JP2012039905A - 高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法およびそれにより得られた乾燥野菜 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法で、野菜本来の有する活性酸素吸収能を飛躍的に向上させることができる、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法およびそれにより得られた乾燥野菜を提供する。
【解決手段】野菜をボイル処理する工程と、上記処理後に過熱水蒸気処理する工程と、上記過熱水蒸気処理後の野菜を乾燥処理する工程とにより、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】野菜をボイル処理する工程と、上記処理後に過熱水蒸気処理する工程と、上記過熱水蒸気処理後の野菜を乾燥処理する工程とにより、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、乾燥野菜の製法およびそれにより得られた乾燥野菜に関するものであり、詳しくは、その製法により、野菜本来の有する活性酸素吸収能を飛躍的に向上させることができる、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法およびそれにより得られた乾燥野菜に関するものである。
老化、発ガン、生活習慣病などの原因のひとつは、体内で過剰に生成した活性酸素(1O2,O2・-,H2O2,・OH等の活性酸素種)であると言われている。ヒトが呼吸する時、通常体内に取り込まれる酸素の1%程度は活性酸素となり、細菌などから身体を守る働きをする。しかし、ストレス、紫外線、喫煙などにより過剰に生成する活性酸素は、生体内でDNAや細胞膜などに酸化的障害をもたらし、老化、発ガン、生活習慣病などの原因の一つとなる。
過剰の活性酸素から身体を守るためには、活性酸素除去酵素(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ等の、生体内の活性酸素消去システムに加え、食品として摂取する抗酸化物質の働きが重要である。このような、食品中の抗酸化物質としては、例えば、カテキン、フラボノイド、カロチノイド、アントシアニン、ビタミンC、ビタミンE等があげられる。これらの抗酸化物質は、タンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素、第6番目の栄養素と言われる食物繊維に次いで、近年「第7の栄養素」と呼ばれている。
上記抗酸化物質は、その生体内抗酸化作用により、活性酸素から身体を守り、老化、発ガン、生活習慣病などの抑制に有効であることは、既に広く知られている。ところが、これまで、消費者に対し、抗酸化物質がどのような食品に多く含まれ、どれくらい摂ればいいのかという情報が不足していた。このような状況のなか、米国では、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity:活性酸素吸収能力)値を表記した食品が多く上市されており、消費者に、その食品がどれだけ活性酸素を吸収する能力(抗酸化力)があるかを、具体的数値で示している。なお、ORAC値は、特定の抗酸化物質量を示すのではなく、抗酸化力の強さを水溶性ビタミンE様物質(トロロックス)の量に換算して表され、その単位(ORAC Unit)は「μmolトロロックス当量/100g」で示される。
ところで、上記のような抗酸化物質が多く含まれている食品として一般的に知られているのは、例えば、野菜である。従来、野菜の加工方法としては、例えば、殺菌・長期保存を目的として熱風乾燥処理する方法や、酸化・変色を防止するためアスコルビン酸等の抗酸化剤液で浸漬処理する方法等がある(特許文献1〜5等参照)。
しかしながら、従来、活性酸素吸収能を向上させる見地から、野菜の加工方法が検討されたことはなかった。また、例えば、アスコルビン酸等の抗酸化剤液で浸漬処理する方法等により、ある程度の活性酸素吸収能の向上は見込めるが、この加工法は、製造コスト等の観点から見直すべきとの要請もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、簡便な方法で、野菜本来の有する活性酸素吸収能を飛躍的に向上させることができる、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法およびそれにより得られた乾燥野菜の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、活性酸素吸収作用を高めた乾燥野菜の製法であって、野菜をボイル処理する工程