JP2007210916A - ケルセチン含有組成物及びケルセチン含有組成物を含む飲食品 - Google Patents

ケルセチン含有組成物及びケルセチン含有組成物を含む飲食品 Download PDF

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Abstract

【課題】ケルセチン配糖体をケルセチンに高効率で変換することでケルセチン含量を高めたケルセチン含有組成物、それを用いた飲食品及びケルセチン含有組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱することによって、簡便に短時間で、より効率良くケルセチンに変換させケルセチン含量を高めたケルセチン含有組成物を製造する。また、ケルセチン含有組成物を水及び/又はアルコールを用いて抽出しケルセチン含有組成物の抽出エキスを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケルセチン含有組成物、ケルセチン含有組成物を含む飲食品に関する。
タマネギを重要な摂取源とするケルセチン類は抗酸化性や生活習慣病の疾病に関連する評価において、非常に強い効果を発揮するフラボノイドである。タマネギの外皮中のケルセチン含量は、タマネギ鱗茎に比べその含有率が高いことが知られており、タマネギ外皮またはその抽出物を食品として摂取する方法は種々提案されている。特許文献1は、アスコルビン酸等還元性物質の存在下で抽出して得られるタマネギ外皮抽出物含有食品、飲料または調味料が開示されている。特許文献2では、ケルセチン含有液と蛋白質を混合しケルセチン高濃度含有物を製造する方法が開示されている。特許文献3は、ケルセチンとケルセチン配糖体とプロトカテキュ酸のモル比を1.5〜2.5:1:1.5〜2.5に規定した組成物が開示されている。
一般にケルセチンを含むフラボノイド類はアグリコンと配糖体の形態で存在しており、アグリコンの抗酸化等の活性は配糖体に優る場合が多い。例えば、非特許文献1では、杜仲茶に含まれるケルセチンは血糖上昇抑制作用を示すα―グルコシダーゼ阻害活性を有しており、ケルセチン配糖体であるケルセチン-3-グルコシドよりも10倍以上強いことが示されている。それに対してフラボノイド配糖体をアグリコンに変換する試みがなされている。例えば、特許文献4では、ケルセチンを含むフラボノイド配糖体を酵素的にフラボノイドに変換する方法を開示しているが、酵素を用いる方法は長時間を要し、煩雑な工程である。また、非特許文献2では、タマネギ粉末に含まれるケルセチンとケルセチン配糖体の比率が乾燥方法により異なり、35℃真空乾燥、35℃凍結乾燥の場合、8:92に対し、60℃熱風乾燥の場合、12:88となり、抗酸化活性のラジカル捕捉能も熱風乾燥法が高いことを示している。真空乾燥、凍結乾燥に比べ、熱風乾燥は、ケルセチン配糖体からケルセチンへ変換された量が多いものと考えられるが、変換率は僅かなものである。また、非特許文献3では、ケルセチン配糖体であるケルセチン4'グルコシドを200℃オーブンで60分間加熱するとその68%が分解するが、変換率が低く少量のケルセチンが検出されるのみであることが示しされている。
特開2002−186455 特開2005−289850 特開2004−229615 特表2004−500374 Biosci. Biotech. Biochem.,61,177-178(1997) ACS Symposium Series,859,215-223(2003) Food Sci. Technol.Res.,10,405-409(2004)
上記で開示された従来の方法では、ケルセチン配糖体をケルセチンに効率的に変換することは困難であり、例えばタマネギ外皮を飲食品として摂取した場合でも、ケルセチンとしての有効性を十分に利用することはできていなかった。本発明はかかる問題点に鑑みて、短時間で効率良くケルセチン配糖体をケルセチンに変換し、ケルセチン含量を増大させたケルセチン組成物及びそれを用いた抽出エキスを提供することを課題とした。
本発明者らは、ケルセチン配糖体をケルセチンに変換させ、その含量を増大させる方法について、鋭意検討を重ねたところ、一定の条件で加熱処理することにより効率的に変換し、ケルセチン含量を増大させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のケルセチン含有組成物は、ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱することによりケルセチンに変換することを特徴とするものであり、詳しくはケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率が50%以上であることを特徴とするものである。
