本発明は燃料電池を筐体に収容した燃料電池システムに関する。
従来、特許文献1には、燃料電池と、燃料電池を収容するパッケージと、パッケージ内に配置されパッケージ内の温度を検知する温度センサと、燃料電池を冷却する冷却水が通るラジエータと、ラジエータを冷却するラジエータファンとを有する燃料電池システムが開示されている。このものによれば、温度センサによりパッケージ内の温度を検知する。パッケージ内の温度が高くなり、第1の設定値に到達すると、ラジエータファンが回転してラジエータを冷却させると共に、パッケージ内に外気を導入してパッケージ内を換気し、これによりパッケージ内の温度を低下させることにしている。
特許文献2には、燃料電池本体を収容するパッケージと、パッケージに形成された換気用の排気口および吸気口と、パッケージ内に設けられた可燃性ガス検知器とを有するパッケージ型燃料電池発電設備が開示されている。このものによれば、可燃性ガスが洩れていると可燃性ガス検知器により検知されるとき、換気ファンの回転数を制御する。
特許文献3には、燃料電池本体を収容するパッケージと、パッケージ内のガス濃度を検知するガス検知センサとを有する燃料電池装置が開示されている。このものによれば、可燃性ガスが洩れているとガス検知センサにより検知されるときには、換気ファンによりパッケージ内の換気を行う。
特許文献4には、温度検知器に応じて換気ファンの運転負荷を変化させる燃料電池システムが開示されている。
特許文献5には、燃料電池をケース内に密閉状態で収容し、このケースと燃料電池との間にガス層を設け、システム停止時に真空ポンプを作動させてガス層内を負圧にし、燃料電池の断念性を高める燃料電池システムが開示されている。
特開2003−168461号公報
特開平11−86891号公報
特開2003−229148号公報
特開2004−192889号公報
特開2004−234892号公報
特許文献1は、加湿器の加湿性能の安定化に着目したものではなく、加湿器も搭載されていないし、加湿器についての説明もなく、加湿器の加湿性能の説明もない。特許文献2,3は、可燃性ガスが洩れているとき、パッケージの内部を換気させるものであり、加湿器の加湿性能の安定化に着目したものではない。
ところで、産業界では、加湿器の加湿性能の更なる安定化、燃料電池の発電性能の更なる向上が要望されている。本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、燃料電池を収容する筐体の内部の温度が変動するときであっても、加湿器における加湿能力を安定させることができ、燃料電池の発電性能を向上させるのに有利な燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明者は燃料電池システムについて鋭意開発を進めている。燃料電池の発電運転時において、燃料電池を収容する筐体の内部の温度がかなり高温となることがある。発電運転において、燃料電池、ブロアやバルブ等の補機類は、放熱性を有するためである。本発明者は、燃料電池を収容する筐体の内部に熱がこもると、加湿器における加湿能力がかなり低下することを知見した。加湿器における加湿能力が低下すると、加湿器を介して燃料電池に供給される反応ガスの加湿量が低下し、発電運転中の燃料電池の加湿状態が良好に維持されにくくなり、燃料電池による発電運転の安定性が充分に得られないおそれがある。かかる知見に基づいて、本発明者は本発明に係る燃料電池システムを完成させた。
即ち、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に供給する反応ガスを加湿する加湿器と、燃料電池および加湿器を収容する筐体とを具備する燃料電池システムにおいて、筐体の内部を換気する換気手段と、燃料電池の発電運転時において換気手段の作動を制御し、筐体の内部の温度が第1所定温度よりも高いとき筐体の内部の換気量を増加させて加湿器における加湿能力を所定値以上に維持する制御装置とを具備することを特徴とする。
制御装置は、燃料電池の発電運転時において換気手段の作動を制御し、筐体の内部の温度が第1所定温度よりも高いとき、筐体の内部の換気量を増加させる。これにより筐体の内部の熱こもりを低減または解消する。従って、筐体の内部の温度が適温に維持され、加湿器の過熱、加湿器に供給される酸化剤ガスの過熱が抑制される。よって、加湿器における加湿能力が良好に維持される。
本発明によれば、燃料電池の発電運転時において換気手段の作動を制御し、筐体の内部の温度が第1所定温度よりも高いとき、筐体の内部の換気量を増加させて、筐体の内部の熱こもりを低減させる。これにより加湿器の温度を適温領域に調整し、加湿器における加湿能力を維持する。このように燃料電池を収容する筐体の内部の温度に熱こもりが発生するときであっても、加湿器における加湿能力を良好に維持するのに有利となる。従って燃料電池の発電性能が安定する。
本発明によれば、燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に供給する反応ガスを加湿する加湿器と、燃料電池および加湿器を収容する筐体とをもつ。筐体の内部を換気する換気手段と、換気手段の作動を制御する制御装置とが設けられている。制御装置は、燃料電池の発電運転時において、筐体の内部の温度が第1所定温度T1よりも高いとき筐体の内部の換気量を増加させて、筐体の内部の熱こもりを解消し、加湿器を適温領域に維持し、加湿器の加湿能力を良好に維持する。
