JP2010242589A - 密閉型圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンと圧縮室との間のこじりを防止することによって、高信頼性化と高効率化を達成することができる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉型圧縮機は、密閉容器内に収容される圧縮要素105が、主軸部111および偏心軸部112を有するシャフト110と、軸受部120と、圧縮室115を有するシリンダブロック114と、コンロッドとを備え、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142とのなす角度をαとし、設定値をβとしたとき、下記(数1)で表されるαをピン穴124の軸心の角度の設計値とする。
【数1】

【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍冷蔵庫などの冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機および冷凍装置に関する。
近年、冷凍冷蔵庫などの冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、消費電力を低減させるための高効率化の他に、低騒音化や、高信頼性化が望まれている。この種の従来の密閉型圧縮機として、コンロッドとピストンの連結部への給油方法を改善することにより、効率や信頼性を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機について説明する。
図8は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図であり、図9は、図8の要部の拡大断面図、図10は、図8の要部の断面図である。
図8ないし図10に示すように、密閉容器1内には、固定子2と回転子3とを備えた電動要素4と、電動要素4によって駆動される圧縮要素5とが収容され、さらに、密閉容器1内の底部に潤滑油6が貯留されている。シャフト10は、主軸部11と、この主軸部11と一体運動するようにその一端に偏心して形成された偏心軸部12とを有し、このうち、主軸部11が回転子3の軸心に固定されている。
シリンダブロック14は、互いに一定の位置に固定されるように配置された略円筒形の圧縮室15と、軸受部20とを有している。圧縮室15にはピストン23が往復動可能に挿設されている。
ピストン23には、偏心軸部12と平行になるようにピストンピン25が装着されている。軸受部20は、シャフト10の主軸部11における偏心軸部12側の端部を軸支することによって片持ち軸受を形成している。
コンロッド26は大端穴部28と、小端穴部29と、ロッド部30とで構成されており、大端穴部28は偏心軸部12に嵌装され、小端穴部29はピストンピン25に連結され、これによって偏心軸部12とピストン23とが連結される。また、小端穴部29の内壁には、ピストンピン25と小端穴部29とが小端穴部29の軸方向中央近傍で接触した場合に、小端穴部29の軸方向の両端部にそれぞれ隙間ができるように凸面状の球面部31が形成されている。
シャフト10の内部には給油通路35が設けられ、この給油通路35の偏心軸部12側の端部に散油管36が挿着されている。また、主軸部11の偏心軸部12とは反対側の端部、すなわち下端部40は、給油通路35に潤滑油6が所定の深さまで浸入するように延出している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素4の回転子3はシャフト10を回転させ、偏心軸部12の回転運動が、コンロッド26を介して、ピストン23に伝えられ、これによって、ピストン23は圧縮室15内を往復運動する。ピストン23の往復運動により、冷却システム(図示せず)から冷媒ガスが圧縮室15内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムに吐き出される。
給油通路35の下端部は、シャフト10の回転によりポンプ作用をするようになっており、このポンプ作用により、密閉容器1の底部の潤滑油6は、給油通路35を通って、上方に汲み上げられる。給油通路35の上部に至った潤滑油6は、矢印Xに示したように、散油管36の上部から遠心力により密閉容器1内の全周方向へ水平に飛散し、その一部はピストンピン25やピストン23などに供給されて潤滑を行う。
また、小端穴部29の内壁は凸面状の球面部31となっているので、コンロッド26を上下にこじる力が生じても、球面部31の接触部分がずれることにより、ピストンピン25と小端穴部29との局所的なこじりを防ぐことができ、さらに、ピストンピン25と小端穴部29の摺動部に多量の潤滑油6を供給することができることになり、高信頼性化、および高効率化が達成される。
また、圧縮機構にレシプロ式を採用した密閉型圧縮機では、内径が円筒形の圧縮室15を形成するシリンダブロック14と、この圧縮室15内を往復運動する外径が円筒形のピストン23と、このピストン23に、ピストンピン25を介して、シャフト10の偏心軸部12を連結するコンロッド26とを備え、電動機部の回転子3の軸心にシャフト10を固定し、回転子3の回転により圧縮機構を作動させるものが知られている。
