JP2007197888A - 塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】資源を再利用して低コストで製造され、紙粉刷版汚れ、印刷白抜けが少なく、高耐水性でインク吸収性にも優れ、嵩高性を有し、不透明度に優れて裏抜けが少なく、例えばオフセット印刷に好適に使用し得る塗工紙を提供すること。
【解決手段】原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成され、バインダーがアニオン性、両性又はノニオン性であり、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該焼成工程において焼成凝集させた、塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において、その再生粒子凝集体の構成成分中に、酸化物換算で、CaとSiとAlとが20〜82:9〜40:8〜40の質量割合で含まれている再生粒子凝集体が、塗工剤用の顔料として塗工されたことを特徴とする塗工紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗工紙に関する。さらに詳しくは、古紙処理工程からの資源を再利用して原料とした顔料・填料を使用する塗工紙であり、例えば印刷用紙、出版用紙、書籍用紙等の塗工紙に関する。
近年の環境問題から、環境保護、資源保護、ゴミ減少を目的として、最近ではオフィスから発生する廃事務用紙をビル全体で回収しようとする動きも見られ、再生紙の利用が益々増加している。
また、省資源、輸送費の削減、原材料費の削減の観点から、塗工紙の軽量化が年々進んでいる。さらに、製紙工場では再生紙の生産比率の増加が進むとともに、生産効率向上のため、紙製造工程の生産スピードが益々高速化している。
塗工紙の分野においては、印刷機の高速化、多色化、印刷精度の向上にともない、高精細な見栄えのよい印刷仕上りが厳しく要求されるようになっている。塗工紙は、無機系顔料とバインダー(接着剤)を主成分とする塗工材料を紙の表面に塗布することにより、紙の繊維空隙による微細な凹凸を埋めて、きわめて滑らかな表面を形成することにより、オフセットもしくはグラビア印刷時に紙と版面が密着し、版面の印刷図柄を正確に紙に転移、受理し、非塗工紙に比べはるかに精密、美麗な印刷を可能にしている。
ところが、塗工後の仕上げ工程で塗工表面の平滑性を得る目的で金属ロールと弾性ロールの組合せからなるソフトカレンダーやスーパーキャレンダー等により平坦化処理されるため、支持体である紙が圧縮されて密度が上昇し、塗工紙全体としてのクッション性が失われ、印刷時の版面への密着性が損なわれるという基本的な問題を抱えている。
このような問題を改善するため、例えば特許文献1に示されるように、嵩高な複合繊維を用いて嵩高パルプシートを形成する技術が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の嵩高パルプシートは、古紙として再利用不可能な合成繊維を使用するものであり、再資源化に逆行するものである。
また、クッション性を確保する別の方法として、パルプ原料を余分に用い、いわゆる加斤によって坪量を増やし、紙の厚さを出してクッション性を確保する方法があるが、製造コストの上昇だけでなく物流コスト上昇の両面でコストアップとなり、かつ、貴重な資源の浪費にもつながる。
そこで、例えば特許文献2に示されるように、原料パルプ中に紙質向上剤として嵩高剤を混合する技術が提案されている。しかしながら、嵩高剤を高配合しなければ、嵩高の効果を充分に得ることができず、製造コストが高くなる、強度が低下する等の問題があった。
さらに塗工層に関して、質と量との両面から改善が試みられている。例えば、塗工層の白色度、不透明度を向上させるため、通常のカオリン、炭酸カルシウムに加えて酸化チタンを添加する場合があるが、生産コストの上昇が避けられない。また、このような塗工層は、基材と比較して一般的に密度が高く、このため、塗工層を有しない用紙と比較して、塗工紙は密度が高くなる、すなわち嵩が小さくなるという問題がある。
また、非特許文献1には、同様の目的で中空になった特殊高分子化合物を顔料として配合する方法も提案されており、白色度、不透明度を改善しながらクッション性の向上も図ることができる。しかしながら、この特殊高分子化合物自体が著しく高価であるという問題がある。
例えば特許文献3に示されるように、軽量化に伴う問題を高分子の樹脂塗工剤を用紙表面に塗布することで解決を図る技術が提案されている。しかしながら、高分子の樹脂塗工剤を塗工することでは、嵩高性を得ることが出来ず、高精細な見栄えの良い塗工紙を得るには不充分であった。
何れにしろ、例えば軽量化によるクッション性の低下や、インクの浸透性、光散乱性の低下に伴う印刷輪郭や画像が反対面から透けて見える現象、いわゆる裏抜けや、不透明度等の印刷適性の低下については、年々要求レベルが高くなってきている。
一方、製紙工場においては、近年の微細繊維の多い古紙パルプの高配合化と用紙の軽量化、抄紙機の高速化に伴うワイヤーパートでの急激なそして強制的な脱水により、微細繊維の歩留まりや灰分の歩留まりが極めて低い状況下になっており、各製紙工程から排出される排水・脱水スラッジ等の製紙スラッジが増加している。
さらに、古紙パルプを使用した再生紙の生産比率の増加と古紙パルプの高配合化により、多くの古紙パルプが必要となり、古紙の使用量が増大している。この新聞古紙や雑誌古紙をはじめとした古紙には、非塗工紙に使用された填料や塗工紙に使用された填料・顔料に由来する無機物が多く含まれているため、古紙処理工程からは、パルプ繊維と分離され、填料・顔料の無機物が多量に含まれた脱墨フロスの発生量が増大している。
これら填料・顔料の無機物を多量に含む古紙処理工程から排出される脱墨フロス、各製紙工程から排出される排水・脱水スラッジ等の製紙スラッジは、従来は燃焼し、減容化を図った上で、多くは埋立処分されてきた。しかしながら、前記背景技術により、環境保護、資源保護、ゴミ減少に貢献できる再生紙の品質を維持、向上しながら継続的に製造するためには、製紙工場にとって、この製紙スラッジの再資源化、有効利用は重大な課題となってきている。
前記製紙スラッジは、多量の無機物を含有するため、燃焼しても多量の燃焼灰(無機物)が残り、減容化の効果が低い。そこで、この燃焼灰をセメント原料や土壌改良材として活用する等の努力もなされているが、これらの方法において、燃焼灰は助剤として使用されており、多量に使用されるわけではないため、結局、大部分の燃焼灰は埋立処分されることになる。
燃焼灰を有効に活用する方法として、紙の内添填料として使用することも考えられるが、燃焼灰は白色度が低いため、そのままの状態では紙の内添填料として使用するのに適していない。
そこで、特許文献4には、燃焼灰(焼却灰)を再燃焼し、スラリー化及び湿式分散を行って白色度を向上させ、白色顔料とする方法が提案されている。
しかしながら、前記焼却灰を再燃焼する方法の場合、未燃焼カーボンを完全に燃焼させるためには、再燃焼温度を500〜900℃に設定する必要があり、しかも焼却灰の白色度は50%程度にまでしか向上せず、紙の填料・顔料としての使用に適したものではないことが知見された。また、再燃焼温度を900℃超に設定すると、燃焼灰(無機物)が焼結、溶融し、極めて硬くなることも知見された。さらに、再燃焼灰を紙の填料として使用した場合、この再燃焼灰は非常に硬い性質を有することから、抄紙ワイヤーの摩耗進行が早く、寿命が非常に短くなるため、実操業に使用することができなかった。
このような抄紙ワイヤーの摩耗については、再燃焼灰を粉砕し、その粒子径を小さくして摩耗の低減、平滑性の向上を図ることも考えられるが、例えば紙の内添填料として使用する場合には、抄紙時における歩留まりが低かったり、再燃焼灰自体が極めて硬いことから、粉砕のためのエネルギーコストが極めて高くなるといった問題がある。
また、製紙スラッジの利用方法として、特許文献5には、紙繊維からの有機物を含む含水の製紙工場廃棄スラッジを、酸素含有ガスを注入した反応器内に供給し、250〜300℃、3000psig(プサイグ)程度の加温加圧下で0.25〜5時間酸化して、該廃棄スラッジ中の無機物を製紙用の填料・顔料として再生する方法が提案されている。
しかしながら、前記方法は、製紙スラッジの湿式空気酸化処理によるものであることから、有機物除去が充分ではなく、また得られた顔料の白色度が低く、粒子径も不揃いで、製紙用の填料・顔料として使用するには不適切であり、しかも反応操作が複雑でコストが高いとう問題がある。
前記の他にも、特許文献6には、製紙スラッジをいぶし焼きしてPS炭とした後、さらにこれをキルンで焼却して製紙用の填料・顔料となる白土を生成させる方法が提案されている。
しかしながら、前記方法では製紙スラッジをいぶし焼きするため、製紙スラッジからエネルギーを有効に取り出すことができないばかりか、逆に投入エネルギーが必要になるという大きなデメリットがある。さらに、生成した白土も粒子径が不揃いで大きく、製紙用の填料・顔料としては使用することができないという問題がある。
またさらに、特許文献7には、排水に凝集剤を添加して造粒し、得られる成形汚泥をロータリーキルン内で連続して乾燥、炭化、焼成して製紙用の填料・顔料を製造する方法も提案されている。この方法において、焼成に先立って造粒、成形するのは、焼成を均一に行うためである。
ところが、例えば固形分濃度が40〜60%(換言すれば水分率が60〜40%)の成形汚泥をロータリーキルン内で連続して乾燥、炭化、焼成した場合、乾燥状態、炭化状態の如何にかかわらず、キルンの回転によって汚泥粒子の処理は強制的に進行する。したがって、乾燥が不充分であると粒子内部に未燃分が多く残留し、その結果、焼成が不完全となって白色度の低下が生じる。逆に過乾燥になると、焼成は完全であるが過焼成を招き、得られる再生粒子の硬度が高くなる。この再生粒子を使用すると、抄紙機でのワイヤー摩耗や紙を断裁する場合のカッター刃摩耗が生じ易くなるという問題を引き起こす。
またさらに、特許文献8には、有機物と白色無機粒子を含む混合物を酸素含有ガスの存在を制限した貧酸素状況下、温度1000℃以下の範囲で炭化処理する工程と、次に、該炭化処理して得た炭化物を温度450℃〜1000℃の範囲で酸化させるように制御した酸素含有ガスの存在下で脱炭素して、白色無機粒子の白色度を70%以上とする白化処理工程とを含むことを特徴とする処理方法、及びこの処理方法にて得られた白色無機粒子が記載されている。そしてこの白色無機粒子は、ペーパースラッジを処理して得られ、製紙用の内添用填料として使用可能であり、炭酸カルシウムとカオリンとを主要な構成材料とすることも特許文献8に記載されている。
特許文献8に記載の白色無機粒子は、各製造工程から発生した各種排水スラッジを集合させて処理した工場排水スラッジや微生物処理における余剰スラッジ(汚泥)といった、有機成分の含有量が多く品質変動が多い、単なるペーパースラッジを原料として得られるものであり、さらに特許文献8に記載の処理方法では、有機物と白色無機粒子を含む混合物を酸素含有ガスの存在を制限した貧酸素状況下で炭化処理して所望の白色度の白色無機粒子を調製するものであり、製紙スラッジからエネルギーを有効に取り出すことができないばかりか、逆に投入エネルギーが必要になるという大きなデメリットがある。さらに、生成した白土も粒子径が不揃いで大きく、製紙用の填料・顔料としては使用することができないという問題もある。