本発明によれば、筐体内の温度上昇に対応して筐体内の加湿器本体またはその周囲の温度を低下させる。例えば、筐体内の温度上昇に対応して筐体内と外気の換気量を増加させることで、加湿器本体またはその周囲の温度を低下させる。本発明によれば、加湿器としては、加湿器のハウジングの温度または加湿器に供給される反応ガスの温度が高くなると、加湿器による加湿能力が低下する特性を有すると共に、加湿器のハウジングの温度または加湿器に供給される反応ガスの温度が低くなると、加湿器による加湿能力が低下する特性を有する形態が例示される。
本発明によれば、筐体の内部の酸化剤ガスを加湿器を介して燃料電池に供給する酸化剤ガス供給手段が設けられている形態が例示される。酸化剤ガス供給手段は、筐体の外部の酸化剤ガス(例えば空気などの酸素含有ガス)を加湿器を介して燃料電池に供給する第1経路と、筐体の内部の酸化剤ガス(例えば空気などの酸素含有ガス)を加湿器を介して燃料電池に供給する第2経路と、第1経路による酸化剤ガス供給および第2経路による酸化剤ガス供給を切り替える切替手段とを有する形態が例示される。
本発明によれば、制御装置は、筐体の内部の温度が第2所定温度T2よりも低いとき、換気手段の換気を制限し、筐体の内部の閉鎖性を高める形態が例示される。筐体の内部の閉鎖性を高めるとは、筐体に形成されている開口の面積の80%以上を閉鎖することをいう。殊に、筐体の内部の密閉性を高める形態が例示される。冬季、寒冷地等のように、筐体の内部の温度が低いとき、筐体の内部の閉鎖性を高める形態が例示される。この場合、筐体の閉鎖性が高くなるため、加湿器の温度が過剰に低温になることが抑えられ、加湿器における加湿能力が確保される。なお、第1所定温度T1および第2所定温度T2は同一でも良いし、異なっていても良い。
本発明によれば、好ましくは、筐体の内部の温度を検知する温度センサが設けられている。筐体の内部の温度を検知する温度センサとしては、筐体の内部空間に配置しても良いし、加湿器に取り付けられていても良い。温度センサが加湿器に取り付けられていれば、加湿器自体の温度を直接的に検知することができる。加湿器の温度は加湿器における加湿能力に大きな影響を与えるため、加湿器自体の温度を直接的に検知することは、加湿能力の適正化に有効である。
本発明によれば、筐体の内部の温度を検知する温度センサとしては、加湿器を介して燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス導入路に配置されている形態が例示される。これにより酸化剤ガス導入路の酸化剤ガス自体の温度を直接的に検知することができる。酸化剤ガス導入路の酸化剤ガスの温度は、加湿器における加湿能力に大きな影響を与えるため、酸化剤ガス導入路の酸化剤ガスの温度を検知することは、加湿能力の適正化に有効である。
本発明によれば、筐体内の空気を攪拌する攪拌手段が設けられている形態が例示される。この場合、攪拌手段により攪拌される空気は、加湿器、酸化剤ガス供給手段、酸化剤ガス供給手段により加湿器に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス導入路のうちの少なくとも一つに接触する形態が例示される。この場合、加湿器や酸化剤ガス供給手段、酸化剤ガス導入路を効果的に冷却でき、加湿器や酸化剤ガス供給手段を適温領域に維持するのに有利となる。
以下、本発明の実施例1について図1〜図3を参照して説明する。燃料電池システムは、平面図である図1に示すように、空気極(酸化剤極)および燃料極をもつ燃料電池のスタック10と、スタック10の空気極に供給する反応ガスとしての空気(酸化剤ガス)を加湿する加湿器2と、筐体4の外部の空気を加湿器2を介してスタック10の空気に供給する空気供給手段3(酸化剤ガス供給手段)と、筐体4とをもつ。筐体4は、比較的開口量が大きい窓開口41と、窓開口41よりも開口量が小さな窓開口42と、壁体4a,4b,4c,4dとをもつ。
加湿器2は、スタック10の空気極に向かう空気が流れる往路20と、スタック10の空気極から吐出された空気オフガスが流れる復路21と、往路20および復路21に対面するように設けられた加湿部材22と、往路20、復路21および加湿部材22を備えるハウジング23とをもつ。加湿部材22としては、スタック10の空気極に向かう空気を加湿できるものであれば何でもよく、高分子電解質膜の加湿構造でも良いし、中空糸による加湿構造でも良く、他の加湿構造でも良い。
空気供給手段3は、空気導入路30(酸化剤ガス導入路)と、空気導入路30に設けられた空気搬送手段(酸化剤ガス搬送手段)として機能するブロア35とを有する。空気導入路30は、加湿器2の空気入口2iと、筐体4内に位置する吸込口30iとを連通する。ここで、筐体4の内部が高温であると、吸込口30iから吸引された外気が空気導入路30を介して加湿器2の空気入口2iに到達するまでの間に、かなり加熱されてしまう。
本実施例では、筐体4の内部の温度を検知する温度センサ6が筐体4の内部に設けられている。温度センサ6は、筐体4の内部において、スタック10の対面するようにスタック10の周囲に配置されている。従って、温度センサ6は、筐体4の内部における通常の温度状態を検知する機能と、筐体4の内部における定常的でない過度な過熱をも検知する機能とを有する。扉50の作動、ブロア35等の補機の作動を制御する制御装置7が筐体4の内部に設けられている。温度センサ6の信号は制御装置7に入力される。従って、筐体4の内部には、スタック10、加湿器2、空気供給手段3、制御装置7、温度センサ6が収容されている。
