JP5202139B2 - 貨幣処理装置 - Google Patents

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この発明は、例えば金融機関等に設置される自動預金支払機(ATM)や自動両替機等の自動取引機に内蔵されるような貨幣処理装置に関し、さらに詳しくは取引量の少ないカセットの空きスペースを有効に活用する貨幣処理装置に関する。
紙幣と硬貨を処理する貨幣処理装置の一例に、以下、紙幣を処理する紙幣処理装置を例にとって説明する。
例えば、特許文献1の紙幣処理装置は、金種別に正券紙幣を収納する金種別カセット(金種別収納庫)と、損券紙幣を収納する損券カセット(損券収納庫)とを備え、入金取引時に正券紙幣を該当する金種別カセットに収納している。これに対し、損券カセットには仕切板を備え、該仕切板により仕切られた一側に、損券及び新たに発行された金種の紙幣を損券と共に収納し、仕切られた他側には出金用紙幣を収納している。これにより、損券カセットの内部スペースを効率よく使用するという技術が知られている(括弧内は特許文献1に記載された名称を示す)。
また、金種別に紙幣を収納するカセットを複数備え、あるカセットの紙幣を別のカセットに移動させて空にし、空になったカセットを、別のカセットに収納されている紙幣の計数用カセットに使用するという技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−83335号公報 特開2002−358556号公報
ところが、前記特許文献1における金種別カセットについてみると、取引量の少ない金種のカセットに必要以上の紙幣を装填することは資金の運用効率が悪くなるという理由から、取引量の少ない金種のカセットには少量の紙幣しか装填されず、このために取引量の少ない金種のカセットは空きスペースが大きく無駄になっていた。
また、前記特許文献2における金種別カセットについては、各カセット別に初期設定された1金種の紙幣が収納されている。このうち、取引量の少ない金種のカセットは少量の紙幣しか装填されておらず、該カセットの内部スペースを占める割合が小さく、このためにカセットに大きな空きスペースを生じるが、有効に活用されていなかった。
例えば、金融機関等に設置される自動預金支払機(ATM)においては、一般に入金取引よりも出金取引の方が多く取引されている。また、出金される金種は万円紙幣が多く、五千円紙幣は非常に少ない。よって、取引量が非常に多い営業店にあっては、万円紙幣が多く出金されて残少状態になりやすく、営業途中で万円紙幣を補充する必要があった。一方、取引量の少ない五千円紙幣を収納するカセットは内部に大きな空きスペースがあるが有効に活用されていなかった。
さらに、自動両替装置においては、千円紙幣への両替取引は非常に多く、二千円紙幣への両替取引は非常に少ない。このため、繁忙店においては千円紙幣を営業途中で補充しなければならなかった。一方、取引量の少ない二千円紙幣を収納するカセットの内部は少量の二千円紙幣が装填されているだけで、該カセットの内部には大きな空きスペースが生じるが有効に活用されておらず、カセット数を増やすことなく、紙幣の装填量を増やすことが望まれている。
そこでこの発明は、カセット内部の空きスペースを有効に活用することにより、カセット数を増やすことなく、貨幣の装填量を増やして機器の稼動率を向上させる貨幣処理装置を提供することを目的としている。
この発明は、金種別に設定された複数のカセットから貨幣を繰出し、または収納する貨幣処理装置であって、前記カセットの少なくとも1つは、異金種の貨幣を金種別に集積して収納する共用カセットとし、該共用カセットには異金種の貨幣を集積あるいは繰出し処理する集積繰出し部を備え、前記各カセットに収納されている貨幣の金種別収納状態を表わした貨幣運用データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する貨幣運用データに基づいて前記カセットに収納されている貨幣を集積または繰出し処理する制御手段を備え、前記カセットからの貨幣の繰出しが不適となる繰出不適状態になった場合に、別のカセットあるいは他の収納部へと貨幣を移動させるか否かを判定する貨幣移動判定手段を備え、前記制御手段は、前記貨幣移動判定手段が貨幣を移動させる必要があると判定した場合に、少なくとも前記共用カセットから、該共用カセットに収納されている所定金種の貨幣を、その貨幣移動先となる別のカセットに移動させる構成としたことを特徴とする。
この発明によれば、カセットの内部スペースを有効に活用することで、カセット数を増やすことなく、取引能力の向上及び稼働率を向上することができる。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はこの発明を、紙幣、包装硬貨、及び硬貨を取り扱う自動両替装置1に適用した場合を示し、図1は自動両替装置1の外観斜視図である。図1において、自動両替装置1に備えられているタッチパネル2は操作部と表示部とを兼ねており、利用者はこのタッチパネル2にタッチ入力して両替する金種を指定する。紙幣入出金口3は、ここに両替する紙幣が投入されるとともに、両替された紙幣が放出される。硬貨取出口4は、ここに両替された硬貨が放出される。包装硬貨取出口5は、ここに両替された包装硬貨が放出される。カード挿入口6は、ここに利用者の取引利用されるカードが挿入されるとともに、利用者にそのカードが返却される。明細票取出口7は、ここに両替取引した内容が印字された明細票が放出される。取扱状態表示部8は、自動両替装置1が取扱中か、取扱中止状態であるかを表示する。
