JP2007208473A - プリント基板における信号ラインの設計方法及びこの設計方法を用いて製造されたプリント基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電率及び厚さがεr1及びt1であるコア基板1と、コア基板の一面側に形成された電源グランド回路部4と、コア基板の他面側に形成され誘電率及び厚さがεr2及びt2である絶縁層6と、絶縁層上に形成された信号ラインと、からなるマイクロストリップライン構造A9を有し、この構造における信号ラインを設計する際、コア基板と絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、信号ラインが所定の幅w9となるように、t1とt2とを所定の比率にすることによって誘電率εrを所定の値にする。
【選択図】図1
Description
図8は、情報信号が高速伝送される信号ラインの一形態であるマイクロストリップラインを説明するための模式的断面図である。
図9は、情報信号が高速伝送される信号ラインの一形態であるストリップラインを説明するための模式的断面図である。
図8に示すように、マイクロストリップラインA155は、コア材151の一面側に形成された内層電源グランド層152と、内層電源グランド層152上に形成された絶縁層153と、絶縁層153上に形成された信号ライン155との積層構造により構成されている。
絶縁層153は、コア材151に、ガラスクロス等に絶縁性樹脂を含浸させたシート状のプリプレグを圧着したり、絶縁性樹脂インクを塗布した後硬化することによって形成することができる。これらのプリプレグや絶縁性樹脂インクは市販のものを用いることができる。一般的に、市販されているプリプレグの誘電率は約4.5〜5であり、絶縁性樹脂インクの誘電率は3前後である。
また、信号ライン155の厚さは、一般的に20μm前後である。
ここで、εrを3、h1を50μm、tを20μmとして、信号ライン155の特性インピーダンスZoA155が50Ωとなるときの信号ライン155の幅w155であるwを求めると、信号ライン155の幅w155は約87μmとなる。
図9に示すように、ストリップラインB204は、コア材201の一面側に形成された内層電源グランド層202と、内層電源グランド層202上に形成された第1の絶縁層203と、第1の絶縁層203上に形成された信号ライン204と、信号ライン204を覆うように第1の絶縁層203上に形成された第2の絶縁層205と、第2の絶縁層205上に形成された外層電源グランド層206との積層構造により構成されている。
そして、このストリップラインB204における信号ライン204の特性インピーダンスZoB204は、例えば特許文献1の記載された(2)式によって表すことができる。
ここで、εr及びεr2を3、h1及びh2を50μm、tを20μmとして、信号ライン204の特性インピーダンスZoB204が50Ωとなるときの信号ライン204の幅w204であるwを求めると、信号ライン204の幅w204は約132μmとなる。
しかしながら、幅w155,w204は150μm未満と狭いため、この幅w155,w204を±15%の範囲内に管理することは、現状では、製造装置の性能上及び製造管理上、困難である。
1)高周波信号が伝送される信号ライン(9)を有するプリント基板(15)における前記信号ラインの設計方法において、前記プリント基板は、誘電率がεr1、厚さがt1であるコア基板(1)と、該コア基板の一面側に形成された電源グランド回路部(4)と、前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である絶縁層(6)と、該絶縁層上の前記電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さ(t9)を有する前記信号ラインと、からなるマイクロストリップライン構造(A9)を有し、前記プリント基板の前記マイクロストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、前記マイクロストリップライン構造における前記コア基板と前記絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅(w9)となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法である。
2)高周波信号が伝送される信号ライン(33)を有するプリント基板(35)における前記信号ラインの設計方法において、前記プリント基板は、コア基板(21)と、該コア基板の一面側に形成された電源グランド回路部(24)と、該電源グランド回路部を覆うように前記コア基板の一面側に形成され、誘電率がεr1、厚さがt1である第1の絶縁層(26)と、該第1の絶縁層上に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第2の絶縁層(30)と、該第2の絶縁層上の前記電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さ(t33)を有する前記信号ラインと、を有すると共に、前記電源グランド回路部、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、及び前記信号ラインからなるマイクロストリップライン構造(A33)を有し、前記プリント基板の前記マイクロストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、前記マイクロストリップライン構造における前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅(w33)となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法である。
