JP2018036951A - 貨幣処理装置、貨幣処理システム、及び、貨幣処理方法 - Google Patents

貨幣処理装置、貨幣処理システム、及び、貨幣処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貨幣処理装置において、貨幣を返却するときの利便性を向上する。
【解決手段】貨幣を処理する貨幣処理装置1に係る。この貨幣処理装置1は、貨幣が投入される投入部と、投入部に投入された貨幣の返却指示を受け付けたとき、貨幣を払い出すように構成された出金部と、返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成された制御部500と、を備えている。
【選択図】図12

Description

ここに開示する技術は、貨幣処理装置、貨幣処理システム、及び、貨幣処理方法に関する。
特許文献1には、貨幣処理装置の一例が開示されている。具体的に、特許文献1に開示された装置(硬貨処理装置)は、投入された貨幣(硬貨)の返却指示(一時保留後の返却指令)を受け付けたとき、投入された貨幣の現物を、そのまま返却するように構成されている。
特許第5551863号公報
ところで、前記特許文献1に記載の装置に対して貨幣を投入する場合、包装貨幣の包装を解いて、バラ状態にした上で投入する。貨幣を投入した後に、その返却指示を入力すると、貨幣の現物つまり、バラ状態の貨幣が返却される。
ところが、返却指示を入力したときの状況次第では、バラ状態での返却が望まれない場合がある。例えば、装填用の貨幣として、金庫や貨幣保管装置から包装貨幣を持ち出してきた場合、バラ状態で返却された貨幣は、再度包装された上で、金庫等に戻される。しかし、返却後に再度包装するのは、手間がかかり面倒である。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貨幣処理装置において、貨幣を返却するときの利便性を向上することにある。
ここに開示する技術は、貨幣を処理する貨幣処理装置に係る。この装置は、貨幣が投入される投入部と、前記投入部に投入された貨幣の返却指示を受け付けたとき、貨幣を払い出すように構成された出金部と、前記返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、前記出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成された制御部と、を備えている。
ここで、「バラ貨幣」には、バラ硬貨とバラ紙幣とが含まれる。
また、「包装貨幣」には、包装硬貨と、帯封紙幣(束紙幣)とが含まれる。
この構成によると、貨幣処理装置は、予め定めたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば返却指示を受け付けたときの状況等に適した形態を選択することが可能になり、ひいては貨幣を返却するときの利便性を向上することが可能になる。
また、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣を払い出す枚数が所定の包装枚数以上か否かを判定し、前記包装枚数以上の場合には、貨幣の形態として、包装貨幣を含めて選択するように構成されている、としてもよい。
例えば、包装枚数が50枚に設定されていたところ、60枚の貨幣を払い出すような指示を受けた場合、制御部は、1つの包装貨幣を含めた選択を行う。
この構成によると、制御部は、貨幣の包装枚数に基づいたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば払い出された貨幣を金庫に戻すことが要求されるときに、その要求に適した形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
さらに、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記包装枚数に満たない端数分の貨幣を払い出すか否かを判定し、端数分の貨幣を払いだす場合には、該端数分の貨幣の形態として、バラ貨幣を選択するように構成されている、としてもよい。
例えば、包装枚数が50枚に設定されていたところ、60枚の貨幣を払い出すような指示を受けたとき、制御部は、端数分つまり、10枚の貨幣を払い出す場合に、バラ貨幣を選択する。
この構成によると、制御部は、端数分の貨幣の返却に関するルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、貨幣の払出枚数に対応した形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、貨幣の払い出しに要する所要時間が、貨幣の形態に応じて定まっており、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣の形態として、前記所要時間が最も短い形態を選択するように構成されている、としてもよい。
