2mm厚の加硫シートからシート出し方向に対して0度/90度方向に打ち抜いた3号ダンベルに、JIS K6270に準じて、60%の歪みを繰り返し与え、破断回数を測定した。破断回数の測定はサンプル数n=6で行い、それぞれの破断回数より正規確率分布による50%残存確率を求め、標準例を100とする指数で示す。数値が大きい方が疲労寿命が長く、疲労破壊性に優れる。
次に、前記各リムクッションゴムを一般的な組成および構造の空気入りタイヤのリムクッション部に使用して空気入りタイヤ(タイヤサイズ:11R22.5)を得た。得られた各空気入りタイヤのビード部耐久性、耐リム擦れ性(耐摩耗性)、耐ビード変形性の諸特性を測定した。評価方法は、以下に記載したとおりである。それらの測定結果は、同じく表1に併記した。
耐リム擦れ性:積載量10トンのトラックに各タイヤを装着して実地走行試験を行い、10万km走行後に各タイヤをリムから外して、リムフランジ部のリム擦れを確認した。擦れの程度は目視により5段階(5:良〜1:悪)にて示した。
耐ビード変形性:積載量10トンのトラックに各タイヤを装着して実地走行試験を行い、10万km走行後に各タイヤをリムから外して、ビード部を切断し、図2の符号20で示すビードヒール部のゲージLを測定した。標準例のゲージ値Lを100とした指数で、変形性を示した。数値が大きいほど、変形が少ないことを示す。
ビード部耐久性:タイヤ踏面(接地面)部を残溝0.5mmまでバフ切除した新品タイヤを鋼鉄製ドラムの周上に内圧荷重をJIS規格の正規条件で押し付けて走行させ、ビード部故障が起こるまでの走行距離を測定した。標準例の走行距離を100とした指数で示した。数値の大きいほど、ビード部耐久性が高いことを示す。
表1に見るように、実施例1〜3では、標準例に対して、耐摩耗性(=耐リム擦れ性)をアップさせながら、耐セット性(=耐ビード変形性)を維持していることが、判る。また、比較例1に対しては、シート出し方向およびシート出し方向に直交する方向の両方向における定歪疲労が改善し、ビード部耐久性が向上している。
また、実施例4〜5では、ビニル量が少ないSBR置換あるいはスチレン量が少ないSBR置換の場合、シート出し方向に対して直交する方向の耐疲労破壊性の向上は見られないものの、耐摩耗性が向上するとともに耐セット性が維持される効果が得られることが、判る。
実施例6により、充填剤としてカーボンブラックとシリカを用いた場合でも、カーボンブラック単独配合の場合と同様の効果が得られることが、判る。
比較例1により、ブタジエンゴムの配合比率を増すことにより耐摩耗性が向上し、耐リム擦れ性を改善することができるが、耐セット性、耐ビード変形性が悪化し、タイヤでのビード部耐久性もやや悪化することが、判る。
比較例2により、スチレン量が多い(配合量35重量%超)SBR置換では、耐疲労破壊性が悪化し、ビード部耐久性が悪化するため、リムクッションゴムとして使用することができないことが、判る。
比較例3により、SBRの配合量が少なく(2重量部未満)なると、耐セット性が悪化し、耐ビード変形性が悪化することが、判る。
比較例4により、SBRの配合量が多く(10重量部超)なると、耐摩耗生がやや悪化し、耐リム擦れ性の改善が見られなくなることが、判る。
比較例5により、天然ゴムの配合量が多く(55重量部超)なり、ブタジエンゴムの配合量が少なく(43重量部未満)なると、耐摩耗性、耐疲労破壊性が低下し、ビード部耐久性が悪化するため、リムクッションゴムとして使用できないことが、判る。
比較例6により、天然ゴムの配合量が少なく(18重量部未満)なり、ブタジエンゴムの配合量が多く(80重量部超)なると、耐セット性が悪化し、耐ビード変形性が悪化することが、判る。
比較例7により、カーボンブラックを主成分とする充填剤の配合量が少なく(60重量部未満)なると、耐摩耗性が低下し、また硬度が低くなり過ぎて、ビード部耐久性が悪化するため、リムクッションゴムとして使用することができないことが、判る。
比較例8により、カーボンブラックを主成分とする充填剤の配合量が多く(85重量部超)なると、耐セット性および耐疲労破壊性が低下し、ビード部耐久性が悪化するため、リムクッションゴムとして使用することができないことが、判る。
なお、比較例に示さなかったが、市販されている溶液重合SBRではビニル量は70%が上限であり、75%超ではゴムとしての強度が低下し、実用に供しないことが、確認された。
以上のように、本発明にかかるゴム組成物は、車輪のリムに接触するタイヤ部分の耐摩耗性、耐疲労破壊性および耐セット性をともに向上させることができる。かかるゴム組成物から形成したリムクッション部を有する空気入りタイヤは、走行性が良好で、信頼性および耐久性に優れる。
一般的な空気入りタイヤの断面構造を示す図である。 空気入りタイヤのビード部の拡大断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ショルダー部
4 リム
5 ビード部
6 ゴム層
7 ベルト
8 カーカスコード
9 ビードワイヤ
10 インナーライナー
11 リムクッション部
20 ビードヒール部

Claims (6)

  1. ゴム成分が、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴム18〜55重量部、ポリブタジエンゴム43〜80重量部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム2重量部以上10重量部未満とからなるゴム組成物であって、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して35重量%以下であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記スチレン−ブタジエン共重合ゴム中のスチレン含有量が該スチレン−ブタジエン共重合ゴム100重量%に対して15〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムのブタジエン部のビニル結合の含量が該ブタジエン部全量に対して30〜75%であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラック60重量部超、無機充填剤0〜25重量部未満からなる充填剤が60重量部超で85重量部以下配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. リムクッションゴムを製造するリムクッション用ゴム組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物がリムクッションゴムとして使用されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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