本発明に係る貨幣処理機の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。図1は、貨幣処理機の一実施形態である紙幣および硬貨等を取り扱う出納機10を示している。この出納機10は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機10は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
出納機10は、紙幣についての入出金処理等を行う紙幣処理装置1と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置2と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置3とが左右に並設されて構成されており、硬貨処理装置3の上部に、操作画面表示や案内表示、警告表示等を表示すると共に操作者による操作が入力されるタッチパネル式の操作表示部5(操作部,表示部)が設けられている。以下の説明における前後左右は、操作者側を前、操作者とは反対側を後、操作者から見て左右を左右とする。
図2に示すように、紙幣処理装置1には、その作動を制御する制御部8と、制御データ等を記憶する記憶部9とが設けられている。また、紙幣処理装置1は、その前面側の上下方向中間部に、機外からバラ紙幣(バラ貨幣)が投入されるとともに、機内から繰り出されるバラ紙幣を機外へ払い出すバラ入出金部11(バラ出金手段)が設けられている。バラ入出金部11は、その底部を構成する載置板12が後下がりに傾斜した姿勢で昇降可能に設けられており、その奥側の支承面13が載置板12と直交するように後上がりに傾斜して設けられている。バラ入出金部11には、紙幣が長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で載置板12上に集積されることになり、紙幣は載置板12の傾斜により後端縁が支承面13に当接する。バラ入出金部11の上部の後側には、載置板12上に集積されたバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて機内へ繰り出すとともに機内からの紙幣をバラ入出金部11に繰り出す繰出部11aが設けられている。なお、紙幣処理装置1内では、紙幣が、常に長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢とされる。
バラ入出金部11の下側には、紙幣処理装置1の前面位置に、受け付け不可と判定されたバラの入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト部16が設けられている。バラ入出金部11および入金リジェクト部16の後側には、出金不可と判定されたバラの出金リジェクト紙幣を内部に収納する出金リジェクト部17が設けられており、出金リジェクト部17の後方の下部には紙幣を識別するバラ識別部18が設けられている。
また、出金リジェクト部17の後方の上部にはバラ紙幣を整列させながら水平姿勢で鉛直方向に所定の結束単位枚数(具体的には100枚)だけ集積させる上下二つの整列部19,20が設けられており、これら整列部19,20の後方には、整列部19,20から水平状態のまま後方に送り出された集積紙幣を載置させて鉛直上方に上昇搬送する上昇搬送部21が設けられている。
整列部19,20の上方には、上昇搬送部21で上昇搬送され水平状態のまま前方に送り出された集積紙幣を纏め部材である結束テープで結束することにより、バラ紙幣を所定の結束単位枚数だけ纏めて結束テープで一体化した小束紙幣(纏め貨幣)を作製する結束部22(纏め作製手段)が設けられている。この結束部22は、一束ずつ小束紙幣を作成するもので、上昇搬送部21から前方に送り出された集積紙幣を上下から挟持してV字状に屈曲させる挟持部材23,24を有しており、挟持部材23,24で集積紙幣を挟持しつつ、結束テープを周囲に巻き回して接着・切断した後、挟持部材23,24を結束テープから引き抜くことで小束紙幣を作成する。紙幣処理装置1内では、小束紙幣も、バラ紙幣同様、常に長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢とされる。
結束部22の前方には、結束部22で上記のように結束された小束紙幣を前方に搬送する前方搬送部25(纏め放出手段)が設けられている。前方搬送部25は一束ずつ小束紙幣を前方に搬送する。また、前方搬送部25の上方には、前方搬送部25で前方に搬送された小束紙幣を上方に移送する昇降可能な昇降搬送受渡部26(纏め貨幣出金手段,纏め放出手段)が設けられている。昇降搬送受渡部26は、紙幣処理装置1の前面上部に設けられた束出金口27(纏め貨幣出金手段,纏め放出手段)に小束紙幣を移送する。昇降搬送受渡部26は、前方搬送部25から受け取った小束紙幣を複数束上下に集積可能となっている。
束出金口27は、前方に開口し後方に凹む形状をなしており、昇降搬送受渡部26に載置された小束紙幣を機外へ払い出す。束出金口27の前部開口位置には、これを開閉するシャッタ32が設けられており、束出金口27に小束紙幣が出し入れされる際にシャッタ32が開かれる。シャッタ32が開かれて、昇降搬送受渡部26に載置された小束紙幣が機外に取り出されたり、昇降搬送受渡部26に小束紙幣が装填されたりする。
束出金口27の後側つまり裏側には、複数具体的には四つの束収納部28〜31が前後方向に並んで設けられており、昇降搬送受渡部26の上側には、昇降搬送受渡部26と束収納部28〜31との間で小束紙幣を移送する水平移動可能な水平搬送部33(纏め貨幣出金手段)が設けられている。
束収納部29(纏め収納部)は、所定の単一の第1金種(例えば一万円)の小束紙幣を上下方向に集積させて収納する金種別束収納部であり、束収納部30(纏め収納部)も、所定の単一の第2金種(例えば五千円)の小束紙幣を上下方向に集積させて収納する金種別束収納部であり、束収納部31(纏め収納部)も、所定の単一の第3金種(例えば千円)の小束紙幣を上下方向に集積させて収納する金種別束収納部である。対して、束収納部28は、金種別束収納部29〜31に収納しきれない小束紙幣を金種混合で収納する混合束収納部である。勿論、束収納部28〜31のすべてを金種別の束収納部とすることも可能である。水平搬送部33は、昇降搬送受渡部26および束収納部28〜31から択一的に一束ずつ小束紙幣を受け取って搬送する。
また、紙幣処理装置1の下部には、複数のバラ収納カセット35〜38とプールカセット39とが、前後方向に並んで設けられている。最も装置奥側のバラ収納カセット35(バラ収納部)は、入金確定後の所定の単一の第1金種(例えば一万円)のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種別バラ収納カセットであり、奥側から2番目のバラ収納カセット36(バラ収納部)は、入金確定後の所定の単一の第2金種(例えば五千円)のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種別バラ収納カセットである。また、奥側から3番目のバラ収納カセット37(バラ収納部)は、入金確定後の所定の単一の第3金種(例えば千円)のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種別バラ収納カセットである。対して、最も前側のバラ収納カセット38は、金種別バラ収納カセット35〜37に収納しきれない入金確定後のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する混合バラ収納カセットである。プールカセット39は、入金された入金確定前の金種混合のバラ紙幣を上下に集積させた状態で一時貯留させる。
ここでは、金種別束収納部29とバラ収納カセット35とが同一の第1金種を収納し、金種別束収納部30とバラ収納カセット36とが同一の第2金種を収納し、金種別束収納部31とバラ収納カセット37とが同一の第3金種を収納するものとしている。しかしながら、これはあくまで一例であり、金種別束収納部29〜31および金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの収納金種の設定は、これに限るものではなく、種々の設定が可能である。
金種別バラ収納カセット35の上部には、その内部に紙幣を繰り出すとともに内部の紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して繰り出す繰出部35aが設けられている。バラ収納カセット35〜38およびプールカセット39は共通の構造になっており、よって、金種別バラ収納カセット36の上部にも同様の繰出部36aが、金種別バラ収納カセット37の上部にも同様の繰出部37aが、混合バラ収納カセット38の上部にも同様の繰出部38aが、プールカセット39の上部にも同様の繰出部39aが、それぞれ設けられている。
紙幣処理装置1の内部には、バラ紙幣を搬送する紙幣搬送路41が各部を適宜繋ぐように設けられている。紙幣搬送路41は、繰出部11aから後上がりに延出した後、後下がりに延出し、さらに鉛直下方に延出し、その後、前側に一旦延出した後、鉛直下方に延出し、さらに後方に延出して、途中上側に凸状に屈曲してバラ識別部18を通って下方に延出し前方に延出して前端から下方に延出してプールカセット39に接続される搬送路41Aを有している。
