JP2007196042A - 生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステント1は、波状要素により環状に形成された第1の波状環状体12aと、第1の波状環状体12aの谷部に山部が近接するようにステント1の軸方向に配置されるとともに波状要素により環状に形成された第2の波状環状体12bと、第1の波状環状体12aの谷部と第2の波状環状体12bの山部とを接続する複数の接続部6とからなる環状ユニット4からなる。環状ユニット4は、ステント1の軸方向に複数配列されるとともに、隣り合う環状ユニットを接続部形成部位にて連結する連結部7を備える。連結部7は隣り合う環状ユニット4間に複数かつ向かい合う位置もしくはステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられている。
【選択図】図3
Description
ステントは、体外から体内に挿入するため、そのときは直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
そして、内血管系、特に冠動脈治療に用いられているステントは、バルーンエクスパンドタイプがその大半を占めている。そして、ステントとしては、より多くの症例に対応させるために軸方向に柔軟な構造が求められている。
本発明の目的は、軸方向に垂直な方向に対する柔軟性を持ち、かつ、軸方向の伸縮に対抗しステント全体の筒状形状を保持することができる生体内留置用ステントを提供するものである。
(1) 略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントであって、該ステントは、波状要素により環状に形成された第1の波状環状体と、該第1の波状環状体の谷部に山部が近接するようにステントの軸方向に配置された波状要素により環状に形成された第2の波状環状体と、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2の波状環状体の山部とを接続する複数の接続部とからなる環状ユニットがステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニットを前記接続部形成部位にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部を備え、さらに、該連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくは該ステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられている生体内留置用ステントである。
(3) 上記(2)において、前記隣り合う環状ユニット間に複数設けられた連結部の少なくとも一つは、前記隣り合う環状ユニットの前記一体化部相互を連結するものであり、他の連結部は、前記隣り合う環状ユニットの前記細線状接続部形成部位相互を連結するものであることが好ましい。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めとなっており、かつ前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、傾斜方向が異なるものとなっていることが好ましい。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記連結部と該連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(6) 上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記複数の連結部と該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(7) 上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記複数の連結部は向かい合う位置に配置されており、該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して約60度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(8) 略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントであって、該ステントは、前記半径方向に広がる力が付加された時に伸張する多数の線状屈曲部と開口を有する複数の略多角形状線状体を環状となるように複数の接続部により接続した環状ユニットがステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニットを前記接続部にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部を備え、さらに、該連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくは該ステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられている生体内留置用ステントである。
(10) 上記(8)または(9)において、前記連結部と該連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(11) 上記(8)または(9)において、前記複数の連結部と該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(12) 上記(8)または(9)において、前記複数の連結部は向かい合う位置に配置されており、該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して約60度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されていることが好ましい。
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかにおいて、前記環状ユニットの隣り合う波状要素間に形成される空間には、隣り合う環状ユニットの波状端部が侵入していることが好ましい。
