JP2007210110A - ポリスチレン系樹脂積層シート - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、脆さが改善されており、軽量で、二次発泡倍率低いシートであるにも拘わらず、優れた剛性を有し、片面金型成形が可能な発泡層を有するポリスチレン系樹脂積層シートを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のポリスチレン系樹脂積層シートは、特定の混合樹脂を主成分とする非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られるシートであって、密度、独立気泡率、二次発泡倍率、加熱収縮率が特定の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層シートに関し、詳しくは共押出によって製造される積層シートであって、薄く、軽量であるにも拘わらず剛性に優れ、ソリッドシートと同様の熱成形性を有するポリスチレン系樹脂積層シートに関する。
近年の食品物流においては、中食市場と呼ばれる持ち帰り弁当や惣菜を包装容器に包んで扱う用途が増加し、そのための食品包材が多量に用いられている。これら包装容器に要求される特性は、食品を包装容器に包んだままで電子レンジで調理することができ、しかも、そのまま食卓に並べても見栄えの良い外観を有することである。これらの要求を満足するものとして、ポリプロピレン系樹脂にフィラーを充填することにより、剛性を高めた包装容器が用いられてきた。
しかし、容器リサイクル法が施行されたことにより、できる限り樹脂量を削減した容器が求められるようになった。
そこで、本発明者等は特開2000−103016号公報(特許文献1)に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提案した。この発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、樹脂層を介してポリオレフィン系樹脂層が積層された多層体であって、該樹脂層がポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合樹脂からなるものである。
前記特許文献1に記載の積層発泡シートは、電子レンジ対応性、軽量性を満足するものの、ソリッドシートのように容易に熱成形することができない上に、養生期間が必要で、在庫スペースが大きいという欠点があった。更に、金型コストが従来のソリッドシートの二倍となり成形コストが高くなるという欠点もあった。
即ち、該積層発泡シートを熱成形すると、シートに残存する発泡剤の影響で二次発泡が起こり、シートの二次厚みが厚くなることを防ぐことができなかった。それによって、剛性がさらに高まるというメリットはあるものの、得られる容器の表面をフラットにするために、雄型と雌型とからなる一対の成形金型を用いて、両面から押付けなければならないので、成形装置のコスト増を余儀なくされた。これに対し、従来のソリッドシートは、加熱した時の厚みの変化がないため、雄型又は雌型(通常は雌型)による成形金型による真空成形(以下「片面金型成形」と称することがある。)で容易に成形できるため、成形装置のコストが安価である。
また、二次発泡により厚みの高まった容器は積み上げた時の高さが高くなり、従来のソリッドシート容器に比較すると、より大きな容器の在庫スペースが必要で、コスト競争力が低いという問題もあった。
一方、炭酸ガスを発泡剤として、二次発泡の少ないポリスチレン系樹脂発泡シートを得る方法が、以前より提案されている。炭酸ガスは早期に発泡シートから逸散することから、炭酸ガスによる発泡シートは、加熱成形時において二次発泡により厚みがわずかしか増加しないため、片面金型成形が可能でかつ良品が得られる可能性を有するものである。しかし、現実には炭酸ガスを発泡剤としてポリスチレン系樹脂を発泡すると、炭酸ガスの樹脂に対する可塑化効果が低く、さらに樹脂温度が上昇することにより、極めて脆い発泡シートしか得ることができない。その結果、押出発泡後のシートをマンドレルと呼ばれる環状冷却装置にかけるまでの間にシートが割れたり、筒状発泡シートを押出方向に切り込みを入れて切り開く際にシートが割れたりするため、切り開いたシートをロール状に巻きとることは事実上不可能であった。さらに、炭酸ガスにより得られるポリスチレン系樹脂発泡シートは、押出方向への歪が高まる特性があり、加熱後の収縮バランスが悪く、良好な熱成形性を有するものは得ることができなかった。従って、従来技術では、炭酸ガスを発泡剤として製造されるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、薄くて軽量であるにも拘わらず剛性に優れ、良好な熱成形性を有するものは実用化されていないのが現実である。
特開2000−103016号公報
本発明は、脆さが改善されており、軽量で、二次発泡倍率低いシートであるにも拘わらず、優れた剛性を有し、片面金型成形が可能な発泡層を有するポリスチレン系樹脂積層シートを提供することを課題とする。更に、本発明は、電子レンジ対応性を有し、耐熱性、耐油性に優れ、意匠性に富み、デザイン選択の自由度に富む印刷フィルムを容易に熱接着可能なポリスチレン系樹脂積層シートを提供することも目的とする。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂発泡シートが提供される。
〔1〕ポリスチレン系樹脂40〜70重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜50重量%、スチレン系エラストマー5〜25重量%(但し、合計100重量%である。)からなる混合樹脂を主成分とする非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られるポリスチレン系樹脂積層シートであって、密度が0.26〜0.72g/cm、独立気泡率が55%以上、二次発泡倍率が1.7倍以下、加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層シート。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(1)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(2)
〔2〕厚みが0.3〜1.7mm、坪量が460g/m以下、非発泡合成樹脂層の表裏合計坪量が160g/m以下であることを特徴とする前記〔1〕に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
〔3〕非発泡合成樹脂層に含有されるポリプロピレン系樹脂の融点が150℃以上であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
〔4〕ポリスチレン系樹脂40〜70重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜50重量%、スチレン系エラストマー5〜25重量%からなる非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られる積層シートの片面又は両面に合成樹脂フィルムが積層されたポリスチレン系樹脂積層シートであって、密度が0.26〜0.72g/cm、独立気泡率が55%以上、二次発泡倍率が1.7倍以下、加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層シート。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(3)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(4)
〔5〕該合成樹脂フィルムがポリスチレン系樹脂フィルム又はポリプロピレン系樹脂フィルムであることを特徴とする前記〔4〕に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
