JP2001011337A - 焼却灰を原料とした白色顔料の製造方法 - Google Patents

焼却灰を原料とした白色顔料の製造方法

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JP2001011337A JP11183111A JP18311199A JP2001011337A JP 2001011337 A JP2001011337 A JP 2001011337A JP 11183111 A JP11183111 A JP 11183111A JP 18311199 A JP18311199 A JP 18311199A JP 2001011337 A JP2001011337 A JP 2001011337A
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incinerated ash
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Terunobu Fukui
照信 福井
Nobuo Yamada
信夫 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機物含有体を燃焼して得られる焼却灰を用い
て白色顔料を製造する方法であって、特に有機物含有体
を燃焼して得られる焼却灰より、未燃焼カーボン含有量
が少なく、白色度の高い焼却灰を分取して、これを粉砕
し粒子径を調整して得られる白色顔料の製造方法を提供
する。 【解決手段】流動床炉を使用して有機物含有体を800
〜1100℃で燃焼して得られる焼却灰であって、該焼
却灰より粒子径が400μm以上の焼却灰を分取し、そ
れを粉砕して平均粒子径が0.1〜10μmとなるよう
に調整する白色顔料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物含有体を燃
焼して得られる焼却灰を用いて白色顔料を製造する方法
に関し、さらに詳しくは有機物含有体を燃焼して得られ
る焼却灰より、未燃焼カーボン含有量が少なく、白色度
の高い焼却灰を分取して、これを粉砕し粒子径を調整し
て得られる白色顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白色顔料は農薬の展着剤・増量剤、塗料
・印刷インキの体質顔料、ゴム類の補強剤、プラスチッ
ク類(成形品、フィルム、繊維など)の充填剤・改質剤
などとして利用されている。ここでは白色顔料としてカ
オリン類の使用量が最も多い製紙産業での利用形態を代
表例として記述する。一般に、紙の製造に際しては、白
色度や不透明度などの光学特性や平滑性などを改善する
ために、パルプを主成分とする紙料に無機物顔料が添加
されて抄紙が行われる。また、印刷適性の改善を主目的
に、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗工層を紙(基
紙)の上に設けることも広く行われている。このような
目的のために使用される製紙用顔料として、一部はプラ
スチックピグメントと称される有機顔料が使用されるこ
ともあるが、通常はカオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、二
酸化チタン、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、タルク、シリカなどの無機顔料が多量に使用
されている。
【0003】抄紙工程では、原材料である木材パルプな
どの繊維分、澱粉や合成接着剤などの接着剤を主とする
有機物や上記の如き製紙用顔料を主とする無機物で利用
されずに廃水中に含まれて処理される固形分、さらに
は、パルプ化工程で洗い出されたリグニンや古紙由来の
製紙用顔料、古紙に付着した印刷インキ、さらには生物
廃水処理工程で生じる余剰汚泥などからなる、所謂製紙
スラッジが発生する。生物廃水処理工程で生じる余剰汚
泥を除く製紙スラッジは、抄紙時にワイヤーを通過し
て流出する、古紙処理工程での混入異物除去、脱墨処
