JP2007198156A

JP2007198156A - 可変容量型斜板式圧縮機

Info

Publication number: JP2007198156A
Application number: JP2006014741A
Authority: JP
Inventors: Teruo Higuchi; 輝夫樋口
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Corp
Priority date: 2006-01-24
Filing date: 2006-01-24
Publication date: 2007-08-09
Also published as: US7882779B2; EP1972784A1; KR100984944B1; US20100232987A1; KR20080085223A; EP1972784A4; WO2007086256A1; CN101375054B; CN101375054A

Abstract

【課題】信頼性を損なうことなく、特に小吐出容量運転時の消費動力を低減することが可能な可変容量型斜板式圧縮機を提供する。
【解決手段】主軸に対し傾斜可能に装着された斜板と、該斜板を挟むように配置される一対のシューを介して斜板に連結されるピストンとを備え、斜板の傾斜角に応じてピストンのストローク量が決まる可変容量型斜板式圧縮機において、シューの平面部が接触する斜板の摺動面に、該斜板の傾斜角が最大のときのシューと斜板摺動面との接触面積よりも、斜板の傾斜角が最小のときのシューと斜板摺動面との接触面積を小さくする溝を形成したことを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
【選択図】図２

Description

本発明は、可変容量型斜板式圧縮機に関し、とくに、その斜板とシューとの係合部の構造に関する。

冷凍サイクル等に設けられる可変容量型圧縮機として、斜板式圧縮機、例えばクラッチレス機能を付加した可変容量型斜板式圧縮機が知られている。この可変容量型斜板式圧縮機は、例えば図１に示すように構成されている。すなわち、可変容量型斜板式圧縮機１は、主軸２に対し傾斜可能に装着された斜板３を有しており、斜板３は、主軸２に固定されたロータ４、リンク機構５を介して、クランク室６内において、主軸２と一体的に回転されるようになっている。この斜板３を挟むように一対のシュー７、７が、ピストン８の一端側に形成された凹部９内に設けられており、一対のシュー７、７を介して斜板３に連結されたピストン８が、斜板３の回転に伴って往復動されるようになっている。斜板３の傾斜角に応じてピストン８のストローク量が決まり、圧縮機１の吐出容量が決まるようになっている。つまり、斜板３の傾斜角が最大の時に最大吐出容量となり、最小吐出容量の時には、斜板３の傾斜角はほぼ０°の状態とされる。なお、図１における１０は、圧縮すべき流体（例えば、冷媒）の吸入室を、１１は圧縮された流体の吐出室を、それぞれ示している。

上記のような可変容量型斜板式圧縮機では、最小吐出容量のとき、斜板３の傾斜角がほぼ０°の状態になり、ピストン８のストロークもほぼゼロとなることから、ピストンの慣性抵抗および摺動抵抗は限りなくゼロに近づく。これに対し、シュー７は、常に斜板３上を相対的に摺動しており、潤滑油の粘性抵抗による消費動力が大きいことが知られている。

斜板摺動面における潤滑性能を向上するために、斜板上、とくにそのシューとの摺動面上に、斜板の径方向に延びる溝を複数設けるようにした構造が知られている（特許文献１）。しかしながら、この構造では、斜板の径方向に延びる溝により、シューと斜板の感覚が断続的に変化するおそれがあり、最悪の場合にはシューが斜板に対して遊動するおそれがあり、ピストンの動作が不安定になって圧縮機の性能、信頼性が低下するおそれがある。
特開平８−１５９０２４号公報

そこで本発明の課題は、信頼性を損なうことなく、特に小吐出容量運転時の消費動力を低減することが可能な可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、主軸に対し傾斜可能に装着され、前記主軸と一体的に回転する斜板と、該斜板を挟むように配置される一対のシューを介して前記斜板に連結されるピストンとを備え、前記斜板の傾斜角に応じて前記ピストンのストローク量が決まる可変容量型斜板式圧縮機において、前記シューの平面部が接触する前記斜板の摺動面に、該斜板の傾斜角が最大のときのシューと斜板摺動面との接触面積よりも、前記斜板の傾斜角が最小のときのシューと斜板摺動面との接触面積を小さくする溝を形成したことを特徴とするものからなる。