本発明のケルセチン含有組成物は150℃以上の品温となるよう加熱されることを特徴とするものであり詳しくは過熱水蒸気を用いて加熱することを特徴とするものである。
上記ケルセチン配糖体の含有物が、タマネギ外皮であってもよい。
本発明のケルセチン含有組成物の抽出エキスとは、上記ケルセチン含有組成物をさらに水及び/又はアルコールを用いて抽出する工程を加えることを特徴とする。
本発明のケルセチン含有組成物又はケルセチン含有組成物の抽出エキスは抗酸化活性及びα―グルコシダーゼ阻害活性を併有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、ケルセチン含有組成物であり、詳しくは150℃以上の品温となるよう加熱し、その方法が過熱水蒸気であることを特徴とするケルセチン含有組成物、又は、ケルセチン含有組成物をさらに水及び/又はアルコールを用いて抽出する工程を加えるを含有することを特徴とするケルセチン含有組成物の抽出エキスを含有するものである。
本発明のケルセチン含有組成物の製造方法は、ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱し、ケルセチン配糖体を50%以上の変換率でケルセチンに変換させることを特徴とするものであり、詳しくは150℃以上の品温となるよう加熱し、その方法が過熱水蒸気であることを特徴とする。
本発明では、ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱することにより、従来のケルセチンを含有する素材では問題点であったケルセチン含量が低いこと、ケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率が低いこと等を改善し、簡便にかつ短時間で効率良くケルセチンに変換したケルセチン含有組成物を得ることができる。特に品質ならびに価格的に優れたケルセチン含有組成物の供給が可能となる。
本発明でいうケルセチン(またはクエルセチン、Quercetin)は、フラボノール類の1つで、配糖体または遊離の形態で、タマネギ、ソバ、ブロッコリー、リンゴ、柑橘類など植物界に広く分布する。化学的には3,3',4',5,7‐ヒドロキシフラボン(3,3',4',5,7-hydroxyflavone)、組成C15H10O7、分子量302.24、CAS No.117-39-5である。
本発明でいうケルセチン配糖体は、特に限定されないが、例えば、ケルセチン-3-グルコシド(イソケルシトリン)、ケルセチン-4'-グルコシド、ケルセチン-7-グルコシド、ケルセチン-3,4'-ジグルコシド、ケルセチン-3,7-ジグルコシド、ケルセチン-3,4',7-トリグルコシド、ケルセチン-3-ラムノシルグルコシド(ルチン)、ケルセチン-3-ラムノシド(ケルシトリン)等を含む。
本発明でいうケルセチン配糖体の含有物とは、タマネギ、ソバ、ダッタンソバ、ブロッコリー、リンゴ、レモン、ミカン等が挙げられ、特にタマネギ外皮は、ケルセチン及びケルセチン配糖体を多く含む為に好ましい。
以下、ケルセチン配糖体の含有物の一つとしてタマネギ外皮について説明する。タマネギ外皮は通常は食用としては使用せず、廃棄されるものを利用する。タマネギの品種、産地、貯蔵方法等を限定するものではないが、赤系タマネギ又は黄系タマネギの外皮が好ましい。赤系タマネギは栽培量が少なく貯蔵性も悪い為、年間を通じてその外皮を確保し、工業的に利用することは困難であり、一般には黄系のタマネギがその外皮の供給源として適している。また、タマネギの可食部分すなわち鱗茎が混在してもよい。
本発明で使用するケルセチン配糖体又はケルセチン配糖体含有物を加熱加工する前処理は特に限定されないが、例えば、ケルセチン配糖体又はケルセチン配糖体含有物としてタマネギ外皮を使用する場合、水洗浄、天日乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、裁断、粉砕させることができる。加熱処理されるケルセチン配糖体又はケルセチン配糖体の含水率は特に限定するものではないが、90%以下が望ましく、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下であることが望ましい。