図2は自動両替装置1の装置後扉18を開けた状態を示す斜視図である。紙幣処理装置11は紙幣の取込み、識別、搬送、繰出し等を行ない、包装硬貨処理装置12は包装硬貨の識別、搬送、放出等を行ない、硬貨処理装置13は硬貨の識別、搬送、放出等を行う。係員パネル部14は操作部と表示部とを兼ねており、金融機関等の係員によって操作される。
自動両替装置1の運用を開始する際、まず係員が装置後扉18を開けて、両替用の紙幣、包装硬貨、硬貨をそれぞれ紙幣処理装置11、包装硬貨処理装置12、硬貨処理装置13に装填する。さらに、係員が係員パネル部14を操作して取扱中にすることにより、取扱状態表示部8及びタッチパネル2が取扱中止の表示から取扱中の表示に変わる。
自動両替装置1が取引可能になった後、利用客がカード挿入口6にカードを挿入するか、タッチパネル2の取引開始を示す表示キーを指定してタッチ入力することにより取引が開始される。例えば、紙幣入出金口3が開き、ここに利用客が両替用の元金である紙幣を挿入すると、紙幣処理装置11は両替元金を取込み、識別、計数する。挿入された元金の金額に応じてタッチパネル2に両替可能な金種と数量が表示され、利用客はタッチパネル2に希望する両替金種及び数量を指定して入力する。指定された両替金種及び数量に従い、紙幣処理装置11、包装硬貨処理装置12、硬貨処理装置13が両替金の繰出し、識別、搬送を行ない、紙幣入出金口3、硬貨取出口4、包装硬貨取出口5から両替金が放出される。また、明細票取出口7より、両替取引した内容が印字された明細票が放出される。以上のようにして両替取引が実行される。
図3は自動両替装置1を制御するための構成を示すブロック図である。自動両替装置1は、利用客からの入力操作を受付ける案内画面を表示するタッチパネル2、利用客のカードを受付けるカード処理部15、紙幣の入出金を行う紙幣処理装置11、包装硬貨の出金を行う包装硬貨処理装置12、硬貨の出金を行う硬貨処理装置13、両替取引等の明細票を発行する帳票処理部16、係員入力用の案内画面を表示する係員パネル部14、及びそれらを制御し、取引や係員処理などを実行する制御手段としての主制御部17からなる。
主制御部17はCPU17a,ROM17b,RAM17cを備えて構成され、CPU17aはROM17bに格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを読出し可能にRAM17cに記憶する。具体的には、CPU17aがタッチパネル2や係員パネル部14への案内表示や入力受付の指令、カード処理部15でのカードの受付け、読込み、返却等の指令、紙幣処理装置11への入金、出金等の指令、包装硬貨処理装置12や硬貨処理装置13への出金等の指令、帳票処理部16への明細票の印刷等の指令など、各部へ指令を行ない、その指令した処理結果を確認及び判断して、利用客が取引した両替取引や係員が入力した係員操作に伴う処理等を実行する。その実行結果の各種処理データをRAM17cが読出し可能に記憶する。
また、紙幣処理装置11は、前記自動両替装置1の主制御部17から指令を受付け、その指令に従って該紙幣処理装置11の紙幣処理動作を実行する。この紙幣処理装置11は、紙幣処理動作の実行結果を返送する制御部(CPU)21、紙幣処理装置11を動作させる制御プログラムが格納されたROM22、各種データを読出し及び書込み可能に記憶するRAM23、紙幣搬送群24、及び紙幣収納群25を備えて構成される。
紙幣搬送群24は、紙幣入出金口3、貨幣識別手段としての識別部26、紙幣を一時的に保留する一時保留部27、返却すべき紙幣を保留する返却保留部28を備えて構成される。
また、紙幣収納群25は、両替金を収納した4個の金種別の第1カセットC1、第2カセットC2、第3カセットC3、第4カセットC4と、入金・回収カセットC5とを前後方向に立設状態に並列配設して構成される。第1〜第4カセットC1〜C4は、紙幣搬送群24の搬送経路と接続される各カセットの上部に、紙幣を1枚ずつ集積あるいは繰出し処理する集積繰出し部24A(図4参照)を備えている。
前記集積繰出し部24Aは、第1〜第4カセットC1〜C4の各カセットから紙幣を1枚ずつ紙幣搬送群24に繰出し可能に接続される繰出し経路24aと、紙幣搬送群24から該カセットC1〜C4に紙幣を1枚ずつ集積可能に接続される集積経路24bとを備えて構成される。さらに、繰出し経路24aと集積経路24bとはカセットの上部で両経路24a,24bが交差した例を示しているが、紙幣の出入りに際しては、制御部21が紙幣の出入りに支障が生じないように搬送処理順や搬送タイミングを設定している。また、集積繰出し部24Aは両経路24a,24bの交差を回避した配置構成にしてもよい。
さらに、前記入金・回収カセットC5は、識別部26によって正常に識別できなかった識別不良紙幣を収納する不良紙幣収納部29、利用客が挿入した元金を収納する入金紙幣収納部30から構成される。このうち、不良紙幣収納部29には回収機能のみを備えて紙幣搬送群24に接続し、入金紙幣収納部30には集積機能と繰出し機能とを備えて紙幣搬送群24に接続している。
上述の両替取引に際して、紙幣、包装硬貨、硬貨のうち、以下紙幣の両替取引を例にとって説明する。図4は紙幣処理装置11の内部構成図を示し、この紙幣処理装置11は上部に紙幣を搬送処理する紙幣搬送群24を設け、下部に紙幣を収納する紙幣収納群25を設けて、上下部を搬送系と収納系とに分離して内部構造の簡素化を図っている。
紙幣搬送群24の経路は、紙幣入出金口3の後段に識別部26が接続され、この識別部26の後段は、上向きと下向きとに分岐接続し、上向き側はさらに一時保留部27側と返却保留部28側とに分岐接続して、下向き側は第5カセットC5側と、第1カセットC1側とに分岐接続している。
