以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態として、パチンコホール等の遊技施設に多数設置されるスロットマシンを例に説明する。なお、図1は、本発明の一つの実施形態によるスロットマシン1の外観構造を表した正面図、図2はスロットマシン1の前扉を開放してその内部の構造を表した図である。
まず、図1を参照しながらスロットマシン1の前面構造を説明する。スロットマシン1は、遊技者側に面する側にいわゆるフロントマスクとなる前面パネルが形成された前扉3が、略矩形状の箱体である筐体の開口に対し、図示しない蝶番機構により開閉可能に取り付けられている。前扉3の前面パネルは、上パネル部3a、中パネル部3b、下パネル部3cに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。また、前面パネルの下部には、メダルを貯留するための受け皿4aを備える受皿ユニット4が設けられている。
上パネル部3aには、高輝度の発光ダイオード(LED)を内蔵したコーナランプ5a、5b及び上部ランプ5c等からなる効果ランプが配置され、リーチや大当たり等の際に点灯または点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部3aの左右位置には、それぞれスピーカを内蔵した放音部6a、6bが設けられ、効果音や楽音等によるゲームの演出を行っている。更に、各放音部6a、6bに挟まれる中央位置には、液晶表示ユニット(71)を配した画像表示部7が形成されている。
なお、画像表示部7においては、ゲームの進行に応じて適宜選択される動画像を表示して当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、ボーナスゲーム等の大当たりの際には、よりダイナミックな画像が表示されて、遊技者に高配当の期待感を引き起こしたりする等の演出を行っている。
中段の中パネル部3bには、中央に略長方形の透明な表示窓8aが形成されたアクリル製の中パネル板8が取り付けられている。そして、この表示窓8aを通して、円筒状の3個のリール10a、10b、10cからなる回転図柄表示装置としてのリール装置が表示する識別図柄が目視されるように構成されている。すなわち、後述するように、各リール10a、10b、10cの周面には複数の異なる種類を含む例えば21個の識別図柄がほぼ等間隔に配列され、表示窓8aに面して臨む縦3個、横3列の識別図柄が当該表示窓を通して遊技者に視認されるようになっている。
中パネル板8の下方には、前方に若干突出した操作卓と呼ばれる卓状部が形成され、ここには、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口11aを有するメダル投入部11と、ゲームの操作を指示するためのベットボタン12、スタートレバー13、及び3個のストップボタン14a、14b、14cがそれぞれ配設されている。
ベットボタン12は、ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式のボタンスイッチである。スタートレバー13は、リール10a、10b、10cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に球形の操作ノブを有するレバーを上下左右の何れかの方向に傾倒操作するとオン作動し、レバーから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ作動するように構成されている。
ストップボタン14a、14b、14cは、各リール10a、10b、10cの回転停止を個別に指示するための押圧式のボタンスイッチであり、各リールの配列に対応してそれぞれ並設されている。
前扉3の下パネル部3cを構成するパネル15には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄(図示略)などが印刷されて表示されている。また、パネル15の両側に、効果ランプであるサイドランプ15a、15bがそれぞれ設けられている。
前面パネルの最下部に設けられる受皿ユニット4には、入賞配当等によりメダルを払い出すメダル払出口16と、スピーカを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる放音部17a、17bとがそれぞれ配設されている。
次に、図2を参照しながらスロットマシン1の内部構造を説明する。まず、筐体2側には、その上部の位置に、スロットマシン1の全体動作を統括制御する主制御基板21が取り付けられている。なお、主制御基板21は、CPU、ROM、RAM、その他周辺機器と通信する際の整合機能を有するインタフェース回路等の電子部品を実装するマイコンベースの制御回路基板であり、透明な基板ケースに収容されて筐体2内に離脱不能に固定されている。
筐体2内のほぼ中央には、3個のリール10a、10b、10cを軸方向に並設した回転図柄表示装置としてのリール装置が、前扉3側に形成される表示窓8aに対向して所定のフレームに設置されている。なお、各リール10a、10b、10cは、それぞれのハブ部に嵌合するステッピングモータによって回転駆動される。
リール装置の下方には、前面のメダル投入部11から投入されたメダルを貯留し、入賞配当の際にメダル放出口22aから放出して払い出すホッパーユニット22が設けられている。また、ホッパーユニット22に隣接する補助タンク23は、当該ホッパーユニットでオーバーフローしたメダルを回収するために設けられている。
