JP2007203536A - 積層体およびそれを用いた包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る積層体10は、ヒートシール性をもつ筒状フィルム5の外面に、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3を、ヒートシール性をもつ筒状フィルムと当該ガスおよび水蒸気に対するバリア層に接着性を有する層4を介して積層する構成からなる。
【選択図】図1
Description
さらに詳しくは、当該フィルムより形成する袋体の内面に微生物等の汚染や異物付着を防止して衛生性に優れると共に、ガスバリア性および水蒸気バリア性、層間密着性に優れる積層体およびそれを用いた包装袋に関するものである。
これらの包装材料は、多種の材料からなり、そのメーカーも数多くあり、フィルムの積層工程や製袋工程において、材料を断裁したときの断裁屑や、材料の搬出入に伴う塵埃、虫等の異物、細菌や浮遊菌、製造装置のロール等と接触するため、フィルムや袋等の表面だけでなく、内面に付着するという恐れがあり、特に医薬品、食品等の経口品の場合、異物混入はタブーとされており、異物混入の防止の要求レベルが高まってきている。
このような包装材料の製造工程で発生する異物の付着を防止するために、本出願人は、本件出願に先立ち、従来の異物混入を防止するための積層体およびそれを用いた包装袋等としては、例えば、ヒートシール性をもつ筒状フィルムの外面に補強層を設けた積層体およびそれを用いた包装袋が開示されている(特許文献1参照)。
また、例えば、合成樹脂製のインフレーションフィルムによる筒状フィルムの上下層表面に対して、バリア性を有する薄膜が形成されていると共に、補強層を筒状フィルムにドライラミネート接着剤を介して積層してあることを特徴とするバリア性容器形成用の積層フィルムやそれを用いたバリア性容器が提案されている(特許文献2参照)。
また、筒状フィルムとバリア層とをアンカーコート剤等の接着剤を介して溶融押出し樹脂によるサンドイッチラミネーションにより貼り合わせた場合でも、アンカーコート剤の副成分として、低分子量成分が存在し、当該低分子量成分が、筒状フィルムの表面に移行するため、衛生上の問題がある。
また、上記のドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を使用せずに、筒状フィルムとバリア層とを貼り合わせる方法として、変性ポリオレフィン等の熱接着性樹脂を使用して、熱ラミネーションにより貼り合わせる方法がある。
即ち、繰出された筒状フィルムの表面に、熱接着性合成樹脂を溶融状態でTダイ製膜機から押出して積層し、さらにこの樹脂層に、サンド軸側から繰り出されたバリア性シートをこの樹脂層に重ねて、これらを一体として加熱ロールとニップロールとの間で圧着して貼り合わされる。
この際、加熱ロールの表面温度は、通常、加熱ロールに内蔵された電熱ヒーター、または加熱ロール内とヒーター部を循環するシリコンオイル等の液状熱媒体によりコントロールしているが、加熱ロールと被加熱物との接触により加熱ロールの表面温度が低下するので、加熱ロールの幅方向に表面温度にばらつきを生じてしまうため、熱ラミネーションにより筒状フィルムとバリア層とを熱接着性樹脂を介して貼り合わせると、加熱ロールとニップロールとの間で圧着する際、筒状フィルムの内面まで貼り合わされてしまう場合が生じ、包装袋として使用できなくなる可能性があるという問題がある。
また、上記のドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を使用せずに、筒状フィルムとバリア層とを貼り合わせる方法として、熱接着性を有する変性ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用して、共押出しまたは単層押出しによるサンドイッチラミネーションで貼り合わせる方法もあるが、サンドイッチラミネーションは押出し樹脂の切り替えの際に、パージ樹脂と称する、押出し機内部の樹脂を排除するための樹脂を通した後、次に使用する樹脂を通してパージ樹脂を排除するという、非常に面倒な手順を踏む必要があって、時間のロスが大きいのみならず、一般的なポリエチレン樹脂より数倍高価なパージ樹脂、および変性ポリオレフィン樹脂を数十キログラム廃棄する必要があるため、多品種小ロット生産の場合、材料費、作業効率の面から不経済であるという問題があった。
更に、上記積層体の両端を連続してヒートシールして巻き取り、切断端部をヒートシールすることより、クリーン度の低い環境下において外部からの異物の混入や付着を防止可能な状態で輸送可能である。
また、当該筒状フィルムと当該バリア層との層間に、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を介さず、熱ラミネーションでなく、接着性を有する層を介して積層することによって、当該筒状フィルムの外面にガスおよび水蒸気に対するバリア層を積層しても、筒状フィルムの内面を圧着することなく、また、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れ、例えば、医薬品、医療器具、電子部品等のように内容物の成分が重視される内容物の流通・保管に特に好適な包装袋を製造可能な積層体である。
また、当該筒状フィルムの外面にガスおよび水蒸気に対するバリア層を積層するので、内容物の保存安定性に優れる包装袋を製造可能な積層体である。
また、当該筒状フィルムの外面にガスおよび水蒸気に対するバリア層を積層することによって、バリア層の外側の面にドライラミネート接着剤等を使用した接着層を介して更に、補強層、その他の機能性プラスチックフィルムをラミネートしても接着剤成分や添加剤等が内面に移行することを防止可能であり、また、バリア層の外側の層に、絵柄印刷を施したプラスチックフィルムを使用しても、印刷インキ成分が内面に移行することを防止することができる積層体である。