この構成によると、制御部は、所要時間に基づいたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば処理時間の短縮が望まれたときに、その要求を満足するような形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣の形態として、操作者が指定した形態を選択するように構成されている、としてもよい。
この構成によると、制御部は、操作者の指定にしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、操作者の要望に適した形態で返却することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、貨幣を収納する収納部を備え、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記投入部に投入された貨幣を払い出すか、又は、前記収納部に収納されている貨幣を払い出すかを切替可能に構成されている、としてもよい。
投入部に投入された貨幣を払い出すことは、実際に投入した現物を返却することを意味する。その一方で、収納部に収納されている貨幣を払い出すことは、現物ではなく、現物の代替を返却することを意味する。
この構成によると、制御部は、貨幣の現物を返却するか、又は、現物の代替を返却するかを切替可能である。そうすることで、例えば投入された貨幣の状態に応じた返却を行うことが可能になる。そのことで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
さらに、前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記投入部に投入された貨幣にリサイクル使用に適していない貨幣が含まれているか否かを判定し、リサイクル使用に適していない貨幣が含まれていた場合には、前記投入部に投入された貨幣を払い出すように構成されている、としてもよい。
ここで、「リサイクル使用に適していない貨幣」には、汚損貨幣と、旧貨幣(旧券、及び、旧硬貨)とが含まれる。
この構成によると、制御部は、投入された貨幣に、リサイクル使用に適していない貨幣が含まれていた場合には、装置内に収納されている貨幣ではなく、投入された貨幣の現物を返却する。そうすることで、リサイクル使用に適していない貨幣の取込を回避することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、前記制御部は、前記返却処理を実行したときに、前記収納部に収納されていた貨幣を払い出した場合には、前記投入部に投入された貨幣を前記収納部に収納するように構成されている、としてもよい。
この構成によると、制御部は、返却処理において、現物ではなく代替を払い出した場合には、投入された現物を、実際に払い出した代替の代わりに収納する。そうすることで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、前記制御部は、所定の入金指示を受け付けたときには、前記投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む入金処理を実行すると共に、所定の装填指示を受け付けたときには、前記投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む装填処理を実行するように構成されており、前記制御部はまた、前記装填処理において前記返却指示を受け付けたときに、前記返却処理を実行するように構成されている、としてもよい。
この構成によると、制御部は、装填処理において返却指示を受け付けたときに、貨幣の形態を選択する。そうすることで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
ここに開示する別の技術は、貨幣を処理する貨幣処理装置と、操作者による入力に基づいて、前記貨幣処理装置を操作する操作端末と、を備えた貨幣処理システムに係る。このシステムは、貨幣が投入される装置の投入部と、前記操作端末が返却指示を受け付けたとき、貨幣を払い出すように構成された装置の出金部と、前記返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、前記出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成された制御部と、を備えている。
この構成によると、貨幣処理システムは、予め定めたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、返却指示を受け付けたときの状況に適した形態で返却することが可能になり、ひいては貨幣を返却するときの利便性を向上することが可能になる。