そして、識別部26の後段から一時保留部27および返却保留部28を経て識別部26の前段にループ状に接続する上側搬送路L1を構成している。また、第1カセットC1から第2カセットC2、第3カセットC3、第4カセットC4の順に各カセットの上側に沿ってカセットC1〜C4間を略水平方向に搬送接続するとともに、第4カセットC4の後段から識別部26を経由して元の第1カセットC1へとループ状に接続する下側搬送路L2を構成している。
また、カセットC1〜C4に対する紙幣の搬送に際して、該カセットC1〜C4から紙幣を繰出したとき、またカセットC1〜C4に紙幣を集積するとき、これらの搬送動作はループ状の上側搬送路L1及び下側搬送路L2を経由させるが、何れの搬送処理であっても、同一のカセットでは集積または繰出しの一処理のみを実行して、上述した集積繰出し部24Aとともに安定した紙幣処理動作が得られるように制御部21が制御する。
なお、第1〜第4カセットC1〜C4の内部には、上下動して紙幣を上下させる紙幣上下板31を備えている。そして、紙幣繰出し時には紙幣上下板31を上動させて、カセットに収納されている紙幣を押し上げ、上方の紙幣搬送群24に対して繰出し可能とし、紙幣収納時には紙幣上下板31を下動させて、該紙幣上下板31の上方に紙幣を集積する受入れスペースを確保して紙幣を集積可能としている。
以下、紙幣への両替取引を実行する場合について順を追って説明する。
両替取引が開始され、利用客が両替元金を紙幣入出金口3に投入すると、主制御部17は紙幣処理装置11に対して入金指令を送信する。紙幣処理装置11は、紙幣入出金口3に挿入された紙幣を取込み、上側搬送路L1で搬送して識別部26に導き、真偽、金種、枚数を識別した後、一時保留部27に導いて一時保留する。このとき、識別部26で紙幣を識別不良と判定したときは、その識別不良紙幣を返却保留部28に導いて一時保留した後、元の紙幣入出金口3へと返却する。
そして、入金指令に対応する紙幣処理動作が完了すると、紙幣処理装置11は主制御部17からの指令に対応して処理結果を返送する。主制御部17は入金指令の処理結果に基づいて、利用客に返却すべき紙幣があれば、紙幣入出金口3を開口して利用客に紙幣を返却し、返却紙幣がなければ、利用客がタッチパネル2を介して指定した両替内容を受付ける。
両替内容を受付けた主制御部17は紙幣処理装置11に対し、両替金の出金指令を送信する。紙幣処理装置11は主制御部17からの出金指令により、利用客が指定した金種、枚数に従って、金種別の紙幣を収納しているカセットC1〜C4から紙幣を1枚ずつ繰出し、識別部26でチェックしてから紙幣入出金口3へと放出する。このとき、識別部26によって識別不良と判定された紙幣は、不良紙幣収納部29に導いて収納する。
出金指令に対応した紙幣処理動作が完了すると、紙幣処理装置11は主制御部17からの指令に応じた処理結果を返送する。主制御部17は出金指令の処理結果に基づいて、利用客に渡すべき紙幣の金種、枚数が正常に放出することができた場合は、紙幣入出金口3を開口して利用客に両替金を取り出させる。
なお、入金指令によって一時保留部27に保留された入金紙幣は、運用上の最適な収納タイミングを選んで、主制御部17が紙幣処理装置11に対して収納指令を送信することにより、下部側の紙幣収納群25に収納処理される。ここで、利用客が挿入した両替元金である入金紙幣は、入金紙幣収納部30に収納してもよく、第1〜第4カセットC1〜C4に収納して出金用に用いてもよい。
図5は紙幣処理装置11の一般的な紙幣装填状態を参考までに示した説明図である。千円、二千円、五千円、万円の4金種の取引頻度の観点からみて、まず千円紙幣は、両替取引が最も多いため第1カセットC1に千円紙幣が満杯に装填されて準備される。五千円紙幣は、次に両替取引が多いため第3カセットC3に五千円紙幣が満杯近くまで装填される。万円紙幣は、ある程度出金されるが、入金されることも多い。よって、第4カセットC4に万円紙幣が次に多く装填される。二千円紙幣は、両替取引において入金、出金ともに非常に取引量が少ない。よって、二千円紙幣は第2カセットC2に、ごく少量しか装填されていない。
第1〜第4カセットC1〜C4の1または複数は、紙幣の収納に際して、これらのカセットC1〜C4の内部に集積された紙幣集積層の上方空間または下方空間としての空きスペースを有効に活用するため、予め1カセットに複数金種を金種別にまとめて十分収納しておき、該カセットを満杯状態にして運用する共用カセットとして備えておくことができる。
図6は、その共用カセットを端的に表した一例を示す説明図である。ここに適用される共用カセットは第2カセットC2を示し、この第2カセットC2は、内部空間の上部側に、本来1金種として装填される二千円紙幣が装填される。この二千円紙幣を上部側に少量だけ装填しておいて、その下部側に取引頻度の高い予備紙幣としての千円紙幣を多量に装填している。
この共用カセットは、取引量の少ない金種を収納する1カセットに、取引量の多い別の金種を予備紙幣として収納しておき、取引量の多い金種の別のカセットが空になった場合や、残量が所定量以下になったカセットなどに、共用カセットから1金種を移し替えさせて運用継続できるようにするものである。また、このとき共用カセットは今まで収納していた1金種分が移動するため、別の金種の繰出しが可能になる。よって、取引頻度の少ない金種のカセット、つまり空きスペースの大きいカセットの内部スペースを、共用カセットの紙幣収納部として有効に活用することができる。この結果、カセット数を増やすことなく、取引量の多い金種の紙幣を十分に多く収納待機させることができ、自動両替装置1の取引能力が向上し、また稼働率が向上する。また、この共用カセットには、自動両替装置1の初期設定時に2金種、あるいは、それ以上の複数の異金種を収納して運用することができる。
