JP4873567B2 - ポリスチレン系樹脂発泡積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡積層シートに関し、詳しくは共押出によって製造される積層シートであって、薄く、軽量であるにも拘わらず剛性に優れ、ソリッドシートと同様の熱成形性を有するポリスチレン系樹脂発泡積層シートに関する。
従来より、食品物流包材の一つとして、ポリスチレンペーパーと呼ばれるポリスチレン系樹脂発泡シートをトレーに熱成形したものが弁当や野菜、肉等の包装容器として使用されている。
しかしながら、ポリスチレンペーパーは、次のような欠点を有している。
ポリスチレンペーパー(以下、PSPともいう。)は主にブタンを用いる押出発泡により製造されるシートであることから、熱成形時にシート中に残存するブタンと大気中からシートの気泡内に流入してくる大気成分により内圧が増大して、熱成形時の二次発泡倍率が大きくなるので、厚みが2倍程度に厚くなる特性がある。この特性により、ソリッドシートに比べると、非常に少ない樹脂量のシートであっても優れた剛性を有することから、その熱成形品は食品等の包装用トレー等として重宝されてきた。しかし、一方では、その二次発泡性により、ソリッドシートと比べると、熱成形品の厚みが厚いために、商品形状によっては、設計通りの形状に仕上がらない(金型再現性が悪い)ことを理由に敬遠されることがあった。また、トレーを積み重ねた時の高さが高くて嵩張ることから、物流コストが上がるという問題も有している。
また、発泡剤としてブタンを用いて製造されるPSPは、製造後、養生と呼ばれる熟成期間を経過しないと、熱成形時における二次発泡後の厚みが安定しないという特性を有する。これにより、二次発泡厚みが安定するまで(熟成期間)倉庫に保管しておかざるを得なくなり、このことがコストを押し上げる要因となっている。
さらに、発泡剤として用いられるブタンは、揮発性有機化合物として排出規制される方向にあり、環境にやさしい発泡剤によるポリスチレン系樹脂発泡シートが求められている。
これらの問題を解決するために、発泡剤として二酸化炭素を用いることが検討されている。二酸化炭素はブタンと比べるとポリスチレンに対するガス透過速度が非常に速く、PSP中から早期に逸散し、かつ空気よりも透過速度が速いので、二酸化炭素で製造されたPSPは、二次発泡倍率が小さいことが知られている。さらに、二酸化炭素は環境に優しく、かつ不燃性であるため安全性の高い発泡剤としても知られている(例えば、特許文献1)。
特公平6−41161号公報
しかし、現実に二酸化炭素でポリスチレン系樹脂を発泡させようと試みると、ブタンに比べ二酸化炭素の樹脂に対する可塑化効果が小さいため、ブタン使用時に比べ高い樹脂温度で押出発泡させなければならない。その結果として、大変脆いPSPしか得られなかった。特に低発泡倍率であって軽量で、耐衝撃性に優れる発泡シートを得ることは非常に困難であった。
また、従来の二酸化炭素を用いて得られるPSPは熱成形時の加熱に際して二次発泡力が小さく、熱成形時に加熱されても二次発泡しない。そのため厚みが増加することがないので、得られる成形品の剛性も不十分であった。さらに、二次発泡で厚みが増加しないことを補うため、PSPの押出発泡時の発泡倍率を上げると、気泡が連泡化し熱成形性の悪いものしか得られなかった。
二酸化炭素を発泡剤として用いることには、このような問題があるため、特許文献には優れたPSPが得られると記載されていても、二酸化炭素を発泡剤として製造されるポリスチレン系樹脂発泡シートは実用化されていないのが現実である。
本発明は、前記した従来のPSPの欠点に鑑みなされたものであり、軽量で、厚みの薄いシートでありながら剛性に優れ、かつ脆さが改善され、さらに、二次発泡倍率が低く、ソリッドシートと同等の優れた金型再現性を有するポリスチレン系樹脂発泡積層シートを提供することを、その課題とする。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂発泡積層シートが提供される。
[1] ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層が共押出法にて積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mm、独立気泡率が45%以上、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率(加熱後の積層発泡シートの厚みを加熱前の積層発泡シートの厚みで割った数値)の最大値が1.7倍以下、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足すると共に、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7113−1995年に基づき1号型試験片を用い試験速度500mm/分で測定される引張破壊伸びが7%以上100%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
1.3< 押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率 <3.0
・・・(1)
20%< 押出方向の加熱収縮率 <55% ・・・(2)

[2] 坪量が460g/m以下であり、該ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に積層された耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層の坪量が表裏合せて10〜160g/mであることを特徴とする上記[1]に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
[3] 該ポリスチレン系樹脂発泡層が二酸化炭素を主成分とする発泡剤を使用して得られたものであり、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7210(1999)の試験方法A法により測定されるメルトフローレートが15〜40g/10分であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
[4] ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層が共押出法にて積層されたシートの片面又は両面に、厚み40μm以下のポリスチレン系樹脂フィルムが積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mm、独立気泡率45%以上、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率(加熱後の積層発泡シートの厚みを加熱前の積層発泡シートの厚みで割った数値)の最大値が1.7倍以下、加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足すると共に、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7113−1995年に基づき1号型試験片を用い試験速度500mm/分で測定される引張破壊伸びが7%以上100%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
1.3< 押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率 <3.0
・・・(3)
20%< 押出方向の加熱収縮率 <55% ・・・(4)
本発明の請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート(以下、本発明の第1の積層シートと称することがある。)は、ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層が共押出法にて積層されたものであり、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mmで、独立気泡率が45%以上と高く、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率の最大値が1.7倍以下で、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が特定の関係を有することから、市場の要求を満たす軽量性を有しながら、脆さが改善されており、剛性に富み、ロースタック性に優れ、熱成形性も満足するものである。
本発明の第1の積層シートは、厚みが薄く、熱成形時の加熱における二次発泡倍率も低いため、得られる成形体は、熱成形時の肉厚増がほとんどない。そのため在庫スペースが小さくて済み、コストダウンが達成される。また、本発明の第1の積層シートは、熱収縮バランスが良好であるため、熱成形性も良好である。