また、筒状フィルムとバリア層に接着性を有する層を介して積層することによって、接着剤を使用せずに筒状フィルムの外面にバリア層を積層可能であるため、接着剤成分が内面に移行するのを防止可能な積層体である。
また、上記の層構成とすることによって、熱ラミネーションにより筒状フィルムとバリア層とを熱接着性樹脂を介して貼り合わせずに、筒状フィルムの外面にバリア層を積層可能であるため、熱ロール間で圧着する際、筒状フィルムの内面まで貼り合わされることを防止可能な積層体である。
また、変性ポリオレフィン樹脂は、予め製膜されたフィルムを用いるか、通常のフィルム同士のラミネーションと同一の手段で積層して用いるため、開発のための試作、および多品種小ロット生産に容易に対応できる。
図1、図2、図3、図4、図5、図6は、本発明の積層シート幅方向の断面概略図であり、図7、図8は、本発明の積層シート流れ方向の断面概略図であり、図9は、ヒートシール部を設けた本発明の積層シート10を示す模式図であり、図10は、本発明の袋体の模式図であり、図11は、多列でヒートシール部を設けた本発明の積層シート10を示す模式図であり、図12は、ヒートシール性筒状フィルム5の製造工程を示す模式図であり、図13は、ヒートシール性筒状フィルム5にガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層する工程を示す模式図である。
図9は、ヒートシール部を設けた本発明の積層シート10を示す模式図である。
図9に示すように、本発明に係る実施例の積層シート10は、その端部に断裁位置7を設け、サイドシール部6でヒートシールして、サイドシール部と直交する方向にヒートシールして底シール部を形成する。そして、断裁位置9で断裁することにより、図10に示す開口部を有する包装袋20を形成できる。
なお、上記において、図9に示す積層シート10は、底シールを横シール、サイドシールを縦シールとして説明したが、図示しないが、底シールを縦シール、サイドシールを横シールとしても良い。
図9に示すように、包装袋20の開口部となる上辺に、更に、層間ヒートシール部12を形成することができる。
図7は、図9に示す本発明に係る積層シート10の流れ方向(X−X)の断面概略図である。
図7に示すように、包装袋20の開口部となる位置において、ヒートシール性筒状フィルム5と、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3と、両層に接着性を有する層4を介して積層された積層シートからなる表面と裏面の層間をヒートシールして層間ヒートシール部12を形成し、更に、層間ヒートシール部12の略中央部をヒートシールして表面と裏面とを貼り合わせ、底シール部6を形成し、層間シール部12に断裁位置7を設ける構成からなる。
本発明に係る包装袋20の開口部となる部分に層間ヒートシール部12を形成することによって、積層シート10を断裁位置7で断裁して、開口部を形成後も開口部付近の積層フィルム10の層間に異物が付着することを防止することが可能となる。
なお、開口端となる上辺ヒートシール部しておき、包装袋20を使用するまで密封しておき、包装袋を使用する直前に上辺ヒートシール部6を断裁して使用することができる。
上記において、本発明における積層シートの内面は、外部から遮断されているため、特に生物的に汚染された粉塵等の異物が存在せず、衛生性に優れ、更に、ヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3との層間に、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を介さないため、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れるため、例えば、医薬品等のように内容物の成分が重視される内容物の流通・保管に優れるものであり、また、熱ラミネーションを用いず、温度コントロールが容易であり、かつ、ヒートシールバーを用いるので、所望の位置で部分的な加熱が可能であり、所定の貼り合わせ位置以外の筒状フィルムの内面まで貼り合わされることも防止できる。
図2に示すように、本発明の積層シート10は、ヒートシール性筒状フィルム5の外面にヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する層4を介して、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層した構成からなる。
更に、本発明の積層シート10は、ヒートシール性筒状フィルム5の幅方向の寸法を外層である接着性を有する層4とガスおよび水蒸気に対するバリア層3の寸法より短くした構成からなる。
また、本発明に係る包装袋20は、その端部に断裁位置7を設け、一方のサイドシール部6Aにおいて、ヒートシール性筒状フィルム5の端部をガスおよび水蒸気に対するバリア層3で挟持し、接着性を有する層4を介してヒートシールし、他方のサイドシール部6Bにおいて、ヒートシール性筒状フィルム5の端部を挟持せず、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3同士を接着性を有する層4を介してヒートシールし、更に、サイドシール部と直交する方向にヒートシール性筒状フィルム5の端部をガスおよび水蒸気に対するバリア層3で両側を挟持し、接着性を有する層4を介してヒートシールして層間ヒートシール部12を形成した後、層間ヒートシール部12の外側から表面と裏面を更にヒートシールして底シール部を形成すると共に、断裁位置で断裁することにより、図10に示す開口部を有する包装袋20を形成できる。