図7は係員パネル部14を用いて各カセットC1〜C4に装填する装填金種の設定画面の一例を示した表示図である。この実施例では紙幣処理装置11に共用カセットを設定した際に、第1〜第4カセットC1〜C4の任意のカセットに対し、本来1金種として設定された装填金種に加えて、予備紙幣を2金種まで装填可能としている。図7では第1カセットC1と第3カセットC3を1金種のカセットに設定し、第2カセットC2を共用カセットに設定している。さらに、第4カセットC4に対しては、1金種のカセットにするか、共用カセットにするかの設定途中の状態を示している。これらの装填金種の設定を行うと、主制御部17はその設定された各カセットC1〜C4別に収納されている紙幣の金種別収納状態を表わした紙幣運用データをRAM17cにて記憶する。
このRAM17cは主制御部17の記憶手段として備えられ、カセット別の紙幣の金種、収納量を記憶し、また初期設定枚数から両替取引した取引後の現在の残量データを記憶する。この残量データは搬送路上等に備えられた図示しない検知センサ、識別部26での識別データ及び紙幣運用データから求められる。そして、その残量データから主制御部17(CPU17a)が残量の有効性の適否や運用限界等を判定する。
また、主制御部17は、カセット内の紙幣が収納切れの状態、カセットから紙幣を繰出せなくなった状態、カセットに収納されている紙幣の残量が所定量(取引限界)以下になった状態などにより、紙幣の繰出しが不適となった繰出不適状態に対し、繰出不適状態であるか否かを搬送路上等に備えられた図示しない検知センサ、識別部26での識別データ及び紙幣運用データによって判定する判定機能を有している。
さらに、カセットの繰出不適状態になった場合に、主制御部17は、運用継続できるように紙幣を、別のカセット、あるいは一時保留部27、紙幣入出金口3などの他の収納部へと移動させるか否かを判定する貨幣移動判定手段としての機能も有している。
そして、主制御部17が特定カセットの紙幣を移動させる必要があると判定した場合に、その移動が必要と判定された特定のカセットから収納されている所定金種の紙幣を、その紙幣移動先となる別のカセットに移動させる指令信号を、該主制御部17から紙幣処理装置11の制御部21に対して送信する。
例えば、ある特定のカセット(図7の例ではC1)の紙幣(図7の例では千円)が収納切れになった場合に、運用中止するのではなく、主制御部17はその紙幣と同じ金種の紙幣(図7の例では千円)が、共用カセット(図7の例ではC2)にあるか否かを紙幣運用データから判定し、ある場合は、その紙幣が共用カセット(図7の例ではC2)から繰出し可能な状態となることを識別部26が検知(二千円紙幣の通過検知状態から千円紙幣の通過検知状態になったことを識別)するまで、共用カセット(図7の例ではC2)に収納されている別の金種の紙幣(図7の例では二千円)を、ある特定のカセット(図7の例ではC1)へと移動させる。これにより、共用カセット(図7の例ではC2)から収納切れとなった同じ金種の紙幣(図7の例では千円)を繰出すことが可能になる。
また、ある特定のカセット(図7の例ではC1)には共用カセット(図7の例ではC2)から移し替えられた金種の紙幣(図7の例では二千円)を繰出させることができ、紙幣の移動処理を実行するだけで自動両替装置1の運用継続を図ることができる。そして、主制御部17は図示しない検知センサ、識別部26での識別データ及び紙幣運用データから紙幣の移し替えが終了したことを検知し、紙幣の移し替えが終了したした時点で、紙幣の移動を終了させて新たな運用に切り替える移動終了機能を有している。これにより、金種が変更になったことを更新して、次の取引を継続させる。
さらに、主制御部17は、共用カセットから別のカセット、あるいは他の収納部へと移動される紙幣の移動過程で、該紙幣の金種を識別する識別部26が、繰出不適状態となった金種と同じ金種の紙幣を検出すると、共用カセットから繰出された紙幣と認識し、共用カセットは収納切れになった金種と同じ紙幣を繰出すことが可能になる。その時点で、紙幣の移動を終了させて、新たな運用に切り替える移動終了機能を有している。これにより、金種が変更になったことを更新して、次の取引を継続させる。
また、主制御部17は、紙幣の移動が完了し、移動後のカセットに収納された紙幣の金種が、初期設定された金種から別の金種に変更された場合に、金種の初期設定情報を更新する更新機能を備えている。
さらに、主制御部17のROM17bには、取引毎に変化する紙幣運用データに基づいて自動両替装置1の運用を制御する制御プログラムを格納している。ROM17bは、カセットからの紙幣の繰出しが不適となる繰出不適状態を識別部26や図示しない検知センサ等によって検知する検知動作を実行させるステップと、繰出不適状態になった場合に、別のカセットあるいは他の収納部へと紙幣を移動させるか否かを判定するステップと、紙幣を移動させる必要があると判定した場合に、少なくとも共用カセットから、該共用カセットに収納されている所定金種の紙幣を、その紙幣移動先となる別のカセットに移動させるステップとを実行させるための制御プログラムを有している。
この実施例では、図7の装填金種の設定画面を基に紙幣を移動させる。そして、該紙幣を移動させる場合に、識別部26を通過させたときの金種の判定結果に基づき、紙幣を適切な移動方向に搬送して処理する例について説明する。
次に、自動両替装置1の紙幣処理動作を図8〜図11に示した動作説明図及び図12のフローチャートを参照して説明する。
自動両替装置1の稼働が開始されると、利用客の来店待ちとなる(ステップS1)。来店した利用客が両替取引を行うと(ステップS2)、主制御部17は取引終了毎に、残少等による繰出不適状態が発生していないかチェックし、この結果に応じて紙幣の移動が必要か否かを判断する(ステップS3)。現状のままで運用継続可能であれば、紙幣の移動が不要であり、利用客の来店待ち(ステップS1)に戻る。