また、筐体2の底部には、定電圧源からなる主電源装置24及びスロットマシン1に内蔵される各機器へ所要の電力を配電する電源装置基板25が共に同一の板金ケース内に収容されて配置されている。
次に、前扉3側には、その上部の位置に、放音部6a、6bに対向するスピーカ31a、31bが取り付けられている。また、スピーカ31a、31bの間には、上述の画像表示部7に画像を表示させる液晶表示ユニット71(不図示)と、その背後にマイコンベースのサブ制御基板32が取り付けられている。サブ制御基板32は、上述した液晶表示ユニット71による演出映像の表示制御、上部ランプ5c及びコーナランプ5a、5b等の効果ランプを使った照明制御、並びに内蔵するスピーカを鳴動させ放音部6a、6b、17a、17b等を使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行うための制御回路基板である。
サブ制御基板32の下方には、リール10a、10b、10cを透視させるための透明な表示窓8a等を中パネル板8に形成してユニット化した中パネルユニット34が取り付けられている。また、中パネルユニット34には、リール10a、10b、10cの外周面を照射する冷陰極蛍光管及びこれを駆動するインバータ35と、スタートレバー13及びストップボタン14a、14b、14c等の操作スイッチ類の信号を筐体2側の主制御基板21へ中継する中央表示基板36等が組み付けられている。
中パネルユニット34の下方には、メダルセレクタ37が取り付けられている。メダルセレクタ37は、前面のメダル投入部11に投入されたメダルの適否を判別する装置である。また、メダルセレクタ37には、フォトインタラプタからなるメダルセンサ37aが搭載され、メダルセレクタ37が適正と判定し振り分けたメダルをメダルセンサ37aが検出することにより、主制御基板21に対してメダル受付信号を出力する。主制御基板21は、メダル受付信号を受信する毎にクレジットを加算しメモリに記憶することで、内部的にメダルを貯留する処理を行っている。
更に、メダルセレクタ37の下方には、適正と判定し振り分けたメダルをホッパーユニット22へ案内するメダル受入通路38aと、メダルセレクタ37により不適として排除され落下したメダル(または異物)を前面のメダル払出口16へ案内するフローシュート38bと、ホッパーユニット22から放出されたメダルを前面のメダル払出口16へ案内するメダル払出通路38cが設けられている。更に、メダル払出口16に隣接して、上述した放音部17a、17bに対向するスピーカ39a、39bが取り付けられている。
次に、本発明に関わる回転図柄表示装置の実施形態であるリール装置を説明する。ここで、図3は、リール装置を構成する1つのリールユニット100の構造を表した分解斜視図であり、リール装置は、同図に示されるリールユニット100を、それぞれ第1リール10a、第2リール10b、第3リール10cとして、これらの回転軸を一致させて横方向に3個並べて配置して構成される。これらはどれも同一の構造であるため、ここでは1つのリールユニット100の構造を代表して説明する。
なお、以下本明細書では、3個のリール10a、10b、10cについて特定せずに代表して説明するものをリール10及びリール10を回転可能に組み立てたものをリールユニット100と、同じく後述のステッピングモータ101a、101b、101cをステッピングモータ101と、基準位置センサ102a、102b、102cを基準位置センサ102と、図柄表示手段103a、103b、103cを図柄表示手段103と、EPDコントローラ104a、104b、104cをEPDコントローラ104と、ストップボタン14a、14b、14cをストップボタン14と、それぞれ添字部分を省いた符号を付して説明している。
図3に代表されるリールユニット100は、周面に複数の識別図柄(図示略)を変動させて表示可能な円筒状のリール10と、リール10を回転駆動するステッピングモータ101と、フォトインタラプタからなる基準位置センサ102と、EPDコントローラ104と、3個のバックランプ112を縦に配列して収容するバックランプケース111等が、金属製のベースフレーム110に組み付けられて構成されている。
リール10は、ステッピングモータ101の駆動軸が嵌着される軸穴を有するハブ部121と、ハブ部121を中心に放射状に延びる複数本のスポーク部122と、スポーク部122の先端部分に接続されハブ部121の中心から同心円状に形成された環状の外リング部123と、この外リング部123と同一径であり且つ軸方向に所定幅をおいて平行に位置する同じく環状の内リング部124と、外リング部123及び内リング部124を複数カ所で連結する連結部125と、1つのスポーク部122から内側に向けて延びる舌片状の遮光片126とを有し、これらを骨組みとする円筒状の回転体(回転骨格体)が樹脂材料を用いた例えば射出成形により一体的に形成されている。
また、かかる回転骨格体の外リング部123及び内リング部124を両端とする外周部には、可撓性を有し、電子ペーパディスプレイ(EPD:Electric Paper Display)からなる図柄表示手段103を長手方向に複数配設して形成した図柄表示帯状媒体115が巻回されて接着されている。更に、図柄表示帯状媒体115の内側端部には、配列された図柄表示手段103毎に、当該図柄表示手段へ図柄を表示させる図柄データ信号を受信するためのフラットコイルからなる受信アンテナ106が設けられている。
なお、個々の図柄表示手段103は、それぞれ識別図柄を可変に若しくは動的に表示することが可能であり、その詳細な構造については後述する。
リール10は、そのハブ部121の中心に形成された軸穴に、ベースフレーム110に固定されたステッピングモータ101の駆動軸が嵌合し、これにより、当該ステッピングモータ101を駆動源として回転可能に取り付けられている。