本発明の加熱方法は、焙焼、直火焼き、鉄板焼き、蒸し、気流オーブン、過熱水蒸気、遠赤外線、揚げ、焙煎、燻製などが挙げられ、その方法を限定するものではないが、過熱水蒸気を用いることが、温度ムラが無く均一に加熱できることから望ましい。また、加熱温度としては、品温として150℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは200〜220℃となるよう加熱することが望ましい。また、加熱時間は特に限定はされないが、1分以上、好ましくは3〜35分、より好ましくは7〜10分間である。上記加熱により細菌、黴、酵母等を殺菌する効果もある。
本発明でいうケルセチン含有組成物とは、ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱することにより、50%以上の変換率でケルセチンに変換させることを特徴とするものであり、好ましくは80%以上の変換率でケルセチンに変換させるものである。ケルセチン含有組成物の形状、色度、風味等は特に限定するものではない。均一性を考慮した場合、形状は粉砕物であることが好ましく、より好ましくは60メッシュを通過する程度まで粉砕している事が望ましい。
また、ケルセチン含有組成物からエキスを抽出して利用することも可能である。ケルセチン含有組成物からエキスを抽出する場合、水及び/またはアルコールを用いる抽出方法であり、アルコールはメタノール、エタノール等が挙げられるが、安全性の点でエタノールが望ましい。水とアルコールを組み合わせた含水アルコールを使用する場合のアルコール濃度を限定するものでもないが、ケルセチンの抽出効率からアルコール濃度が高い方が効率的であり、60%以上とすること、より好ましくは80%以上とすることが望ましい。ケルセチン含有組成物と水及び/またはアルコールの固液比を特に限定するものではないが、ケルセチン含有組成物が水及び/またはアルコールに対して0.1〜20%(w/v)、より好ましくは1〜10%(w/v)である。また、抽出温度または時間を限定するものではないが、抽出温度はアルコールが気化しない範囲で加熱することが望ましく、エタノールを用いるのであれば40〜60℃程度とすることが望ましく、抽出時間は0.5〜6時間程度とする事が望ましい。抽出方法は、特に限定されないが、浸漬後、攪拌することが望ましい。抽出後の固液分離は特に限定されないが、濾過、遠心分離などが挙げられる。回収された抽出エキスはそのまま使用することもでき、濃縮しても使用可能である。
ここで得られたケルセチン含有組成物及びケルセチン含有組成物の抽出エキスは、そのまま飲食品とする事もでき、補助剤として乳化剤、油脂、糖質、酸味料、蛋白質、塩類等を加えることもでき、各種食品に含有させることが可能である。特に限定はないが、例えば、穀物加工品、大豆加工品、油脂加工品、食肉加工品、水産加工品、野菜・果実加工品、乳製品、菓子類、アルコール飲料、嗜好飲料、調味料などが挙げられる。また、錠剤にすることもできる。それぞれで含有する量を特に限定するものではないが、1食当りケルセチン含量で15〜25mgとする事が望ましく、タマネギ外皮から製造したケルセチン含有組成物の場合では、600〜1150mgとするのが望ましい。
本発明でいう抗酸化活性とは、酸化を抑制する活性をいい、生体内ではそれに起因する癌、動脈硬化などの生活習慣病等を抑制する効果を示すものである。例えばSOD様活性、DPPH阻害活性、ESR法などで測定され得るが、抗酸化活性の高い食品を喫食することで、上記疾病の治療、予防が可能となる。α‐グルコシダーゼ阻害活性とは、マルターゼ、スクラーゼ等のα‐グルコシダーゼによる腸管での糖の分解を阻害する活性をいい、血統上昇抑制等の効果を示すものである。糖尿病、動脈硬化等の疾病は糖の過剰摂取による血糖上昇が誘引となっているものが多くあり、α−グルコシダーゼを阻害することにより上記疾病の治療、予防が可能となる。
本発明のケルセチン含有組成物及び該飲食品を提供することにより、抗酸化活性及びα‐グルコシダーゼ阻害活性を併有することから、人々の健康の増進に寄与するものである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各条件のケルセチン含量は以下の通り測定した。