また、本発明の請求項4に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート(以下、本発明の第2の積層シートと称することがある。尚、特に区別せずに、「本発明の積層シート」若しくは単に「積層シート」と称する場合には、本発明の第1の積層シートと本発明の第2の積層シートを総称したものを意味する。)は、本発明の第1の積層シートを形成する一方の又は両方の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層に厚み40μm以下のポリスチレン系樹脂フィルムが積層された積層シートであり、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mmで、独立気泡率が45%以上と高く、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率の最大値が1.7倍以下で、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率をが特定の関係を有することから、本発明の第1の積層シートが示す効果と実質的に同じ効果を奏するものである。また、本発明の第2の積層シートは、表面にポリスチレン系樹脂フィルムを有しているため、ポリスチレン系樹脂フィルムに印刷等を施すことにより意匠性を付与することができる。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂発泡積層シートについて詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡積層シートは、上記の通り、本発明の第1の積層シートと本発明の第2の積層シートの2つの態様を有する。本発明の第2の積層シートは、本発明の第1の積層シートの表面にポリスチレン系樹脂フィルムが接着一体化された構造を有するものであり、いずれの積層シートもポリスチレン系樹脂発泡層(以下、単に発泡層ともいう。)の両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層(以下、単に非発泡層ともいう。)が共押出法にて積層されたサンドイッチ構造を有する積層シートである。本発明の積層シートはサンドイッチ構造を有することにより、中心層が脆い発泡体であっても、全体として脆さが改善されている上に強度にも優れるものである。
また、本発明の第1の積層シートは共押出法にて製造されるため、中心層が脆い発泡体であっても、製造時にシートが割れたり、破断する危険性が小さく、効率よく製造することができるものである。
本発明における発泡層はポリスチレン系樹脂が基材樹脂であり、非発泡層は耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、即ちゴム分を含むポリスチレン系樹脂が基材樹脂である。但し、発泡層は単一の発泡層であっても複数の発泡層からなるものであってもよく、非発泡層の各々も、単一の非発泡層であっても複数の非発泡層からなるものであってもよい。
本発明でいうポリスチレン系樹脂とは、下記の(a)〜(e)のいずれかに該当するものを意味する。
(a)下記の一般式(5)で表されるスチレン系モノマーに由来する構造単位が100重量%である単独重合体。
(b)下記の一般式(5)で表される2種以上のスチレン系モノマーに由来する構造単位が100重量%である共重合体。
(c)下記の一般式(5)で表される1種以上のスチレン系モノマーに由来する構造単位が少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%であり、残余がそれとは異なる構造単位からなる共重合体。
(d)上記(a)〜(c)の群から選択される2以上の混合物。
(e)上記(a)〜(d)のいずれかと、上記(a)〜(d)のいずれとも異なる合成樹脂、エラストマーの群から選択される混合物であって、混合物中において、下記の一般式(5)で表されるスチレン系モノマーに由来する構造単位が少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%の混合物。
前記一般式(5)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、pは0または1〜3の整数である。
前記ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが例示される。
尚、ビカット軟化点が110℃以上のポリスチレン系樹脂を使用することにより、本発明の積層シートの耐熱性を向上させることができる。
但し、本明細書において、樹脂のビカット軟化点はJIS K7206−1999年に従ってA 50法にて求められる値を指す。
本発明の発泡層の場合、これらの樹脂にポリスチレン系エラストマー(スチレン系モノマーとゴム分とから得られるブロック共重合体であって、通常はゴム分の成分割合が45〜90重量%である。)を添加してもよい。但し、発泡層におけるポリスチレン系エラストマーの添加量は、発泡層100重量%中の10重量%以下が好ましく、より好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。本発明では、薄肉で剛性のある積層シートの開発を目的としているため、発泡層にエラストマーを添加しすぎると、または発泡層を構成するポリスチレン系樹脂中のゴム分の含有率が多くなりすぎると、耐衝撃性は高まるものの、剛性が低下するので好ましくない。よって、発泡層中のゴム分の含有率で言い換えると、おおむね6重量%以下が好ましく、さらに好ましくは4重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である。
発泡層を形成する前記ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、200℃、剪断速度100sec−1の条件下で、20Pa・s以上10000Pa・s未満が好ましく、より好ましくは100〜5000Pa・s、さらに好ましくは500〜3500Pa・s、特に好ましくは700〜1500Pa・sである。その溶融粘度が前記範囲内であれば、押出発泡が容易となり、良質の発泡層を形成することが容易となる。前記ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、株式会社東洋精機の溶融粘度測定装置であるキャピラリーレオメーターにより測定できる。前記溶融粘度は、ポリスチレン系樹脂の平均分子量が大きいほど、長鎖分岐の割合が大きいほど、大きな値を示す。
本発明の非発泡層に用いられる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、前記ポリスチレン系樹脂に該当するものの中で、合成ゴム等のゴムにより改質されて耐衝撃性が向上されたものである。本発明におけるゴムによる改質とは、ゴム分を共重合成分として、又は/及びゴム分を混合成分として、ポリスチレン系樹脂中に含有させることを意味する。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の中には、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)単独、HIPSと一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)とのブレンド体、GPPS及び/又はHIPSとスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)及び/又はスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)とのブレンド体等が包含される。
非発泡層に含まれるゴム分は、その粒径による効果の違いはあるが、おおむねゴム分として0.5〜15重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、2〜12重量%であり、さらに好ましくは3〜12重量%であり、特に好ましくは6〜10重量%である。
また、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂としては、シャルピー衝撃強度(JIS K7111−1996年)が3〜18kJ/mのものが好ましく、4〜17kJ/mのものがより好ましく、5〜11kJ/mのものが更に好ましい。これらの範囲の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂であれば、本発明の積層シートは薄くても高強度を維持することができる。このシャルピー衝撃強度は、一般に、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中のゴム分が増加するほど大きな値を示す。
以上の通り、本発明の積層シートは、そのまま(本発明の第1の積層シート)でも熱成形用途に好適に使用可能である。その上、非発泡層には、目的に応じて合成樹脂フィルムを積層することもできる。この場合、合成樹脂フィルムがポリスチレン系樹脂フィルムであれば良好に熱接着することができ、特にポリスチレン系樹脂フィルムが熱接着されたもの(本発明の第2の積層シート)は熱成形用途に好適に使用可能である。