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aの下部の途中から分岐して金種別バラ収納カセット35に繋がる搬送路41Bと、搬送路41Aの搬送路41Bよりもプールカセット39側から分岐して金種別バラ収納カセット36に繋がる搬送路41Cと、搬送路41Aの搬送路41Cよりもプールカセット39側から分岐して金種別バラ収納カセット37に繋がる搬送路41Dと、搬送路41Aの搬送路41Dよりもプールカセット39側から分岐して混合バラ収納カセット38に繋がる搬送路41Eと、搬送路41Aの搬送路41Eよりもプールカセット39側から分岐して上方に延出して搬送路41Aのバラ入出金部11とバラ識別部18との間に繋がる搬送路41Fとを有している。
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aの搬送路41Eの分岐位置と搬送路41Fの分岐位置との間位置から分岐して上方に延出して搬送路41Fの途中位置に繋がる搬送路41Gと、搬送路41Fにおける搬送路41Gの接続位置と搬送路41Aへの接続位置との間位置から分岐して入金リジェクト部16に繋がる搬送路41Hと、搬送路41Aにおける搬送路41Fの接続位置とバラ入出金部11との間位置から分岐し前方に延出して搬送路41Hの途中位置に繋がる搬送路41Iと、搬送路41Hにおける搬送路41Iの接続位置と入金リジェクト部16との間位置から上方に分岐し後上がりに延出して出金リジェクト部17に繋がる搬送路41Jとを有している。
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aにおけるバラ入出金部11と搬送路41Iの分岐位置との間位置と、搬送路41Fの接続位置とバラ識別部18との間位置とを繋ぐ搬送路41Kと、搬送路41Aにおける搬送路41Kの接続位置とバラ入出金部11との間位置から後方に分岐して整列部19に繋がる搬送路41Lと、搬送路41Aにおける搬送路41Kの接続位置と搬送路41Lの接続位置との間から後方に分岐して整列部20に繋がる搬送路41Mとを有している。搬送路41Kには、紙幣の表裏を反転させる表裏反転部43が設けられている。
ここで、上記した搬送路41A〜41Fは正逆両方向に紙幣を搬送可能となっており、搬送路41G〜41Mは一方向にのみ紙幣を搬送可能となっている。
上部にあるバラ入出金部11、入金リジェクト部16、出金リジェクト部17、バラ識別部18、整列部19,20、上昇搬送部21、結束部22、前方搬送部25、昇降搬送受渡部26、束収納部28〜31、水平搬送部33および表裏反転部43は、本体45内に配置されており、その下部にある、金種別バラ収納カセット35〜37、混合バラ収納カセット38およびプールカセット39が、本体45から紙幣処理装置1の前後方向に沿って前面側に引き出し可能な引出体46内に配置されている。
「バラ入金計数処理」
図3の太線は、機外からバラ入出金部11に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数するバラ入金計数処理のルートを示している。つまり、バラ入出金部11の載置板12上にバラ紙幣が載置されて、操作表示部5にバラ入金計数処理を行う旨の入力操作がなされると、繰出部11aがバラ入出金部11の載置板12上のバラ紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出したバラ紙幣を、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中にバラ識別部18がバラ紙幣を識別計数することになり、バラ識別部18で受け入れ可能と判定したバラ紙幣(取り扱い可能な金種のバラ紙幣)を、図3に太実線で示すように、搬送路41Aでプールカセット39に搬送する一方、バラ識別部18で受け入れ不可と判定したバラ紙幣を、図3に太破線で示すように、搬送路41A,41G,41F,41Hで入金リジェクト部16に搬送する。これにより、受け入れ可能なバラ紙幣をプールカセット39に一時貯留し、受け入れ不可なバラ紙幣を入金リジェクト部16に放出する。すると、入金リジェクト部16がバラ紙幣を機外に取り出し可能に払い出す。
「バラ入金収納処理」
図4の太線は、バラ入金計数処理にてプールカセット39に一時貯留したバラ紙幣を、操作表示部5への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、金種別バラ収納カセット35〜37および混合バラ収納カセット38の対応するものに収納するバラ入金収納処理のルートを示している。つまり、プールカセット39のバラ紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出したバラ紙幣を、図4に太実線で示すように、搬送路41A,41Fでバラ識別部18に搬送し、バラ識別部18の識別結果に基づいて、搬送路41Aおよび搬送路41B〜41Eの対応するものによって金種別バラ収納カセット35〜37および混合バラ収納カセット38の対応するものに搬送する。これにより、金種別バラ収納カセット35〜37および混合バラ収納カセット38の対応するものにバラ紙幣を収納する。なお、収納処理にてバラ識別部18で重送等と識別した紙幣については、図4に太破線で示すように、搬送路41A,41G,41F,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送し、出金リジェクト部17に収納する。
「バラ入金返却処理」
図5の太線は、バラ入金計数処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作表示部5へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、バラ入出金部11に繰り出して機外へ払い出すバラ入金返却処理のルートを示している。つまり、プールカセット39のバラ紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出したバラ紙幣を、搬送路41Aによってバラ入出金部11に搬送する。すると、バラ入出金部11がバラ紙幣を機外に取り出し可能に払い出す。
「バラ入出金部補充処理」
上記したバラ入金計数処理およびバラ入金収納処理と同様の処理を行ってバラ入出金部11に投入されたバラ紙幣を金種別バラ収納カセット35〜37および混合バラ収納カセット38の対応するものに搬送して収納させる。
「プールカセット補充処理」
プールカセット39に補充用の紙幣を機外で収納し、上記したバラ入金収納処理と同様の処理を行って、プールカセット39に収納されているバラ紙幣を金種別バラ収納カセット35〜37および混合バラ収納カセット38の対応するものに搬送して収納させる。
「バラ出金処理」
図6の太線は、操作表示部5へ入力されたバラ紙幣出金操作に基づいて、金種別バラ収納カセット35、金種別バラ収納カセット36および金種別バラ収納カセット37の指定された金種のものからバラ紙幣を機外へ払い出すバラ出金処理のルートを示している。つまり、バラ出金処理では、図6に太実線で示すように、金種別バラ収納カセット35〜37の指定された金種のものに収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出したバラ紙幣を、搬送路41B〜41Dの対応するものと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送し、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41Aでバラ入出金部11に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41Aでバラ入出金部11に、それぞれ搬送する。これにより、バラ紙幣出金操作に基づくバラ紙幣をバラ入出金部11に繰り出して機外へ払い出す。つまり、バラ入出金部11は、金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣を機外へ払い出す。なお、バラ出金処理にてバラ識別部18で重送等と識別した紙幣については、図6に太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送し、出金リジェクト部17に収納する。
「結束出金処理」
図7の太線は、操作表示部5へ入力された結束出金操作に基づいて、金種別バラ収納カセット35、金種別バラ収納カセット36および金種別バラ収納カセット37の指定された金種のものからのバラ紙幣を結束して小束紙幣として機外へ払い出す結束出金処理のルートを示している。つまり、結束出金処理では、図7に太実線で示すように、金種別バラ収納カセット35〜37のうち指定された金種のものに収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41B〜41Dの対応するものと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送し、整列部19に集積させる場合、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Lで整列部19に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Lで整列部19に搬送する。また、整列部20に集積させる場合、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Mで整列部20に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Mで整列部20に搬送する。これにより、指定された単一金種のバラ紙幣を所定の結束単位枚数(100枚)だけ整列部19あるいは整列部20に繰り出す。