3)高周波信号が伝送される信号ライン(69)を有するプリント基板(80)における前記信号ラインの設計方法において、前記プリント基板は、誘電率がεr1、厚さがt1であるコア基板(61)と、該コア基板の一面側に形成された第1の電源グランド回路部(64)と、前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第1の絶縁層(66)と、該第1の絶縁層上の前記第1の電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さ(t69)を有する前記信号ラインと、該信号ラインを覆うように前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層(71)と、該第2の絶縁層上の前記信号ラインに対応する範囲を含んで形成された第2の電源グランド回路部(74)と、からなるストリップライン構造(B69)を有し、前記プリント基板の前記ストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、前記ストリップライン構造における前記コア基板と前記第1の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅(w69)となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法である。
4)高周波信号が伝送される信号ライン(84)を有するプリント基板(95)における前記信号ラインの設計方法において、前記プリント基板は、コア基板(81)と、該コア基板の一面側に形成された第1の電源グランド回路部(85)と、前記コア基板の他面側の前記第1の電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さ(t84)を有する前記信号ラインと、該信号ラインを覆うように前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr1、厚さがt1である第1の絶縁層(87)と、該第1の絶縁層上に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第2の絶縁層(91)と、該第2の絶縁層上の前記信号ラインに対応する範囲を含んで形成された第2の電源グランド回路部(94)と、からなるストリップライン構造(B84)を有し、前記プリント基板の前記ストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、前記ストリップライン構造における前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅(w84)となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法である。
5)前記信号ラインを、所定の間隙(s96,s98)を有して互いが略平行に延在する一対の線路とすることを特徴とする1)項〜4)項のいずれかに記載のプリント基板における信号ラインの設計方法である。
6)高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板であって、1)項〜5)項のいずれかに記載の設計方法により製造されたプリント基板である。
図1〜図5は、本発明のプリント基板における信号ラインの設計方法及びこの設計方法を用いて作製されたプリント基板の第1実施例〜第5実施例をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
図6は、第2実施例の変形例を説明するための模式的断面図である。
図7は、第5実施例の変形例を説明するための模式的断面図である。
コア材1の両面側に貼り合わされた銅箔2a,2bをフォトリソ法により選択的にエッチングすることによって、銅箔2aを配線パターン3aからなる第1配線層5aとし、銅箔2bを配線パターン3b及び電源グランドパターン4からなる第2配線層5bとする。
コア材1はガラスクロスに絶縁性樹脂を含浸させて硬化したものであり、第1実施例では、誘電率εr1が約5、厚さt1が約0.4mmである市販品を用いた。
また、銅箔2a,2bの厚さをそれぞれ約20μmとし、配線パターン3a,3bの最小幅を約50μmとした。
第1実施例では、絶縁層6の誘電率εr2を約3とし、絶縁層6の厚さt2を約50μmとした。また、コア材1の配線パターン3aが形成された面側に絶縁性樹脂インクを塗布して硬化することによって、絶縁層6を形成した。
第1実施例では、配線パターン8a及び信号ライン9の厚さt9を約20μm、信号ライン9の幅w9を約780μm、配線パターン8aの最小幅を約50μmとした。
また、(1)式中のεrは(3)式によって表すことができる。
第1実施例における信号ライン9は、幅w9が150μm以上と広いため、この幅w9のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、信号ライン9の特性インピーダンスZoA9を50Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
また、コア材1と絶縁層6との厚さの比率を変えることによって、誘電率εrを(3)式に基づいて、εr1〜εr2の範囲内において任意の値に設定することができるので、信号ライン9の幅w9を所定の幅に設定することができるため、信号ライン9の特性インピーダンスZoA9のばらつきを抑制することができる。
また、コア材1よりも絶縁層6の誘電率が高い場合、コア材1に対する絶縁層6の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εrを小さくすることができるので、信号ライン9の幅w9を広くすることができ、信号ライン9の特性インピーダンスZoA9のばらつきを低減することができる。
コア材21の両面側に貼り合わされた銅箔22a,22bをフォトリソ法により選択的にエッチングすることによって、銅箔22aを配線パターン23a及び内層電源グランドパターン24からなる第1配線層25aとし、銅箔22bを配線パターン23bからなる第2配線層25bとする。
コア材21は第1実施例で用いたコア材1と同様のものを使用した。また、銅箔22a,22bの厚さを約20μm、配線パターン23a,23bの最小幅を約50μmとした。