自動両替装置1を運用させた際、図8に示すように、第1カセットC1の千円紙幣が残少になった場合、その旨を主制御部17へ通知する。主制御部17は運用継続できない金種が生じたため、主制御部17が紙幣の移動が必要と判定すると、千円紙幣を補充金種として記憶し(ステップS4)、主制御部17は該当する第1カセットC1を移動先カセットとして記憶(ステップS5)したうえで、共用カセットとして運用されている第2カセットC2に予備の千円紙幣が装填されているか(図7の予備紙幣1または予備紙幣2参照)否かをチェックする(ステップS6)。共用カセットに予備紙幣として装填されていない場合は、利用客の来店待ち(ステップS1)に戻り、運用を継続する。
千円紙幣が共用カセットとして運用されている第2カセットC2に予備紙幣として装填されている場合は(ステップS7)、主制御部17はこれを認識して装填されている共用カセットを移動元カセットとして記憶する(ステップS8)。次に、主制御部17は移動先の第1カセットC1の千円紙幣の残量が所定量(取引限界)以下になっているか否かをチェックする(ステップS9)。
図9は千円紙幣の残量が所定量以下になったと判定された第1カセットC1内の残少紙幣を、貨幣一時保管部としての一時保留部27へ搬送する場合の動作説明図である。ここで主制御部17は、カセットC1〜C4別に増減する4金種の紙幣の残量を計数して管理する貨幣残量管理手段としての管理機能を備えており、RAM17cで記憶している紙幣運用データから紙幣の収納量や移動量を正確に管理している。
そして、主制御部17が所定量以下であると判定した場合は、主制御部17の指令により紙幣処理装置11の搬送を実行させて、第2カセットC2に収納されている上部側の二千円紙幣を第1カセットC1に移動させる前に、第1カセットC1に少量残っている千円紙幣を一旦、一時保留部27に搬送して一時保留させる。このとき、識別部26で識別不良と識別された紙幣は不良紙幣収納部29に搬送される。主制御部17は第1カセットC1に少量残っていた千円紙幣を全て一時保留部27に搬送し終えると、一時保留動作を終了する(ステップS10)。続いて、主制御部17は、図10に示すように、共用カセットとしての第2カセットC2から移動先の第1カセットC1への二千円紙幣の移動処理を実施する。
図10は紙幣処理装置11の紙幣移動状態を示す動作説明図である。主制御部17の指令により第2カセットC2から二千円紙幣を繰出し、繰出された二千円紙幣は識別部26を通過するときに該識別部26によって紙幣の金種が識別され、二千円紙幣は第1カセットC1に搬送され、識別不良紙幣は不良紙幣収納部29に搬送される。これを、識別部26にて千円紙幣を検出するまで繰り返す。そして、識別部26にて、千円紙幣が繰出されたことを検出すると、主制御部17は二千円紙幣の全てが完全に繰出されて、第2カセットC2から第1カセットC1に二千円紙幣が移し替えられたことを認識する。また、今まで共用カセットとして2金種収納していた第2カセットC2は、予備紙幣としての千円紙幣の繰出が可能になり、千円紙幣の1金種のみを収納する千円紙幣カセットに変更されたことになる。
よって、千円紙幣を繰出した時点で、主制御部17は第2カセットC2からの繰出しを止め、既に繰出されている千円紙幣に対しては一時保留部27に保留させて紙幣の移動を終了させる。この結果、二千円紙幣は第1カセットC1に移動し、第1カセットC1に少量残っていた千円紙幣と、余分に繰出された千円紙幣は一時保留部27に保留される(ステップS11)。移動処理が終了すると、主制御部17は、図11に示すように、一時保留部27に千円紙幣がある場合は、その一時保留した千円紙幣を同金種となる共用カセットとしての第2カセットC2に収納させる(ステップS12)。
図11は一時保留部27に一時保留された千円紙幣を、同じ金種が収納されている第2カセットC2に収納する際の動作説明図である。主制御部17は一時保留部27から千円紙幣を繰出して、識別部26を通過する際に金種を識別し、千円紙幣であれば、第2カセットC2に収納し、識別不良であれば不良紙幣収納部29に収納する。
以上により、紙幣の移動が完了するが、カセット内の装填金種は一部変更されることになる。よって、主制御部17はカセットの装填金種が変更されたことを更新して記憶した後(ステップS13)、利用客の来店待ち(ステップS1)に戻り、稼働を継続する。
よって、第1カセットC1に収納されている千円紙幣の残量が所定量以下になった場合に、その千円紙幣を一時保留部27に移動させた後、第2カセットC2の二千円紙幣を第1カセットC1に移動させて、第2カセットC2に装填しておいた予備の千円紙幣を使用可能に切り替えて、両替取引の稼働を自動的に継続することが可能となる。これにより、紙幣の収納切れによる取引停止を少なくできる。また、連続運転時間を長くできる。よって、自動両替装置1の稼働率が高まり、利用者の満足度を向上させることができる。
なお、共用カセットに同じ金種の予備紙幣がなければ、残量が所定量以下になったことを保守員に報知して、保守員が該紙幣を補充するまでの間は残量が少ない状態で稼働を継続する。
ステップS9において、繰出不適状態として紙幣の収納切れが発生した場合は、第1カセットC1が空なので第2カセットC2の二千円紙幣を下側搬送路L2によりループ状に搬送させて直接第1カセットC1に搬送させればよい。
具体的には、自動両替装置1を運用させた際に、第1カセットC1の千円紙幣が収納切れになった場合、その旨を主制御部17へ通知する。主制御部17は運用継続できない金種が生じたため、主制御部17は、RAM17cに記憶している紙幣運用データの設定内容から紙幣の移動が必要と判定すると、紙幣の収納切れとなった千円金種を補充金種として記憶し、共用カセットとして運用されている第2カセットC2に予備の千円紙幣があるか否かを判定する。共用カセットに予備紙幣として千円紙幣が装填されていない場合は、そのまま稼働を継続するが、予備の千円紙幣が第2カセットC2に予備紙幣として装填されていることを認識すると、主制御部17は装填されている第2カセットC2を移動元カセットとして記憶する。