またさらに、特許文献9には、再生填料のさらなる利用促進として、再生粒子をカチオン化高分子凝集剤により架橋吸着させた凝集物を用いた填料内添紙が記載されている。しかしながら、このような架橋吸着による凝集物は、凝集させない場合に比較して歩留まりの向上にある程度寄与するとしても、紙料中に分散させる際に凝集構造が壊れ易く、所望の紙特性を担保することは困難なものと考えられる。
例えば前記特許文献4〜9に記載の、製紙スラッジを原料として紙の填料を製造する従来の方法の最も大きな問題点は、原料とする製紙スラッジには、抄紙工程でワイヤーを通過して流出したもの、パルプ化工程での洗浄過程で発生した固形分を含む排水から回収したもの、排水処理工程において、沈殿あるいは浮上等を利用した固形分分離装置によりその固形分を分離、回収したもの、古紙処理工程での混入異物除去したもの等の各種スラッジが混在している点である。
前記各種スラッジのうち、例えば抄紙工程でワイヤーを通過して流出したスラッジには、紙力剤等が混入しており、また抄紙工程における抄造物の変更によってスラッジの品質に変動が生じる。
また排水から回収したスラッジには、凝集剤が混入しており、さらに工場全体の抄造物、生産量の変動や生産設備の工程内洗浄等により、スラッジの品質に大きな変動が生じる。
パルプ化工程での洗浄過程から生じるスラッジには、紙用の填料・顔料に適さない物質が混入していたり、チップ水分やパルプ製造条件の変動により品質に変動が生じてしまう。
したがって、種々の製紙スラッジを無選別に用いて製紙用の填料・顔料を得ようとすると、その品質は低いものとなり、しかも品質の変動が極めて大きく、不安定なものとなる。
このように、従来の製紙スラッジを利用した方法は、いずれも単なる製紙用粒子の回収に終始し、これらの方法で得られる製紙スラッジからの再生粒子は、製紙用の顔料・填料としては品質が適さず、品質安定性に欠けるものであった。
本発明者らは、軽量化の要請により発現している嵩高性及び印刷適性の低下の問題解決と、古紙パルプ生産量の飛躍的な増加に伴い増加している脱墨フロスの処理方法について、鋭意研究を重ねた結果、脱墨フロスを原料に所定の成分構成からなる再生粒子凝集体を再生し、塗工紙用の顔料・填料として使用することで塗工紙の構成要素を再生原料で賄いながら、前記問題を解決し得る技術を見出した。
特開平3−269199号公報 特開平11−350380号公報 特開2005−307417号公報 特開平11−310732号公報 特公昭56−27638号公報 特開昭54−14367号公報 特開2004−176208号公報 特開2002−308619号公報 特開2003−119692号公報 紙パ技協誌(第53巻(4)、458〜463頁、1999年)
したがって、本発明の主たる課題は前記背景技術に鑑みてなされたものであり、古紙処理工程からの資源を再利用して原料とした顔料・填料を使用した塗工紙を提供することを目的とする。詳しくは、古紙処理工程からの資源である脱墨フロスを再利用して低コストで製造された再生粒子凝集体が、少なくとも塗工剤用の顔料として用いられ、嵩高性を有し、不透明度に優れて裏抜けが少なく、更には、手触り、紙めくり等の紙質や軽量性が付与されており、紙粉による刷版の汚れ、印刷白抜け等も少なく、しかも耐水性が高く、多頻度の湿し水に対しても用紙の湿潤や伸張が抑制され、例えばオフセット印刷等における印刷に好適に使用し得る再資源化に秀でた塗工紙を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成された塗工紙であって、
前記バインダーがアニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、
古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた再生粒子凝集体が、少なくとも前記塗工剤用の顔料として含有され、
塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において下記組成とする、前記再生粒子凝集体が塗工された、
ことを特徴とする塗工紙:
(組成)
前記塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において、前記再生粒子凝集体の粒子構成成分に、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、20〜82:9〜40:8〜40の質量割合で含まれている
塗工紙、及び
原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成された塗工紙であって、
前記バインダーがアニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、
古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた再生粒子凝集体の表面に、さらにシリカを析出させたシリカ被覆再生粒子凝集体が、少なくとも前記塗工剤用の顔料として含有され、
塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において下記組成とする、前記シリカ被覆再生粒子凝集体が塗工された、
ことを特徴とする塗工紙:
(組成)
前記塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において、前記シリカ被覆再生粒子凝集体の粒子構成成分に、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、30〜62:29〜55:9〜35の質量割合で含まれている
塗工紙
に関する。
本発明の塗工紙は、抄造時の灰分歩留まりが高く、ワイヤー摩耗等の抄紙設備の摩耗劣化や印刷設備汚れを殆ど起こすことなく、資源を再利用して低コストで製造され、嵩高性を有し、不透明度に優れて裏抜けが少なく、更には、優れた紙力が維持されて断紙が少ないだけでなく、紙粉による刷版の汚れ、印刷白抜け等も少なく、手触り、紙めくり等の紙質や軽量性が付与されており、しかも耐水性が高く、多頻度の湿し水に対しても用紙の湿潤や伸張が抑制され、インク吸収性にも優れ、高速オフセットカラー印刷等のオフセット印刷、特に高速オフセット印刷における高精細印刷に好適に使用し得るものである。
(第1の実施形態)
本発明の塗工紙は、前記したように、原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成されたものであり、該バインダーがアニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた、塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において後述の特定の組成とする再生粒子凝集体が、少なくとも塗工剤用の顔料として含有され、塗工されている。
まず、本実施形態に用いられる原紙を構成する原料パルプについて説明する。かかる原料パルプの種類には特に限定がなく、例えばディンキングパルプ(DIP)、ウェストパルプ(WP)等の、新聞古紙、雑誌古紙、模造・色上古紙、OA古紙、段ボール古紙等の古紙を原料とする古紙パルプや、例えばストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ;針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプや、これらを漂白したパルプ等があげられ、これらの中から1種または2種以上を選択して用いることができる。
本実施形態において、原料パルプ中の古紙パルプの割合を50〜100質量%とすることが、資源の有効利用に大きく寄与し、低コスト化を図ることができる点から好ましく、より省資源化及び低コスト化が実現され、しかもクッション性の維持や同一坪量比較においてより高い嵩高性を得ることができる点から、原料パルプ中の古紙パルプの割合を、さらには60〜100質量%、特に70〜100質量%とすることがより好ましい。
なお、原料パルプとして古紙パルプを50〜100質量%用い、填料として後述するように再生粒子凝集体が原紙に内添された場合には、紙の主要構成要素であるパルプ繊維、填料・顔料が、いずれも回収、再生、再利用されたものであることから、本発明よって提供することができる塗工紙を、従来の再生紙に対し、完全再生紙と定義する。
次に本実施形態に用いられる填料について説明する。かかる填料としては、例えば、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた、塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において後述の特定の組成とする再生粒子凝集体が、少なくとも原紙に用いられることが好ましい。
前記再生粒子凝集体を少なくとも填料として用い、例えば前記のごとき古紙パルプを50〜100質量%も含んだ原料パルプに内添した場合には、該再生粒子凝集体は、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを焼成して得られる循環使用が可能なものであるので、廃棄物としての埋立等の処分が不要であり、環境付加の低減と、省資源化に大きく貢献することができるという利点がある。また、原料が古紙処理工程で生じる脱墨フロスであるので、安価であり、新たな無機粒子の使用量を抑えることができ、製造コストが充分に削減されるという利点もある。さらにかかる再生粒子凝集体を用いることで、抄造時の灰分歩留まりが高く、ワイヤー摩耗等の抄紙設備の摩耗劣化や印刷設備汚れを殆ど起こすことなく、低コストで塗工紙を製造することができ、しかも従来と同等以上の優れた不透明度や紙力が塗工紙に付与され、裏抜け、断紙も少なくなるという利点もある。
本実施形態に用いられる再生粒子凝集体は、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られるものである。なおこれら4工程の他にも、後述するように、脱墨フロスの凝集工程、造粒工程、各工程間に設けられる分級工程等が設けられていてもよい。また該再生粒子凝集体の製造設備には、各種センサーを設け、被処理物や設備の状態、処理速度のコントロール等を行うことが望ましい。以下の具体的説明で示す移送流路、給送流路、排送流路、循環流路、返送流路等の各種流路は、例えば管、ダクト等で構成することができる。
以下に、古紙処理工程(古紙パルプの製造工程)から排出される脱墨フロスを原料とした、本発明に用いられる再生粒子凝集体の製造方法を例示する。該脱墨フロスは再生粒子凝集体の原料として最適な例であるが、該脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他の製紙スラッジを適宜併用することもできる。また、以下の方法は再生粒子凝集体の製造方法の一例であり、該方法のみに限定されるものではなく、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜変更することが可能である。