と、上記処理後に過熱水蒸気処理する工程と、上記過熱水蒸気処理後の野菜を乾燥処理する工程とを備えている、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨の製法によって得られる乾燥野菜であって、その活性酸素吸収能(ORAC値)が増強化されている乾燥野菜を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、上記のように野菜をボイル処理(熱湯加熱処理)した後、過熱水蒸気処理(100℃を超える過熱水蒸気により蒸気加熱する処理)をすると、その野菜のORAC値が、生の野菜に比べ、飛躍的に向上することを見いだし、本発明に到達した。
なお、上記ボイル処理をした後、過熱水蒸気処理をしないと、ORAC値の飛躍的向上が望めない。また、上記ボイル処理を行わず、生の野菜をそのまま過熱水蒸気処理すると、ORAC値の飛躍的向上が望めないのに加え、発色性にも劣る結果となる。しかし、本発明のようにボイル処理の後に過熱水蒸気処理すると、発色性に優れるようになり、色鮮やかな高品質の乾燥野菜を製造することができるようになる。これは、上記ボイル処理により、野菜に含まれる酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)が不活性化され、変色が抑えられるためと考えられる。
以上のように、本発明の乾燥野菜の製法は、野菜をボイル処理した後、過熱水蒸気処理をし、その後乾燥するといった簡便な製法であり、これにより、野菜本来の有する活性酸素吸収能を飛躍的に向上させることができる。また、この製法では、抗酸化剤液等による浸漬処理等をしなくとも、発色性に優れるようになるため、製造コストを抑えつつ、色鮮やかな高品質の乾燥野菜を製造することができる。
そして、上記乾燥処理した野菜を微粉砕処理すると、活性酸素吸収能の高い微粉末食品を得ることができる。また、このように微粉砕処理すると、通常、酸化や変色を生じやすくなるが、上記のような特殊な製法により得られた乾燥野菜を微粉砕処理することから、酸化や変色を殆ど生じることなく、発色性に優れた微粉末食品を得ることができる。さらに、このように微粉砕化すると、廃棄分が発生せず、経済性に優れている。
また、上記ボイル処理が、90〜100℃の熱湯による0.5〜7分間のボイル処理であると、より発色性に優れるようになるとともに、野菜に含まれる酵素の不活性化、および、野菜からの灰汁の除去が好適になされるようになる。
さらに、上記過熱水蒸気処理が、120〜240℃の過熱水蒸気による5〜60分間の蒸気加熱処理であると、野菜本来の有する活性酸素吸収能を、より飛躍的に向上させることができるとともに、乾燥野菜の栄養素の損失割合をより低く抑えることができる。
そして、本発明の製法によって得られる乾燥野菜であって、その活性酸素吸収能(ORAC値)が増強化されているものは、その活性酸素吸収能の高さから、老化、発ガン、生活習慣病等の抑制に有効である。
本発明の乾燥野菜の製法は、先にも述べたように、野菜をボイル処理する工程と、上記処理後に過熱水蒸気処理する工程と、上記過熱水蒸気処理後の野菜を乾燥処理する工程とを備えており、これにより、野菜本来の有する活性酸素吸収能を飛躍的に向上させることができる。
原材料である野菜としては、例えば、明日葉,ほうれん草,小松菜,白菜,キャベツ,高菜,大根菜,ケール,ゴーヤー等の葉菜類、人参,紫芋,生姜,ごぼう,れんこん等の根菜類、カボチャ,トマト,キュウリ,ナス等の果菜類、ワラビ,ツクシ,キノコ等の山菜類、カリフラワー,ブロッコリー等の花菜類、とうもろこし,発芽玄米,黒米等の穀類等があげられる。
本発明では、上記野菜を、通常、傷んだ部位等の非可食部位の除去を行った後、水で洗浄する。ついで、適当な大きさにカットした後、ボイル処理する。このボイル処理により、野菜に含まれる酵素が不活性化され、色の鮮やかさが向上し、さらに、野菜からの灰汁の除去がなされるようになる。そして、上記ボイル処理の手法は、90〜100℃の熱湯による0.5〜7分間のボイル処理であることが好ましく、より好ましくは、90〜100℃の熱湯により0.5〜3分間行われる。すなわち、上記ボイル処理が短時間であると、発色性に劣るようになり、逆に、長時間であると、活性酸素吸収能の向上効果が良好に得られなくなるからである。
なお、上記ボイル処理した後の野菜(下記の過熱水蒸気処理前の野菜)を、必要に応じ、20℃以下の温度の水に潜らせたり、20℃以下の温度の水を散布したりして、冷却処理すると、発色性により優れるようになるため、より好ましい。