本発明の請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層シート(以下、本発明の第1の積層シートと称することがある。)は、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマーとが特定量配合された非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られるものであり、積層シート全体として密度が0.26〜0.72g/cm(積層シート全体がポリスチレン樹脂からなるもの仮定すると積層シートの発泡倍率としては約1.5〜4倍)に発泡している独立気泡率が高い積層シートであり、二次発泡倍率が1.7倍以下で、特定の熱収縮率を有することから、市場の要求を満たす軽量性を有しながら、脆さが改善されており、剛性に富み、ロースタック性に優れ、熱成形性も満足するものである。更に、ソリッドシートと同様にプラグアシスト真空成形等の片面金型成形が可能で、コストダウンに貢献できる素材である。
本発明の第1の積層シートは、二次発泡率が低いため、得られる成形体は、肉厚増がほとんどないため在庫スペースが小さくて済み、コストダウンが達成される。また、本発明の第1の積層シートは、熱収縮バランスが良好であるため、熱成形性も良好である。
また、本発明の請求項4に記載のポリスチレン系樹脂積層シート(以下、本発明の第2の積層シートと称することがある。尚、特に区別せずに、積層シートと称する場合は、本発明の第1の積層シートと本発明の第2の積層シートを総称したものを意味する。)は、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマーとが特定量配合された非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られるものの片面又は両面に合成樹脂フィルムが積層された積層シートであって、積層シート全体として密度が0.26〜0.72g/cm(積層シート全体がポリスチレン樹脂からなるもの仮定すると積層シートの発泡倍率としては約1.5〜4倍)に発泡している独立気泡率が高い積層シートであり、二次発泡倍率が1.7倍以下で、特定の加熱収縮率を有することから、市場の要求を満たす軽量性を有しながら、脆さが改善されており、剛性に富み、ロースタック性に優れ熱成形性も満足するものである。更に、ソリッドシートと同様にプラグアシスト真空成形が可能で、コストダウンに貢献できる素材である。また、本発明の第2の積層シートは、表面に合成樹脂フィルムを有しており、合成樹脂フィルムにより意匠性や耐油性等の機能を付与することができる。
本発明の第2の積層シートは、二次発泡率が低いため、片面金型成形で容易に成形でき、得られる容器は、肉厚増がほとんどないため在庫スペースが小さくて済み、コストダウンが達成される。また、本発明の第2の積層シートは、熱収縮バランスが良好であるため、熱成形性も良好である。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂積層シートについて詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層シートは、上記の通り、本発明の第1の積層シートと本発明の第2の積層シートの2つの態様を持つ。本発明の第2の積層シートは、本発明の第1の積層シート(ただし、この場合、接着される合成樹脂フィルムの分だけわずかに軽量になっている)の表面に合成樹脂フィルムを接着一体化した構造を有するものであり、いずれの積層シートもポリスチレン系樹脂発泡層(以下、単に発泡層ともいう。)の両面に非発泡合成樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)が積層されたサンドイッチ構造を有するシートであって、これらの各層を共押出することにより得られるものである。該積層発泡シートは、サンドイッチ構造を有することにより、中心層が発泡体であるにも拘わらず強度に優れるものである。
本発明においては、発泡層はポリスチレン系樹脂を主成分とし、樹脂層はポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系エラストマーからなる混合樹脂を主成分とする。但し、樹脂層は、単一層であっても複数層であってもよい。
尚、本明細書における主成分とは、発泡層においては、ポリスチレン系樹脂を70重量%以上(好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上)含有することをいい、樹脂層においては、上記特定の混合樹脂を70重量%以上(好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上)含有することをいう。
本発明の発泡層を構成し、樹脂層にも添加されるポリスチレン系樹脂には、スチレンの単独重合体及び共重合体が包含され、その重合体中に含まれるスチレン系モノマーに由来する構造単位は少なくとも60重量%以上、好ましくは80重量%以上である。本発明で用いる好ましいポリスチレン系樹脂は、下記の一般式(1)で表される構造単位を樹脂中に少なくとも60重量%含有する樹脂である。
Figure 2007210110
前記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、pは0または1〜3の整数である。
前記ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが例示される。
尚、ビカット軟化点が110℃以上のポリスチレン系樹脂を使用することにより、本発明積層シートの耐熱性を向上させることができる。
但し、本明細書において、樹脂のビカット軟化点はJIS K7206(試験荷重はA法、伝熱媒体の昇温速度は50±5℃/時の条件)にて求められる値を指す。
本発明の発泡層の場合、これらの樹脂にポリスチレン系エラストマーを添加してもよい。但し、発泡層におけるポリスチレン系エラストマーの添加量は、10%以下が好ましい。本発明では、薄肉で剛性のある積層シートの開発を目的としているため、発泡層にエラストマーを添加しすぎると、耐衝撃性は高まるものの、剛性が低下するので好ましくない。より好ましくは7%以下、さらに好ましくは3%以下である。ゴム分の配合率で言い換えると、おおむね6%以下が好ましく、さらに好ましくは4%以下、特に好ましくは2%以下である。
前記ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、200℃、剪断速度100sec−1の条件下で、20Pa・s以上で10000Pa・s未満が好ましく、より好ましくは100〜5000Pa・sである。その溶融粘度が前記範囲内であれば、発泡成形が容易となり、良質の発泡層を形成することが容易となる。前記ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、株式会社島津製作所の溶融粘度測定装置であるフローテスターCFT−500により測定できる。
本発明の樹脂層に用いられるポリプロピレン系樹脂には、プロピレンの単独重合体、共重合体及びブレンド体等が包含される。プロピレン共重合体において、その共重合成分には、エチレン、プロピレン以外の他のα−オレフィンが包含され、そのα−オレフィンの炭素数は12以下、好ましくは8以下である。その共重合成分であるエチレン又は/及び他のα−オレフィンに由来する構造単位の含有量は、ブロック共重合体の場合は20重量%以下、ランダム共重合体の場合は8重量%以下であることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂のブレンド体において、そのブレンド用樹脂には、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素数が3〜12個のα−オレフィンとの共重合体、炭素数が4〜6のα−オレフィンの単独重合体等が挙げられる。これらのブレンド体において、プロピレンに由来する構造単位の含有率は、50重量%以上、好ましくは75重量%以上である。
尚、本明細書で言うプロピレン系樹脂には、前記プロピレン系樹脂に対し、少なくとも1個の二重結合を有する化合物(たとえば、不飽和のカルボン酸、ビニルシラン化合物等)をグラフト重合することによって得られる変性プロピレン系樹脂も含まれる。
これらのポリプロピレン系樹脂の中でも、本発明で用いられるポリプロピレン樹脂として好ましいものは、融点が150℃以上のポリプロピレン単独重合体、融点が150℃以上のエチレンープロピレンブロック共重合体、融点が150℃以下のエチレンープロピレンランダム共重合体である。但し、耐熱性、剛性が優れていることから、融点150℃以上のものがより好ましい。