このような密閉型圧縮機では、圧縮室15の内径と往復運動するピストン23の外径とが摺動するための隙間が必要であり、この隙間が大きいものでは圧縮室15内で圧縮された高温、高圧の冷媒ガスが漏れるブローバイが発生して圧縮効率が低下し、この隙間を小さくすると摺動損失が増加して圧縮効率が低下する関係にある。
そこで、ピストン23が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成された圧縮室15を用いた密閉型圧縮機が提案されている。
図11(a),(b)は下記の特許文献2に開示された密閉型圧縮機の圧縮部の断面図であり、このうち、図11(a)はピストン23が下死点にある状態を、図11(b)はピストン23が上死点にある状態をそれぞれ示している。
図11(a),(b)において、シリンダブロック14に設けた圧縮室15内に往復動可能に挿設されたピストン23には、ピストンピン25を介して、コンロッド26が連結されている。そして、図示省略のシャフトの偏心軸部の偏心運動により、コンロッド26はピストン23を図11(a)に示す下死点位置と図12(b)に示す上死点位置とで往復するように駆動する。
コンロッド26から見て圧縮室15の反対側の端面に図示省略のバルブプレートが装着され、ピストン23、シリンダブロック14およびバルブプレートにより圧縮室15が形成されている。
圧縮室15は、ピストン23が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加するテーパ部17を持つように形成され、ピストン23は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。
この組み合わせにより、ピストン23が図11(a)に示す下死点位置から、冷媒ガスを圧縮する圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態までは、圧縮室15内の圧力はそれほど上昇しないので隙間は比較的大きくても潤滑油6によるシール効果で冷媒ガスの漏れであるブローバイはほとんど発生せず、ピストン23の摺動抵抗も小さい。
さらに圧縮行程が進み、圧縮室15内の冷媒ガスの圧力が次第に上昇してピストン23が図11(b)に示す上死点位置に近接する状態では、圧縮室15内の圧力は所定の吐出圧力まで上昇してブローバイが発生しやすい条件となるが、上死点側では隙間が小さくなることから潤滑油6によるシール効果が得られ、ブローバイの発生を低減することができる。
図12は下記の特許文献3に開示された冷媒圧縮が可能な圧縮部の断面図であり、図11(a),(b)と同一の要素には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
ここで、圧縮室15は、ピストン23が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加するテーパ部17と、上死点に近接するピストン23の圧縮室15側の端部に対応する位置に、長さLの区間だけ内径寸法が軸方向に一定に形成されたストレート部18とを持つように形成され、ピストン23は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。
この組み合わせにより、圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態までは、ブローバイはほとんど発生せず、ピストン23の摺動抵抗も小さくなり、さらに圧縮行程が進みピストン23が上死点位置に近接する状態では、全長にわたってテーパ部17を形成する場合よりも、ガス圧の増大に伴う冷媒ガスのガス漏れの発生を低減することができる。
特開平09−317644号公報 特開2002−89450号公報 特表平7−550833号公報
しかしながら、上述した従来の密閉型圧縮機においては、冷媒ガスを圧縮する圧縮荷重が作用したときに発生するピストン23と圧縮室15の内壁15aとの間のこじりを防ぐには不十分であった。
図10に示した要部の断面図を用いて、ピストン23と圧縮室15の内壁15aとの間にこじりが発生することを説明する。
図10に示したように、冷媒ガスの圧縮行程でピストン23に発生する圧縮荷重Fがコンロッド26を介して偏心軸部12に作用する。圧縮荷重Fが偏心軸部12に作用したとき、主軸部11と軸受部20との間にクリアランスが存在するため、シャフト10は軸受部20の軸心を基準として、軸受部20内で主軸部11が最大に傾斜し得る角度γは傾き、偏心軸部12も主軸部11の軸心を基準として角度Δγは傾くことになり、圧縮室15と軸受部20との間の軸心の相対角度も変化する。
そのため、ピストン23は、図10に示したように、その軸心が傾くことになる。
上述した従来の密閉型圧縮機は小端穴部29の内壁を凸面状にすることで、ピストン23の傾きを抑制するものの、ピストン23と圧縮室15の内壁15aとの間に発生するこじりを防ぐことはできなかった。
ピストン23と圧縮室15の内壁15aとの間に発生するこじりによって、ピストン23が圧縮室15の内壁15aと摺動する摺動面の一部、すなわち、図中pで示した上端面の縁の一部の面圧が局部的に増大する。このため、小端穴部29の内壁を凸面状にした従来の密閉型圧縮機であっても、ピストン23の摩耗が早まったり、摩耗量が大きくなったり、摺動損失が大きくなるという、解決しなければならない課題を有していた。