本発明の積層シート全体の密度は0.15〜0.7g/cmである。該密度が0.15g/cm以上であれば、剛性に優れるものとなる。また、該密度が0.7g/cm以下であれば、軽量性に優れるものとなる。かかる観点から、該密度は、好ましくは0.19〜0.62g/cm、更に好ましくは0.23〜0.56g/cm、特に好ましくは0.25〜0.4g/cmである。
さらに、所期の目的を達成するためには、積層シートの密度が上記範囲内であると共に、発泡層の密度が0.1〜0.6g/cmであることが好ましく、0.15〜0.5g/mであることがより好ましく、0.18〜0.4g/cmであることがさらに好ましく、0.2〜0.35g/mであることが特に好ましい。ただし、発泡層の密度は、積層発泡シートの密度未満である。
本明細書における積層シートの密度の測定は、積層シートより無作為に厚みはそのままで、幅30cm、長さ30cmの正方形のサンプルを切り出し、そのサンプルの重量をそのサンプルの体積で割り算することにより求められる。
本発明の積層シートの独立気泡率は45%以上である。独立気泡率が低いと、熱成形により得られる容器の剛性が低くなる。かかる観点から、好ましくは55%以上、より好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上である。
本明細書における独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(無作為に積層シートから25mm×25mm×シート厚みに切断したカットサンプルを、サンプルの厚みの総和が20mmに最も近づくように(ただし、20mmを超えない。)複数枚重ねてサンプルカップ内に収容して測定する。)された積層シート(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記(6)式により独立気泡率S(%)を計算し、N=5の平均値として求める。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (6)
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm)であり、積層シートを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:積層シートを構成する樹脂の密度(g/cm)(積層シートは実質的にポリスチレン系樹脂からなっていると言えるので便宜上ポリスチレン樹脂の密度である1.05g/cmを採用する。)
本発明の積層シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率の最大値(以下、単に二次発泡倍率の最大値という。)は1.7倍以下である。二次発泡倍率の最大値が1.7倍以下であれば、ソリッドシートと同様にプラグアシスト成形により容易に容器を得ることができる。即ち、この程度の二次厚みの増加であれば、マッチドモールド成形のように雄型と雌型とを用いて両面から成形品全体を強く押付けなくても、雄型側も雌型側の金型形状どおりに再現された、表面がフラットな容器を得ることができる。
一方、二次発泡倍率の最大値が1.7倍超の積層シートを熱成形すると、二次発泡により剛性は増すもののプラグアシスト成形等では金型と接触しない面の金型再現性が劣り、得られる容器が外観に劣るものとなる。また、ロースタック性も失い、取り扱いにくく、大きな在庫スペースを必要とするものになる。かかる観点から、該二次発泡倍率の最大値は、1.6倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以下、更に好ましくは1.4倍以下である。
尚、二次発泡倍率の最大値が1以下のものは、全く二次発泡しないものであり、独立気泡率が低いか、エアーの流入が終了してないことが予想されるものであり、得られる容器の強度が不足するので好ましくない。従って、二次発泡倍率の最大値の下限は、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上である。積層シートの独立気泡率が高く、ほぼ1気圧の空気が発泡層の気泡を満たしていれば積層シートの二次発泡倍率の最大値は1.1倍以上となる。
本明細書における二次発泡倍率は、加熱後の積層シートの厚みを加熱前の積層シート厚みで割った数値であり下記のとおり測定される。
積層シートの加熱前の厚みは、次のとおり定められる。無作為に積層シートから、縦、横のそれぞれの辺が、積層シートの押出方向(以下、MDともいう)、押出方向と直交する幅方向(以下、TDともいう)と一致するようにして切り出される一辺260mmの正方形サンプルについて、サンプルの中央から押出方向に±80mm以内で任意に起点を定め、起点から幅方向両側のそれぞれに10mm間隔でそれぞれ7点を定める。起点を含めた合計15点について、小数点第二位まで測定可能な厚みゲージ(例えばPEACOCK製DIAL THICKNESS GAUGE)を用いて厚みを測定し、その平均値を加熱前の積層シート厚みとする。なお、実施例に記載の積層シート厚みはこの方法により測定されたものであり、実施例中では小数点第二位を四捨五入して小数点第一位までを記載した。
加熱後の積層シートの厚みは、次のとおり定められる。
加熱前の積層シートサンプルを複数用意し、その厚みを算出する。次に、縦300mm、横300mm、厚さ10mmサイズの正方形状の木製枠材であって、中央部に縦200mm、横200mmの正方形状の貫通孔が設けられた木製枠材を2枚用意し、前記加熱前のシート厚みの測定が済んだ各サンプルを、サンプルの中央と木製枠の貫通孔の中央が一致するように、2枚の木製枠材にて両側から挟む。続いて貫通孔を覆うことなくサンプルおよび木製枠がずれないように木製枠同士をクリップや万力などで強く固定する。このような木製枠材で固定されたサンプルを複数枚用意する。続いて、かかる状態に木製枠中に固定された積層シートサンプル(No1)を、ダンパー開度を20%として、160℃に温度調節された空気循環式オーブン(タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)内に入れて4秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。次に、木製枠中に固定された積層シートサンプル(No2)を、ダンパー開度を20%として、160℃に温度調節された同オーブンに入れて8秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。次に、木製枠中に固定された積層シートサンプル(No3)を、ダンパー開度を20%として、160℃に温度調節された同オーブンに入れて12秒間加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。更に、第4、第5、第6、・・・・第n(nは自然数)の各積層シートサンプルについても、順次、同オーブンに入れて16秒間、20秒間、24秒間、・・・・n×4秒間(nは自然数)加熱した後、オーブンから気温25℃の部屋に取り出し、放置して冷却する。このように複数枚の積層シートサンプルに対し4秒ずつ加熱時間を延長して加熱する理由は、後述する積層シートの二次発泡厚みの最大値(極大値)を確認するためである。従って、最大値が確認できれば、それ以上の測定は必要ない。なお、加熱直後の積層シートが木製枠から外れていたり、ずれが認められる場合には、正確な二次発泡厚みを示していないおそれがあるため、同ロットの別の積層シートサンプルを使用して再度測定をやり直すものとする。
次に、冷却後の積層シートサンプルのそれぞれについて、前記加熱前の厚みの測定と同様に、幅方向の15点について積層シート厚みを測定し、各平均値を各規定秒数での加熱後の積層シート厚みとする。
各規定秒数加熱のサンプルごとに(加熱後の積層シート厚み)/(加熱前の積層シート厚み)を算出することにより、各規定秒数加熱における二次発泡倍率を算出する。
一般に、熱可塑性樹脂発泡層を含む発泡シート又は積層シートは、加熱温度(ただし熱成形に適切な温度範囲内であることが前提)が一定の場合、加熱時間が長くなるにつれて二次発泡倍率が大きくなる。そして、十分に加熱されるとその二次発泡倍率の増加は止まって、極大値(最大値)を示し、その後は加熱オーバーにより発泡層の気泡の破壊が進んで逆に二次発泡倍率が低下していく。図1は、上記の測定結果より作成された積層シートサンプルの二次発泡倍率と加熱時間の関係の一例を示すグラフである
なお、加熱温度を160℃とする理由は、連続生産で加熱炉において積層シートが加熱される際の雰囲気温度が約160℃であることによる。
本発明の第1の積層シートは、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足するものである。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0