なお、本発明において、図9に示すように、包装袋20の開口部8となる上辺に更に層間ヒートシール部12を形成することができる。このことによって、開口部8を形成後も開口部付近の積層フィルム10の層間に異物が付着することを防止することが可能となる。
図3に示すように、本発明の積層シート10は、ヒートシール性筒状フィルム5の外面にヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する層4を介して、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層する構成からなるものである。
更に、本発明の積層シート10は、ヒートシール性筒状フィルム5の幅方向の寸法より外側のバリア層3および接着性を有する層4の寸法を長くした構成からなる。
本発明に係る包装袋20は、まず、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3を、接着性を有する層4を介して、ヒートシール性筒状フィルム5を覆った状態で、ヒートシール性筒状フィルム5の左右のサイドシール部側を挟持せず、のサイドシール側の端部でヒートシールし、更に、サイドシール部と直交する方向にヒートシール性筒状フィルム5と一緒にバリア層3および接着性を有する層4をヒートシールして層間ヒートシール部12を形成した後、層間ヒートシール部12の外側から表面と裏面を更にヒートシールして底シール部を形成すると共に、断裁位置で断裁することにより、図10に示す開口部を有する包装袋20を形成できる。
上記において、本発明における積層シートの内面は、外部から遮断されているため、特に生物的に汚染された粉塵等の異物が存在せず、衛生性に優れ、更に、ヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3との層間に、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を介さないため、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、開口部を形成後も開口部付近の積層フィルムの層間に異物が付着することを防止することが可能となるため、衛生性に優れるため、例えば、医薬品等のように内容物の成分が重視される内容物の流通・保管に優れるものであり、また、熱ラミネーションを用いず、温度コントロールが容易であり、かつ、ヒートシールバーを用いるので、所望の位置で部分的な加熱が可能であり、所定の貼り合わせ位置以外の筒状フィルムの内面まで貼り合わされることも防止でき、更に、内面にヒートシールによるピンホールの発生を防止可能であるため、破袋強度を向上させることができる。
図4に示すように、本発明の積層シート10は、ヒートシール性筒状フィルム5の外面にヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する層4を介して、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層し、更に、ガスおよび水蒸気に対するバリア層3の外面に、接着層2を介して、補強層1を積層し、ラミネートする積層シート9からなるものである。
図9に示すように、包装袋20の開口部となる上辺に、更に、層間ヒートシール部12を形成することができる。
図8は、図9に示す本発明に係る積層シート10の流れ方向(X−X)の断面概略図である。
図8に示すように、包装袋20の開口部となる位置において、補強シート1と、接着層2とガスおよび水蒸気に対するバリア層3とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する層4とを積層した積層シート9と、ヒートシール性筒状フィルム5とをヒートシールして層間ヒートシール部12を形成し、更に、層間ヒートシール部12の略中央部をヒートシールして表面と裏面を貼り合わせて底シール部6を形成し、層間シール部12に断裁位置7を設ける構成からなる。
本発明に係る包装袋20の開口部となる部分に層間ヒートシール部12を形成することによって、積層シート10を断裁位置7で断裁して、開口部を形成後も開口部付近の積層フィルム10の層間に異物が付着することを防止することが可能となる。
なお、開口端となる上辺ヒートシール部しておき、包装袋20を使用するまで密封しておき、包装袋を使用する直前に上辺ヒートシール部6を切り落として使用することができる。
また、本発明に係る第4実施例の包装袋20は、その端部に断裁位置7を設け、サイドシール部6でヒートシールして、更に、サイドシール部と直交する方向にヒートシールして層間ヒートシール部12を形成した後、層間ヒートシール部12の外側から表面と裏面を更にヒートシールして底シール部を形成すると共に、断裁位置で断裁することにより、図10に示す開口部を有する包装袋20を形成できる。
上記において、本発明における積層シート10のバリア層より外層に使用する接着層2は、接着性樹脂層に限定されず、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を使用しても良い。本発明における積層シート10にバリア層を設けることによって、バリア層より外側の層に使用する接着剤を特に限定せず、例えば、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤等を接着層2に使用しても、バリア層の内面に低分子成分が移行するのを遮断できるため、衛生性に優れ、補強材1により強度を付加され、補強材1の裏面に設けた印刷絵柄層を形成することができ、層間密着性にも優れるという利点を有する。