そして、整列部19あるいは整列部20の集積紙幣を、上昇搬送部21で結束部22に搬送し、結束部22で結束を行って小束紙幣とし、この小束紙幣を前方搬送部25で前方に搬送後、昇降搬送受渡部26で上方に搬送して束出金口27に取り出し可能に繰り出す。このような処理を指定された金種毎に指定された束数分行うことになる。つまり、結束部22は、金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣を所定枚数一纏めに一体化して小束紙幣を作製する。なお、結束出金処理にてバラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、図7に太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送し、出金リジェクト部17に収納する。
ここで、昇降搬送受渡部26は、前方搬送部25から受け取った小束紙幣を載置させる昇降可能なステージ51と、上昇するステージ51から小束紙幣を受け取る昇降可能かつ揺動可能な一対の昇降フラッパ52とを有している。ステージ51は下部位置で前方搬送部25から小束紙幣を受け取ることになり、この位置から上昇して小束紙幣の束出金口27からの取り出しを可能とする。一対の昇降フラッパ52は、ステージ51上の小束紙幣に対し、相対的に上から下に移動した後、下から上に移動することで、ステージ51上から小束紙幣を受け取ることになり、これを繰り返すことでステージ51から受け取った複数の小束紙幣を上下に集積可能となっている。また、一対の昇降フラッパ52は、ステージ51に対し、相対的に上から下に移動することで、支持している小束紙幣を、ステージ51に受け渡す。束出金口27内に移動した状態のステージ51上に載置されている小束紙幣は、シャッタ32が開かれることで、束出金口27から取り出し可能となり機外へ払い出される。この結束出金処理では、前方搬送部25、昇降搬送受渡部26および束出金口27が、結束部22によって作製された小束紙幣を、束収納部28〜31を介さずに機外へ払い出す。
「結束収納処理」
図8の太線は、操作表示部5へ入力された結束収納操作に基づいて、あるいは金種別バラ収納カセット35〜37のいずれかが満杯となったタイミングで、金種別バラ収納カセット35、金種別バラ収納カセット36および金種別バラ収納カセット37の指定された金種のもの、あるいは満杯のものからバラ紙幣を繰り出し結束部22で結束して束収納部28〜31に収納する結束収納処理のルートを示している。つまり、結束収納処理では、結束出金処理と同様にして結束部22で結束された小束紙幣を前方搬送部25および昇降搬送受渡部26で束出金口27の上側まで搬送し、水平搬送部33で束出金口27の裏側の束収納部28〜31の適宜のものに収納させる。束収納部28〜31は、いずれも小束紙幣を水平状態に配置し鉛直方向に集積させて収納するもので、水平搬送部33から小束紙幣を受け取って収納可能であり、収納した小束紙幣を水平搬送部33に受け渡し可能となっている。
昇降搬送受渡部26の一対の昇降フラッパ52は、ステージ51から小束紙幣を受け取って、束出金口27の上側まで上昇可能であり、水平搬送部33は、一対の昇降フラッパ52で上方搬送された小束紙幣を、水平状態のまま上側で把持して束出金口27の裏側である後側に向けて水平搬送して、束収納部28〜31の搬送先のものに上側から受け渡す。また、水平搬送部33は、束収納部28〜31の受取先のものから小束紙幣を受け取って前方に搬送し、昇降搬送受渡部26の一対の昇降フラッパ52に受け渡す。結束収納処理では、結束部22で作製された小束紙幣を、前方搬送部25、昇降搬送受渡部26および水平搬送部33で束収納部28〜31の収納先のものに搬送し収納させる。束出金口27と最も前側の束収納部28との間には、小束紙幣の画像データ等を検出して金種を識別する束識別部55が設けられている。
「小束補充処理」
図9の太線は、操作表示部5へ入力された小束補充操作に基づいて、束出金口27に外から直接投入された小束紙幣を束収納部28〜31の対応するものに収納する小束補充処理のルートを示している。つまり、小束補充処理では、補充する小束紙幣が束出金口27を介して昇降搬送受渡部26のステージ51上に直接装填されることになり、昇降搬送受渡部26のステージ51上に載置された一束または複数束の小束紙幣を昇降搬送受渡部26の一対の昇降フラッパ52がステージ51から受け取り上方に搬送して水平搬送部33に受け渡し、水平搬送部33が束識別部55の識別結果に基づいて、束収納部28〜31の対応するものに収納させる。
「収納束出金処理」
図10の太線は、操作表示部5へ入力された収納束出金操作に基づいて、金種別束収納部29〜31に収納されている小束紙幣を束出金口27から機外へ払い出す収納束出金処理のルートを示している。つまり、金種別束収納部29〜31に収納されている小束紙幣のうち操作表示部5へ入力で指定されたものを、水平搬送部33が束出金口27の上方位置に搬送し、昇降搬送受渡部26の一対の昇降フラッパ52に受け渡す。その際に、一対の昇降フラッパ52は、水平搬送部33から複数の小束紙幣を受け取って集積させることができる。その後、一対の昇降フラッパ52を下降させて、束出金口27の位置にあるステージ51に受け渡し、シャッタ32を開くことで、昇降搬送受渡部26上の小束紙幣が束出金口27から機外へ取り出し可能に払い出される。つまり、水平搬送部33、昇降搬送受渡部26および束出金口27が、金種別束収納部29〜31の小束紙幣を機外へ払い出す。
「収納束結束束出金処理」
図11の太線は、操作表示部5へ入力された収納束出金操作に基づいて、金種別束収納部29〜31に収納に収納されている小束紙幣を束出金口27から機外へ払い出すとともに、不足する小束紙幣を結束して束出金口27から機外へ払い出す収納束結束束出金処理のルートを示している。つまり、上記した収納束出金処理と同様にして、金種別束収納部29〜31に収納に収納されている小束紙幣のうち操作表示部5へ入力で指定されたものを、水平搬送部33で搬送して、ステージ51上に載置させる作動を行った後、一対の昇降フラッパ52を上昇させて、ステージ51上の小束紙幣を一対の昇降フラッパ52に受け取らせ、その後、上記した結束出金処理と同様に、下部位置でステージ51上に前方搬送部25から小束紙幣を受け取って、小束紙幣を一対の昇降フラッパ52に受け渡すことを必要により繰り返して、最終的に、一対の昇降フラッパ52からステージ51上に小束紙幣を受け取った状態でシャッタ32を開いて束出金口27から小束紙幣を機外へ払い出す。
制御部8は、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれに収納されているバラ紙幣の在高であるバラ収納在高を管理する図12に示すカセット在高管理手段61と、金種別束収納部29〜31のそれぞれに収納されている小束紙幣の在高である小束収納在高(纏め収納在高)を管理する小束収納部在高管理手段62とを有している。
カセット在高管理手段61は、バラ紙幣を機外から受け入れるバラ入金計数処理、バラ入出金部補充処理およびプールカセット補充処理において、バラ紙幣の金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれへの入金量を、記憶部9に記憶されている金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高に加算して、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
また、カセット在高管理手段61は、バラ紙幣をそのままあるいは小束紙幣として機外に払い出す、バラ出金処理、結束出金処理および収納束結束束出金処理において、バラ紙幣の金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれからの出金量を、記憶部9に記憶されている金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高から減算して、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
さらに、カセット在高管理手段61は、バラ紙幣を小束紙幣とする結束収納処理において、小束紙幣とされたバラ紙幣の金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれからの繰り出し量を、記憶部9に記憶されている金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高から減算して、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
以上のようにして、カセット在高管理手段61は、記憶部9の記憶情報を読み出すことで、バラ紙幣を金種別に収納する金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの在高であるバラ収納在高を把握する。
小束収納部在高管理手段62は、小束紙幣を機外から受け入れる小束補充処理において、小束紙幣の金種別束収納部29〜31のそれぞれへの入金量を、記憶部9に記憶されている金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高に加算して、金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