…(1)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(2)
また、本発明の第2の積層シートは、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足するものである。
1.3 <押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率< 3.0
…(3)
20% < 押出方向の加熱収縮率(%) < 55% …(4)
即ち、該積層シートの「押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率」は3.0未満である。押出方向の加熱収縮率と押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率は、共に同じであることが理想である。しかし、本発明の積層シートは、共押出により二次発泡倍率の最大値が1.7倍以下となるように二酸化炭素のような無機ガスを主成分とする発泡剤を使用して製造されたものなので、MDへの収縮に偏る傾向があり、MDとTDの加熱収縮率を同じにすることは容易ではない。しかし、上記(1)式又は上記(3)式を満足する範囲にコントロ―ルしなければ、熱成形後に容器(成形体)が変形する虞がある。
従って、MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は、2.7以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、更に好ましくは2.2以下である。
一方、「MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率」の値が1.3を下回るように積層シートを製造するには、押出直後の冷却過程の積層シートのブローアップを極端に大きくしたり或いは引き取り速度を極端に遅くしなければならなくなり、いずれにしても押出された積層シートを無理に変形させなければならなくなる。その結果、表面の非発泡層の破断や独立気泡率の低下を招くため、MDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は1.3以上であることを要し、好ましくは1.35以上、さらに好ましくは1.4以上である。
尚、本発明のMDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率(以下、単にMD/TD収縮率比と称することがある。)は、後述する特定条件下で測定されたものであるが、上記(1)式及び上記(2)式を満たすようにすれば、又は上記(3)式及び上記(4)式を満たすようにすれば実際の熱成形時における積層シートのMDの加熱収縮率とTDの加熱収縮率の差を小さくすることができる。即ち、本発明の積層シートの加熱収縮率は加熱時間の経過と共に、図2に示すような挙動を示す。ここで、本明細書における加熱収縮率は、加熱開始から28秒後の収縮率の変化が比較的小さくなったときの値であるが、熱成形時の加熱では加熱開始から12〜15秒で行われるため、MD/TD収縮率比は、1.5未満となりMDとTDの収縮率の偏りが少ない優れた成形材料となっている。これに対し、本明細書におけるMDの加熱収縮率/TDの加熱収縮率は、安定した測定値を得るため収縮率がほぼ安定したところを測定しているため(図2参照)、MD/TD収縮率比の値が大きくなっている。
また、MDの加熱収縮率が55%以上になると、熱成形に際して積層シートの収縮力が強くなりすぎて又は収縮のスピードが速くなりすぎて、積層シートがクランプから外れたり、金型への追従性が悪くなったりして、成形に支障を生じやすくなる。かかる観点から、MDの加熱収縮率は53%未満が好ましく、51%未満が更に好ましい。
一方、MDの加熱収縮率が20%以下の場合、押出直後の冷却過程における積層シートの引き取り速度を極端に遅くしなければならなくなり、そのようにすると積層シートが大きく波打ったものとなり、成形に際して積層シートを加熱した際に加熱むらが生じてしまい、成形に支障をきたすようになる。かかる観点から、MDの加熱収縮率は30%超が好ましく、40%超がより好ましい。
本明細書における積層シートの押出方向の加熱収縮率(MDの加熱収縮率)は、積層シートの押出方向の加熱前寸法から積層シートの押出方向の加熱後寸法を引算して得られた差を積層シートの押出方向の加熱前寸法で除し、100を掛けて求められる値(%)である。積層シートの押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率(TDの加熱収縮率)は、積層シートの幅方向の加熱前寸法から積層シートの幅方向の加熱後寸法を引算して得られた差を積層シートの幅方向の加熱前寸法で除し、100を掛けて求められる値(%)である。具体的には次の通り測定される。
まず、積層シートから、縦、横のそれぞれの辺が、発泡層の押出方向、幅方向と一致するようにして一辺200mmの正方形サンプルを切り出す。次に正方形サンプルの一方の面に、MDと平行であって、その面の中央を通るサンプルを縦断する直線(A)を引くと共に、TDと平行であって同面の中央を通るサンプルを横断する直線(B)を引く。直線(A)と直線(B)はそれぞれ200mmの長さの直線となる。そして、直線(A)の長さ(200mm)は、上記積層シートの押出方向の加熱前寸法であり、直線(B)の長さ(200mm)は、上記積層シートの幅方向の加熱前寸法となる。
次に、縦300mm、横300mm、厚さ10mmサイズの正方形状の木製枠材であって、中央部に縦250mm、横250mmの正方形状の貫通孔が設けられた木製枠材を2枚用意する。各木製枠材の一方の面に、直径0.1mmの円形断面の針金を使用して、上記貫通孔上に縦横それぞれ20mm間隔の網状となるように、当該針金をそれぞれ釘で固定する。尚、針金が固定された側の反対側から木製枠材の貫通孔を見ると、針金は縦横に、それぞれ、20mm間隔で12本配列された目の粗い網状を呈している。次に、一方の木製枠材の針金固定側における枠の四隅に、それぞれ縦20mm、横10mm、厚み5mmの木製スぺーサーを固定する。
次に、上記2枚の木製型枠のスペーサーと針金によって形成される空間内(2枚の木製型枠を針金が固定されている側同士を、型枠の四片に設けられたスペーサにより5mmの間隔を保持しながら対向させることにより形成される空間内)に、上記正方形サンプルを枠やスペーサーにより束縛されないように配置し、その状態で上記2枚の木製型枠をクリップや万力などで強く固定する。一方、空気循環式オーブン(タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)の装置内の温度を160℃に、ダンパー開度を20%にそれぞれ設定し、その中に上記2枚の木製型枠に配置された状態の上記正方形サンプルを入れ、28秒加熱した後、オーブンから25℃の部屋に取り出して放置して冷却する。その後、加熱前の直線(A)に対応する直線又は曲線(a)の長さと、加熱前の直線(B)に対応する直線又は曲線(b)の長さをそれぞれ測定する。この場合、直線又は曲線(a)の長さが積層シートの押出方向の加熱後寸法となり、直線又は曲線(b)の長さが積層シートの幅方向の加熱後寸法となる。これらの測定結果に基づいてMDの加熱収縮率とTDの加熱収縮率が計算される。
なお、加熱温度を160℃とする理由は、連続生産時の加熱炉において積層シートが加熱される際の雰囲気温度が約160℃であることによる。また、上記した木製枠材内に正方形サンプルを配置した状態でオーブン内で加熱する理由は、これにより、サンプルの加熱を阻害しないことや(粗い網状の針金の配置)、加熱時にサンプルの収縮を妨げないことや(木製スぺーサーの配置)、収縮時にサンプルを曲がり難くすること(粗い網状の針金と木製スぺーサーの配置)が可能となり、加熱収縮後の寸法の測定が容易となるためである。
本発明の積層シートの厚みは、0.3〜1.7mmである。該厚みが0.3mm以上であれば、得られる容器が実用に耐える十分な強度を有する。一方、1.7mm以下であれば、熱成形により得られる容器が金型再現性に優れるものとなり、ロースタックが可能なものとなる。かかる観点から、積層シートの厚みは、0.5〜1.3mmが好ましく、0.7〜1.3mmが更に好ましい。
該積層シートの坪量は460g/m以下が好ましく、420g/m以下がより好ましく、380g/m以下が更に好ましく、350g/m以下が特に好ましい。該坪量が460g/m以下であれば、従来のソリッドシートの坪量(概ね500g/m)に比較して、軽量化が達成される。坪量の下限は容器の形状にもよるが、概ね130g/mであり、より好ましくは、160g/m以上であり、さらに好ましくは180g/m以上である。130g/m以上であれば、容器として使用可能な剛性を有するものとなる。