第2実施例では、第1の絶縁層26の誘電率εr21を約5とし、第1の絶縁層26の厚さt21を約100μmとした。また、ガラスクロスに絶縁性樹脂が含浸されたシート状のプリプレグと銅箔27aとを熱圧着することによって銅箔27aが貼り合わされた第1の絶縁層26を形成した。
第2実施例では、配線パターン28aの最小幅を約50μmとした。
第2実施例では、第2の絶縁層30の誘電率εr22を約3とし、第2の絶縁層30の厚さt22を約50μmとした。また、絶縁性樹脂インクを第1の絶縁層26上に塗布して硬化することによって、第2の絶縁層30を形成した。
第2実施例では、配線パターン32a及び信号ライン33の厚さt33を約20μm、信号ライン33の幅w33を約258μm、配線パターン32aの最小幅を約50μmとした。
また、(1)式中のεrは(4)式によって表すことができる。
信号ライン33は、幅w33が150μm以上と広いため、この幅w33のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、信号ライン33の特性インピーダンスZoA33を50Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
また、第1の絶縁層26と第2の絶縁層30との厚さの比率を変えることによって、誘電率εrを(4)式に基づいて、εr21〜εr22の範囲内において任意の値に設定することができるので、信号ライン33の幅w33を所定の幅に設定することができるため、信号ライン33の特性インピーダンスZoA33のばらつきを抑制することができる。
また、第1の絶縁層26よりも第2の絶縁層30の誘電率が高い場合、第1の絶縁層26に対する第2の絶縁層30の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εrを小さくすることができるので、信号ライン33の幅w33を広くすることができ、信号ライン33の特性インピーダンスZoA33のばらつきを低減することができる。
コア材41の両面側に貼り合わされた銅箔42a,42bをフォトリソ法により選択的にエッチングすることによって、銅箔42aを配線パターン43a及び信号ライン44からなる第1配線層46aとし、銅箔42bを配線パターン43b及び第1の電源グランドパターン45からなる第2配線層46bとする。
コア材41はガラスクロスに絶縁性樹脂を含浸させて硬化したものであり、第3実施例では、誘電率εr41が約5、厚さt41が約0.4mmである市販品を用いた。また、銅箔42a,42bの厚さ、即ち、信号ライン44の厚さt44を約20μm、信号ライン44の幅w44を約742μm、配線パターン43a,43bの最小幅を約50μmとした。
第3実施例では、絶縁層47の誘電率εr42を約3とし、絶縁層47の厚さt42を約50μmとした。また、絶縁性樹脂インクをコア材41の配線パターン43a及び信号ライン44が形成された面側に塗布して硬化することによって、絶縁層47を形成した。
第3実施例では、配線パターン49a及び第2の電源グランドパターン50の厚さを約20μmとし、配線パターン49aの最小幅を約50μmとした。
(2)式から信号ライン44の幅w44を算出すると、信号ライン44の幅w44は約742μmとなる。
この信号ライン44は、幅w44が150μm以上と広いため、この幅w44のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、信号ライン44の特性インピーダンスZoB44を50Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
コア材61の両面側に貼り合わされた銅箔62a,62bをフォトリソ法により選択的にエッチングすることによって、銅箔62aを配線パターン63aからなる第1配線層65aとし、銅箔62bを配線パターン63b及び第1の電源グランドパターン64からなる第2配線層65bとする。
コア材61はガラスクロスに絶縁性樹脂を含浸させて硬化したものであり、第4実施例では、誘電率εr61が約5、厚さt61が約0.4mmである市販品を用いた。また、銅箔62a,62bの厚さを約20μmとし、配線パターン63a,63bの最小幅を約50μmとした。
第4実施例では、第1の絶縁層66の誘電率εr62を約3とし、厚さt62を約50μmとした。また、絶縁性樹脂インクをコア材61の配線パターン63aが形成された面側に塗布して硬化することによって、第1の絶縁層66を形成した。
第4実施例では、配線パターン68a及び信号ライン69の厚さt69を約20μm、信号ライン69の幅w69を約862μm、配線パターン68aの最小幅を約50μmとした。
第4実施例では、第2の絶縁層71の誘電率εr63を約5とし、厚さt63を約100μmとした。また、ガラスクロスに絶縁性樹脂が含浸されたシート状のプリプレグと銅箔72aとを第1の絶縁層66に熱圧着することによって銅箔72aが貼り合わされた第2の絶縁層71を形成した。
第4実施例では、配線パターン73a及び第2の電源グランドパターン74の厚さを約20μmとし、配線パターン73aの最小幅を約50μmとした。
また、(2)式中のεrは(5)式によって表すことができる。
信号ライン69は、幅w69が150μm以上と広いため、この幅w69のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、信号ライン69の特性インピーダンスZoB69を50Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
即ち、コア材61よりも第1の絶縁層66の誘電率が低い場合、コア材61に対する第1の絶縁層66の厚さの比率を大きくすることによって、誘電率εrを小さくすることができるので、信号ライン69の幅w69を広くすることができ、信号ライン69の特性インピーダンスZoB69のばらつきを低減することができる。
また、コア材61よりも第1の絶縁層66の誘電率が高い場合、コア材61に対する第1の絶縁層66の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εrを小さくすることができるので、信号ライン69の幅w69を広くすることができ、信号ライン69の特性インピーダンスZoB69のばらつきを低減することができる。
