JP5810273B2 - 密閉型圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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本発明は、冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機、およびその圧縮機を搭載した冷蔵庫などの冷凍装置に関する。
圧縮機構にレシプロ式を採用した密閉型圧縮機では、内径が円筒形の圧縮室を形成するシリンダと、このシリンダ内を往復運動する外径が円筒形のピストンと、このピストンに、ピストンピンを介して、シャフトの偏心軸部を連結するコンロッドとを備え、電動機部の回転子の軸心にシャフトを固定し、回転子の回転により圧縮機構を作動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。
図4は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の圧縮部の縦断面図である。
このような密閉型圧縮機では、シリンダの内径と往復運動するピストンの外径との間において摺動するための隙間が必要であり、この隙間が大きいものでは圧縮室内で圧縮された高温、高圧の冷媒ガスの漏れが発生して圧縮効率が低下し、この隙間を小さくすると摺動損失が増加して圧縮効率が低下する関係にある。
そこで、ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するようなテーパ形成されたシリンダを用いた密閉型圧縮機が提案されている。
図4(a)、(b)は、上記特許文献1に開示された密閉型圧縮機の圧縮部の縦断面図であり、このうち、図4(a)はピストンが下死点にある状態を、図4(b)はピストンが上死点にある状態をそれぞれ示している。
図4(a)、(b)において、シリンダブロック14に設けた圧縮室15内に往復動可能に挿設されたピストン23には、ピストンピン25を介して、コンロッド26が連結されている。そして、図示省略のシャフトの偏心軸部の偏心運動により、コンロッド26はピストン23を、図4(a)に示す下死点位置と図4(b)に示す上死点位置の間を往復するように駆動する。
コンロッド26から見て圧縮室15の反対側の端面にバルブプレート(図示せず)が装着されている。
圧縮室15は、ピストン23が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加するテーパ部17を持つように形成され、ピストン23は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。
この組み合わせにより、ピストン23の外周面が図4(a)に示す下死点位置から、冷媒ガスを圧縮する圧縮行程でテーパ部17に沿って上死点側に移行する途中の状態までは、圧縮室15内の圧力がそれほど上昇しないので、隙間は比較的大きくても潤滑油によるシール効果で冷媒ガスの漏れを抑制することができ、ピストン23の摺動抵抗も小さい。
さらに圧縮行程が進み、圧縮室15内の冷媒ガスの圧力が次第に上昇し、ピストン23が図4(b)に示す上死点位置に近接する状態では、圧縮室15内の圧力が所定の吐出圧
力まで上昇して冷媒ガスの漏れが発生しやすい条件となるが、上死点側では隙間が小さくなることから、潤滑油によるシール効果が得られ、冷媒ガスの漏れを低減することができる。
特開2002−89450号公報
しかしながら、上記従来の構成では、圧縮行程において、ピストン23の先端エッジ部30がテーパ部17に線接触して、油膜切れを起こし、入力増加や摺動部摩耗により信頼性が低下する可能性があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、入力低減や摺動部摩耗低減をはかることにより、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供し、また、かかる密閉型圧縮機を搭載した高効率の冷凍装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容した密閉型圧縮機であって、前記圧縮要素を、前記電動要素によって回転駆動される主軸部と前記主軸部の一端に設けられ、かつ前記主軸部と一体運動するように形成された偏心軸部を有するシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、前記軸受部に対して、一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記偏心軸部と前記ピストンとを連結するコンロッドとを備えた構成とし、さらに、前記圧縮室を、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部を有する構成とし、さらに、前記ピストンにおける前記圧縮室側の先端部分に、前記テーパ部との接触荷重を低減する小径部を設け、前記ピストンの小径部を、前記圧縮室側に向かって徐々に小径となる傾斜面とし、さらに、前記テーパ部と前記圧縮室の軸心とのなす角度をαとし、また、前記傾斜面と前記ピストンの軸心とのなす角度がβであるとき、前記角度αと前記角度βを、
α<β≒2α
の関係を満足するように設定したものである。
かかる構成により、前記ピストンと圧縮室部との摺動抵抗を軽減することができるという作用に加えて、ピストンの先端部がテーパ部と接触した際、接触荷重を低減することができる。その結果、ピストンの先端部とテーパ部の油膜切れを低減し、入力低減や摺動部摩耗低減することができる。
また、かかる構成とすることにより、ピストンが前記テーパ部に沿って傾斜した状態にあるとき、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度は、角度βと角度αの差となり、テーパ部の傾斜角度αに近似した値となる。
