JP2006097024A - 航空機用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】改善された耐磨耗性およびヒステリシス性を有し、同時に適切に加工できる航空機用タイヤトレッドゴム組成物を提供する。
【解決手段】主要部が特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーであり、そして少量部がシス1,4−ポリイソプレンゴムであるエラストマーを含み、かつ沈降シリカと規定されるコロイド特性を有するゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせから成る強化充填材、およびカップリング剤を含む。
【選択図】図1

Description

発明の分野
本発明は、主要部が特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーであり、そして少量部がシス1,4−ポリイソプレンゴムであるエラストマーを含有し、かつ沈降シリカと規定されるゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせを含む強化充填材を含有するゴム組成物の、走行面を有するトレッドを持つ航空機用タイヤに関する。
発明の背景
航空機用タイヤのトレッドは、さらに普通の車両用タイヤトレッドとは著しく違って、航空機が着陸して、タイヤが接地し、瞬間的に荷重下で相対的に高い速度まで加速するときに経験される著しい力、並びに荷重下で相対的に高い速度まで急速加速を必要とする航空機の離陸時に経験される著しい力に耐えるタイヤトレッドを必要とする極端な運転条件に付される。
加えて、航空機用タイヤは、さらに普通の車両用タイヤトレッドとは著しく違って、少なくとも一部は、しばしばかなり多数(ある種の航空機用タイヤでは8層以上もの多数のプライ数であることがある)のカーカスプライより構成される結果として性質が著しく剛直であることが多く、その結果有意に一層ヒステリシス性のタイヤ(hysteretic tire)となる傾向があり、それによってそのタイヤは一層大きな内部熱発生傾向を有し、結果としてタイヤの使用中にタイヤの熱耐久性にマイナスの影響を及ぼすより大きな温度上昇がもたらされる。
相対的に剛直で相対的にヒステリシス性の航空機用タイヤの、上記の極端な離着陸運転条件は、本来的に、トレッドゴム組成物の長期熱耐久性が問題となるだろう内部熱発生に因って、そしてまたタイヤトレッドの走行面を長期トレッド摩耗が問題となるだろう著しい磨耗力に付すことに起因して、航空機用タイヤトレッドにとって著しい急速温度上昇を引き起こす。
実際には、このような航空機用タイヤトレッドは、普通は、性質が相対的にヒステリシス性であり、それ故上記の運転で用いられる力によって引き起こされる内部熱発生をこうむりがちな、比較的強靱な、耐磨耗性の天然ゴム(および、ときには、タイヤトレッドの耐磨耗性を高める面から少量のポリブタジエンゴム)系ゴム組成物より成る。
耐磨耗性を高めるこのような航空機用タイヤトレッドゴム組成物用の重要な意味を持つ典型的なエラストマー成分は、主として天然ゴムのトレッドゴム組成物中に含まれる相対的に少量のシス1,4−ポリブタジエンゴムであり、この場合そのシス1,4−ポリブタジエンゴムは、典型的には、約175,000〜約275,000の範囲内の中度の数平均分子量(Mn)、および約400,000〜約650,000の範囲内の重量平均分子量(Mw)を約1.5/1〜約2.5/1の範囲内の比較的狭い(低い)不均質性指数(Mw/Mn)と共に有する。
実際には、このような航空機用タイヤトレッドに必要とされる耐磨耗性は、典型的には、(耐磨耗性を高める)中度の分子量を有する少量の上記シス1,4−ポリブタジエンゴムを(これもまた耐磨耗性を高める)相対的に高装填量のゴム強化用カーボンブラックと一緒に含めることによって得られる。
ここで、未加硫状態で常用のゴム加工装置で、表面が比較的滑らかなトレッドストリップに許容できる程度に押し出すことを含めて適切に加工することができる航空機用タイヤトレッド組成物であって、そのエラストマー成分の主要部が、そのゴム組成物の加硫状態で、内部熱発生と、その結果としてのタイヤ内における温度上昇速度の増大を著しく大きくする耐磨耗性のための上記高カーボンブラック装填量に頼ることなしに耐磨耗性を高める(普通は、ゴム組成物の加工性にマイナスの影響があると予想される)シス1,4−ポリブタジエンゴムである上記航空機用タイヤトレッドゴム組成物を提供することが望まれる。
ここで、上記のことは、航空機用タイヤトレッドゴム組成物になされるべきこれまで明記されていなかった代替調整手段による大きな挑戦であると考えられる;航空機用タイヤトレッドゴム組成物のシス1,4−ブタジエンゴム含有量の増加とそれに関連する天然ゴム含有量の低下は、普通は、未加硫ゴム組成物の前記加工性に対してマイナスの影響があり、それによって比較的滑らかな表面を有する関連未加硫トレッド部品を(押出法またはカレンダリング法で)二次加工することを一層困難にすると予想されるからである。
このような技術分野の当業者であれば、タイヤトレッドゴム組成物の物理的性質には、ときには色々な目的のために有意の妥協がなされることは十分に認められるだろう。例えば、航空機用タイヤトレッドゴム組成物の増加した耐磨耗性を、そのシス1,4−ポリブタジエンゴムの含有量を単に増すことによって最適化することは、例えば上記の未加硫状態での加工性を含めて航空機用タイヤトレッドゴム組成物の1つまたは2つ以上の他の望ましい性質に相対的に不利な結果をもたらす可能性がある。
本明細書に含まれる図面の図2は、航空機用タイヤトレッドゴム組成物の5つの重要な物理的性質(未加硫および加硫ゴム組成物の性質)であるとここで考えられるものを絵にして説明するために内外五角図形の形で与えられる。
そのような性質を表す外側の五角図形に含まれる5つの点は、頂点から反時計方向にヒステリシス(高温100℃の反発弾性特性およびタンデルタ特性)、トレッド摩耗性(耐磨耗性)、剛性(引張および動的剪断弾性率)、引裂抵抗性(引裂成長抵抗性)および加工性(例えば、未加硫ゴム組成物の滑らかな押出物)である。
内側五角図形から外側五角図形の5つの点の各々まで延びる個々の矢印は、航空機用タイヤトレッドゴム組成物のそのような5つの物理的性質の全てを等しく高めるという、望ましいが、典型的には非現実的な目標を説明しようとするものである。
上記のような性質の1つを最適化することは、典型的には、他の物理的性質の1つまたは2つ以上を損なうこと、即ちその最適化にはそのような他の性質にマイナスの影響があることは関連技術分野の当業者には周知である。
例えば、天然ゴム/ポリブタジエンの航空機用タイヤゴムトレッド組成物中のシス1,4−ポリブタジエンゴムを有意に増加させることには、その耐磨耗性に有益な効果があるけれども未加硫ゴム組成物の加工性にはマイナスの影響があると予想される。
例えば、沈降シリカと中粒度のゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせとしての強化用充填材が、ゴム組成物のヒステリシスにおける有益な低下(内部熱の蓄積の低下)とその引裂強さの増加を助長するために、カーボンブラック単独に代えて使用することができる。しかし、特にカーボンブラックの対応する低下を伴う沈降シリカのそのような包含には、ゴム組成物の耐磨耗性にマイナスの影響があると予想される。これは、シリカと中粒度カーボンブラックとの使用に因り、耐磨耗性を保持するための高シス1,4−ポリブタジエンゴムの必要を促す。
従って、典型的には、ゴム成分の主要部が、適切な耐磨耗性(例えば、DIN耐摩耗性)およびヒステリシス(100℃反発弾性)の両物理的性質(ここで、それら性質は全て航空機用タイヤトレッドの過去の経験とは隔たりがあると考えられる)の組み合わせを未加硫状態で高めるシス1,4−ポリブタジエンである、(未加硫状態で)適切に加工可能な航空機用タイヤトレッドゴム組成物を提供しようという挑戦が残っている。