また、小束収納部在高管理手段62は、バラ紙幣を小束紙幣とする結束収納処理において、機内で作製された小束紙幣の金種別束収納部29〜31のそれぞれへの入金量を、記憶部9に記憶されている金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高に加算して、金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
また、小束収納部在高管理手段62は、金種別束収納部29〜31の小束紙幣を機外に払い出す収納束出金処理および収納束結束束出金処理において、小束紙幣の金種別束収納部29〜31のそれぞれからの出金量を、記憶部9に記憶されている金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高から減算して、金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高を更新し、記憶部9に記憶させる。
以上のようにして、小束収納部在高管理手段62は、記憶部9の記憶情報を読み出すことで、小束紙幣を金種別に収納する金種別束収納部29〜31のそれぞれの在高である小束収納在高を常に把握する。
また、制御部8は、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ収納在高に基づいて、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ紙幣から結束部22によって小束紙幣を作製した場合に作製可能な小束紙幣の最大在高である小束作製可能在高(纏め作製可能在高)を割り出す小束作製可能在高割出手段63を有している。小束作製可能在高割出手段63は、バラ収納在高を結束単位枚数で除した値の整数部分を小束作製可能在高とする。
具体例で説明すると、小束作製可能在高割出手段63は、例えば、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35の第1金種(例えば一万円)のバラ収納在高が350枚である場合に、結束単位枚数が100枚であることから、第1金種の小束作製可能在高を3束とする。同様にして、金種別バラ収納カセット36の第2金種(例えば五千円)のバラ収納在高が210枚である場合に、第2金種の小束作製可能在高を2束とし、金種別バラ収納カセット37の第3金種(例えば千円)のバラ収納在高が500枚である場合に、第3金種(例えば千円)の小束作製可能在高を5束とする。
また、制御部8は、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部29〜31のそれぞれに収納されている小束紙幣の在高である小束収納在高と、小束作製可能在高割出手段63で割り出された金種別の小束作製可能在高とを金種別に加算して、紙幣処理装置1において出金可能な小束紙幣の総在高である小束出金可能総在高(纏め出金可能総在高)を金種別に割り出す小束出金可能総在高割出手段64(纏め出金可能総在高割出手段)を有している。
具体例で説明すると、小束出金可能総在高割出手段64は、例えば、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部29の第1金種(例えば一万円)の小束収納在高が3束であり、小束作製可能在高割出手段63で割り出された第1金種の小束作製可能在高が上記のように3束である場合に、これらを加算して、第1金種の小束出金可能総在高を6束とする。また、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部30の第2金種(例えば五千円)の小束収納在高が2束であり、小束作製可能在高割出手段63で割り出された第2金種の小束作製可能在高が上記のように2束である場合に、これらを加算して、第2金種の小束出金可能総在高を4束とする。また、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部31の第3金種(例えば千円)の小束収納在高が1束であり、小束作製可能在高割出手段63で割り出された第3金種の小束作製可能在高が上記のように5束である場合に、これらを加算して、第3金種の小束出金可能総在高を6束とする。
さらに、制御部8は、操作を案内するための表示を操作表示部5に表示させる案内手段65を有している。
バラ紙幣および小束紙幣の少なくともいずれか一方を紙幣処理装置1から払い出させる場合、操作者は、操作表示部5に所定の払出操作の入力を行う。操作表示部5に所定の払出操作が入力されると、制御部8は、小束作製可能在高割出手段63が、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ収納在高に基づいて、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれの小束作製可能在高を割り出す。
次に、制御部8は、小束出金可能総在高割出手段64が、小束作製可能在高割出手段63で割り出された金種別の小束作製可能在高と、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部29〜31のそれぞれの小束収納在高とを金種別に加算して小束出金可能総在高を金種別に割り出す。このとき、金種別束収納部29〜31のいずれかの小束収納在高が0の場合、小束出金可能総在高割出手段64は、この金種については、小束作製可能在高割出手段63で割り出された、金種別バラ収納カセット35〜37の対応するものの小束作製可能在高が、小束出金可能総在高となる。つまり、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ収納在高に基づいて、金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ紙幣から結束部22によって小束紙幣を作製した場合に作製可能な小束紙幣の在高である小束作製可能在高が、小束出金可能総在高となる。
そして、制御部8は、その案内手段65が、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を、図13に示すように、操作表示部5の払出操作画面5A内に表示させる。
図13は、上記した具体例の場合の表示例である。つまり、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部29の第1金種(図示例は一万円)の小束収納在高が3束であり、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35の第1金種のバラ収納在高が350枚であって、小束作製可能在高割出手段63が割り出した第1金種の小束作製可能在高が3束であり、小束出金可能総在高割出手段64が割り出した第1金種の小束出金可能総在高が6束である。このため、案内手段65は、操作表示部5に、図13に示す払出操作画面5Aを表示させ、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X1に、第1金種の小束出金可能総在高である「6」を表示させる。
また、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部30の第2金種(図示例は五千円)の小束収納在高が2束であり、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット36の第2金種のバラ収納在高が210枚であって、小束作製可能在高割出手段63が割り出した第2金種の小束作製可能在高が2束であり、小束出金可能総在高割出手段64が割り出した第2金種の小束出金可能総在高が4束である。このため、案内手段65は、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X2に、第2金種の小束出金可能総在高である「4」を表示させる。
また、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部31の第3金種(図示例は千円)の小束収納在高が1束であり、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット37の第3金種のバラ収納在高が500枚であって、小束作製可能在高割出手段63が割り出した第3金種の小束作製可能在高が5束であり、小束出金可能総在高割出手段64が割り出した第3金種の小束出金可能総在高が6束である。このため、案内手段65は、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X3に、第3金種の小束出金可能総在高である「6」を表示させる。
また、案内手段65は、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のそれぞれのバラ収納在高を操作表示部5の払出操作画面5A内に表示させる。
上記した具体例の場合、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35の第1金種のバラ収納在高が350枚であるため、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X4に、第1金種のバラ収納在高である「350」を表示させる。また、金種別バラ収納カセット36の第2金種のバラ収納在高が210枚であるため、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X5に、第2金種のバラ収納在高である「210」を表示させる。また、金種別バラ収納カセット37の第3金種のバラ収納在高が500枚であるため、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X6に第3金種のバラ収納在高である「500」を表示させる。