また、特許文献2および3に開示された従来の構成の圧縮部では、ピストン23が下死点位置に戻ったときでも、ピストン23の全体が圧縮室15の円筒形孔部16の内部に納まった状態にあるため、潤滑を必要とする円筒形孔部16とピストン23の間に潤滑油6が十分に供給され難いという課題を有していた。
さらに、ピストン23が上死点位置に近接して隙間が小さくなる状態で潤滑油6が押し出されてしまい、次に下死点位置で隙間が大きくなった際に隙間を封止する潤滑油6が不足するため、ブローバイの発生が抑え難くなるとともに、潤滑油6の不足により摺動抵抗が増大するという課題を有していた。
本発明は上記の課題を解決するもので、ピストンと圧縮室との間のこじりの発生を防止することによって、ピストンの摩耗を抑制するとともに、摺動損失を軽減し、より一層の高信頼性化と高効率化を達成することができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記の問題点を解決するもので、シリンダブロックとピストンとの間により多くの潤滑油が供給されるとともに、その潤滑油が良好に保持され、さらに、ピストンが上死点位置に近接した状態での摺動抵抗を軽減することにより、高効率化を達成することができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明は、シャフトの主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、圧縮室の内部に往復動可能に挿設され、ピン穴を有するピストンと、ピン穴に挿入固定されたピストンピンとを備え、ピストンの軸心を示す第1の中心線とピン穴の軸心を示す第2の中心線とのなす角度をαとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、下記(数1)で表されるαをピン穴の軸心の角度の設計値とし、軸受部と主軸部のクリアランスに基づく軸受部に対するシャフトの傾きの絶対値がγであるとき、βとγとが下記(数2)を満足する関係にあり、さらに圧縮室は、ピストンが上死点に位置するとき、ピストンの圧縮室側の上端部に対応する部位に形成され、内径寸法が軸方向に一定であるストレート部と、ストレート部に隣接してピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部とを有し、テーパ部にピストンの外周面が沿って摺動するときのピストンの軸心と圧縮室の軸心とのなす角度をδとしたとき、βとδとγが下記(数3)を満足する関係としたものであり、ピストンと圧縮室との間のこじりを防止するという作用を有するとともに、シリンダブロックとピストンとの間により多くの潤滑油が供給されるとともに、その潤滑油が良好に保持され、さらに、ピストンが上死点位置に近接した状態での摺動抵抗を軽減することができるという作用を有する。
本発明に係る密閉型圧縮機は、前記ピストンの軸心を示す第1の中心線とピン穴の軸心を示す第2の中心線とのなす角度をαとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、上記(数1)で表されるαをピン穴の軸心の角度の設計値とし、圧縮室のテーパ部にピストンの外周面が沿って摺動するときのピストンの軸心と圧縮室の軸心とのなす角度をδとしたとき、βとδとγが上記(数3)を満足する関係とすることで、設定した値βと値δの合計値を、軸受部と主軸部のクリアランスに基づく軸受部に対するシャフトの傾きの絶対値γと関連付けて実際の値に近づけるようにしたので、ピストンと圧縮室との間のこじりを防止することができ、これによって、ピストンの摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化を達成することができる。
また、上記密閉型圧縮機を搭載することによって、冷凍装置としても高効率化を達成することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容した密閉型圧縮機であって、前記圧縮要素は、前記電動要素によって回転駆動される主軸部および前記主軸部の一端に前記主軸部と一体運動するように形成された偏心軸部を有するシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、前記軸受部に対して、一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設され、ピン穴を有するピストンと、前記ピン穴に挿入固定されたピストンピンと、前記偏心軸部と前記ピストンピンとを連結し、大端穴部と小端穴部を有するコンロッドとを備え、前記ピストンの軸心を示す第1の中心線と前記ピン穴の軸心を示す第2の中心線とのなす角度をαとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、上記(数1)で表される前記αを前記ピン穴の軸心の角度の設計値とし、前記軸受部と前記主軸部のクリアランスに基づく前記軸受部に対する前記シャフトの傾きの絶対値がγであるとき、前記βと前記γとが上記(数2)を満足する関係にあり、さらに前記圧縮室は、