従来の出納機は、店舗の始業前には、窓口等での運転資金としてのバラ紙幣および小束紙幣を出金させる出金処理を行うことになり、終業後には、運転資金の回収のための入金処理を行うようになっている。また、それ以外にも、例えば大口の紙幣の入金があった場合には、この紙幣の入金処理をも行うようになっている。そして、入金処理中に、金種毎にバラ紙幣収納部に収納されたバラ紙幣のうちのいずれかの金種のバラ紙幣の収納量が、満杯近くになったと判定できる予め定められた一定量になった場合に、入金処理を一旦中断して、この金種のバラ紙幣を結束して小束収納部に収納させるようになっている。
ところで、従来の出納機では、特に大口の紙幣の入金処理を行う場合に、上記した一定量に近い量のバラ紙幣がすでに収納された状態にあると、入金処理中に入金処理を一旦中断してバラ紙幣を結束する整理処理を行う可能性が高く、入金処理に必要以上に時間がかかってしまう可能性があった。
したがって、本発明は、入金処理の時間を短縮することができる紙幣処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、機外から投入されたバラ紙幣を識別して一時貯留させる一時貯留処理および一時貯留されたバラ紙幣を収納する収納処理からなる入金処理を行う入金機構と、該入金機構によって収納されたバラ紙幣を機内で結束して小束紙幣として収納する整理処理を行う結束収納機構と、該結束収納機構によって収納された小束紙幣を機外へ出金する小束出金処理を行う小束出金機構と、これら入金機構、結束収納機構および小束出金機構を制御する制御部とを有する紙幣処理機において、前記制御部は、前記入金機構による一の入金処理の終了後に、該入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された開始指定枚数以上となっている場合に、該入金機構に収納されたバラ紙幣を前記結束収納機構により結束して小束紙幣として収納する通常整理処理を実行することを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記制御部は、前記通常整理処理時に、当該通常整理処理後の前記入金機構のバラ紙幣の有り高が、予め設定された終了指定枚数を下回ることがないと予想される範囲で、前記入金機構に収納されたバラ紙幣を前記結束収納機構により結束して小束紙幣として収納することを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記制御部は、前記結束収納機構による前記通常整理処理中に、前記入金機構による前記一時貯留処理が要求された場合、該一時貯留処理を並行して実行することを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記制御部は、前記結束収納機構による前記通常整理処理および前記入金機構による前記一時貯留処理の並行実行中に、前記入金機構で前記一時貯留処理から前記収納処理に移行する際には、前記結束収納機構による前記通常整理処理を一時中断して前記入金機構による前記収納処理を実行することを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記入金機構による一の入金処理中に、該入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された収納満杯枚数に達すると、該入金機構による当該一の入金処理を一時中断して、該入金機構に収納されたバラ紙幣を前記結束収納機構により結束して小束紙幣として収納する強制整理処理を実行することを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記強制整理処理は、前記入金機構に収納されたバラ紙幣のうち、予め設定された強制整理束数分の枚数のバラ紙幣を前記結束収納機構により結束して小束紙幣として収納することを特徴としている。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記強制整理束数分のバラ紙幣の枚数は、前記入金機構における前記一時貯留処理の予め設定された一時貯留満杯枚数の所定の整数倍、または該整数倍を、結束のために最小限の範囲で超えた枚数に設定されていることを特徴としている。
請求項8に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記入金機構に収納されたバラ紙幣を前記強制整理処理によって前記結束収納機構により結束して小束紙幣として収納した後、前記一時中断していた前記入金機構による一の入金処理を再開することを特徴としている。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、前記制御部は、一の入金処理の最中に前記強制整理処理を実行した後の当該一の入金処理の再開後に、前記入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された第2開始指定枚数以上となった場合には、当該一の入金処理における前記一時貯留処理と並行して、前記結束収納機構による前記通常整理処理を実行することを特徴としている。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明において、前記制御部は、前記結束収納機構による前記通常整理処理および前記入金機構による前記一時貯留処理の並行実行中に、前記入金機構で前記一時貯留処理から前記収納処理に移行する際には、前記結束収納機構による前記通常整理処理を一時中断して前記入金機構による前記収納処理を実行することを特徴としている。
請求項11に係る発明は、請求項5乃至10のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記強制整理処理の実行中に、前記結束収納機構に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該強制整理処理を中断することを特徴としている。
請求項12に係る発明は、請求項5乃至11のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記強制整理処理の実行中に、前記小束出金機構による前記小束出金処理が要求された場合、当該強制整理処理を一時中断して、前記小束出金機構による前記小束出金処理を実行することを特徴としている。
請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記通常整理処理の実行中に、前記結束収納機構に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該通常整理処理を中断することを特徴としている。
請求項14に係る発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記通常整理処理の実行中に、前記小束出金機構による前記小束出金処理が要求された場合、当該通常整理処理を一時中断して、前記小束出金機構による前記小束出金処理を実行することを特徴としている。
請求項15に係る発明は、請求項1乃至14のいずれか一項に係る発明において、前記入金機構が、機体の一の操作面側から操作可能とされており、前記小束出金機構が、機体の他の一の操作面側から操作可能とされていることを特徴としている。
請求項16に係る発明は、請求項1乃至15のいずれか一項に係る発明において、前記入金機構によって収納されたバラ紙幣をバラのまま出金させるバラ出金機構がさらに設けられていることを特徴としている。
請求項17に係る発明は、請求項16に係る発明において、前記入金機構と前記バラ出金機構とが、機体の一の操作面側から操作可能とされており、前記小束出金機構が、機体の他の一の操作面側から操作可能とされていることを特徴としている。