この発明について、焦点は航空機用タイヤトレッドゴム組成物の耐磨耗性(例えばDIN耐摩耗性)およびヒステリシス(例えば100℃反発弾性特性およびタンデルタ特性)を高め、同時に、また、航空機用タイヤを形成するためにタイヤ集成体を組み立て、成形し、そして硬化させるべく表面欠陥を最小限に抑えて、未加硫ゴムトレッド部品(例えば、トレッドストリップ)の形をした比較的滑らかな表面の押出物を提供するという意味で適切に加工可能な未加硫ゴム組成物の形のゴム組成物を提供することにある。
航空機用タイヤの用語「走行面」は、外に指摘されなければ、接地することが意図されるトレッドの外表面を意味する。
この発明の説明において、用語「ゴム」および「エラストマー」は、それらが本明細書で使用される場合、外に説明されなければ互換的に用いられる。用語「ゴム組成物」、「配合ゴム」および「ゴムコンパウンド」は、この発明で使用される場合、「色々な成分および材料とブレンドまたは混合されているゴム」を意味するために互換的に用いられるものであるが、このような用語はゴム混合またはゴム配合技術分野の当業者には周知である。用語「硬化する」および「加硫する」はこの技術分野の当業者によって十分に理解されるもので、外に説明されなければ互換的に用いることができる。この発明の説明において、用語“phr”はゴムまたはエラストマー 100重量部当たりのそれぞれの材料の部数を意味する。
本明細書で言及されるシス1,4−ポリブタジエンエラストマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、分析技術分野における当業者によく知られている方法であるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で適切に測定することができる。
エラストマー(例えばシス1,4−ポリブタジエンエラストマー)の不均質性指数は、その重量平均分子量(Mw)のその数平均分子量(Mn)に対する比、即ちMw/Mnである。約1.5/1〜約2.5/1の範囲内の相対的に低い不均質性指数は相対的に狭い分子量分布を示している。その重量平均分子量(Mw)とその数平均分子量(Mn)との間の隔たりが有意により広いことを示す約3/1〜約5/1の範囲内のより大きな不均質性指数は、相対的に広い分子量分布を示している。
発明の概要と実施
この発明によれば、ゴム組成物のトレッドを有する航空機用タイヤであって、そのゴム組成物が、ゴム100重量部当たりの重量部数(phr)に基づいて、
(A)次の:
(1)約55〜約95phrの、約96〜約99パーセンのシス1,4−異性体単位、約0.1〜約1パーセントのトランス1,4−異性体単位および約1〜約3パーセントのビニル1,2−異性体単位を含む微細構造、約75,000〜約150,000の範囲内の数平均分子量(Mn)(シス1,4−ポリブタジエンエラストマーについて比較的低いMn)、および約3/1〜約5/1の範囲内の不均質性指数(Mw/Mn)(その重量平均分子量と数平均分子量との間に有意の隔たりがあることを示す相対的に高い不均質性指数範囲)を有する特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマー、
(2)約5〜約45phrの(天然シス1,4−ポリイソプレンゴムおよび合成シス1,4−ポリイソプレンゴムから選ばれる)シス1,4−ポリイソプレンエラストマー、および
(3)ゼロ〜約20phrの、或いはまた約2〜約15phrの、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム(例えば、乳化重合により製造されたスチレン/ブタジエン共重合体ゴムまたは溶媒溶液重合により製造されたスチレン/ブタジエン共重合体ゴム)から選ばれる追加の共役ジエン系エラストマー
を含むジエン系エラストマー;
(B)約20〜約120phrの:
(1)約10〜約60phrの粒状沈降シリカと
(2)約10〜約60phrの、約60〜約160cc/100gの範囲内のDBP(ジブチルフタレート)値(ASTM D 2414)、および約70〜約130g/kg、好ましくは約70〜約100g/kgの範囲内のヨウ素値(ASTM D 1510)を有するゴム強化用カーボンブラック
との組み合わせとしての強化用充填材;並びに
(C)上記沈降シリカの表面上のヒドロキシル基(例えば、シラノール基)と反応性の部分および上記ジエン系エラストマーと相互作用性のもう1つの異なる部分を有するカップリング剤
を含んでいる上記の航空機用タイヤが提供される。
さらにこの発明によれば、上記航空機用タイヤトレッドのゴム組成物は、約80未満(例えば約20〜約80の範囲内)の相対磨耗抵抗性(相対体積損失、10ニュートンの力)(ASTM D 5963)、および約45〜約70の範囲内の高温反撥弾性値(100℃)(ASTM D 53512)を含む硫黄硬化ゴムの物理的性質を有し、
ここで、さらにこの発明によれば、上記ゴム組成物はガーベイ・ダイによる未硬化ゴム組成物の押出物について7以上(例えば7〜約9)の目視エッジ等級(Edge rating)、およびB以上(例えばAまたはB)の表面等級(Surface rating)を有する(ASTM D-2230-96による)。
望ましくは、航空機用タイヤトレッドゴム組成物は、また、約0.07〜約0.17の範囲内のタンデルタ値(100℃、10パーセント歪、1ヘルツ)を有する。
望ましくは、航空機用タイヤトレッドゴム組成物は、また、約7〜約12MPaの範囲内の300パーセントリング弾性率(ASTM D-412)を有する。
望ましくは、航空機用タイヤトレッドゴム組成物は、また、約750〜約2,000kPaの範囲内の100℃、10パーセント歪、1ヘルツにおける貯蔵弾性率(G’)を有し;そして
望ましくは、その硫黄硬化トレッドゴム組成物は、また、約100〜約400ニュートンの範囲内のインストロン引裂(100℃)値を有する。
実施に際して、上記の特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーは、例えば、有機ニッケルまたは有機コバルト化合物、有機アルミニウム化合物、フッ素含有化合物、および米国特許第5,451,646号明細書に例示されるパラスチレン化ジフェニルアミンを含む触媒の存在下における1,3−ブタジエン単量体の有機溶媒溶液重合によって製造することができる。このような触媒成分は、オクタン酸ニッケル、トリイソブチルアルミニウム、フッ化水素およびパラスチレン化ジフェニルアミンから成ることができる。ここで、このような特定化したシス1,4−ポリブタジエンはそのような重合によって過度の実験なしで適切に製造することができると考えられる。
特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーの相対的に広い不均質性指数(3/1〜5/1のMw/Mn比)は、本発明では、前記の有意に高い分子量と約1.5/1〜約2.5/1の範囲内の有意に低い不均質性指数を有する同種かつより典型的なシス1,4−ポリブタジエンエラストマーゴムと比較して押出物の表面平滑性を相対的に増進するという意味で、ゴム成分の少量部分ではなく主要部分が上記特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーである未加硫ゴム組成物の改善された加工性を高めるのに重要であると考えられる。本発明では、特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーは、また、それがある一定分枝レベルで、即ちある一定分枝度で形成されるという点で独特であると考えられる。
この発明のさらなる実施において、ゴム強化用カーボンブラックは、前記の相対的に狭く規定されたDBP特性値およびヨウ素特性値を持つゴム強化用カーボンブラックであることによって、(カーボンブラックが強化を与える相対的に低いヒステリシスのゴム組成物を増進するという意味で)相対的にクールランニング性(cool running)のゴム強化用カーボンブラックを含んでいることが必要とされる。このカーボンブラックの相対的に狭く規定されたDBP値は、このような技術分野の当業者にはよく知られている現象であるが、より高いDBP値は共役ジエン系の航空機用タイヤゴム組成物の強化をより大きく増進するという意味でカーボンブラックの強化特性の目安になる。カーボンブラックの相対的に狭く規定されたヨウ素値は、より高い値(より大きい表面積)はカーボンブラックの大きさがより小さいことを表すという意味で、カーボンブラックの表面積とそれに関連するカーボンブラックの粒度の目安になる。大きさがより小さいカーボンブラックは、普通は、より良好な引裂抵抗性およびより良好な耐摩耗性を有するジエン系エラストマーの強化をより高度に増進するが、しかし内部熱蓄積とそれに関連する内部温度上昇をより高い割合で増進する;これらは全てこのような技術分野の当業者にはよく知られている現象である。従って、上記の狭く規定された範囲を外れるDBP値およびヨウ素値を有するカーボンブラックは、この発明の航空機用タイヤゴム組成物から除外されなければならない。