上記溝は、上記斜板の中心点を中心とする複数の環状溝から形成することができる。

上記複数の環状溝は、溝自体の幅が互いに異なる溝に形成することも可能であるが、加工の容易化の面からは、同じ幅の溝を形成することが好ましい。とくにこのように同じ幅の溝を形成する場合、上記複数の環状溝を、斜板の径方向外側における溝間の幅が径方向内側における溝間の幅よりも大きくなるように形成することが好ましい。

この溝間の幅は、斜板の径方向外側に向けて、段階的に拡大されている構造とすることもできるし、斜板の径方向外側に向けて、連続的に（つまり、順次）拡大されている構造とすることもできる。

また、上記複数の環状溝は、斜板のシューとの摺動面の実質的に全領域にわたって形成することも可能であり、後述の実施態様に示すように、上記複数の環状溝が、斜板のシューとの摺動面を形成する環状領域の中心部側領域にのみ形成されている構造とすることもできる。

本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機によれば、最大吐出容量時はシューの平面部と斜板との接触面積が大きくなり、最小吐出容量時はシューの平面部と斜板との接触面積が小さくなるので、最大吐出容量時のシューおよび斜板にかかる面圧を高くさせずに、最小吐出容量時の消費動力を低減することができる。また、溝を環状溝に形成することにより、前述の特許文献１のような問題を生じさせず、シューと斜板との間隔は常に一定に保たれるため、シューが遊動等することはなく、圧縮機の性能、信頼性を確保することが可能である。

以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
可変容量型斜板式圧縮機の基本構成は、図１に示した構成と同じである。図２および図３に、本発明の一実施態様に係る可変容量型斜板式圧縮機の斜板部の構成を示す。図２（Ａ）、（Ｂ）に示すように、斜板３の、シュー７の平面部７ａ（図１に図示）が接触する摺動面３ａには、斜板３の傾斜角が最大のときのシュー７と斜板摺動面３ａとの接触面積よりも、斜板３の傾斜角が最小のときのシュー７と斜板摺動面３ａとの接触面積を小さくする複数の溝２２が形成されている。本実施態様では、この溝２２は、斜板３の中心点２１を中心とする複数の環状溝から形成されている。

また、本実施態様では、複数の溝２２自体の幅は同一とされて（溝自体の断面形状は同一とされて）、加工の容易化がはかられている。そして、上記斜板３の傾斜角が最大のときのシュー７と斜板摺動面３ａとの接触面積よりも、斜板３の傾斜角が最小のときのシュー７と斜板摺動面３ａとの接触面積を小さくする構成を達成するために、各溝２２間の幅が変化されている。つまり、複数の環状溝２２が、斜板３の径方向外側における溝間の幅Ｗ２が、径方向内側における溝間の幅Ｗ１よりも大きくなるように形成されており、本実施態様では、溝間の幅が、斜板３の径方向外側に向けて、段階的に拡大されている。したがって、図３に示すように、斜板３の径方向内側における狭い溝間の幅Ｗ１の領域（第１エリア２３）と、その外側に、斜板３の径方向外側における広い溝間の幅Ｗ２の領域（第２エリア２４）とが、環状に形成されている。

この複数の溝２２の形成領域は、必ずしも、斜板３のシュー７と摺動面３ａの全領域にわたる必要はない。斜板３に対するシュー７の相対移動による軌跡は、例えば図４（最大容量時）、図５（最小容量時）のようになる。このようなシュー７の軌跡に対し、複数の溝２２の形成領域（上記第１エリア２３、第２エリア２４の形成領域）は、例えば図４、図５に示すように設定できる。すなわち、斜板３の傾斜角が最大でかつ最も荷重の高くなるピストン８の上死点のときのシュー７の平面部７ａと斜板３の摺動面３ａとの接触部（摺動領域）の約２０％の範囲に溝２２を形成し、斜板３の傾斜角が最小のときには、シュー７の平面部７ａとの接触部の約５０％の範囲にまで溝を拡大できるように設定する。そして、前述の如く、加工性を容易にするため各溝２２の形状は同じとし、ピストン上死点時にシュー７の軌道に掛かる部分の溝間距離を大きく（Ｗ２とし）、これよりも内側の部分の溝間距離は小さく（Ｗ１に）設定することが好ましい。