請求項18に係る発明は、請求項1乃至14のいずれか一項に係る発明において、前記入金機構および前記小束出金機構が、機体の同一の操作面側から操作可能とされていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、制御部は、入金機構による一の入金処理の終了後に、入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された開始指定枚数以上となっている場合に、入金機構に収納されたバラ紙幣を結束収納機構により結束して小束紙幣として収納する通常整理処理を自動的に実行するため、各入金処理後に入金機構に収納されたバラ紙幣を極力減らして大量の紙幣の入金に備えておくことができる。したがって、入金処理中に入金処理を一旦中断してバラ紙幣を結束する整理処理を行うといった状況になり難く、入金処理の時間を短縮することができる。
請求項2に係る発明によれば、制御部は、通常整理処理時に、当該通常整理処理後の入金機構のバラ紙幣の有り高が、予め設定された終了指定枚数を下回ることがないと予想される範囲で、入金機構に収納されたバラ紙幣を結束収納機構により結束して小束紙幣として収納するため、例えば終了指定枚数として結束に必要な枚数のバラ紙幣を結束収納機構に余裕を持って送ることができる枚数を設定しておくことで、結束単位枚数に対し不足した枚数のバラ紙幣を結束収納機構に送ってしまうことを防止できる。
請求項3に係る発明によれば、制御部は、結束収納機構による通常整理処理中に、入金機構による一時貯留処理が要求された場合、一時貯留処理を並行して実行するため、通常整理処理の終了を待たずに入金処理を開始することができる。したがって、通常整理処理中でも入金処理を進めることができる。
請求項4に係る発明によれば、制御部は、結束収納機構による通常整理処理および入金機構による一時貯留処理の並行実行中に、入金機構で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、結束収納機構による通常整理処理を一時中断して入金機構による収納処理を実行するため、人が関わる入金処理の一時貯留処理および収納処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
請求項5に係る発明によれば、制御部は、入金機構による一の入金処理中に、入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された収納満杯枚数に達すると、入金機構による当該一の入金処理を一時中断して、入金機構に収納されたバラ紙幣を結束収納機構により結束して小束紙幣として収納する強制整理処理を自動的に実行するため、例え入金機構のバラ紙幣が満杯になっても、何らの操作を行わずに自動的に結束してバラ紙幣を減らすことができ、入金処理を継続することができる。
請求項6に係る発明によれば、強制整理処理は、入金機構に収納されたバラ紙幣のうち、予め設定された強制整理束数分の枚数のバラ紙幣を結束収納機構により結束して小束紙幣として収納するため、例えば一時貯留処理の満杯枚数に合わせて入金機構のバラ紙幣を減らす等、再開後の処理を考慮して効率的にバラ紙幣を減らすことが可能となる。
請求項7に係る発明によれば、強制整理束数分のバラ紙幣の枚数が、入金機構における一時貯留処理の予め設定された一時貯留満杯枚数の所定の整数倍、または該整数倍を、結束のために最小限の範囲で超えた枚数に設定されているため、一時貯留処理の満杯枚数に合わせて入金機構のバラ紙幣を減らすことができ、再開後の処理を考慮して効率的にバラ紙幣を減らすことができる。
請求項8に係る発明によれば、制御部は、入金機構に収納されたバラ紙幣を強制整理処理によって結束収納機構により結束して小束紙幣として収納した後、一時中断していた入金機構による一の入金処理を自動的に再開するため、何らの操作を行わずに入金処理を再開することができる。
請求項9に係る発明によれば、制御部は、一の入金処理の最中に強制整理処理を実行した後の当該一の入金処理の再開後に、入金機構に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された第2開始指定枚数以上となった場合には、当該一の入金処理における一時貯留処理と並行して、結束収納機構による通常整理処理を実行するため、強制整理処理が実行されるほど大量の入金があった場合に、強制整理処理の後は、入金処理における一時貯留処理と並行して通常整理処理を行って収納されたバラ紙幣を極力減らしておくことができる。
請求項10に係る発明によれば、制御部は、結束収納機構による通常整理処理および入金機構による一時貯留処理の並行実行中に、入金機構で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、結束収納機構による通常整理処理を一時中断して入金機構による収納処理を実行するため、人が関わる入金処理の一時貯留処理および収納処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
請求項11に係る発明によれば、制御部は、強制整理処理の実行中に、結束収納機構に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該強制整理処理を中断するため、結束収納機構に許容量以上の小束紙幣が収納されてしまうことがない。
請求項12に係る発明によれば、制御部は、強制整理処理の実行中に、小束出金機構による小束出金処理が要求された場合、当該強制整理処理を一時中断して、小束出金機構による小束出金処理を実行するため、人が関わる小束出金処理を、基本的に人が関わらない強制整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
請求項13に係る発明によれば、制御部は、通常整理処理の実行中に、結束収納機構に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該通常整理処理を中断するため、結束収納機構に許容量以上の小束紙幣が収納されてしまうことがない。
請求項14に係る発明によれば、制御部は、通常整理処理の実行中に、小束出金機構による小束出金処理が要求された場合、当該通常整理処理を一時中断して、小束出金機構による小束出金処理を実行するため、人が関わる小束出金処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
請求項15に係る発明によれば、投入されたバラ紙幣を入金機構で収納し、収納したバラ紙幣を結束収納機構で結束して収納可能であることから大量の紙幣を入金可能となるが、このように大量の紙幣を入金可能とし、しかも、入金機構を機体の一の操作面側から操作可能とすることで、一の操作面を顧客側スペースに臨むように配置すれば、顧客が大量の紙幣を入金しようと持ち込んだ場合に、この大量の紙幣を顧客が入金機構を操作して入金できることになる。したがって、顧客が大量の紙幣を入金しようと持ち込んだ場合に、係員が入金を受け付けて入金処理を行う必要がなくなり、係員の業務効率を改善可能となる。他方、小束出金機構が、機体の他の一の操作面側から操作可能とされているため、この他の一の操作面を係員側スペースに臨むように配置すれば、係員が結束収納機構に収納された小束紙幣を出金させることができる。
請求項16に係る発明によれば、入金機構によって収納されたバラ紙幣をバラのまま出金させるバラ出金機構がさらに設けられているため、小束紙幣のみではなく、バラ紙幣をも出金させることができる。
請求項17に係る発明によれば、入金機構とバラ出金機構とが、機体の一の操作面側から操作可能とされているため、一の操作面を顧客側スペースに臨むように配置すれば、顧客がバラ紙幣を入金機構を操作して入金でき、またバラ出金機構を操作してバラ紙幣を出金させることができる。他方、小束出金機構が、機体の他の一の操作面側から操作可能とされているため、この他の一の操作面を係員側スペースに臨むように配置すれば、係員が結束収納機構に収納された小束紙幣を出金させることができる。
請求項18に係る発明によれば、入金機構および小束出金機構が、機体の同一の操作面側から操作可能とされているため、入金処理と小束出金処理とを並行して行う場合等に容易となる。
本発明の一実施形態の紙幣処理機を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の紙幣処理機11は、銀行等の金融機関の店舗に設置されるものであるが、通常、金融機関の店舗は、顧客が行き来可能な顧客側スペースS1と顧客の立ち入りが制限され係員のみが行き来可能な係員側スペースS2とに仕切Wで区分けされている。そして、本実施形態の紙幣処理機11は、機体の第1操作面(一の操作面)11A側を顧客側スペースS1に臨ませる一方、第1操作面11Aとは反対の第2操作面(他の一の操作面)11B側を係員側スペースS2に臨ませて設置される。