(14) チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記ステントは、上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のステントである生体器官拡張器具である。
このため、本発明のステントは、軸方向に垂直な方向に対する柔軟性を持ち、かつ、軸方向の伸縮に対抗しステント全体の筒状形状を良好に保持することができる。
また、本発明の生体内留置用ステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントであって、該ステントは、前記半径方向に広がる力が付加された時に伸張する多数の線状屈曲部と開口を有する複数の略多角形状線状体を環状となるように複数の接続部により接続した環状ユニットがステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニットを前記接続部にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部を備え、さらに、該連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくは該ステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられている。
このため、本発明のステントは、軸方向に垂直な方向に対する柔軟性を持ち、かつ、軸方向の伸縮に対抗しステント全体の筒状形状を良好に保持することができる。
図1は、本発明のステントの一実施例の正面図である。図2は、図1に示したステントの部分拡大図である。図3は、図1に示したステントの拡張前の展開図である。
この実施例のステント1は、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントである。ステント1は、多数の屈曲部5aを有する波状要素により環状に形成された第1の波状環状体12aと、第1の波状環状体12aの谷部に山部が近接するようにステント1の軸方向に配置されるとともに線状屈曲部5aを有する波状要素により環状に形成された第2の波状環状体12bと、第1の波状環状体12aの谷部と第2の波状環状体12bの山部とを接続する複数の接続部6とからなる環状ユニット4からなり、さらに、環状ユニット4は、ステント1の軸方向に複数配列されるとともに、隣り合う環状ユニットを接続部形成部位にて連結する連結部7を備える。さらに、連結部7は、隣り合う環状ユニット4間に複数かつ向かい合う位置もしくはステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられているものである。
ステント1は、図1ないし図3に示すように、複数の環状ユニット4が、ステント1の軸方向にほぼ直線状となるように配列されるとともに、隣り合う環状ユニットの波状要素(波状環状体12bと12a)を接続部6の形成部位において連結する連結部7を備えている。ステント1は、見方を変えれば、多数の環状ユニット4が、連結部7により連結したことにより構成された管状体である。
ステント1の環状ユニット12a、12bは、図1およびその展開図である図3に示すように、ほぼ同じピッチの6つの山と谷を有し、環状に連続した無端の波状体により構成されている。なお、環状ユニットの山(もしくは谷)の数は、4〜7が好適である。そして、第1の波状環状体12aの谷部に山部が近接するように軸方向に配置された第2の波状環状体12bは、第1の波状環状体の谷部と第2の波状環状体の山部とが複数の短い接続部6により接続され、一つの環状ユニット4を構成している。この実施例では、第1の波状環状体12aのすべての谷部と第2の波状環状体12bのすべて山部とが接続部6により接続されており、一つの環状ユニット4は、6つ(環状ユニットの山もしくは谷の数)の接続部6を備えている。
そして、環状ユニット4の複数の接続部のうち少なくとも一つの接続部は、第1の波状環状体12aの谷部と第2の波状環状体12bの山部が一体化した一体化部4aとなっている。また、他の接続部6は細線状接続部となっている。そして、環状ユニット間に複数設けられた連結部の少なくとも一つの連結部7aは、隣り合う環状ユニット4の一体化部4a相互を連結している。さらに、他の連結部7bは、隣り合う環状ユニット4の細線状接続部6の形成部位相互を連結している。つまり、この実施例のステントでは、隣り合う環状ユニットは、各環状ユニットが備える第1の波状環状体12aの谷部と第2の波状環状体12bの山部が一体化した一体化部4aにより連結されているので、ユニット4相互は十分な連結強度を備える。さらに、隣り合う環状ユニットは、細線状接続部6の形成部位相互を連結する他の(第2の)連結部7bを備えている。このため、ステントの生体内留置後の伸張を抑制することができ、かつ、一体化部における連結でないため、湾曲障害とならない。
これにより、ステントは、全体として湾曲方向性を持たない良好な変形が可能なものとなっている。湾曲方向性を持たないとは、易変形方向および難変形方向を持たないことを意味する。連結部をステントの軸方向に連続しないものとすることにより、一つの環状ユニット4が血管の変形に追従するように変化した時の負荷が、隣り合わない環状ユニット4にまで直接的(もしくは直線的)に伝達されることを抑制でき、環状ユニット個々の独立した拡張機能を発揮する。さらに、連結部の配置が、ステント1全体から見て螺旋的なものとなっていれば、隣り合わない環状ユニットによる影響をより受けにくくなる。
図4は、本発明の他の実施例のステントの一実施例の正面図である。図5は、図4に示したステントの部分拡大図である。図6は、図4に示したステントの展開図である。
この実施例のステント10は、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントである。ステント10は、半径方向に広がる力が付加された時に伸張する多数の線状屈曲部と開口を有する複数の略多角形状線状体13を環状となるように複数の接続部16により接続した環状ユニット14がステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニット14を接続部にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部15を備え、さらに、連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくはステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられている。