上記ボイル処理した後になされる過熱水蒸気処理は、100℃を超える過熱水蒸気により蒸気加熱する処理である。好ましくは、120〜240℃の過熱水蒸気による2〜30分間の蒸気加熱処理であり、より好ましくは、160〜200℃の過熱水蒸気による5〜20分間の蒸気加熱処理である。すなわち、この条件で過熱水蒸気処理すると、野菜本来の有する活性酸素吸収能を、より飛躍的に向上させることができるとともに、製品(乾燥野菜)の栄養素の損失割合をより低く抑えることができるからである。過熱水蒸気処理は、通常、上記ボイル処理後の野菜が入れられた密閉空間内(蒸気加熱処理装置内)に、常圧の過熱水蒸気(飽和水蒸気)を吹き込むことにより行なわれる。なお、上記過熱水蒸気は、例えば、水蒸気発生手段で発生させた飽和水蒸気を、ヒーターにより100℃を超える高温に加熱することにより、得ることができる。
つぎに、上記過熱水蒸気処理後の野菜を、乾燥処理する。上記乾燥処理は、乾燥野菜の活性酸素吸収能や、野菜本来の有する栄養分(ビタミン類等)の欠損率を少なくするため、40〜70℃の温風乾燥や、真空乾燥、凍結乾燥により、含水量が10重量%以下となるまで行うことが好ましい。上記温風乾燥には、例えば、温風循環式乾燥機等の乾燥機が用いられる。なお、日陰に干すなどの自然乾燥を行うことによっても、乾燥処理を行うことが可能である。
このようにして得られた乾燥野菜は、必要に応じ、微粉砕される。微粉砕化すると、廃棄分が発生せず、経済性に優れるようになる。そして、上記微粉砕は、具体的には、パワーミルなどの公知の方法で粒径1〜5mm程度に粗粉砕した後、振動ミル,ボールミル,ハンマーミル,凍結粉砕機,気流式粉砕機等によって微粉砕(粒径30μm以下に微粉砕)を行う。なかでも、粉砕時の発熱が少なく、しかも、粒子のサイズを調整しやすく、高品質な微粉末食品が得られるといった点で、ジェット気流式粉砕機による微粉砕が好ましい。なお、この気流式粉砕に使用する気体は、通常は空気であるが、品質維持の点において、窒素ガスなどの不活性ガスを利用すると、好ましい。
ところで、上記微粉砕の過程で、あまりにも細かい超微紛が混在すると、その超微紛が他の粒子よりも表面積が大きく、酸化・変色しやすいといった問題が生じる。また、このような超微紛が多いと、微粉末全体が白っぽくなり、品質の安定化を阻害するおそれもある。そのため、単に微粉砕するだけでなく、以下のようにして超微紛の分級除去と組合わせて、目的とする微粉末食品を製造することが好ましい。その具体的な方法としては、上記微粉砕工程を、気流式粉砕機により粒径が30μm以下になるまで微粉砕することにより行い、その後、得られた微粉末から粒径5μm未満のものを分級除去し、平均粒径(ふるい分け法による)が5〜30μmの範囲となるよう整粒することが好ましい。すなわち、このような条件で微粉砕および分級除去すると、より酸化や変色のない、安定した品質の微粉末食品を得ることができるようになる。また、上記分級除去を、強制気流式分級機により行い、粒径5μm未満の粒子の割合が、微粉末食品全量の5重量%以下になるまで行うと、製造時の品質劣化が一層抑えられるとともに、微粉末全体が白っぽくなるといった品質の低下が効果的に解消されるようになり、好ましい。
このようにして微粉砕した乾燥野菜(微粉末食品)、および微粉砕前の乾燥野菜は、その活性酸素吸収能(ORAC値)が、生野菜のときと比べ、増強化されている。すなわち、上記製法により得られた乾燥野菜は、その活性酸素吸収能(ORAC値)が、通常、本発明の製法を適用する前の生野菜のORAC値に対し、5〜20倍の値を示すようになる。このように活性酸素吸収能が増強化されていることから、上記乾燥野菜は、老化、発ガン、生活習慣病等の抑制に有効である。
上記ORAC値の測定は、例えば、その蒸留水抽出液に対し、予め蛍光プローブを添加し、ついで、ラジカル発生剤として2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩(AAPH)を添加し、活性酸素種を発生させ、それにより経時的に減少する蛍光強度を、マルチラベルプレートリーダー(Mithras LB940、ベルトールド社製)で測定し、定法の解析方法に基づき、親水性ORAC値を求めることにより、行われる。なお、標準物質は水溶性ビタミンE様物質(トロロックス)であり、上記測定値は、水溶性ビタミンE様物質(トロロックス)の量に換算して表される。
また、本発明の製法により得られた乾燥野菜(微粉末食品を含む)は、色が鮮やかで、保存性に優れるとともに、生野菜のときと比べ嵩が減るため、生野菜換算では多量の野菜が、少量で摂取することができるようになる。さらに、上記微粉末食品は、消化吸収等の点で良好であり、特に、野菜の摂取が難しい人(老人、子供、病人等)にとって有用な食品となり得る。また、この微粉末食品を、あらゆる飲食品中に添加したり、複数種の粉末を組合わせて摂食することにより、野菜の摂取不足が容易に解消されるようになる。