図6に示すように、本発明の積層シート10において、ヒートシール性筒状フィルム50が、ヒートシール性樹脂層52とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する第1の樹脂層51/ヒートシール性を有する第2の樹脂層52を具備する多層共押し出し積層樹脂層によって形成されており、更に、ヒートシール性筒状フィルム50の外側にガスおよび水蒸気に対するバリア層3と、補強層1を接着層2を介して積層した構成からなるものである。
また、本発明に係る第2実施例の包装袋20は、その端部に断裁位置7を設け、サイドシール部6でヒートシールして、更に、サイドシール部6と直交する方向にヒートシールして層間ヒートシール部12を形成した後、層間ヒートシール部12の外側から表面と裏面を更にヒートシールして底シール部を形成すると共に、断裁位置で断裁することにより、図10に示す開口部を有する包装袋20を形成できる。
上記のヒートシール性筒状フィルム5の厚さとしては、包装袋の使用目的等によって任意であるが、約10μm〜300μm位が好ましい。
更に、気体を窒素ガス又は炭酸ガスなどの不活性ガスを用いることは、ダイスに樹脂の酸化物などの固形物の発生を抑制し、またヒートシール性チューブ内における煙の微粒子を減少させるという利点を有する。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、袋体の使用目的等によって任意であるが、約10μm〜200μm位が好ましい。
上記において、金属、及び、無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、厚さ50Å〜3000Å位のものを使用することが好ましく、100〜1000Å位のものが望ましい。
本発明において、上記のバリア性を付与する蒸着層を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレイト等のポリエステル系樹脂フィルム、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデン樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレイト樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましい。
上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜300μm位が好ましく、10μm〜100μm位が望ましい。
例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂ないしこれらをフィルム化したシート、もしくは接着性を有する層4の反対面にヒートシール性筒状フィルム5の外面に対してヒートシール性を有する樹脂を配置した共押し出しフィルムを使用することができる。
中でも、本発明において、接着性を有する層4は、比較的熱溶融温度が低い樹脂が好ましく、具体的には、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー等を使用することが、ヒートシール性チューブ内部での熱融着を阻止できるという利点を有するため、より好ましいものである。
また、本発明において、バリア層3が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等の場合、酸変性ポリオレフィン樹脂であることが、層間密着性の点から好ましく、更に、添加物のほとんどないマレイン酸で変性したポリオレフィン樹脂が、衛生面から好ましい。
また、その厚さとしては2μm〜100μm位が好ましく、5μm〜70μm位がより好ましい。
上記の接着性を有する層4を、ヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3との層間に形成することによって、ヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3との層間密着性、および、ガスおよび水蒸気に対するバリア性に優れ、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れる。
その添加量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、包装袋の内面に低分子成分が移行しない範囲において任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
かかる印刷絵柄層は、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他等の通常の印刷法等によって形成することができる。
印刷インキの塗布量は、塗布後の乾燥状態で1μm〜8μm位が好ましく、塗布部において2g/m2〜3g/m2であることがより好ましい。
そして、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、その他等の前処理をフィルムに施すことができる。
中でも、本発明において、ドライラミネーション法が、接着強度に優れ、より好ましいものである。
上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
その塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
ヒートシール性筒状フィルム5とバリア層3との層間に、ドライラミネート接着剤やアンカーコート剤を介さず、熱ラミネーションを用いず、接着性を有する層を介して積層することによって、ヒートシール性筒状フィルム5の外面にガスおよび水蒸気に対するバリア層を積層しても、筒状フィルムの内面を圧着することなく、また、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れる。
図12は、ヒートシール性筒状フィルム5の製造工程を示す模式図である。