理や洗浄、パルプ化工程での洗浄などが主な発生源で
あり、固形分を含む廃水は、沈殿あるいは浮上などを利
用した固形分分離装置によって、固形分が分離、回収さ
れる。そして、固形分が除去された廃水は、必要に応じ
て活性汚泥処理等の生物処理が施された後放流される。
【0004】近年、古紙の利用率が高まるにつれ、古紙
の脱墨工程由来の製紙スラッジが多くなっている。中で
も新聞古紙や上質古紙は古紙中に含まれる無機物(無機
顔料)が少ないのでスラッジ発生量が比較的少なくその
利用率が高いのに対し、雑誌古紙は古紙に含まれる無機
物が多く、その結果スラッジ発生量が多くなる。このこ
とは、新聞古紙や上質古紙に比較して雑誌古紙の利用率
が低いことの一因となっている。今後、古紙利用率の一
層の向上を図るためには、雑誌古紙の利用率向上が必要
であるが、一方でその利用率が高まると、製紙スラッジ
の発生量が増えるという新たな問題が発生する。製紙ス
ラッジの大量発生に対処するため、廃水から分離、回収
された製紙スラッジは、従来は脱水後そのまま埋め立て
処分されることが多かったのに対し、最近は流動床炉や
ストーカー炉などの焼却炉で製紙スラッジ中の有機物を
燃焼してエネルギーとして回収すると同時に、製紙スラ
ッジの減容化が図られている。
【0005】これとは別に、製紙材料として再利用が困
難な低級な古紙やそれに付随するプラスチックを主とし
たRPF(Refused Paper & Plas
tic Fuel)を燃料として利用するサーマルリサ
イクルが検討されている。上記製紙スラッジやRPFを
燃焼させることは、利用されずに廃棄される繊維などの
有機物をエネルギーとして有効に回収できる反面、製紙
スラッジやRPFは無機物を多く含んでいるために、燃
焼後に多量の灰(以後、単に焼却灰と称す)が残るとい
う問題がある。現在、焼却灰の一部はセメントに混合さ
れたり、土壌改良剤などにも使用されてはいるが、大部
分は産業廃棄物として埋め立て処分されている。このた
め、焼却によってエネルギーとして回収されている有機
物だけでなく、焼却灰として残る無機物を製紙用顔料と
して再利用することができれば、埋め立て処分などの環
境負荷が減るだけでなく、現在利用率が低い雑誌古紙の
利用率向上に結びつくと考えられる。しかしながら、焼
却灰には燃焼されずに残った有機物がカーボンとして含
まれるため白色度が低く、また、無機物の焼結が進んだ
りして、粒子径が不揃いで大粒子径から微小粒子径まで
広く分布しており、そのままでは製紙用顔料としては使
用できない。
【0006】製紙スラッジ中の無機物を製紙用の顔料と
して再生利用する試みとしては、例えば、特公昭56−
27638号公報に、スラッジを酸素含有ガスを注入し
た反応器内に供給して250〜300℃、3000ps
ig程度の加温加圧下で0.25〜5時間酸化して製紙
スラッジ中の無機物を製紙用の顔料として再生化する方
法が提案されている。しかし、この方法は、スラッジの
湿式空気酸化処理によるものであるから、有機物除去が
十分ではなく、また、得られる顔料の白色度が低く、粒
子径が不揃いであるのみならず、反応操作が複雑で、か
つコスト高になっている。
【0007】また、特開昭54−14367号公報に
は、製紙スラッジをいぶし焼きしてPS炭とした後、さ
らにこれをキルンで焼却して製紙用原料となる白土を生
成させる方法が提案されている。しかしながら、この方
法によると、製紙スラッジをいぶし焼きするために製紙
スラッジからエネルギーを有効に取り出すことができな
いばかりか、逆に投入エネルギーが必要となるという大
きなデメリットがある。さらに、生成した白土も粒子径
が不揃いで大きくなっており、そのままでは製紙用顔料
としては使用できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機物含有
体を燃焼して得られる焼却灰を用いて白色顔料を製造す
る方法に関し、特に焼却灰をさらにキルンで焼成するな
どの再燃焼操作を必要とせず、簡便な方法で白色度の高
い焼却灰を分取し、それを粉砕して粒子径を調整するこ