本発明の第1の積層シートは、ポリスチレン系樹脂からなる発泡層の両面に複数層又は単層の非発泡層が設けられており、非発泡層の表裏の坪量比は基本的には1対1が好ましいが、それに限定されるものではない。但し、概ね1対4が限度で、好ましくは1対3以内、さらに好ましくは1対2以内である。両面に非発泡層をバランスよく配置することで、薄肉化シートであっても十分な強度が確保されたものとなる。表裏の偏りがありすぎるとサンドイッチ構造により強度を出すことを目的とする設計思想からはずれ、実質的に強度の弱い積層シートとなる。
該積層シートの表裏合せた非発泡層の坪量の合計は10〜160g/mが好ましい(ただし、発泡層の坪量と非発泡層の坪量の合計との比率は1対2〜10対1である。)。非発泡層の坪量の合計が上記範囲内であると、軽量性と剛性とのバランスに特に優れた積層シートとなる。すなわち、非発泡層の坪量の合計が小さすぎると積層シートの剛性が不十分となる虞があり、一方、大きすぎると押出時の非発泡層の熱量が大きくなりすぎるため、その影響により発泡層の気泡が破泡して独立気泡率が低下しやすくなるので、発泡層自体の剛性が低下して積層シートの軽量性と剛性とのバランスが悪くなる虞がある。かかる観点から、非発泡層の坪量の合計の上限は120g/m以下がより好ましく、100g/m以下が更に好ましい。一方、下限は15g/m以上より好ましく、更に好ましくは20g/m以上である。
本発明の第1の積層シートは、その両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の非発泡層が設けられており、その非発泡層の少なくとも一方にポリスチレン系樹脂フィルムを積層することにより、本発明の第2の積層シートを得ることができる。その場合、ポリスチレン系樹脂フィルムが積層される側の非発泡層の坪量は、80g/m以下が好ましく、より好ましくは40g/m以下、更に好ましくは30g/m以下である。坪量が80g/m以下の非発泡層には、非発泡層にポリスチレン系樹脂フィルムを熱ロールにて圧着積層(熱ラミネート)する際に、非発泡層を軟化させるのに必要な熱量を容易に供給できるので、ポリスチレン系樹脂の印刷フィルムを接着剤を用いなくても熱ラミにより容易に接着させることができる。例えば、表裏の非発泡層が合計で160g/mの積層シートであって、一方の非発泡層の坪量が120g/m、他方の坪量が40g/mとした場合、坪量40g/mの非発泡層には容易にポリスチレン系樹脂フィルムを接着することができるが、坪量が120g/mの非発泡層にポリスチレン系樹脂フィルムを接着することは難しい。
尚、坪量が120g/mの非発泡層側であってもポリスチレン系樹脂フィルムを低速でラミネートすれば積層できるが、工業的採算性の観点から好ましくない。
非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、前述のものを用いることができ、その中でも引張破壊伸び(JIS K7113−1995年)が7%以上100%未満ものを使用する必要がある。
上記引張破壊伸びの試験は、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂をJIS K6923−2の第3.3項に従って厚み1.5mm±0.1mmの板に圧縮成形し、得られた圧縮成形板を、JIS K7113−1995年に従って機械加工によって同JIS K7113−1995年に記載された1号型試験片の形状にしたものを試験片とし、同JIS K7113−1995年に従って試験速度を500mm/分(速度I)として行なうものとする。また、本発明における引張破壊伸びの試験は、異なる5つの試験片についての計5回の試験結果の平均値が採用される。
尚、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が、2種以上の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を混合してなる場合、又は一般ポリスチレン樹脂と耐衝撃性ポリスチレン樹脂を混合してなる場合、又は一般ポリスチレン樹脂とエラストマーを混合してなる場合といった、2種以上の樹脂を混合して非発泡層を形成しようとする場合には、溶融混合後の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を使用して上記した試験片を作成すればよい。この場合、積層シートを製造する条件で、発泡層の押出しを止めて、非発泡層のみをそれぞれ押出し、押し出された非発泡層樹脂のそれぞれを使用し、JIS K6923−2の第3.3項に従って厚み1.5mm±0.1mmの板に圧縮成形し、上記と同様に試験片を作製し、引張破壊伸びの試験を行なえばよい。
引張破壊伸びは耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を試料として引張試験を行なったときに試料が破壊するまでに試料がどのくらい伸びたかを示す指標である。非発泡層を構成する原料の選択は、積層シートの製造を可能にする観点と積層シート(またはその成形品)の物性を満足する観点の両面から行わなければならない。非発泡層を構成する樹脂が硬くて脆い場合には、引張破壊伸びが小さな値を示し、積層シート製造時に冷却しながら延伸するブローアップの過程で、非発泡層が伸びずに積層シートに裂けが発生したり、ブローアップがなんとか可能であっても積層シートを押出方向に引き取る際に積層シートが破断する虞がある。また、非発泡層を構成する樹脂の引張破壊伸びが小さな値を示す場合には、得られる積層シートは、非発泡層の剛性が高すぎるために曲げなどの変形に追従できずに積層シート表面に折れが発生しやすいものとなる。反対に、非発泡層を構成する樹脂が柔軟で脆くない場合には、上記した製造上の問題は回避されるが、過度に柔軟な場合には非発泡層の剛性が足りずに積層シートがサンドイッチ構造を有しているにもかかわらず剛性が不十分となる。従って、非発泡層には伸びと剛性を両立する原料の選択が求められる。
そこで、本発明者らは、鋭意研究した結果、最適な非発泡層を選択するための指標として引張破壊伸びが有効であることを見いだした。この引張破壊伸びが7%より小さいと、ブローアップ時に積層シートの裂けが発生することがあり製造が不可能になる虞がある。また、この引張破壊伸びが100%以上であると、積層シートの剛性が失われ、サンドイッチ構造による積層シート剛性向上の効果が得られない。引張破壊伸びが7%以上100%未満のとき、その引張弾性率は概ね300MPa以上600MPa未満でありサンドイッチ構造の効果が十分発揮される。かかる観点から、引張破壊伸びは8〜50%が好ましく、20〜50%が特に好ましい。
なお、引張破壊伸びは、ゴムの種類や分散状態により多少異なるが、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム分が多くなるほど大きな値を示すため、引張破壊伸びが7%以上100%未満を実現しようとするには、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中に概ね0.5〜15重量%のゴム分を含むように調整すればよい。
本発明の第2の積層シートにおいて、積層される樹脂フィルムは、厚み40μm以下のポリスチレン系樹脂フィルムである。厚み40μm以下のポリスチレン系樹脂フィルムであれば、フィルム層に接着剤を使用せずに、熱ラミネート法により容易に本発明の第2の積層シートの製造が可能である。但し、本発明では、本発明の第1の積層シートに、高密度ポリエチレン樹脂フィルムや直鎖状ポリエチレン樹脂フィルムやポリプロピレン樹脂フィルム等のポリスチレン系樹脂フィルム以外の合成樹脂フィルムを積層しても良い。
なお、ポリスチレン系樹脂フィルムの厚みの下限は、容易に熱ラミすることができると共に、得られる第2の積層シートの外観が良好であるという観点から、10μmである。
ポリスチレン系樹脂フィルム以外の合成樹脂フィルムの厚みは適宜選択されるが、10〜60μmが好ましい。フィルムの厚みが10μm以上であれば、耐熱性、耐油性の向上に寄与し、容易に積層することができる。一方、60μm以下であれば、コストアップしすぎることがなく、容易に積層することができる。
以下に本発明の積層シートの製造方法を述べる。
本発明の積層シートは共押出により発泡層の両面に非発泡層を持つ積層シートを製造することで容易に得ることができる。その場合、発泡層形成用の押出機に環状ダイを取り付け、その環状ダイに非発泡層形成用の押出機を連結して、発泡層形成用押出機に取り付けた環状ダイ内で、発泡層形成用の溶融樹脂と非発泡層形成用の溶融樹脂を合流させて、発泡層形成用の溶融樹脂の両面に非発泡層形成用の溶融樹脂を積層させてから、共押出を行うと共に発泡層形成用樹脂を発泡させることにより発泡層の両面に非発泡層を形成することが好ましい。