即ち、本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン単独重合体又はエチレンープロピレンブロック共重合体がより好ましい。更に、共押出成形性に優れていることから、エチレンープロピレンブロック共重合体が更に好ましい。共押出によるシート製造時には、製造条件によっては、伸びムラによるウロコ模様が発生することがあるが、エチレンープロピレンブロック共重合体を用いれば、ウロコ模様が発生する虞がない。
本発明者等は、先に特許文献1に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シートを開発した際、伸びムラのない深絞り成形性に優れる発泡積層シートを得るためには、エチレンープロピレンランダム共重合体が好ましいことを見出した。これに対し、本発明においては、前述したように、ポリプロピレン単独重合体やエチレンープロピレンブロック共重合体が好ましい。その違いは、本発明の第1の積層シートは、薄肉で発泡層密度が高いこと、また、該第1の積層シートには、後述するように合成樹脂フィルムを積層することが好ましく、そのためには樹脂層の坪量は160g/m以下が好ましいことから、発泡層と樹脂層の熱成形温度範囲のズレが少ないことによるものである。
本発明の積層シートにおいては、前記の通り、低温の熱成形性に優れるエチレンープロピレンランダム共重合体を使用する必要がないので、耐熱性に優れ、電子レンジ用途に好ましく使用することができ、樹脂量が少なくても剛性に優れる、融点が150℃以上のポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
本発明の樹脂層に添加されるスチレン系エラストマーは、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを相溶化する機能を有し、SEBS系やSEPS系のものや、SBS系又はSIS系のもの等が包含される。SBS系又はSIS系のものは、ハードセグメントとしてポリスチレンの結晶相を有し、ソフトセグメントとしてポリブタジエン又はポリイソプレンがブロック的に共重合された構造を有する。一方、SEBS系やSEPS系のものは、前記SBS系やSIS系のものに含まれているポリブタジエン、ポリイソプレンを高度に水素化してその主鎖中の二重結合を飽和させたものである。これらのSEBS系や、SEPS系、SBS系及びSIS系等のスチレン系熱可塑性エラストマーについては、「プラスチックエージ」、第101頁〜第106頁(June 1985)に詳述されている。尚、スチレン系エラストマー中のスチレンに由来する構造単位は、通常は10〜65重量%であり、好ましくは30〜55重量%である。
本発明における樹脂層を構成する混合樹脂は、前記ポリスチレン系樹脂、前記ポリプロピレン系樹脂、前記スチレン系エラストマーからなり、その配合量は、ポリスチレン系樹脂が40〜70重量%、ポリプロピレン系樹脂が15〜50重量%、スチレン系エラストマーが5〜25重量%(但し、合計100重量%である。)である。樹脂層がこのように構成されていると、樹脂層と発泡層の接着強度が十分なものとなり、後述するように、樹脂層に積層される合成樹脂フィルムとの接着強度も十分なものとなる。
尚、発泡層と樹脂層との接着強度は、40gf/cm以上が好ましく、より好ましくは100gf/cm以上、更に好ましくは150gf/cm以上である。その接着強度の上限値は、通常、500gf/cm程度である。
但し、発泡層と樹脂層との接着強度は、積層シートより幅25mmの試験片を切り出し、JIS Z0237に準拠し、剥離速度条件300mm/minの90°剥離試験にて測定して求めた値(gf/25mm)を2.5で割り算して接着強度(gf/cm)として求めた値である。
樹脂層中のポリスチレン系樹脂の含有量が70重量%を超えると、樹脂層と発泡層との接着強度は良好になるが、後述するように、ポリプロピレン系樹脂フィルムを樹脂層に積層する場合、樹脂層とフィルムとの接着強度が不十分になる虞がある。一方、樹脂層中のポリスチレン系樹脂の含有量が40重量%未満になると、逆に、樹脂層とポリプロピレン系樹脂フィルムを積層する場合の接着強度は良好になるものの、樹脂層と発泡層との接着強度が不十分になる虞があり、積層シートの樹脂層にポリスチレン系樹脂フィルムを積層する場合の接着強度が不十分となる虞がある。かかる観点から、樹脂層中のポリスチレン系樹脂の含有量は、40〜70重量%が好ましく、45〜65重量%がより好ましい。
樹脂層中のポリプロピレン系樹脂の含有量が50重量%を超えると、樹脂層とポリプロピレン系樹脂フィルムとの接着強度は良好になるが、樹脂層と発泡層との接着強度が不十分になる虞がある。一方、樹脂層中のポリプロピレン系樹脂の含有量が15重量%未満になると、逆に、樹脂層と発泡層との接着強度は良好になり、樹脂層にポリスチレン系樹脂フィルムを積層する場合の接着強度も良好になるものの、樹脂層とポリプロピレン系樹脂フィルムの接着強度が不十分になる虞がある。かかる観点から、樹脂層中のポリプロピレン系樹脂の含有量は、15〜50重量%が好ましく、20〜45重量%がより好ましい。
スチレン系エラストマーの樹脂層における含有量が前記範囲内であれば、発泡層と樹脂層との接着性、積層シートの衝撃強度や脆性が改善される。これに対し、スチレン系エラストマーの含有量が25重量%を超えると、剛性が失われる上に、コストアップとなる。また、スチレン系エラストマーの含有量が5重量%未満になると、積層シート全体が脆くなり、熱成形用素材として使用できなくなる。
また、樹脂層にポリスチレン系エラストマーが添加されていると、本発明の積層シートを容易に製造することができるという利点がある。即ち、本発明の積層シートは、密度が0.26〜0.72g/cmという低発泡倍率のシートである上に二次発泡倍率が1.7倍以下のソリッドシートと同様に熱成形できる積層シートである。このような積層シートは、ブタンやペンタン等の可塑性のある発泡剤を主成分として用いることができないことから、押出された発泡層は非常に脆く強く引取ると切断しやすい傾向がある。ところが、樹脂層にスチレン系エラストマーが添加されていると、積層シート全体が弾性に富むものとなり、ダイから押出されたシートを容易に引取ることができる。
尚、ポリスチレン系エラストマーは、種類によってゴムの含有率が異なるため、添加量に影響が出る。樹脂層に加えるゴム含量で言い換えると、3〜15重量%が好ましく、6〜12重量%がより好ましい。
以上の通り、本発明の積層シートは、そのまま(第1の本発明の積層シート)でも熱成形用途に好適に使用可能であり、その上、樹脂層には、目的に応じてポリスチレン系樹脂フィルムであってもポリプロピレン系樹脂フィルムであっても良好に熱接着することができ、そのような合成樹脂フィルムが熱接着されたもの(第2の本発明の積層シート)でも熱成形用途に好適に使用可能である。
前記発泡層と前記樹脂層との接着強度をより優れたものとするためには、前記配合に加え、樹脂層における相構造指数PI値が0.7〜1.3、好ましくは0.8〜1.2の範囲内となるように、ポリスチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を選択することが好ましい。相構造指数PI値は、樹脂層のポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との混合状態を示すもので、下記式(5)で求められる。
Figure 2007210110
前記式(5)において、φは樹脂層中のポリスチレン系樹脂相の体積分率、ηは200℃、剪断速度100sec−1におけるポリスチレン系樹脂の溶融粘度、φは樹脂層中のポリプロピレン系樹脂相の体積分率、ηは200℃、剪断速度100sec−1におけるポリプロピレン系樹脂の溶融粘度である。これら溶融粘度は、株式会社島津製作所の溶融粘度測定装置であるフローテスターCFT−500により測定できる。