バックランプケース111は、ブラケット部材を介してベースフレーム110に取り付けられ、例えば白熱ランプである3個のバックランプ112が上下方向に設けられている。また、バックランプケース111は、リール10の内側に収容され、各バックランプ112が図柄表示帯状媒体115の裏面を照射して、そこに表示した縦3個の識別図柄を明るく表示させる。なお、バックランプ112は、ゲームの進行または選択された演出パターンに応じて点灯または点滅駆動される。
また、バックランプケース111のベースフレーム110側である基端部には、図柄表示帯状媒体115の3箇所の受信アンテナ106に対向する3個の送信アンテナ105がそれぞれ設けられている。送信アンテナ105は、小型コイル状のアンテナであり、後述するように、選択された図柄の図柄データ信号を対向する図柄表示手段103の受信アンテナ106に近距離無線伝送する。
また、ベースフレーム110の内側面には、図柄データ信号を生成し送信アンテナ105を介して図柄表示手段103に無線伝送するEPDコントローラ104が設けられている。
また、フォトインタラプタからなる基準位置センサ102がベースフレーム110に固定されている。基準位置センサ102は、リール10が一回転する毎に1つのスポーク部122に形成された遮光片126の通過を検知して主制御基板21へ検知信号を出力する。主制御基板21は、基準位置センサ102が作動したリール10の回転位置を基準位置として検出し、ステッピングモータ101へ出力した回転制御パルスデータと照合しながらリール10の回転位置を把握して、正確に回転制御を行っている。
ベースフレーム110の上下の端部には、前位置に摘みを有する係止具113が設けられ、リールユニット100をリール装置のフレームに係止してその内部に収容固定するようにしている。なお、ベースフレーム110の前方に取り付けられた扇状のカバー部材114は、リール10をスロットマシン1の表示窓8a側から見た場合に、隣接するリールとの隙間から当該リールユニット100の内部機構が見えないようにするために設けられている。
次に、本発明に関わる回転図柄表示装置(リール装置)について更に詳細に説明する。ここで、図4は、リール10を備えてなる回転図柄表示装置の構成を機能的に表したブロック図、図5は、リール10に設けられる図柄表示手段(電子ペーパディスプレイ)103の本体主要部である図柄表示部1030の断面構造を模式的に表した図である。
図4に示されるように、EPDコントローラ104には、3個の送信アンテナ105が接続され、各送信アンテナ105と各受信アンテナ106とは、互いに対向し得るように同一ピッチ(間隔)で配設されている。また、リール10が例えば矢印に示す方向に回転して停止したとき、表示窓8aに臨む連続する3箇所の図柄表示手段103に設けられる3個の受信アンテナ106が、それぞれ送信アンテナ105と対向し近接することにより、これら相互に近接するアンテナ間における図柄データ信号の近距離無線伝送が可能となっている。
なお、EPDコントローラ104は、サブ制御基板32を介して主制御基板21と接続しており、主制御基板21がスロットマシンゲームにおける入賞の結果等の進行状況に応じてサブ制御基板32に指令し、そのタイミングでサブ制御基板32が選択し生成した図柄データが送信される。このとき、EPDコントローラ104は、図柄データを例えばFM変調等の所定の変調方式で変調した時系列の(シリアルの)図柄データ信号を生成するとともに、表示させるべきそれぞれの図柄表示手段103の受信アンテナ106に当該図柄データ信号を伝送することにより、当該各図柄表示手段103において図柄データ信号に従った例えば動きを伴う図柄画像が表示されることとなる。
ここで、図5を参照し、図柄表示手段103の実施形態である電子ペーパディスプレイ(EPD)の構造と、これによる画像表示の動作原理を説明する。
図柄表示手段103の主要部をなす図柄表示部1030は、可撓性のある薄い絶縁フィルムシートからなる基板層1031上に、2次元マトリクス状の画素電極1033と、画素電極1033に対し正又は負の電荷を蓄電するスイッチング素子1071(図7参照)と、これらを配線接続する信号線等を備えるドライバ層が、蒸着及びエッチング等の工程を経て成膜形成されている。
画素電極1033等を備えるドライバ層の表面には、正又は負に帯電しそれぞれの帯電極性別に例えば黒又は白の光反射率の異なる色に配色された2種類の帯電色素粒子1034a、1034bを多数、流動性のある液状媒体とともに充填した複数のマイクロカプセル1034が、印刷工程を経て単層に敷き詰められ、これによりインク層が形成されている。
更に、例えばITO(Indium-Tin Oxide)等からなる透明電極(光透過性電極)1032と、カラーフィルタ1035と、透明な保護シート1036等の多層膜からなるフィルム材がマイクロカプセル1034からなるインク層を覆うように設けられている。
このように、図柄表示部1030は、共通の透明電極1032とそれぞれの画素電極1033とが、マイクロカプセル1034に充填される2種類の帯電色素粒子1034a、1034bを多数介在させて対向配置されるとともに、これら透明電極1032と各画素電極1033とをそれぞれ一対とする画素電極対が、表示面上において所定の解像度をなし得る数だけ形成されている。
なお、図5は、電子ペーパディスプレイを構成する図柄表示部1030の断面構造を模式的に表したものであり、実際においては、透明電極1032と画素電極1033との間隔は、1個のマイクロカプセル1034に相当する例えば約40〜50μm程度であり、画素サイズ、すなわち画素電極1033の幅である例えば200〜300μmに比して十分小さく形成されている。