更に、ポリスチレン系樹脂フィルムが積層された本発明の第2の積層シートを得るには、得られた本発明の第1の積層シートに、ポリスチレン系樹脂フィルムを熱ロールで圧着することにより積層する方法(熱ラミネート法)を採用することが好ましい。この際、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が大きいと、熱ラミネート法によりポリスチレン系樹脂フィルムを非発泡層に効率よく積層することができる。この場合、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のメルトフローレートは15g/10分以上が好ましく、18g/10分以上がより好ましい。また、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のメルトフローレートは大きすぎると耐熱性を低下させる原因となるため、50g/10分以下が好ましく、40g/10分以下がより好ましく、35g/10分以下が更に好ましい。上記のメルトフローレートは、JIS K 7210(1999)の試験方法A法により測定されるメルトマスフローレイトを意味し、試験温度200℃、荷重5kgの条件を採用する。尚、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が、2種以上の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を混合してなる場合、又は一般ポリスチレン樹脂と耐衝撃性ポリスチレン樹脂を混合してなる場合、又は一般ポリスチレン樹脂とエラストマーを混合してなる場合といった、2種以上の樹脂を混合して非発泡層を形成しようとする場合には、溶融混合後の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を使用して測定すればよい。この場合、共押出させて積層シートを製造する途中で、発泡層の押出しを止めて、非発泡層のみをそれぞれ押出し、押し出された非発泡層樹脂のそれぞれを採取すれば、溶融混合後の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を得ることができる。
尚、熱ラミネート法によりポリスチレン系樹脂フィルムを熱ロールで圧着して積層する場合、ポリスチレン系樹脂フィルムが積層された本発明の第2の積層シートの加熱収縮率は、フィルム積層時の熱の影響で、ポリスチレン系樹脂フィルムの積層前の本発明の第1の積層シートの加熱収縮率よりもやや緩和されることがある。従って、本発明の第2の積層シートの加熱収縮率が前記(3)(4)式を満足するようにするためには、ポリスチレン系樹脂フィルム積層時の加熱は強くしないことが望ましい。また、本発明の第1の積層シートにポリスチレン系樹脂フィルム以外の合成樹脂フィルムを熱ラミネート法で積層する場合も同様である。
前記熱ラミネート法は、所望される容器毎に意匠性に富むフィルムを選択して熱ラミネートすることにより、外観に優れる多様な容器を得ることができるので好ましい方法である。
尚、ポリスチレン系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルム以外の合成樹脂フィルムは、本発明の第1の積層シートの非発泡層上に又は第2の本発明の積層シートの非発泡層上に該非発泡層を介して又は必要に応じて接着剤層を更に介して積層すればよい。
発泡層の形成に使用する発泡剤としては、二酸化炭素を主成分(発泡剤全量中の二酸化炭素の割合が50モル%以上)とするものを用いることが好ましい。二酸化炭素を主成分とすれば、目的とする二次発泡倍率の低い積層シートを容易に得ることができる。得られた積層シートは、製造直後から熱成形が可能となり、経時による二次発泡倍率の変化もほとんどないものとなるので好ましい。但し、二酸化炭素に、その他の発泡剤を混合して使用することもできる。
二酸化炭素に混合する発泡剤としては、例えば、プロパン、n―ブタン、i―ブタン、n―ブタンとi―ブタンの混合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素が挙げられる。
また、エタノール等も良好に使用可能である。後述する通り、発泡剤として二酸化炭素以外の上記発泡剤を併用することにより、積層シートの加熱収縮率を小さめにコントロールすることができる。但し、積層シートの製造直後に、二次発泡倍率の最大値を1.7倍以下にするためには、残存しにくい発泡剤を選択する必要がある。
発泡層を形成するポリスチレン系樹脂としては前述のものを用いることができ、非発泡層を形成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂としては、前述のものを用いることができる。
本発明の積層シートは押出方向(MD)への歪がかかりやすく、加熱収縮率が大きくなる傾向がある。更に、二酸化炭素を主成分として発泡層を形成する場合、その傾向がより強くなるので、得られる積層シートの加熱収縮率のコントロールが重要である。加熱収縮率を小さめにコントロールするためには、図3、図4、図5に示すように、外側リップ1と内側リップ2とで構成されるダイの出口(スリット)4直前で溶融樹脂通路3を絞り、ダイの出口4での樹脂速度を高めておくことが有効である。更に、本発明の積層シートのMDにおける加熱収縮率を本発明の範囲内とするには、ダイの出口(スリット)4直前における溶融樹脂通路3の絞り角度θ(図4、図5に示すθ)を、3〜7度程度にすることが好ましい。また、ダイの出口4における外側リップ1と内側リップ2の間隔は0.1〜1.0mmが適当である。尚、図4は、後述する比較例2以外の実施例及び比較例で使用されたθが5度のダイリップの図面であり、図5は、後述する比較例2で使用されたθが9度のダイリップの図面である。図4、図5中の数字は角度を表す。
押出方向と直交する幅方向(TD)の加熱収縮率は、ブローアップ比の影響を受ける。適正なブローアップ比は目的とするシートの構成によって多少変化するが、本発明の範囲の加熱収縮率を得るには概ね2.8〜3.2が良好である。
加熱収縮率を小さめにコントロールするためには、発泡剤に二酸化炭素以外のnブタン、ペンタン、エタノール等の副成分をブレンドすることが好ましく、特に押出方向(MD)の加熱収縮率を小さくする効果がある。ただし、あまり多く添加すると残存ガスとして残り、目的とする二次発泡率1.7倍以下の積層シートを得ることができなくなる。添加量の目安はおおむね全発泡剤の35重量%までである。
また、二酸化炭素を発泡剤とするポリスチレン系樹脂発泡シートは、発泡剤による可塑化効果が発現しないため、発泡層が脆く切断しやすいものである。従って、ダイから押出されたシートを引取るのは容易ではなく、特に厚みの薄いシートを得るための押出条件の範囲が狭く、従来技術では工業的に製造することができなかった。これに対し、本発明では、ポリスチレン系樹脂発泡シート両面に共押出法により非発泡層を設け、該非発泡層を構成する樹脂として引張破壊伸びが7%以上100%未満の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を選択することにより、積層シート全体として耐衝撃性に優れたものとなっているので、ダイから押出された積層シートを容易に引取ることができる。
但し、非発泡層の両面合計の坪量を増やしすぎると、共押出ダイ中で発泡層が加熱されすぎて独立気泡率が低下しやすい傾向があるので、かかる観点からも、非発泡層の坪量は160g/m以下にすることが好ましい。
また、発泡層にポリスチレン系エラストマーを添加すると、耐衝撃性は向上するものの剛性が低下し、発泡層の独立気泡率が低下する傾向があるので、所望される軽量、薄肉化での剛性が達成できなくなる。かかる観点から、発泡層へのポリスチレン系エラストマー添加量は10%以下が好ましい。
以下、本発明の積層シートについて実施例により詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例ともに内径90mmの単軸の第一押出機と内径120mmの単軸の第二押出機を直列に連結したポリスチレン系樹脂発泡層形成用押出機を用い、該第二押出機の出口に共押出用ダイを取付け、該共押出用ダイに表面の非発泡層形成用第三押出機(内径50mm)と裏面の非発泡層形成用第四押出機(内径50mm)とを連結させた共押出装置を用いた。
但し、実施例1〜11、比較例1および4〜9においては、内側リップ径115mm、絞り角度(θ)5度、ダイの出口(スリット)4における外側リップ1と内側リップ2の間隔0.6mmの共押出用ダイを用い(マンドレル直径335mm、ブローアップ比2.9)、比較例2においては絞り角度(θ)のみを9度に変更した共押出用ダイを用い、比較例3においては、内側リップ径80mm、絞り角度5度の共押出用ダイを用いた(マンドレル直径335mm、ブローアップ比4.2)。
実施例、比較例において、発泡層を形成するために用いた樹脂の種類、物性を表1に示す。表1〜3中のMFRは200℃、5kgf荷重によるメルトフローレートを意味する。
非発泡層を形成するために用いた耐衝撃性ポリスチレン樹脂の構成、種類、物性を表2、3に示す。なお、表1中の溶融粘度は、段落番号[0025]に示された方法に基づく溶融粘度である。また、非発泡層上に積層した合成樹脂フィルムの種類、厚み等を表4に示す。