操作表示部5の払出操作画面5Aの表示を見た操作者によって、操作表示部5に、先に小束紙幣の払い出しの束数である小束払出数(纏め払出数)が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、その小束出金可能残在高割出手段71(纏め出金可能残在高割出手段)が、入力された小束払出数を、小束出金可能総在高割出手段64が割り出した小束出金可能総在高から減算して、小束紙幣の残りの出金可能な在高である小束出金可能残在高(纏め出金可能残在高)を割り出す。また、操作表示部5に、先に小束払出数が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、そのバラ出金可能残在高割出手段72が、入力された小束払出数の小束紙幣を払い出すために必要なバラ紙幣のバラ払出数を、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣のバラ収納在高から減算してバラ出金可能残在高を割り出す。
すると、案内手段65が、操作表示部5への小束払出数の入力前に、操作表示部5の払出操作画面5A内に表示させていた、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された小束出金可能残在高に切り替える。つまり、案内手段65は、操作表示部5への小束払出数の入力後に、入力前の操作表示部5の小束出金可能総在高の表示を小束出金可能残在高の表示に切り替える。
また、案内手段65が、操作表示部5への小束払出数の入力前に、操作表示部5の払出操作画面5A内に表示させていた金種別バラ収納カセット35〜37に収納されているバラ紙幣のバラ収納在高を、バラ出金可能残在高割出手段72で割り出されたバラ出金可能残在高に切り替える。つまり、案内手段65は、操作表示部5への小束払出数の入力後に、操作表示部5のバラ紙幣のバラ収納在高の表示をバラ出金可能残在高に切り替える。
上記した具体例で説明すると、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された第1金種(図示例は一万円)の小束出金可能総在高が6束である場合に、操作表示部5に、第1金種の小束払出数として4束が入力されて、払出操作画面5A内の照合キーY1にこれに触れる照合操作が入力されると、小束出金可能残在高割出手段71で割り出される第1金種の小束出金可能残在高は2束となる。すると、案内手段65は、図14に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定用入力払出数の第1金種用の表示領域X7に、入力された第1金種の小束払出数である「4」を表示させるとともに、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X1の表示を、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された第1金種の小束出金可能残在高である「2」に切り替える。このとき、第1金種の小束収納在高は3束であることから、4束を払い出すためには、金種別バラ収納カセット35のバラ紙幣を結束部22で結束して小束紙幣を1束作製することになり、よって、金種別バラ収納カセット35のバラ収納在高が100枚減ることになるため、金種別バラ収納カセット35のバラ出金可能残在高が250枚となり、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X4の表示を、このバラ出金可能残在高の「250」に切り替える。
また、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された第2金種(図示例は五千円)の小束出金可能総在高が4束である場合に、操作表示部5に、第2金種の小束払出数として2束が入力されて払出操作画面5A内の照合キーY1に照合操作が入力されると、小束出金可能残在高割出手段71で割り出される第2金種の小束出金可能残在高は2束となる。すると、案内手段65は、図14に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定用入力払出数の第2金種用の表示領域X8に、入力された第2金種の小束払出数である「2」を表示させるとともに、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X2の表示を、第2金種の小束出金可能残在高である「2」に切り替える。このとき、第2金種の小束収納在高は2束であることから、金種別バラ収納カセット36のバラ紙幣を結束部22で結束する必要はなく、金種別バラ収納カセット36のバラ出金可能残在高は210枚のままとなり、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X5に、このバラ出金可能残在高の「210」をそのまま表示させる。案内手段65は、払出操作画面5A内の合計金額用の表示領域Z1に、小束払出数として入力された万円束4束と五千円束2束の払出合計金額である「5,000,000」を表示させる。
上記した小束払出数の後に、操作表示部5にバラ紙幣の払い出す枚数であるバラ払出数が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、そのバラ出金可能残在高割出手段72が、入力されたバラ払出数を、それまでのバラ出金可能残在高から減算して、バラ紙幣の残りの出金可能な在高であるバラ出金可能残在高を更新する。また、このように操作表示部5にバラ払出数が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、小束作製可能残在高割出手段74が、バラ出金可能残在高割出手段72で更新されたバラ出金可能残在高から、結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の出金可能な小束作製可能残在高を割り出す。
すると、案内手段65が、操作表示部5へのバラ払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された小束出金可能残在高を、小束作製可能残在高割出手段74で割り出された小束作製可能残在高の表示に切り替える。また、案内手段65が、操作表示部5へのバラ払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた金種別バラ収納カセット35〜37に収納されているバラ紙幣のバラ出金可能残在高割出手段72で割り出されたバラ出金可能残在高を、更新後のバラ出金可能残在高に切り替える。
上記した具体例で説明すると、図14に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定用入力払出数の第1金種(図示例は一万円)用の表示領域X7に第1金種の小束払出数である「4」を表示させ、小束紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X1に、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された第1金種の小束出金可能残在高である「2」を表示させ、バラ紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X4に、第1金種のバラ出金可能残在高である「250」を表示させた状態から、操作表示部5に、第1金種のバラ払出数として60枚が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、第1金種のバラ出金可能残在高が190枚に更新され、小束作製可能残在高割出手段74で割り出される第1金種の小束作製可能残在高は1束となる。すると、案内手段65は、図15に示すように、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定用入力払出数の第1金種用の表示領域X10に、入力された第1金種のバラ払出数である「60」を表示させると共に、バラ紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X4の表示を、更新後の第1金種のバラ出金可能残在高である「190」に切り替え、小束紙幣の設定可能在高の第1金種用の表示領域X1の表示を、更新後のバラ出金可能残在高から割り出される第1金種の小束作製可能残在高である「1」に切り替える。