前記樹脂層のPI値が前記範囲以上であれば、樹脂層中のポリプロピレン系樹脂がポリスチレン系樹脂に覆われて接着表面に露出しないということを防ぐことができるので、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂が共に樹脂層表面に現れることにより、発泡層と樹脂層との接着強度が十分になると共に、樹脂層とポリプロピレン系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルムとの間の接着強度も十分になり、積層シートを熱成形して容器にした際に層間剥離が生じることがない。一方、PI値が1.3以下であれば、樹脂層中のポリスチレン系樹脂がポリオレフィン系樹脂に覆われ接着表面に露出しなくなるということを防ぐことができるので、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂が共に樹脂層表面に現れることにより、ポリプロピレン系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルムと樹脂層との接着強度が十分になると共に、樹脂層と発泡層との接着強度も十分になり、積層シートを熱成形して容器にする際に層間剥離が生じることがない。
結局、上記PI値が0.7〜1.3の範囲にあることにより、発泡層と樹脂層との間の接着強度が優れたものとなる。
なお、前記式(5)におけるポリスチレン系樹脂相の体積分率とポリプロピレン系樹脂相の体積分率は、非発泡合成樹脂層に使用されるポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の体積の総和を100としたときのそれぞれの体積分率意味し、上記PI値が0.7〜1.3の範囲に設定した上でポリスチレン系エラストマーを上記した配合割合となるように追加添加すれば良い。
本発明のポリスチレン系樹脂積層シートは、従来公知の多層共押出法によって製造される。即ち、多層共押出法によって発泡層の両面に樹脂層を設けて押出することにより、製造される。本発明の積層シートは、多層共押出法によって製造されるので、工程がシンプルであることにより低コスト化が可能であり、また発泡層と樹脂層の接着強度が高いものである。樹脂層に用いるポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびスチレン系エラストマー等はペレット状でドライブレンドした後、そのまま押出機の投入口に入れても良く、また予め溶融混練して用いても良い。
本発明の積層シート全体の密度は0.26〜0.72g/cmである。該密度が0.26g/cm未満では、求める剛性が得られない。一方、該密度が0.72g/cm超では求める軽量性が得られない。かかる観点から、該密度は、好ましくは0.31〜0.63g/cm、より好ましくは0.35〜0.59g/cmである。
本明細書における積層シートの密度の測定は、積層シートより無作為に厚みはそのままとし、幅30cm、長さ30cmの正方形に切り出し、そのサンプルの重量をそのサンプルの体積で割り算することにより求められる。
本発明の積層シートの独立気泡率は55%以上である。独立気泡率が低いと、熱成形により得られる容器の剛性が低くなる虞がある上に、電子レンジ用途に用いた時に、容器が変形を生じ容器として機能しなくなる虞がある。かかる観点から、好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは75%以上である。
本明細書における独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(積層シートから25mm×25mm×シート厚みに切断したカットサンプルをサンプルカップ内に、厚み20mmとなるように重ねて収容して測定する。)された積層シート(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記(6)式により独立気泡率S(%)を計算し、N=3の平均値で求める。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (6)
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm3)であり、積層シートを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm3)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:積層シートを構成する樹脂の密度(g/cm3)(積層シートは実質的にポリスチレン系樹脂からなっていると言えるので便宜上ポリスチレン樹脂の密度である1.05g/cm3を採用する。)
本発明の積層シートの二次発泡倍率は1.7倍以下である。二次発泡倍率が1.7倍以下であれば、ソリッドシートと同様にプラグアシスト成形により容器を得ることができる。即ち、この程度の二次厚みの増加であれば、雄型と雌型とを用いて両面から押付けなくても、片面金型成形により表面がフラットな容器を得ることができる。
一方、二次発泡倍率が1.7倍超の積層シートを熱成形すると、二次発泡により剛性は増すものの片面金型成形では金型と接触しない面のシャープ性が劣り、得られる容器が外観に劣るものとなる。また、ロースタック性も失い、取り扱いにくく、大きな在庫スペースを必要とするものになる。かかる観点から、該二次発泡倍率は、1.6倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以下である。
尚、二次発泡倍率が1以下のものは、全く二次発泡しないものであり、独立気泡率が低いか、発泡剤の置換およびエアーの流入が終了してないことが予想されるものであり、得られる容器の強度が不足するので好ましくない。従って、二次発泡倍率の下限は、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上である。
本明細書における二次発泡倍率は、加熱後の積層シートの厚みを加熱前の積層シート厚みで割った数値であり下記のとおり測定される。
積層シートの加熱前の厚みは、次のとおり定められる。無作為に積層シートから、縦、横のそれぞれの辺が、積層シートの押出方向(以下、MDともいう)、幅方向(以下、TDともいう)と一致するようにして切り出される一辺260mmの正方形サンプルについて、サンプルの中央から押出方向に±80mm以内で任意に起点を定め、起点から幅方向両側のそれぞれに10mm間隔でそれぞれ7点を定める。起点を含めた合計15点について、小数点第二位まで測定可能な厚みゲージ(例えばPEACOCK製DIAL THICKNESS GAUGE)を用いて積層シート厚みを測定し、その平均値を加熱前の積層シート厚みとする。なお、実施例に記載の積層シート厚みはこの方法により測定されたものであり、実施例中では小数点第二位を四捨五入して小数点第一位までを記載した。
加熱後の積層シートの厚みは、次のとおり定められる。加熱前の積層シート厚みを算出したサンプルを複数用意し、加熱前のシート厚みの測定が済んだ各サンプルを、縦300mm、横300mm、厚さ10mmサイズの正方形状の木製枠材であって、中央部に縦200mm、横200mmの正方形状の貫通孔が設けられた木製枠材を2枚を用いて、サンプルの中央と木製枠の貫通孔の中央が一致するように積層シートを2枚の木製枠材にて両側から挟み、続いて貫通孔を覆うことなくサンプルおよび木製枠がずれないように木製枠同士をクリップや万力などで強く固定する。このような木製枠材で固定されたサンプルを複数枚用意する。続いて、かかる状態に木製枠中に固定された積層シートサンプル(No1)を、160℃に温度調節された空気循環式オーブン(タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)内に入れて4秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。次に、木製枠中に固定された積層シートサンプル(No2)を、160℃に温度調節された同オーブンに入れて8秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。次に、木製枠中に固定された積層シートサンプル(No3)を、160℃に温度調節された同オーブンに入れて12秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。更に、第4、第5、第6、・・・・第n(nは自然数)の各積層シートサンプルについても、順次、同オーブンに入れて16秒間、20秒間、24秒間、・・・・n×4秒間(nは自然数)加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。このように複数枚の積層シートサンプルに対し4秒ずつ加熱時間を延長して加熱する理由は、後述する積層シートの二次発泡倍率の最大値(極大値)を確認するためであり、従って、最大値が確認できれば、それ以上の測定は必要ない。なお、加熱直後の積層シートが木製枠から外れていたり、ずれが認められる場合には、正確な二次発泡倍率を示していないおそれがあるため、同ロットの別の積層シートサンプルを使用して再度測定をやり直すものとする。