また、換言すると、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度βを、角度αの(略)2倍とすることにより、ピストンが前記テーパ部に沿って傾斜した状態にあるとき、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度βは、前記圧縮室(ピストン)の軸心を基準にした場合に、角度αと近似の角度(望ましくは一致した角度)となり、テーパ部に面接触、あるいはテーパ部の面と(略)平行の状態となる。
本発明の密閉型圧縮機は、圧縮室がテーパ部を備えているため、ピストンと圧縮室との摺動損失を低く抑えることができる。また、ピストンは、圧縮室側の先端部分に、テーパ部との接触荷重を低減する形状を部分的に形成しているので、ピストンの先端部がテーパ部と接触した際、接触荷重を低減することができ、ピストンの先端部とテーパ部の油膜切れを低減し、入力低減や摺動部摩耗の低減をはかり、高効率で高い信頼性を有する密閉型圧縮機と冷凍装置を得ることができる。
また、その結果、前記ピストンが圧縮室のテーパ部を摺動する状態において、ピストンの先端部と圧縮室のテーパ部面が緩やかな角度で摺動することなり、摺動摩擦を抑制するこ
とができる。したがって、ピストンの先端部とテーパ部の油膜切れ防止をより確実なものとし、より高効率で高信頼性を達成することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の要部の拡大縦断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮工程における要部の拡大横断面図 従来の密閉型圧縮機の圧縮部の縦断面図
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容した密閉型圧縮機であって、前記圧縮要素を、前記電動要素によって回転駆動される主軸部と前記主軸部の一端に設けられ、かつ前記主軸部と一体運動するように形成された偏心軸部を有するシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、前記軸受部に対して、一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記偏心軸部と前記ピストンとを連結するコンロッドとを備えた構成とし、さらに、前記圧縮室を、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部を有する構成とし、さらに、前記ピストンにおける前記圧縮室側の先端部分に、前記テーパ部との接触荷重を低減する小径部を設け、前記ピストンの小径部を、前記圧縮室側に向かって徐々に小径となる傾斜面とし、さらに、前記テーパ部と前記圧縮室の軸心とのなす角度をαとし、また、前記傾斜面と前記ピストンの軸心とのなす角度がβであるとき、前記角度αと前記角度βを、
α<β≒2α
の関係を満足するように設定したものである。
かかる構成とすることにより、前記圧縮室がテーパ部を備えているため、ピストンと圧縮室との摺動損失を低く抑えることができる。また、ピストンは、圧縮室側の先端部分に、テーパ部との接触荷重を低減する小径部を形成しているため、ピストンの先端部がテーパ部と接触した際、接触荷重を低減することができる。その結果、ピストンの先端部とテーパ部の油膜切れを低減し、入力低減や摺動部摩耗低減して高効率で高信頼性を達成する密閉型圧縮機を得ることができる。
また、かかる構成とすることにより、ピストンが前記テーパ部に沿って傾斜した状態にあるとき、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度は、角度βと角度αの差となり、テーパ部の傾斜角度αに近似した値となる。
また、換言すると、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度βを、角度αの(略)2倍とすることにより、ピストンが前記テーパ部に沿って傾斜した状態にあるとき、前記ピストンの圧縮室側先端部である傾斜面の角度βは、前記圧縮室(ピストン)の軸心を基準にした場合に、角度αと近似の角度(望ましくは一致した角度)となり、テーパ部に面接触、あるいはテーパ部の面と(略)平行の状態となる。
また、その結果、前記ピストンが圧縮室のテーパ部を摺動する状態において、ピストンの先端部と圧縮室のテーパ部面が緩やかな角度で摺動することなり、摺動摩擦を抑制することができる。したがって、ピストンの先端部とテーパ部の油膜切れ防止をより確実なものとし、より高効率で高信頼性を達成することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記圧縮室の上死点側の位置に、前記テーパ部に隣接して前記圧縮室内の内径寸法が軸方向に一定となるように形成されたストレート部を有するものである。
かかる構成とすることにより、圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態までは、圧縮室がテーパ部を備えているため、ピストンと圧縮室との摺動損失を低く抑えることができ、さらに圧縮行程が進みピストンが上死点位置に近接する状態では、全長にわたってテーパ部を形成する場合よりも、冷媒ガスの圧力圧の増大に伴う冷媒ガスの漏れを低減することができる。その結果、高い冷凍能力を得る密閉型圧縮機を得ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記ピストンが下死点に位置する状態において、前記ピストンの少なくとも一部が、前記シリンダブロックから露出するように形成したものである。