かかる構造の図柄表示部1030を本体とする電子ペーパディスプレイからなる図柄表示手段103は、図6のブロック図に示されるように、当該図柄表示部1030に図柄画像を変動表示させるためのXY表示制御回路107、チャージ回路108、スイッチング回路109等のドライブ回路が図柄表示部1030の周囲に組み込まれて形成されている。
すなわち、図柄表示部1030においては、基板層1031の表示面側に、チャージ回路108により各画素電極1033に供給される正又は負の電荷を伝送するソースライン1081と、スイッチング回路109によるオンオフのゲート制御信号を伝送するゲートライン1091とが、隣接する各画素電極1033間において経緯方向(XY方向)に複数配線されている。また、これらラインが交差する各位置には、図7に詳細に示されるように、ゲート制御信号がオンするに応じてソースライン1081から供給される正又は負の電荷をそれぞれの画素電極1033へ蓄電させる、例えば1個の若しくはプッシュプル回路素子を構成するTFT(Thin Film Transistor)であるスイッチング素子1071が形成されている。なお、これらチャージ回路108とスイッチング回路109は、XY表示制御回路107により、それぞれ作動のタイミングが調整されつつ制御される。
XY表示制御回路107は、画像表示部1030に画像を表示し又は表示している画像を更新するに際し、これから表示しようとする画像の画素単位のコントラスト(明暗)に対応して、各画素電極1033に正又は負の電荷を蓄電(チャージ)する制御を行う。
具体的には、XY表示制御回路107は、EPDコントローラ104から伝送される図柄データ信号を復調し、これに基づきスイッチング回路109を制御して、経線方向(X方向)に配列するゲートライン1091を順次オンさせるとともに、これに同期して、オンした緯線方向(Y方向)に配列する複数の画素電極1033に対し、それぞれ正又は負の電荷を緯線方向(Y方向)にパラレルに供給すべくチャージ回路108を制御する。
図5に示されたように、表示面側の透明電極1032は、電気的に一定の例えばグランド電位(0Vの基準電位)に保持されている。すなわち、各画素電極1033に正又は負の電荷が蓄電された状態では、これらの画素電極対の間に蓄電された電荷に基づく極性の静電場が生じることとなる。
これにより、各画素電極対間に介在する正又は負に帯電された帯電色素粒子1034a、1034bは、静電場において受けるクーロン力の作用でマイクロカプセル1034内の液状媒体中を遊泳し、それぞれの静電場の極性に応じて透明電極1032又は画素電極1033側へ静電誘導される。すなわち、それぞれの画素電極対の蓄電極性に応じて、白又は黒の帯電色素粒子1034a、1034bが選択的に表示面側の透明電極1032へと誘導されるため、これら集められた色素粒子が観察者EYEによる視認可能な画素として、表示面に2値(白黒)の画像を形成する。
なお、隣接する3個の画素電極1033に対応してそれぞれ赤、緑、青に配置されるカラーフィルタ1035を用い、反射率の高い配色(例えば白)の帯電色素粒子1034bをバックに3原色の画素を適宜に表示することで、任意のカラーの画像を表示することが可能である。
また、図柄表示手段103を構成する電子ペーパディスプレイは、一旦、画素電極1033に電荷がチャージされると、基板層やドライバ層における絶縁壁等を介して内部的な漏れがない限り電荷が保持され、このため、表示面に形成した画像を電力の供給無しに維持可能な不揮発性を有している。したがって、漏れ電流がなければ、原理的には電力を消費することなく表示画像を保持することができる。
また、画素電極1033へチャージする電荷の極性を変更することで画像を更新することができるので、ゲームの進行状態に応じて、例えば表示した入賞図柄を動的に変化させるような演出表示も可能となる。
また、図柄表示手段103を構成する電子ペーパディスプレイは、180度に近い視野角を有し、またコントラスト比も高く設定できるため、リールテープに印刷された図柄のように視認性良く図柄を表示できる。
また、図柄表示手段103を構成する電子ペーパディスプレイは、全体にフレキシブル性を有して形成でき、形態の自由度も高いため、図柄表示手段103として配設した図柄表示帯状媒体115を容易にリール10に巻着することができる。
なお、図柄表示手段103へは、EPDコントローラ104が出力する図柄データ信号を介して、画像の更新(図柄の変動表示)に要する電力が供給される。すなわち、図6に示されるように、EPDコントローラ104は、サブ制御基板32から送信される図柄データを例えばFM変調して図柄データ信号を生成し、それを電力増幅した信号を送信アンテナ105を介して図柄表示手段103へ無線伝送している。このとき、図柄データ信号の搬送波により受信アンテナ106で電磁誘導された二次電流のエネルギーによってXY表示制御回路107が作動するとともに、その交流成分が整流されてチャージ回路108へ供給される。
このように、図柄表示手段103へ図柄データ信号を無線伝送することで、リール10の回転に伴う図柄表示手段103と、ベースフレーム110に固定のEPDコントローラ104間の接続を機械的に非接触とし、これにより、スリップリング等の回転集電装置を要さず構造を簡素化し、また耐久性や寿命等の性能を向上させることができる。
次に、図8に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムの構成を説明し、併せて図9に示すプログラム構成図に基づいて、その制御動作を説明する。