とで製紙用填料などに有用な白色顔料の製造方法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、流動床炉を使
用して有機物含有体を800〜1100℃で燃焼して得
られる焼却灰であって、該焼却灰より粒子径が400μ
m以上の焼却灰を分取し、それを粉砕して平均粒子径が
0.1〜10μmとなるように調整することを特徴とす
る白色顔料の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、流動床炉を使用し
て有機物含有体を燃焼させてエネルギーを取り出した後
に残る焼却灰について、その流動床炉の燃焼条件、そし
て得られる焼却灰の粒子径と白色度の関係について調査
した。その結果、特定条件で有機物含有体を燃焼した際
に得られる焼却灰において、粒子径が大きい焼却灰ほど
灰中の未燃焼カーボン含有量が少なく白色度が高いこと
を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は
燃焼炉として流動床炉を使用し、燃焼温度を800〜1
100℃として有機物含有体を燃焼した後に残る焼却灰
で、粒子径が400μm以上、好ましくは粒子径が60
0μm以上の焼却灰を分取し、これを粉砕して平均粒子
径が0.1〜10μmとなるように調整するものであ
る。
【0011】ここで、流動床炉とは、炉の底部が流動層
となっているもので、流動層は砂を使用した粉粒体層の
底部から散気管または分散板を通して予熱した空気を吹
込み、空気の流量と個々の砂重量のバランスにより砂が
浮遊流動状態になっている燃焼(焼却)炉をいう。本発
明における有機物含有体のような燃料(被燃焼物)は、
この流動層の上に投入される。有機物含有体は、その大
きさや重量により、一部は流動層内部まで落下して砂や
空気と接触するとともに加熱されて燃焼し、また一部は
流動層には落下せず流動層上で浮遊した状態で空気によ
り加熱され燃焼する。ここで、本発明でいう燃焼温度と
は、流動層上部(下流側)の燃焼室温度を指すものであ
る。因みに、燃焼温度が800℃未満では燃焼後に残る
焼却灰の白色度が低く、本発明が目的とする白色顔料の
原料としては適さない。一方、燃焼温度が1100℃を
超えると焼却灰の焼結が進み、白色顔料として好適な粒
子径まで粉砕するのに多大のエネルギーや時間を要する
虞れがあり、さらには流動床炉内壁に焼却灰がスラグと
して付着する虞れが強いために好ましくない。なお、流
動床炉の燃焼条件として、燃焼温度の他に、流動床炉内
での滞留時間、即ち800〜1100℃で2秒以上、好
ましくは4秒以上、1分程度以内の滞留、および燃焼排
ガス中の残留酸素濃度が5%以上(上限は特に限定され
ないが、通常は大気中の酸素濃度程度)に維持されるこ
とが好ましい。因みに、800℃で1分を越えるような
滞留時間は、高温(例えば1100℃を越える温度)処
理の場合と同様に焼結が進む虞れがある。前記の如き条
件で燃焼することによって、未燃焼カーボン量が少なく
白色度の高い焼却灰が得られ易い。なお、ここでいう滞
留時間とは流動床炉の燃焼室容積を流動層に吹き込む空
気容量で除して求めたものである。
【0012】本発明者らは、有機物含有体を上記したよ
うな装置により、燃焼させて残る焼却灰において、焼却
灰の粒子径が大きいものほど、未燃焼カーボンの含有量
が少なく、結果的に焼却灰の白色度が高いこと、具体的
には粒子径が400μm以上、より好ましくは600μ
m以上のものを分取して、それを粉砕すれば白色顔料と
して十分利用できることを見出したものである。なお、
粒子径が大きい焼却灰ほど未燃焼カーボン量が少ない
(白色度が高い)ことについての理由については必ずし
も定かではないが、以下のように推定される。
【0013】即ち、被燃焼物である有機物含有体は、前
述のように流動床炉の流動層上に投入され、流動層内部
やその上部で燃焼させられる。その結果、燃焼した後に
残る焼却灰の内、流動層の層密度より大きなものは流動
層底部に沈降し、一方、流動層の層密度より軽いものは
空気の流れにしたがって、流動床炉の下流側に流れ、最