次に、冷却後の積層シートサンプルのそれぞれについて、前記と同様に、幅方向の15点について積層シート厚みを測定し、各平均値を各規定秒数での加熱後の積層シート厚みとする。
各規定秒数加熱のサンプルにおいて(加熱後の積層シート厚み)/(加熱前の積層シート厚み)を算出することにより、各規定秒数加熱における二次発泡倍率を算出する。
一般に、熱可塑性樹脂発泡層を含む発泡シート又は積層シートは、加熱温度(ただし熱成形に適切な温度範囲内であることが前提)が一定の場合、加熱時間が長くなるにつれて二次発泡倍率が大きくなる。そして、十分に加熱されるとその二次発泡倍率の増加は止まり、極大値(最大値)を示し、その後は加熱オーバーにより発泡層の気泡の破壊が進んで逆に二次発泡倍率が低下していく。図1は、上記の測定結果より作成された積層シートサンプルの二次発泡倍率と加熱時間の関係の一例を示すグラフであり、図1中の「二次発泡倍率の最大値」が本発明でいう「二次発泡倍率」を意味する。
なお、加熱温度を160℃とする理由は、連続生産で加熱炉において積層シートが加熱される際の雰囲気温度が約160℃であることによる。
本発明の第1の積層シートは、その加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足するものである。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(1)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(2)
また、本発明の第2の積層シートは、その加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足するものである。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(3)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(4)
即ち、該積層シートの押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率は3.0未満である。押出方向の加熱収縮率と押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率は、共に同じであることが理想である。しかし、本発明の積層シートは、共押出により二次発泡倍率が1.7倍以下となるように炭酸ガスのような無機ガスを主成分とする発泡剤を使用して製造されたものなので、MDへの収縮に偏る傾向があり、MDとTDの加熱収縮率を同じにすることは容易ではない。しかし、上記(1)式又は上記(3)式を満足する範囲にコントロ―ルしなければ、熱成形後に容器(成形体)が変形する虞がある。
従って、MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は、2.5以下が好ましく、より好ましくは2.2以下である。
一方、MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率の値が1.3を下回るように積層シートを製造するには、押出直後の冷却過程の積層シートのブローアップを極端に大きくしたり或いは引き取り速度を極端に遅くしなければならなくなり、いずれにしても押出された積層シートを無理に変形させなければならなくなる。その結果、表面の樹脂層の破断や独立気泡率の低下を招くため、MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は1.3以上であることを要し、好ましくは1.35以上、さらに好ましくは1.4以上である。
尚、本発明のMDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率(以下、単にMD/TD収縮率比と称することがある。)は、後述する特定条件下で測定されたものであるが、上記(1)式及び上記(2)式を満たすようにすれば又は上記(3)式及び上記(4)式を満たすようにすれば実際の熱成形時における積層シートの加熱時においてはMDの加熱収縮率とTDの加熱収縮率にはそれほどの違いがないようにすることができる。即ち、本発明の積層シートの加熱収縮率は加熱時間の経過と共に、図2に示すような挙動を示す。ここで、本明細書における加熱収縮率は、加熱開始から36秒後の収縮率がほぼ安定したときの値であるが、熱成形時の加熱では加熱開始から17〜20秒で行われるため、その収縮の途中、加熱収縮率がMD、TDともに20%前後になる時点で加熱ゾーンから成形ゾーンに移送されて成形されることになる。従って、熱成形時におけるMD/TD収縮率比は、1に近い値となる。これに対し、本明細書におけるMDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は、安定した測定値を得るため収縮率がほぼ安定したところを測定しているため(図2参照)、MD/TD収縮率比の値が大きくなっている。
また、MDの加熱収縮率が55%超になると、熱成形に際して積層シートの収縮力が強くなりすぎ又は収縮のスピードが速くなりすぎ、積層シートがクランプから外れたり、金型への追従性が悪くなったりし、成形に支障を生じやすくなる。
一方、MDの加熱収縮率が20%未満の場合、押出直後の冷却過程の積層シートの引き取り速度を極端に遅くしなければならなくなり、そのようにすると積層シートが大きく波打ったものとなり、成形に際して積層シートを加熱した際に加熱むらが生じてしまい、成形に支障をきたすようになる。
本明細書における積層シートの押出方向の加熱収縮率(MDの加熱収縮率)は、積層シートの押出方向の加熱前寸法と積層シートの押出方向の加熱後寸法との差を積層シートの押出方向の加熱前寸法で除し、100を掛けて求められる値(%)であり、積層シートの押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率(TDの加熱収縮率)は、積層シートの幅方向の加熱前寸法と積層シートの幅方向の加熱後寸法との差を積層シートの幅方向の加熱前寸法で除し、100を掛けて求められる値(%)である。具体的には次の通り測定される。
まず、積層シートから、縦、横のそれぞれの辺が、発泡層の押出方向、幅方向と一致するようにして一辺200mmの正方形サンプルを切り出す。次に正方形サンプルの一方の面に、MDと平行であって、その面の中央を通るサンプルを縦断する直線(A)を引くと共に、TDと平行であって同面の中央を通るサンプルを横断する直線(B)を引く。直線(A)と直線(B)はそれぞれ200mmの長さの直線となる。そして、直線(A)の長さ(200mm)は、上記積層シートの押出方向の加熱前寸法であり、直線(B)の長さ(200mm)は、上記積層シートの幅方向の加熱前寸法となる。
次に、縦300mm、横300mm、厚さ10mmサイズの正方形状の木製枠材であって、中央部に縦250mm、横250mmの正方形状の貫通孔が設けられた木製枠材を2枚用意する。各木製枠材の一方の面に、直径0.1mmの円形断面の針金を使用して、上記貫通孔上に縦横それぞれ20mm間隔の網状となるように、当該針金をそれぞれ釘で固定する。尚、針金が固定された側と反対側から木製枠材の貫通孔を見ると、針金は縦横に、それぞれ、20mm間隔で12本配列された目の粗い網状を呈している。次に、一方の木製枠材の針金固定側の枠上の四隅に、それぞれ縦20mm、横10mm、厚み5mmの木製スぺーサーを固定する。