まず、図8を参照し、主制御基板21は、CPU211の他にROM212、RAM213等の半導体メモリからなる記憶部が備えられ、ROM212に予め記憶されているスロットマシンゲーム用のシステムプログラムに従ってCPU211が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を制御している。
CPU211には、一定周期(例えば1.87msec)のクロック信号を生成するクロック割込信号生成部214が接続され、毎回のクロック割込に同期して、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14c、ベットボタン12、及びメダルセレクタ37に内蔵されたメダルセンサ37a等のスイッチ出力及びセンサ出力を中央表示基板36を介して読み取っている。
また、主制御基板21には、発振素子及び当該発振素子で生成される短周期のパルス信号をカウントするメモリカウンタ素子とからなる乱数発生部215と、乱数発生部215のカウント値を取得するサンプリング部216とを有してなるハードウエア抽選回路が設けられている。CPU211は、所定の遊技操作に係るタイミングでサンプリング部216を介して乱数発生部215から乱数値を取得し、その乱数値に基づいて入賞役及び演出パターン等のテーブル抽選の処理を行っている。
また、CPU211は、各リール10a、10b、10cの回転駆動源であるステッピングモータ101a、101b、101cに対し、上述のクロック割込信号に基づいて生成される4相の駆動パルス信号を、回胴装置基板26により電流増幅して供給している。そして、CPU211は、各リールに設けられた基準位置センサ102a、102b、102cから作動信号を受信する毎にその位置データを校正(リセット)し、これを基準に送出した駆動パルス信号に基づいて、正確に各リールを回転駆動制御している。
また、主制御基板21には、電源装置基板25を経由して、ホッパーユニット22の払出モータ221及び払出センサ222が接続されている。CPU211は、入賞配当若しくはメダルの貸し出し操作がされた際に、払出モータ221を回転駆動してメダルを遊技者に払い出す。そして、払出センサ222の作動により検知した実際のメダルの払い出し枚数が予定している枚数と一致した時に、当該払出モータの駆動を停止する制御を行っている。
また、スロットマシン1のメインスイッチ等が配置され主電源として各機器及び制御基板等へ電力を供給する主電源装置24が、電源装置基板25を介して主制御基板21に接続されている。
また、主制御基板21に配線接続されるサブ制御基板32は、上部ランプ5c及びサイドランプ15a、15b等の光源であるLED等を点灯または点滅制御する照明制御部321と、音源データメモリ323から音源データを選択し復号化(再生)した音信号に基づいてスピーカ31a、31b、39a、39bを鳴動駆動する音響制御部322と、画像データメモリ325に記憶している演出に係る画像データを適宜選択して画像制御基板72に出力する画像データ処置部324と、図柄データメモリ327に記憶している図柄のデータを選択して図柄表示手段103a、103b、103cに出力し表示させる図柄データ処理部326等の制御回路を主に有して構成されている。
なお、画像制御基板72は、VDP(Video Display Processor)及びフレームメモリやビデオRAM等を搭載しており、画像データ処理部324から供給される画像データに基づき、一部、動画の表現方法に応じてマージ等の編集を加えた後ビデオ信号を生成し、液晶表示ユニット71において演出用の動画像を表示する制御を行っている。
スロットマシン1は、図9に示されるように、主として主制御基板21のROM212等に記憶されるメインのシステムプログラムに従ってCPU211が演算処理を実行することで全体が制御され、ここでは、それぞれの役割・機能に応じてロードされ実行されるサブプログラムごとにそれらの制御動作を説明する。
[クレジット管理手段]
クレジット管理プログラム2101は、ゲームが待機した状態においてメダル投入部11にメダルが投入され、メダルセンサ37aからの投入枚数分のパルス信号であるメダル受付信号を受信すると、クレジットメモリ2102に記憶するクレジット数をその枚数分だけ加算して内部貯留の処理を行っている。また、同じくゲーム待機の状態においてベットボタン12の作動を検知すると、これに応じてクレジットメモリ2102に記憶されるクレジット数から所定枚数分を差し引いて消費し、これにより当該枚数分のメダルが賭けられてゲームが開始する。
[内部抽選手段]
ゲーム開始の状態でスタートレバー13の作動が検知されると、内部抽選プログラム2104は、そのタイミングにおいて乱数発生部215が示すカウント値を乱数値Riとしてサンプリング部216から取得する。そして、内部抽選プログラム2104は、メモリに記憶される入賞抽選テーブル2103を参照し、取得した乱数値Riが含まれる数値範囲に基づいて、入賞役を抽選し又はハズレを選択する。
ここで、図10は、入賞抽選テーブル2103のモデル図である。なお同図は、スロットマシン1において通常の(ボーナスゲーム等の特別ゲームではない)ゲームが行われている場合の例を示すものである。例えば、通常ゲームの入賞役としては、小役と呼ばれる所定枚数のメダルを配当する役と、リプレイと呼ばれる再遊技の権利を与える役と、BB(ビッグボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)役と呼ばれる、通常よりも連続して高い配当が期待できるボーナスゲームを与える大当たり役等を備えている。