後には飛灰として炉から排出される。流動床炉は流動層
部に導入される空気流量と流動層を構成している個々の
砂とのバランスにより、砂が浮遊流動状態を保ってお
り、換言すると砂が飛灰のように炉外に排出されないよ
うに運転されているものであり、何らかの理由で形成さ
れた粒子径の大きな焼却灰、即ち、砂の大きさに近くな
った飛灰は炉から排出されづらくなり、焼却炉内部での
滞留時間が長くなる結果、完全燃焼に近い形で有機物が
燃焼され未燃焼カーボンの量が少なくなるものと推定さ
れる。なお、焼却灰の粒子径が大きくなりすぎると、具
体的には流動層に導入される空気に対する浮遊性が砂よ
り劣るように大きくなったものは、流動層内部に沈降し
飛灰として炉外に排出されなくなる。逆に、粒子径が小
さい焼却灰は、焼却炉内部での滞留時間が短く、有機物
が完全に燃焼されずに残る未燃焼カーボン量が多くなる
と考えられる。
【0014】なお、流動床炉で有機物含有体を燃焼して
得られる焼却灰としては、流動層を沈降して流動床炉底
部より排出される炉底灰と燃焼空気の流れにしたがって
炉外に排出される飛灰の2種類があるが、本発明におい
ては、飛灰を焼却灰として使用する方が好ましい。即
ち、炉底灰の中には、混入異物である金属片や石などの
粗大粒子が多く、白色顔料の原料としては不適切な異物
である。一方、飛灰であってその粒子径が大きいもの
は、炉内での滞留時間が長いだけでなく、混入異物も少
なく、白色顔料用焼却灰として好ましく使用できる。
【0015】焼却灰から粒子径が400μm以上、ある
いは600μm以上のものを分取する方法としては特に
限定されず、焼却灰を網で篩い分けする方法やサイクロ
ン式の空気分級機で分級するなど各種の方法が利用でき
る。次に、それら分取した特定粒子径以上の焼却灰を粉
砕して平均粒子径が0.1〜10μmとなるように細か
くするが、粉砕方法についても特に限定されるものでは
なく、例えば、ローラーミル、ボールミル、ジェットミ
ル、ピンミル、遠心ミルなどの乾式粉砕方法や、重質炭
酸カルシウムなどの湿式製造方法に用いられる縦型や横
型の各種ビーズミルなどを単独あるいは組合わせて使用
できる。粉砕後の平均粒子径については前記した如く
0.1〜10μmの範囲に調整するものであるが、白色
顔料の用途に応じて、例えば塗工用の製紙用顔料として
は0.1〜5μm、内添用の製紙用顔料としては0.5
〜10μmとなるように調整することが好ましい。
【0016】本発明で対象となる有機物含有体として
は、特に限定されるものではないが、鉄分含有量(全無
機物に対する重量比)が5重量%以下、より好ましくは
3重量%以下である有機物含有体を使用することが望ま
しい。即ち、鉄分含有量が5重量%を超えると有機物を
いくら完全燃焼させても、含まれる鉄分のために燃焼過
程で酸化鉄となって着色分が残り、白色度の高い焼却灰
を得られない虞がある。なお、有機物含有体から鉄分を
減らす方法としては、混入する針金やくぎなどの鉄片を
除去することや、有機物含有体が製紙スラッジである場
合などには廃水処理過程での固形分分離工程で使用され
る凝集剤に鉄分を含まない薬品を使用するような配慮を
することで対応ができる。上記の如き事情から、有機物
含有体としては、発生履歴が明確で、かつ不適格な異物
混入のない製紙スラッジやRPF(Refused P
aper & Plastic Fuel)を主な燃料
原料として燃焼させ、その焼却灰を使用することが、環
境負荷軽減対策や製紙用原材料の再利用の観点より望ま
しいものである。
【0017】次に、本発明において、焼却灰より、製紙
産業用の白色顔料を得るための焼却灰の生成条件、燃焼
条件、分散条件、粉砕条件、分散条件、白色度の測定方
法、および顔料としての適性評価試験法等についての具
体的な実施形態を以下に述べる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。勿論、本発明はその実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中に記載の部または%は、特に断ら