かかる構成とすることにより、ピストンが下死点に戻ったときにその下端部が圧縮室部から露出するため、多くの潤滑油がピストンの摺動部へ供給されるとともに保持される。その結果、ピストンと圧縮室との摺動損失を低減することができ、密閉型圧縮機のより高効率化をはかることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を搭載した冷凍装置であり、効率の高い冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の要部の拡大縦断面図である。図3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮工程における要部の拡大横断面図である。
図1乃至図3において、密閉容器101内には、固定子102と回転子103を備えた電動要素104と、電動要素104によって駆動される圧縮要素105が収容され、さらに、密閉容器101内の底部に潤滑油106が貯留されている。
シャフト110は、主軸部111と、この主軸部111と一体運動するようにその一端に偏心して形成された偏心軸部112を有し、このうち、主軸部111が回転子103の軸心に固定されている。シャフト110の内部や表面には給油通路113が設けられ、その下端部は、給油通路113に潤滑油106が所定の深さまで浸入するように延出している。
シリンダブロック114は、互いに一定の位置に固定されるように配置された略円筒形の圧縮室115と、軸受部120を備え、軸受部120は、シャフト110の主軸部111における偏心軸部112側の端部を軸支することにより、片持ち軸受を形成している。
圧縮室115には、ピストン123が往復動可能に挿設されている。
シリンダブロック114の圧縮室115は、図2に示すように、ピストン123が下死点に位置する状態で、このピストン123の反圧縮室115側が密閉容器101内に露出するように形成されている。
ここで、圧縮室115は、図2および図3に示すように、ピストン123が上死点に位置する側から、下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加するテーパ部を設けている。そして、テーパ部125における圧縮室115の軸心Xとのなす角度はαとなっている。
さらに圧縮室115の上死点側の位置には、テーパ部125に連続(隣接)して圧縮室115内の内径寸法が軸方向に一定であるストレート部126を持つように形成されている。ピストン123の外周面128は、潤滑油を介してテーパ部125およびストレート部126と摺動する。
また、ピストン123は、圧縮室115側の先端部分全周に、テーパ部125との接触荷重を低減する形状である傾斜面130(本発明の小径部に相当)を設けている。そして
、傾斜面130とピストン123の軸心Yとのなす角度はβとなっており、角度αとβの関係は、
α<β≒2α
の関係式を満足するように設定されている。
さらに、ピストン123には、偏心軸部112と平行になるようにピストンピン140が装着されている。
図3に示す圧縮工程では、ピストン123の外周面128aは、テーパ部125aと近接し、逆にピストン123の外周面128bとテーパ部125bは離れて、ピストン123の先端部分の傾斜部130b(傾斜面130の一部)が、テーパ部125bと近接(接触)する。
コンロッド141は、図1から図3に示すように、大端穴部142と、小端穴部143と、ロッド部144とで構成されており、大端穴部142は、偏心軸部112に嵌装され、小端穴部143は、ピストンピン140を介して、ピストン123に連結され、これによって偏心軸部112とピストン123が連結される。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作、作用を説明する。
まず、圧縮室115のテーパ部125とストレート部126におけるシール効果と摺動抵抗について説明する。
電動要素104の回転子103は、シャフト110を回転させ、偏心軸部112の回転運動が、コンロッド141を介してピストン123に伝えられ、これによって、ピストン123は、圧縮室115内を往復運動する。ピストン123の往復運動により、周知の構成からなる冷却システム(図示せず)から冷媒ガスが圧縮室115内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムに吐き出される。
給油通路113の下端部は、シャフト110の回転によってポンプ作用をするようになっており、このポンプ作用により、密閉容器101の底部の潤滑油106が、給油通路113を通って、上方に汲み上げられ、偏心軸部112の上端より密閉容器101内の全周方向へ水平に飛散し、ピストンピン140やピストン123などに供給されて摺動部の潤滑を行う。
ピストン123が図3に示す下死点位置から、冷媒ガスを圧縮する圧縮行程で上死点側に移動する途中の状態までは、圧縮室115内の圧力はそれほど上昇しない。その結果、ピストン123の外周面128とテーパ部125の隙間が比較的大きくても、潤滑油によるシール効果で冷媒ガスの漏れはほとんど発生せず、ピストン123の摺動抵抗も小さい。
さらに圧縮行程が進み、圧縮室115内の冷媒ガスの圧力が次第に上昇して、ピストン123が上死点の近傍位置に達する直前では、圧縮室115内の圧力は急激に上昇するが、上死点側では、ピストン123の外周面128とテーパ部125の隙間が小さくなることから、冷媒ガスの漏れの発生を低減することができる。このとき、ストレート部126は、所定の吐出圧力まで増大した冷媒ガスの漏れを、このストレート部126をテーパ状にした場合よりも低減するように作用する。
また、ピストン123が下死点に位置する状態において、ピストン123のコンロッド141側が圧縮室115から露出するように形成されているため、シャフト110の上端
から飛散された潤滑油が、ピストン123の外周面128に供給されるとともに、保持される。