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部を有し、前記テーパ部に前記ピストンの外周面が沿って摺動するときの前記ピストンの軸心と前記圧縮室の軸心とのなす角度をδとしたとき、前記βと前記δと前記γが上記(数3)を満足する関係としたもので、ピストンと圧縮室との間のこじりを防止することができ、これによって、ピストンの摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化とを達成することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ピストンが上死点に位置するとき、前記ピストンの圧縮室側の上端部に対応する位置にテーパ部に隣接して形成されたストレート部を有するもので、圧縮行程が進みピストンが上死点位置に近接する状態で、ガス圧の増大に伴う冷媒ガスのガス漏れの発生を低減することができるため、請求項1に記載の発明の効果に加えてより一層、高効率化を達成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、βとγとが下記(数4)を満足する関係にあるもので、ピストンと圧縮室との間のこじりをより確実に防止することができ、請求項1または2に記載の発明の効果に加えてより一層、ピストンの摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化とを達成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、βとδとが下記(数5)を
満足する関係にあるもので、ピストンと圧縮室との間のこじりをより確実に防止することができ、請求項3に記載の発明の効果に加えてより一層、ピストンの摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化とを達成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかの一項に記載の発明において、ピストンが下死点に位置するとき、少なくとも前記ピストンの一部がシリンダブロックから露出するように形成されているもので、ピストンが下死点近傍に位置するときのピストンと圧縮室との間のこじりを防止することができ、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、ピストンの摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化とを達成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、ピストンは、組み立てられるときに上下が判別できるように上下方向に非対称となるように形成されているもので、ピストンの上下方向の組み間違いを防止でき、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の効果を確実に達成することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかの一項の密閉型圧縮機を搭載したものであり、効率の高い冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における圧縮荷重が作用しないときの要部の拡大断面図、図3は、同実施の形態における圧縮荷重が作用するときの要部の拡大断面図、図4は同実施の形態におけるピストンとピン穴との位置関係を示す要部の断面図、図5は、同実施の形態における圧縮室近傍の要部の断面図であり、ピストンが下死点に位置する状態を示している。
なお、図1ないし図4では圧縮室は概要のみを示し、圧縮室の詳細形状については図5で示している。
また、図6は、同実施の形態に基づいて行った実験の結果を示す特性図であり、図7は、同実施の形態における圧縮室近傍の要部の断面図であり、ピストンがテーパ部に沿って摺動している状態を示している。
図1ないし図3において、密閉容器101内には、固定子102と回転子103とを備えた電動要素104と、電動要素104によって駆動される圧縮要素105とが収容され、さらに、密閉容器101内の底部に潤滑油106が貯留されている。
シャフト110は、主軸部111と、この主軸部111と一体運動するようにその一端に偏心して形成された偏心軸部112とを有し、このうち、主軸部111が回転子103の軸心に固定されている。シャフト110の内部や表面には給油通路113が設けられ、その下端部は、給油通路113に潤滑油106が所定の深さまで浸入するように延出している。
シリンダブロック114は、互いに一定の位置に固定されるように配置された略円筒形の圧縮室115と軸受部120とを備え、軸受部120は、シャフト110の主軸部111における偏心軸部112側の端部を軸支することによって片持ち軸受を形成している。
圧縮室115にはピストン123が往復動可能に挿設されている。ピストン123にはピン穴124が形成され、ピン穴124にピストンピン125が挿入されて固定されている。