参照目的から、色々なゴム強化用カーボンブラックが、それらの関連DBP値およびヨウ素値と共に、The Vanderbilt Rubber Handbook、1978年、第417頁にそれらのASTM表示に従って説明されている。
この発明の実施において、合成非晶質シリカ(例えば沈降シリカ)は沈降シリカ(共沈シリカ・アルミニウムとしての沈降アルミノシリケートを包含するものとする)の凝結体から成っていてもよい。
このような沈降シリカは、一般に、このような技術分野の当業者には周知である。例えば、このような沈降シリカは、例えば塩酸または硫酸のような酸の、ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムの塩基性溶液(例えば、水酸化ナトリウム溶液)に対する、通常は電解質、例えば硫酸ナトリウムの存在下における制御された添加によって沈殿させることができる。コロイドシリカの一次粒子は典型的にはこのようなプロセス中に生成するが、それらは速やかに融合してそのような一次粒子の凝結体を形成し、次いで、濾過し、その結果得られるフィルターケーキを水または水溶液で洗浄し、そして回収された沈降シリカを乾燥することによって沈殿として回収される。沈降シリカおよびその変種を製造するこのような方法は、このような技術分野の当業者には周知である。
この発明において好ましく使用される沈降シリカ凝結体は、例えば可溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムの酸性化処理によって得られるもののような沈降シリカであり、そして共沈したシリカおよび少量のアルミニウムを包含することができる。
このようなシリカは、通常、例えば、窒素ガスを用いて測定して、好ましくは1グラム当たり約40〜約600平方メートルの範囲内、さらに通常には約50〜約300平方メートルの範囲内のBET表面積を有することが特徴であるだろう。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society、第60巻、第304頁(1930年)に記載されている。
このシリカは、また、典型的には、約50〜約400cm/100g、さらに通常には約100〜約300cm/100gの範囲内のジブチルフタレート(DBP)吸収値を有することも特徴である。
ここでは例としてだけであって、限定するものではないが、PPG Industries社からのHi-Silという商標名でHi-Sil 210、Hi-Sil 243等々の呼称を持つシリカ;Rhodia社からの、例えばZeosil 1165MPおよびZeosil 165GRとしてのシリカ;J. M. Huber Corporationからの、例えばZeopol 8745およびZeopol 8715としてのシリカ;Degussa AGからの、例えばVN2、VN3およびUltrasil 7005の呼称を持つシリカ;並びにエラストマーの強化に使用できる他の銘柄のシリカ、特に沈降シリカのような、商業的に入手できる色々な沈降シリカがこの発明における使用に考えることができる。
カップリング剤が、シリカを含有するゴム組成物の強化を促進するためにそのシリカと共に利用される。このようなカップリング剤は、普通、シリカ(例えば沈降シリカ)上のヒドロキシル基と反応性の部分およびジエン炭化水素系エラストマーと相互作用性のもう1つの異なる部分を含んでいる。
実施に際して、上記のカップリング剤は、例えば次のものであることができる;
(A)ポリスルフィド橋中に平均2〜約4個、さらに好ましくは平均約2〜約2.6個または約3.4〜約4個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリアルキルシリルアルキル)ポリスルフィド(例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド);または
(B)ポリスルフィド橋中に平均2〜約2.6個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドと、ポリスルフィド橋中に平均約3.4〜約4個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドとの組み合わせ;ここで、ポリスルフィド橋中に平均2〜約2.6個の連結硫黄原子を有する上記ポリスルフィド(ポリスルフィド橋中に平均3〜4個の連結硫黄原子を有するそのようなポリスルフィドは除外)は、上記ゴム組成物と硫黄および硫黄加硫促進剤の非存在下でブレンドされ、その後にポリスルフィド橋中に平均約3.4〜約4個の連結硫黄原子を有する上記ポリスルフィドが上記ゴム組成物と硫黄および少なくとも1種の硫黄加硫促進剤の存在下でブレンドされる;または
(C)次の:
Figure 2006097024
として表される一般式(I)のアルコキシ有機メルカプトシラン組成物;但し、上記の式において、Xはハロゲン、即ち塩素または臭素、好ましくは塩素基、および1〜16個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれる基、好ましくはメチル、エチル、プロピル(例えばn−プロピル)およびブチル(例えばn−ブチル)基から選ばれる基であり;Rは1〜18個、或いはまた1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルおよびエチル基から選ばれるアルキル基、さらに好ましくはエチル基であり;Rは1〜16個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、好ましくはプロピレン基であり;そしてnはゼロ〜3の平均値、好ましくはゼロであり;ここで、nがゼロまたは1であるそのような場合、Rは上記組成物中の各(R7O)部分について同一でも、異なっていてもよい;および
(D)分子の一部により蓋(cap)がされたメルカプト基であって、ゴム組成物をある昇温された温度まで加熱するとそのメルカプト基の蓋が外れるそのような蓋がされたメルカプト基を有する一般式(I)の上記アルコキシ有機メルカプトシラン。
色々なアルコキシ有機メルカプトシランの代表的な例は、例えばトリエトキシメルカプトプロピルシラン、トリメトキシメルカプトプロピルシラン、メチルジメトキシメルカプトプロピルシラン、メチルジエトキシメルカプトプロピルシラン、ジメチルメトキシメルカプトプロピルシラン、トリエトキシメルカプトエチルシラン、トリプロポキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジメトキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジイソプロポキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジドデシルオキシメルカプトプロピルシランおよびエトキシジヘキサデシルオキシメルカプトプロピルシランである。
このようなアルコキシ有機メルカプトシランは上記で議論した色々な分子の一部で蓋をすることができる。
蓋がされたアルコキシ有機メルカプトシランカップリング剤の代表的な例は、GE Silicones CompanyからのNXT(登録商標)シランとしての液状3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランである。
カップリング剤は、例えば、上記に代えて、前記沈降シリカとの前もって形成された複合剤の形で与えることもでき、そしてそのような複合剤はエラストマー混合物に直接加えることができる。
例えば、前記シリカ(例えば沈降シリカ)、またはこのシリカの少なくとも一部分は、前記エラストマー(1種または複数種)に対する添加に先立って、
(A)一般式(II)のアルキルシラン、または