ここで、ブロア35が駆動すると、空気が空気導入路30の吸込口30iを介して加湿器2の空気入口2iに供給され、加湿器2の往路20で加湿部材22により加湿される。その後、加湿された空気は、スタック10の空気極の空気入口10iに導入される。また、燃料は、図略の燃料導入路を介してスタック10の燃料極に導入される。スタック10に供給された空気および燃料により、スタック10において発電反応が生じる。スタック10の空気極の空気出口10oから排出された空気オフガスは、加湿器2の復路21に供給され、その後、空気導出路38の出口38oを介して外気に放出される。
スタック10において発電反応を経た後の空気オフガスは、スタック10の空気極の空気出口10oから加湿器2の復路21に供給される。発電反応後の空気オフガスは、スタック10から吐出されるため、温度が相対的に高く且つ湿度が相対的に高い。これに対して加湿器2に供給される発電反応前の空気は、基本的には外気であるため、発電反応後の空気オフガスよりも、温度が相対的に低く且つ相対的に湿度が低い。そして、加湿器2において、発電反応後の空気オフガスと発電反応前の空気との間に、加湿部材22を介して熱交換が行われると共に湿度交換が行われる。この結果、スタック10から吐出された発電反応後の空気オフガスの温度および湿度が加湿器2において減少すると共に、発電反応前の空気の温度および湿度が増加する。これによりスタック10の空気極の空気入口10iに供給される発電反応前の空気が加熱および加湿される。図示しないが、スタック10へり加湿量を調整するための加湿器バイパス流路が往路30および/または復路31に設けられていても良く、所望の加湿量が得られるように制御可能な構成とされている。
ここで、加湿器2の加湿部材22の加湿能力を高めるためには、発電反応後の高温高湿の空気オフガスの温度を加湿器2において低下させ、空気オフガスに含まれている水蒸気を加湿器2の復路21において凝縮させて凝縮水を生成し、その凝縮水を加湿器2の加湿部材22に給水させることが重要である。
本発明者は、開発を進めた結果、上記した加湿構造をもつ加湿器2における加湿能力と温度との関係について、図2に示す特性を知見した。図2は、加湿器2における加湿能力と、温度(加湿器2のハウジング23の温度または加湿器2の往路20に導入される空気の温度)との関係を示す。スタック10の発電出力を良好に維持するためには、加湿器2の加湿能力は、所定値W1よりも高い方が好ましい。図2に示す特性線WAに示すように、加湿器2のハウジング23の温度、あるいは、空気導入路30から加湿器2に導入される空気の温度が、適温領域XAよりも高温になると、加湿器2における加湿能力が低下する傾向がある。その理由としては次のように推察される。即ち、加湿器2のハウジング23の温度が過剰に高かったり、あるいは、加湿器2に供給する発電反応前の空気の温度が過剰に高かったりすると、加湿器2全体の温度が上昇し、スタック10の空気極の空気出口10oから吐出された発電反応後の空気オフガスを加湿器2の復路21において冷却しにくくなる。この結果、空気オフガスの水蒸気を加湿器2の復路21において凝縮させて生成される凝縮水の量が不充分となる。ひいてはその凝縮水を加湿器2の加湿部材22に給水させる量が低下するためと推察される。
また上記した加湿構造をもつ加湿器2によれば、特性線WAに示すように、加湿器2のハウジング23の表面温度、または、空気導入路30から加湿器2に導入される空気の温度が適温領域XAよりも低温になると、加湿器2における加湿能力が低下する傾向がある。その理由としては次のように推察される。即ち、加湿器2のハウジング23の温度が過剰に低かったり、あるいは、空気導入路30から加湿器2に導入される発電反応前の空気の温度が過剰に低かったりすると、発電反応前の空気の温度が加湿器2の往路20において上昇しにくくなる。この結果、スタック10の空気極に供給する空気に含むことができる水蒸気量が低下し、これにより加湿器2における加湿能力が低下するためと推察される。このように上記した温度が適温領域XAから外れると、加湿器2の加湿能力は所定値W1よりも低下すると推察される。
本実施例によれば、図1に示すように、筐体4の内部の空気と外気とを入れ替えて筐体4の内部の空気を換気する換気手段5が設けられている。換気手段5は、筐体4の窓開口40の開口面積を可変的に調整する扉50と、扉50を駆動させるモータまたは流体シリンダ等で形成された駆動部52とを有する。扉50が開放されると、筐体4の内部の空気と外気とが入れ替えられ、筐体4の内部の換気が進行する。扉50が閉鎖されると、筐体4の内部と外気とが遮断され、筐体4の内部の密閉性が高まる。ここで、筐体4の内部の密閉性が高まるとは、筐体4に形成されている開口の面積の95%以上を閉鎖することをいう。