(1)原料
古紙パルプの製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産するために、使用する古紙の選定、選別が行われ、一定品質の古紙が使用されるので、存在する無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも、再生粒子凝集体の製造過程において未燃物の変動要因となるフィルム、シート等のプラスチック類が異物として古紙中に含まれていた場合でも、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去することができる。したがって、古紙パルプの製造工程から排出される脱墨フロスを原料とした場合、工場排水工程や製紙原料調整工程等、他の工程で発生するスラッジを原料とした場合と比べ、極めて安定した品質の再生粒子凝集体を製造することができる。
なお本明細書でいう脱墨フロスとは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程でパルプ繊維から分離されるものをいう。
(2)脱水工程
前記脱墨フロスの脱水は、例えばロータリースクリーン等の公知の脱水手段を適宜使用して行うことができる。該ロータリースクリーンにおいて、例えば水分率70〜90質量%に脱水した脱墨フロスは、例えばスクリュープレスにて、さらに水分率25〜45質量%に脱水することが好ましい。このように、脱墨フロスの脱水を多段工程で行って急激な脱水を避けると、無機物の流出を抑制することができ、脱墨フロスのフロックが硬くなりすぎる恐れがない。
脱水処理の際には、脱墨フロスを凝集させる凝集剤等の、脱水効率を向上させる助剤を添加してもよいが、この場合、凝集剤としては鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子凝集体の白色度が低下する恐れがある。
脱墨フロスの脱水工程設備は、再生粒子凝集体の製造工程設備の一部として設けられることが、生産効率の面で好ましいが、あらかじめ古紙パルプの製造工程設備に隣接して設け、脱水処理を行った脱墨フロスを搬送することも可能である。
(3)乾燥工程
脱墨フロスを脱水して得た脱水物は、例えばトラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送され、該定量供給機から乾燥手段に供給される。
前記乾燥手段は、例えば主に、脱水物が供給される乾燥容器と、該乾燥容器の底部に備えられ、供給された脱水物をかきあげる一対のロールと、該一対のロール相互間から上方に熱風を吹き上げる熱風吹上手段とからなる。また、熱風吹上手段は、乾燥容器の底部に給送流路が接続され、該給送流路を通して乾燥容器内に熱風が吹き込まれる構成となっている。
このように、本乾燥手段は、脱水物を、一対のロールという有形的な手段によって、強くかつ大まかにほぐし、これに加えて熱風という無形的な手段によって、弱くかつ精細にほぐすことにより、大きい・小さい、硬い・柔らかい等の様々な性質を有する脱水物の水分率の制御と粒揃えを安定的に行うことができる。
特に、乾燥容器内に供給する脱水物を、水分率25〜45質量%に脱水している場合は、熱風の温度を100〜200℃とすることが好ましく、120〜180℃とすることがより好ましく、130〜170℃とすることが特に好ましい。このように脱水物の水分率が25〜45質量%の場合には、100℃の熱風でも充分に乾燥することができる。他方、大きい・小さい、硬い・柔らかい等の様々な性質を有する脱水物の粒揃えが進行するよりも早く乾燥が進み、粒子表面の水分率と内部の水分率との差を小さく均一にすることが困難になるので、熱風の温度は200℃以下とすることが好ましい。
脱水物の乾燥は、焼成工程前(焼成工程入口)の乾燥物の水分率が2〜20質量%となるようにすることが好ましく、3〜15質量%となるようにすることがより好ましく、3〜10質量%となるようにすることが特に好ましい。脱水物を水分率が2質量%を下回る範囲まで乾燥すると、後の焼成工程において、過焼する恐れがある。他方、脱水物を水分率が20質量%を上回る範囲までしか乾燥しなければ、焼成を確実に行うことが困難になる恐れがある。
前記乾燥物の平均粒子径は400〜2000μmであることが好ましく、500〜1800μmであることがより好ましい。焼成工程前(焼成工程入口)の乾燥物の平均粒子径があまりにも小さい場合には、焼成時に焼成が進みすぎるため、焼成物が極めて硬くなる恐れがあり、逆にあまりにも大きい場合には、焼成物の芯の部分まで焼成が行き届きにくくなり、焼成物中に炭化物が残存しやすく、焼成物の白色度が高くならない恐れがある。
また前記乾燥物の粒揃えは、粒子径が355〜2000μmのものが70質量%以上となるように調整することが好ましく、72質量%以上となるように調整することがより好ましく、80質量%以上となるように調整することが特に好ましい。乾燥物を、粒子径が355〜2000μmのものが70質量%以上となるように製造すると、すなわち小径な粒子の乾燥物を除去すると、部分的な過焼が防止され、焼成がより均一になる。したがって、得られる再生粒子凝集体の品質を均一にするという観点における実用化の可能性高めることができる。さらに、このように乾燥後に分級すると、小径な粒子の乾燥物を確実に除去することができ、処理効率も向上する。
(4)焼成工程
サイクロン内を底部まで落下した乾燥物は、移送流路を通して、かつこの移送流路の途中に備わる排風ファンで勢いを増して、サイクロン式の第1焼成段階を構成する第1燃焼焼成炉に送られる。該第1燃焼焼成炉では、乾燥物を旋回落下させることで粒子の微細化を抑制し、また、この過程で焼成して未燃率を調整する(第1焼成工程)。
第1焼成工程での焼成は、未燃率が5〜30質量%となるように行うことが好ましく、7〜28質量%となるように行うことがより好ましく、7〜20質量%となるように行うことが特に好ましい。第1焼成工程での未燃率が5質量%未満では、焼成における粒子表面の過焼が生じて表面が硬くなると共に、内部の酸素不足が生じ、再生粒子凝集体の白色度が低下する恐れがある。他方、第1焼成工程での未燃率が30質量%を超えると、後の第2焼成工程での焼成後も未燃物が残る場合があり、さらには該未燃物が残るのを防止するために粒子表面が過焼するまで燃焼焼成してしまい、再生粒子凝集体の表面が硬くなる恐れがある。
第1燃焼焼成炉の形態には特に限定がないが、例えばサイクロン式であることが好ましい。該サイクロン式によると、前記のとおり、粒子の微細化を抑制することで未燃率をより均一かつ確実に調節することができる。
第1焼成工程で得た焼成物は、第2燃焼焼成炉に送られ、燃焼焼成される(第2焼成工程)。第2燃焼焼成炉としては、例えばロータリーキルン炉、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等、公知の装置を用いることができるが、本発明においては、温度変化が少ない環境下で、過大な物理的圧力を掛けることなく攪拌しながら満遍なく燃焼させることができるロータリーキルン炉が好ましい。
焼成温度は、510〜750℃の範囲であることが好ましい。第1焼成工程及び第2焼成工程での焼成は、第1燃焼焼成炉上端部の温度を510〜750℃とし、第2燃焼焼成炉内の温度を第1燃焼焼成炉上端部の温度よりも低い500〜700℃とすることが好ましく、第1燃焼焼成炉上端部の温度を550〜730℃とし、第2燃焼焼成炉内の温度を第1燃焼焼成炉上端部の温度よりも低い510〜680℃とすることがより好ましく、第1燃焼焼成炉上端部の温度を580〜700℃とし、第2燃焼焼成炉内の温度を第1燃焼焼成炉上端部の温度よりも低い550〜660℃とすることが特に好ましい。なお、第1燃焼焼成炉上端部の温度を600〜680℃とし、第2燃焼焼成炉内の温度を第1燃焼焼成炉上端部の温度よりも低い580〜650℃とすると、得られる再生粒子凝集体が顔料としてより好適なものとなる。このように、第2燃焼焼成炉内の温度を第1燃焼焼成炉上端部の温度よりも10〜50℃低くすることで、粒子表面の過焼を防止しながら、未燃物を燃焼させることができる。
焼成工程は、この工程内に空気を送風する手段及びこの工程内から空気を排気する手段の少なくともいずれか一方によって、焼成工程内酸素濃度が、0.05%以上に、好ましくは0.05〜20%に調節され、さらに好ましくは第1燃焼焼成炉内上端部で5〜15%、より好ましくは7〜13%に、第2燃焼焼成炉のバーナー近傍で10〜20%、より好ましくは12〜18%に調節される。焼成工程内酸素濃度が0.05%未満であると、焼成が進まず、ムラのある焼成が進むだけでなく、焼成に膨大な時間とエネルギーコストとが必要になる。他方、焼成工程内酸素濃度が20%を超えると、過焼しやすく、過焼ムラにより再生粒子が黄変化するととともに、再生粒子の溶融が多発し、再生粒子の分解や酸化が進み、製紙用填料、顔料としての活用が困難になる場合がある。また、本実施形態においては、焼成工程に供給される、乾燥・分級された脱墨フロス(乾燥物)の水分率が少なくとも2〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%に調節されているため、焼成工程内酸素濃度を0.05〜20%とすると、極めて効率よく焼成を進ませることができ、焼成を90分間以内で行うことが可能になり、極めて高い生産性を得ることができる。例えば、乾燥物の水分率を10質量%とすることで、焼成を約60分間で行うことができる。
この点、焼成工程内の酸素は、焼成させるためのバーナー等によって消費されて酸素濃度が低下するが、空気などの酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、酸素濃度を維持、調節可能であり、さらに酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、焼成工程内の温度を細かく調節可能になり、再生粒子をムラなく万遍に焼成することができる。
(5)粉砕工程
前記焼成後の粒子は、粉砕工程にて適宜必要な粒径に微細粒化し、該粉砕工程後に微細粒子を凝集させることなく、顔料として使用可能な再生粒子凝集体とすることができる。
例えば、焼成して得られた粒子を、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、又はアトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機を用いて粉砕し、目的とする再生粒子凝集体とすることができる。顔料としては、粒径が均一化、微細化されていることが好ましく、粒子径が1〜30μmである粒子割合が、80質量%以上であること、粒子径が40μm以上である粒子の割合が0.4質量%以下であることが好ましい。
(6)付帯工程