ここに開示する別の技術は、貨幣処理方法に係る。この方法は、投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む工程と、返却指示を受け付ける工程と、返却貨幣として払い出す貨幣の形態を、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態に決定する工程と、決定した形態の貨幣を、出金部を介して払い出す工程と、を備えている。
この方法によると、予め定めたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、返却指示を受け付けたときの状況に適した形態で返却することが可能になり、ひいては貨幣を返却するときの利便性を向上することが可能になる。
以上説明したように、前記の貨幣処理装置によると、貨幣を返却するときの利便性を向上することが可能になる。
図1は、貨幣処理装置の外観図である。 図2は、硬貨処理機の概略構成を示す図である。 図3は、硬貨処理機の内部構成を示す正面図である。 図4は、硬貨処理機の内部構成を示す平面図である。 図5は、硬貨処理機の内部構成を示す左側面図である。 図6は、硬貨処理機の内部構成を示す右側面図である。 図7は、貨幣処理装置の構成を示すブロック図である。 図8は、操作表示部に表示される待機画面を例示する図である。 図9は、装填処理に関する画面遷移を例示する図である。 図10は、返却処理に関する画面遷移を例示する図である。 図11は、返却ルールの指定画面を例示する図である。 図12は、硬貨の投入・返却に関する処理のフローチャートである。 図13は、紙幣処理機の概略構成図である。 図14は、棒グラフの動画表示を例示する図である。 図15は、動画表示の別例を示す図である。 図16は、貨幣処理システムのシステム構成を例示する図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明は例示である。
〈貨幣処理装置の概略構成〉
図1は、貨幣処理装置1の外観を示している。貨幣処理装置1は、貨幣を処理する多機能装置であって、一般に、銀行やスーパーマーケットなどの分野において用いられる。
尚、以下の説明において、「正常硬貨(正常紙幣)」とは、後述の識別部によって識別可能な硬貨(紙幣)をいい、「リジェクト硬貨(リジェクト紙幣)」とは、識別部で識別不能な硬貨(紙幣)をいう。また、「正貨(正券)」とは、正常硬貨(正常紙幣)のうち、汚れや破れ等が比較的少ない状態の硬貨(紙幣)をいい、「損貨(損券)」とは、正常硬貨(正常紙幣)のうち、汚れや破れ等が比較的多い状態の硬貨(紙幣)をいう。
さらに、以下の説明において、バラ状態の硬貨、いわゆる「バラ硬貨」を、単に「硬貨」という場合がある。
貨幣処理装置1は、複数の装置を組み合わせて構成されている。具体的に、貨幣処理装置1は、図1に示すように、紙幣を処理する紙幣処理機100と、硬貨を処理する硬貨処理機200と、種々の伝票を発行するプリンタ300と、操作者に対するヒューマンインターフェース部分である操作表示部400と、貨幣処理装置1全体を制御する制御部(図6にのみ図示)500と、を備えて構成されている。本明細書では、貨幣処理装置1が備える構成のうち、特に、硬貨の処理に関する構成を中心に説明する。
まず、紙幣処理機100の構成について簡単に説明する。
紙幣処理機100は、バラ紙幣を処理する機構と、帯封紙幣を処理する機構とが一体化された装置として構成されており、紙幣の入出金に係る処理をはじめとして、種々の処理を行うことができる。
詳細は省略するが、紙幣処理機100は、バラ紙幣を処理するバラ紙幣処理部100Aと、帯封紙幣を処理する帯封紙幣処理部100Bと、バラ紙幣を結束して帯封紙幣を形成する紙幣結束部100Cと、から構成されている(図7及び図13を参照)。バラ紙幣処理部100Aと、帯封紙幣処理部100Bとは、紙幣結束部100Cを介して接続されている。バラ紙幣処理部100A、帯封紙幣処理部100B、及び、紙幣結束部100Cは、共通の筐体101に収容されている(図1及び図13を参照)。
バラ紙幣処理部100Aは、その内部に、バラ紙幣を金種別に収納できるようになっており、当該バラ紙幣処理部100Aを利用して、バラ紙幣の入出金に係る処理をはじめとして、種々の処理を行うことができるようになっている。
紙幣結束部100Cは、バラ紙幣処理部100Aから搬送されたバラ紙幣を金種別にかつ、所定枚数(100枚)ごとに結束し、帯封紙幣を形成するように構成されている。形成された帯封紙幣は、帯封紙幣処理部100Bへ搬送される。
帯封紙幣処理部100Bは、紙幣結束部100Cから搬送されたバラ紙幣を金種別に収納したり、帯封紙幣処理部100Bの外部に投出したりするように構成されている。
硬貨処理機200は、バラ硬貨を処理する機構と、包装硬貨を処理する機構とが一体化された装置として構成されており、硬貨の入出金に係る処理をはじめとして、種々の処理を行うことができる。