主制御部17は第2カセットC2に収納されている上部側の二千円紙幣を繰出し指令し、繰出された二千円紙幣は下側搬送路L2を介してループ状に搬送され、第1カセットC1に全て移動される。これにより、第1カセットC1は二千円紙幣が移し替えられた状態に収納されて、二千円紙幣を繰出し可能に変更された二千円紙幣カセットに変更される。また、第2カセットC2は千円紙幣のみを収納して千円紙幣を繰出し可能に変更された千円紙幣カセットに変更されて、共用カセットではなくなる。
このように、千円紙幣カセットの千円紙幣が収納切れとなった場合でも、共用カセットの二千円紙幣を移動することにより、第2カセットC2から千円紙幣の繰出しが可能になる。
よって、全ての金種への両替が可能なままで、自動両替装置1の稼働を継続できることとなり、紙幣の補充の手間が省けるとともに、自動両替装置1の取引能力の向上に伴い稼働率が向上し、利用客を待たせることも無くなる。特に、紙幣収納切れによる取引一時停止が解消できるため、取引利用頻度の高い繁忙店における混雑を解消するのに効果的であり、取引能力が高くサービス性の高い自動両替装置1として運用できる。
さらに、主制御部17は収納切れなどの繰出不適状態になった金種の紙幣が共用カセットになかった場合は、そのまま運用する。これにより、運用上、紙幣を移動させるのに有効となる場合のみ紙幣の移動を実行する。
次に、図13の収納枚数を設定する準備金設定画面にて紙幣の収納枚数を設定することにより、管理枚数を基に紙幣を移動処理する場合について説明する。
図13は係員パネル部14における貨幣の収納枚数を設定する準備金設定画面の表示図である。自動両替装置1の稼働開始時に、自動両替装置1に装填した金種毎の収納枚数を設定することにより、その設定値を基に、その後の紙幣の出入に従って枚数を更新する。これにより、紙幣の残量を管理する。
図14は紙幣処理装置11に装填された予備紙幣としての五千円・千円紙幣を示す説明図である。この場合の装填金種別の設定では、第1カセットC1と第3カセットC3を共用カセットに設定し、該共用カセットに設定された第1カセットC1には装填金種として万円を、予備紙幣として五千円紙幣を設定している。第2カセットC2は装填金種として五千円紙幣の1金種のみを設定している。第3カセットC3は装填金種として二千円紙幣を、予備紙幣として千円紙幣を設定している。第4カセットC4は装填金種として千円紙幣の1金種のみを設定している。
さらに、装填金種の収納量別に管理する例(図13参照)では、自動両替装置1の稼働開始時に万円紙幣を800枚、五千円紙幣を2600枚、二千円紙幣を400枚、千円紙幣を3000枚装填した設定を行なっている。従って、紙幣処理装置11の第1カセットC1には万円紙幣が800枚、第1カセットC1と第2カセットC2とに分配して収納された五千円紙幣が2600枚、第3カセットC3には二千円紙幣が400枚、第3カセットC3と第4カセットC4とに分配して収納された千円紙幣が3000枚装填されたものとして主制御部17が認識する。
次に、紙幣処理装置11の別の運用例としての紙幣移動処理動作を図14及び図15に示した動作説明図及び図16のフローチャートを参照して説明する。
自動両替装置1の稼働が開始され、利用客によって両替取引が実行されると、この両替取引に伴い各カセットには入金紙幣と出金紙幣とにより紙幣の出入が発生する。この際、搬送された紙幣を搬送路上の図示しない検知センサの検知信号により各カセットに紙幣の出入があったことを検知した時点で、紙幣処理装置11は主制御部17に各カセットの紙幣の出入枚数を通知することにより、主制御部17は残枚数を更新し、残枚数を管理する。この残枚数の計数管理は、搬送中の紙幣の金種を識別部26が識別することで、紙幣の移動枚数を計数管理できる。
主制御部17は紙幣の移動要請に伴い、まずカセット内の紙幣が残量管理されているか否かをチェックし、残量管理がされていなければ(ステップS21:No)、図14に示すように、共用カセットとしての第1カセットC1または第3カセットC3から紙幣の繰出しを開始して、紙幣の移動を開始する(ステップS22)。その移動中の紙幣を識別部26により識別し、識別不能紙幣は不良紙幣収納部29へ収納し、適正と識別された紙幣は一時保留部27に一旦一時保留させる。このとき、第1カセットC1または第3カセットC3から繰出された紙幣は、そのまま搬送路を経由させて移動先カセットに搬送すると、この搬送路でループ状に搬送される繰出側の紙幣と収納側の紙幣とが交差するおそれがあるので移動先カセットに直接入れることができない。よって、その搬送路の中間位置に介在される一時保留部27に一時保留させるものである。なお、紙幣が搬送路上で交差するおそれがない場合は、この限りではない。例えば、図6における第2カセットC2から紙幣を繰出して第1カセットC1に収納させる際は、紙幣が搬送路上で交差するおそれがないので、直接移動先カセットへと移動させることができる。
その後、紙幣を一時保留部27で一定量保持する毎に、該一時保留部27から紙幣を第2カセットC2または第4カセットC4に収納移動を実行させる。なお、一時保留部27での1回の保留動作は一時保留部27の容量分しかできないので、その容量分毎に何度かに分けて収納移動を実行するとよい。