本実施例によれば、通常の状態では扉50は閉鎖されている。温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Ta1(第1所定温度)を越えると、制御装置7からの指令により駆動部52を扉50の開放方向に駆動させ、扉50の開放量を増加させる。これにより筐体4の内部に窓開口41から外気が導入され、筐体4の内部が冷却される。また、温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Tb1(第2所定温度,Ta1>Tb1)未満になると、制御装置7からの指令により駆動部52を扉50の閉じ方向に駆動させ、扉50の開放量を減少させるか、扉50を閉じる。
図3は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図3に示すように、温度センサ6が検知する温度T1を制御装置7が読み込み、温度T1と所定温度Ta1とを比較する(ステップS2)。温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Ta1を越えていなければ(ステップS2におけるNO)、筐体4の内部に熱こもりが発生していない。このため、再び、温度センサ6が検知する温度T1を制御装置7は読み込み、温度T1と所定温度Ta1との比較を継続する(ステップS2)。これに対して、温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Ta1を越えていれば(ステップS2におけるYES)、筐体4の内部が高温であり、筐体4の内部に熱こもりが発生しているため、筐体4の内部を冷却させるべく、扉50を開く(ステップS4)。これにより筐体4の内部に外気が導入され、筐体4の内部が換気される。これにより筐体4の内部の熱こもりが改善される。
また、温度センサ6が検知する温度T1と所定温度Tb1とを比較する(ステップS6)。温度T1が所定温度Tb1未満であれば(ステップS6におけるYES)、筐体4の内部の温度が低いため、扉50を閉じる(ステップS8)。これにより筐体4の内部の換気が停止される。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。なお、所定温度Ta1と所定温度Tb1とは、同一でも異なっていても良い。即ち、Ta1=Tb1,Ta1≒Tb1,Ta1>Tb1,Ta1<Tb1のいずれでも良い。
以上説明したように本実施例によれば、スタック10発電運転時において換気手段5の作動を制御し、筐体4の内部の温度が第1所定温度よりも高いときには、筐体4の内部の換気量を増加させ、筐体4の内部を冷やす。これにより空気導入路30の空気の温度、加湿器2の温度が適温領域に調整され、加湿器2における加湿能力が良好に維持される。筐体4の内部の温度が第2所定温度よりも低いとき、筐体4の内部の換気量を減少させるか換気を無くし、筐体4の内部の温度を維持する。これにより空気導入路30の空気の温度、加湿器2の温度が適温領域に調整され、加湿器2における加湿能力が良好に維持される。このようにスタック10を収容する筐体4の内部の温度が変動するときであっても、加湿2における加湿能力を良好に維持するのに有利となる。
なお、温度センサ6の位置としては、上記位置に限らず、温度センサ6Kのように加湿器2の周辺に配置しても良いし、加湿器2のハウジング23に取り付けられていても良い。この場合、加湿器2の周辺または加湿器2自体の温度を精度良く検知できるため、加湿器2による加湿能力が良好に維持される。
このように本実施例は、筐体4内の温度上昇に対応して筐体4内の加湿器2またはその周囲の温度を低下させることを意図する。即ち、筐体4内の温度上昇に対応して筐体4内の空気と外気との換気量を増加させることで、加湿器2またはその周囲の温度を低下させる。
以下、本発明の実施例2について図4および図5を参照して説明する。本実施例は実施例1と同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図4に示すように、温度センサ6は、空気導入路30において加湿器2の空気入口2iの上流に配置されている。従って温度センサ6は、空気導入路30において、加湿器2の空気入口2iに導入される直前の空気の温度T2を直接的に検知することができる。従ってスタック10に供給する空気の加湿量を調整するのに有利である。
図5は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。YESはYと、NOはNと略記する。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図5に示すように、温度センサ6が検知する温度T2を読み込み、温度T2と所定温度Ta2(第1所定温度)とを比較する(ステップSB2)。温度センサ6が検知する温度T2が所定温度Ta2を越えていなければ(ステップSB2におけるNO)、温度T2の読み込み、温度T2と所定温度Ta2との比較を継続する(ステップSB2)。これに対して、温度センサ6が検知する温度T2が所定温度Ta2を越えていれば(ステップSB2におけるYES)、筐体4の内部が高温であるため、扉50を開く(ステップSB4)。これにより筐体4の内部が換気され、筐体4の内部の過熱、加湿器2の過熱、加湿器2に供給される酸化剤ガスの過熱が抑えられる。また、温度センサ6が検知する温度T2と所定温度Tb2(第2所定温度)とを比較する(ステップSB6)。温度T2が所定温度Tb2未満であれば(ステップSB6におけるYES)、筐体4の内部が低温であるため、扉50を閉じる(ステップSB8)。これにより筐体4の内部の換気が停止され、筐体4の内部の温度が維持される。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。所定温度Ta2と所定温度Tb2とは、同一でも異なっていても良い。即ち、Ta2=Tb2,Ta2≒Tb2,Ta2>Tb2,Ta2<Tb2のいずれでも良い。