この実施例のステントのように、略多角形状線状体13は、ステントの軸方向に長いつぶれた形状となっていることが好ましい。さらに、この実施例のステントのように、ステントの両端に位置する略多角形状線状体13は、外側に位置する部分が略半楕円状となっていることが好ましい。さらに、この実施例のステントのように、環状ユニットの隣り合う略多角形状線状体13の屈曲部11a間により形成される空間には、隣接する他の環状ユニット14の略多角形状線状体13の屈曲部11aの頂点部分が侵入していることが好ましい。
略多角形状線状体13の数は、6つに限られるものではなく、4〜8が好適である。また、略多角形状線状体13の形状は、ステントの軸方向に向かい合う頂点を有する多角形状であることが好ましく、特に、略菱形、六角形、八角形などであってよい。好ましくは、ステント拡張時の変形の安定性より、略菱形状である。
これら連結部15は、ステント10が拡張されても実質的に変化しない。連結部15および接続部16が、ステント10の拡張によって、実質的に変化しないので、ステント10全体の全長は、拡張前と拡張後においてほとんど変化せず、拡張後にステントが極端に短くなることがない。言い換えれば、拡張要素を接続する接続部16は、ステントが拡張しても軸方向での移動がなく、この接続部同士を軸に平行な連結部15で連結してあるのでステントの全長がほとんど短縮しないのである。
連結部15は、隣り合う環状ユニット14を複数カ所連結するように設けられている。2つの隣り合う環状ユニット間に設けられる連結部の数は、2〜3個が好ましく、特に2個が好適である。さらに、連結部15は、軸方向に隣り合う連結部と連続しないように配置され、また、向き(角度)がずれて配置されている。
さらに、このステント10では、環状ユニット14の隣り合う2つの略多角形状線状体13の屈曲部間に形成された空間には、隣接する環状ユニット14の略多角形状線状体13の屈曲部11aの頂点部分が侵入していることが好ましい。このようにすることにより、ステント10では、環状ユニットがステントの軸方向に見ると部分的に重なった状態となっている。ステント10を拡張させた時に、個々の略多角形状線状体13がステント10の軸方向に短くなっても、ステント10の側面における隙間の増加が少なく、より確実に血管の狭窄部を拡張できかつ、その維持もより高いものとなる。
ステント10の形成材料としては、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。
図7は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。図8は、図7に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図である。図9は、図7に示した生体器官拡張器具の後端部の拡大断面図である。
本発明の血管拡張器具100においては、チューブ状のシャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン103と、折り畳まれた状態のバルーン103を被包するように装着され、かつバルーン103の拡張により拡張されるステント101とを備えるものである。
このようなステント101としては、例えば、上述したステント1もしくはステント10を用いることができる。
さらに、本発明の血管拡張器具100は、シャフト本体部102は、一端がバルーン103内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備える。生体器官拡張器具100は、ステントの中央部となる位置のシャフト本体部の外面に固定されたX線造影性部材もしくはステントの中央部分の所定長の両端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えている。
この実施例の生体器官拡張器具100では、図7に示すように、シャフト本体部102は、シャフト本体部102の先端にて一端が開口し、シャフト本体部102の後端部にて他端が開口するガイドワイヤールーメン115を備えている。
内管112は、図8および図9に示すように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤールーメン115を備えるチューブ体である。内管112としては、長さは、100〜2000mm、より好ましくは、150〜1500mm、外径が、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚10〜150μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。そして、内管112は、外管113の内部に挿通され、その先端部が外管113より突出している。この内管112の外面と外管113の内面によりバルーン拡張用ルーメン116が形成されており、十分な容積を有している。外管113は、内部に内管112を挿通し、先端が内管112の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管113としては、長さは、100〜2000mm、より好ましくは、150〜1500mm、外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
先端側外管113aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管113aの基端部および本体側外管113bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
内管112および外管113の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