積層シート10を製造するに際し、まず、図12に示すようにインフレーション用ダイ103を備えた押出機104より押出された筒状のインフレーションフィルム100の一端を密封し、インフレーションフィルムの内側に、空気供給口より除塵空気を送り込んでインフレーションフィルムをふくらませて所定の大きさとすることにより、インフレーションフイルムの内側をクリーンにする。
上記の除塵空気としては例えば除塵フィルターを通過して除塵処理された空気等が用いられる。所定の大きさにふくらませられ、かつクリーンなインフレーションフィルムはガイド板102とピンチローラー101とによって偏平状に形成されて偏平なチューブ状のインフレーションフィルムが得られ、ヒートシール性筒状フィルム5の他端を密封することにより長尺な、内面が外気に晒されることの無いクリーンな袋状の基材が得られる。
図13は、ヒートシール性筒状フィルム5にガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層する工程を示す模式図である。
図13に示すように、ヒートシール性筒状フィルム5の表裏両面にバリア層3,3がヒートシール性筒状フィルム5とガスおよび水蒸気に対するバリア層3に接着性を有する層4を介して積層され、バリア層3の外側からシールバーによって、サイドシール部、層間ヒートシール部および底シール部にシール部を形成し、巻き取りロール108により巻き取り、積層シート10が得られる。ここではヒートシール性筒状フィルム5の表裏両面同時にガスおよび水蒸気に対するバリア層3を積層したが、片面ずつ積層しても構わない。
また、インフレーションフィルムの製造は共押出法による多層インフレーションフィルム製造装置を用いても良い。
また、上記のようにして得られた本発明に係る積層シート10は、少なくとも、積層シート10の両サイドを流れ方向に連続してヒートシール部を設けると共に、積層シート10の切断端部、即ち、巻取りの巻き始め、及び、巻き終わりの部分を幅方向に連続してヒートシール部を設け、その後、巻き取ることによって、外部から遮断されているため、クリーンルームから搬出された後、包装材料の流通過程においても、包装材料30の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度の高い状態を保持することができるという利点を有するものである。
図11に示すように、積層シート10の両サイドを流れ方向に連続してヒートシール部6を設けると共に、積層シート10の切断端部、即ち、始端と終端に幅方向に連続して層間ヒートシール部12、ヒートシール部6及び断裁位置7を設けて多列による加工ができ、巻き取った状態で輸送するものである。
上記において、積層シートの両サイド及び切断端部を連続してヒートシールすることによって、外部から遮断されているため、クリーンルームから搬出された後、包装材料の流通過程においても、引き続き、包装材料の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度の高い状態を保持することができるという利点を有する。
まず、積層シート10の流れ方向に、断裁位置7を外側端部に設けたヒートシール部6でヒートシールする。
次に、積層シート10の幅方向に層間ヒートシール部12及びボトムシール部6を設け、ボトムシール部6から若干(1mm〜10mm)離れた位置に断裁位置7を設けて、ボトム部を形成することができる。
もちろん、積層体の加工方向に設ける層間ヒートシール部12、ヒートシール部6、及び断裁位置7は増減して、単列または多列の加工ができる。
なお、本発明に係る積層シート10をヒートシールして巻き取る工程において、包装袋20に収納する内容物が、酸化しやすい場合、必要に応じて、窒素ガス置換雰囲気内で巻き取りを行ってもよく、また、必要に応じて、積層シートを構成するフィルムの層間に、脱酸素剤を収納してもよい。
まず、図12に示すようなインフレーション用ダイ103を備えた押出機より低密度ポリエチレン樹脂を溶融して押出された筒状のインフレーションフィルム100の一端を密封し、インフレーションフィルムの内側に、空気供給口より孔径0.2μmのフィルターで濾過した除塵空気を送り込んでインフレーションフィルムをふくらませて所定の大きさとすることにより、内面がクリーンな厚み60μmの低密度ポリエチレンチューブ(ヒートシール性筒状フィルム5)を作製し、扁平に押し潰して巻取り状に巻き取った。
一方、厚み12μmのアルミ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレイトフィルム(バリア層3)の、アルミ蒸着面側に、低密度ポリエチレンチューブ5とアルミ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレイトフィルムのアルミ蒸着面の両方に接着性を有するフィルム4として、Tダイ法により別途押し出し製膜したマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂フィルム(50μm)を重ね合わせて、上記で得られたポリエチレンチューブ5の表裏両面にマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層面を内側にして対向させて重ね合わせ、4枚のフィルム3、4、4、3でヒートシール性筒状フィルム5を挟持した状態で、外側の積層シート9のみをシールバー105によって、左右サイドシール部を連続してヒートシールし、しかる後、サイドシール部と直交する方向に所定の間隔で層間ヒートシール部12及び底シール部をシールバー106,107によって形成し、巻き取りロール108により巻き取り、図3に示すような、層構成(片面)、アルミ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレイトフィルム(12μm)/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層(50μm)/低密度ポリエチレンチューブ5(60μm)からなる積層シート10を作製した。