ここで、ピストン123およびバルブプレート150と共に圧縮室115を形成するようにシリンダブロック114に設けられた円筒形孔部116は、図5に示すように、ピストン123が上死点に位置する側から、下死点に位置する側に向かって、内径寸法がDtからDb(>Dt)に増加するテーパ部117と、上死点に達したピストン123の圧縮室115側の端部に対応する位置に、長さLの区間だけ内径寸法が軸方向に一定であるストレート部118とを持つように形成され、ピストン123は、全長にわたって外径寸法が同一に形成されている。
シリンダブロック114には、図5に示すように、ピストン123が下死点に位置する状態で、このピストン123の反圧縮室115側が露出するように、円筒形孔部116の周壁の一部、すなわち上方壁部119が切り欠かれている。
コンロッド126は図2、図3に示すように、大端穴部128と、小端穴部129と、ロッド部130とで構成されており、大端穴部128は偏心軸部112に嵌装され、小端穴部129は、ピストンピン125を介して、ピストン123に連結され、これによって偏心軸部112とピストン123とが連結される。
本実施の形態1が図8ないし図12に示した従来の密閉型圧縮機と異なる点は、冷媒ガスを圧縮する圧縮荷重が作用したとき、シャフト110の傾きに起因してコンロッド126も傾くが、このコンロッド126の傾きに対応させて、ピン穴124の軸心を傾けて形成するとともに、さらに圧縮室115を形成する円筒形孔部116にテーパ部117を形成したことにある。
まず、ピン穴124の傾きの状態を、図2、図3を用いて説明する。圧縮荷重が作用しない場合に、圧縮室115の軸心Dに対して、ピン穴124の軸心を傾けて形成したピストン123の軸心Cの状態を図2の拡大断面図で示し、圧縮荷重が作用した場合に、圧縮室115の軸心Dとピストン123の軸心Cが合致するようになるピストン123の状態を図3の拡大断面図で示している。
ピン穴124の傾きについては、図4に示したように、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142とのなす角度αを、従来の密閉型圧縮機ではαは下記(数6)であるのに対して、本実施の形態では、あらかじめ設定した値をβとしたとき、αは上記(数1)としている。
次に、圧縮室115を形成する円筒形孔部116にテーパ部117とストレート部118を形成する構成を詳細に説明する。
テーパ部117にピストン123の外周面が沿って摺動するときのピストン123の軸心を示す第1の中心線141と、圧縮室115の軸心152とのなす角度をδとしたとき
、図5、図7に示すように、テーパ部117と圧縮室115の軸心152とのなす角度がδに相当する。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作、作用を説明する。
電動要素104の回転子103はシャフト110を回転させ、偏心軸部112の回転運動が、コンロッド126を介して、ピストン123に伝えられ、これによって、ピストン123は圧縮室115内を往復運動する。ピストン123の往復運動により、図示省略の冷却システムから冷媒ガスが圧縮室115内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムに吐き出される。
給油通路113の下端部は、シャフト110の回転によりポンプ作用をするようになっており、このポンプ作用により、密閉容器101の底部の潤滑油106は、給油通路113を通って、上方に汲み上げられ、密閉容器101内の全周方向へ水平に飛散し、ピストンピン125やピストン123などに供給されて潤滑を行う。
片持ち軸受では、冷媒ガスを圧縮するときの圧縮荷重を、シャフト110の偏心軸部112に対して片側の主軸部111のみで軸支するため、シャフト110は主軸部111と軸受部120のクリアランス内で傾く。
このため、軸受部120のクリアランス内で傾いたシャフト110の主軸部111の軸心144と、圧縮室115の軸心Dとの相対角度がπ/2[rad]よりも小さくなる。
このシャフト110の傾きによるピストン123の圧縮室115に対するこじりを防止するために、本実施の形態では、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142との相対角度をπ/2[rad]よりも僅かに大きくしている。
図3、図4において、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142との交点をOとし、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120の軸心145に対する主軸部111の軸心144の傾きの絶対値をγとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142との相対角度αが上記(数1)と下記(数7)を満たすようにピン穴124を形成している。
また、上述の通りシャフト110の傾きによるピストン123の圧縮室115に対するこじりを防止すると同時に、さらに、圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態まで摺動損失を低く抑え、ピストン123が上死点位置に近接する状態では、冷媒ガスの圧力増大に伴うガス漏れの発生を防止するために、本実施の形態では、圧縮室115を形成する円筒形孔部116に、ピストン123が上死点に位置するとき、ピストン123の圧縮室115側の上端部に対応する部位に形成され、内径寸法が軸方向に一定であるストレート部118と、ストレート部118に隣接してピストン123が上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部117とを備えている。