図10に示されるように、入賞抽選テーブル2103には、上述した役ごとにその所定の当選確率に応じて数値範囲が割り当てられている。例えば、ハズレに該当する数値範囲が最も大きく、次いで小役、リプレイ、大当たり役の順で、該当する数値範囲が次第に小さく、すなわち当選確率が低くなるように設定されている。
内部抽選プログラム2104は、取得した乱数値Riが図10に示されるA1≦Ri<A2の関係を満足すると小役を抽選し、A2≦Ri<A3の関係を満足するとリプレイを抽選し、A3≦Ri<A4の関係を満足するとRB役を抽選し、A4≦Ri≦Amaxの関係を満足するとBB役を抽選する。また、取得した乱数値Riが0≦Ri<A1のときにはハズレを選択する。そして、当選した入賞役が内部抽選結果フラグ2105にセットされ、その役を成立させる識別図柄に係る図柄の組合せが記憶される。
[リール回転制御手段]
リール制御プログラム2106は、スタートレバー13の作動を契機に各リール10a、10b、10cをそれぞれ一定の回転速度で回転させる定速回転制御プログラム2107と、ストップボタン14a、14b、14cの作動のタイミングに基づいて各リールの停止位置を決定する停止位置決定プログラム2108と、決定された位置にリール10a、10b、10cを停止させる制動制御プログラム2109とを主に備え構成されている。
ここで、図11は、それぞれのリール制御プログラム2106が共通して使用するリール制御フラグ2110の構成を表す図である。なお、リール制御フラグ2110は、各リール10a、10b、10cについて、それぞれ更新(リードライト)可能な別個のメモリ領域に設けられている。
リール制御フラグ2110は、リール状態フラグRF1、センサ通過フラグRF2、図柄ステップフラグRF3、通過図柄番号フラグRF4、停止図柄番号フラグRF5、ステップカウンタフラグRF6を備え、それぞれに所定のバイト数が割り当てられている。
リール状態フラグRF1には、当該リール10の回転状態が記憶され、例えば、リール10が停止中の時は[0]、回転加速中では[1]、定速動作中は[2]等の値が設定される。センサ通過フラグRF2には、リール10が定速動作中に基準位置を通過して基準位置センサ102が検出信号を送出した時、[FFh](h符号は16進数表示であることを意味する)が設定される。
図柄ステップフラグRF3には、表示窓8aの中央のラインL1(図1参照)を通過中の識別図柄につき、その図柄の回転位置を19分割して示すステップ数が設定される。
なお、この図柄を19分割するステップ数と、当該リールを駆動するステッピングモータ101の単位ステップとは対応している。つまり、ステッピングモータ101が19ステップ回転することで、1個の識別図柄が1コマ進む。つまり、ある識別図柄がラインL1にさしかかると、図柄ステップフラグRF3にはステップ数[19]が設定され、ステッピングモータ101の単位ステップが過ぎる毎に図柄ステップフラグRF3の値も1ずつ減少する。そして、識別図柄の中心がラインL1上に来たときには、図柄ステップフラグRF3にはステップ数[10]が設定され、識別図柄がラインL1を抜ける時には、ステップ数[1]が設定される。
通過図柄番号フラグRF4には、現在、ラインL1上を通過している識別図柄の図柄番号が設定される。上述したように、リール10の周面には、例えば21個の識別図柄が描かれており、図柄番号を「0」に設定した識別図柄を基準図柄とし、リール10が回転することにより表示される順に、「0」、「1」、「2」、…、「20」の図柄番号が各識別図柄に割り当てられている。
停止図柄番号フラグRF5には、上述の中央のラインL1に停止させるべき識別図柄の図柄番号が設定される。なお、停止図柄番号フラグRF5は、後述する引き込み制御が行われる際に、ストップボタン14の作動を契機に停止位置決定プログラム2108により設定される。また、引き込み制御を行わず即時停止をする場合には、デフォルトとして[FFh]が設定される。
ステップカウンタフラグRF6は、リールが定速動作中においては、ステッピングモータが単位ステップだけ動作する毎に1ずつインクリメントされる。
[リール定速回転制御手段]
定速回転制御プログラム2107は、スタートレバー13の操作を契機に全てのリール10a、10b、10cの回転を開始して、一定の速度で回転させる制御を行う。ここで、図12は、リール10が定速動作中におけるリール制御フラグ2110の時間的推移例を表すチャートである。
同図の例によれば、定速回転制御プログラム2107は、クロック割込信号生成部214からのクロック割込毎にステッピングモータ101を単位ステップだけ回転させる。これに同期して、図柄ステップフラグRF3を1ずつ減算(デクリメント)させ、この値が終端を示す[1]になると、次のステップで通過図柄番号フラグRF4を更新する。また、定速動作中に基準位置センサ102がオン動作し出力信号の立ち上がりを検出した時、センサ通過フラグRF2に[FFh]を設定するとともに、通過図柄番号フラグRF4に基準図柄の図柄番号[0]を設定し、更に、図柄ステップフラグRF3にステップ数「19」を設定する。
このように、定速回転制御プログラム2107によって、リール制御フラグ2110がステッピングモータ101の回転に同期して逐一更新され、これにより、中央のラインL1上に表示する識別図柄の種類(図柄番号)とその回転位置とが正確に管理されて、リール10が一定の回転速度で回転制御される。
[リール停止位置決定手段]
次に、リール10が回転中に対応するストップボタン14が押圧操作(ここでは「ストップ操作」という)されたときに起動して、当該リール10の停止位置を決定する停止位置決定プログラム2108について説明する。