実施例1
発泡層用ポリスチレン樹脂としての一般用ポリスチレン樹脂(表1のGPPS1)に、気泡核剤としてのタルクを添加量が2重量%(ポリスチレン樹脂とタルクの総量に対する重量割合)となるようにマスターバッチを用いて加え、それを第一押出機に供給して加熱、溶融、混練し、これに表5に示す量(ポリスチレン樹脂と発泡剤の総量に対する重量割合)の二酸化炭素を注入し、第二押出機中で表5に示す樹脂温度に調整して共押出ダイ中に導入した。
同時に表5に示す配合の表面及び裏面の非発泡層用のそれぞれの樹脂(表2及び表3のHIPS1)を第三押出機、第四押出機に供給して、加熱、溶融、混練し、表5に示す樹脂温度に調整してから共押出ダイに導入した。
共押出ダイ中で、表面の非発泡層用樹脂と発泡層用樹脂と裏面の非発泡層用樹脂を合流させて積層してからダイリップを通して筒状に押出し、更にマンドレルを通して引取り、切開いて本発明の第1の積層シートを得た(図3)。
尚、吐出量は発泡層を80kg/hrとし、第三押出機と第四押出機の吐出量がともに6.7kg/hrとなるように制御して、発泡層240g/mに対し非発泡層の表面、裏面の坪量がともに20g/mとなるようにした。このとき引取り速度を5.3m/分に調整した。
(実施例2)
実施例1で得た多層発泡シートと、ポリスチレン樹脂からなる、印刷された合成樹脂フィルム(表4に示したF1)とを温度200℃にコントロールされた直径200mmのテフロンロールと間隙0.3mmをなすロールとの間を通過させることにより、両者を圧着して積層し、本発明の第2の積層シートを得た。引取り速度は9m/minであった。
(実施例3)
非発泡層を形成する樹脂を表2及び表3に示すHIPS2とし、発泡層の坪量、非発泡層の坪量を表5に示した坪量にするため、発泡層の吐出量は実施例1と同等で第三押出機と第四押出機の吐出量をともに16kg/hrとした以外は、実施例1と同様に本発明の第1の積層シートを得た。また、次工程でこの本発明の第1の積層シートの片面に、実施例2と同様にして、ポリスチレン樹脂からなる合成樹脂フィルム(表4に示したF1)を圧着して積層したところ、本発明の第2の積層シートを得ることができた。
(実施例4)
発泡層の坪量、非発泡層の坪量を表5に示した坪量にするため、引取速度を6.2m/分に制御して、積層シート坪量を240g/mにした以外、実施例1と同様にして本発明の第1の積層シートを得た。
(実施例5)
表2に示すHIPS3を用いて非発泡層とした以外は実施例1と同様に本発明の第1の積層シートを得た。
(実施例6)
非発泡層の坪量が表5に示すように40gと20gに偏在するように、第三押出機の吐出量を6.7kg/hr、第四押出機の吐出量を13.4kg/hrとし、発泡層の吐出量を73kg/hrとした以外は実施例1と同様に本発明の第1の積層シートを得た。
そして、得られた本発明の第1の積層シートの片面(樹脂層坪量を20gとした側)に実施例2と同様にポリスチレン樹脂からなる、印刷された合成樹脂フィルム(表4に示したF1)を熱ロールにて圧着し、本発明の第2の積層シートとした。
(実施例7)
実施例1で得た本発明の第1の積層シートの両面に、表4に示した合成樹脂フィルムF1およびF2を片側ずつ順次ラミネートして本発明の第2の積層シートを得た。ラミネート条件は、実施例2と同様であった。得られた本発明の第2の積層シートはデザイン性が高められたものとなった。
(実施例8)
表2に示すHIPS5を用いて非発泡層とした以外は実施例1と同様にして本発明の第1の積層シートを得た。
そして、得られた本発明の第1の積層シートの片面に実施例2と同様にポリスチレン樹脂からなる、印刷された合成樹脂フィルム(表4に示したF1)を熱ロールにて圧着したが同条件ではフィルムは接着できなかった。これは非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン樹脂のMFRが15g/10分を下回る2.1g/10分のためである。
(実施例9)
表2に示すHIPS6を用いて非発泡層とした以外は実施例1と同様にして本発明の第1の積層シートを得た。
そして、得られた本発明の第1の積層シートの片面に実施例2と同様にポリスチレン樹脂からなる、印刷された合成樹脂フィルム(表4に示したF1)を熱ロールにて圧着したが同条件ではフィルムは接着できなかった。これは非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン樹脂のMFRが15g/10分を下回る12g/10分のためである。一方、実施例5では、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン樹脂のMFRが15g/10分以上の19g/10分であったため、ポリスチレン樹脂フィルムを熱ラミネートすることができた。実施例5と実施例9の対比より、ポリスチレン樹脂フィルムの熱ラミネートに際しては、非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン樹脂のMFRが15g/10分以上であることが好ましいことが理解される。
(実施例10)
発泡剤として、二酸化炭素とノルマルブタンとを重量比で75/25に混合した混合発泡剤を使用した以外は実施例1と同様に本発明の第1の積層シートを得た。
(実施例11)
表1に示すGPPS2を用いて発泡層とした以外は実施例1と同様にして本発明の第1の積層シートを得た。
(比較例1)
実施例1で使用した多層ダイを用い、非発泡層用押出機は使用せず、ポリスチレン発泡層のみの単層シートを押出した。押出温度、二酸化炭素注入量、気泡核剤添加量は実施例1と同様とした。しかし、ダイから吐出される発泡性樹脂は大変脆く、裂けが発生したため、目的とした坪量240g/mの発泡シートは得られなかった。従って、シート物性等の評価は行わなかった。この結果は、二酸化炭素を主発泡剤として使用したときに発泡層の両側に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を共押出ししないと発泡シートが裂けやすく、工業生産ができないことを示している。
(比較例2)
ダイリップの絞り角度θを9度とした以外、実施例1と同様に積層シートを得た。ダイリップの絞り角度θを9度と大きい角度に変更したため、表6に示すとおり、MD/TD加収縮率比が3.0を上回り、その結果、積層シートは、熱成形時に激しく収縮し、成形枠から外れるトラブルが多発した。よって、成形性不良と判断し、以降の評価を行なわなかった。
(比較例3)
内側リップ径80mmのダイを用い、ブローアップ比を4.2とした以外は、実施例1と同様に積層シートを得た。その結果、表6に示すとおり、MD/TD加熱収縮率比が1.3を下回り、積層シートの製造時におけるブローアップ過程で非発泡層に裂けが発生した。また、独立気泡率もやや低下した。良好な積層シートが得られなかったため積層シートの評価は行なわなかった。
(比較例4)
表面形成用第三押出機だけを用いて、片面だけに非発泡層を形成した。それ以外は実施例1と同様に積層シートを得た。その結果、片側積層だけではシート全体の剛性が足りず、積層シート製造中にシワが入り良好なシートが得られなかった。したがって、成形性、積み高さの評価は行わなかった。
(比較例5)
ポリスチレン系エラストマーが添加されていない配合PS4を用いた以外、実施例1と同様に積層シートを製造することを試みた。しかし、PS4は、引張破壊伸びが7%を大きく下回っていたことから、積層シートの製造時のブローアップの過程で非発泡層が伸びずに積層シートに裂けが発生し、良好な積層シートが得られなかった。そのため、積層シートの評価を行なわなかった。この結果は、二酸化炭素を主発泡剤として使用したときに発泡層の両側に引張破壊伸びが7%以上の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を共押出で積層しないと積層シートが裂けやすく、工業生産ができないことを示している。
(比較例6)
非発泡層の樹脂温度を高くした以外、実施例1と同様に積層シートを得た。積層シートは独立気泡率が45%を下回る27%となり、剛性に欠けるシートとなった。
(比較例7)
発泡剤としてn−ブタンを用いた以外、実施例1と同様に積層シートを得た。発泡剤としてn−ブタンを用いた結果、熱成形に際しての加熱において積層シートの二次発泡倍率の最大値が1.7倍を上回る2.2倍となった。得られたシートは剛性、衝撃性は問題ないが、プラグアシスト真空成形を実施したところ成形品の金型再現性が乏しく、成形品を積み重ねた時の高さが高くなり、目的とするソリッドシートに近いものにならなかった。
(比較例8)
非発泡層にHIPS7を用いた以外、実施例1と同様に積層シートを製造することを試みた。しかし、HIPS7は、引張破壊伸びが7%を下回っていたことから、積層シートはブローアップは可能であったが、引取り時に積層シートが頻繁に破断したため、積層シートの評価を行なわなかった。この結果は、二酸化炭素を主発泡剤として使用したときに発泡層の両側に引張破壊伸びが7%以上の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を共押出しで積層しないと積層シートが裂けやすくなるので、工業生産ができないことを示している。