そして、第1カセットC1または第3カセットC3からの紙幣の繰出しは補充金種の紙幣を検出するまで続ける(ステップS23)。補充金種の紙幣を検出すると(ステップS24)、共用カセットとしての第1カセットC1または第3カセットC3からの紙幣の繰出しを止める(ステップS25)。共用カセットからの紙幣の繰出しを止めた時点で、既に繰出されて搬送経路上にある紙幣は、識別部26によって識別し、識別不能紙幣は不良紙幣収納部29へ収納し、補充金種の紙幣は一時保留部27へ収納し、その後、一時保留部27から紙幣を繰出し、識別部26で識別した紙幣を該当する移動先カセットに収納して(ステップS26)紙幣の移動処理を終了する。
この場合、識別部26にて金種を識別するため、移動する紙幣の枚数が分からなくても(つまり、カセット別の収納量を予め設定していなくても)移動が可能である。従って、各カセットに収納されている紙幣の残量を管理していなくても、移動中の紙幣の金種を識別することにより、紙幣の移動が完了したことを判断できる。また、主制御部17がカセット内の紙幣を残量管理している場合は(ステップS21:Yes)、図15に示すように、共用カセットから紙幣の繰出しを開始する。
図15はカセット内の残枚数分の紙幣を別のカセットに最短経路で移動させる場合の紙幣移動状態を示す動作説明図である。例えば、図14の紙幣収納状態から第2カセットC2の五千円紙幣が無くなった場合、万円紙幣(例えば残枚数は700枚)を、第1カセットC1から第2カセットC2へ識別部26を経由せずに直接に万円紙幣(700枚分)を移動させることが可能である。このようにして紙幣の移動を開始する(ステップS27)。共用カセットとしての第1カセットC1から紙幣を繰出して、移動先第2カセットC2への収納を繰り返し(ステップS28)、移動枚数分の紙幣を繰出した時点で共用カセットからの紙幣の繰出しを止める(ステップS29)。そして、既に繰出されて搬送経路上にある搬送途中の紙幣を全て移動先カセットへと収納すると、紙幣の移動処理が終了する。このように主制御部17が残枚数管理を行うことにより、最短経路で、かつ、余分な紙幣を繰出すことなく、紙幣の移動が可能となる。
この場合、識別部26を使用せずに紙幣の移動を実行できるとともに、管理された残枚数分を繰出した時点で繰出しを停止することで、余分な紙幣の繰出しや、余分に繰出した紙幣を元のカセットに戻すという処理が不要になり、最短の時間で紙幣の移動が完了し、稼働率の高い運用ができる。
なお、紙幣の移動を行う際に、識別部26を経由させても搬送路でループ状に搬送される紙幣が交差しない移動条件の場合は、識別部26によって紙幣を確認しながら移動させることが可能になり、管理された残枚数分を繰出した時点で繰出しを停止するという、紙幣を識別しながら移動する方式としてもよい。
この実施例の説明では、第2カセットC2が空、すなわち紙幣が収納切れの状態になった時に紙幣の移動を行う場合について説明したが、紙幣が収納切れの状態になる前に、残量が所定量以下になった時点で紙幣の移動を行なってもよい。このとき、紙幣の残量が所定量以下になったことを検知するためには、紙幣上下板31の位置を検出することにより、紙幣のおおよその残量を把握するようにしてもよい。また、図13の収納枚数設定画面において、カセット毎に収納枚数を指定するようにし、カセット毎に残枚数を管理するようにしてもよい。またこの場合は、残紙幣を一時保留部27へ移動させてから共用カセットからの移動を実行し、その後、一時保留部27から同一金種のカセットへの移動をすればよい。
このように、2個の共用カセットを備えて構成してもよく、この場合は利用頻度の高い2金種の紙幣に対応した予備紙幣を備えさせることができる。そして、紙幣の収納切れによる取引停止回数が減少し、取引利用頻度の高い繁忙店における混雑を解消するのに効果的であり、取引能力が高くサービス性の高い自動両替装置1として運用できる。
上述のように、カセットに紙幣を収納する際、カセット内に無駄な空間が無くなるように補充用の異金種を装填しておくことにより、そのカセットの空きスペースを減らし、カセットを最大限利用することができる。この結果、カセット内部の空きスペースを有効に活用することができ、カセット数を増やすことなく、紙幣の装填量を増やして自動両替装置の稼動率を向上させることができる。
本実施例では、紙幣を繰出し、収納する紙幣処理装置11を用いて説明したが、硬貨を繰出し、収納する硬貨処理装置13で実現しても同様な作用効果が得られる。
また、紙幣を一時保留する場合に、一時保留部27を用いたが、他の収納部としての紙幣入出金口3で実現してもよい。
また、貨幣残量管理手段は自動両替装置1の主制御部17で実現した例を示したが、紙幣処理装置11の制御部21で実現してもよい。
また、金種指定手段及び収納量指定手段は、係員パネル部14によって指定する例を示したが、各カセットに記憶手段を設けて、紙幣を出納機などからカセットに収納した際にカセットに記憶させる構成としてもよく、各カセットに設定手段を設けて係員がカセットに紙幣を収納した際に、カセットに設定を行う構成としてもよい
さらに、紙幣を移動する際の、紙幣移動の判定、残紙幣の一時保留、紙幣の移動、一時保留紙幣を収納するという各処理を、主制御部17が紙幣処理装置11へ指令を送信することによって実行する構成としたが、紙幣処理装置11において実行する構成としてもよい。
この発明は、貨幣を収納して集積及び繰出しを行う貨幣処理装置全般に関する。
自動両替装置の外観斜視図。 自動両替装置の装置後扉を開けた状態を示す斜視図。 自動両替装置の制御構成を示すブロック図。 紙幣処理装置の内部構成図。 紙幣処理装置の一般的な紙幣装填状態を示す説明図。 紙幣処理装置に共用カセットを適用した紙幣装填状態を示す説明図。 係員パネル部における装填金種設定画面を示す表示図。 紙幣処理装置の千円紙幣が残少となった場合を示す説明図。 カセットの残紙幣を一時保留する場合の動作状態を示す動作説明図。 紙幣処理装置が紙幣を移動させた状態を示す動作説明図。 紙幣処理装置が一時保留した紙幣を収納動作する場合の説明図。 自動両替装置の紙幣処理動作を示すフローチャート。 係員パネル部で収納枚数を設定する準備金設定画面を示す表示図。 共用カセットに適用された予備の五千円・千円紙幣を示す説明図。 カセットの紙幣を最短経路で移動させる場合の動作説明図。 紙幣処理装置の紙幣の移動処理動作を示すフローチャート。