再生粒子凝集体について、さらなる品質の安定化を求める場合には、再生粒子凝集体の粒度を各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大粒子や微小粒子を前工程にフィードバックすることが望ましい。
また、乾燥工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロスを造粒することが好ましく、さらには造粒物の粒度を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大造粒粒子や微小造粒粒子を前工程にフィードバックすることで、より品質の安定化を図ることができる。なお造粒には、通常の造粒設備を使用することができ、例えば回転式、攪拌式、押出式等の設備が好適である。
さらに、再生粒子凝集体以外の異物を除去することが好ましく、例えば古紙パルプの製造工程において、脱墨工程の前段階のパルパーやスクリーン、クリーナー等で、砂、プラスチック異物、金属等を除去することが、除去効率の面で好ましい。特に鉄分は、酸化することによって再生粒子凝集体の白色度を低下させる恐れがあるので、鉄分の混入を避け、選択的に取り除くことが好ましい。各工程における設備を鉄以外の素材で設計又はライニングし、磨滅等により鉄分が系内に混入することを防止すると共に、乾燥・分級設備内等に磁石等の高磁性体を設置し選択的に鉄分を除去することが好ましい。
なお、前記乾燥工程や焼成工程、及び必要に応じて分級工程において、粉砕工程前にあらかじめ、粒子径が40μm以下の粒子が90質量%以上となるように処理しておくことが好ましい。これにより、通常行われている乾式粉砕による粗大粒子の粉砕及び湿式粉砕による微粒子化といった複数段の粉砕処理を行うことなく、湿式粉砕による一段粉砕処理も可能となる。またこれにより、レーザー粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計、日機装(株)製)による粒度分布の微分曲線における平均粒子径のピーク高さを30%以上とすることができる。さらには主原料である脱墨フロス中のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、あらかじめ、例えば後述する質量割合に調整することで、再生粒子凝集体の細孔容積を0.15〜0.60mL/g、細孔表面積を10〜25m2/g、細孔半径を30〜100nmとすることもでき、再生粒子凝集体の分散性や用紙表面の被覆性を向上させることができる。
さらに本実施形態においては、原紙に内添する再生粒子凝集体として、前記のごとき工程を経て得られた再生粒子凝集体の表面をシリカで被覆した、シリカ被覆再生粒子凝集体を特に好適に用いることができる。
前記再生粒子凝集体の表面にさらにシリカを析出させ、シリカ被覆再生粒子凝集体とすることで、循環使用における古紙処理工程において、水酸化ナトリウムと反応させて緩衝剤や漂白助剤として製紙用原料、無機粒子の循環使用にも寄与させることができる。またかかるシリカ被覆再生粒子凝集体を填料として原紙に内添した場合には、シリカで被覆していない再生粒子凝集体を用いた場合よりもさらに、紙の白色度、不透明度、表面強度、インク乾燥性、インク吸収ムラ、嵩高といった各効果を向上することができる。
なお、本実施形態に用いられる古紙処理工程にて生じる脱墨フロスは、近年の中性抄紙化に伴い、炭酸カルシウムの含有量が増加傾向にあり、得られる再生粒子凝集体中のカルシウムの割合も高くなる傾向がある。このようにカルシウムの割合が高い再生粒子凝集体を原紙に内添すると、紙の不透明度がやや低下する場合があるが、表面にシリカを析出させたシリカ被覆再生粒子凝集体は、製紙用途の再生粒子としての機能が非常に高く、該シリカ被覆再生粒子凝集体を原料パルプに内添して得られる紙の不透明度は、著しく向上する。
再生粒子凝集体の表面を被覆するシリカについては、天然に産出するシリカではなく、何らかの化学反応による合成シリカであれば特に制限なく使用することが可能である。具体的には、例えばコロイダルシリカ、シリカゲル、無水シリカ等があげられる。これらの合成シリカは、高比表面積、ガス吸着能の高さ、微細性、細孔への浸透力や吸着力の大きさ、付着性の高さ、高吸油性等の優れた特性を活かして、幅広い分野で利用されているものである。これらのうち、コロイダルシリカは、ケイ酸化合物から不純分を除去して無水ケイ酸ゾルとし、pH及び濃度を調整してゾルを安定化させた、球状、連鎖状、不定形等の形状を有する非晶質シリカである。シリカゲルは、ケイ酸ナトリウムを無機酸で分解することによって得られる含水ケイ酸である。また無水シリカは、四塩化ケイ素の加水分解によって得られるものである。
再生粒子凝集体の表面にシリカを析出させ、シリカ被覆再生粒子凝集体を得る方法には特に限定がないが、例えば以下の方法を好適に採用することができる。まず、再生粒子凝集体をケイ酸アルカリ溶液に添加、分散させ、スラリーを調製した後に加熱攪拌しながら、液温を70〜100℃程度、より好ましくは密閉容器内で所定の圧力に保持して酸を添加し、シリカゾルを生成させる。次いで最終反応液のpHを8〜11の範囲に調整することにより、再生粒子凝集体の表面にシリカを析出させることができる。このようにして再生粒子凝集体の表面に析出されるシリカは、ケイ酸アルカリ(例えばケイ酸ナトリウム:水ガラス)を原料として、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸の希釈液と高温下で反応し、加水分解反応とケイ酸の重合化により得られる、粒子径が10〜20nm程度のシリカゾル粒子である。
また、ケイ酸ナトリウム溶液等のケイ酸アルカリ溶液に希硫酸等の酸を添加することによって生成する、粒子径が数nm程度のシリカゾル微粒子を、再生粒子凝集体の多孔性を有する表面全体を被覆するように付着させ、該シリカゾル微粒子の結晶成長に伴う、無機微粒子表面上のシリカゾル微粒子と再生粒子凝集体に包含されるケイ素やカルシウム、アルミニウムとの間で生じる結合により、再生粒子の表面にシリカを析出させることもできる。この場合、ケイ酸アルカリ溶液に酸を添加する際のpHは、中性〜弱アルカリ性の範囲とし、好ましくはpHを8〜11の範囲に調整する。これは、pHが7未満の酸性条件になるまで酸を添加してしまうと、シリカゾル粒子ではなくホワイトカーボンが生成する恐れが生じるからである。
なお、前記ケイ酸アルカリ溶液の種類には特に限定がないが、入手が容易である点からケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス)が特に望ましい。かかるケイ酸アルカリ溶液の濃度としては、再生粒子凝集体中のシリカ成分が低下し、再生粒子凝集体の表面にシリカが析出し難くならないようにするには、溶液中のケイ酸分(SiO2換算)が3質量%以上であることが好ましく、再生粒子凝集体の表面に析出されるシリカが、シリカゾルの形態からホワイトカーボンになり、再生粒子凝集体の多孔性が阻害され、不透明度や印刷インクの定着性の向上効果が、また電子写真印刷においてはトナー定着性の向上効果が不充分になる恐れをなくすには、かかるケイ酸分が10質量%以下であることが好ましい。
このように、本実施形態に用いられる再生粒子凝集体は、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを含有している。塗工紙表面のX線マイクロアナライザー(型番:E−MAX・S−2150、(株)日立製作所/(株)堀場製作所製)による元素分析において、該再生粒子凝集体の粒子構成成分には、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、20〜82:9〜40:8〜40の質量割合で含まれており、該質量割合は、30〜82:9〜35:9〜35、さらには40〜82:9〜30:9〜30、特に60〜82:9〜20:9〜20であることが好ましい。
また、特に再生粒子凝集体がシリカ被覆再生粒子凝集体である場合には、前記X線マイクロアナライザーによる元素分析において、該シリカ被覆再生粒子凝集体の粒子構成成分には、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、30〜62:29〜55:9〜35の質量割合で含まれており、該質量割合は、35〜60:31〜50:9〜30、さらには40〜55:35〜50:9〜25であることが好ましい。
また、前記再生粒子凝集体及びシリカ被覆再生粒子凝集体において、酸化物換算のカルシウムとケイ素とアルミニウムと合計含有割合は、再生粒子凝集体の構成成分中の90質量%以上、さらには93質量%以上であることが好ましい。
本発明に用いられる再生粒子凝集体(以下、シリカ被覆再生粒子凝集体を含む概念として記載する)は、ケイ素を含むところ、ケイ素からなるシリカの粒子は微細なので、光学的屈折率が高い。したがって、例えばケイ素が酸化物換算で前記質量割合以上含有されている再生粒子凝集体を填料として原紙に内添した塗工紙は、不透明度が特に高い。また、本発明に用いられる再生粒子凝集体は、アルミニウムを酸化物換算で前記質量割合以上含む。このアルミニウムは、クレー中のアルミニウムや、抄紙工程における助剤として添加される3価の硫酸アルミニウム・18水和物、不純物としてタルクに含有されるアルミニウムを主たる由来源としており、アニオン性を示す従来の無機填料と比べ、アニオン性のパルプ繊維との結合力がより向上し、歩留り、薬品定着性がさらに向上する。他方、該再生粒子凝集体において、アルミニウムが酸化物換算で前記質量割合以下の場合、過剰なカチオン性によるショックを生じさせる恐れがなく、パルプ懸濁液中(パルプスラリー中)におけるさらに安定した分散性を得ることができる。
このように、例えばカルシウムが酸化物換算で前記質量割合以上含有された再生粒子凝集体を填料として原紙に内添した場合には、特に得られる塗工紙の白色度を向上させることができる。
再生粒子凝集体の粒子構成成分中のカルシウムとケイ素とアルミニウムとの質量割合を、酸化物換算で前記範囲内に調整するには、本来、脱墨フロスにおける原料構成を調整することが好ましいが、乾燥工程や焼成工程、さらには必要に応じて分級工程において、由来が明確な塗工フロスや調整工程フロスをスプレー等で含有させる方法や、焼却炉スクラバー石灰を含有させる方法を採用することも可能である。
例えば、再生粒子凝集体中のカルシウムの調整には中性抄紙系の排水スラッジや、塗工紙製造工程の排水スラッジを、ケイ素の調整には不透明度向上剤として多量添加されている塗工紙製造系の排水スラッジを、アルミニウムの調整には酸性抄紙系等の硫酸バンドが使用された抄紙系の排水スラッジや、クレーの使用量が多い上質紙抄造工程の排水スラッジを適宜用いることができる。
また再生粒子凝集体において、カルシウムとケイ素とアルミニウムとの合計含有割合を酸化物換算で90質量%以上に調整するには、例えば排水スラッジの凝集処理に鉄分を含有しない凝集剤を使用する手段、製造設備工程を鉄以外の素材で設計又はライニングし、摩滅等により鉄分が系内に混入するのを防止したり、さらには乾燥・分級設備内に磁石等の高い磁性体を設置して鉄分を除去する手段等を採用することが可能である。特に鉄分は、酸化により白色度を低下させる起因物質になるため、選択的に除去することが好ましい。