第1操作面11A側には、顧客側スペースS1にいる人間つまり主として顧客によって機外からバラ紙幣が長手方向を横向きにして投入される紙幣投入部15と、顧客側スペースS1の顧客によって操作されるとともに、顧客に対し表示を行う入金操作表示部(入金操作部)16とが配置されている。ここで、紙幣投入部15よりも上側に入金操作表示部16が設けられている。
紙幣投入部15の下部には紙幣投入部15に投入されたバラ紙幣を一枚ずつ分離して機内に繰り出す図示略の分離繰出部が設けられており、この分離繰出部の下側には、分離繰出部で繰り出されたバラ紙幣を搬送する搬送部18が設けられている。また、搬送部18の途中には、搬送部18で搬送中のバラ紙幣の真偽、金種、正損および重送を識別して計数を行う入金識別部19が設けられており、搬送部18における入金識別部19よりも下流側には、バラ紙幣の表裏を適宜反転させる表裏反転部20が設けられている。表裏反転部20は、入金識別部19の識別結果に基づいて適宜バラ紙幣を反転させることでバラ紙幣の表裏を取り揃える。搬送部18の入金識別部19よりも下流側からは、分岐搬送部21が分岐されており、分岐搬送部21の端末には、入金識別部19で受け入れ不可紙幣と識別された、真紙幣以外の入金リジェクト紙幣を機外に取り出し可能にリジェクトする入金リジェクト部22が設けられている。この入金リジェクト部22は、可動板22aで紙幣投入部15に対し仕切られた状態で紙幣投入部15と並んで第1操作面11A側に設けられており、顧客側スペースS1にいる顧客によって入金リジェクト紙幣が取り出されるようになっている。
また、搬送部18の表裏反転部20よりも下流側には、入金識別部19で識別されたバラ紙幣のうち入金可能紙幣と識別され表裏反転部20で適宜表裏が取り揃えられたバラ紙幣を入金識別部19の識別結果に基づいて振り分ける複数具体的には三カ所の分岐搬送部23,24,25が順に分岐しており、各分岐搬送部23,24,25の端末および搬送路18の端末には、それぞれ、振り分けられたバラ紙幣を一時貯留させる一時貯留部27,28,29,30が接続されている。ここで、最も上流側の分岐搬送部23に接続された一時貯留部27には、例えば五千円券および二千円券が金種混合で一時貯留されることになり、上流側から二番目の分岐搬送部24に接続された一時貯留部28には、例えば千円券のみが一時貯留されることになり、上流側から三番目の分岐搬送部25に接続された一時貯留部29には、例えば万円券のみが一時貯留されることになり、搬送部18の端末に接続された一時貯留部30には、例えば金種別に分類して収納しきれないオーバーフロー紙幣が一時貯留されることになる。つまり、紙幣処理機11には、入金識別部19で識別されたバラ紙幣を一時貯留させる金種別の一時貯留部28,29を含む複数の一時貯留部27,28,29,30が設けられている。
なお、一時貯留部30の上部には、一時貯留紙幣の入金リジェクト部22への返却のために一時貯留部30のバラ紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す図示略の繰出部が設けられており、この繰出部で繰り出されたバラ紙幣を搬送する搬送部36が上記した搬送部18の入金識別部19よりも上流側に合流している。つまり、一時貯留部30のバラ紙幣が搬送部36から搬送部18の一部および搬送部21を介して入金リジェクト部22へ返却される。
また、一時貯留部27〜29の上部にも、一時貯留紙幣の入金リジェクト部22への返却のために一時貯留部27〜29のバラ紙幣を一枚ずつ分離して分岐搬送部23〜25の対応するものに繰り出す図示略の繰出部がそれぞれ設けられている。つまり、一時貯留部27〜29のバラ紙幣が、分岐搬送路23〜25、搬送路18の一部、連結搬送路39、搬送路18の他の一部および分岐搬送部21を介して入金リジェクト部22へ返却される。
各一時貯留部27〜30のそれぞれの下方には、一対一で対応してバラ紙幣収納部31,32,33,34が設けられている。ここで、最も上流側の一時貯留部27の下方に設けられたバラ紙幣収納部31は、一時貯留部27からの例えば五千円券および二千円券を金種混合で上部開口を介して受け入れて収納することになり、上流側から二番目の一時貯留部28の下方に設けられたバラ紙幣収納部32は、一時貯留部28からの例えば千円券のみを上部開口を介して受け入れて収納することになり、上流側から三番目の一時貯留部29の下方に設けられたバラ紙幣収納部33は、一時貯留部29からの例えば万円券のみを上部開口を介して受け入れて収納することになり、最も下流側の一時貯留部30の下方に設けられたバラ紙幣収納部34は、一時貯留部30からの、他のバラ紙幣収納部31,32,33に収納しきれないオーバーフロー紙幣を金種混合で上部開口を介して受け入れて収納することになる。つまり、紙幣処理機11には、金種別の一時貯留部28,29に一時貯留されたバラ紙幣を収納する金種別のバラ紙幣収納部32,33を含む複数のバラ紙幣収納部31,32,33,34が設けられている。
なお、オーバーフロー紙幣用のバラ紙幣収納部34は、一時貯留部30の上部の図示略の繰出部で、収納したバラ紙幣を再び振り分けるようになっている。つまり、この繰出部でバラ紙幣収納部34から搬送部36に繰り出されたバラ紙幣を搬送部18の一部で搬送し入金識別部19で識別して、分岐搬送部23〜25で各一時貯留部27,28,29に振り分けるようになっている。
ここで、顧客によって紙幣投入部15にバラ紙幣が投入されて入金操作表示部16に入金処理開始の操作入力がなされると、制御部37は、図示略の分離繰出部で紙幣投入部15からバラ紙幣を繰り出し、入金識別部19の識別結果に基づいて、搬送部18および分岐搬送部21で入金リジェクト紙幣を入金リジェクト部22に、搬送部18および分岐搬送部23〜25で、受け入れ可能なバラ紙幣を計数しつつ一時貯留部27〜30のうちの対応するものに搬送する一時貯留処理を行う。そして、例えば、一時貯留処理が終了して、紙幣投入部15のバラ紙幣がすべて、入金リジェクト部22および一時貯留部27〜30のいずれかに搬送されると、制御部37は、入金識別部19の識別結果を入金操作表示部16に表示させる。これを見た顧客が、入金操作表示部16に承認操作を入力すると、制御部37は、すべての一時貯留部27〜30に一時貯留されていたバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34に収納させる収納処理を行うことになる。他方、顧客が入金操作表示部16にキャンセル操作を入力すると、制御部37は、すべての一時貯留部27〜30からバラ紙幣を入金リジェクト部22に送り出す。ここで、上記した紙幣投入部15、入金識別部19、入金リジェクト部22、一時貯留部27〜30およびバラ紙幣収納部31〜34は、制御部37で制御されることにより、機外から投入されたバラ紙幣を識別して一時貯留させる一時貯留処理および一時貯留されたバラ紙幣を収納する収納処理からなる入金処理を行う入金機構38を構成している。
金種別のバラ紙幣収納部32,33を含むバラ紙幣収納部31〜33は、収納しているバラ紙幣をそれぞれの下部に設けられた図示略の繰出部から搬送部40に繰出可能となっており、搬送部40には、バラ紙幣の重送の有無を検出する重送検出部41が設けられている。搬送部40の端末には、重送検出部41で重送が検出された結束リジェクト紙幣を収納するリジェクトボックス42が設けられている。なお、第1操作面11Aを機体前面とすると(以下同様)、上記した紙幣投入部15、入金識別部19、入金リジェクト部22、一時貯留部27〜30、バラ紙幣収納部31〜34、重送検出部41およびリジェクトボックス42は、機体左右方向一側具体的には第1操作面11A側から見て右側に配設されている。
また、搬送部40には、重送検出部41よりも下流側かつリジェクトボックス42よりも上流側から分岐搬送部44が分岐しており、分岐搬送部44は、重送検出部41で識別されたバラ紙幣のうち結束可能紙幣と識別されたバラ紙幣を図2に示す結束部45に搬送する。