(B)ポリスルフィド橋中に平均約2〜約4個の連結硫黄原子を有する前記のビス(3−トリエトキシリルプロピル)ポリスルフィド、または
(C)一般式(I)の前記アルコキシ有機メルカプトシラン、特にその蓋がされたアルコキシ有機シラン、または
(D)一般式(I)のアルキルシランとポリスルフィド橋中に平均約2〜約4個の連結硫黄原子を有する前記のビス(3−トリエトキシリルプロピル)ポリスルフィドとの組み合わせ、または
(E)一般式(II)のアルキルシランと一般式(I)の有機メルカプトシランとの組み合わせであって、一般式(I)のアルキルシランが
Figure 2006097024
(式中、Rは1〜18個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり;nは1〜3の値であり;Xはハロゲン、好ましくは塩素並びにメトキシおよびエトキシ基から選ばれるアルコキシ基、好ましくはエトキシ基より成る群から選ばれる基である。)
として表される上記の組み合わせ
で前処理されてもよい。
上記シリカの前処理について考えなければならない1つの重要なことは、例えばエラストマー組成物内に含まれる上記のカップリング剤とシリカの表面上に含まれるヒドロキシル基(例えばシラノール基)との反応によって引き起こされ得るような、上記のシリカとエラストマーとの混合中の、ゴム組成物内でのアルコールの現場発生を減少または無くすことである。
実施に際して、前記ゴム組成物のためのゴム強化用カーボンブラックは、好ましくは約70〜約130g/kg、さらに好ましくは70〜100g/kgの範囲内のヨウ素吸収値(ASTM D-1510)、および約60〜約160cc/100gの範囲内のDBP吸収値(ASTM D-2414)を有するゴム強化用カーボンブラックである。このようなカーボンブラックのASTM表示による代表的な例は、The Vanderbilt Rubber Handbook、第13版(1990年)、第416頁および第417頁に見いだすことができる。
添付図面は、本発明をさらに理解できるようにするために、グラフ(図1)および前記で議論した絵で表した五画図形(図2)の形で与えられる。
添付図面(グラフとしての図)
グラフで表した図1において、ゴム強化用カーボンブラックは箱Aの中に与えられる。特に好ましいゴム強化用カーボンブラックは、箱Aの切り取られた部分である箱Bの中に与えられる。
箱Aについて、その中に含まれるゴム強化用カーボンブラックは、60〜160cc/100gの範囲内のジブチルフタレート(DBP)値、および約70〜約130g/kgの範囲内のヨウ素値を有するものであって、中粒度のゴム強化用カーボンブラックであると考えられる。
箱Aについて、中に含まれるそのようなゴム強化用カーボンブラックのそれらのASTM表示による典型的な例は、N220、N299、N326、N330およびN347のゴム強化用カーボンブラックである。この発明については、相対的に中粒度で中表面積のカーボンブラックであると考えられる、ASTM表示でN200およびN300シリーズのゴム強化用カーボンブラックが全て包含されることが意図される。
代表として、例えばより小さい粒度の高表面積カーボンブラックであるN110、並びにより大きな粒度の小表面積カーボンブラックであるN550、N660およびN990としてのASTM表示によるもののようなより大きいおよびより小さい表面積の両カーボンブラックが挙げられる、箱Aを外れるDBP値およびヨウ素値の特性を有するゴム強化用カーボンブラックは、この発明の航空機用タイヤゴム組成物にはどんな有意の程度にも含まれるべきではない。
箱A内に含まれる箱Bは、60〜160cc/100gの範囲内のDBP値、および航空機用タイヤトレッドゴム組成物内でより高い内部熱発生傾向を有する、より高いヨウ素値を持つより高い強化用N220およびN299カーボンブラックを除外する、70〜100g/kgの範囲内のより狭く規定されたヨウ素値を有するN347、N326およびN330としての、有意に、より狭く規定された中粒度、中表面積のゴム強化用カーボンブラックを与える。
図2の五画図形の図では、前記で議論したとおり、改善が典型的に望まれる航空機用タイヤトレッドゴム組成物の有意の望ましい物理的性質を絵で表した図が説明される。それぞれ同時に、未加硫ゴム組成物の加工性を(特に、滑らかな押出物を提供するという意味で)改善し、ヒステリシスを(加硫トレッドについて、反撥弾性値を増加させ、それによってタイヤトレッド内のより小さい内部熱蓄積を助長するという意味で)低下させ、加硫トレッドゴム組成物の引裂強さを増加させ、加硫トレッドゴム組成物について耐磨耗性を高めてトレッドの摩耗速度における低下を、従ってより長いトレッド寿命を増進し、そして加硫タイヤトレッドゴム組成物について剛性を増大させることが極めて望ましい。この関係の技術分野の当業者による1つの意味のある達成は、そのような物理的性質の任意の1つを他の物理的性質の少なくとも1つを犠牲にすることなく改善することであると一般に考えられる。このような物理的性質の2つまたは3つ以上の、他の物理的性質の1つまたは2つ以上における低下なしでの改善は、それ以上さらに困難な仕事である。図2は、前記の物理的性質を描く範囲でこの発明の新規性と主たる重要さを強調するのに役立つ、そのような物理的性質のグラフとして絵で表した図を与えようとするものである。
実施に際して、本発明のゴム組成物は、例えば、連続一連の、少なくとも2つの独立した個々の予備密閉式ゴム混合工程または段階であって、ジエン系エラストマーをまず規定されたカーボンブラックおよび/またはシリカと後続の別個の混合工程で、続いて硬化剤がより低い温度で実質的により短い時間ブレンドされる最終混合工程で混合する上記の工程または段階で製造することができる。
各混合工程後には、ゴム混合物をゴムミキサーから実際に取りだし、そして40℃未満の、例えば約40〜約20℃の範囲内の温度まで冷却し、次いで直ぐ次の逐次混合工程または段階の密閉式ゴムミキサーに戻し、添加するということが従来どおり必要とされる。
航空機用タイヤトレッドの形成は、例えば造形された未加硫ゴムトレッド部品(例として、例えばトレッド走行面を形成するためのトレッドキャップ、またはトレッドキャップ層の下にトレッドベース層を有するトレッドキャップ/ベース層状化構造)を与えるためのゴム組成物の押出しによるような在来手段によることが意図される。タイヤトレッド部品のこのような形成はこのような技術分野の当業者にはよく知られている。
製品としてのタイヤは、その部品の集成体を昇温下(例えば、140〜180℃)および昇圧下において適当な型内で造形および硫黄硬化させることによって製造されることはいうまでもない。このようなやり方はこのような技術分野の当業者には周知である。
この技術分野の当業者であれば直ちに分かるように、ゴム組成物は、各種の硫黄加硫性成分ゴムを、例えば硫黄、活性化剤、遅延剤および促進剤のような硬化助剤、ゴムプロセス油、粘着性付与樹脂を含めて樹脂類、シリカおよび可塑剤のような加工用添加剤、充填材、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤およびオゾン亀裂防止剤、素練り促進剤、並びに例えばカーボンブラックのような強化用材料のような、本明細書中で前に議論したように普通に用いられる様々な添加剤材料と混合する方法のような、ゴム配合技術分野で一般に知られている方法によって配合されることになる。この技術分野の当業者に知られているように、上記の添加剤は、硫黄加硫性および硫黄加硫済み材料(ゴム類)の意図された用途に応じて選択され、そして一般に常用の量で使用される。
ステアリン酸を挙げることができるが、脂肪酸が使用される場合、その典型的な量は約0.5〜約3phrを構成する。酸化亜鉛の典型的な量は約1〜約5phrを構成する。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrを構成する。マイクロクリスタリンワックスがよく用いられる。素練り促進剤の典型的な量は約0.1〜約1phrを構成する。典型的な素練り促進剤は、例えばペンタクロロチオフェノールおよびジベンズアミドジフェニルジスルフィドであることができる。