ところで、炭酸カルシウムには、六方結晶系のカルサイト結晶(方解石)や、斜方結晶系のアラゴナイト結晶(あられ石)等の同質異像が存在する。天然に産する石灰石はその殆どがカルサイト結晶であり、貝殻類にはカルサイト結晶のほか、アラゴナイト結晶も存在する。さらに炭酸カルシウムには、天然ではないが、バテライト結晶も存在する。前記脱墨フロスから得られるカルシウムは多種多様であるが、焼成凝集化することでほぼ均一の炭酸カルシウム性状となる。したがって、かかるカルシウムは再生粒子凝集体そのものの品質安定性に寄与し、該再生粒子凝集体は、カルシウム、ケイ素、アルミニウムといった異なる成分で構成される凝集体でありながら、安定した性状を示す。
また再生粒子凝集体にはケイ素が含まれるが、該ケイ素からなるシリカの1次粒子は微細であるので、光学的屈折率が高い。したがって、例えばケイ素が酸化物換算で前記質量割合以上含有された再生粒子凝集体を填料として原紙に内添した場合には、特に得られる塗工紙の不透明度を向上させることができる。
さらに本実施形態に用いられる再生粒子凝集体は、柔軟かつポーラスな性状を有するので、嵩高な紙層形成に寄与し、該再生粒子凝集体を填料として原紙に内添して得られる塗工紙は、密度が低く、取りまわしが良好な剛度を有する。
本実施形態に用いられる再生粒子凝集体の粒子径は、例えば粒子が凝集した粒子として、原料パルプ中への歩留まりや再生粒子凝集体の白水中への流失防止という点から、そのメタノール分散溶液をレーザー粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計、日機装(株)製)にて測定して、平均粒子径が0.05μm以上、さらには0.1μm以上であることが好ましく、また印刷適性の維持と搬送性という点から、平均粒子径が16μm以下、さらには15μm以下であることが好ましい。
前記再生粒子凝集体の含有量があまりにも少ない場合には、例えば抄紙機でのカレンダー処理において、平滑化の効果が発現されにくくなり、塗工紙の不透明性が低下して印刷後の不透明度が低下したり、塗工紙の剛直度が高くなり、輪転機上での走行性が低下する恐れがあるので、原料パルプに対して4質量%以上、さらには5質量%以上であることが好ましい。逆に再生粒子凝集体の含有量があまりにも多い場合には、表面性や剛度の点では望ましいものの、印刷機内での搬送に伴って灰分が脱落し易くなり、表面強度の低下や、剥け・ケバ立ち、印刷白抜け、紙粉が発生する恐れがあるので、原料パルプに対して35質量%以下、さらには20質量%以下であることが好ましい。
本実施形態において、填料として前記再生粒子凝集体を単独で用いることもできるが、この他に、内添用填料として通常使用される、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、デラミネーテッドクレー等のクレー、二酸化チタン、合成シリカ、水酸化アルミニウム等の無機填料、ポリスチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の合成高分子微粒子等から選ばれた少なくとも1種の填料を併用することもできる。
なお再生粒子凝集体を含む填料の添加率があまりにも少ない場合には、填料を用いる効果が充分に発現されず、逆にあまりにも多い場合には、紙力が低下する恐れがあるので、該填料は、塗工紙原紙中に紙灰分として5〜15%、さらには7〜15%含まれることが好ましく、後述する塗工層を含めた塗工紙灰分としては、JIS P 8251に記載の「灰分試験方法」に準拠した、灰化温度が525℃での灰分について、5〜40%、さらには18〜35%含まれることが好ましい。塗工層を含めた塗工紙灰分において、灰分が5%未満では、平滑性が得られにくく、不透明度が低くなる恐れがある。また逆に40%を超えると、塗工紙強度の低下が顕著になり、断紙が発生するとともに、密度が上昇して捲り難く、作業性が低下する恐れがある。
また原料パルプ及び填料から得られた紙料スラリーに添加する添加剤としては、通常の紙に配合されるものを用いることができ、例えば澱粉類、植物性ガム、水性セルロース誘導体、ケイ酸ソーダ等の紙力増強剤;ロジン、澱粉、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無水コハク酸)、中性ロジン等の内添サイズ剤;ポリアクリルアミドやその共重合体、ケイ酸ナトリウム等の歩留まり向上剤があげられる。
かくして紙料スラリー及び必要に応じて添加剤から調製された紙料を、公知の抄紙機にて抄造して原紙とすることができる。なおかかる抄造の際のpHは、例えば填料に炭酸カルシウムが含まれている場合、該炭酸カルシウムが溶解して歩留まりが低下したり、抄紙工程の汚れの原因になる恐れをなくすほか、古紙パルプを、例えば原料パルプ全量の50〜100質量%のように多量に配合した場合の、抄紙系の高pH化による安定性やpH調整という点から、6〜9.5程度となるように調整することが好ましい。pHが6未満であると、炭酸カルシウムの分解、溶出が生じ、二酸化炭素ガスの発生や抄紙機系内汚損等が生じる恐れがある。逆にpHが9.5を超えると、他の助剤の効果が発現され難く、耐水効果の低下や、塗工液が凝固する恐れがある。
また再生粒子凝集体の添加は、従来のいずれの段階でも行うことが可能であるが、原料配合チェストからインレットの間で行うことが好ましい。この間に添加することにより、再生粒子凝集体が分散し易くなり、パルプ繊維への定着性が向上し、その結果、填料の歩留まりが向上する。また再生粒子凝集体がパルプ繊維間の結合を阻害しないので、紙の剛度が低下することもない。再生粒子凝集体をより均一に分散させ、パルプ繊維への定着性を向上させるためには、できる限りインレットの近傍工程で該再生粒子凝集体を添加することが特に好ましい。
次に、原紙の少なくとも片面に塗工層を形成するための塗工剤について説明する。本実施形態に用いられる塗工剤は、顔料とバインダーとを主成分とするものである。
前記塗工剤用の顔料として、本実施形態においては、前記原紙の主構成原料である填料として好適に用いられるものと同様の、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた、塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において前記特定の組成とする再生粒子凝集体が、少なくとも用いられる。
このように特定の再生粒子凝集体が塗工層を形成する塗工剤用の顔料として少なくとも用いられることが、本実施形態の大きな特徴の1つである。該再生粒子凝集体は、前記したように、循環使用が可能なものであるので、環境付加の低減と省資源化に大きく貢献し、安価であり、顔料として新たな無機粒子の使用量を抑えることができ、製造コストが充分に削減されるという利点がある。さらにかかる再生粒子凝集体を顔料として用いることで、優れた不透明度や紙力が塗工紙に付与され、裏抜け、断紙が少なくなる他、耐水性や印刷面の鮮明性に優れた塗工紙を得ることができる。
前記顔料としての再生粒子凝集体は、原紙の主構成原料である填料として用いられるものと同様の再生粒子凝集体であり、また塗工紙の耐水性や印刷面の鮮明性がさらに向上するという点から、填料としての再生粒子凝集体の場合と同様に、顔料としても、その表面をシリカで被覆した、シリカ被覆再生粒子凝集体を特に好適に用いることができる。
なお本実施形態では、原紙に内添する填料として、少なくとも前記特定の再生粒子凝集体を用いることが好ましく、塗工剤の主成分である顔料としても、少なくとも前記特定の再生粒子凝集体が用いられるが、一塗工紙を得る際に、填料である再生粒子凝集体と、顔料である再生粒子凝集体とは、全く同一のものであってもよく、各々異なる組成のものであってもよく、目的とする塗工紙が得られる限り特に限定はない。
再生粒子凝集体は、耐水性、湿し水に対する用紙の湿潤や伸張の抑制、印刷面の鮮明性等の特性がより向上するという点から、顔料中に25質量%以上、さらには30質量%以上の割合で配合されることが好ましく、100質量%使用することも可能である。
本実施形態における顔料としては、前記特定の再生粒子の他にも、例えば、カオリンクレー、デラミネーテッドクレー等の高アスペクトクレーといった、例えばアスペクト比が20以上の高アスペクト顔料、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成非晶質シリカ(ホワイトカーボン)、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等の無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料といった、一般に塗工剤に配合される顔料の中から、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
なお、前記特定の再生粒子凝集体と共に他の顔料を塗工剤用の顔料として用い、塗工層を形成する場合には、該塗工層中の再生粒子凝集体の平均粒子径は、前記したように、0.05〜16μmの範囲内に設定されていることが好ましい。さらに、塗工層中の再生粒子凝集体の平均粒子径が、該塗工層中の他の顔料の平均粒子径よりも小さくなるように設定されている場合には、比較的柔軟な再生粒子凝集体が塗工層中の他の顔料の形状と平坦に組み合わされ、顔料に由来する塗工層表面の凹凸やうねりが小さくなり、塗工層表面が充分に平坦化されるという利点がある。
さらに本実施形態においては、前記顔料と共に、バインダーが主成分として塗工剤に配合される。
本実施形態に用いられるバインダーは、アニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、例えばスチレン・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス;エチレン・酢酸ビニル重合体等のビニル系重合体ラテックス;これら各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性又はアルカリ非溶解性の重合体ラテックスといったラテックス類があげられるが、これらの中でもスチレン・ブタジエンラテックスを特に好適に用いることができる。
アニオン性バインダーとしては、例えば日本エイアンドエル(株)製、JSR(株)製、旭化成ケミカルズ(株)製の代表的なスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス等があげられる。また両性バインダーとしては、例えば三井サイアナミド(株)製のアコスターC122(商品名)、日本ゼオン(株)製のNipol LX407BP(商品名)等があげられる。またノニオン性バインダーとしては、例えばクラリアント社製のモビニール730(商品名)、第一工業製薬(株)製のスーパーフレックスE−4500やスーパーフレックスR−5000(いずれも商品名)等があげられる。
また、バインダーとして近年利用が進んでいる澱粉やカゼインが有する機能をラテックスに持たせ、ラテックス単独バインダー系としたソールバインダーラテックスも好適に使用することができる。