結束部45は、搬送されてきたバラ紙幣を所定の結束単位枚数(100枚)ずつ集積して結束テープを巻き回して結束することになり、結束部45で結束した小束紙幣を、昇降可能な小束振分部43が金種別の複数具体的には三カ所の小束収納部46,47,48に振り分けて収納させる。これら小束収納部46,47,48は、それぞれが、機体前後方向に沿う状態で、互いに上下方向に重ねられるように設けられている。ここで、例えば、最も上側の小束収納部46に万円券の小束紙幣が、中間の小束収納部47にも万円券の小束紙幣が、最も下側の小束収納部48に千円券の小束紙幣がそれぞれ収納されることになる。つまり、紙幣処理機11には、バラ紙幣収納部33,34に収納されたバラ紙幣を結束する結束部45と、結束部45で結束された小束紙幣を振り分ける小束振分部43と、小束振分部43で振り分けた小束紙幣を収納する金種別の小束収納部46,47,48とが設けられている。ここで、小束収納部46,47,48は、小束紙幣を長手方向が上下に向くように立てた状態とし厚さ方向を機体前後方向に沿わせた姿勢で機体前側から一束ずつ受け入れて、機体前後方向に重ねるように収納する。ここで、上記した結束部45、小束振分部43および小束収納部46〜48が、制御部37で制御されることにより、入金機構38によって収納されたバラ紙幣を機内で結束して小束紙幣として収納する整理処理を行う結束収納機構49を構成している。
各金種別の小束収納部46,47,48は、それぞれ収納している小束紙幣を機体後側のものから一束ずつ繰出可能であり、小束収納部46,47,48の機体後側には小束収納部46,47,48から繰り出された小束紙幣を受け入れる昇降可能なエレベータ50が設けられている。
第2操作面11B側には、エレベータ50が受け入れた小束紙幣をエレベータ50の上昇で機外に取り出し可能とする開閉可能なシャッタ53が設けられた小束出金部51と、小束出金部51に小束紙幣を出金させるための操作入力が行われる出金操作表示部(出金操作部)52とが設けられている。つまり、第2操作面11B側には、係員側スペースS2にいる人間つまり主として係員によって機外へ小束紙幣を出金可能とする小束出金部51と、係員側スペースS2の係員によって操作されるとともに、係員に対し表示を行う出金操作表示部52とが配置されている。ここで、小束出金部51よりも上側に出金操作表示部52が設けられている。なお、エレベータ50と小束出金部51とが、制御部37で制御されることにより、結束収納機構49によって収納された小束紙幣を機外へ出金する小束出金処理を行う小束出金機構54を構成している。
なお、上記した結束部45、小束収納部46〜48、小束振分部43、エレベータ50および小束出金部51は、機体左右方向逆側具体的には第1操作面11A側から見て左側に配設されている。
ここで、制御部37は、金種別のバラ紙幣収納部32,33からバラ紙幣を繰り出させて、結束リジェクト紙幣を搬送部40でリジェクトボックス42に、結束可能紙幣を搬送部40および分岐搬送部44で結束部45に搬送する。そして、結束部45に搬送されたバラ紙幣が結束単位枚数になると、制御部37は結束部45でバラ紙幣を結束させて、小束収納部46〜48のうちの対応する金種のものに収納させることになる。
また、係員によって出金操作表示部52に出金設定の操作入力がなされると、制御部37が、小束収納部46〜48から、設定された小束紙幣をエレベータ50に繰り出させエレベータ50で運んで小束出金部51から機外に取り出し可能に出金させることになる。
次に、制御部37の制御内容について説明する。
上記したように、顧客によって紙幣投入部15にバラ紙幣が投入されて入金操作表示部16に一の入金処理の開始操作の入力がなされると、制御部37は、一の入金処理を開始して、紙幣投入部15のバラ紙幣のうち、入金リジェクト紙幣を入金リジェクト部22に、受け入れ可能なバラ紙幣を一時貯留部27〜30のうちの対応するものに搬送する一時貯留処理を行う。そして、この一時貯留処理による入金識別部19の識別結果を入金操作表示部16に表示させ、顧客により入金操作表示部16に収納承認操作が入力されると、制御部37は、すべての一時貯留部27〜30に一時貯留されていたバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34に収納させる収納処理を行うことになる。なお、場合により、上記の一時貯留処理および収納処理を複数回行う。そして、この一の入金処理の終了承認操作の入力が入金操作表示部16に入力されると、一の入金処理が終了する。
一の入金処理の終了直後の時点で、制御部37は、入金機構38の金種別のバラ紙幣収納部32,33に収納されたバラ紙幣の有り高をそれぞれ確認するバラ紙幣有り高確認処理を行い、バラ紙幣収納部32,33のうちのいずれかで、バラ紙幣の収納枚数が予め設定された第1開始指定枚数(開始指定枚数)ST1以上となっているか否かを判定する。ここで、この第1開始指定枚数ST1は、小束紙幣とするのに必要な結束単位枚数である100枚を整数L倍したものに、結束部45に送る際に重送等のリジェクト紙幣の発生を考慮した余裕分αを加算した値に設定される。つまり、第1開始指定枚数ST1=100×L+αに設定される。ここで、この式のLは、2以上の整数で、好ましくは3に設定され、ST1=300+α(例えばST1=400)に設定される。
上記判定で、バラ紙幣収納部32,33のうちのいずれかで、バラ紙幣が予め設定された第1開始指定枚数ST1以上となっている場合に、制御部37は、バラ紙幣収納部32,33の該当するものから、自動的に、バラ紙幣を結束収納機構49の結束部45に繰り出させて、結束部45により結束し小束紙幣として金種別の小束収納部46,47,48に収納する通常整理処理を実行する。このとき、重送検出部41で検出された重送等の結束リジェクト紙幣をリジェクトボックス42に送り、それ以外の結束可能紙幣を結束収納機構49に送ることになる。なお、上記一の入金処理の途中では、バラ紙幣が予め設定された第1開始指定枚数ST1以上となってもそのまま入金処理を続ける。
つまり、一の入金処理の終了直後の時点で、バラ紙幣収納部32に収納されたバラ紙幣の有り高が第1開始指定枚数ST1以上となっている場合に、このバラ紙幣収納部32に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49で結束して小束収納部48に収納する通常整理処理を実行する。また、バラ紙幣収納部33に収納されたバラ紙幣の有り高が第1開始指定枚数ST1以上となっている場合に、このバラ紙幣収納部33に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49で結束して小束収納部46,47のいずれかに収納する通常整理処理を実行する。勿論、バラ紙幣収納部32,33の両方でバラ紙幣が第1開始指定枚数以上となっている場合には、自動的に適宜の順番で通常整理処理を実行することになる。
ここで、制御部37は、上記した通常整理処理時に、金種別のバラ紙幣収納部32,33のうちの通常整理処理が行われるものに対して、通常整理処理後のバラ紙幣の有り高が、予め設定された終了指定枚数SPを下回ることがないと予想される範囲で、バラ紙幣を結束収納機構49に送り出し、結束収納機構49で結束して小束紙幣として収納する。上記した終了指定枚数SPは、例えば、SP=100枚×Mに設定され、この式のMは、1以上の整数であり、好ましくは1に設定される(つまりSP=100枚)。なお、終了指定枚数SPは、結束収納機構49に送る際に重送等の結束リジェクト紙幣の発生がないと仮定した場合にバラ紙幣収納部32,33のそれぞれに最小限残そうとする枚数で、結束リジェクト紙幣が発生した場合に、バラ紙幣収納部32,33のそれぞれに残る枚数は、実際には終了指定枚数SPを下回る可能性もある。言い換えれば、リジェクト紙幣が発生することで終了指定枚数SPを下回ったとしても0となることがないように終了指定枚数SPが設定される。そして、金種別のバラ紙幣収納部32,33のうちの通常整理処理が行われるものから、残るバラ紙幣の枚数が終了指定枚数SPを下回ることがないと予想できる範囲で、可能な限り多くの束数Nの小束紙幣を作成できるように、束数N×結束単位枚数であるN×100枚のバラ紙幣を結束収納機構49の結束部45に送り込むことになる。