(比較例9)
非発泡層にHIPS8を用いて積層シートを得た以外、実施例1と同様に積層シートを得た。HIPS8は、引張破壊伸びが100%を超えていたため、得られた積層シートは成形用シートとして剛性に乏しく、成形品も同様に剛性に乏しいものであった。この結果は、引張破壊伸びが100%を超える耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を積層した場合、十分な強度が得られないことを示している。
各実施例、比較例における発泡層、非発泡層の原料構成、樹脂温度、ダイの構成などの製造条件を表5にまとめて示す。
各実施例、比較例で得られた積層シート(実施例5、実施例8及び実施例9については合成樹脂フィルムの熱ラミネート操作をしていないもの)につき、密度、厚み等の諸物性を測定し、剛性などの評価を行った。結果を表6に示す。



表6における剛性、脆性、熱成形性、積み高さの評価は次のように行った。
(剛性)
積層シートの曲げ弾性率を測定し、剛性を次の基準で評価した。
◎・・・弾性率が900MPa以上
○・・・弾性率が800MPa以上900MPa未満
×・・・弾性率が800MPa未満
前記評価が◎の積層シートから得られる熱成形品は剛性に優れる。
前記評価が○の積層シートから得られる熱成形品は剛性が十分で食品容器に適する。
前記評価が×の積層シートから得られる熱成形品は剛性が不十分で、食品容器として用いる際に内容物の保持に難をきたす虞がある。
積層シートの曲げ弾性率は、JIS K 7203(1982)に準拠して、積層シートの幅方向(TD)について測定し、得られた値を相加平均した値より算出した。JIS K 7203(1982)に準拠した測定は、長さ100mm×幅25mm×積層シートの厚みのものを試験片として用い、支点の先端R=5(mm)、加圧の先端R=5(mm)、支点間距離が30mm、曲げ速度が10mm/分の条件にて実施した。なお、測定には加圧する位置が重ならないように積層シートの巾方向に均等に採取された10個以上の試験片を用い、それぞれの試験片につき幅方向(TD)についての測定値を得て、測定値の小さいものから5個の相加平均値を算出し、曲げ弾性率として採用した。なお、積層シートの表面と裏面とで曲げ弾性率が異なる場合には、上記方法により表面側と裏面側について測定を行い、求められた値のうち、小さい方の値を曲げ弾性率として採用した。測定値の小さいものを選択する理由は、積層シートの幅方向の不均一性により、積層シートの剛性の評価が幅方向にバラツキをもつ場合を考慮したものである。
(耐衝撃性)
衝撃穴あけ強さ(F)を測定し、耐衝撃性を次の基準で評価した。
○・・・F≧10kgf・cm
×・・・F<10kgf・cm
前記評価が○の積層シートから得られる熱成形品は脆くはなく食品容器に適する。
前記評価が×の積層シートから得られる熱成形品は変形の際に成形品端部に亀裂が入り易く、最悪の場合には割れを引き起こす虞がある。
衝撃穴あけ強さの測定は、JIS P 8134(1998)に準拠して実施した。
測定には、縦150mm×横150mm×積層シートの全厚のものを試験片として用いた。この試験は、打撃する位置が重ならないように積層シートの幅方向に均等に採取した10個以上の試験片を用い、それぞれの試験片についての測定値を得て、測定値の小さいものから5個の相加平均値を算出し、衝撃穴あけ強さ(kgf・cm)を示す値とした。測定値の小さいものを選択する理由は、積層シートの幅方向の不均一性により、積層シートの剛性の評価が幅方向にバラツキをもつ場合を考慮したものである
(熱成形性)
製造後4日後の積層シートを使用して、浅野研究所製 品番 FKS−0631−10の成形機を用いてプラグアシスト真空成形により、ヒータ温度400℃、加熱時間7秒±1秒の条件において、熱成形して、開口部の直径206mmの円形、底部内側の直径134mmの円形、深さ24mmのパスタ用トレーを成形し、成形品の外観を観察した。評価は以下の判断基準で行った。
○・・・熱成形性良好(成形不具合等なし)
×・・・不具合あり
尚、不具合の理由は、表6下に記載した。
(積み高さ)
前述の成形で得られたパスタ用トレーの熱成形品の底面部分のシート厚みを測定し評価した。
◎・・・0.5mm以上1.2mm未満 ロースタック性に優れる
○・・・1.2mm以上1.8mm未満 ロースタック性はあるが効果が小さい
×・・・1.8mm以上 ロースタック性はない
図1は、積層シートサンプルの二次発泡倍率と加熱時間の関係の一例を示す説明図である。 図2は、本発明の積層シートの加熱収縮率と加熱時間との関係の一例を示す説明図である。 図3は、押出発泡方法による積層シートの製造における製造装置のダイを含む主要部の概略を示す断面図である。 図4は、ダイリップ先端での絞り角度θが5度の場合のダイリップ付近の拡大断面図である。 図5は、ダイリップ先端での絞り角度θが9度の場合のダイリップ付近の拡大断面図である。
符号の説明
1 外側リップ
2 内側リップ
3 溶融樹脂流路
4 ダイの出口(スリット)
5 円柱状冷却ドラム(マンドレル)
6 筒状積層シート

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層が共押出法にて積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mm、独立気泡率が45%以上、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率(加熱後の積層発泡シートの厚みを加熱前の積層発泡シートの厚みで割った数値)の最大値が1.7倍以下、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が下記(1)式及び(2)式の関係を満足すると共に、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7113−1995年に基づき1号型試験片を用い試験速度500mm/分で測定される引張破壊伸びが7%以上100%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
    1.3< 押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率 <3.0
    ・・・(1)
    20%< 押出方向の加熱収縮率 <55% ・・・(2)
  2. 坪量が460g/m以下であり、該ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に積層された耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層の坪量が表裏合せて10〜160g/mであることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
  3. 該ポリスチレン系樹脂発泡層が二酸化炭素を主成分とする発泡剤を使用して得られたものであり、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7210(1999)の試験方法A法により測定されるメルトフローレートが15〜40g/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
  4. ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に耐衝撃性ポリスチレン系樹脂非発泡層が共押出法にて積層されたシートの片面又は両面に、厚み40μm以下のポリスチレン系樹脂フィルムが積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、密度が0.15〜0.7g/cm、厚みが0.3〜1.7mm、独立気泡率45%以上、該積層発泡シートを160℃で加熱したときの二次発泡倍率(加熱後の積層発泡シートの厚みを加熱前の積層発泡シートの厚みで割った数値)の最大値が1.7倍以下、160℃で28秒間加熱したときの加熱収縮率が下記(3)式及び(4)式の関係を満足すると共に、該非発泡層を構成する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のJIS K7113−1995年に基づき1号型試験片を用い試験速度500mm/分で測定される引張破壊伸びが7%以上100%未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
    1.3< 押出方向の加熱収縮率/押出方向と直交する幅方向の加熱収縮率 <3.0
    ・・・(3)
    20%< 押出方向の加熱収縮率 <55% ・・・(4)
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