コア材81の両面側に貼り合わされた銅箔82a,82bをフォトリソ法により選択的にエッチングすることによって、銅箔82aを配線パターン83a及び信号ライン84からなる第1配線層86aとし、銅箔82bを配線パターン83b及び第1の電源グランドパターン85からなる第2配線層86bとする。
コア材81はガラスクロスに絶縁性樹脂を含浸させて硬化したものであり、第5実施例では、誘電率εr81が約5、厚さt81が約0.4mmである市販品を用いた。また、銅箔82a,82bの厚さを約20μm、信号ライン84の幅w84を約810μm、配線パターン83a,83bの最小幅を約50μmとした。
第5実施例では、第1の絶縁層87の誘電率εr82を約3とし、第1の絶縁層87の厚さt82を約50μmとした。また、絶縁性樹脂インクをコア材81の配線パターン83a及び信号ライン84が形成された面側に塗布して硬化することによって、第1の絶縁層87を形成した。
第5実施例では、配線パターン89aの厚さを約20μmとし、最小幅を約50μmとした。
第5実施例では、第2の絶縁層91の誘電率εr83を約5とし、厚さt83を約100μmとした。また、ガラスクロスに絶縁性樹脂が含浸されたシート状のプリプレグと銅箔92aとを第1の絶縁層87に熱圧着することによって銅箔92aが貼り合わされた第2の絶縁層91を形成した。
第5実施例では、配線パターン93a及び第2の電源グランドパターン94の厚さを約20μmとし、配線パターン93aの最小幅を約50μmとした。
また、(2)式中のεr2は(6)式によって表すことができる。
この信号ライン84は、幅w84が150μm以上と広いため、この幅w84のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、信号ライン84の特性インピーダンスZoB84を50Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
即ち、第2の絶縁層91よりも第1の絶縁層87の誘電率が低い場合、第2の絶縁層91に対する第1の絶縁層87の厚さの比率を大きくすることによって、誘電率εr2を小さくすることができるので、信号ライン84の幅w84を広くすることができ、信号ライン84の特性インピーダンスZoB84のばらつきを低減することができる。
また、第2の絶縁層91よりも第1の絶縁層87の誘電率が高い場合、第2の絶縁層91に対する第1の絶縁層87の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εr2を小さくすることができるので、信号ライン84の幅w84を広くすることができ、信号ライン84の特性インピーダンスZoB84のばらつきを低減することができる。
第1変形例は、第2実施例で形成したマイクロストリップラインA33を、所定の差動インピーダンスZdiffC96が得られるマイクロストリップラインC96としたものである。
第2実施例と同様の手順に従ってプリント基板97を作製する際、第2実施例で形成した信号ライン33に代わって、互いが略平行に延在する一対の信号ライン96を形成することにより、内層電源グランドパターン24,第1の絶縁層26,第2の絶縁層30,及び一対の信号ライン96の積層構造からなるマイクロストリップラインC96を有するプリント基板97を得る。
マイクロストリップラインC96における一対の信号ライン96の差動インピーダンスZdiffC96を例えば100Ωにするための一対の信号ライン96の各幅w96は、s1を200μm,h1をh1=t21+t22として、(7)式及び(1)式により算出すると、約248μmとなる。
一対の信号ライン96は、各幅w96が150μm以上と広いため、この各幅w96のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、一対の信号ライン96の差動インピーダンスZdiffC96を100Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
また、第1の絶縁層26よりも第2の絶縁層30の誘電率が高い場合、第1の絶縁層26に対する第2の絶縁層30の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εrを小さくすることができるので、一対の信号ライン96の各幅w96を広くすることができ、一対の信号ライン96の差動インピーダンスZdiffC96のばらつきを低減することができる。
第2変形例は、第5実施例で形成したストリップラインB84を、所定の差動インピーダンスZdiffD98が得られるストリップラインD98としたものである。
第5実施例と同様の手順に従ってプリント基板100を作製する際、第5実施例で形成した信号ライン84に代わって、互いが略平行に延在する一対の信号ライン98を形成することにより、第1の電源グランドパターン85,コア材81,一対の信号ライン98,第1の絶縁層87,第2の絶縁層91,及び第2の電源グランドパターン94の積層構造からなるストリップラインD98を有するプリント基板100を得る。
ストリップラインD98における一対の信号ライン98の差動インピーダンスZdiffD98を例えば100Ωにするための一対の信号ライン98の各幅w98は、s2を200μm,h2をh2=t82+t83として、(8)式及び(2)式により算出すると、約810μmとなる。
一対の信号ライン98は、各幅w98が150μm以上と広いため、この各幅w98のばらつきを±15%の範囲内に管理することが可能となり、一対の信号ライン98の差動インピーダンスZdiffD98を100Ω±10%の範囲内にすることが可能となる。
即ち、第2の絶縁層91よりも第1の絶縁層87の誘電率が低い場合、第2の絶縁層91に対する第1の絶縁層87の厚さの比率を大きくすることによって、誘電率εr2を小さくすることができるので、一対の信号ライン98の各幅w98を広くすることができ、一対の信号ライン98の特性インピーダンスZdiffD98のばらつきを低減することができる。