また、図14に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定用入力払出数の第2金種(図示例は五千円)用の表示領域X8に第2金種の小束払出数である「2」を表示させ、小束紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X2に、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された第2金種の小束出金可能残在高である「2」を表示させ、バラ紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X6に、第2金種のバラ出金可能残在高である「210」を表示させた状態で、操作表示部5に、第2金種のバラ払出数として10枚が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、第2金種のバラ出金可能残在高が200枚に更新され、小束作製可能残在高割出手段74で割り出される第2金種の小束作製可能残在高は2束となる。すると、案内手段65は、図15に示すように、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定用入力払出数の第2金種用の表示領域X11に、入力された第2金種のバラ払出数である「10」を表示させると共に、バラ紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X5の表示を、更新後の第2金種のバラ出金可能残在高である「200」に切り替え、小束紙幣の設定可能在高の第2金種用の表示領域X2の表示を第2金種の小束作製可能残在高である「2」のままとする。また、案内手段65は、払出操作画面5A内の合計金額用の表示領域Z1に、このときの払出合計金額の「5,650,000」を表示させる。
上記とは逆に、操作表示部5の表示を見た操作者によって、先に、操作表示部5にバラ紙幣の払い出す枚数であるバラ払出数が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、制御部8は、そのバラ払出可能残在高割出手段75がバラ払出数を、カセット在高管理手段61が把握している金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣のバラ収納在高から減算してバラ払出可能残在高を割り出す。また、操作表示部5にバラ払出数が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、制御部8は、小束作製可能残在高割出手段74が、バラ払出可能残在高割出手段75が割り出したバラ払出可能残在高から結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の作製可能な小束作製可能残在高を割り出す。さらに、制御部8は、小束払出可能残在高割出手段77(纏め払出可能残在高割出手段)が、小束収納部在高管理手段62が把握している金種別束収納部29〜31の小束収納在高と小束作製可能残在高とを加算して纏め払出可能残在高を割り出す。
すると、案内手段65は、操作表示部5へのバラ払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた、金種別バラ収納カセット35〜37に収納されているバラ紙幣のカセット在高管理手段61で把握していたバラ収納在高を、バラ払出可能残在高割出手段75で割り出されたバラ払出可能残在高に切り替える。また、案内手段65は、操作表示部5へのバラ払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高の表示を、小束払出可能残在高割出手段77で割り出された小束払出可能残在高の表示に切り替える。つまり、案内手段65は、操作表示部5へのバラ払出数の入力後に、操作表示部5の小束出金可能総在高の表示を小束払出可能残在高の表示に切り替える。
上記した具体例で説明すると、小束収納部在高管理手段62が把握している第3金種の小束収納在高が1束であり、小束作製可能在高割出手段63で割り出された第3金種の小束作製可能在高が5束であって、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高が6束であり、図15に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定可能在高の第3金種(図示例は千円)用の表示領域X3に小束出金可能総在高の「6」を表示させ、金種別バラ収納カセット37のバラ収納在高が500枚であって、バラ紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X6にバラ収納在高の「500」を表示させた状態で、操作表示部5に、第3金種のバラ払出数として200枚が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、バラ払出可能残在高割出手段75が割り出すバラ払出可能残在高が300枚となり、小束作製可能残在高割出手段74が割り出す小束作製可能残在高が3束となり、小束収納部在高管理手段62が把握している第3金種の金種別束収納部31の小束収納在高が1束であるため、小束払出可能残在高割出手段77で割り出される小束払出可能残在高が4束となる。すると、案内手段65は、図16に示すように、払出操作画面5A内のバラ紙幣の設定用入力払出数の第3金種用の表示領域X12に、入力された第3金種のバラ払出数である「200」を表示させると共に、バラ紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X6の表示を、第3金種のバラ払出可能残在高である「300」に切り替え、小束紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X3の表示を、第3金種の小束払出可能残在高である「4」に切り替える。案内手段65は、払出操作画面5A内の合計金額用の表示領域Z1に、このときの払出合計金額の「5,850,000」を表示させる。
上記したバラ払出数の後に、操作表示部5に小束払出数が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、その小束出金可能残在高割出手段71が、小束払出数を、小束払出可能残在高割出手段77で割り出された小束払出可能残在高から減算して、小束紙幣の残りの出金可能な在高である小束出金可能残在高を割り出す。また、このように操作表示部5に小束払出数が入力されて照合操作が入力されると、制御部8は、そのバラ払出可能残在高割出手段75が、小束払出数の小束紙幣を払い出すために必要なバラ紙幣のバラ払出数をバラ払出可能残在高から減算してバラ払出可能残在高を更新する。
すると、案内手段65が、操作表示部5への小束払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた、小束払出可能残在高割出手段77で割り出された小束払出可能残在高を、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された小束出金可能残在高に切り替える。つまり、案内手段65は、操作表示部5への小束払出数の入力後に、入力前の操作表示部5の小束払出可能残在高の表示を小束出金可能残在高の表示に切り替える。
また、案内手段65が、操作表示部5への小束払出数の入力前に、操作表示部5に表示させていた、バラ払出可能残在高割出手段75で割り出されたバラ払出可能残在高を、更新されたバラ払出可能残在高に切り替える。
上記した具体例で説明すると、小束払出可能残在高割出手段77で割り出された第3金種の小束払出可能残在高が4束である場合に、操作表示部5に、第3金種の小束払出数として2束が入力されて照合キーY1に照合操作が入力されると、小束出金可能残在高割出手段71で割り出される第3金種の小束出金可能残在高は2束となる。すると、案内手段65は、図17に示すように、払出操作画面5A内の小束紙幣の設定用入力払出数の第3金種用の表示領域X9に第3金種の小束払出数である「2」を表示させるとともに、小束紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X3の表示を、小束出金可能残在高割出手段71で割り出された第3金種の小束出金可能残在高である「2」に切り替える。このとき、第3金種の小束収納在高は1束であることから、2束を払い出すためには、金種別バラ収納カセット37のバラ紙幣を結束部22で結束して小束紙幣を1束作製することになり、よって、金種別バラ収納カセット37のバラ収納在高が100枚減ることになるため、金種別バラ収納カセット37のバラ払出可能残在高が200枚となり、バラ紙幣の設定可能在高の第3金種用の表示領域X6の表示を「200」に切り替える。案内手段65は、払出操作画面5A内の合計金額用の表示領域Z1に、このときの払出合計金額の「6,050,000」を表示させる。
先に小束払出数を入力し、後にバラ払出数を入力する場合において、その後、小束払出数を変更することも可能であり、バラ払出数を変更することも可能である。また、先にバラ払出数を入力し、後に小束払出数を入力する場合に、その後、小束払出数を変更することも可能であり、バラ払出数を変更することも可能である。また、小束払出数を入力した後に小束払出数を変更したり、バラ払出数を入力後にバラ払出数を変更することも可能である。いずれの場合も、制御部8は、入力の変更に合わせて、操作表示部5の表示を変更する。勿論、小束払出数の設定のみを行ったり、バラ払出数の設定のみを行うことも可能である。また、操作表示部5への払出操作の入力には、小束払出数およびバラ払出数の少なくともいずれか一方について、少なくとも一つの金種が入力されれば良い。例えば、第1金種の小束払出数のみが入力されて照合操作が入力された場合、操作表示部5の設定画面で、第1金種に関する表示領域X1,X4のうちの少なくとも表示領域X1の表示が変化し、第2,第3金種に関する表示領域X2,X3,X5,X6の表示は変化しない。