図1に示すように、硬貨処理機200は、バラ硬貨を処理するバラ硬貨処理部200Aと、包装硬貨を処理する包装硬貨処理部200Bと、バラ硬貨を包装して包装硬貨を形成する包装部200Cと、から構成されている(図7を参照)。バラ硬貨処理部200Aと包装硬貨処理部200Bとは、包装部200Cを介して接続されている。バラ硬貨処理部200A、包装硬貨処理部200B、及び、包装部200Cは、共通の筐体201に収容されている。
図2は、硬貨処理機200の概略構成を示しており、図3〜図6は、硬貨処理機200の内部構成を示している。なお、図3〜図4は、図面右側の側面が筐体201の右側面となっており、図面左側の側面が筐体201の左側面となっている。また、図5は、図面右側の側面が筐体201の前面となっており、図面左側の側面が筐体201の後面となっている。また、図6は、図面左側の側面が筐体201の前面となっており、図面右側の側面が筐体201の後面となっている。なお、図3〜図6において、包装硬貨に対して符号Wを付している。
まず、バラ硬貨処理部200Aについて説明する。
バラ硬貨処理部200Aは、バラ硬貨の入金に関する構成として、硬貨が投入されると共に、投入された硬貨を繰り出すよう構成された入金繰出部(投入部)202と、入金繰出部202から繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部203と、入金搬送部203により搬送される硬貨を識別する入金識別部204と、入金識別部204により識別された硬貨を、その識別結果に基づいて選別する選別部205と、選別部205により選別された硬貨を一時的に保留する入金一時保留部206と、入金一時保留部206から送られた硬貨を収納すると共に、収納された硬貨を繰り出すよう構成された収納繰出部(収納部)207と、を備えている。
また、バラ硬貨処理部200Aは、バラ硬貨の出金に関する構成として、処理がキャンセルされたときに、入金一時保留部206内に保留している硬貨を返却するよう構成されたバラ硬貨返却箱(出金部)208と、収納繰出部207から繰り出された硬貨を搬送するコンベア209と、コンベア209により搬送される硬貨を識別する出金識別部210と、出金識別部210により識別された硬貨が送り込まれるバラ硬貨出金箱(出金部)211とを備えている。
具体的に、入金繰出部202は、図1等に示すように、外部からバラ硬貨を取り込む入金口202aを有している。入金口202aは、例えば入金処理の際にバラ硬貨が投入される口である。入金口202aは、筐体201の上面に開口しており、複数枚のバラ硬貨を一度に投入可能に構成されている。入金繰出部202はまた、入金口202aから取り込まれた硬貨を受け入れる供給円盤202bと、この供給円盤202bからバラ硬貨が供給される回転円盤202cと、を有している。回転円盤202cに供給されたバラ硬貨は、1枚ずつ、入金搬送部203へ繰り出されるようになっている。
入金搬送部203は、回転円盤202cから筐体201の幅方向に延設された第1通路部203aと、第1通路部203aから筐体201の奥行き方向に延設された第2通路部203bと、を有しており、各通路部上には、硬貨を搬送するように構成された搬送ベルト(不図示)が配設されている。
入金識別部204は、第1通路部203a上に設けられており、第1通路部203aに沿って搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧等を識別する。
選別部205は、第2通路部203b上に設けられており、入金識別部204による識別結果に基づいて、バラ硬貨を選別する。具体的に、選別部205は、リジェクト硬貨を選別するリジェクト硬貨選別部205aと、任意の硬貨を選別する任意硬貨選別部205bと、硬貨を金種別に選別する金種別選別部205cとから構成されており、第2通路部203bの上流側(前面側)から下流側(後面側)にかけて、この順で配置されている。
このうち、リジェクト硬貨選別部205aには、リジェクト硬貨を返却するための入金リジェクト部213が、図示省略の分岐機構を介して接続されている。第2通路部203bを通過している硬貨のうち、入金識別部204により識別できなかったバラ硬貨は、分岐機構の動作制御によって選択的に、リジェクト硬貨選別部205aから入金リジェクト部213へ送られる。入金リジェクト部213は、第2通路部203bの下方に配設されており、リジェクト硬貨選別部205aに接続された返却シュート213aと、筐体201の前面上部に開口している返却口213bと、有している。リジェクト硬貨選別部205aから送られたリジェクト硬貨は、返却シュート213aを介して返却口213bへ導かれる。