各条件で処理したケルセチン含有組成物を微粉砕し、1.00gを秤量した。このものに80%メタノールを約10mL加え、1時間抽出した。次いで、3000gで5分間遠心し、上清を採取した。さらに2回同様に80%メタノールで抽出し、最終的に50mLにメスアップし、ケルセチン含有組成物抽出液とした。得られた抽出液はそのまま、あるいは2N-HClを用いて酸加水分解してケルセチン配糖体をケルセチンに変換してHPLCで分析した。カラムはInertsil ODS-2(4.6mmI.D.×250mm)を用いた。溶離液は0.1%TFAを含む50%(v/v)メタノール溶液で流速0.8mL/minとした。検出は紫外吸収360nmとした。ケルセチンの標準品は、和光純薬社から購入したものを使用した。ケルセチン含有組成物抽出液をそのまま分析した場合、遊離のケルセチンのみが測定され、酸分解物を分析した場合は、ケルセチンとケルセチン配糖体の総和として測定された。ケルセチン配糖体濃度は酸分解した分析値から遊離のケルセチン濃度を差し引いた数値とした。変換率は以下の式により求めた。
変換率(%)={各処理のケルセチン×(各処理のケルセチンとケルセチン配糖体の総和/無処理のケルセチンとケルセチン配糖体の総和)−無処理のケルセチン}/無処理のケルセチン配糖体
[実施例1]
タマネギ外皮10gを過熱水蒸気を用いて140、165、180、200、215、230℃で10分間加熱処理した。加熱処理終了直前の品温はそれぞれ加熱温度に達していることを赤外線温度計で確認した。加熱終了後、粉砕したものをサンプルとした。無処理として、非加熱のタマネギ外皮を用いた。それぞれの処理を実施したサンプルの抽出液を作成し、ケルセチン含量を測定し、有効性評価の1例として抗酸化活性としてスーパーオキシドジスムターゼ(以下SOD)活性およびα-グルコシダーゼ(以下AGH)阻害活性の測定を行った。なお、SOD活性はSOD Assay Kit-WST(WAKO)を用いて、使用法に従って実施した。また、AGH阻害活性は、非特許文献2に記載の方法に従って実施し、無処理あるいは各加熱水蒸気処理したサンプルとして1mg/mL濃度とした場合の阻害活性を示した。
表1タマネギ外皮の加熱条件によるケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率その他活性
Figure 2007210916
実施例1で示す通り、ケルセチン配糖体はケルセチンに高効率で変換され、加熱温度165℃以上でケルセチンへの変換率は50%以上となり、230℃において最も高くなったが、ケルセチン含量は200℃で2.31%と最大となった。
また、ケルセチンへの変換率が50%以上であるサンプルは抗酸化活性のSOD活性及びAGH阻害活性も優位に向上することが確認された。
[実施例2]
タマネギ外皮10gを過熱水蒸気を用いて220℃で3、7、10、13分間加熱処理し、ケルセチン含有組成物を得た。なお、加熱処理終了直前の品温は3分間の加熱処理においても230℃に達していた。変換率は非加熱のタマネギ外皮を用いて計算した。それぞれの処理を実施した試験区のケルセチン含量およびケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率は表2の通りであった。
表2 タマネギ外皮の加熱時間によるケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率の比較
Figure 2007210916
実施例2で示す通り、全ての加熱時間でケルセチン変換率は50%以上となった。最もケルセチンへの変換率およびケルセチン含量が高かったのは7分であった。一方、加熱時間を10分よりも延長させることによりケルセチンへの変換率及びケルセチン含量は減少した。
[実施例3]
タマネギ外皮10gをフライパンに入れ、下からガスレンジで加熱した。加熱程度は試験例1の過熱水蒸気による加熱条件である165℃、10分及び215℃、10分とそれぞれ色度を合わせた。それぞれ処理したタマネギ外皮のケルセチン含量を測定した結果を表3に示した。
表3 タマネギ外皮の直火加熱によるケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率の比較
Figure 2007210916
実施例3の通り、加熱程度を過熱水蒸気215℃、10分と同等のタマネギ外皮の色度とする為、直火において35分間の加熱を行い160℃達温段階で終点としたケルセチン含有組成物のケルセチンへの変換率は78%でケルセチン含量は2.52%となった。一方、加熱程度を過熱水蒸気165℃、10分と同等のタマネギ外皮の色度とする為に直火において25分間の加熱を行い110℃達温段階で終点としたものは、ケルセチンへの変換率は28%に留まり、ケルセチン含量も1.10%であった。
[実施例4]