ない限り固形分重量部または重量%を表すものとし、塗
工量は全て乾燥重量で表示する。なお、各測定、評価法
については以下に述べる方法に準拠して行った。
【0019】● 粉体の白色度測定 105℃で十分乾燥させた試料(粉体)を約10g、乳
鉢で粗い粒子がなくなる迄粉砕したのち、中空円筒と内
径の合う太さの円柱からなる粉体錠剤成型機を用いて1
3kgf/cm2 で30秒加圧して成型する。円筒は強
光沢アクリル板上に置かれて操作される。錠剤状の粉体
を円筒に付けたまま、白色度と色相を測定する。白色度
はフォトボルト社製、フォトボル670型を使用し、T
appi T452om−83に準拠し、「Tappi
534pm−76」法に基づく簡便法でそれぞれ測定
した。
【0020】● 白色顔料(焼却灰)の粒子径測定 粉砕後の焼却灰の平均粒子径測定には、レーザー式粒度
分布測定装置(SALD−2000J/島津製作所)を
使用した。
【0021】● 焼却灰の組成分析 蛍光X線分析装置(PW240/フィリップス社)を使
用して行った。
【0022】● 焼却灰中のカーボン含有量の測定 全自動元素分析装置(varioEL/エレメンタール
社)を使用して燃焼管温度1150℃で測定した。
【0023】● 塗工紙の評価 表2に記載の方法に準拠して測定した。
【0024】実施例1 (1)焼却灰の生成条件 洋紙、板紙用の抄紙機および塗工機、さらに原料として
使用する脱墨パルプ化設備を具備した製紙工場の廃水処
理クラリファイヤで分離した固形分および活性汚泥処理
工程から生じる余剰汚泥からなる製紙スラッジを脱水機
にて固形分濃度約50%に脱水したのち、流動床ボイラ
にて850〜900℃で、かつその温度での滞留時間
4.5〜5秒、排ガス中の残留酸素濃度を5〜7%にコ
ントロールして燃焼し、飛灰を得た。この飛灰を焼却灰
Aと称す。
【0025】上記焼却灰とは別に、パルプ原料として再
利用が困難な低級古紙およびそれに付随するラミネート
したプラスチックや粘着テープなどを主成分とする粒状
加工したRPFと上記脱水した製紙スラッジを一緒に流
動床ボイラにて、上記製紙スラッジの燃焼条件と同様に
して燃焼し、飛灰を得た。この飛灰を焼却灰Bと称す。
焼却灰A、Bの篩い分けによる各粒度の構成比(%)、
各粒度(表1における〜)および篩い分け前(表1
の)の白色度とカーボン含有量、さらに篩い分け前焼
却灰の蛍光X線分析装置に基づく組成分を表1に示す。
なお、市販の白色顔料の白色度は、ヌークレー:84%
/エンゲルハード社,ノード#2:81.9%/ノード
カオリン社,プレミア:83.0%/エンゲルハード社
である。
【0026】(2)分散条件 焼却灰中のカーボン含有量の影響を確認するために、上
記焼却灰Aの篩い分け分+(カーボン含有量:31
0ppm)、+++(カーボン含有量:470
ppm)および比較としての篩い分け前(カーボン含
有量:1160ppm)を水で洗浄して微粒子分のカー
ボンなどを除去した後、分散剤(SDA−40K:ポリ
アクリル酸ソーダ系/ソマール社)を試料に対し固形分
対比で0.5%となるように予め添加した水に、各粒度
の焼却灰を添加分散して固形分濃度45%のスラリ調製
を行った。かくして得られてスラリをペイントシェーカ
(東洋精機社)を用いて粗粉砕した後、さらにサンドグ
ラインダ粉砕機(1/2SG/アイメックス社)にて平
均粒子径が1.5μmになる迄粉砕した。
【0027】(製紙用顔料としての適性評価)上記焼却
灰Aの篩い分け分+(カーボン含有量:310pp
m、これを使用して得た塗工紙を塗工紙Aと称す)、
+++(カーボン含有量:470ppm、これを
使用して得た塗工紙を塗工紙Bと称す)およびの篩い
分け前(カーボン含有量:1160ppm、これを使用
して得た塗工紙を塗工紙Cと称す)粉砕して得た平均粒
子径1.5μmの焼却灰30部、重質炭酸カルシウム
(FMT−90/ファイマテック社)50部、二級カオ
リンクレー(ノード#2/ノード社)20部からなる混
合顔料を分散剤(SDA−40P:ポリアクリル酸ソー
ダ系/ソマール社)を0.2部、消泡剤(PN−293
/東邦化学)0.1部、pH調整剤(苛性ソーダ)0.