停止位置決定プログラム2108は、先ず、作動したストップボタン14に対応するリール10について、リール制御フラグ2110の通過図柄番号フラグRF4を参照し、ストップ操作時点において中央のラインL1を通過中の図柄番号を取得する。また、他のリールの状態(回転中か、または停止していれば表示窓8aに表示している識別図柄)をそれぞれのリール制御フラグ2110を参照して取得する。
また、停止位置決定プログラム2108は、当該ゲームにおいて抽選された上述の内部抽選結果フラグ2105を参照し、何れかの入賞役に内部当選しているか否か調べる。そして、何れかの入賞役に係るフラグがセットされ当選していると判定した場合、他のリールが表示する識別図柄との組合せの関係において、その入賞役を成立させる図柄が描かれた識別図柄が、ストップ操作された時点から例えば190msec以内に、入賞判定に係る有効ラインに停止可能な位置にあれば、当該識別図柄がこの有効ライン上に停止する位置を当該リール10の停止位置として決定する。
具体的な例として、図1に示された「ベル」図柄が有効ライン(例えば中央のラインL1)に揃うことを入賞の成立条件とする入賞役に内部当選したゲームにおいて、左の第1リール10aのストップボタン14aが押圧操作された場合の動作例を説明する。この例では、右の第3リール10cは既に停止して、中央のラインL1の位置に「ベル」図柄の識別図柄が表示されているものとする。
停止位置決定プログラム2108は、リール制御フラグ2110を参照し、ストップボタン14aが操作された時点で、例えば「ベル」以外の図柄である図柄番号[7]の識別図柄が中央のラインL1上を通過中であると判定すると、それから190msec以内、すなわち当該識別図柄(図柄番号[7])から後続する4コマの識別図柄(図柄番号[8]〜[11])のなかに、入賞に係る「ベル」図柄が存在するか否か調べる。
そして、識別図柄[11]の図柄が「ベル」であるとき、停止位置決定プログラム2108は、引き込み制御可能と判定して、当該識別図柄「ベル」を中央のラインL1に表示する位置をリール10aの停止位置として決定し、当該図柄番号[11]を停止図柄番号フラグRF5にセットする。
また、停止位置決定プログラム2108は、引き込み可能な範囲に当該入賞役に係る識別図柄がないと判定した場合、ストップ操作されたリール10aに対し、そのストップ操作時点から直近のハズレ図柄(何れの入賞役をも成立させない図柄)が描かれた識別図柄を有効ラインに表示する位置をリール10aの停止位置として決定し、その図柄番号を停止図柄番号フラグRF5にセットする。
なお、このように、ストップ操作された時点から特定の識別図柄を表示窓8aに表示させるべく、途中の識別図柄を停止させないで滑らせる制御を「引き込み制御」と称している。また、当該ゲームにおいてハズレが選択されている場合、入賞に係る図柄が表示されないように、ストップ操作された時点から途中の識別図柄を滑らせる制御が行われる。制御手法は上述の引き込み制御と同じであるが、この場合には特に「蹴飛ばし制御」と呼ばれることがある。
[リール制動手段]
次に、停止位置決定プログラム2108により決定された位置にリール10を停止させる制動制御プログラム2109について説明する。制動制御プログラム2109は、停止図柄番号フラグRF5に図柄番号がセットされた識別図柄を表示窓8aの中央のラインL1に表示する位置にリール10を停止させる制御を行う。
ここで、図13は、引き込み制御の際のリール制御フラグ2110の時間的推移例を表すチャートであり、この例に基づいて制動制御プログラム2109に従うリールの制動について説明する。同図に示される例によれば、図柄番号[7]の識別図柄が中央のラインL1を通過中にストップボタン14aが押圧操作され、この時、停止位置決定プログラム2108により、入賞の成立に係る識別図柄「ベル」の図柄番号[11]が停止図柄番号フラグRF5にセットされている。
制動制御プログラム2109は、停止図柄番号フラグRF5にセットされた図柄番号[11]の識別図柄が中央のラインL1に到達するまでリールの制動を行わず、その間の図柄を(この例では4コマ)滑らせる。そして、当該識別図柄の図柄番号[11]が通過図柄番号フラグRF4にセットされ、ステップフラグRF3が[16]になった時点で、当該リール10aを駆動するステッピングモータ101aへの4相の駆動パルス信号を全てオン(電力供給状態)させて当該ステッピングモータ101aを制動する。かかるタイミングで回転中のリール10aを強制停止させることで、ステッピングモータ101aの制動力とリール10aの慣性力とが対抗し、当該「ベル」図柄の中心がほぼ中央のラインL1に位置してリール10aが停止する。
[入賞判定及び配当手段]
入賞判定プログラム2111は、停止した全てのリール10a、10b、10cについてリール制御フラグ2110を参照し、有効ラインに表示された図柄の組合せが上述の内部抽選結果フラグ2105が示す入賞役に係る図柄の組合せと一致しているか否か判定する。
ここで「有効ライン」とは、例えば、ベットボタン12が押圧操作されることで当該ゲームに3枚のメダルが賭けられた場合、図1に示される表示窓8aの中上下段のラインL1、L2、L3と、対角線上の斜めのラインL4、L5が入賞判定のための有効ラインとして設定される。また、他のベットボタンが押圧操作され、より少ない枚数のメダルが賭けられた場合には、入賞を判定する有効なラインは中上下段のラインL1、L2、L3のみとなる等、入賞の機会が減ることとなる。
当選した入賞役に係る図柄の組合せが、上述した何れかの有効ラインにおいて揃ったとき、入賞判定プログラム2112は当該入賞役が成立したと判定する。