符号の説明
1…自動両替装置
11…紙幣処理装置
14…係員パネル部
17…主制御部
24A…集積繰出し部
26…識別部
27…一時保留部
C1〜C4…カセット

Claims (9)

  1. 金種別に設定された複数のカセットから貨幣を繰出し、または収納する貨幣処理装置であって、
    前記カセットの少なくとも1つは、異金種の貨幣を金種別に集積して収納する共用カセットとし、該共用カセットには異金種の貨幣を集積あるいは繰出し処理する集積繰出し部を備え、
    前記各カセットに収納されている貨幣の金種別収納状態を表わした貨幣運用データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する貨幣運用データに基づいて前記カセットに収納されている貨幣を集積または繰出し処理する制御手段を備え
    前記カセットからの貨幣の繰出しが不適となる繰出不適状態になった場合に、別のカセットあるいは他の収納部へと貨幣を移動させるか否かを判定する貨幣移動判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記貨幣移動判定手段が貨幣を移動させる必要があると判定した場合に、少なくとも前記共用カセットから、該共用カセットに収納されている所定金種の貨幣を、その貨幣移動先となる別のカセットに移動させる
    貨幣処理装置。
  2. 前記繰出不適状態とは、
    前記カセット内の貨幣が収納切れの状態、カセットから貨幣を繰出せなくなった状態、カセットに収納されている貨幣の残量が所定量以下になった状態の何れかである
    請求項に記載の貨幣処理装置。
  3. ある特定のカセットの貨幣が収納切れになった場合、または、繰出せなくなった場合に、その貨幣と同じ金種の貨幣が前記共用カセットから繰出し可能な状態となるまで、該共用カセットに収納されている別の金種の貨幣を、前記ある特定のカセットへと移動させる制御手段を備えた
    請求項または請求項に記載の貨幣処理装置。
  4. 貨幣を一時保管する貨幣一時保管部を備え、
    前記貨幣移動判定手段が、ある特定のカセットの残量が所定量以下になったと判定した場合に、その特定のカセットの残貨幣を移動させて前記貨幣一時保管部に一時保管させ、
    前記残貨幣と同じ金種の貨幣が、前記共用カセットから繰出し可能な状態となるまで、該共用カセットに収納されている別の金種の貨幣を前記ある特定のカセットへと移動させた後、
    前記一時保管された貨幣を、これと同じ金種の貨幣を収納している前記共用カセットに収納させる制御手段を備えた
    請求項または請求項に記載の貨幣処理装置。
  5. 前記貨幣移動判定手段が貨幣を移動させる必要があると判定した場合に、所定金種の貨幣が前記貨幣運用データにある場合には、該共用カセットから指定された金種の貨幣を前記繰出不適状態となったカセットに移動させ、指定された金種がない場合には、貨幣を移動させずに稼働を継続させる制御手段を備えた
    請求項1から4の何れか1項に記載の貨幣処理装置。
  6. 前記共用カセットから別のカセットあるいは他の収納部へと移動される貨幣の移動過程で該貨幣の金種を識別する貨幣識別手段を備え、
    前記貨幣識別手段が、前記繰出不適状態となった金種と同じ金種を検出した時点で、前記貨幣の移動を終了させる制御手段を備えた
    請求項1から5の何れか1項に記載の貨幣処理装置。
  7. 各カセットの貨幣の出し入れに従って各カセットに収納されている貨幣の残量を管理する貨幣残量管理手段と、
    前記貨幣残量管理手段が管理している共用カセットの、ある金種の残量が該共用カセットから貨幣補充先のカセットに全て移動したことを検出した時点で、貨幣の移動を終了させる制御手段とを備えた
    請求項1から5の何れか1項に記載の貨幣処理装置。
  8. 貨幣の移動が完了し、移動後のカセットに収納された貨幣の金種が、初期設定された金種から別の金種に変更された場合に、金種の初期設定情報を更新する制御手段を備えた
    請求項1から7の何れか1項に記載の貨幣処理装置。
  9. 金種別に設定された複数のカセットの少なくとも1つは、異金種の貨幣を金種別に集積して収納する共用カセットとし、該共用カセットには異金種の貨幣を集積あるいは繰出し処理する集積繰出し部を備え、
    前記各カセットに収納されている貨幣の金種別収納状態を表わした貨幣運用データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する貨幣運用データに基づいて前記カセットに収納されている貨幣を集積または繰出し処理する制御手段を備えた
    貨幣処理装置に、
    カセットからの貨幣の繰出しが不適となる繰出不適状態を検知する検知動作を実行させるステップと、
    前記繰出不適状態になった場合に、別のカセットあるいは他の収納部へと貨幣を移動させるか否かを判定させるステップと、
    貨幣を移動させる必要があると判定した場合に、少なくとも前記共用カセットから、該共用カセットに収納されている所定金種の貨幣を、その貨幣移動先となる別のカセットに移動させるステップとを実行させるための
    制御プログラム。
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