そして、そのテーパ部117にピストン123の外周面が沿って摺動するときのピスト
ン123の軸心を示す第1の中心線141と、圧縮室115の軸心152とのなす角度δに、上記あらかじめ設定した値βを加算した値は、下記(数8)を満たすようにピン穴124を形成している。
設定値βや、設定値βとテーパ部117の設定角度δを加算した値は、シャフト110の傾きの絶対値γに関係付ける具体的な値として実験値を採用することができる。図6はピン穴124の軸心の角度を変えたピストン123を用意し、これらのピストン123を組み込んだ密閉型圧縮機の効率を測定した結果である。
すなわち、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142のπ/2からの拡がり角度であるβとテーパ部117の角度δとの加算値(β+δ)をシャフト110の傾きの絶対値γで割った無次元数を横軸にとり、それぞれの角度に対する効率COPを縦軸にとって、各測定値を2次曲線で近似した特性図である。
ここで、横軸の値が0における効率は、従来の密閉型圧縮機でテーパ部117が無い仕様での平均値を示しており、本実験でのクリアランスによるシャフト110の傾きの絶対値γは約3.7×10−4[rad]であった。
図6より、(β+δ)/γの値が約1〜3.2の範囲(A)で効率が最も高くなり、(β+δ)/γの値が約0.3〜4の範囲(B)で、従来の密閉型圧縮機よりも効率が高くなることが分かる。
したがって、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度を上記(数1)で表されるαとしたとき、βとγとが上記(数2)を満足する関係とすることが好ましく、同時に、ピストン123の外周面がテーパ部117に沿って摺動するときのピストン123の軸心を示す第1の中心線141と圧縮室115の軸心152とのなす角度をδとしたとき、βとδとγが上記(数3)を満足する関係とすること好ましく、βとδとγが上記(数4)を満足する関係とすることが最適であると結論付けられる。
ここで、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度をπ/2[rad]よりも大きくする効果と、圧縮室115のコンロッド126側にテーパ部117を設ける効果について考察する。
まず、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度をπ/2[rad]よりも大きくする効果については、片持ち軸受で、冷媒ガスを圧縮するときの圧縮荷重により軸受部120のクリアランス内でのシャフト110の傾きにより、ピストン123の圧縮室115に対するこじりを防止することができると考えられる。
しかしながら、ピストン123が圧縮室115内を往復動する際に、ピストン123の外周面と圧縮室115の内周壁との摺動により、摺動損失は比較的大きいものとなってしまう。
このピストン123の外周面と圧縮室115の内周壁との摺動損失を低減するためには
、本発明の実施例では、圧縮室115の上死点側に、内径寸法が軸方向に一定であるストレート部118を設け、さらに圧縮室115のコンロッド126側に、上死点側から下死点側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部117を設けている。
これにより、圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態までは、ブローバイはほとんど発生せず、ピストン123の摺動抵抗(摺動損失)も小さくなり、さらに圧縮行程が進みピストン123が上死点位置に近接する状態では、全長にわたってテーパ部117を形成する場合よりも、ガス圧の増大に伴う冷媒ガスのガス漏れの発生を低減することができると考えられる。
ここで、圧縮行程においては、テーパ部117にピストン123の外周面が沿って摺動することがあると考えられ、図7の圧縮室近傍の要部の断面図に示すように、ピストン123の外周面が重力方向下方のテーパ部117に沿って摺動した場合、圧縮室の軸心152に対するピストン123の軸心を示す第1の中心線141の傾きは、(β+δ)になるため、値βだけでなく、テーパ部117の角度値δも考慮して、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γとの関係で最適化することができると考えられる。
また、テーパ部117の角度値δだけを考慮して、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γとの関係で設計しても、圧縮室115の上死点側に内径寸法が軸方向に一定であるストレート部118を設けた場合は、ストレート部118とピストン123との摺動においては、軸受部120に対するシャフト110の傾きに起因する、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを防止することはできない。