結束部45では、結束単位枚数である100枚が送り込まれる毎にバラ紙幣を結束することになり、このように結束された小束紙幣を小束振分部43が小束収納部46〜48の中の対応するものに収納させることになる。このようにして、バラ紙幣収納部32,33に収納されているバラ紙幣の量を減らしておき、バラ紙幣収納部32,33のバラ紙幣収納スペースを空けておくことになる。
そして、繰り返し行われる一の入金処理毎に、以上のようなバラ紙幣有り高確認処理を行うことになり、バラ紙幣収納部32,33のうちのいずれかで、予め設定された第1開始指定枚数ST1以上となっていれば、その都度、通常整理処理を行う。
ここで、入金処理のうちの一時貯留処理を行う紙幣投入部15、入金識別部19、入金リジェクト部22および一時貯留部27〜30と、整理処理を行うバラ紙幣収納部32,33、重送検出部41、結束部45、小束振分部43および小束収納部46〜48とは、処理上完全に分離されているため、制御部37は、結束部45、小束振分部43および小束収納部46〜48からなる結束収納機構49による上記した通常整理処理中に、次の一の入金処理のためのバラ紙幣が紙幣投入部15に投入され、入金操作表示部16に入金処理開始の操作入力がなされ、紙幣投入部15、入金識別部19、入金リジェクト部22および一時貯留部27〜30を有する入金機構38による一時貯留処理が要求された場合、一時貯留処理を並行して実行することになる。
そして、上記した次の一の入金処理の一時貯留処理が終了し、入金操作表示部16に収納承認操作が入力されると、制御部37は、先の一の入金処理に関連した通常整理処理が終了している場合には、一時貯留部27〜30からバラ紙幣収納部31〜34にバラ紙幣を収納させることになる。
他方、収納承認操作が入力された時点で、先の一の入金処理に関連した通常整理処理が終了していない場合、つまり、結束収納機構49による通常整理処理および入金機構38による一時貯留処理の並行実行中に、収納承認操作が入力され、入金機構38で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、入金処理のうちの収納処理を行うバラ紙幣収納部31〜34が、整理処理と処理上重なっているため、収納処理と通常整理処理とを並行して行うことができない。このため、制御部37は、結束収納機構49による通常整理処理を一時中断して入金機構38による収納処理を実行する。つまりバラ紙幣収納部32,33の通常整理処理中のものからのバラ紙幣の繰り出しを中断して一時貯留部27〜30からバラ紙幣収納部31〜34にバラ紙幣を収納させる。そして、収納処理が終了すると、制御部37は、一時中断していた通常整理処理つまりバラ紙幣収納部32,33の通常整理処理中のものからのバラ紙幣の繰り出しを再開させる。なお、結束収納機構49による通常整理処理の一時中断時には、バラ紙幣収納部31〜34からの新たなバラ紙幣の繰り出しは禁止するものの、既に繰り出されたバラ紙幣は、結束部45まで送ることになる。上記した次の一の入金処理の一時貯留処理が終了し、入金操作表示部16にキャンセル操作が入力された場合には、制御部37は、先の一の入金処理に関連した通常整理処理が終了しているか否かに拘わらず、一時貯留部27〜30から入金リジェクト部22にバラ紙幣を送り出す。
また、入金機構38による一の入金処理の一時貯留処理中に、一時貯留部27〜30のいずれかでバラ紙幣が満杯と判断できる一時貯留満杯枚数IF(例えば300枚)に達すると、一旦、一時貯留処理を停止させ、例えば入金操作表示部16に収納承認操作が入力されたことを条件として、一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34に収納させる収納処理を行った後、一時貯留処理を再開させることになり、このような一時貯留処理および収納処理を一の入金処理で適宜の回数繰り返すことがある。つまり、入金操作表示部16に対し、一の入金処理の開始操作が入力されてからこの一の入金処理の終了承認操作が入力されるまでの一の入金処理の間に、例えばバラ紙幣の追加投入等があって、大量のバラ紙幣が入金される場合、例え直前に上記のような通常整理処理を行ってバラ紙幣収納部32,33のバラ紙幣収納スペースを空けていても、入金機構38のバラ紙幣収納部32,33のいずれかに収納されたバラ紙幣の有り高が、バラ紙幣が満杯と判断できる予め設定された収納満杯枚数SF(例えば1000枚)に達することがある。このような場合には、入金機構38による当該一の入金処理を一時中断して、入金機構38のバラ紙幣収納部32,33のうちの満杯となったものに収納されたバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納する強制整理処理を実行する。
つまり、一の入金処理の途中で、バラ紙幣収納部32に収納されたバラ紙幣の有り高が収納満杯枚数SFとなった場合に、このバラ紙幣収納部32に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49で結束して小束収納部48に収納する強制整理処理を実行する。また、バラ紙幣収納部33に収納されたバラ紙幣の有り高が収納満杯枚数SFとなった場合に、このバラ紙幣収納部33に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49で結束して小束収納部46,47のいずれかに収納する強制整理処理を実行する。
ここで、制御部37は、上記した強制整理処理時に、入金機構38のバラ紙幣収納部32,33のうちの満杯となったものに収納されたバラ紙幣のうち、予め設定された強制整理束数分の強制結束枚数Kのバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納させる。この強制整理束数分のバラ紙幣の強制結束枚数Kは、入金機構38における一時貯留処理の予め設定された一時貯留満杯枚数(つまり各一時貯留部27〜30のそれぞれの満杯枚数)IF(例えば300枚)の所定の整数倍(例えば2倍)の枚数(例えば600枚)とされており、この枚数のバラ紙幣を結束収納機構49の結束部45に送り込むことになる。なお、この場合は、一時貯留満杯枚数IFの所定の整数倍が、結束単位枚数(100枚)の倍数になっているため、所定の整数倍としたが、そうでない場合は、強制結束枚数Kは、一時貯留満杯枚数IFの所定の整数倍の枚数を、結束単位枚数の倍数にできる最小限の範囲で超えた枚数に設定される。
そして、制御部37は、上記した強制整理処理によって予め設定された強制整理束数の小束紙幣を小束収納部46〜48のいずれか対応するものに収納した後に、前記一時中断していた入金機構38による一の入金処理を自動的に再開する。つまり、紙幣投入部15に残っているバラ紙幣から、入金リジェクト紙幣を入金リジェクト部22に、受け入れ可能なバラ紙幣を一時貯留部27〜30のうちの対応するものに搬送する。このように一の入金処理の最中に強制整理処理を実行した後の当該一の入金処理の再開後に、制御部37は、入金機構38のバラ紙幣収納部32,33のうち強制整理処理が行われたもののバラ紙幣の有り高が、予め設定された第2開始指定枚数ST2(例えば600枚)以上となった場合には、当該一の入金処理における一時貯留処理と並行して、結束収納機構49による上記と同様の通常整理処理を実行する。つまり、一の入金処理において、バラ紙幣収納部32,33のうち強制整理処理が行われて一時貯留満杯枚数IF(例えば1000枚)から強制結束枚数K(例えば600枚)分だけ減らされているものについて、同じ一の入金処理におけるその後の一時貯留処理から収納処理で、バラ紙幣の有り高が第2開始指定枚数ST2(例えば600枚)に達すると、その後に行われる一時貯留処理に並行して、このバラ紙幣収納部のバラ紙幣を結束収納機構49による通常整理処理で結束して収納させる。つまり、バラ紙幣収納部32,33のうちの通常整理処理が行われるものに対して、通常整理処理後のバラ紙幣の有り高が、予め設定された終了指定枚数SPを下回ることがないと予想される範囲で、バラ紙幣を結束収納機構49に送り出し、結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納する。