入賞配当プログラム2112は、成立した入賞役の種類に応じたメダルの配当情報をクレジット管理プログラム2101に渡し、その配当枚数をクレジットメモリ2102に加算させる。また、配当された結果、クレジットがその上限を超える場合には、メダル払出制御プログラム2113が起動し、ホッパーユニット22の払出モータ221を回転駆動して、クレジットの上限を超える枚数分のメダルを遊技者に払い出している。
[図柄変動表示手段]
図柄変動表示プログラム2114は、サブ制御基板32に指令して、リール10において表示窓8aに面して臨む3個の図柄表示手段103に対し、識別図柄を変動表示させる制御を行う。
なお、上述したように、図柄表示手段103が表示する画像は不揮発性を有しており、例えば図14(a)に示されるように、画像更新の制御を何らしなければ、表示された図柄画像SYMBが保持される。
また、図14(b)に示されるように、例えば「ベル」の識別図柄の位置が中央の有効なラインL1上に揃い、入賞判定プログラム2111によって入賞が判定された場合には、図柄変動表示プログラム2114は、サブ制御基板32を介して図柄データを出力することで、例えば入賞に係る「ベル」の図柄画像SYMBを左右に振って鳴らすような動的な表示をリール10a、10b、10cにさせることができる。
また、図柄変動表示プログラム2114は、内部抽選結果フラグ2105を参照し、何れかの入賞役が内部当選していると判定した場合、その当選している入賞役を成立させる識別図柄(以下「当選図柄」という)のみを、当該識別図柄が予め割り当てられている図柄表示手段103に表示してもよい。
この実施形態による表示例を図15に示す。図15(a)は、リール10a、10b、10cが回転中に、当選図柄である例えば「ベル」の図柄画像SYMBのみを表示させる。このようにすれば、遊技者は、当選している図柄を識別し容易に狙うことができ、目押し操作をアシストすることができる。
また、図15(b)に示されるように、全てのリール10a、10b、10cが停止した後に、当該入賞役が成立したか否かに関わらず、上述の当選図柄「ベル」のみを例えば点滅させたり明るさを変えたりする等して変動表示してもよい。
これによれば、遊技者は、当該ゲームが内部当選しているか否か、仮に内部当選していれば当選入賞役及び当選図柄を容易に知ることができる。したがって、ゲームが当選しているにも関わらず、遊技者がそれと知らずに遊技台を換えて立ち去ってしまう等の不都合をなくすことができる。
また、図16(a)の例のように、図柄変動表示プログラム2114は、内部抽選結果フラグ2105を参照し、何れかの入賞役が内部当選していると判定した場合、リール10a、10b、10cが回転中において、当該当選図柄である例えば「ベル」図柄が割り当てられた図柄表示手段103に、当該「ベル」の図柄画像SYMBを点滅させる等して変動表示してもよい。これにより、遊技者は、リール10a、10b、10cが回転していても、当選図柄の位置を識別し易くなり、目押し操作をアシストさせる。
また、図16(b)に示されるように、リール10a、10b、10cが停止した後に当該入賞役が成立したか否かに関わらず、上述の当選図柄「ベル」を点滅させる等して変動表示してもよい。これにより、当該ゲームの内部当選結果、内部当選している入賞役及び図柄等を遊技者に報知することができる。したがって、ゲームが当選しているにも関わらず、遊技者がそれと知らずに遊技台を換えて、立ち去ってしまう等の不都合をなくすことができる。
また、図17(a)の例のように、図柄変動表示プログラム2114は、内部抽選結果フラグ2105を参照し、何れかの入賞役が内部当選していると判定した場合、リール10a、10b、10cが回転中において、当該当選図柄である例えば「ベル」図柄が割り当てられた図柄表示手段103に、その図柄画像SYMBを中央(センター)から若干偏倚させた位置に変動表示してもよい。これにより、遊技者は、リール10a、10b、10cが回転中であっても当選図柄の位置を識別し易くなり、目押し操作をアシストさせる。
また、図17(b)に示されるように、リール10a、10b、10cが停止した後に当該入賞役が成立したか否かに関わらず、上述の当選図柄「ベル」を点滅させる等して変動表示してもよい。これにより、遊技者に、当該ゲームの内部当選結果、内部当選している入賞役及び図柄を報知することができる。
このように、本実施形態の回転図柄表示装置(リール装置)を備えるスロットマシン1によれば、ゲームの結果等に応じてリール10a、10b、10cに様々な態様で識別図柄を例えば動的に変動表示させることが可能であり、遊技者の勝利感等を高揚させるような従来以上に視覚効果の高い演出を行うことができる。
また、リール10a、10b、10cの周面に配置した電子ペーパディスプレイからなる図柄表示手段103によれば、低消費電力で図柄を変動表示することができ、運用コストも低く抑えることができる。また、表示画質の劣化も少なく寿命も長い等のメリットがある。
また、電子ペーパディスプレイからなる図柄表示手段103は、180度に近い視野角を有し、またコントラスト比も高く設定できるため、リールテープに印刷された図柄のように視認性良く図柄を表示できる。
また、リール10a、10b、10cが回転中であっても、当該ゲームにおける当選図柄のみを動的若しくは位置を偏倚させる等して表示すれば、当選している図柄の位置を遊技者に識別し易くさせ、目押し操作をアシストすることができる。
また、リール10a、10b、10cが停止した後、入賞が成立したか否かに関わらず当選図柄を点滅させる等して変動表示すれば、内部当選している図柄等を遊技者に報知して、ゲームの興趣を向上させることができる。