以上の結果、圧縮室115とピストン123との摺動部により多くの潤滑油が供給され、さらに、ピストン123が上死点位置に近接した状態での摺動抵抗を軽減することができ、これによって高効率化を達成することができる。
次に、同実施の形態1におけるピストン123の挙動を説明する。
圧縮行程の初期においては、ピストン123は、圧縮室115内のテーパ部125の範囲内に位置しており、コンロッド141により押されて、通常はテーパ部125の片側内壁面に沿って摺動していると考えられる。
なお、ここでは、便宜上ピストン123がテーパ部125aに沿って摺動した場合について説明する。
ピストン123の外周面128aが、テーパ部125aと摺動しながら圧縮室115の上死点側に移動していくと、テーパ部125aと摺動していないピストン123の外周面128bの先端部に設けた傾斜部130bが、テーパ部125bに接触する。
このとき、傾斜部130bの面とテーパ部125bの面がほぼ平行に接触するように、ピストン123の傾斜面130とピストン123の軸心Yのなす角度βと、テーパ部125と圧縮室115の軸心Xとのなす角度αを設定しているため、接触部を面とすることができ、接触荷重を低減することができる。その結果、ピストン123の先端部の傾斜部130b(傾斜面130)とテーパ部125bの油膜切れを低減し、入力低減や摺動部摩耗低減することができ、高効率で高信頼性を得ることができる。
ここでテーパ部125の角度αと傾斜面130の角度βの関係について説明する。
ピストン123の外周面128がテーパ部125に沿った場合、テーパ部125は、円錐形状であることから、傾斜面130の角度βは、圧縮室115の軸心X(ピストン123の軸心Y)を基準にすると、角度(β−α)となる。
一方、傾斜面130とテーパ部125の摺動において、油膜切れのない好ましい状態は、両者が平行にある状態である。かかることから、ピストン123の外周面128がテーパ部125に沿った状態におけるピストン123の傾斜面130の角度βは、圧縮室115の軸心X(ピストン123の軸心Y)を基準にした場合の角度(β−α)を、角度αとすることが好ましく、本実施の形態1においては、テーパ部125の角度αの2倍の2αとすることが、最も適した状態を得ることになる。
したがって、ピストン123の軸心Yが圧縮室115の軸心Xと平行にある場合、傾斜面130の角度βはテーパ部125の角度αの2倍となる。
上述の結果、テーパ部125の角度αと傾斜面130の角度βの関係が、
α<β≒2α(好ましくは、α<β=2α)
の関係を満足するように各設計諸元(圧縮室115の形状加工、ピストン123の先端傾斜面130の角度など)を決定することにより、ピストン123がテーパ部125に沿って傾斜した状態にある摺動において、ピストン123の先端部とテーパ部125の油膜切れを抑制することができる。
また、本実施形態1において、接触荷重を低減するピストン123の先端部の形状は、図2、図3の角度から見て直線的な傾斜面130に限るものではなく、平面に近い曲面とした構成においても、同様の作用効果が期待できる。
なお、本実施形態1においては、シャフト110の偏心軸部112とピストン123側との連結機構をコンロッド141としたが、ボールジョイント等の可動部を有する連結機構を用いた構成であっても、同様に実施することができ、同様の作用効果が期待できる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、高信頼性化と高効率化とを達成することが可能となるので、エアーコンディショナーや自動販売機等の冷凍サイクルを用いた機器に用いられる密閉型圧縮機にも広く適用することができる。
101 密閉容器
104 電動要素
105 圧縮要素
110 シャフト
111 主軸部
112 偏心軸部
114 シリンダブロック
115 圧縮室
120 軸受部
123 ピストン
125 テーパ部
126 ストレート部
130 傾斜面
141 コンロッド

Claims (4)

  1. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容した密閉型圧縮機であって、前記圧縮要素を、前記電動要素によって回転駆動される主軸部と前記主軸部の一端に設けられ、かつ前記主軸部と一体運動するように形成された偏心軸部を有するシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、前記軸受部に対して、一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記偏心軸部と前記ピストンとを連結するコンロッドとを備えた構成とし、さらに、前記圧縮室を、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部を有する構成とし、さらに、前記ピストンにおける前記圧縮室側の先端部分に、前記テーパ部との接触荷重を低減する小径部を設け、前記ピストンの小径部を、前記圧縮室側に向かって徐々に小径となる傾斜面とし、さらに、前記テーパ部と前記圧縮室の軸心とのなす角度をαとし、また、前記傾斜面と前記ピストンの軸心とのなす角度がβであるとき、前記角度αと前記角度βを、
    α<β≒2α
    の関係を満足するように設定した密閉型圧縮機。
  2. 前記圧縮室の上死点側の位置に、前記テーパ部に隣接して前記圧縮室内の内径寸法が軸方向に一定となるように形成されたストレート部を有する請求項に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記ピストンが下死点に位置する状態において、前記ピストンの少なくとも一部が、前記シリンダブロックから露出するように形成した請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を搭載した冷凍装置。
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