そして、小束払出数およびバラ払出数のうちの少なくともいずれか一方の入力および照合操作後、操作表示部5の完了キーY2にこれに触れる設定完了操作が入力されると、制御部8は、小束払出数およびバラ払出数のうちの少なくともいずれか入力された一方を設定する。そして、設定された小束払出数が、0であるか、0より大きく小束収納在高以下であるか、小束収納在高より大きいかを、すべての金種についてそれぞれ判定し、それぞれの金種について、設定された小束払出数に応じて以下の処理を行う。
設定された小束払出数が0である場合、上記した結束出金処理、収納束出金処理および収納束結束束出金処理のいずれも行わない。また、設定された小束払出数が0より大きく小束収納在高が0であれば、結束出金処理を行って、設定された小束払出数の小束紙幣を機外に払い出す。また、設定された小束払出数が0より大きく小束収納在高以下であれば、収納束出金処理を行って、設定された小束払出数の小束紙幣を機外に払い出す。また、設定された小束払出数が小束収納在高より大きければ、収納束結束束出金処理を行って、設定された小束払出数の小束紙幣を機外に払い出す。また、それぞれに合わせて、設定されたバラ払出数がある場合、上記したバラ出金処理を行って、設定されたバラ払出数の小束紙幣を機外に払い出す。
図13〜図17に示す設定可能在高の表示領域X1〜X3の表示を廃止し、図18に示すように、小束紙幣の設定用入力払出数の表示領域X7〜X9に、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高等をポップアップ表示X13〜X15で表示させるようにしても良い。また、図13〜図17に示す設定可能在高の表示領域X4〜X6の表示を廃止し、バラ紙幣の設定用入力払出数の表示領域X10〜X12に、カセット在高管理手段61が把握しているバラ収納在高等をポップアップ表示させるようにしても良い。
以上に述べた本実施形態によれば、小束出金可能総在高割出手段64が、金種別束収納部29〜31に収納されている小束紙幣の小束収納在高と、金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣から結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の小束作製可能在高とを加算して小束出金可能総在高を割り出す。案内手段65は、操作表示部5への紙幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を操作表示部5に表示させることになる。これにより、作業者は、小束出金可能総在高を参照して、払い出す小束紙幣の小束払出数を設定することができる。したがって、入力後に設定が不可となって入力のやり直しが必要となる可能性を低減でき、小束紙幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
また、結束部22によって作製された小束紙幣を、前方搬送部25、昇降搬送受渡部26および束出金口27が金種別束収納部29〜31を介さずに機外へ払い出すため、結束部22によって作製された小束紙幣の払い出しに要する時間を短縮できる。
また、案内手段65が、操作表示部5への紙幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作表示部5への小束払出数の入力前には、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を操作表示部5に表示させている。そして、払い出す小束紙幣の小束払出数が入力されると、小束出金可能残在高割出手段71が、小束払出数を小束出金可能総在高から減算して纏め出金可能残在高を割り出すことになり、操作表示部5への小束払出数の入力後に、案内手段65が、操作表示部5の小束出金可能総在高の表示を小束出金可能残在高の表示に切り替える。これにより、作業者は、小束出金可能残在高を参照して、払い出す小束紙幣の小束払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、小束紙幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
また、案内手段65が、操作表示部5への紙幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作表示部5への小束払出数の入力前には、金種別バラ収納カセット35〜37に収納されているバラ紙幣のバラ収納在高を操作表示部5に表示させている。そして、払い出す小束紙幣の小束払出数が入力されると、バラ出金可能残在高割出手段72が、小束払出数の小束紙幣を払い出すために必要なバラ紙幣のバラ払出数を、金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣のバラ収納在高から減算してバラ出金可能残在高を割り出すことになり、操作表示部5への小束払出数の入力後に、案内手段65が、操作表示部5のバラ紙幣のバラ収納在高の表示をバラ出金可能残在高に切り替える。これにより、作業者は、バラ出金可能残在高を参照して、払い出す小束紙幣の小束払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、小束紙幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
また、案内手段65が、操作表示部5への紙幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作表示部5へのバラ払出数の入力前には、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を操作表示部5に表示させている。そして、払い出すバラ紙幣のバラ払出数が入力されると、バラ払出可能残在高割出手段75が、バラ払出数を金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣のバラ収納在高から減算してバラ払出可能残在高を割り出し、小束作製可能残在高割出手段74が、バラ払出可能残在高から結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の纏め作製可能残在高を割り出す。さらに、小束払出可能残在高割出手段77が小束収納在高と纏め作製可能残在高とを加算して小束払出可能残在高を割り出す。操作表示部5へのバラ払出数の入力後に、案内手段65は、操作表示部5の小束出金可能総在高の表示を小束払出可能残在高の表示に切り替える。これにより、作業者は、小束払出可能残在高を参照して、払い出すバラ紙幣のバラ払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、バラ払出数の設定作業の作業性を向上させることができる。
以上においては、小束紙幣を出金可能に収納する金種別束収納部29〜31を有する紙幣処理装置1を例にとり説明したが、小束紙幣を収納する束収納部を持たない紙幣処理装置にも適用可能である。その場合、金種別束収納部29〜31のいずれにも小束紙幣が収納されていない場合と同様である。つまり、制御部8は、その小束出金可能総在高割出手段64が、金種別バラ収納カセット35〜37に収納されたバラ紙幣から結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の小束出金可能総在高を割り出すことになり、案内手段65が 操作表示部5への紙幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を操作表示部5に表示させることになる。
この構成によれば、小束出金可能総在高割出手段64が、金種別バラ収納カセット35〜37のバラ紙幣から結束部22によって小束紙幣を作製した場合の小束紙幣の小束出金可能総在高を割り出す。案内手段65は、操作表示部5への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、小束出金可能総在高割出手段64で割り出された小束出金可能総在高を操作表示部5に表示させることになる。これにより、作業者は、小束出金可能総在高を参照して、払い出す小束紙幣の小束払出数を設定することができる。したがって、小束紙幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
以上の実施形態では、バラ貨幣としてバラ紙幣を、バラ紙幣を一纏めに一体化した纏め貨幣として小束紙幣を、それぞれ取り扱う紙幣処理装置に本発明を適用する例を説明したが、バラ貨幣としてバラ硬貨を、纏め貨幣としてバラ硬貨を一纏めに一体化した包装硬貨(棒金)を、それぞれ取り扱う硬貨処理装置に本発明を適用することも可能である。
貨幣処理機には、バラ貨幣と、バラ貨幣を所定の纏め枚数一纏めに一体化した纏め貨幣(小束紙幣や包装硬貨)とを出金する機能を有するものがあり、さらに、バラ貨幣から機内で纏め貨幣を作製し、機内に纏め貨幣を保管したり機外へ纏め貨幣を出金する機能を有する貨幣処理機も存在する。そして、このような貨幣処理機においては、特に纏め貨幣の払い出し数を設定する際に、最大いくつの纏め貨幣を払い出すことができるのかが不明であり、入力後に設定が不可となって入力のやり直しが必要になるなど、設定作業の作業性を低下させてしまうという課題がある。