なお、上記のように微粉末化したものは、例えば、スープ,インスタント食品,パン,菓子,ふりかけ,食肉水産加工品,ジュース,清涼飲料,茶等の一般的な飲食品をはじめ、健康食品や、スパイス,ドレッシング等の調味食品等に利用することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
市販のほうれん草10kgを、水で洗浄し、10〜30mm幅にカットした。ついで、これを、95℃の熱湯に3分間浸漬してボイル処理を行った。つぎに、このボイル処理を行ったほうれん草を湯切りし、その後、水道水(約15℃)を散布し、ついで、遠心脱水機で脱水後、過熱水蒸気処理(常圧:101.3kPa、温度180℃)を10分間行った。この後、温風循環式乾燥機(木原製作所社製)により温風乾燥(60℃の温風による16時間の乾燥処理)を行った。そして、上記温風乾燥により、その水分含量を5.4%にまで乾燥させた後、このものを、ジェット気流式粉砕機(ジェットオーマイザー304型、セイシン社製)によって、供給エア圧力0.6MPa,原料投入速度15kg/hで平均粒径11.0μmになるまで粉砕した。このようにして、目的とする微粉末食品(ほうれん草パウダー)を得た。
市販のほうれん草10kgを、水で洗浄し、10〜30mm幅にカットした。ついで、これを、95℃の熱湯に3分間浸漬してボイル処理を行った。つぎに、このボイル処理を行ったほうれん草を湯切りし、その後、水道水(約15℃)を散布し、ついで、遠心脱水機で脱水後、過熱水蒸気処理(常圧:101.3kPa、温度180℃)を10分間行った。この後、温風循環式乾燥機(木原製作所社製)により温風乾燥(60℃の温風による16時間の乾燥処理)を行った。そして、上記温風乾燥により、その水分含量を5.4%にまで乾燥させた後、このものを、ジェット気流式粉砕機(ジェットオーマイザー304型、セイシン社製)によって、供給エア圧力0.6MPa,原料投入速度15kg/hで平均粒径11.0μmになるまで粉砕した。このようにして、目的とする微粉末食品(ほうれん草パウダー)を得た。
〔比較例1〕
ボイル処理および過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
ボイル処理および過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
〔比較例2〕
過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
〔比較例3〕
ボイル処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
ボイル処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(ほうれん草パウダー)を作製した。
〔実施例2〕
明日葉10kgを、水で洗浄し、10〜30mm幅にカットした。ついで、これを、95℃の熱湯に5分間浸漬してボイル処理を行った。つぎに、このボイル処理を行った人参を湯切りし、これを直ちに、過熱水蒸気処理(常圧:101.3kPa、温度180℃)を15分間行った。この後、温風循環式乾燥機(木原製作所社製)により温風乾燥(60℃の温風による18時間の乾燥処理)を行った。そして、上記温風乾燥により、その水分含量を6.8%にまで乾燥させた後、このものを、ジェット気流式粉砕機(ジェットオーマイザー304型、セイシン社製)によって、供給エア圧力0.6MPa,原料投入速度15kg/hで平均粒径14.0μmになるまで粉砕し、目的とする微粉末食品(明日葉パウダー)を得た。
明日葉10kgを、水で洗浄し、10〜30mm幅にカットした。ついで、これを、95℃の熱湯に5分間浸漬してボイル処理を行った。つぎに、このボイル処理を行った人参を湯切りし、これを直ちに、過熱水蒸気処理(常圧:101.3kPa、温度180℃)を15分間行った。この後、温風循環式乾燥機(木原製作所社製)により温風乾燥(60℃の温風による18時間の乾燥処理)を行った。そして、上記温風乾燥により、その水分含量を6.8%にまで乾燥させた後、このものを、ジェット気流式粉砕機(ジェットオーマイザー304型、セイシン社製)によって、供給エア圧力0.6MPa,原料投入速度15kg/hで平均粒径14.0μmになるまで粉砕し、目的とする微粉末食品(明日葉パウダー)を得た。
〔比較例4〕
ボイル処理および過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
ボイル処理および過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
〔比較例5〕
過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