加硫は硫黄加硫剤の存在下で行われる。適した硫黄加硫剤の例に、元素硫黄(遊離硫黄)、または硫黄供与加硫剤、例えばアミンジスルフィド、高分子ポリスルフィドまたは硫黄オレフィン付加体がある。硫黄加硫剤は元素硫黄であるのが好ましい。この技術分野の当業者に知られているように、硫黄加硫剤は約0.5〜約4phrの範囲の量で、または、ある場合には、約8phrまでの量でも使用され、この場合例えば約0.75〜約2phrの範囲が好ましい。
促進剤は加硫に必要とされる時間および/または温度を調節するために用いられる。1つの態様では、単一の促進剤系、即ち一次促進剤が使用できる。一次促進剤(1種または2種以上)は、例えば約0.5〜約5phr、或いはまた約0.8〜約4phrの範囲の量で用いることができる。もう一つの態様では、加硫を活性化し、そして加硫物の性質を改善するために、一次促進剤と二次促進剤との組み合せが用いられることがあり、この場合二次促進剤は(約0.05〜約3phrの)より少ない量で用いられる。これら促進剤の組み合せは、最終製品の性質に対して相乗効果をもたらすと予想され、そしていずれかの促進剤を単独で用いることによってもたらされる性質よりも幾分良好である。さらに、標準の加工温度では影響を受けないが、普通の加硫温度では満足な硬化をもたらす遅効型促進剤も用いることができる。加硫遅延剤が用いられることもある。本発明で使用することができる適したタイプの促進剤は、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類およびザンテート類である。一次促進剤はスルフェンアミド類であるのが好ましい。二次促進剤が用いられる場合、それは、例えばグアニジン化合物、ジチオカルバメート化合物またはチウラム化合物であることができる。
ゴム組成物の混合は、例えば前記の逐次混合法によって成し遂げることができる。例えば、その成分は少なくとも1つの逐次非硬化発現(予備)混合段階とそれに続く硬化発現(最終)混合段階で混合することができる。最終硬化剤は、典型的には、通常「硬化発現」または「最終」混合段階と呼ばれる最終段階で混合され、この段階では、混合は、典型的には、それに先行する非硬化発現混合段階(1つまたは2つ以上)の混合温度(1つまたは2つ以上)より低い温度、即ち最終温度で起こる。用語「非硬化発現(non-productive)」および「硬化発現(productive)」混合段階は、ゴム混合技術分野の当業者には周知である。
実施例I
ゴム組成物の試料を調製し、そしてそれらをこの実施例で試料1および2と呼ぶが、ここで試料1は対照試料であった。
対照試料1は、天然シス1,4−ポリイソプレン、合成シス1,4−ポリイソプレン、油展シス1,4−ポリブタジエンおよび油展スチレン/ブタジエンゴムをN220ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱Aの内側で箱Bの外側)と一緒に含んでいた。
試料2は、天然シス1,4−ポリイソプレンゴムおよび油展シス1,4−ポリブタジエンゴムをN205ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱AおよびBの両者の外側)、およびカップリング剤を有する沈降シリカと一緒に含んでいた。
上記ゴム組成物は、密閉式ゴムミキサー中で、幾つかの逐次混合段階、即ち約160℃の温度までの約2〜5分間の密閉式ゴムミキサー中における第一予備非硬化発現混合工程、約150℃の温度までの約2〜4分間の密閉式ゴムミキサー中における第二非硬化発現混合段階、および約110℃の温度までの約2〜3分間の密閉式ゴムミキサー中における最終硬化発現混合段階を用いて混合することによって調製された。混合段階間で、ゴム組成物はミキサーから降ろされ、開放型ロールミキサーからシート状に延ばされ、そして40℃未満の温度まで冷却された。
硫黄硬化剤および促進剤は硬化発現混合段階で加えられる。ゴム組成物を一連の個々の連続した非硬化発現および硬化発現混合段階において混合することは、このような技術分野の当業者には周知である。
上記のゴム試料で用いられた成分は、次の表1に、外に指摘されなければ重量で示される部数および百分率と共に示される。
Figure 2006097024
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム(RSS #2)
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのNAT2200(登録商標)としての合成シス1,4−ポリイソプレン
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのPLF1712C(登録商標)としての、約23パーセントの結合スチレン含有量を有する、ゴムプロセス油によりゴム100重量部当たり37.5重量部の量で油展され、そして表1にゴムの乾燥重量として報告されるスチレン/ブタジエンゴム
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBUD1280(登録商標)としての、約−104℃のTg、約45のムーニー(ML1+4)粘度、約127,000のMn、約445,000のMw、約3.5の広い不均質性指数(HI)および約98パーセントのシス1,4−異性体含有量を有する、前記米国特許第5,451,646号明細書に記載されるように1,3−ブタジエン単量体の有機溶媒溶液重合によって得られるシス1,4−ポリブタジエンエラストマー
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBUD1254(登録商標)としての、ゴムプロセス油によりゴム100重量部当たり25重量部の量で油展され、そして表1にゴムの乾燥重量として報告されるシス1,4−ポリブタジエンエラストマー
約114cc/100gのDBP値および約121g/kgのヨウ素値を有する、図1の箱Aに含まれるが箱Bの外側にある、ASTM表示でN220のカーボンブラック
約115cc/100gのDBP値および約121g/kgのヨウ素値を有する、ASTM表示でN220カーボンブラック(図1の箱AおよびBの両者の外側)
レゾルシノール
ゴム配合用ワックス
10アミンタイプのもの
11ゴムプロセス油、および主としてステアリン酸である脂肪酸
12フェノールホルムアルデヒドタイプの粘着付与樹脂
13Degussa社からのSi266(登録商標)としての、ポリスルフィド橋中に平均約2.1〜約2.4個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよびカーボンブラック(約50/50重量比)としてのシリカカップリング剤とカーボンブラックとの複合剤
14PPG Industries社からのHiSil 210(登録商標)としての、合成、非晶質の沈降シリカ
15ヘキサメトキシメチルメラミン
16アミンタイプおよびキノリンタイプの抗分解剤
17スルフェンアミドタイプおよびグアニジンタイプの硫黄加硫促進剤並びにシクロヘキシルチオフタルイミドタイプの遅延剤。
表1のゴム試料の色々な物理的性質が次の表2に報告される。硬化試料は約150℃の温度において約32分間硬化された。
Figure 2006097024
以前はFlexsys Companyであった、そして以前はMonsanto CompanyであったAlpha Technologies社による測定器RPA 2000(登録商標)としてのゴムプロセス分析器(Rubber Process Analyzer)により得られたデータ。測定器RPA-2000についてのことは、次の刊行物:H. A. Palowski等のRubber World、1992年6月号および1997年1月号、並びにRubber & Plastics News、1993年4月26日号および5月10日号に見いだすことができる。例えば、貯蔵弾性率G’は、例えばRPA測定器によって、歪掃引を100℃、1ヘルツにおいて、例えば1〜50パーセントの歪範囲にわたって測定することにより求めることができる。ゴム試料のこのような貯蔵弾性率(G’)の測定は、このような技術分野の当業者には周知である。
例えばトルク、T90等々のようなエラストマー材料の硬化特性を測定するのに用いられる、Alpha Technologies社による移動式ダイレオメーター(Moving Die Rheometer)測定器、モデルMDR-2000により得られたデータ。