次に、上記2枚の木製型枠を針金が固定されている側同士を接触させた際に形成されるスペーサーと針金によって形成される空間内に、上記正方形サンプルが枠やスペーサーにより固定されることなく配置し、その状態で上記2枚の木製型枠をクリップや万力などで強く固定する。一方、空気循環式オーブン(タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)の装置内の温度を160℃に設定し、その中に上記2枚の木製型枠に配置された状態の上記正方形サンプルを入れ、36秒加熱した後、オーブンから25℃の部屋に取り出して放置して冷却する。その後、加熱前の直線(A)に対応する直線又は曲線(a)の長さと、加熱前の直線(B)に対応する直線又は曲線(b)の長さをそれぞれ測定する。この場合、直線又は曲線(a)の長さが積層シートの押出方向の加熱後寸法となり、直線又は曲線(b)の長さが積層シートの幅方向の加熱後寸法となる。これらの測定結果に基づいてMDの加熱収縮率とTDの加熱収縮率が計算される。
なお、加熱温度を160℃とする理由は、連続生産で加熱炉において積層シートが加熱される際の雰囲気温度が約160℃であることによる。また、上記した木製枠材内に正方形サンプルを配置した状態でオーブン内で加熱する理由は、これにより、サンプルの加熱を阻害されず(粗い網状の針金の配置)、加熱時にサンプルの収縮を妨げず(木製スぺーサーの配置)、収縮時にサンプルを曲がり難くすること(粗い網状の針金と木製スぺーサーの配置)が可能となり、加熱収縮後の寸法の測定が容易となる。
本発明の積層シートの厚みは、0.3〜1.7mmが好ましい。該厚みが0.3mm以上であれば、得られる容器が実用に耐える十分な強度を有する。一方、1.7mm以下であれば、片面金型成形により得られる容器がシャープ性に優れるものとなり、ロースタックが可能なものとなる。かかる観点から、積層シートの厚みは、0.6〜1.3mmがより好ましい。
該積層シートの坪量は460g/m以下が好ましく、420g/m以下がより好ましく、380g/m以下が更に好ましい。該坪量が460g/m以下であれば、従来のソリッドシートの坪量(概ね500g/m)に比較して、軽量化が達成される。坪量の下限は容器の形状にもよるが、概ね130g/mであり、より好ましくは、160g/m以上であり、さらに好ましくは180g/m以上である。130g/m以下になると、容器としての剛性が満たされなくなる虞がある。
本発明の積層シートは、ポリスチレン系樹脂からなる発泡層の両面に複数層又は単層の樹脂層が設けられており、樹脂層の表裏の坪量比は基本的には1対1が好ましいが、それに限定されるものではない。但し、概ね1対4が限度で、好ましくは1対3、さらに好ましくは1対2以内である。両面に樹脂層をバランスよく配置することで、薄肉化シートであっても十分な強度が確保されたものとなる。表裏の偏りがありすぎるとサンドイッチ構造により強度を出すことを目的とする設計思想からはずれ、実質的に強度の弱い積層シートとなる。
該積層シートの表裏合せた樹脂層の坪量の合計は160g/m以下が好ましく、120g/m以下がより好ましく、100g/m以下が更に好ましい。樹脂層の坪量の合計が160g/m以下であれば、後述するように、樹脂層に合成樹脂フィルムを熱ロールにて圧着積層する際に、樹脂層を軟化させるのに必要な熱量を容易に供給できるので、印刷フィルムと樹脂層の接着強度が十分なものとなる。一方、樹脂層の坪量の合計の下限は、十分な剛性を確保するために、40g/m以上が好ましく、より好ましくは60g/m、更に好ましくは80g/m以上である。
本発明の第1の積層シートは、その両面に非発泡合成樹脂層が設けられており、その樹脂層の少なくとも一方には合成樹脂フィルムを積層することにより、第2の積層シートを得ることができる。その場合、合成樹脂フィルムが積層される樹脂層の坪量は、80g/m以下が好ましく、より好ましくは65g/m以下、更に好ましくは50g/m以下である。坪量が80g/m以下の樹脂層には、印刷フィルムを熱ラミにより容易に接着させることができる。例えば、表裏の樹脂層が合計で160g/mの積層シートであって、一方の樹脂層の坪量が120g/m、他方の坪量が40g/mとした場合、坪量40g/mの樹脂層には容易に印刷フィルムを接着することができるが、坪量が120g/mの樹脂層に印刷フィルムを接着することは難しい。
尚、坪量が120g/mの樹脂層側に合成樹脂フィルムを低速でラミネートすれば積層できるが、工業的採算性の観点から好ましくない。
本発明の第2の積層シートに積層される合成樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂フィルム又はポリスチレン系樹脂フィルムが好ましい。但し、本発明は、これらのフィルムに限定するものではなく、高密度ポリエチレン樹脂フィルムや直鎖状ポリエチレン樹脂フィルムでも良い。
特に、電子レンジで調理可能な容器を得るためには、耐熱性、耐油性に優れるポリプロピレン系樹脂フィルムを積層することが好ましい。該フィルムは耐熱性、耐油性を持たせるための無地のフィルムでも、さらにデザイン性をもたせるための印刷を施したフィルムのどちらでも良い。
尚、フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン単独重合体、エチレンープロピレンブロック共重合体、エチレンープロピレンランダム共重合体のいずれでもかまわないが、剛性に優れることからポリプロピレン単独重合体の樹脂フィルムが最も好ましい。
但し、電子レンジ用途の容器を得る場合であっても、容器の外側に積層されるフィルムとしては、ポリスチレン系樹脂フィルムを用いることができる。
合成樹脂フィルムの厚みは適宜選択されるが、15〜60μmが好ましい。フィルムの厚みが15μm以上であれば、耐熱性、耐油性の向上に寄与し、容易に積層することができる。一方、60μm以下であれば、コストアップしすぎることがなく、容易に積層することができる。
本発明の共押出により発泡層の両面に樹脂層を持つ積層シートを製造する場合、発泡層形成用の押出機に環状ダイを取り付け、その環状ダイに非発泡層形成用の押出機を連結し発泡層形成用押出機に取り付けた環状ダイ内で合流させて発泡層の両面に樹脂層を形成し、共押出を行うことが好ましい。
更に、合成樹脂フィルムが積層された第2の積層シートを得るには、得られた第1の積層シートに、必要に応じてポリプロピレン系樹脂フィルム又はポリスチレン系樹脂フィルム等の合成樹脂フィルムを熱ロールで圧着することにより積層することが好ましい(熱ラミネート法)。尚、熱ラミネート法により合成樹脂フィルムを熱ロールで圧着して積層した場合、合成樹脂フィルムが積層された第2の積層シートの熱収縮率は、フィルム積層時の熱の影響で、合成樹脂フィルムの積層前の第1の積層シートの熱収縮率よりもやや緩和される傾向にあるので、合成樹脂フィルム積層時の加熱は強くしないことが望ましい。
前記熱ラミネート法は、意匠性に富むフィルムを容器毎に選択して熱ラミネートすることにより、外観に優れる多様な容器を得ることができるので好ましい方法である。
但し、Tダイを使用して、積層シートの樹脂層の片面又は両面に合成樹脂フィルムを積層してもよければ、共押出により発泡層の両面に樹脂層を積層し更にその片面又は両面に合成樹脂フィルムを積層して押出してもよい。但し、共押出による場合には、樹脂層と合成樹脂フィルムの両者を合わせた坪量を160g/m以下にしないと発泡層の連続気泡の割合が大きくなってしまう虞がある。
発泡層の形成に使用する発泡剤としては、炭酸ガスを主成分(発泡剤全量中の二酸化炭素の割合が50モル%以上)とするものを用いることが好ましい。炭酸ガスを主成分とすれば、目的とする二次発泡率の低い積層発泡シートを容易に得ることができる。但し、炭酸ガスに、その他の発泡剤を混合して使用することには問題がない。
炭酸ガスに混合する発泡剤としては、例えば、プロパン、n―ブタン、i―ブタン、n―ブタンとi―ブタンの混合物、ペンタン、ヘキサンの脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンの環式脂肪族炭化水素が挙げられる。
また、エタノール等も良好に使用可能である。後述する通り、発泡剤として炭酸ガス以外の上記発泡剤を併用することにより、積層シートの熱収縮率を小さめにコントロールすることができる。但し、1.7倍以下の二次発泡率を達成するためには、残存しにくい発泡剤を選択する必要がある。
発泡層を形成するポリスチレン系樹脂としては前述のものを用いることができ、樹脂層を形成するポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系エラストマーとしては、前述のものを前記配合により用いることができる。