制御部37は、このような結束収納機構49による通常整理処理および入金機構38による一時貯留処理の並行実行中に、入金機構38で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、結束収納機構49による通常整理処理を一時中断して入金機構38による収納処理を実行することになる。つまりバラ紙幣収納部32,33の通常整理処理中のものからのバラ紙幣の繰り出しを中断して一時貯留部27〜30からバラ紙幣収納部31〜34にバラ紙幣を収納させる。そして、収納処理が終了すると、制御部37は、一時中断していた通常整理処理つまりバラ紙幣収納部32,33の通常整理処理中のものからの繰り出しを自動的に再開させる。
また、制御部37は、上記した強制整理処理の実行中に、結束収納機構49の小束収納部46,47の両方、または小束収納部48に収納された小束紙幣の有り高がそれぞれに対し予め設定された収納満杯束数に達すると、当該強制整理処理を中断して、警報を発生させることになる。これにより、係員が小束収納部46〜48のいずれか満杯のものから適宜小束紙幣を取り出して満杯を解除することになり、これを受けて、制御部37は強制整理処理を再開させる。
さらに、制御部37は、上記したいずれの通常整理処理の実行中においても、結束収納機構49の小束収納部46,47の両方、または小束収納部48に収納された小束紙幣の有り高がそれぞれに対し予め設定された収納満杯束数に達すると、当該通常整理処理を中断して、警報を発生させることになる。これにより、係員が小束収納部46〜48のいずれか満杯のものから適宜小束紙幣を取り出して満杯を解除することになり、これを受けて、制御部37は通常整理処理を再開させる。
加えて、制御部37は、上記した強制整理処理の実行中に、出金操作表示部52への操作入力で小束出金機構54による小束出金処理が要求された場合、当該強制整理処理を一時中断して、小束出金機構54による小束出金処理を実行する。つまり、係員によって出金操作表示部52に出金設定の操作入力がなされると、制御部37は、小束振分部43から小束収納部46〜48への振り分けを禁止するとともに、小束収納部46〜48から、設定された小束紙幣をエレベータ50に繰り出させエレベータ50で運んで小束出金部51から機外に取り出し可能に出金させることになる。ここで、エレベータ50には複数の小束紙幣が受け入れ可能であり、複数の小束紙幣を同時に出金可能となっている。そして、設定された小束紙幣がすべて機外に取り出されると、制御部37は、一時中断していた強制整理処理を自動的に再開させる。
また、制御部37は、上記したいずれの通常整理処理の実行中においても、出金操作表示部52への操作入力で小束出金機構54による小束出金処理が要求された場合、上記強制整理処理の実行中と同様に、当該通常整理処理を一時中断して、小束出金機構54による小束出金処理を実行し、実行後に、一時中断していた通常整理処理を自動的に再開させる。
次に、以上の制御部37の制御内容を千円券を例にとり、より具体的に説明する。勿論、万円券の場合も一時貯留、バラ収納および小束収納の対象が異なる以外は同様である。
まず、通常整理処理を行う場合について説明する。
バラ紙幣収納部31〜34のそれぞれの収納容量CをC=1000枚とし、一時貯留部27〜30のそれぞれの収納容量PをP=300枚とし、バラ紙幣収納部31〜34のそれぞれの収納量をXとすると、バラ紙幣収納部31〜34のそれぞれの収納可能容量YはY=C−Xとなる。また、第1開始指定枚数ST1がST1=400枚に設定され、終了指定枚数SPがSP=100枚に設定されているものとする。
そして、千円券用のバラ紙幣収納部32の現在の収納量X=250枚とし、大口入金者による一の入金処理の千円券の入金予定枚数が500枚であるとする。このとき、当初のバラ紙幣収納部32の収納可能容量Y=1000−250=750>Pである。まず、紙幣投入部15に上記した千円券500枚を含むバラ紙幣が投入されて入金操作表示部16に一の入金処理の開始操作が入力されると、制御部37は、この一の入金処理において、収納容量P分の枚数つまり一時貯留満杯枚数である300枚のバラ紙幣を千円券用の一時貯留部28に一時貯留させた段階で、一時貯留処理を中断し、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、千円券用の一時貯留部28から千円券用のバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このとき、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。
上記の収納処理が終了すると、制御部37は、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XをX=250+300=550枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量YをY=1000−550=450枚に更新する。
ここで、バラ紙幣収納部32の収納量X=550枚が、第1開始指定枚数ST1=400枚を超えているが、一の入金処理中であるため、制御部37は通常整理処理および強制整理処理を起動することはない。
上記した収納処理の終了後、制御部37は、一の入金処理の続きとして、中断した一時貯留処理を再開させ、残りの200枚のバラ紙幣について、このときの収納可能容量Y=1000−550=450>Pであることから、すべて一時貯留部28に一時貯留させる。そして、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、一時貯留部28からバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このときも、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。そして、例えば、この時点ですべてのバラ紙幣の収納が終了し、この一の入金処理に対する終了承認操作の入力がなされると、一の入金処理が終了する。
この一の入金処理の終了時点で、制御部37は、バラ紙幣収納部32の収納量XをX=550+200=750枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量YをY=1000−750=250枚に更新する。
ここで、バラ紙幣収納部32の収納量X=750枚が、第1開始指定枚数ST1=400枚を超えており、しかも一の入金処理が終了しているため、制御部37は通常整理処理を起動する。
この通常整理処理にあっては、バラ紙幣収納部32の収納量XがX=750枚であるため、終了指定枚数SP=100を下回らない束数Nは、Z=(X−SP)/100を超えない整数値となり、Z=(750−100)/100=6.5となって、N=6が、通常整理処理で結束される束数として設定される。そして、制御部37が、バラ紙幣収納部32からのバラ紙幣を結束部45で100枚ずつ結束して小束紙幣とし、このような小束紙幣をN=6束だけ作成して千円券用の小束収納部48に収納させる。
この通常整理処理中に、紙幣投入部15にバラ紙幣が投入されて入金操作表示部16に次の一の入金処理の開始操作が入力される(次の一の入金処理の要求がある)と、制御部37は、次の一の入金処理の一時貯留処理を通常整理処理と並行して行う。但し、その後、入金機構38による収納処理が要求された場合には、起動中の通常整理処理を一時中断して、入金機構38による収納処理を実行する。
次に、強制整理処理を行う場合について説明する。
上記と同様に、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XがX=250枚のとき、大口入金者による一の入金処理の千円券の入金予定枚数が900枚であるとする。このとき、上記と同様に、当初のバラ紙幣収納部32の収納可能容量Y=1000−250=750>Pである。まず、紙幣投入部15に追加投入を含めて上記した千円券900枚を含むバラ紙幣が投入されて入金操作表示部16に一の入金処理の開始操作が入力されると、制御部37は、この一の入金処理において、収納容量P分の枚数である300枚のバラ紙幣を千円券用の一時貯留部28に一時貯留させた段階で、一時貯留処理を中断し、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、千円券用の一時貯留部28から千円券用のバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このとき、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。