また、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度を従来の密閉型圧縮機と同様にπ/2[rad]としたまま、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γとの関係でテーパ部117の角度値δを設計した場合、テーパ部117の角度値δが大きいと、圧縮室115内でピストン123の挙動が不安定となって騒音が増大したり、ピストン123と圧縮室115間の潤滑油106の保持が不足して冷媒ガスの漏れが増大したりする可能性が高くなる。
逆に、テーパ部117の角度値δが小さいと、ピストン123の外周面と圧縮室115の内周壁との摺動損失を低減する効果が小さくなる。
したがって、軸受部120に対するシャフト110の傾きに起因する、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを防止するとともに、圧縮行程で上死点側に移行する途中の状態まではピストン123の摺動抵抗(摺動損失)を低減し、さらに圧縮行程が進みピストン123が上死点位置に近接する状態ではガス圧の増大に伴う冷媒ガスのガス漏れの発生を低減するためには、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度をπ/2[rad]よりも大きくするとともに、同時に圧縮室115のコンロッド126側にテーパ部117を設けることで、課題を補い合い相乗的な効果が得られると推察する。
そして、単に、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度をπ/2[rad]よりも大きくするとともに、圧縮室115のコンロッド126側にテーパ部117を設けるだけでは、お互いの有する課題を補い合うことはできず、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141に対するピン穴124の軸心を示す第2の中心線142の角度値αとテーパ部117の角度値δの
両者を考慮して、βとδとγが上記(数4)を満足する関係とし、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γと関連付けて実際の値に近づけるようにすることで、実現できるものであると結論付ける。
このとき、さらに、βとδとが上記(数5)を満足する関係とすることで、よりその効果が大きくなり、従来の密閉型圧縮機よりも一層信頼性が向上し、効率が高くなるとの実験結果を得ている。
以上のように、ピストン123の軸心を示す第1の中心線141とピン穴124の軸心を示す第2の中心線142とのなす角度をαとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、上記(数1)で表されるαをピン穴124の軸心の角度の設計値とし、圧縮室115のテーパ部にピストン123の外周面が沿って摺動するときのピストン123の軸心を示す第1の中心線141と圧縮室115の軸心とのなす角度をδとしたとき、βとδとγが上記(数3)を満足する関係とすることで、設定した値βと値δの合計値を、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γと関連付けて実際の値に近づけるようにしたので、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを防止することができ、これによって、ピストン123の摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化を達成することができる。
また、本実施の形態の片持ち軸受において、ピストン123が下死点に位置するとき、少なくともピストン123の一部がシリンダブロック114から露出するように形成されており、具体的には、ピストン123の軸方向の全長に対して1/3以上が露出するように形成されている。
吸入行程の後半や圧縮行程の初期などにおいて、ピストン123の端面123aに冷媒ガスの圧力に起因する圧縮荷重があまり作用しない際には、シャフト110は主軸部111と軸受部120のクリアランス内でさほど大きくは傾かないため、軸受部120の軸心を示す第1の中心線141と圧縮室115の軸心を示す第2の中心線142との相対角度をπ/2[rad]よりも僅かに大きくすることで、ピストン123と圧縮室115との間のこじりが大きくなり、摺動損失の増大が懸念される。
しかしながら、本実施の形態においては、ピストン123が下死点に位置するとき、少なくともピストン123の軸方向の全長に対して1/3以上が露出するように形成され、こじりが発生するピストン123の軸方向長さが短く形成されることで、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを抑制することができる。
したがって、ピストン123が下死点近傍に位置するときにおいても、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを防止することができ、これによって、ピストン123の摩耗低減による高信頼性化と、摺動損失軽減による高効率化とを達成することができる。