以下、本発明の実施例3について図6および図7を参照して説明する。本実施例は実施例1と同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図6に示すように、温度センサ6が筐体4の内部に設けられており、筐体4の内部の温度を検知する。さらに、筐体4の内部の空気を強制的に攪拌する攪拌手段として機能するファン55が、筐体4の内部に設けられている。図6に示すように、ファン55は、加湿器2および空気導入路30に対面しており、加湿器2および空気導入路30の方向に向けて送風される。これにより加湿器2および空気導入路30を効率よく冷却できる。故に加湿器2や空気導入路30の過熱しているときであっても、加湿器2や空気導入路30を効率よく冷却させることができる。図6に示すようにファン55、加湿器2,燃料電池、温度センサ6の順に配置されているため、ファン55の送風は加湿器2に当たるものの、スタック10、温度センサ6に当たる風量は制約されており、スタック10、温度センサ6の急激な温度変化は抑制されている。なお、ファン55の配置位置としては上記位置に限定されるものではなく、筐体4の内部の空気を攪拌できる位置であれば良く、加湿器2および空気導入路30に対面していなくても良い。
一般的には、扉50が開放しているときにはファン55を回転させると共に、扉50が閉鎖しているときにはファン55を停止させる。但し、扉50が開放しているときでもファン55を停止させても良く、また、扉50が閉鎖しているときファン55を回転させても良い。即ち本実施例によれば、(i)〜(iii)の形態を採用できる。
(i)筐体4の内部の温度が高温になると、先ず扉50を開放させて筐体4の内部を自然換気させる。それでも、筐体4の内部の温度が更に高温になると、ファン55を回転させ、筐体4の内部を強制的に換気させる。ファン55の作動量が低減されるので、ファン55を回転させる電気エネルギが節約される。
(ii)筐体4の温度が高温になると、先ず、扉50が閉鎖されている状態でファン55を回転させて筐体4の内部の空気を攪拌し、筐体4の内部における温度分布の偏りを解消する。更に、筐体4の内部の温度が高温になると、ファン55を回転させつつ扉50を開放させる。上記したように扉50が閉じているとき、ファン55を回転させるため、筐体4の内部における温度分布の偏りを優先的に解消できる。
(iii)筐体4の温度が高温になると、ファン55の回転および扉50の開放の双方を同時に行う。
さて、図7は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図7に示すように、温度センサ6が検知する温度T1を読み込み、温度T1と所定温度Ta1(第1所定温度)とを比較する(ステップSC2)。温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Ta1を越えていなければ(ステップSC2におけるNO)、温度センサ6が検知する温度T1を読み込み、温度T1と所定温度Ta1との比較を継続する(ステップSC2)。これに対して、温度センサ6が検知する温度T1が所定温度Ta1を越えていれば(ステップSC2におけるYES)、筐体4の内部が高温であるため、扉50を開くとともに、攪拌ファン55をオンさせて回転させる(ステップSC4)。これにより筐体4の内部の換気が促進される。
また、温度センサ6が検知する温度T1と所定温度Tb1(第2所定温度)とを比較する(ステップSC6)。温度T1が所定温度Tb1未満であれば(ステップSC6におけるYES)、筐体4の内部が低温であり、扉50を閉じると共に、攪拌ファン55をオフさせて回転を停止させる(ステップSC8)。これにより筐体4の内部の換気が停止され、筐体4の温度が維持される。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。所定温度Ta1と所定温度Tb1とは、同一でも異なっていても良い。即ち、Ta1=Tb1,Ta1≒Tb1,Ta1>Tb1のいずれでも良い。なお、温度センサ6の位置としては、上記した位置に限らず、温度センサ6Kのように加湿器2の周辺に配置しても良いし、加湿器2のハウジング23に取り付けられていても良い。
以下、本発明の実施例4について図8および図9を参照して説明する。本実施例は実施例2と同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例2と相違する部分を中心として説明する。図8に示すように、温度センサ6は、空気導入路30において、加湿器2の空気入口2iの上流に配置されている。従って温度センサ6は、空気導入路30において、加湿器2の空気入口2iに導入される空気の温度を直接的に検知する。筐体4の内部の空気を強制的に攪拌する攪拌手段として機能するファン55が筐体4の内部に設けられている。一般的には、扉50が開放しているときにはファン55を回転させると共に、扉50が閉鎖しているときにはファン55を停止させる。但し、扉50が開放しているときでもファン55を停止させても良い。