過熱水蒸気処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
〔比較例6〕
ボイル処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
ボイル処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、微粉末食品(明日葉パウダー)を作製した。
このようにして得られた実施例品および比較例品の微粉末食品に対して、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に示した。
〔ORAC値〕
微粉末食品の蒸留水抽出液(蒸留水で撹拌し、これを、遠心分離、濾過して得られた抽出液)に対し、予め蛍光プローブを添加し、ついで、ラジカル発生剤として2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩(AAPH)を添加し、活性酸素種を発生させ、それにより経時的に減少する蛍光強度を、マルチラベルプレートリーダー(Mithras LB940、ベルトールド社製)で測定し、定法の解析方法に基づき、親水性ORAC値を求めた。なお、上記測定における標準物質は水溶性ビタミンE様物質(トロロックス)であり、その単位(ORAC Unit)は「μmolトロロックス当量/100g」で示される。
微粉末食品の蒸留水抽出液(蒸留水で撹拌し、これを、遠心分離、濾過して得られた抽出液)に対し、予め蛍光プローブを添加し、ついで、ラジカル発生剤として2,2′−アゾビス−アミジノプロパン二塩酸塩(AAPH)を添加し、活性酸素種を発生させ、それにより経時的に減少する蛍光強度を、マルチラベルプレートリーダー(Mithras LB940、ベルトールド社製)で測定し、定法の解析方法に基づき、親水性ORAC値を求めた。なお、上記測定における標準物質は水溶性ビタミンE様物質(トロロックス)であり、その単位(ORAC Unit)は「μmolトロロックス当量/100g」で示される。
〔色調〕
目視により、得られた微粉末食品の色調を評価した。
目視により、得られた微粉末食品の色調を評価した。
上記結果から、実施例1と、比較例1〜3とを比較すると、ボイル処理後に過熱水蒸気処理するといった手順を踏まずに乾燥処理した比較例1〜3品に比べ、実施例1品は、ORAC値が格段に高いことがわかる。また、実施例1品は、比較例1〜3品に比べ、色調が鮮やかであり、発色性に優れることがわかる。これにより、本発明の製法の有用性が示される結果となった。なお、生のほうれん草のORAC値は、測定した結果、1557(μmolトロロックス当量/100g)であったことから、実施例品は、これの10倍以上のORAC値を示しており、老化、発ガン、生活習慣病などの抑制に有効である。
同様に、実施例2と、比較例4〜6とを比較すると、ボイル処理後に過熱水蒸気処理するといった手順を踏まずに乾燥処理した比較例4〜6品に比べ、実施例2品は、ORAC値が格段に高いことがわかる。また、実施例2品は、比較例4〜6品に比べ、色調が鮮やかであり、発色性に優れることがわかる。この結果からも、本発明の製法の有用性が示された。
Claims (6)
- 活性酸素吸収作用を高めた乾燥野菜の製法であって、野菜をボイル処理する工程と、上記処理後に過熱水蒸気処理する工程と、上記過熱水蒸気処理後の野菜を乾燥処理する工程とを備えていることを特徴とする、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法。
- 上記ボイル処理が、90〜100℃の熱湯による0.5〜7分間のボイル処理である、請求項1記載の、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法。
- 上記過熱水蒸気処理が、120〜240℃の過熱水蒸気による2〜30分間の蒸気加熱処理である、請求項1または2記載の、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法。
- 上記乾燥処理した野菜を微粉砕処理する工程を備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法。
- 上記微粉砕処理した野菜の平均粒径が5〜30μmの範囲内になるよう、上記微粉砕処理を行う、請求項4記載の、高活性酸素吸収作用を有する乾燥野菜の製法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製法によって得られる乾燥野菜であって、その活性酸素吸収能(ORAC値)が増強化されていることを特徴とする乾燥野菜。
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