タマネギ外皮を過熱水蒸気で215℃、10分の加熱処理したケルセチン含有組成物を用いて、水及びエタノールを用いた抽出を実施した。すなわち、ケルセチン含有組成物1gに対し、0(水)、20、40、60及び80%(v/v)エタノールで2回抽出し、100mLの抽出エキスとした。抽出エキスのケルセチン含量を測定した結果を表4に示した。
表4 ケルセチン含有組成物の水およびエタノール抽出によるケルセチン含量の比較
Figure 2007210916
実施例4の通り、抽出エキスを得た。高濃度とする為にはアルコール濃度が高い方が望ましい。
以下に製造方法に関する実施例を上げるが、これに限定するものではない。
[実施例5]
淡路島産タマネギ外皮1Kgを水洗浄し、それを70℃熱風で4時間乾燥させた。その洗浄済みタマネギ外皮を過熱水蒸気発生装置を用いて210℃、10分間の加熱処理を行った。加熱処理終了直前の品温は210℃であった。得られたケルセチン含有組成物を粉砕機にて粉砕し、60メッシュパスしたケルセチン含有組成物粉末763gを得た。ケルセチン含有組成物のケルセチン含量を測定した結果、乾物当りケルセチン2.26%、ケルセチン配糖体0.31%であった。なお、熱風乾燥前加熱処理前のタマネギ外皮のケルセチンは乾物当り0.71%、ケルセチン配糖体は1.32%であった。ケルセチン配糖体のケルセチンへの変換率は81%であった。
得られたケルセチン含有組成物粉末を用いて、1食当りのケルセチン摂取量を15mg以上とする以下の飲食品を処方した。
[1]粉末飲料
ココアパウダー 25%
粉乳 20%
グラニュー糖 20%
乳糖 15%
澱粉 15%
本発明品 05%
(1食当りの量目15g、熱湯150mLに溶解)
[2]オニオンスープ
デキストリン 41.5%
食塩 16%
畜肉エキス粉末 09%
調味料(アミノ酸等)07%
野菜粉末 06%
酵母エキス 06%
醤油粉末 04%
香辛料 00.5%
本発明品 10%
(1食当りの量目7.5g、熱湯150mLに溶解)
これら調整した飲食品について、官能評価を行った。その結果、いずれも、若干の苦味は有するものの飲食品として好ましい風味、食感を有していた。
[実施例6]
実施例5で得たタマネギ外皮100gに10倍量の80%エタノールで1時間攪拌抽出し、濾過後、785mLのケルセチン含有組成物抽出エキスを得た。抽出エキスのケルセチン含量を測定した結果、0.212%であった。
ここで得られた抽出エキスを水に1%(v/v)添加して、官能評価した。その結果、飲食品として好ましい苦味とタマネギの焙煎した香ばしい風味を有していた。

Claims (9)

  1. ケルセチン配糖体又はその含有物を加熱することにより、ケルセチンに変換させることを特徴とするケルセチン含有組成物。
  2. ケルセチン配糖体又はその含有物のケルセチンへの変換率が50%以上であることを特徴とする請求項1記載のケルセチン含有組成物。
  3. 150℃以上の品温となるよう加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載のケルセチン含有組成物。
  4. 上記加熱方法が過熱水蒸気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のケ ルセチン含有組成物。
  5. ケルセチン配糖体の含有物が、タマネギ外皮であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のケルセチン含有組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載のケルセチン含有組成物をさらに水及び/又はアルコールを用いて抽出する工程を加えることを特徴とするケルセチン含有組成物の抽出エキス。
  7. 抗酸化活性及びα―グルコシダーゼ阻害活性を併有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のケルセチン含有組成物又は請求項7記載のケルセチン含有組成物の抽出エキス。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のケルセチン含有組成物又は請求項7記載のケルセチン含有組成物の抽出エキスを含有してなる飲食品。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のケルセチン含有組成物の製造方法。
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