また、ピストン123は、組み立てられるときに上下が判別できるように上下方向に非対称となっている。具体的には、判別孔146がピストン123上部に形成されており、この判別孔146が上側になるように組み立てることで、ピストン123が上下反対に組み立てられることを防止できる。したがって、ピストン123と圧縮室115との間のこじりを防止する効果を確実に達成することができる。
なお、本発明の実施の形態においては、ピストン123が上死点に位置するとき、ピストン123の圧縮室115側の上端部に対応する圧縮室115の内周壁に形成され、内径寸法が軸方向に一定であるストレート部118を備えた例で説明したが、ストレート部118が無くテーパ部117だけを形成した場合でも、圧縮室115からの冷媒ガスの漏れ
が増大し効率が低下する傾向にあるものの、軸受部120と主軸部111のクリアランスに基づく軸受部120に対するシャフト110の傾きの絶対値γと関連付けて実際の値に近づけるように設計することは可能である。
以上のように、本発明に係る密閉型圧縮機は、高信頼性化と高効率化とを達成することが可能となるので、エアーコンディショナーや自動販売機等の冷凍サイクルを用いた機器に用いられる密閉型圧縮機にも幅広く適用することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における圧縮荷重が作用しないときの要部の拡大断面図 同実施の形態における圧縮荷重が作用するときの要部の拡大断面図 同実施の形態におけるピストンとピン穴との位置関係を示す要部の断面図 同実施の形態における圧縮室近傍の要部の断面図 同実施の形態に基づいて行った実験の結果を示す特性図 同実施の形態における圧縮室近傍の要部の断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 図8の要部の拡大断面図 図8の要部の断面図 他の従来の密閉型圧縮機の圧縮部の断面図 他の従来の密閉型圧縮機の圧縮部の断面図
101 密閉容器
104 電動要素
105 圧縮要素
110 シャフト
111 主軸部
112 偏心軸部
114 シリンダブロック
115 圧縮室
117 テーパ部
118 ストレート部
120 軸受部
123 ピストン
124 ピン孔
125 ピストンピン
126 コンロッド
128 大端穴部
129 小端穴部
141 第1の中心線
142 第2の中心線

Claims (7)

  1. 密閉容器内に電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容した密閉型圧縮機であって、前記圧縮要素は、前記電動要素によって回転駆動される主軸部および前記主軸部の一端に前記主軸部と一体運動するように形成された偏心軸部を有するシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支することによって片持ち軸受を形成する軸受部と、前記軸受部に対して、一定の位置に固定されるように配置され、略円筒形の圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設され、ピン穴を有するピストンと、前記ピン穴に挿入固定されたピストンピンと、前記偏心軸部と前記ピストンピンとを連結し、大端穴部と小端穴部を有するコンロッドとを備え、前記ピストンの軸心を示す第1の中心線と前記ピン穴の軸心を示す第2の中心線とのなす角度をαとし、あらかじめ設定した値をβとしたとき、下記(数1)で表される前記αを前記ピン穴の軸心の角度の設計値とし、前記軸受部と前記主軸部のクリアランスに基づく前記軸受部に対する前記シャフトの傾きの絶対値がγであるとき、前記βと前記γとが下記(数2)を満足する関係にあり、さらに前記圧縮室は、前記ピストンが上死点に位置する側から下死点に位置する側に向かって内径寸法が増大するように形成されたテーパ部を有し、前記テーパ部に前記ピストンの外周面が沿って摺動するときの前記ピストンの軸心と前記圧縮室の軸心とのなす角度をδとしたとき、前記βと前記δと前記γが下記(数3)を満足する関係にある密閉型圧縮機。
  2. ピストンが上死点に位置するとき、前記ピストンの圧縮室側の上端部に対応する位置にテーパ部に隣接して形成されたストレート部を有する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. βとδとγが下記(数4)を満足する関係にある請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. βとδとが下記(数5)を満足する関係にある請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. ピストンが下死点に位置するとき、少なくとも前記ピストンの一部がシリンダブロックから露出するように形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  6. ピストンは、組み立てられるときに上下が判別できるように上下方向に非対称となるように形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を搭載した冷凍装置。
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