Instron Corporationによる、1つのシステムに6つの試験を含む自動試験システム測定器により得られたデータ。このような測定器は極限引張強さ、極限伸び、弾性率等々を測定することができる。表に報告されるデータは、Instron 4201荷重フレームであるリング引張試験ステーションを走行させることによってもたらされる。
ASTM D-1415によるショアA硬度。
ゴム組成物の2試料間の凝集力を測定する剥離強度接着(引裂強さ)試験により得られたデータ。特に、このような凝集力は、1つのゴム組成物をそれ自体から、引き裂かれていない試験片に対して直角に引き離すことによって測定され、この場合それらゴム組成物の2つの端はInstron測定器を用いて互いに180°で引き離される。
ASTM D 5963による、対照に対する相対容積損失(例えば、ccでの損失)としてのDIN磨耗値で、力は10ニュートンとして適用される。
ASTM押出ダイのガーベイ(Garvey)タイプ(ASTM 2230-96のパラグラフ5.2)およびこの実施例のゴム試料(ASTM 2230-96のパラグラフ6等の標準化合物の代わり)を用いるASTM 2230-96によるガーベイ・ダイ等級(Garvey Die Rating)。目視等級系“B”が(ASTM 2230-96のパラグラフ9.1によって)用いられたが、この系においては1(不良)から10(優)の範囲の等級がゴム試料の30°エッジの鮮鋭度および連続性を格付けするのに用いられ(本明細書中、表2のエッジ等級)、またA(優)からE(不良)の範囲の等級がゴム試料の表面の滑らかさを格付けするのに用いられた(本明細書中、表2の表面等級)。
表2から、特定化したシス1,4−ポリブタジエンを高含有量で含んでいた試料2について、120という有意に高い耐磨耗性を有する対照試料2に比較して60という有意に有益な増加した耐磨耗性が観察されることが認められる。これはこのようなゴム組成物のトレッドを有する航空機用タイヤのトレッド摩耗速度が低下したことを示している。
ある意味では、対照試料1と比較して増加した試料2の耐磨耗性(有意に減少したDIN値)は、試料2が対照試料1中のシス1,4−ポリブタジエンゴムの30phrという少量に比較して有意に大きい量(実際は過半含有量)の特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴム(70phr)を有していたからと予想されたかもしれない。
しかし、ゴム試料2は、その押出物の表面が対照試料1のガーベイ・ダイエッジ等級7に比較してたった3の目視ガーベイ・ダイエッジ等級、および対照試料1のAというガーベイ・ダイ表面等級に比較してゴム試料2でたったCの目視ガーベイ・ダイ表面等級を有するという意味で、対照試料1に比較して有意に不良なゴム加工性を示したのである。従って、ここでは、試料2のゴム組成物の有用性は有意に阻害されて、航空機用タイヤトレッドとしての用途に決して最適ではない。
実施例II
ゴム組成物の試料を調製し、そしてそれらをこの実施例で試料3および4と呼ぶが、ここで試料3は対照試料であった。
対照試料3は、シス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンをN347ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱B)とカップリング剤を有するシリカとの組み合わせとしての強化用充填材と一緒に含んでいた。
試料4は、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、N347ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱B)とカップリング剤を有するシリカとの組み合わせとしての強化用充填材と一緒に含んでいた。
上記ゴム組成物は実施例Iの方法で調製された。
これらゴム組成物は次の表3に示される。
Figure 2006097024
約−104℃のTg、約45のムーニー(ML1+4)粘度、約209,000のMn、約481,000のMw、約2.3の比較的狭い不均質性指数(HI)および約98パーセントのシス1,4−異性体含有量を有するThe Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBudene 1208(登録商標)
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBudene 1280(登録商標)
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム(RSS #2)
図1の箱Bに含まれる、約124cc/100gのDBP値および約90g/kgのヨウ素値を有するASTM表示でN347のカーボンブラック
ゴム配合用ワックス
ゴムプロセス油、および主としてステアリン酸である脂肪酸
フェノールホルムアルデヒドタイプの粘着付与樹脂
アミンタイプのもの
Degussa社からのSi266(登録商標)としての、シリカカップリング剤とカーボンブラックとの複合剤
10PPG Industries社からのHiSil 210(登録商標)としての、合成、非晶質の沈降シリカ
11アミンタイプおよびキノリンタイプの抗分解剤
12スルフェンアミドタイプおよびグアニジンタイプの硫黄加硫促進剤並びにシクロヘキシルチオフタルイミドタイプの遅延剤。
表3のゴム試料の色々な物理的性質が次の表4に報告される。硬化試料は約150℃の温度において約32分間硬化された。
Figure 2006097024
この表4の脚注は、外に指摘されなければ表2の脚注と同じである。
表4から、試料4の押出物の8というガーベイ・ダイエッジ等級は、対照試料3の押出物のたった3というエッジ等級を超える有意の改善であることが観察される。
さらに、試料4の押出物のAというガーベイ・ダイ表面等級は、対照試料3の押出物のたったCという表面等級を超える有意の改善であることが認められる。
これらの観察結果は、カーボンブラックと沈降シリカの両者で強化された、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムとしてのゴム組成物の主要部を含んでいる、加硫ゴム組成物で良好な耐磨耗性、および未加硫ゴム組成物で良好な加工性の両者の意味のある組み合わせを有する航空機用タイヤトレッドゴム組成物が調製できることを示している。この良好な加工性は未加硫ゴム組成物の押出物の表面外観が相対的に滑らかあることを示しているそのガーベイ・ダイ等級によって観察される。
実施例III
ゴム組成物の試料を調製し、そしてそれらをこの実施例で試料5および6と呼ぶが、ここで試料5は対照試料であった。
対照試料5は、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンを、添付図面の図1の箱Bに示されるN347ゴム強化用カーボンブラックとしての強化用充填材と一緒に含んでいた。試料4は、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、カップリング剤を有する沈降シリカと一緒のN347ゴム強化用カーボンブラックとしての強化用充填材と一緒に含んでいた。
上記ゴム組成物は実施例Iの方法で調製された。
これらゴム組成物で使用された成分は次の表5に示される。
Figure 2006097024
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBudene(登録商標)1280
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム(RSS #2)
約124cc/100gのDBP値および約90g/kgのヨウ素値を有する、図1の箱Bに含まれるASTM表示でN347のカーボンブラック
ゴム配合用ワックス
ゴムプロセス油、および主としてステアリン酸である脂肪酸
フェノールホルムアルデヒドタイプの粘着付与樹脂
アミンタイプのもの
Degussa社からのSi266(登録商標)としての、シリカカップリング剤とカーボンブラックとの複合剤
PPG Industries社からのHiSil 210(登録商標)としての、合成、非晶質の沈降シリカ