また各種スチレン・ブタジエンラテックスの中でも、単量体成分としてのアクリロニトリルを含んでいないか、含んでいたとしても10質量%以下に設定されたラテックスであって、ガラス転移温度(以下、Tgともいう)が−30〜0℃、平均粒子径が100〜170nmで、かつゲル含有量が80〜90%であるものが特に好ましい。
スチレン・ブタジエンラテックスの、単量体成分としてのアクリロニトリルについては次のことがいえる。アクリロニトリルを単量体成分として多く含むラテックスは、表面処理工程において黄変しやすく、また経時においても黄変しやすいことから、耐候性に難点があり、最終製品である塗工紙において色調ばらつきを発生させてしまう傾向があるため、アクリロニトリルが含まれていないか、その含有量が少ないラテックスが好ましい。ただし、ラテックスに単量体成分としてのアクリロニトリルが含まれている場合には、塗工剤中のラテックス配合量を低減しつつ、例えば印刷用紙としての塗工紙に必要な表面硬度を付与することができ、しかも印刷光沢度がさらに向上するという利点があることから、例えば10質量%以下の少量で含まれていてもよい。これらを考慮すると、アクリロニトリル含有量が1〜10質量%、さらには3〜8質量%に設定されているラテックスが特に好適に用いられる。なお、このような所定のラテックスは、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸、ブチルアクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリル酸、酢酸ビニル等の単量体成分を適宜配合して重合させることにより製造することができる。
また、スチレン・ブタジエンラテックスのTgが−30〜0℃の範囲内であることが好適な理由は次のとおりである。すなわち、ラテックスのTgが0℃を超えると、耐べたつき性が悪化し、操業性が低下してしまう傾向がある。より詳しく説明すると、単量体成分としてのアクリロニトリル含有量が多い場合には、Tgが高く設定されていても耐べたつき性の悪化を抑制することが可能であるが、前記したように、アクリロニトリル非含有又はアクリロニトリル少量含有のラテックスが好ましく、このようなラテックスでは、Tgを低く設定しなければ耐べたつき性の悪化を抑制することが困難である。一方、ラテックスのTgを−30℃よりも低くしたとしても、−30℃の場合と比較して耐べたつき性の向上効果には殆ど差異がみられない。なおラテックスのTgは、温度20℃、相対湿度65%の条件下でラテックスフィルムを作製し、その20mgを、示差走査熱量測定装置(DSC)で昇温速度5℃/分、測定温度0〜100℃で得られる特性曲線から求めることができる。
また、スチレン・ブタジエンラテックスの平均粒子径が100〜170nmの範囲内であることが好適な理由は次のとおりである。すなわち、平均粒子径が100nm未満であると、塗工性が低下して被覆性が悪化する傾向があり、逆に平均粒子径が170nmを超えると、充分な接着強度や表面強度が得られず、耐べたつき性が悪化してしまう傾向がある。換言すれば、平均粒子径が上記範囲内であるラテックスを用いた場合には、例えば印刷用紙としての塗工紙に必要な接着強度及び表面強度が得られると共に、良好な塗工性を確保することができるという利点がある。なお、ラテックスの平均粒子径は、濃度が0.05〜0.2%となるように希釈した試料の、波長525nmにおける吸光度を測定し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いて測定することができる。
さらに、スチレン・ブタジエンラテックスのゲル含有量が80〜90%の範囲内であることが好適な理由は次のとおりである。すなわち、ゲル含有量が80%未満であると、表面強度不足で操業性の悪化を招来する傾向があり、一方、ゲル含有量を90%よりも高くしても、90%の場合と比較して耐べたつき性の向上効果に殆ど差異がみられない。そして、該ゲル含有量は接着強度の指標であり、80〜90%という高い範囲内に設定することによって、表面強度を付与する効果があるアクリロニトリルが、前記のごとく非含有あるいは少量含有であっても、例えば印刷用紙としての塗工紙に必要な表面強度を確保することが可能になる。なお、ゲル含有量は、下記の数式(1)にて算出される値である。
ゲル含有量(%)=(乾燥フィルム重量−トルエン可溶分重量)×100
/乾燥フィルム重量 ・・・(1)
乾燥フィルム重量:ラテックス約0.3gをスライドグラス上に薄く広げ、50℃の乾燥 機でフィルムとなるまで乾燥させて得た乾燥フィルムの重量
トルエン可溶分重量:得られた乾燥フィルムを約50mlのトルエン中に一昼夜浸漬し、 ガラスフィルターでろ過し、ろ物とろ液とに分離した後、このろ液 を105℃の乾燥機で乾燥し、トルエン可溶分の重量を測定した値
塗工剤における顔料とバインダーとの配合割合は、顔料100質量部に対してバインダーが5質量部以上、さらには8質量部以上となるように設定されていることが好ましく、また15質量部以下、さらには10質量部以下となるように設定されていることが好ましい。バインダーの配合量が少なすぎる場合には、原紙に対する塗工剤の付着性不充分となる傾向や、例えば印刷用紙としての塗工紙に必要とされる接着強度や表面強度が不充分となり、印刷時にピッキングトラブル(塗工層の剥離)が起こり易くなる傾向がある。逆にバインダーの配合量が多すぎる場合には、顔料として前記特定の再生粒子凝集体を用いた効果が充分に発現され難くなる傾向や、塗工剤中のアクリロニトリルの絶対量が多くなって、耐候性が悪化したり、製造コストが上昇する傾向がある。換言すれば、顔料に対するバインダーの配合割合を前記範囲内に設定することにより、原紙と塗工層との接着性が良好であり、必要最小限の接着強度及び表面強度を確保しつつ、耐候性に優れる他、優れた不透明度や紙力が付与され、裏抜け、断紙が少なく、耐水性や印刷面の鮮明性にも優れた塗工紙を得ることができる。
なお本実施形態に用いられる塗工剤は、顔料とバインダーとを主成分とするものであり、これら顔料及びバインダーは塗工剤中に通常80質量%程度以上含有されていることが好ましい。
さらに本実施形態においては、例えば酸化澱粉、変性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、カルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;ポリビニルアルコール等の合成樹脂接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類といった水溶性接着剤等の接着剤や、澱粉類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の高分子材料を成分とする表面処理剤や、消泡剤、耐水化剤、表面サイズ剤、防腐剤等の各種助剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で塗工剤に適宜配合することができる。
塗工剤を調製する方法には特に限定がなく、顔料及びバインダーや、必要に応じて接着剤、表面処理剤、各種助剤等の配合割合を適宜調整し、適切な温度にて均一な組成となるように撹拌混合すればよい。また塗工剤の固形分濃度は特に限定されるものではなく、塗布装置や塗布量に応じて、例えば2〜25質量%程度に調整することが好ましい。
前記塗工剤を原紙の少なくとも片面に、好ましくは両面に塗布して塗工層を形成する。塗布に用いられる塗工装置には特に限定がなく、例えば2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター等を適宜使用することができる。これらのなかでは、ゲートロールコーターを特に好適に用いることができる。なお塗工層を形成する際に、フィルムトランスファー方式を採用し、部分的に原紙を構成する原料パルプの繊維ができる限り露呈しないようにすることが好ましく、微量の塗工層形成においてフィルムトランスファー方式を採用することで、用紙表面の突出の影響を受けることなく広範囲にわたって均一な塗工層による印刷面被覆を達成することができるという利点がある。
例えば坪量が38〜68g/m2程度の塗工紙においては、塗工層を形成する際の塗工剤の塗工量は、塗工層に充分な表面強度を付与するためには、原紙の片面あたりで、固形分で4g/m2以上、さらには5g/m2以上とすることが好ましい。さらに、ブランケットへの貼り付き、断紙等のトラブルが生じないようにするためには、塗工剤の塗工量は、原紙の両面あたりで、固形分で20g/m2以下、さらには18g/m2以下とすることが好ましい。なお、詳細は記載しないが、片面32g/m2の高塗工量の塗工紙や、片面50g/m2の塗工白板紙も製造可能である。
また塗工剤を原紙に塗布する塗工速度は、原紙の両面に所望の塗工層が形成される限り特に限定がなく、通常の塗工紙を製造する際の抄紙速度程度であればよい。
本実施形態において、例えば前記塗工装置を用い、原紙の両面に前記塗布量で塗工剤を塗布した後、乾燥させて塗工層を形成させるが、必要に応じて、その表面に平坦化処理を施して製品仕上げを行うことができる。
前記平坦化処理の際には、通常カレンダーが使用されるが、該カレンダーとしては、通常の金属ロール/金属ロールの組み合わせによるマシンカレンダーよりも、金属ロール/樹脂ロールの組み合わせによるソフトカレンダーを使用するほうが、紙層を強く加圧せずに平滑化することができ、さらに紙層強度の低下を充分に抑制することができるのでより好ましい。
平坦化処理は、例えば得られる塗工紙のオフセット印刷時の特性がさらに向上するという点から、JIS P 8119に記載の「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して測定した塗工層の表面平滑度(ベック平滑度)が、450秒以上、さらには500秒以上となるように施されることが好ましく、塗工紙の密度が上昇するのを抑える目的で、1500秒以下、さらには1300秒以下となるように施されることが好ましい。
かくして得られる塗工紙は、JIS P 8133に記載の「紙、板紙及びパルプ−水抽出液pHの試験方法」に準拠して測定した熱水抽出pHが、6.0以上、さらには6.1以上であることが好ましく、また9.5以下、さらには9.0以下であることが好ましい。熱水抽出pHがこのような範囲の場合には、好ましくは填料としての再生粒子凝集体、及び顔料としての再生粒子凝集体に内在する炭酸カルシウムの溶出が防止されて再生粒子凝集体の形状が安定し、また水酸化カルシウムの生成が防止され、抄紙工程系内の汚れやスケールの発生を抑制し、塗工紙の劣化抑制や資源循環を図ることができる。また、塗工紙のインク乾燥性を向上させ、インク吸収ムラを少なくしたり、劣化を充分に抑制し、保存性や助剤の定着性をさらに向上させることもできる。