図9は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図9に示すように、温度センサ6が検知する温度T2を読み込み、温度T2と所定温度Ta2(第1所定温度)とを比較する(ステップSD2)。温度T2が所定温度Ta2を越えていなければ(ステップSD2におけるNO)、温度T2の読み込み、温度T2と所定温度Ta2との比較を継続する(ステップSD2)。これに対して、温度センサ6が検知する温度T2が所定温度Ta2を越えていれば(ステップSD2におけるYES)、筐体4の内部が高温であるため、扉50を開くとともに、ファン55をオンさせて回転させる(ステップSD4)。これにより筐体4の内部が換気される。扉50の開放とファン55の回転との双方が行われるため、筐体4の内部が効果的に換気されて冷やされ、筐体4の内部の過熱が抑えられる。
また、温度センサ6が検知する温度T2と所定温度Tb2(第2所定温度)とを比較する(ステップSD6)。温度T2が所定温度Tb2未満であれば(ステップSD6におけるYES)、筐体4の内部が低温であるため、扉50を閉じると共に、ファン55をオフさせて回転を停止させる(ステップSD8)。これにより筐体4の内部の換気が停止され、筐体4の内部の温度が維持される。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。即ち、Ta2=Tb2,Ta2≒Tb2,Ta2>Tb2のいずれでも良い。なお、温度センサ6の位置としては、上記した位置に限らず、温度センサ6Kのように加湿器2の周辺に配置しても良いし、加湿器2のハウジング23に取り付けられていても良い。
以下、本発明の実施例5について図10を参照して説明する。本実施例は図6に示す実施例3と同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例3と同様に、筐体4の内部の空気を強制的に攪拌する攪拌手段として機能するファン55が筐体4の内部において設けられている。
図10は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図10に示すように、温度センサ6が検知する温度T1を読み込み、温度T1と所定温度Ta3(第1所定温度)とを比較する(ステップSE2)。温度T1が所定温度Ta3を越えていなければ(ステップSE2におけるNO)、筐体4の内部に熱こもりが発生していない。このため、温度T2の読み込み、温度T1と所定温度Ta3との比較を継続する(ステップSE2)。これに対して、温度T1が所定温度Ta3を越えていれば(ステップSE2におけるYES)、筐体4の内部の温度が高温であるため、扉50を開く(ステップSE4)。これにより筐体4の内部が換気され、冷やされる。また、温度T1と所定温度Tb3(第2所定温度)とを比較する(ステップSE6)。
温度T1が所定温度Tb3未満であれば(ステップSE6におけるYES)、筐体4の内部の温度が低すぎるため、扉50を閉じ(ステップSE8)、ステップSE2に進む。このように扉50が閉じるため、筐体4の内部の換気が停止され、筐体4の内部の温度が適温領域に維持される。ここで、所定温度Ta3と所定温度Tb3とは、同一温度でも異なっていても良い。即ち、Ta3=Tb3,Ta3≒Tb3,Ta3>Tb3のいずれでも良い。
また、温度T1が所定温度Tb3未満でなければ(ステップSE6におけるNO)、温度T1と所定温度Tc3とを比較する(ステップSE10)。温度T1が所定温度Tc3よりも高温でなければ(ステップSE10におけるNO)、ステップSE6に戻る。また、温度T1が所定温度Tc3よりも高温であれば(ステップSE10におけるYES)、ファン55をオンして回転させる(ステップSE12)。これにより筐体4の内部が攪拌される。また、温度T1と所定温度Td3とを比較する(ステップSE14)。そして、温度T1が所定温度Td3未満であれば(ステップSE14におけるYES)、筐体4の内部の温度が低すぎるため、ファン55をオフとする(ステップSE16)。これにより筐体4の内部の空気の攪拌が停止される。温度T1が所定温度Td3未満でなければ(ステップSE14におけるNO)、ステップS14を継続する。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。
以下、本発明の実施例6について図11を参照して説明する。本実施例は図8に示す実施例4と同様の構成、作用効果を有する。図8を準用する。以下、実施例4と相違する部分を中心として説明する。筐体4の内部の空気を強制的に攪拌する攪拌手段として機能するファン55が筐体4の内部に設けられている。扉50が閉鎖しているときには、ファン55を停止させる。