10アミンタイプおよびキノリンタイプの抗分解剤
11スルフェンアミドタイプおよびグアニジンタイプの硫黄加硫促進剤並びにシクロヘキシルチオフタルイミドタイプの遅延剤。
表5のゴム試料の色々な物理的性質が次の表6に報告される。硬化試料は約150℃の温度において約32分間硬化された。
Figure 2006097024
この表6の脚注は、外に指摘されなければ表2の脚注と同じである。
表6から、試料6の破断伸びは対照試料5と比較して有意に大きいことが観察されるが、その大きな伸びは、本発明では、このようなゴム組成物の航空機用タイヤトレッドについて改善されたトレッド亀裂抵抗性を助長することを示していると考えられる。対照試料5に比較して試料6の極限伸びにおける改善および引裂強さ値における有意の改善は、ゴム組成物がそのようなゴム組成物の航空機用タイヤについて良好な耐久性および亀裂抵抗性を有することを示している。
表4から、試料6の押出物の8というガーベイ・ダイエッジ等級は、対照試料5の押出物の7というエッジ等級と同等であることがさらに観察される。
さらに、試料6の押出物のAというガーベイ・ダイ表面等級は、対照試料5の押出物のAという表面等級に本質的に同等であることが観察される。
かくして、試料6は、本発明では、粗いまたはでこぼこのエッジを有しない表面が比較的滑らかな押出物を与えるという意味で良好な加工性を示すと考えられる。
表6から、また、試料6の引裂強さ(引裂抵抗性)は対照試料5と比較して有意に大きいことも観察されるが、このこともまたそのようなゴム組成物の航空機用タイヤトレッドについて増加した耐久性、並びにリブスロー(rib throws)とチップチャンキング(chip chunking)および使用中の総損傷に対する低下した感受性を示している。
実施例IV
ゴム組成物の試料を調製し、そしてそれらをこの実施例で試料7および8と呼ぶが、ここで試料7は対照試料であった。
対照試料7は、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、N205ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱B)とカップリング剤を有するシリカとの組み合わせとしての強化用充填材と一緒に含んでいた。
試料8も、特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムおよび天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、ゴム強化用カーボンブラックとカップリング剤を有するシリカとの組み合わせとしての強化用充填材と一緒に含んでいたが、対照試料7のN205カーボンブラック強化用充填材の代わりにN347ゴム強化用カーボンブラック(図1の箱A)を使用した。
上記ゴム組成物は実施例Iの方法で調製された。
これらゴム組成物は次の表7に示される。
Figure 2006097024
The Goodyear Tire & Rubber CompanyからのBudene 1280(登録商標)
天然シス1,4−イソプレンゴム(RSS #2)
約124cc/100gのDBP値および約90g/kgのヨウ素値を有する、図1の箱Bに含まれるASTM表示でN347のカーボンブラック
約115cc/100gのDBP値および約121g/kgのヨウ素値を有する、図1の箱A(但し、具体的には示されていない)に含まれるASTM表示でN205のカーボンブラック
ゴム配合用ワックス
ゴムプロセス油、および主としてステアリン酸である脂肪酸
フェノールホルムアルデヒドタイプの粘着付与樹脂
アミンタイプのもの
Degussa社からのSi266(登録商標)としての、シリカカップリング剤とカーボンブラックとの複合剤
10PPG Industries社からのHiSil 210(登録商標)としての、合成、非晶質の沈降シリカ
11アミンタイプおよびキノリンタイプの抗分解剤
12スルフェンアミドタイプおよびグアニジンタイプの硫黄加硫促進剤並びにシクロヘキシルチオフタルイミドタイプの遅延剤。
表7のゴム試料の色々な物理的性質が次の表8に報告される。硬化試料は約150℃の温度において約32分間硬化された。
Figure 2006097024
この表8の脚注は、外に指摘されなければ表2の脚注と同じである。
表8から、(試料8中で使用されている)低ヒステリシス増進性ゴム強化用カーボンブラックは、相対的に低いタンデルタおよび相対的に高い高温100℃反撥弾性値によって示されるゴム組成物の相対的に低いヒステリシス挙動に因り、N205カーボンブラックが使用されている対照試料7と比較して航空機用トレッドゴム組成物によく適していることが観察される。試料8のゴム組成物の低ヒステリシス特性は、そのゴム組成物をして航空機用タイヤトレッドについて発生内部熱の蓄積をより少なくするのを可能にする。
従って、本発明では、図面の図2の箱B中に入るゴム強化用カーボンブラックの利用が、この発明のポリブタジエン/天然シス1,4−ポリイソプレンゴム航空機用タイヤトレッドゴム組成物における主要ゴム成分としての特定化したシス1,4−ポリブタジエンゴムとの組み合わせにおいて特に有益である(図2の箱A中であるが、箱Bの外側のゴム強化用カーボンブラックよりもさらに著しい)と結論される。箱B中の中粒度ゴム強化用カーボンブラック(N347)によるゴム組成物の強化も、本発明においては、箱A中の他のゴム強化用カーボンブラック(例えばN220およびN299)と比較して、動的適用中にゴム組成物内で結果として生ずる内部熱発生のレベルが相対的に低いという意味で特に有益であると考えられる。
以上、本発明を例証する目的からある種特定の代表的な態様と細部を示したが、この技術分野の当業者には、本発明では、本発明の精神または範囲から逸脱しない範囲で色々な変更および修正がなされ得ることは明らかであろう。
本発明の航空機用タイヤトレッドゴム組成物で用いられる強化用カーボンブラックのコロイド特性を示すグラフである。 航空機用タイヤトレッドゴム組成物の5つの重要な物理的性質を内側五角形から外側五角形へと改善する目標を説明する五画図形である。
符号の説明
A 本発明で用いられるカーボンブラックが属する箱
B 本発明で用いられる好ましいカーボンブラックが属する箱

Claims (20)

  1. ゴム組成物のトレッドを有する航空機用タイヤであって、そのゴム組成物が、ゴム100重量部当たりの重量部数(phr)に基づいて、
    (A)次の:
    (1)約55〜約95phrの、約96〜約99パーセンのシス1,4−異性体単位、約0.1〜約1パーセントのトランス1,4−異性体単位および約1〜約3パーセントのビニル1,2−異性体単位を含む微細構造、約75,000〜約150,000の範囲内の数平均分子量(Mn)、および約3/1〜約5/1の範囲内の不均質性指数(Mw/Mn)を有する特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマー、
    (2)約5〜約45phrのシス1,4−ポリイソプレンエラストマー、および
    (3)ゼロ〜約20phrの、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムから選ばれる追加の共役ジエン系エラストマー
    を含むジエン系エラストマー;
    (B)約20〜約120phrの:
    (1)約10〜約60phrの粒状沈降シリカと、
    (2)約10〜約60phrの、約60〜約160cc/100gの範囲内のDBP(ジブチルフタレート)値、および約70〜約130g/kgの範囲内のヨウ素値を有するゴム強化用カーボンブラック
    との組み合わせとしての強化用充填材;並びに
    (C)該沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応性の部分および該ジエン系エラストマーと相互作用性のもう1つの部分を有するカップリング剤
    を含んでいる上記の航空機用タイヤ。