さらに本実施形態に係る塗工紙の坪量は、軽量化、例えば高速オフセット印刷における紙質強度の確保、印刷不透明度の確保という点から、JIS P 8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定して、38g/m2以上、さらには40g/m2以上であることが好ましく、またその軽量化の点から、かかる坪量は68g/m2以下、さらには66g/m2以下であることが好ましい。38g/m2未満では、例えば高速オフセットオフセット印刷機における強度確保が困難であり、68g/m2以上では、近年の軽量化、省資源に逆行することとなる。
塗工紙の白色度は、その用途に応じて異なるが、印刷物としての外観を考慮すると、JIS P 8123に記載の「紙及びパルプのハンター白色度試験方法」に準拠して測定して、少なくとも80%以上が好ましく、さらには85〜95%、特に90〜95%であることが好ましい。
塗工紙の白紙不透明度は、印刷時の裏抜けが発生し難いという点から不透明度は高いものが求められるが、JIS P 8138に記載の「紙の不透明度試験方法」に準拠して測定して、85〜99%、さらには86〜99%であることが好ましい。
また塗工紙の密度は、近年の軽量化や軽量化に伴う強度維持の点から、JIS P 8118に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定して、0.94〜1.29g/cm3、さらには1.00〜1.20g/cm3であることが好ましい。
また塗工紙のMD方向の剛度は、その用途に応じて異なるが、例えば高速オフセット印刷に適した腰を付与するという点から、JIS P 8143に記載の「紙のクラークこわさ試験機によるこわさ試験方法」に準拠して縦方向を測定して、23〜40cm3/100、さらには30〜38cm3/100であることが好ましい。
さらに塗工紙の表面強度は、やはり高速オフセット印刷における紙質強度を考慮すると、後述するRIテスター((株)明製作所製)による測定において最低限度グレード3以上であることが好ましい。
このように、本実施形態に係る塗工紙は、原紙の少なくとも片面に、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた、塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において特定の組成とする、特定の再生粒子凝集体を含む顔料と、アニオン性、両性又はノニオン性のバインダーとを含有した塗工剤を塗布し、塗工層を形成させたものである。
したがって、本実施形態に係る塗工紙は、優れた紙力が維持されて断紙がないだけでなく、紙粉による刷版汚れ、印刷白抜け等も少なく、手触り、紙めくり等の紙質や軽量性が付与されており、耐水性が高く、多頻度の湿し水に対しても用紙の湿潤や伸張が抑制され、嵩高性を有し、不透明度に優れて裏抜けが少ない。しかも本実施形態に係る塗工紙は、印刷時、特にカラー印刷時の各種特性にも優れ、例えば12〜17万部/時程度といった高速オフセットカラー印刷等に好適に使用することができる。
さらに、原紙の主構成原料である原料パルプ及び填料について、原料パルプとして古紙パルプを50〜100質量%と多量に用い、前記特定の再生粒子凝集体を填料として原紙に内添した場合には、抄造時の灰分歩留まりが高く、ワイヤー摩耗等の抄紙設備の摩耗劣化や印刷設備汚れを殆ど起こすことなく、古紙から、紙の主要構成要素である原料パルプ、填料を回収して、すなわち資源を循環使用して低コストで塗工紙を製造することができる。
次に本発明の塗工紙を、以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
製造例1a〜22a及び比較製造例1a〜4a(再生粒子凝集体の製造)
原料として、表1〜2に示すように、脱墨フロス(古紙パルプを製造する古紙処理工程から排出された脱墨フロス、製造例1a〜22a)又は製紙スラッジ(主に製紙工程から排出された排水・脱水スラッジ、比較製造例1a〜4a)を用い、表1〜2に示す条件にて脱水工程、乾燥工程及び焼成工程を順次行い、湿式粉砕処理を施し、該湿式粉砕処理後に粒子の凝集工程を行うことなく、再生粒子凝集体を得た。
さらに製造例15a〜17aにおいて、再生粒子凝集体をケイ酸ナトリウム溶液(水ガラス)に添加、分散させてスラリーを調製した後、加熱攪拌しながら、液温を約85℃に保持して希硫酸を添加し、シリカゾルを生成させた。次いで反応液のpHを8〜11に調整し、再生粒子凝集体の表面にシリカを析出させてシリカ被覆再生粒子凝集体を得た。
得られた再生粒子凝集体(及びシリカ被覆再生粒子凝集体)について、再生粒子凝集体の構成成分中のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムの含有量をそれぞれ酸化物換算で求め、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムの合計含有割合を算出した。その結果を表3〜4に示す。また平均粒子径も併せて表3〜4に示す。さらにワイヤー摩耗度、生産性、品質安定性及び外観についても調べた。これらの結果も併せて表3〜4に示す。
なお、表1〜4に示す各種測定値は、以下の方法にて測定した。
(ア)乾燥工程後(焼成工程入口)の乾燥物の平均粒子径
X線マイクロアナライザー(型番:EMAX2770、(株)日立製作所/(株)堀場製作所製)を加速電圧15kVで用い、白黒ポラロイドフィルム(ポラロイド社製、8.5cm×10.8cm)にて、X線マイクロアナライザーディスプレーのX線像を20枚撮影して実測した。
(イ)乾燥工程後(焼成工程入口)の粒子径355〜2000μmの粒子の割合
4.7メッシュの篩にて、粒子径が2000μmを超える乾燥物粒子の質量割合を、42メッシュの篩にて、粒子径が355μm未満の乾燥物粒子の質量割合を想定し、質量割合を測定した。
(ウ)再生粒子凝集体中のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムの含有量(酸化物換算)
X線マイクロアナライザー(型番:E−MAX・S−2150、(株)日立製作所/(株)堀場製作所製)にて塗工紙表面の元素分析を行った。
(エ)再生粒子凝集体の平均粒子径
再生粒子凝集体サンプル10mgをメタノール溶液8mLに添加し、超音波分散機(出力:80W)で3分間分散させた。この溶液をレーザー粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計、日機装(株)製)により、平均粒子径を測定した。
(オ)ワイヤー摩耗度
摩耗度試験装置(日本フィルコン(株)製)を用い、スラリー濃度2質量%にて3時間、プラスチックワイヤー摩耗度を測定した。
(カ)生産性
原料の脱水効率、生産性及び粉砕に必要な電力を各々5段階評価し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:いずれも高い評価でバランスが最もよかった。
○:平均してよい評価であった。
△:脱水効率、生産性及び粉砕に必要な電力のいずれかに問題があった。
×:実操業が困難であった。
(キ)品質安定性
白色度、粒子径、一定時間間隔における生産量の各項目について、変動程度を測定し、変動が少ない順にランク付けを行い、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:上位10位まで
○:11〜22位
△:23〜25位
×:26位以下
(ク)外観
目視にて再生粒子凝集体の色を観察し、白色と灰色とに区分した。
Figure 2007197888
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Figure 2007197888
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表3〜4に示された結果から、製造例1a〜22aの再生粒子凝集体は、いずれもワイヤー摩耗度が低く、生産性及び品質安定性にも優れたものであることがわかる。これに対して比較製造例1a〜4aの再生粒子は、いずれもワイヤー摩耗度が高く、生産性及び品質安定性にも劣るものであることがわかる。
製造例1b〜26b及び比較製造例1b〜8b(原紙の作製)
表5に示す割合でディンキングパルプ(DIP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を配合し、レファイナーでフリーネスを120mL C.S.F(JIS P 8121に準拠)に調整したパルプスラリーを得た。このパルプスラリーに対し、絶乾パルプ100質量部あたりカチオン化澱粉を0.5質量部添加し、さらに、填料として製造例1a〜22a及び比較製造例1a〜4aで得られた再生粒子凝集体を表5に示す割合で添加し、硫酸バンドでpHを調整後、ツインワイヤー抄紙機で抄造して坪量26〜57g/m2の原紙1〜26及び比較原紙1〜8を得た。
調製例1〜22及び比較調製例1〜4(塗工剤の調製)
表6に示すように、顔料として製造例1a〜22a及び比較製造例1a〜4aで得られた再生粒子凝集体並びに重質炭酸カルシウム及びクレーと、スチレン・ブタジエンラバーラテックス(JSR(株)製、アニオン性バインダー、アクリロニトリル含有量:23質量%、Tg:−10℃、平均粒子径:88nm、ゲル含有量:85%)と、酸化澱粉(接着剤)とを、均一な組成となるまで室温にて撹拌混合し、精製水にて希釈して固形分濃度が約53〜58%の塗工剤1〜21及び比較塗工剤1〜4を調製した。なお塗工剤22は、前記スチレン・ブタジエンラバーラテックスのかわりに、両性イオンラテックス(日本ゼオン(株)製、両性バインダー、商品名:Nipol LX407K)を使用した。
実施例1〜26及び比較例1〜11(塗工紙の作製)
表7に示すように、原紙1〜26及び比較原紙1〜8と、塗工剤1〜22及び比較塗工剤1〜4とを組み合わせて塗工紙を作製した。
表7に示す塗工装置を用い、塗工速度を適宜調整して、原紙の片面あたりで表7に示す塗工量(固形分)となるように、原紙の両面に塗工剤を塗布し、乾燥して塗工層を形成させた。これにソフトカレンダーにて平坦化処理を施し、塗工層の表面平滑度(ベック平滑度)を表7に示す値として塗工紙を作製した。
得られた塗工紙について、各種物性を調べた。これらの結果を表8〜9に示す。また、市販の塗工紙を試験紙A〜Cとして準備し、実施例1〜26及び比較例1〜8の塗工紙と同様に各種物性を調べた。その結果を、比較例9〜11として併せて表9に示す。
なお、表5〜9に示す各種測定値は、以下の方法にて測定した。
(a)原料パルプ中の各パルプの割合
JIS P 8120に記載の「繊維組成試験方法」に準拠して測定した。
(b)塗工層の表面平滑度(ベック平滑度)
JIS P 8119に記載の「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して測定した。
(c)坪量
JIS P 8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定した。
(d)密度
JIS P 8118に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
(e)熱水抽出pH
JIS P 8133に記載の「紙、板紙及びパルプ−水抽出液pHの試験方法」に準拠して測定した。