この収納処理が終了すると、制御部37は、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XをX=250+300=550枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量YをY=1000−550=450枚>Pに更新する。
ここで、バラ紙幣収納部32の収納量X=550枚が、第1開始指定枚数ST1=400枚を超えているが、一の入金処理中であるため、制御部37は通常整理処理および強制整理処理を起動することはない。
この収納処理の終了後、制御部37は、一の入金処理の続きとして、中断した一時貯留処理を再開させ、次の300枚のバラ紙幣を千円券用の一時貯留部28に一時貯留させた段階で、一時貯留処理を中断し、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、千円券用の一時貯留部28から千円券用のバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このときも、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。
この収納処理が終了すると、制御部37は、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XをX=550+300=850枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量YをY=1000−850=150枚<Pに更新する。
ここでも、バラ紙幣収納部32の収納量X=850枚が、第1開始指定枚数ST1=400枚を超えているが、一の入金処理中であるため、制御部37は通常整理処理および強制整理処理を起動することはない。
この収納処理の終了後、制御部37は、一の入金処理の続きとして、中断した一時貯留処理を再開させるが、この時点で、バラ紙幣収納部32の収納可能容量YがY=150枚<Pとなっているので、次の300枚のバラ紙幣のうち千円券用のバラ紙幣収納部32の収納可能容量Yに相当する150枚のバラ紙幣を千円券用の一時貯留部28に一時貯留させた段階で、一時貯留処理を中断し、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、千円券用の一時貯留部28から千円券用のバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このときも、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。
この収納処理が終了すると、制御部37は、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XをX=850+150=1000枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量YをY=1000−1000=0枚に更新する。
ここで、一の入金処理中であるものの、バラ紙幣収納部32の収納量X=1000枚が収納容量Cに達したため、制御部37は強制整理処理を起動することになる。
この強制整理処理にあっては、千円券用の一時貯留部28の一時貯留満杯枚数である収納容量P=300枚の所定の整数倍、具体的には2倍の600枚つまり6束分のバラ紙幣を、満杯のバラ紙幣収納部32から結束部45に送り込む。なお、この例では一時貯留満杯枚数である一時貯留部28の収納容量が300枚で、結束単位枚数100枚のちょうど倍数となっているため、所定の整数倍としたが、例えば、一時貯留部28の収納容量が330枚で、結束単位枚数100枚のちょうど倍数となっていない場合は、所定の整数倍、例えば2倍の660枚に、結束単位枚数100枚の倍数とするための必要最小限の枚数である40枚分を加えた700枚(所定の整数倍を、結束のために最小限の範囲で超えた枚数)つまり7束分のバラ紙幣を、満杯のバラ紙幣収納部32から結束部45に送り込むことになる。
そして、バラ紙幣収納部32からのバラ紙幣を結束部45で100枚ずつ結束して小束紙幣とし、このような小束紙幣を6束だけ作成して千円券用の小束収納部48に収納させる。これは、強制整理処理を必要とするような大口入金が発生したため、一時貯留部28の収納容量Pの倍数相当の枚数分を結束すれば、その後に入金処理を再開しても、一時貯留部28の収納容量P分の入金処理が可能となり、効率的な入金処理が期待できるためである。
そして、上記したように、6束の小束紙幣の結束収納処理が終了すると、制御部37は、千円券用のバラ紙幣収納部32の収納量XをX=1000−600=400枚に更新し、また、このバラ紙幣収納部32の収納可能容量Y=1000−400=600枚に更新して強制整理処理を終了する。
強制整理処理中、強制整理処理が終了するまで入金処理は中断される。
強制整理処理の終了後、制御部37は、一の入金処理の続きとして、中断した一時貯留処理を自動的に再開させ、残りの150枚のバラ紙幣を千円券用の一時貯留部28に一時貯留させた後、一時貯留紙幣の収納についての収納承認操作が入金表示操作部16に入力されると、千円券用の一時貯留部28から千円券用のバラ紙幣収納部32にバラ紙幣を収納させる収納処理を行う。このときも、すべての一時貯留部27〜30のバラ紙幣をバラ紙幣収納部31〜34の対応するものに収納させることになる。その後、この一の入金処理に対する終了承認操作の入力により、一の入金処理が終了する。
ここで、制御部37は、上記のように、一度、強制整理処理を実行し終了した後にあっては、一の入金処理が終了する前であっても、バラ紙幣収納部32の収納量Xが第2開始指定枚数ST2の600枚を超えたと判断された時には、一の入金処理と並行して上記した通常整理処理を実行する。これにより、非常に大量の大口入金が行われても、適宜、適切に結束収納処理が行われて、入金処理の停止回数、時間が低減される。
なお、結束収納処理を行っている金種紙幣の小束収納庫48が満杯になった場合に、制御部37は、入金処理も、整理処理つまり通常整理処理および強制整理処理のいずれも、中断する。
また、通常整理処理または強制整理処理が起動中に、小束出金機構54による小束出金処理が要求された場合、制御部37は、起動中の通常整理処理または強制整理処理を中断し、小束出金機構54による小束出金処理を実行する。
以上に述べた本実施形態の紙幣処理機11によれば、制御部37は、入金機構38による一の入金処理の終了後に、入金機構38に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された第1開始指定枚数ST1以上となっている場合に、入金機構38に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納する通常整理処理を自動的に実行するため、各入金処理後に入金機構38に収納されたバラ紙幣を極力減らして大量の紙幣の入金に備えておくことができる。したがって、入金処理中に入金処理を一旦中断してバラ紙幣を結束する整理処理を行うといった状況になり難く、入金処理の時間を短縮することができる。
また、制御部37は、通常整理処理時に、当該通常整理処理後の入金機構38のバラ紙幣の有り高が、予め設定された終了指定枚数SPを下回ることがないと予想される範囲で、入金機構38に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納するため、例えば終了指定枚数として結束に必要な枚数のバラ紙幣を結束収納機構49に余裕を持って送ることができる枚数を設定しておくことで、結束単位枚数に対し不足した枚数のバラ紙幣を結束収納機構49に送ってしまうことを防止できる。