次に、上記で得られた巻取り状態の積層シート10を輸送してクリーンルーム内に搬入し、巻取り状態の積層シート10を粘着ローラー間に通して両外面に付着した異物を除去した後、幅方向のヒートシール部から3mmに設けた断裁位置7で裁断して、底シール部6を設けると同時に開口部を設けて、図10に示す、外寸、150mm×110mm、シール巾5mmの本発明に係る三方製袋体20を作製した。
上記で得られた三方製袋体20に、精製寒天末を収納し、その後、端縁シール領域にてヒートシールして端縁シール部を形成して袋を密封することにより包装体が得られた。
上記で製造した巻取り状態の積層シート10は、外気から遮断されているため、包装材料10をクリーン度の低い環境下においても、三方製袋体20の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、衛生性に優れ、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れたものであった。
また、ヒートシール性筒状フィルム5の左右サイド部をヒートシールしていないため、三重袋の構成となり、輸送中の振動によるピーンホールの発生を防止可能であり、更に、破袋強度を向上させることができた。
また、上記で製造した三方製袋体20は、開口部を設けるまで、外気から遮断されているため、クリーン度の低い環境下で流通後も三方製袋体20の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度が高い状態を保持できるため、衛生性に優れ、酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性、光遮断性に優れ、層間密着性にも優れ、表面に美麗な印刷模様等を形成することもできるものであった。
一方、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(補強層1)の、グラビア印刷で絵柄層を設けた面と、厚み9μmのアルミニウム箔(バリア層3)とを対向して重ね合わせ、層間をポリエステル・イソシアネート系の接着剤(接着層2)を用いてドライラミネーションした。
次いで、上記で得られたラミネートフィルムのアルミニウム箔(バリア層3)面側に、低密度ポリエチレンチューブ5とアルミニウム箔3の両方に接着性を有する樹脂層4として、マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層を押し出しラミネートして貼り合わせて、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層(20μm)からなる積層シート9を製造した。なお、積層シート9の幅は、ヒートシール性筒状フィルム5の幅方向の寸法と同寸法となるように裁断した。
次に、上記で得られたヒートシール性筒状フィルム5の表裏両面に積層シート9,9のマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層面を内側にして対向させて重ね合わせ、2枚の積層シート9でヒートシール性筒状フィルム5を挟持した状態で、外側の積層シート9のみをシールバー105、106、107によって、左右サイドシール部を連続してヒートシールし、しかる後、サイドシール部と直交する方向に所定の間隔で底シール部を形成し、巻き取りロール108により巻き取り、図4に示すような、片面の層構成が、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層(20μm)/低密度ポリエチレンチューブ5(60μm)からなる積層シート10を作製した。
次に、上記で得られた巻取り状態の積層シート10を輸送してクリーンルーム内に搬入し、巻取り状態の積層シート10を粘着ローラー間に通して両外面に付着した異物を除去した後、幅方向のヒートシール部から3mmに設けた断裁位置7で裁断して、底シール部6を設けると同時に開口部を設けて、図10に示す、外寸、150mm×110mm、シール巾5mmの本発明に係る三方製袋体20を作製した。
上記で得られた三方製袋体20に、精製寒天末を収納し、その後端縁シール領域にてヒートシールして端縁シール部を形成して袋を密封することにより包装体が得られた。
上記で製造した巻取り状態の積層シート10は、外気から遮断されているため、積層シート10をクリーン度の低い環境下においても、積層シート10の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、衛生性に優れ、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れたものであった。
また、上記で製造した三方製袋体20は、開口部を設けるまで、外気から遮断されているため、クリーン度の低い環境下で流通後も三方製袋体20の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度が高い状態を保持できるため、衛生性に優れ、酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性、光遮断性に優れ、層間密着性にも優れ、表面に美麗な印刷模様等を形成することもできるものであった。
一方、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(補強層1)の、グラビア印刷で絵柄層を設けた面と、厚み9μmのアルミニウム箔(バリア層3)とを対向して重ね合わせ、層間をポリエステル・イソシアネート系の接着剤(接着層2)を用いてドライラミネーションして、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)からなる積層シート11を製造した。