図４から分かるように、最大容量時には、ピストン８の上死点近傍の、ピストン８からの負荷が高くなるが、シュー７の平面部７ａと斜板３の摺動面３ａとの接触部の約２０％が、第２エリア２４の形成領域（大きな溝間距離Ｗ２で溝２２が形成されている領域）にかかり、シュー７の平面部７ａと斜板３の摺動面３ａとの面圧が低く保たれる。また、最小容量時には、図５から分かるように、上死点近傍を含むピストン８の全行程にわたって、シュー７の平面部７ａと斜板３の摺動面３ａとの接触部の約５０％が、上記第２エリア２４の形成領域と第１エリア２３の形成領域（小さな溝間距離Ｗ１で溝２２が形成されている領域）の両方にかかり、シュー７の平面部７ａと斜板３の摺動面３ａとの接触面積が小さく保たれて消費動力が低減される。

また、これら第１エリア２３および第２エリア２４を形成するのは環状の溝２２であるから、シュー７が斜板３に対して図４や図５に示したような軌跡に沿って相対的に摺動する場合、シュー７と斜板３との間隔が急激にあるいは断続的に変化する箇所は発生せず、シュー７の遊動等の不具合の発生が防止されて、安定した動作、ひいては圧縮機の信頼性が確保される。

本発明は、あらゆる可変容量型斜板式圧縮機に適用可能であり、とくに車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられる可変容量型斜板式圧縮機に好適なものである。

本発明が適用可能な可変容量型斜板式圧縮機の基本構成の一例を示す縦断面図である。図１の圧縮機の斜板に本発明を適用した場合の一実施態様を示す、斜板の縦断面図（Ａ）および部分断面図（Ｂ）である。図２の斜板の正面図である。図３の斜板における、最大容量時のシューの軌跡を示す正面図である。図３の斜板における、最小容量時のシューの軌跡を示す正面図である。

符号の説明

１可変容量型斜板式圧縮機
２主軸
３斜板
３ａ摺動面
４ロータ
５リンク機構
６クランク室
７シュー
７ａ平面部
８ピストン
９凹部
１０吸入室
１１吐出室
２１中心点
２２溝
２３第１エリア
２４第２エリア

Claims

主軸に対し傾斜可能に装着され、前記主軸と一体的に回転する斜板と、該斜板を挟むように配置される一対のシューを介して前記斜板に連結されるピストンとを備え、前記斜板の傾斜角に応じて前記ピストンのストローク量が決まる可変容量型斜板式圧縮機において、前記シューの平面部が接触する前記斜板の摺動面に、該斜板の傾斜角が最大のときのシューと斜板摺動面との接触面積よりも、前記斜板の傾斜角が最小のときのシューと斜板摺動面との接触面積を小さくする溝を形成したことを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
前記溝が、前記斜板の中心点を中心とする複数の環状溝からなる、請求項１に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
前記複数の環状溝が、斜板の径方向外側における溝間の幅が径方向内側における溝間の幅よりも大きくなるように形成されている、請求項２に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
前記溝間の幅が、斜板の径方向外側に向けて、段階的に拡大されている、請求項３に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
前記溝間の幅が、斜板の径方向外側に向けて、連続的に拡大されている、請求項３に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
前記複数の環状溝が、前記斜板のシューとの摺動面を形成する環状領域の中心部側領域に形成されている、請求項２〜５のいずれかに記載の可変容量型斜板式圧縮機。