1部を用いて水中に分散せしめて、固形分濃度60%の
スラリーを調製した。
【0028】次いで、予め糊化した酸化澱粉(エースA
/王子コーンスターチ社)を3部、スチレンブタジエン
共重合体ラテックス(#0617/JSR社)7部を加
えて、塗工組成物を得た。かくして得られた塗工組成物
を米坪65g/m2 の上質原紙に乾燥重量で片面当たり
7g/m2 となるように、卓上ゲートロールコータ(熊
谷理機工業社)で片面づつ塗工、乾燥して両面塗工し、
さらに該塗工紙を一昼夜調湿後、スーパーキャレンダに
てチルドロール表面温度50℃、線圧30kgf/cm
の条件下で3回通し処理した後、塗工紙品質を常法にし
たがって評価した。得られた両面塗工紙の品質結果を纏
めて表2に示す。
【0029】比較例1 実施例において、焼却灰Aを得るに際して使用したもの
と同じ脱水した製紙スラッジを流動床ボイラを使用し、
温度700〜750℃で燃焼した以外は、焼却灰Aを得
たときと同様にして飛灰を得た。この飛灰の篩い分け前
の白色度は35.5%と低く、その中から0.6mm以
上の焼却灰を篩い分けで分取したものでも白色度は4
3.6%と低く製紙用顔料として利用できるものではな
かった。
【0030】(参考例)前記の製紙用顔料としての適性
評価において、焼却灰で得た篩い分け後の白色顔料の代
わりに、市販品の二級カオリンクレー(ノード#2/前
出、これを使用して得た塗工紙を塗工紙Dと称す)に置
換した以外は実施例1と同様にして、両面塗工紙を得
た。かくして得られた両面塗工紙の品質結果を表2に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】表1より明らかなように、焼却灰Aおよ
びB共に、その粒子径が概略400μm(0.4mm)
以上のものについては白色度の高いものが得られ、さら
に、600μm以上のものについては、より一層白色度
の高いものが得られた。また、表2より明らかなよう
に、焼却灰Aについて、これらを粉砕して塗工用の顔料
の一部として塗料調製を行い塗工紙に仕上げたものにつ
いてみると、白色度の比較的高い焼却灰(篩い分け分
+=塗工紙A、および+++=塗工紙B)を
使用したものの品質(白色度)は市販の2級カオリンク
レー(塗工紙D)を使用したものと対比し大差なく、同
等に近い品質であった。一方、篩い分け前のを使用し
た塗工紙Cの品質(白色度)は塗工紙A、BおよびDと
対比して白色度の低下が大きかった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA36 BA10 CA04 CA07 DA03 DA20 4J037 AA14 AA29 DD05 EE15 EE29 EE44 FF04 FF28 4L055 AG04 AG48 AG63 AG76 AG97 AH02 BG04 EA16 EA20 EA25 FA12 GA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動床炉を使用して有機物含有体を800
    〜1100℃で燃焼して得られる焼却灰であって、該焼
    却灰より粒子径が400μm以上の焼却灰を分取し、そ
    れを粉砕して平均粒子径が0.1〜10μmとなるよう
    に調整することを特徴とする白色顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】焼却灰より粒子径が600μm以上の焼却
    灰を分取し、それを粉砕して平均粒子径が0.1〜10
    μmとなるように調整する請求項1記載の白色顔料の製
    造方法。
  3. 【請求項3】有機物含有体として、鉄分含有量が全無機
    物に対し重量比で5重量%以下である有機物含有体を使
    用する請求項1または2に記載の白色顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】有機物含有体が製紙スラッジである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の白色顔料の製造方法。
  5. 【請求項5】有機物含有体がRPF(Refused
    Paper & Plastic Fuel)である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の白色顔料の製造方
    法。
JP11183111A 1999-06-29 1999-06-29 焼却灰を原料とした白色顔料の製造方法 Pending JP2001011337A (ja)

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