バルーン103の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン103は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
X線造影性部材117、118は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
分岐ハブ110は、ガイドワイヤールーメン115と連通しガイドワイヤーポートを形成するガイドワイヤー導入口109を有し、内管112に固着された内管ハブ122と、バルーン拡張用ルーメン116と連通しインジェクションポート111を有し、外管113に固着された外管ハブ123とからなっている。そして、外管ハブ123と内管ハブ122とは、固着されている。この分岐ハブ110の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
外管ハブ、内管ハブおよびその形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
なお、生体器官拡張器具100の基端の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、分岐ハブ110を設けず、ガイドワイヤールーメン115、バルーン拡張用ルーメン116それぞれに、例えば後端に開口部を形成するポート部材を有するチューブを液密に取り付けるようにしてもよい。
(実施例1)
ステンレス鋼(SUS316L)の直径2.0mm、肉厚0.095mmのものを、長さ20mmに切断した金属パイプを用いた。
レーザー加工機として、NEC社製のYAGレーザー(商品名SL116E)を用いた。金属パイプを軸がぶれないようにチャック機構の付いた回転モーター付治具にセットし、さらにこれを数値制御可能なXYテーブル上にセットした。そして、XYテーブルおよび回転モーターをパーソナルコンピュータに接続し、パーソナルコンピュータの出力が、XYテーブルの数値制御コントローラーおよび回転モーターに入力されるものとした。パーソナルコンピュータ内には図面ソフトが記憶されており、ここに、図3に示すような成型時の構図のステントの展開図面を入力した。
このような構成により、パーソナルコンピュータより出力される図面データに基づいて、XYテーブルおよび回転モーターが駆動し、そこにレーザーを照射することにより、ステント構造物を作製した。上記金属パイプのレーザー加工条件としては、電流値25A,出力1.5W駆動スピード10mm/分にて行った。
そして、作製したステント構造物をステンレス用化学研磨液(三新化学工業株式会社製、商品名サンビット505,塩酸と硝酸からなる混合液を基本成分とし有機硫黄化合物および界面活性剤が添加されたもの)を約98℃加温したものに、約10分間浸漬し、面取り(バリ取り、化学研磨)を行い、本発明のステントを作製した。
パーソナルコンピュータ内に入力するステント成型時の構図を図10のものとした以外は、実施例1と同様に行い比較例のステントを作製した。
このようにして作製されたステント形成体は、環状ユニット数12、隣り合う環状ユニット間に向かい合う位置に一つのみの連結部を有し、連結部のステントの軸方向のずれが約180度であり、全長が、20mm、外径2.0mm、波状要素(波状環状体)および連結部を構成する部分の幅は、0.12mm、接続部の幅は、0.12mm、一体化部の幅は、0.12mm、長さは、0.1mm、ステント全体の肉厚は、約0.08mmであった。
そして、このステント形成体をPTCA用拡張カテーテル(バルーンカテーテル)のバルーン部に被嵌し、マウント装置に挿入し、ステントをステントの外面から中心に向かって均一に圧縮して、外径1.0mmに縮径させて、バルーン状に装着させて、生体器官拡張器具を作製した。
パーソナルコンピュータ内に入力するステント成型時の構図を図11のものとした以外は、実施例1と同様に行い比較例のステントを作製した。
このようにして作製されたステント形成体は、環状ユニット数12、隣り合う環状ユニット間に向かい合う位置に2つの連結部を有し、かつ、連結部が連続すし、全長が、20mm、外径2.0mm、波状要素(波状環状体)および連結部を構成する部分の幅は、0.12mm、接続部の幅は、0.12mm、一体化部の幅は、0.12mm、長さは、0.1mm、ステント全体の肉厚は、約0.08mmであった。
そして、このステント形成体をPTCA用拡張カテーテル(バルーンカテーテル)のバルーン部に被嵌し、マウント装置に挿入し、ステントをステントの外面から中心に向かって均一に圧縮して、外径1.0mmに縮径させて、バルーン状に装着させて、生体器官拡張器具を作製した。
ステンレス鋼(SUS316L)の直径2.0mm、肉厚0.095mmのものを、長さ50mmに切断した金属パイプを用いた。
レーザー加工機として、NEC社製のYAGレーザー(商品名SL116E)を用いた。金属パイプを軸がぶれないようにチャック機構の付いた回転モーター付治具にセットし、さらにこれを数値制御可能なXYテーブル上にセットした。そして、XYテーブルおよび回転モーターをパーソナルコンピュータに接続し、パーソナルコンピュータの出力が、XYテーブルの数値制御コントローラーおよび回転モーターに入力されるものとした。パーソナルコンピュータ内には図面ソフトが記憶されており、ここに、図6に示す成型時の構図のステントの展開図面を入力した。
このような構成により、パーソナルコンピュータより出力される図面データに基づいて、XYテーブルおよび回転モーターが駆動し、そこにレーザーを照射することにより、ステント構造物を作製した。上記金属パイプのレーザー加工条件としては、電流値25A,出力1.5W駆動スピード10mm/分にて行った。
そして、作製したステント構造物をステンレス用化学研磨液(三新化学工業株式会社製、商品名サンビット505,塩酸と硝酸からなる混合液を基本成分とし有機硫黄化合物および界面活性剤が添加されたもの)を約98℃加温したものに、約10分間浸漬し、面取り(バリ取り、化学研磨)を行った。
実施例1、2、比較例1、2の生体器官拡張器具のバルーンルーメン内に、X線造影剤を圧力10kg/cm2で圧入し、バルーンを膨張させ、ステントを外径3.0mmに拡張した。拡張したステントを生体器官拡張器具から取り外し、両端を固定し、軸方向と水平に5mm引っ張った時にステントにかかる荷重(引張り強度)の測定および軸方向に垂直な方向への柔軟性の程度を見た。