押出方向(MD)の収縮は、ダイリップでのスエルコントロールにより調整を行うことができる。特に共押出で得られる本発明の積層シートは押出方向(MD)への歪がかかりやすく、熱収縮値が大きくなりやすい。更に、炭酸ガスを主成分として発泡層を形成する場合、その傾向が強くなるので、得られる積層シートの熱収縮値のコントロールが重要である。熱収縮率を小さめにコントロールするためには、図3(a)(b)に示すように、外側リップ1と内側リップ2とで構成されるダイの出口(スリット)4直前で溶融樹脂通路3を絞り、リップ出口での樹脂速度を高めておくことが有効である。更に、本発明の積層シートのMDの熱収縮率を本発明の範囲内とするには、ダイの出口(スリット)4直前における溶融樹脂通路3の絞り角度θ(図3(b)に示すθ)は、3〜7度程度にすることが好ましい。また、スリット4における外側リップ1と内側リップ2の間隔は0.1〜1.0mmが適当である。
押出方向と直交する幅方向(TD)の加熱収縮率は、ブローアップ比が影響する。適正なブローアップ比は目的とするシートの構成によって多少変化するが、本発明の範囲の加熱収縮率を得るには概ね2.8〜3.2が良好である。
熱収縮率を小さめにコントロールするためには、発泡剤に炭酸ガス以外のnブタン、ペンタン、エタノール等の副成分をブレンドすることが好ましく、特に押出方向(MD)の熱収縮率を小さくする効果がある。ただし、あまり多く添加すると残存ガスとして残り、目的とする二次発泡率1.7倍以下の積層シートを達成できなくなる。添加量の目安はおおむね全発泡剤の35重量%までである。
また、炭酸ガスを発泡剤とするポリスチレン系発泡シートは発泡倍率が小さいものの、発泡剤による可塑化効果が発現しないため、発泡層が脆く切断しやすいものである。従って、ダイから押出されたシートを引取るのは容易ではなく、特に厚みの薄いシートを得るための押出条件の範囲が狭く、従来技術では工業的に製造することができなかった。これに対し、本発明では、シート両面に樹脂層を設け、5〜25重量%のポリスチレン系エラストマーを添加することにより、積層シート全体として弾性に優れたものとなっているので、ダイから押出された積層シートを容易に引取ることができる。
但し、樹脂層の両面合計の坪量を増やしすぎると、共押出ダイ中で発泡層が加熱されすぎて独立気泡率が低下かしやすい傾向があるので、かかる観点からも、樹脂層の坪量は160g/m以下にすることが好ましい。
また、発泡層にポリスチレン系エラストマーを添加すると、弾性(耐衝撃性)は向上するものの剛性が低下し、発泡層の独立気泡率が低下する傾向があり、所望される軽量、薄肉化での剛性が達成できなくなる。かかる観点から、発泡層へのポリスチレン系エラストマー添加量は10%以下が好ましい。
以下、本発明の積層シートにつき実施例により詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例ともに内径90mmの単軸の第一押出機と内径120mmの単軸の第二押出機を直列に連結したポリスチレン系樹脂発泡層形成用押出機を用い、該第二押出機の先端に共押出用ダイを取付け、該共押出用ダイに樹脂層の表面形成用第三押出機(内径50mm)と樹脂層の裏面形成用第四押出機(内径50mm)とを連結させた共押出装置を用いた。但し、実施例1〜8、比較例3、4においては、内側リップ径115mm、絞り角度(θ)5度、スリット4における外側リップ1と内側リップ2の間隔0.3mmの共押出用ダイを用い(マンドレル直径335mm、ブローアップ比2.9)、比較例1においては絞り角度(θ)のみを9度に変更した共押出用ダイを用い、比較例2においては、内側リップ径80mm、絞り角度5度の共押出用ダイを用いた(マンドレル直径335mm、ブローアップ比4.2)。
実施例、比較例において、発泡層を形成するために用いた樹脂の種類、物性を表1に示す。尚、表中、一般用ポリスチレン樹脂をGPPSとして表記し、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を耐熱PSと表記し、スチレン系エラストマーをSBSと表記した。表1中のMFRは200℃、5kgf荷重によるメルトフローレートを意味する。
樹脂層を形成するために用いた樹脂の構成、種類、物性を表2に示す。尚、表2中、ポリスチレン系樹脂をPS樹脂、ポリプロピレン系樹脂をPP樹脂、スチレン系エラストマーをPS系エラストマーと表記した。また、表2中の溶融粘度は、段落番号0040に示された溶融粘度である。また、表2中の相構造指数PI値は段落番号0038及び0039に示された相構造指数PI値である。
また、樹脂層に積層した合成樹脂フィルムの種類を表3に示す。
Figure 2007210110
Figure 2007210110
Figure 2007210110
実施例1
発泡層用ポリスチレン樹脂として一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)を第一押出機に供給して加熱、溶融、混練し、これに表4に示す種類、量(樹脂と発泡剤の総量に対する重量割合)の発泡剤を注入し、第二押出機中で表4に示す樹脂温度に調整して共押出ダイ中に導入した。
同時に表4に示す配合の表面及び裏面の樹脂層用のそれぞれの樹脂(SP1)を第三押出機、第四押出機に供給して、加熱、溶融、混練し、表4に示す樹脂温度に調整してから共押出ダイに導入した。
共押出ダイ中で、表面の樹脂層用樹脂と発泡層用樹脂と裏面の樹脂層用樹脂を合流させて積層してからダイリップを通して筒状に押出し、更にマンドレルを通して引取り、切開いて積層シートを得た(図3(a))。
尚、吐出量は発泡層を80kg/hrとし、樹脂層は目標坪量に合せるように吐出量により調製した。全体坪量は、引取り速度を6.3m/分に制御して調整した。
(実施例2)
発泡層用ポリスチレン系樹脂としてGPPS50重量%と耐熱PS50重量%をブレンドしたものを使用し、発泡層の樹脂温度、樹脂層の樹脂温度を表4に示すように調整した以外、実施例1と同様に積層シートを得た。
(実施例3)
実施例1と同様に積層シートを得て、その積層シートに印刷が施されたポリプロピレン系樹脂フィルムであるF1を表4に示す条件で熱ロールにて圧着しフィルム積層シートを得た。
(実施例4)
樹脂層用の樹脂として配合SP2を用い、引取り速度を5.0m/分に制御して、積層シート坪量を350g/mにした以外、実施例1と同様に積層シートを得た。得られた積層シートにポリプロピレン系樹脂フィルムF2を表4に示す条件で熱ロールにて圧着しフィルム積層シートを得た。
(実施例5)
樹脂層として表2に示すSP1とSP2の二種類を表裏別々に積層し、引取り速度を8.0m/分に上げ、シート坪量を220g/mとした以外、実施例2と同様に積層シートを得た。
次に、ポリプロピレン系樹脂フィルムであるF1を表面側(SP1側)に熱ロールを用いて表4に示す条件で圧着積層した。
(実施例6)
発泡剤として炭酸ガスとn−ブタンを重量%で75%対25%の比で混合した発泡剤を使用した以外、実施例3と同様に積層シートを得た。
(実施例7)
樹脂層形成用の第三押出機と第四押出機の吐出量を変え、表面側の樹脂層坪量を60g/m、裏面側の樹脂層坪量を20g/mにした以外、実施例2と同様に積層シートを得た。
次に、ポリプロピレン系樹脂フィルムであるF1を表層側に熱ロールを用いて表4に示す条件で圧着積層した。
(実施例8)
樹脂層を構成する樹脂を表2に示す構成のSP3(PP樹脂としてプロピレンエチレンランダムコポリマー使用)とした以外、実施例3と同様にポリプロピレン系樹脂フィルムであるF1が圧着積層された積層シートを得た。
(実施例9)
発泡層用ポリスチレン系樹脂としてGPPS48重量%と耐熱PS47重量%とSBS5重量%をブレンドしたものを使用した以外、実施例1と同様に積層シートを得た。
(比較例1)
ダイスリップの絞り角度θを9度とした以外、実施例1と同様に積層シートを得た。
比較例1で得られた積層シートは、熱成形時に収縮がきつく成形枠から外れるトラブルが多発した。よって、成形性不良と判断し、以降の評価を行なわなかった。
(比較例2)
内側リップ径80mmのダイを用い、ブローアップ比を4.2とした以外は、実施例1と同様に積層シートを得た。比較例2では、積層シートの製造時におけるブローアップ過程で樹脂層に裂けが発生した。また、独立気泡率もやや低下した。良好な積層シートが得られなかったため熱成形性、積み高さ、電子レンで適正の評価は行なわなかった。
(比較例3)
樹脂層にポリスチレン系エラストマーが添加されていない配合SP4を用いて積層シートを得た以外、実施例1と同様に積層シートを得た。得られた積層シートは脆性が大きく大変脆いものであり、物性が不十分と判断し、熱成形性以降の評価を行なわなかった。