低密度ポリエチレンチューブ5とアルミニウム箔3の両方に接着性を有するフィルム4として、Tダイ法により別途押し出し製膜したマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂フィルム(50μm)を重ね合わせて、上記で得られたヒートシール性筒状フィルム5の表裏両面にマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂からなるフィルム層を内側にして対向させて重ね合わせ、積層フィルム11とマレイン酸で変性したポリエチレン樹脂からなるフィルム層4でヒートシール性筒状フィルム5の両サイド部を挟持した状態で、積層フィルム11の外側からシールバー105,106,107によって、左右サイドシール部を連続してヒートシールし、しかる後、サイドシール部と直交する方向に所定の間隔で底シール部を形成し、巻き取りロール108により巻き取り、図5に示すような、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂からなるフィルム層(50μm)/低密度ポリエチレンチューブ5(60μm)からなる積層シート10を作製した。
次に、上記で得られた巻取り状態の積層シート10を輸送してクリーンルーム内に搬入し、巻取り状態の積層シート10を粘着ローラー間に通して両外面に付着した異物を除去した後、幅方向のヒートシール部から3mmに設けた断裁位置7で裁断して、底シール部6を設けると同時に開口部を設けて、図10に示す、外寸、150mm×110mm、シール巾5mmの本発明に係る三方製袋体20を作製した。
上記で得られた三方製袋体20に、精製寒天末を収納し、その後端縁シール領域にてヒートシールして端縁シール部を形成して袋を密封することにより包装体が得られた。
上記で製造した巻取り状態の積層シート10は、外気から遮断されているため、積層シート10をクリーン度の低い環境下においても、積層シート10の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、衛生性に優れ、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れたものであった。
また、上記で製造した三方製袋体20は、開口部を設けるまで、外気から遮断されているため、クリーン度の低い環境下で流通後も三方製袋体20の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度が高い状態を保持できるため、衛生性に優れ、酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性、光遮断性に優れ、層間密着性にも優れ、表面に美麗な印刷模様等を形成することもできるものであった。
一方、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(補強層1)の、グラビア印刷で絵柄層を設けた面と、厚み9μmのアルミニウム箔(バリア層3)とを対向して重ね合わせ、層間をポリエステル・イソシアネート系の接着剤(接着層3)を用いてドライラミネーションして、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)からなる積層シート11を製造した。
次いで、上記で得られた多層共押し出しチューブ50の表裏両面に積層シート11,11のアルミニウム箔面を内側にして重ね、積層フィルム11でヒートシール性筒状フィルム5の両サイド部を挟持した状態で、積層フィルム11の外側からシールバー105,106,107によって、左右サイドシール部を連続してヒートシールし、しかる後、サイドシール部と直交する方向に所定の間隔で底シール部を形成し、巻き取りロール108により巻き取り、図6に示すような、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/低密度ポリエチレンチューブ5(マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層51(5μm)/低密度ポリエチレン樹脂52(55μm))からなる積層シート10を作製した。
次に、上記で得られた巻取り状態の積層シート10を輸送してクリーンルーム内に搬入し、巻取り状態の積層シート10を粘着ローラー間に通して両外面に付着した異物を除去した後、幅方向のヒートシール部から3mmに設けた断裁位置7で裁断して、底シール部6を設けると同時に開口部を設けて、図10に示す、外寸、150mm×110mm、シール巾5mmの本発明に係る三方製袋体20を作製した。
上記で得られた三方製袋体20に、精製寒天末を収納し、その後端縁シール領域にてヒートシールして端縁シール部を形成して袋を密封することにより包装体が得られた。
上記で製造した巻取り状態の積層シート10は、外気から遮断されているため、積層シート10をクリーン度の低い環境下においても、積層シート10の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、衛生性に優れ、包装袋の内面に低分子成分が移行せず、衛生性に優れたものであった。
また、上記で製造した三方製袋体20は、開口部を設けるまで、外気から遮断されているため、クリーン度の低い環境下で流通後も三方製袋体20の内面に微生物等の汚染や異物が付着することなく、クリーン度が高い状態を保持できるため、衛生性に優れ、酸素ガスバリア性、水蒸気ガスバリア性、光遮断性に優れ、層間密着性にも優れ、表面に美麗な印刷模様等を形成することもできるものであった。