また、任意硬貨選別部205bには、図示省略の分岐機構を介して、シュート214が接続されている。第2通路部203bを通過している硬貨のうち、予め設定された種類に該当する硬貨は、分岐機構の動作制御によって選択的に、任意硬貨選別部205bからシュート214へ送られる。シュート214は、第2通路部203bの下方に配設されており、袋取用シュート215と、ダイレクト包装用シュート216とに分岐している。その分岐箇所には、図5に示す振分機構214aが配設されており、シュート214を通過したバラ硬貨は、振分機構214aの動作制御によって、袋取用シュート215、及び、ダイレクト包装用シュート216のいずれか一方に選択的に導かれる。袋取用シュート215は、筐体201の前面に装着される袋Bにバラ硬貨を導いて収納させる。ダイレクト包装用シュート216は、包装部200Cに接続されており、入金一時保留部206等を介することなく、バラ硬貨をダイレクトに包装部200Cへ導くようになっている。
金種別選別部205cは、硬貨の金種の数の分だけ(つまり6つ)設けられている。すなわち、本実施形態では、5円硬貨に対応する金種別選別部205cと、1円硬貨に対応する金種別選別部205cと、50円硬貨に対応する金種別選別部205cと、100円硬貨に対応する金種別選別部205cと、10円硬貨に対応する金種別選別部205cと、500円硬貨に対応する金種別選別部205cとが設けられており、第2通路部203bにおいて、上流側からこの順で配設されている。金種別選別部205cは、それぞれ、入金一時保留部206に接続されている。リジェクト硬貨選別部205aと、任意硬貨選別部205bとを通過した硬貨は、6つの金種別選別部205cのうち、その硬貨の金種に対応する金種別選別部205cから入金一時保留部206へ送られる。
入金一時保留部206は、筐体201の奥行き方向に沿って並んで配置されており、金種別選別部205cから送られた硬貨を金種別に受け入れて、一時的に保留する。具体的に、入金一時保留部206は、金種別に設けられた保留筒206aと、全金種にわたって共通の底板部206bと、を有している。各保留筒206aは、対応する金種別選別部205cの下方に配置されており、その下端側の開口が、底板部206bにより閉塞されるようになっている。詳細は省略するが、保留筒206a、及び、底板部206bは、筐体201の幅方向へ移動可能に構成されている。例えば、所定の金種のバラ硬貨を収納する場合、その金種に対応する保留筒206aが幅方向へ移動することで、保留筒206aの下端が開放されて、その保留筒206aに保留しているバラ硬貨が、対応する収納繰出部207へ放出される。一方で、保留筒2006を移動させることなく、底板部206bのみを幅方向へ移動させることで、全ての保留筒206aに保留しているバラ硬貨が、バラ硬貨返却箱208へ放出される。このように、本実施形態では、入金一時保留部206からバラ硬貨返却箱208への放出は、全ての金種について一括で行われるように構成されているが、その構成には限られない。例えば、底板部を金種別に設けることで、バラ硬貨を、金種別に放出させてもよい。
収納繰出部207は、筐体201の奥行き方向に沿って並んで配置されており、入金一時保留部206から放出された硬貨を金種別に受け入れて収納すると共に、収納された硬貨を、適宜、繰り出すよう構成されている。具体的に、収納繰出部207は、入金一時保留部206それぞれの下方に配設された、金種別の硬貨収納部207aと、硬貨収納部207aの下部から硬貨を1枚ずつ繰り出すよう構成された、金種別の硬貨繰出部207bと、を有している。
また、バラ硬貨返却箱208は、図5に示すように、筐体201の奥行き方向に延設されており、収納繰出部207の側方に並んで配置されている。バラ硬貨返却箱208は、返却口213bよりも下方位置において、筐体201の前面から着脱可能に構成されている。
コンベア209は、硬貨繰出部207bの側方に配置されており、筐体201の奥行き方向に延設されている。コンベア209は、硬貨繰出部207bの各々から繰り出された硬貨を載置して、前後方向へ搬送するように構成されている。具体的に、包装されるために硬貨繰出部207bから繰り出されたバラ硬貨は、コンベア209の中央域へ搬送される。その中央域には払出機構209aが設けられている。払出機構209aによってコンベア209から払い出されたバラ硬貨は、シュート217を介して包装部200Cへ送られるようになっている。一方で、コンベア209の前端部には逆転ローラ(不図示)が設けられており、バラ硬貨のまま払い出されるために硬貨繰出部207bから繰り出されたバラ硬貨は、コンベア209によって前方へ搬送された後に、この逆転ローラによって、一層一列状態に整えられるようになっている。
出金識別部210は、コンベア209上に配設されており、逆転ローラによって整えられたバラ硬貨を一枚ずつ識別する。出金識別部210により識別されたバラ硬貨は、コンベア209からシュート218を介してバラ硬貨出金箱211へ送られる。
バラ硬貨出金箱211は、図5に示すように、筐体201内の前側に配置されており、筐体201の前面から着脱可能に構成されている。バラ硬貨出金箱211は、コンベア209から送られたバラ硬貨を受け入れるようになっており、その底板部211aは開閉可能に構成されている。バラ硬貨出金箱211の底板部211aを開放することで、バラ硬貨出金箱211内のバラ硬貨(出金リジェクト硬貨や取り忘れ硬貨等)は、シュート219を介してバラ硬貨回収部212へ放出される。