(比較例4)
樹脂層の樹脂温度を高くした以外、実施例1と同様に積層シートを得た。積層シートは独立気泡率が下がり、剛性にかけるシートとなった。また、独立気泡率の大きな低下が原因となり、電子レンジ適正試験において成形体底部にしわが発生した。
(比較例5)
発泡剤としてn−ブタンを用いた以外、実施例1と同様に積層シートを得た。得られたシートは剛性、衝撃性は問題ないが、片面金型成形を実施したところ成形品のシャープ性が乏しく、成形品を積み重ねた時の高さが高く目的とするソリッドシートに近いものにならなかった。そのため、電子レンジ適正試験の評価は行なわなかった。
各実施例、比較例における発泡層、樹脂層の原料構成、樹脂温度、ダイの構成などの製造条件を表4にまとめて示す。
Figure 2007210110
各実施例、比較例で得られた積層シートにつき、密度、厚み等の諸物性を測定し、剛性、電子レンジ適性などの評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2007210110
表5における剛性、脆性、熱成形性、積み高さ、電子レンジ適性の評価は次のように行った。
(剛性)
積層シートの曲げ弾性率を測定し、剛性を次の基準で評価した。
◎・・・弾性率が700MPa以上
○・・・弾性率が630MPa以上700MPa未満
×・・・弾性率が630MPa未満
前記評価が◎の積層シートから得られる熱成形品は剛性に優れる。
前記評価が○の積層シートから得られる熱成形品は剛性が十分で食品容器に適する。
前記評価が×の積層シートから得られる熱成形品は剛性が不十分で、食品容器として用いる際に内容物の保持に難をきたす恐れがある。
積層シートの曲げ弾性率は、JIS K 7203(1982)に準拠して、積層シートの幅方向(TD)について測定し、得られた値を相加平均した値より算出される。JIS K 7203(1982)に準拠した測定は、長さ100mm×幅25mm×積層シートの厚みのものを試験片として用い、支点の先端R=5(mm)、加圧の先端R=5(mm)、支点間距離が50mm、曲げ速度が10mm/分の条件にて実施する。なお、測定には加圧する位置が重ならないように積層シートの巾方向に均等に採取された10個以上の試験片を用い、それぞれの試験片につき幅方向(TD)についての測定値を得て、測定値の小さいものから5個の相加平均値を算出し、曲げ弾性率として採用した。測定値の小さいものを選択する理由は、積層シートの幅方向の不均一性により、積層シートの剛性の評価が幅方向にバラツキをもつ場合を考慮したものである。
(脆性)
衝撃穴あけ強さ(F)を測定し、脆性を次の基準で評価した。
○・・・F≧10kgf・cm
×・・・F<10kgf・cm
前記評価が○の積層シートから得られる熱成形品は脆くはなく食品容器に適する。
前記評価が×の積層シートから得られる熱成形品は変形の際に成形品端部に亀裂が入り易く、最悪は割れを引き起こす恐れがある。
衝撃穴あけ強さの測定は、JIS P 8134(1976)に準拠して実施される。 測定には、縦150mm×横150mm×積層シートの全厚のものが試験片として用いた。この試験は、打撃する位置が重ならないように積層シートの幅方向に均等に採取した10個以上の試験片を用い、それぞれの試験片についての測定値を得て、測定値の小さいものから5個の相加平均値を算出し、衝撃穴あけ強さ(kgf・cm)を示す値とされる。測定値の小さいものを選択する理由は、積層シートの幅方向の不均一性により、積層シートの剛性の評価が幅方向にバラツキをもつ場合を考慮したものである。
(熱成形性)
浅野研究所製 品番 FKS−0631−10の成形機を用いてプラグアシスト成形により、ヒータ温度400℃、加熱時間7秒±1秒の条件において、樹脂層が積層された面を内側に位置するように熱成形して、開口部の直径206mmの円形、底部内側の直径134mmの円形、深さ24mmのパスタ用トレーを成形し、成形品の外観を観察した。評価は以下の判断基準で行った。
○・・・成形性良好(成形不具合等なし)
×・・・不具合あり
尚、不具合の理由は、表5下に記載した。
(積み高さ)
前述で得られたパスタ用トレーの熱成形品の底面部分のシート厚みを測定し評価した。
◎・・・0.5mm以上1.2mm未満 ロースタック性に優れる
○・・・1.2mm以上1.8mm未満 ロースタック性はあるが効果が小さい
×・・・1.8mm以上 ロースタック性はない
(電子レンジ適性)
前述で得られたパスタ用トレーに食用調合油(サラダオイル)120gを充填し、1600Wの業務用電子レンジで45秒加熱し、容器の変形度合いおよび外観を観察した。このテストにおけるサラダオイルの平均温度は約100℃となり、部分的な最高温度は112℃を示した。
◎・・・容器外形寸法変化±0.5mm以内
○・・・容器外形寸法変化±1mm以内、
×・・・容器外形寸法変化±2mm以上、または外観不良
外観不具合の場合は、状況を表5下に記載した。
図1は、積層シートサンプルの二次発泡倍率と加熱時間の関係の一例を示す説明図である。 図2は、本発明の積層シートの加熱収縮率と加熱時間との関係の一例を示す説明図である。 図3(a)は、押出発泡方法による積層シートの製造における製造装置のダイを含む主要部の概略を示す断面図であり、図3(b)は、ダイリップ先端での絞り角度θを説明するダイリップ付近の拡大断面図である。
符号の説明
1 外側リップ
2 内側リップ
3 溶融樹脂流路
4 発泡性溶融樹脂の出口であるスリット
5 円柱状冷却ドラム(マンドレル)
6 筒状積層シート

Claims (5)

  1. ポリスチレン系樹脂40〜70重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜50重量%、スチレン系エラストマー5〜25重量%(但し、合計100重量%である。)からなる混合樹脂を主成分とする非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られるポリスチレン系樹脂積層シートであって、密度が0.26〜0.72g/cm、独立気泡率が55%以上、二次発泡倍率が1.7倍以下、加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層シート。
    1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(1)
    20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(2)
  2. 厚みが0.3〜1.7mm、坪量が460g/m以下、非発泡合成樹脂層の表裏合計坪量が160g/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
  3. 非発泡合成樹脂層に含有されるポリプロピレン系樹脂の融点が150℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
  4. ポリスチレン系樹脂40〜70重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜50重量%、スチレン系エラストマー5〜25重量%からなる非発泡合成樹脂層を両面に有するポリスチレン系樹脂発泡層を共押出することにより得られる積層シートの片面又は両面に合成樹脂フィルムが積層されたポリスチレン系樹脂積層シートであって、密度が0.26〜0.72g/cm、独立気泡率が55%以上、二次発泡倍率が1.7倍以下、加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層シート。
    1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0 …(3)
    20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(4)
  5. 該合成樹脂フィルムがポリスチレン系樹脂フィルム又はポリプロピレン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項4に記載のポリスチレン系樹脂積層シート。
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