また、第2の絶縁層91よりも第1の絶縁層87の誘電率が高い場合、第2の絶縁層91に対する第1の絶縁層87の厚さの比率を小さくすることによって、誘電率εr2を小さくすることができるので、一対の信号ライン98の各幅w98を広くすることができ、一対の信号ライン98の特性インピーダンスZdiffD98のばらつきを低減することができる。
また、コア材1,21,41,61,81の両面側に絶縁層及び配線層を形成してそれぞれ積層構造としてもよい。
また、ばらつきの範囲が±15%よりもさらに厳しく要求される場合は、その範囲内に管理可能となるように、幅w9,w33,w44,w69,w84を設定すればよい。
Claims (6)
- 高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板における前記信号ラインの設計方法において、
前記プリント基板は、
誘電率がεr1、厚さがt1であるコア基板と、
該コア基板の一面側に形成された電源グランド回路部と、
前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である絶縁層と、
該絶縁層上の前記電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さを有する前記信号ラインと、
からなるマイクロストリップライン構造を有し、
前記プリント基板の前記マイクロストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、
前記マイクロストリップライン構造における前記コア基板と前記絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法。 - 高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板における前記信号ラインの設計方法において、
前記プリント基板は、
コア基板と、
該コア基板の一面側に形成された電源グランド回路部と、
該電源グランド回路部を覆うように前記コア基板の一面側に形成され、誘電率がεr1、厚さがt1である第1の絶縁層と、
該第1の絶縁層上に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第2の絶縁層と、
該第2の絶縁層上の前記電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さを有する前記信号ラインと、
を有すると共に、
前記電源グランド回路部、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層、及び前記信号ラインからなるマイクロストリップライン構造を有し、
前記プリント基板の前記マイクロストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、
前記マイクロストリップライン構造における前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法。 - 高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板における前記信号ラインの設計方法において、
前記プリント基板は、
誘電率がεr1、厚さがt1であるコア基板と、
該コア基板の一面側に形成された第1の電源グランド回路部と、
前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第1の絶縁層と、
該第1の絶縁層上の前記第1の電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さを有する前記信号ラインと、
該信号ラインを覆うように前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層と、
該第2の絶縁層上の前記信号ラインに対応する範囲を含んで形成された第2の電源グランド回路部と、
からなるストリップライン構造を有し、
前記プリント基板の前記ストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、
前記ストリップライン構造における前記コア基板と前記第1の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法。 - 高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板における前記信号ラインの設計方法において、
前記プリント基板は、
コア基板と、
該コア基板の一面側に形成された第1の電源グランド回路部と、
前記コア基板の他面側の前記第1の電源グランド回路部に対応する範囲内に形成され、所定の厚さを有する前記信号ラインと、
該信号ラインを覆うように前記コア基板の他面側に形成され、誘電率がεr1、厚さがt1である第1の絶縁層と、
該第1の絶縁層上に形成され、誘電率がεr2、厚さがt2である第2の絶縁層と、
該第2の絶縁層上の前記信号ラインに対応する範囲を含んで形成された第2の電源グランド回路部と、
からなるストリップライン構造を有し、
前記プリント基板の前記ストリップライン構造における前記信号ラインを設計する際、
前記ストリップライン構造における前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との複合誘電率εrを、εr={εr1×t1/(t1+t2)}+{εr2×t2/(t1+t2)}とし、前記所定の厚さで決定された前記信号ラインが所定の幅となるように、前記t1と前記t2とを所定の比率にすることによって前記複合誘電率εrを所定の値にすることを特徴とする、プリント基板における信号ラインの設計方法。 - 前記信号ラインを、所定の間隙を有して互いが略平行に延在する一対の線路とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント基板における信号ラインの設計方法。
- 高周波信号が伝送される信号ラインを有するプリント基板であって、
請求項1~5のいずれかに記載の設計方法により製造されたプリント基板。
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