さらに、制御部37は、結束収納機構49による通常整理処理中に、入金機構38による一時貯留処理が要求された場合、一時貯留処理を並行して実行するため、通常整理処理の終了を待たずに入金処理を開始することができる。したがって、通常整理処理中でも入金処理を進めることができる。
加えて、制御部37は、結束収納機構49による通常整理処理および入金機構38による一時貯留処理の並行実行中に、入金機構38で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、結束収納機構49による通常整理処理を一時中断して入金機構38による収納処理を実行するため、人が関わる入金処理の一時貯留処理および収納処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
また、制御部37は、入金機構38による一の入金処理中に、入金機構38に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された収納満杯枚数に達すると、入金機構38による当該一の入金処理を一時中断して、入金機構38に収納されたバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納する強制整理処理を自動的に実行するため、例え入金機構38のバラ紙幣が満杯になっても、何らの操作を行わずに自動的に結束してバラ紙幣を減らすことができ、入金処理を継続することができる。
さらに、強制整理処理は、入金機構38に収納されたバラ紙幣のうち、予め設定された強制整理束数分の枚数のバラ紙幣を結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納するため、この強制整理束数分のバラ紙幣の枚数を、入金機構38における一時貯留処理の予め設定された一時貯留満杯枚数の所定の整数倍、またはこの整数倍を、結束のために最小限の範囲で超えた枚数に設定することで、一時貯留処理の満杯枚数に合わせて入金機構38のバラ紙幣を減らすことができ、再開後の処理を考慮して効率的にバラ紙幣を減らすことができる。
また、制御部37は、入金機構38に収納されたバラ紙幣を強制整理処理によって結束収納機構49により結束して小束紙幣として収納した後、一時中断していた入金機構38による一の入金処理を自動的に再開するため、何らの操作を行わずに入金処理を再開することができる。
さらに、制御部37は、一の入金処理の最中に強制整理処理を実行した後の当該一の入金処理の再開後に、入金機構38に収納されたバラ紙幣の有り高が、予め設定された第2開始指定枚数以上となった場合には、当該一の入金処理における一時貯留処理と並行して、結束収納機構49による通常整理処理を実行するため、強制整理処理が実行されるほど大量の入金があった場合に、強制整理処理の後は、入金処理における一時貯留処理と並行して通常整理処理を行って収納されたバラ紙幣を極力減らしておくことができる。
加えて、制御部37は、結束収納機構49による通常整理処理および入金機構38による一時貯留処理の並行実行中に、入金機構38で一時貯留処理から収納処理に移行する際には、結束収納機構49による通常整理処理を一時中断して入金機構38による収納処理を実行するため、人が関わる入金処理の一時貯留処理および収納処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
また、制御部37は、強制整理処理の実行中に、結束収納機構49に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該強制整理処理を中断するため、結束収納機構49に許容量以上の小束紙幣が収納されてしまうことがない。
さらに、制御部37は、強制整理処理の実行中に、小束出金機構54による小束出金処理が要求された場合、当該強制整理処理を一時中断して、小束出金機構54による小束出金処理を実行するため、人が関わる小束出金処理を、基本的に人が関わらない強制整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
加えて、制御部37は、通常整理処理の実行中に、結束収納機構49に収納された小束紙幣の有り高が予め設定された収納満杯束数に達すると、当該通常整理処理を中断するため、結束収納機構49に許容量以上の小束紙幣が収納されてしまうことがない。
また、制御部37は、通常整理処理の実行中に、小束出金機構54による小束出金処理が要求された場合、当該通常整理処理を一時中断して、小束出金機構54による小束出金処理を実行するため、人が関わる小束出金処理を、基本的に人が関わらない通常整理処理に対し優先することになり、人が関わる時間を短縮することができる。
さらに、投入されたバラ紙幣を入金機構38で収納し、収納したバラ紙幣を結束収納機構49で結束して収納可能であることから大量の紙幣を入金可能となるが、このように大量の紙幣を入金可能とし、しかも、入金機構38を機体の第1操作面11A側から操作可能とすることで、上記のように第1操作面11Aを顧客側スペースS1に臨むように配置することで、顧客が大量の紙幣を入金しようと持ち込んだ場合に、この大量の紙幣を顧客が入金機構38を操作して入金できることになる。したがって、顧客が大量の紙幣を入金しようと持ち込んだ場合に、係員が入金を受け付けて入金処理を行う必要がなくなり、係員の業務効率を改善可能となる。他方、小束出金機構54が、機体の第2操作面11B側から操作可能とされているため、上記のようにこの第2操作面11Bを係員側スペースS2に臨むように配置することで、係員が結束収納機構49に収納された小束紙幣を出金させることができる。
なお、上記実施形態においては、顧客と係員とで共用する紙幣処理機11を例にとり説明したが、係員専用として、上記した入金機構38の入金操作表示部16および紙幣投入部15と、小束出金機構54の束出金部51および出金操作表示部52とを、機体の同一の操作面側から操作可能としても良い。このようにすれば、入金処理と小束出金処理とを並行して行う場合等に容易となる。
また、上記実施形態においては、入金機構38によってバラ紙幣収納部32,33に収納されたバラ紙幣をバラのままバラ紙幣出金部から出金させるバラ出金機構を設けない場合を例にとり説明したが、このようなバラ出金機構を設けても良い。このように入金機構38によって収納されたバラ紙幣をバラのまま出金させるバラ出金機構をさらに設ければ、小束紙幣のみではなく、バラ紙幣をも出金させることができる。
この場合は、入金機構38の入金操作表示部16および紙幣投入部15に加えて、バラ出金機構用のバラ出金操作表示部とバラ紙幣出金部とを、機体の第1操作面11A側から操作可能とし、小束出金機構54を、上記と同様に、機体の第2操作面11B側から操作可能とするのが良い。そして、第1操作面11Aを顧客側スペースS1に臨むように配置することで、顧客がバラ紙幣を入金機構38を操作して入金でき、またバラ出金機構を操作してバラ紙幣を出金させることができる。他方、小束出金機構54が、機体の第2操作面11B側から操作可能となるため、この第2操作面11Bを係員側スペースS2に臨むように配置することで、係員が結束収納機構49に収納された小束紙幣を出金させることができる。
なお、上記実施形態においては、通常整理処理を実行する際の基準となる第1開始指定枚数ST1と、強制整理処理実行後の当該一の入金処理における一時貯留処理と並行して通常整理処理を実行する際の基準となる第2開始指定枚数ST2とを、異なる数値にて説明したが、これに限るものではなく、同じ数値を用いても良い。
また、上記実施形態においては、通常整理処理または強制整理処理を行う対象となるバラ紙幣収納部を一部のバラ紙幣収納部に限定して説明したが、これに限るものではなく、一つ、またはすべてのバラ紙幣収納部を対象としても良く、それに合わせて、小束収納部の構成を変更すればよい。
また、以上の実施形態の紙幣処理機11では、複数の一時貯留部27〜30に一時貯留処理したバラ紙幣を、キャンセル操作により顧客に返却する際、複数の一時貯留部27〜30からバラ紙幣を入金リジェクト部22に送り出すように構成しているが、複数の一時貯留部27〜30を第1操作面11A側に引き出し可能に構成して、一時貯留された状態で、取り出せるようにしても良い。