図11は制御装置7が実行する処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは一例であり、このフローチャートに限定されるものではない。図11に示すように、温度センサ6が検知する温度T2を読み込み、温度T2と所定温度Ta4(第1所定温度)とを比較する(ステップSF2)。温度T2が所定温度Ta4を越えていなければ(ステップSF2におけるNO)、再び、温度T2の読み込み、温度T2と所定温度Ta4との比較を継続する(ステップSF2)。これに対して、温度T2が所定温度Ta4を越えていれば(ステップSF2におけるYFS)、筐体4の温度が高温であり、筐体4の内部に熱こもりが発生しているため、扉50を開く(ステップSF4)。これにより筐体4の内部が換気されて冷やされる。また、温度T2と所定温度Tb4(第2所定温度)とを比較する(ステップSF6)。温度T2が所定温度Tb4未満であれば(ステップSF6におけるYFS)、筐体4の内部の温度が低すぎるため、扉50を閉じ(ステップSF8)、ステップSF2に進む。このように扉50が閉じるため、筐体4の内部の換気が停止され、筐体4の内部の温度が適温領域に維持される。所定温度Tb4と所定温度Ta4とは、同一温度でも、異なっていても良い。即ち、Ta4=Tb4,Ta4≒Tb4,Ta4>Tb4のいずれでも良い。
また、温度T2が所定温度Tb4未満でなければ(ステップSF6におけるNO)、温度T2と所定温度Tc4とを比較する(ステップSF10)。温度T2が所定温度Tc4よりも高温でなければ(ステップSF10におけるNO)、ステップSF6に戻る。また、温度T2が所定温度Tc4よりも高温であれば(ステップSF10におけるYFS)、筐体4の温度が高温であるため、ファン55をオンして回転させる(ステップSF12)。これにより筐体4の内部の空気が攪拌される。また、温度T2と所定温度Td4とを比較する(ステップSF14)。そして、温度T2が所定温度Td4未満であれば(ステップSF14におけるYFS)、筐体4の内部の温度が低すぎるため、ファン55をオフとする(ステップSF16)。これにより筐体4の内部の空気の攪拌が停止される。その後、ステップSF6に戻る。温度T2が所定温度Td4未満でなければ(ステップSF14におけるNO)、ステップS14を継続する。スタック10の発電運転中、上記したステップを継続する。即ち、Tc4=Td4,Tc4≒Td4,Tc4>Td4のいずれでも良い。
以下、本発明の実施例7について図12を参照して説明する。本実施例は実施例1と同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。筐体4の窓開口40はブロア35に対面する。筐体4の内部を換気する換気手段5Bが筐体4に設けられている。換気手段5Bは、筐体4の窓開口40の開口量を調整するルーバ式の扉50Bと、ルーバ式の扉50Bを駆動させるモータまたは流体シリンダで形成された駆動部52Bとを有する。扉50Bが閉鎖されると、筐体4の内部と外気とが遮断される。扉50Bが開放されると、筐体4の内部と外気とが連通される。なお、温度センサの位置としては、上記した位置に限らず、温度センサ6Kのように加湿器2の周辺に配置しても良いし、加湿器2のハウジング23に取り付けられていても良い。本実施例によれば、図12に示すように、空気導入路30は吸込口30iを有する。吸込口30iは、筐体4の外部の外気を吸い込むために、筐体4の外部に導出されている。
以下、本発明の実施例8について図13を参照して説明する。温度センサ6は、空気導入路30において、加湿器2の空気入口2iの上流に配置されている。従って温度センサ6は、空気導入路30において、加湿器2の空気入口2iに導入される空気の温度を直接的に検知する。
図13に示すように、筐体4の内部の空気を加湿器2を介してスタック10の空気極に供給する空気供給手段3が筐体4の内部に設けられている。空気供給手段3は、筐体4外の空気を加湿器2を介して燃料電池の空気極に供給する第1経路31と、筐体4の内部の空気を加湿器2を介して燃料電池の空気極に供給する第2経路32とを有する。第1経路31は、筐体4の外部に連通して筐体4の外部の外気を吸い込む吸込口31iをもつ。第2経路32は、筐体4の内部に連通して筐体4の内部の空気を吸い込む吸込口32iをもつ。
図13に示すように、第1経路31による空気供給と第2経路32による空気供給とを切り替える切替手段として機能する弁部33が、ブロア35の上流に設けられている。弁部33は筐体4の内部に配置されている。弁部33の作動時に発生する熱は、筐体4内に放出される。筐体4の内部の温度が所定温度よりも高いとき、筐体4の内部の温度が高温であるため、弁部33の切替により、筐体4の内部よりも低温の外気を、第1経路31から加湿器2ひいてはスタック10の空気極に供給する。また、スタック10の発電運転時において、筐体4の内部の温度が所定温度よりも低いとき、弁部33の切替により、筐体4の内部の暖かい空気を第2経路32から加湿器2ひいてはスタック10に供給する。
本実施例によれば、筐体4の内部の温度が過剰に高いとき、筐体4の内部の過剰に高温の空気を加湿器2に供給するのではなく、筐体4の内部の空気よりも低温の外気の空気を加湿器2に供給することができる。このため、加湿器2の過熱が抑制され、加湿器2における加湿能力が良好に確保される。なお、温度センサの位置としては、上記した位置に限らず、加湿器2の周辺に配置しても良いし、温度センサ6Kのように加湿器2のハウジング23に取り付けられていても良い。