これらの結果を表1に示す。
┌─────┬────────┬─────────────┐
│ │引張り強度[kgf] │ 柔軟性 │
├─────┼────────┼─────────────┤
│ 実施例1│ 0.109 │ ○ │
├─────┼────────┼─────────────┤
│ 実施例2│ 0.090 │ ○ │
├─────┼────────┼─────────────┤
│ 比較例1│ 0.004 │ ○ │
├─────┼────────┼─────────────┤
│ 比較例2│ 伸びない │連結部の位置により差がある│
└─────┴────────┴─────────────┘
4 環状ユニット
Claims (14)
- 略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントであって、該ステントは、波状要素により環状に形成された第1の波状環状体と、該第1の波状環状体の谷部に山部が近接するようにステントの軸方向に配置された波状要素により環状に形成された第2の波状環状体と、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2の波状環状体の山部とを接続する複数の接続部とからなる環状ユニットがステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニットを前記接続部形成部位にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部を備え、さらに、該連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくは該ステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられていることを特徴とする生体内留置用ステント。
- 前記環状ユニットの前記複数の接続部のうち少なくとも一つの接続部は、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2の波状環状体の山部が一体化した一体化部であり、他の接続部は細線状接続部である請求項1に記載の生体内留置用ステント。
- 前記隣り合う環状ユニット間に複数設けられた連結部の少なくとも一つは、前記隣り合う環状ユニットの前記一体化部相互を連結するものであり、他の連結部は、前記隣り合う環状ユニットの前記細線状接続部形成部位相互を連結するものである請求項2に記載の生体内留置用ステント。
- 前記連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めとなっており、かつ前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、傾斜方向が異なるものとなっている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記連結部と該連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する螺旋状となるように配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記複数の連結部と該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記複数の連結部は向かい合う位置に配置されており、該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して約60度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された時に拡張可能なステントであって、該ステントは、前記半径方向に広がる力が付加された時に伸張する多数の線状屈曲部と開口を有する複数の略多角形状線状体を環状となるように複数の接続部により接続した環状ユニットがステントの軸方向に複数配列され、かつ、隣り合う環状ユニットを前記接続部にて連結するとともにステントの軸方向に連続しない連結部を備え、さらに、該連結部は、隣り合う環状ユニット間に複数かつ向かい合う位置もしくは該ステントの中心軸に対してほぼ等角度配置となるように設けられていることを特徴とする生体内留置用ステント。
- 前記連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めとなっており、かつ前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、傾斜方向が異なるものとなっている請求項8に記載の生体内留置用ステント。
- 前記連結部と該連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する螺旋状となるように配置されている請求項8または9に記載の生体内留置用ステント。
- 前記複数の連結部と該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して所定角度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されている請求項8または9に記載の生体内留置用ステント。
- 前記複数の連結部は向かい合う位置に配置されており、該複数の連結部と前記ステントの軸方向に隣り合う複数の連結部は、前記ステントの中心軸に対して約60度ずれるとともに、連結部が断続する複数の螺旋状となるように配置されている請求項8または9に記載の生体内留置用ステント。
- 前記環状ユニットの隣り合う波状要素間に形成される空間には、隣り合う環状ユニットの波状端部が侵入している請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記ステントは、請求項1ないし13のいずれかに記載のステントであることを特徴とする生体器官拡張器具。
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