(f)塗工紙灰分
JIS P 8251に記載の「灰分試験方法」に準拠し、灰化温度が525℃での灰分について測定した。
(g)白色度
JIS P 8123に記載の「紙及びパルプのハンター白色度試験方法」に準拠して測定した。
(h)白紙不透明度
JIS P 8138に記載の「紙の不透明度試験方法」に準拠して測定した。
(i)剛度(MD方向)
JIS P 8143に記載の「紙のクラークこわさ試験機によるこわさ試験方法」に準拠して測定した。
(j)表面強度
紙試料を、実験室の金属ロールからなるカレンダーに、線圧40kg/cmで2回通した後、この紙試料の表面に、RIテスター((株)明製作所製)で、インキタック6(東洋インキ製造(株)製)を用いて印刷した。10cm2あたりの繊維が剥がれた状態を目視にて観察し、以下の評価基準(グレード)に基づいて評価した。
(評価基準)
1:繊維の剥がれかなりあり
2:繊維の剥がれあり
3:繊維の剥がれややあり
4:繊維の剥がれ僅かあり
5:繊維の剥がれ殆どなし
なお実用上は、最低限度グレード3である。
Figure 2007197888
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次に、実施例1〜26及び比較例1〜11の塗工紙について、以下の試験例1〜8に基づいて各特性を調べた。その結果を表10〜11に示す。
試験例1(ケバ立ち)
RI印刷適性試験機((株)明製作所製)にて、試験インクを付与しないゴムロールのままで塗工紙表面を繰り返し5回印刷した。ルーペを用い、100mm×100mmの範囲で紙ウェブ表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:ケバ立ちが非常に少ない。
○:ケバ立ちが少ない。
△:ケバ立ちがやや多い。
×:ケバ立ちが非常に多い。
試験例2(インク吸収ムラ)
オフセットカラー印刷機(型番:SYSTEM C−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、6万部/時の印刷速度で、藍、赤、黄、墨の順に4色カラー印刷を行った。藍/赤の重色部分のインク濃度ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:インク濃度ムラが全く認められず、均一で鮮明な画像である。
○:インク濃度ムラが殆ど認められず、均一な画像である。
△:インク濃度ムラが認められ、やや不均一な画像である。
×:インク濃度ムラが明らかであり、不均一な画像である。
試験例3(ブランケットへの紙粉堆積)
前記試験例2と同じオフセットカラー印刷機を使用し、同じ印刷速度で藍、赤、黄、墨の順に4色カラー印刷を行った。10000部の印刷を行った後、ブランケット非画線部への紙粉の堆積度合いを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:紙粉の発生が認められない。
○:紙粉の発生が僅かに認められるが、実用上問題がない。
△:紙粉の発生が明確に認められる。
×:ブランケット上に紙粉が多く堆積し、ブランケットが白くなっている。
試験例4(印刷白抜け)
前記試験例2と同じオフセットカラー印刷機を使用し、網点面積率30〜100%でオフセットオフセット印刷用インク(墨)の単色印刷を行った。網点面積率100%ベタ部について、印刷面の白抜けの程度を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:白抜けが殆ど認められない。
○:白抜けが少ししか認められない。
△:白抜けが認められる。
×:白抜けが著しい。
試験例5(インク乾燥性)
前記試験例2と同じオフセットカラー印刷機を使用し、同じ印刷速度で、オフセット印刷用インクにて藍、赤、黄、墨の順に4色カラー印刷を行った。印刷面と白紙面とが重なるように印刷物500部を重ね合わせ、5kgf(約49N)の荷重で1日間放置した後、白紙面の汚れの程度を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:汚れが殆ど認められない。
○:汚れが少ししか認められない。
△:汚れが認められる。
×:汚れが著しい。
試験例6(断紙回数)
オフセット輪転機(東芝オフセット輪転機、(株)東芝製)を使用し、900rpmの印刷速度で墨色単色印刷を行い、6万部の印刷の間に、断紙が発生する回数を測定した。
試験例7(裏抜け)
前記試験例6と同じオフセット輪転機を使用し、同じ印刷速度で墨色単色印刷を行った。墨ベタ面を裏面から目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:裏抜けが殆ど認められない。
○:裏抜けが少ししか認められない。
△:裏抜けが認められる。
×:裏抜けが著しい。
試験例8(耐水性)
紙試料を、実験室の金属ロールからなるカレンダーに、線圧40kg/cmで2回通した。ついでこの紙試料の表面に、RIテスター((株)明製作所製)で湿し水を転写した後、約1分間経過後にインキタック6(東洋インキ製造(株)製)を用いて印刷した。10cm2あたりの繊維が剥がれた状態を目視にて観察し、以下の評価基準(グレード)に基づいて評価した。
(評価基準)
1:繊維の剥がれかなりあり
2:繊維の剥がれあり
3:繊維の剥がれややあり
4:繊維の剥がれ僅かあり
5:繊維の剥がれ殆どなし
なお実用上は、最低限度グレード3である。
Figure 2007197888
Figure 2007197888
実施例1〜26の塗工紙は、古紙処理工程から排出される脱墨フロスが主原料で、特定の工程を経て得られた、カルシウムとケイ素とアルミニウムとの質量割合が特定範囲内である再生粒子凝集体を顔料として用い、該再生粒子凝集体を含む顔料と共にバインダーを含有した塗工剤にて塗工層を形成させたものである。したがって、実施例1〜26の塗工紙は、表10〜11に示すように、資源を再利用して低コストで得られるだけでなく、適度の坪量、密度及び熱水抽出pH、白色度、剛度及び表面強度を有し、また、優れた不透明度と紙力とを兼備したものである。しかもこれら実施例1〜26の塗工紙は、ケバ立ち、インク吸収ムラ、ブランケットへの紙粉の堆積及び断紙が全く又は殆どなく、耐水性にも優れ、さらに印刷白抜けや裏抜けも全く又は殆どないので、例えば高速オフセット印刷に非常に適した特性を具備していることがわかる。
これに対して比較例1〜8の塗工紙は、古紙処理工程から排出される脱墨フロスではなく、製紙スラッジを原料とした再生粒子が配合された塗工剤を原紙の表面に塗布したものである。したがって、比較例1〜8の塗工紙は、省資源化や低コスト化が図られず、しかもケバ立ち、インク吸収ムラ、ブランケットへの紙粉の堆積、断紙に加え、耐水性、印刷白抜けや裏抜けの殆どが悪い結果で、高速オフセット印刷に適した特性を具備していないことがわかる。
また比較例9〜11の市販の塗工紙も、比較例1〜8と同様に、ケバ立ち、インク吸収ムラ、ブランケットへの紙粉の堆積、断紙に加え、耐水性、印刷白抜けや裏抜けの殆どが悪い結果で、高速オフセット印刷に適した特性を具備していないことがわかる。
本発明の塗工紙は、古紙処理工程からの資源を再利用して原料とした顔料を塗工剤に使用して低コストで製造され、嵩高性を有し、不透明度に優れて裏抜けが少なく、さらには、手触り、紙めくり等の紙質や軽量性が付与されており、紙粉による刷版汚れ、印刷白抜け等も少なく、しかも耐水性が高く、多頻度の湿し水に対しても用紙の湿潤や伸張が抑制されているので、例えばオフセット印刷等における印刷に好適に使用し得る再資源化に秀でた塗工紙である。

Claims (7)

  1. 原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成された塗工紙であって、
    前記バインダーがアニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、
    古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた再生粒子凝集体が、少なくとも前記塗工剤用の顔料として含有され、
    塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において下記組成とする、前記再生粒子凝集体が塗工された、
    ことを特徴とする塗工紙:
    (組成)
    前記塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において、前記再生粒子凝集体の粒子構成成分に、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、20〜82:9〜40:8〜40の質量割合で含まれている。
  2. 前記再生粒子凝集体において、酸化物換算の前記カルシウムと前記ケイ素と前記アルミニウムとの合計含有割合が、再生粒子凝集体の構成成分中の90質量%以上である、請求項1に記載の塗工紙。
  3. 前記塗工層中の前記再生粒子凝集体の平均粒子径が、0.05〜16μmの範囲内に設定されている、請求項1又は2に記載の塗工紙。
  4. 原紙を構成する原料パルプが、古紙パルプ50〜100質量%からなり、
    原紙に用いられる填料として、少なくとも前記再生粒子凝集体が内添された、請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗工紙。
  5. JIS P 8251に準拠した塗工紙灰分が5〜40%である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の塗工紙。
  6. 原紙の少なくとも片面に、顔料とバインダーとを主成分とする塗工剤により塗工層が形成された塗工紙であって、
    前記バインダーがアニオン性バインダー、両性バインダー又はノニオン性バインダーであり、
    古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程に供し、該粉砕工程後に粒子を凝集させる工程に供することなく得られた再生粒子凝集体の表面に、さらにシリカを析出させたシリカ被覆再生粒子凝集体が、少なくとも前記塗工剤用の顔料として含有され、
    塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において下記組成とする、前記シリカ被覆再生粒子凝集体が塗工された、
    ことを特徴とする塗工紙:
    (組成)
    前記塗工紙表面のX線マイクロアナライザーによる元素分析において、前記シリカ被覆再生粒子凝集体の粒子構成成分に、酸化物換算で、カルシウムとケイ素とアルミニウムとが、30〜62:29〜55:9〜35の質量割合で含まれている。
  7. 原紙を構成する原料パルプが、古紙パルプ50〜100質量%からなり、
    原紙に用いられる填料として、少なくとも前記シリカ被覆再生粒子凝集体が内添された、請求項6に記載の塗工紙。
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