  2. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてゴム組成物が約80未満の相対磨耗抵抗性、および約45〜約70の範囲内の高温反撥弾性値(100℃)を含む硫黄硬化ゴム物性を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  3. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてゴム組成物がガーベイ・ダイによる未硬化ゴム組成物の押出物について7以上の目視エッジ等級およびB以上の表面等級を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  4. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてゴム強化用カーボンブラックが70〜100g/kgの範囲内のヨウ素値を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  5. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてゴム強化用カーボンブラックがASTM表示でN22、N299、N326、N330およびN347のカーボンブラックの少なくとも1種から選ばれる、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  6. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてゴム強化用カーボンブラックがASTM表示でN347、N326およびN330のカーボンブラックの少なくとも1種から選ばれる、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  7. ゴム組成物がガーベイ・ダイによる未硬化ゴム組成物の押出物について7以上の目視エッジ等級およびB以上の表面等級を有する、請求項6に記載の航空機用タイヤ。
  8. タイヤトレッド組成物が約0.07〜約0.17の範囲内の100℃、10パーセント歪、1ヘルツにおけるタンデルタ値、および約7〜約12MPaの範囲内の300パーセントリング弾性率を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  9. トレッド組成物が約750〜約2,000kPaの範囲内の100℃、10パーセント歪、1ヘルツにおける貯蔵弾性率(G’)を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  10. トレッド組成物が約100〜約400ニュートンの範囲内のインストロン引裂(100℃)値を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  11. シス1,4−ポリイソプレンエラストマーが天然ゴムであり、強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、ここで該ゴム強化用カーボンブラックは60〜約160cc/100gの範囲内のDBP値、および70〜100g/kgの範囲内のヨウ素値を有し、そしてカップリング剤がポリスルフィド橋中に平均約2〜約2.6個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドである、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  12. 上記特定化したシス1,4−ポリブタジエンエラストマーが、有機ニッケルまたは有機コバルト化合物、有機アルミニウム化合物、フッ素含有化合物およびパラスチレン化ジフェニルアミンを含む触媒の存在下における1,3−ブタジエン単量体の有機溶媒溶液重合によって製造される、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  13. 触媒成分がオクタン酸ニッケル、トリイソブチルアルミニウム、フッ化水素およびパラスチレン化ジフェニルアミンを含む、請求項12に記載の航空機用タイヤ。
  14. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてトレッドゴム組成物が約2〜約15phrのスチレン/ブタジエン共重合体エラストマーを含んでいる、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  15. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてシス1,4−ポリイソプレンエラストマーが天然ゴムである、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  16. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてカップリング剤がポリスルフィド橋中に平均2〜約4個の連結硫黄原子を有する少なくとも1種のビス(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドである、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  17. 強化用充填材が粒状沈降シリカの組み合わせであり、そしてカップリング剤がポリスルフィド橋中に平均2〜約4個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドである、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  18. 強化用充填材が粒状沈降シリカとカップリング剤剤との組み合わせであり、そしてカップリング剤が、分子の一部により蓋がされたメルカプト基であって、ある昇温された温度まで加熱するとそのメルカプト基の蓋が外れるそのような蓋がされたメルカプト基を有する形のアルコキシ有機メルカプトシランカップリング剤であり;ここで該アルコキシ有機メルカプトシラン組成物は一般式(I):
    Figure 2006097024
    (式中、Xは塩素、臭素および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれる基であり;Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり;Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり;そしてnはゼロ〜3の平均値であり;ここでnがゼロまたは1であるそのような場合、Rは組成物中の各(R7O)部分について同一でも、異なっていてもよい。)
    を有する、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  19. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてカップリング剤が、分子の一部により蓋がされたメルカプト基であって、ある昇温された温度まで加熱するとそのメルカプト基の蓋が外れるそのような蓋がされたメルカプト基を有する形のアルコキシ有機メルカプトシランカップリング剤であり、ここで該アルコキシ有機メルカプトシラン組成物はトリエトキシメルカプトプロピルシラン、トリメトキシメルカプトプロピルシラン、メチルジメトキシメルカプトプロピルシラン、メチルジエトキシメルカプトプロピルシラン、ジメチルメトキシメルカプトプロピルシラン、トリエトキシメルカプトエチルシラン、トリプロポキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジメトキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジイソプロポキシメルカプトプロピルシラン、エトキシジドデシルオキシメルカプトプロピルシランおよびエトキシジヘキサデシルオキシメルカプトプロピルシランの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
  20. 強化用充填材が粒状沈降シリカとゴム強化用カーボンブラックとの組み合わせであり、そしてカップリング剤が該沈降シリカとの前もって形成された複合剤の形をしている、請求項1に記載の航空機用タイヤ。
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