以下、本発明の実施例9について図14を参照して説明する。本実施例は実施例1と同様の構成、作用効果を有する。本実施例によれば、筐体4は、大容積の第1収容空間4fと、小容積の第2収容空間4sと、第1収容空間4fおよび第2収容空間4sを仕切る壁状をなす仕切部材4mとをもつ。筐体4の第1収容空間4f内には、スタック10、加湿器2、空気供給手段3、制御装置7、温度センサ6、改質器9が収容されている。改質器9は、都市ガスまたはプロパンガス等の原料ガスを、水蒸気を利用した改質反応により水素含有の燃料ガスとするものである。改質器9は放熱性を抑えるべく断熱部材で包囲されているが、改質器9の熱は少なからず筐体4内部の温度に影響を与える。第2収容空間4sには、スタック10を流れる冷却水が通過するラジエータ80と、ラジエータ80を冷却するラジエータファン81とが設けられている。ラジエータ80を通過する冷却水は、スタック10を経由してもしなくても良い。冷却水の温度上昇時に同ラインの放熱によって筐体4内の温度を制御可能な状態に維持できる構成であれば良い。
仕切部材4mは開口44をもつ。第2収容空間4sは仕切部材4mの開口44および図示しない別の開口(例えばラジエータ80の手前および/または奥側に配置)を介して外気に連通する。仕切部材4mには換気手段5が設けられている。換気手段5は、仕切部材4mの窓開口40を開閉する開閉量が可変の扉50と、扉50を開閉させる駆動部52とを有する。筐体4は、第2収容空間4sから離れた位置において、第1収容空間4fと外気とを連通させる通風開口43をもつ。通風開口43は、第2収容空間4sからできるだけ離れた位置に形成されている。通風開口43は制御装置7に対面しており、電気機器を有するため放熱性をもつ制御装置7を冷却させるのに有利である。
発電運転中において、通常、扉50は閉じた状態にある。筐体4内の温度が過熱状態であれば、ラジエータファン81を駆動させると共に扉50を開く。よって筐体4の内部の空気は、扉50、窓開口40、第2収容空間4sの開口44を経て筐体4の外部に流れる。筐体4の外気が筐体4の通風開口43から第1収容空間4f内に供給される。これにより空気流MAが形成される。この結果、筐体4の内部の熱こもりが低減され、空気導入路30の空気および加湿器2が適温領域に維持される。殊に、空気流MAが流れる流路に、制御装置7、加湿器2、空気導入路30、ブロア35が配置されている。空気流MAは加湿器2のハウジング23、空気導入路30、ブロア35に接触するため、これらの過熱が効果的に抑制される。故に、加湿器2が適温領域となり、加湿器2による加湿能力が良好に維持される。なお、温度センサ6の位置としては、加湿器2のハウジング23に取り付けられている。
(他の実施例)
上記した実施例1によれば、加湿器2は、スタック10の空気極に向かう空気が流れる往路20と、スタック10の空気極から吐出された空気オフガスが流れる復路21と、往路20および復路21に対面するように設けられた加湿部材22とをもつ構造であるが、これに限定されるものではなく、要するに加湿できるものであれば良い。上記した各実施例によれば、スタック10の空気極に空気を供給する空気搬送手段としてブロア35が設けられているが、これに限らず、コンプレッサ、ファンとしても良く、要するに、空気を加湿器2を介してスタック10の空気極に搬送できるものであれば良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
本発明は、例えば、車両用、定置用、電気機器用、電子機器用、携帯用の燃料電池システムに適用できる。
実施例1に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例1に係り、加湿器における加湿能力と、温度(加湿器のハウジングの温度または加湿器の往路に導入される空気の温度)との関係を模式的に示すグラフである。
実施例1に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例2に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例2に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例3に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例3に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例4に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例4に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例5に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例6に係り、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャートである。
実施例7に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例8に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
実施例9に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す構成図である。
符号の説明
1は燃料電池、10はスタック、2は加湿器、4は筐体、5は換気手段、50は扉、52は駆動部、55はファン(攪拌手段)、7は制御装置、3は空気供給手段(酸化剤ガス供給手段)、30は空気導入路(酸化剤ガス導入路)、31は第1経路、32は第2経路、33は弁部(切替手段)、35はブロア、6は温度センサ、7は制御装置を示す。