実施例1と同様に、図12に示すようなインフレーション用ダイを備えた押出機より低密度ポリエチレン樹脂を溶融して押出された筒状のインフレーションフィルムの一端を密封し、インフレーションフィルムの内側に、空気供給口より孔径0.2μmのフィルターで濾過した除塵空気を送り込んでインフレーションフィルムをふくらませて所定の大きさとすることにより、内面がクリーンな厚み60μmの低密度ポリエチレンチューブを作製し、扁平に押し潰して両端の折り返し部を切り取って2枚のフィルムとし、別個に巻き取って低密度ポリエチレンフィルム(60μm)を作製した。
一方、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(補強層1)の、グラビア印刷で絵柄層を設けた面と、厚み9μmのアルミニウム箔(バリア層3)とを対向して重ね合わせ、層間をポリエステル・イソシアネート系の接着剤(接着層2)を用いてドライラミネーションした。
次いで、上記で得られたラミネートフィルムのアルミニウム箔(バリア層3)面に、ポリエステル・イソシアネート系のアンカー剤を塗布し、マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層を押し出しラミネートして、前記低密度ポリエチレンフィルムと貼り合わせて、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/ポリエステル・イソシアネート系のアンカーコート剤/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層(20μm)/低密度ポリエチレンフィルム(60μm)からなる積層シートを製造した。
次に、製袋機を用いて上記で得られた積層シートの低密度ポリエチレンフィルム面を内側にして対向させて重ね合わせ、左右サイドシール部を連続してヒートシールし、しかる後、サイドシール部と直交する方向に所定の間隔で底シール部を形成し、巻き取りロールにより巻き取り、層構成(片面)、二軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/ポリエステル・イソシアネート系の接着剤層/アルミニウム箔(9μm)/ポリエステル・イソシアネート系のアンカーコート剤/マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂層(20μm)/低密度ポリエチレンフィルム(60μm)からなる積層シートを作製した。
尚、層間は総てラミネートされているため、前記工程において層間ヒートシール部は設けていない。
次に、上記で得られた巻取り状態の積層シートを輸送してクリーンルーム内に搬入し、巻取り状態の積層シート10を粘着ローラー間に通して両外面に付着した異物を除去した後、幅方向のヒートシール部から3mmに設けた断裁位置7で裁断して、底シール部6を設けると同時に開口部を設けて、外寸、150mm×110mm、シール巾5mmの三方製袋体を作製した。
前記比較例において、低密度ポリエチレン樹脂、マレイン酸で変性したポリエチレン樹脂、二軸延伸ナイロンフィルム、アルミニウム箔、接着剤は、前記実施例で使用したものと同一のものを用い、同一の製膜装置、貼り合わせ装置、製袋装置を用いた。
溶出物試験、微粒子試験について次の様にして評価した。
(溶出物試験)
上記で得られた三方製袋体に、イオン交換蒸留水100mlを充填し、恒温層で温度70℃、24時間保存し、保存後の内容物の水を固相抽出して濃縮し、抽出物を1mlのメタノールに溶解させて、ガスクロマトグラフ法(水素炎イオン化検出器)により環状ウレタン化合物および環状エステル化合物濃度を測定し、ジブチルフタレートの濃度に換算した。この溶出物試験における検出限界は、ジブチルフタレート濃度換算値で1.0ppbであった。
この結果、実施例1,2,3および4では、検出限界以下の濃度であったが、比較例1では1ppm以上の溶出物が検出された。
上記で得られた三方製袋体に、超純水100mlを充填し、15秒間振とうした後40分間静置してから開封し、取り出した水に含まれる粒子数を液中パーティクルカウンターで計数した各サイズの個数を単位面積(個/cm2)に換算して表1に示す。
しかし、アンカーコート剤を介して積層した比較例1の積層シートでは、低分子量成分の溶出量が、1ppm以上溶出され、また、1μm以上の微粒子数が検出され、衛生面の性能を満たすものではなかった。
2 接着層
3 ガスおよび水蒸気に対するバリア層
4 バリア層3と筒状フィルム5に接着性を有する層
5 ヒートシール性筒状フィルム
6 ヒートシール部
7 断裁位置
8 開口部
9 ヒートシール層
10 積層シート
11 ラミネートシート
12 層間ヒートシール部
20 包装袋
100 インフレーションフィルム
101 ピンチローラ
102 ガイド板
103 インフレーション用ダイ
104 押出機
105、106、107 シールバー
108 巻き取りロール
Claims (4)
- ヒートシール性をもつ筒状フィルムの外面に、ガスおよび水蒸気に対するバリア層を、当該ヒートシール性をもつ筒状フィルムと当該ガスおよび水蒸気に対するバリア層に接着性を有する層を介して積層することを特徴とする積層体。
- 前記のガスおよび水蒸気に対するバリア層の外側に、更に、補強層を積層することを特徴とする請求項1記載の積層体。
- 当該ヒートシール性をもつ筒状フィルムと当該ガスおよび水蒸気に対するバリア層に接着性を有する層が、酸変性ポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の積層体。
- 請求項1〜請求項3のいずれかの積層体を筒状で所望のサイズで周辺をヒートシールして形成することを特徴とする包装袋。
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