実施形態は、纏め貨幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる貨幣処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、実施形態の第1の態様は、操作が入力される操作部と、表示を行う表示部と、バラ貨幣を収納するバラ収納部と、前記バラ収納部のバラ貨幣を機外へ払い出すバラ出金手段と、前記バラ収納部のバラ貨幣を所定枚数一纏めに一体化して纏め貨幣を作製する纏め作製手段と、纏め貨幣を収納する纏め収納部と、前記纏め収納部の纏め貨幣を機外へ払い出す纏め出金手段と、を備えた貨幣処理機であって、さらに、前記纏め収納部に収納されている纏め貨幣の纏め収納在高と、前記バラ収納部に収納されているバラ貨幣から前記纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め作製可能在高とを加算して纏め出金可能総在高を割り出す纏め出金可能総在高割出手段と、前記操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、前記纏め出金可能総在高割出手段で割り出された前記纏め出金可能総在高を前記表示部に表示させる案内手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の態様は、第1の態様において、さらに、前記纏め作製手段によって作製された纏め貨幣を、前記纏め収納部を介さずに機外へ払い出す纏め放出手段を備えることを特徴とする。
第3の態様は、操作が入力される操作部と、表示を行う表示部と、バラ貨幣を収納するバラ収納部と、前記バラ収納部のバラ貨幣を機外へ払い出すバラ出金手段と、前記バラ収納部のバラ貨幣を所定枚数一纏めに一体化して纏め貨幣を作製する纏め作製手段と、前記纏め作製手段によって作製された纏め貨幣を機外へ払い出す纏め放出手段と、を備えた貨幣処理機であって、さらに、前記バラ収納部のバラ貨幣から前記纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め出金可能総在高を割り出す纏め出金可能総在高割出手段と、前記操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、前記纏め出金可能総在高割出手段で割り出された前記纏め出金可能総在高を前記表示部に表示させる案内手段と、を備えたことを特徴とする。
第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、さらに、前記操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、払い出す纏め貨幣の纏め払出数が入力されると、前記纏め払出数を前記纏め出金可能総在高から減算して纏め出金可能残在高を割り出す纏め出金可能残在高割出手段を備え、前記案内手段は、前記操作部への前記纏め払出数の入力前に、前記纏め出金可能総在高割出手段で割り出された前記纏め出金可能総在高を前記表示部に表示させる一方、前記操作部への前記纏め払出数の入力後に、前記表示部の前記纏め出金可能総在高の表示を前記纏め出金可能残在高の表示に切り替えることを特徴とする。
第5の態様は、第1乃至第4のいずれか一態様において、さらに、前記操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、払い出す纏め貨幣の纏め払出数が入力されると、前記纏め払出数の纏め貨幣を払い出すために必要なバラ貨幣のバラ払出数を、前記バラ収納部のバラ貨幣のバラ収納在高から減算してバラ出金可能残在高を割り出すバラ出金可能残在高割出手段を備え、前記案内手段は、前記操作部への前記纏め払出数の入力前に、前記バラ収納部に収納されているバラ貨幣の前記バラ収納在高を前記表示部に表示させる一方、前記操作部への前記纏め払出数の入力後に、前記表示部のバラ貨幣の前記バラ収納在高の表示を前記バラ出金可能残在高に切り替えることを特徴とする。
第6の態様は、第1乃至第5のいずれか一態様において、さらに、前記操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、払い出すバラ貨幣のバラ払出数が入力されると、前記バラ払出数を前記バラ収納部のバラ貨幣のバラ収納在高から減算してバラ払出可能残在高を割り出すバラ払出可能残在高割出手段と、前記バラ払出可能残在高から前記纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め作製可能残在高を割り出す纏め作製可能残在高割出手段と、前記纏め作製可能残在高に基づいて纏め払出可能残在高を割り出す纏め払出可能残在高割出手段と、を備え、前記案内手段は、前記操作部への前記バラ払出数の入力前に、前記纏め出金可能総在高割出手段で割り出された前記纏め出金可能総在高を前記表示部に表示させる一方、前記操作部への前記バラ払出数の入力後に、前記表示部の前記纏め出金可能総在高の表示を前記纏め払出可能残在高の表示に切り替えることを特徴とする。
第1の態様によれば、纏め出金可能総在高割出手段が、纏め収納部に収納されている纏め貨幣の纏め収納在高と、バラ収納部のバラ貨幣から纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め作製可能在高とを加算して纏め出金可能総在高を割り出す。案内手段は、操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、纏め出金可能総在高割出手段で割り出された纏め出金可能総在高を表示部に表示させることになる。これにより、作業者は、纏め出金可能総在高を参照して、払い出す纏め貨幣の纏め払出数を設定することができる。したがって、纏め貨幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
第2の態様によれば、纏め作製手段によって作製された纏め貨幣を、纏め放出手段が纏め収納部を介さずに機外へ払い出すため、纏め作製手段によって作製された纏め貨幣の払い出しに要する時間を短縮できる。
第3の態様によれば、纏め出金可能総在高割出手段が、バラ収納部のバラ貨幣から纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め出金可能総在高を割り出す。案内手段は、操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、纏め出金可能総在高割出手段で割り出された纏め出金可能総在高を表示部に表示させることになる。これにより、作業者は、纏め出金可能総在高を参照して、払い出す纏め貨幣の纏め払出数を設定することができる。したがって、纏め貨幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
第4の態様によれば、案内手段が、操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作部への纏め払出数の入力前には、纏め出金可能総在高割出手段で割り出された纏め出金可能総在高を表示部に表示させている。そして、払い出す纏め貨幣の纏め払出数が入力されると、纏め出金可能残在高割出手段が、纏め払出数を纏め出金可能総在高から減算して纏め出金可能残在高を割り出すことになり、操作部への纏め払出数の入力後に、案内手段が、表示部の纏め出金可能総在高の表示を纏め出金可能残在高の表示に切り替える。これにより、作業者は、纏め出金可能残在高を参照して、払い出す纏め貨幣の纏め払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、纏め貨幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
第5の態様によれば、案内手段が、操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作部への纏め払出数の入力前には、バラ収納部に収納されているバラ貨幣のバラ収納在高を表示部に表示させている。そして、払い出す纏め貨幣の纏め払出数が入力されると、バラ出金可能残在高割出手段が、纏め払出数の纏め貨幣を払い出すために必要なバラ貨幣のバラ払出数を、バラ収納部のバラ貨幣のバラ収納在高から減算してバラ出金可能残在高を割り出すことになり、操作部への纏め払出数の入力後に、案内手段が、表示部のバラ貨幣のバラ収納在高の表示をバラ出金可能残在高に切り替える。これにより、作業者は、バラ出金可能残在高を参照して、払い出す纏め貨幣の纏め払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、纏め貨幣の払い出し数の設定作業の作業性を向上させることができる。
第6の態様によれば、案内手段が、操作部への貨幣を機外へ払い出す払出操作の入力時に、操作部へのバラ払出数の入力前には、纏め出金可能総在高割出手段で割り出された纏め出金可能総在高を表示部に表示させている。そして、払い出すバラ貨幣のバラ払出数が入力されると、バラ払出可能残在高割出手段が、バラ払出数をバラ収納部のバラ貨幣のバラ収納在高から減算してバラ払出可能残在高を割り出し、纏め作製可能残在高割出手段が、バラ払出可能残在高から纏め作製手段によって纏め貨幣を作製した場合の纏め貨幣の纏め作製可能残在高を割り出して、纏め払出可能残在高割出手段が纏め作製可能残在高に基づいて纏め払出可能残在高を割り出す。操作部へのバラ払出数の入力後に、案内手段は、表示部の纏め出金可能総在高の表示を纏め払出可能残在高の表示に切り替える。これにより、作業者は、纏め払出可能残在高を参照して、払い出すバラ貨幣のバラ払出数を再設定すること等が可能となる。したがって、バラ払出数の設定作業の作業性を向上させることができる。