バラ硬貨回収部212は、筐体201前面から着脱可能な回収箱212aと、回収箱212aに併設された返却箱212bと、から構成されている。バラ硬貨回収部212に送られたバラ硬貨は、振分機構212cの動作制御を通じて、回収箱212a、又は、返却箱212bに振り分けられるようになっている。
次に、包装部200Cについて説明する。
本実施形態に係る包装部200Cは、所定枚数(通常は50枚)のバラ硬貨から1本の包装硬貨を形成するよう構成されている。具体的に、包装部200Cは、選別部205及び収納繰出部207よりも下方に配置されており、それぞれから送り込まれたバラ硬貨を受け入れて包装する。包装部200Cによって形成された包装硬貨は、包装硬貨搬送ユニット245の動作制御を介して、筐体201内に収納されたり、筐体201外へ投出されたりする。
具体的に、包装部200Cは、選別部205からダイレクト包装用シュート216を介して放出されたバラ硬貨、又は、収納繰出部207からコンベア209を介して払い出されたバラ硬貨が投入される回転円盤221と、この回転円盤221から繰り出されたバラ硬貨を1枚ずつ受け入れる包装用通路222と、包装用通路222を通過したバラ硬貨を積み上げて包装する包装機構223と、を有している。
包装用通路222は、包装対象に設定した金種に応じて、通路幅が調整されるよう構成されている。これにより、包装対象に設定した金種より大径の硬貨は、包装用通路222へ進入するのが規制される。また、包装対象に設定した金種より小径の硬貨は、不図示の排除口から排除され、シュート224を通じてバラ硬貨回収部212へ放出される。
包装機構223には、包装用通路222通過したバラ硬貨が順次、重積する。包装機構223に重積したバラ硬貨は、所定枚数毎に上方に押し上げられ、所定の包装位置において、3本の包装ローラ223aによって周面を挟持される。包装機構223は、包装ローラ223aによって挟持されたバラ硬貨の周囲に包装紙を巻き付けると共に、巻き付けた包装紙の両端を、重積したバラ硬貨の端面にかしめる。こうして、包装硬貨Wが形成される。
包装機構223の下方には、包装機構223により形成された包装硬貨Wが放出されるシュート225と、シュート225の前端側に配設された横搬送部226と、包装硬貨Wを横搬送部226から包装硬貨搬送ユニット245へ放出するか、その放出を規制するかを切り換える切換部材227とが配設されている。包装機構223から放出された包装硬貨Wは、シュート225に沿って前方へ転がる。前方へ転がった包装硬貨Wは、横搬送部226を通過した後、切換部材227の動作制御を通じて、包装硬貨搬送ユニット245へ送られる。
次に、包装硬貨処理部200Bについて説明する。
包装硬貨処理部200Bは、包装硬貨を収納すると共に、収納された包装硬貨を繰り出すよう構成された包装硬貨収納ユニット241と、包装硬貨収納ユニット241から繰り出された包装硬貨を出金するよう構成された包装硬貨出金口(出金部)242、包装硬貨一括収納箱(出金部)243、及び、包装硬貨投出口(出金部)244と、包装部200C、包装硬貨収納ユニット241、包装硬貨出金口242、包装硬貨一括収納箱243、及び、包装硬貨投出口244を相互に連結することにより、各部の間で包装硬貨を搬送するように構成された包装硬貨搬送ユニット245と、を備えている。
具体的に、包装硬貨収納ユニット241は、複数の棒金トレイ241aを備えて構成されている。複数の棒金トレイ241aは、上下方向に複数段配置されており、それぞれ、包装硬貨を金種別に並べて収納するようになっている。包装硬貨収納ユニット241はまた、繰出機構241bの動作制御を通じて、各棒金トレイ241aに収納された包装硬貨を包装硬貨搬送ユニット245へ繰り出すよう構成されている。
包装硬貨出金口242は、筐体201の前面上部に開口しており、当該開口を開閉するシャッター242aが開いたときに、包装硬貨搬送ユニット245により搬送された包装硬貨を取り出すことができるようになっている。
包装硬貨一括収納箱243は、包装硬貨出金口242よりも下方位置において、筐体201の前面から着脱可能に構成されている。この包装硬貨一括収納箱243は、包装硬貨搬送ユニット245により搬送された包装硬貨(棒金トレイ241aに入りきらなかったオーバーフロー包装硬貨、等)を、金種混合状態で一括して収納するようになっている。
包装硬貨投出口244は、筐体201の下部に開口しており、包装硬貨搬送ユニット245により搬送された包装硬貨(機外に回収される包装硬貨、等)は、この包装硬貨投出口244を介して外部に放出されるようになっている。
包装硬貨搬送ユニット245は、包装部200Cから送られた包装硬貨、及び、包装硬貨収納ユニット241から繰り出された包装硬貨を搬送すると共に、分岐部245dの動作制御を通じて、その搬送先を切り替えるよう構成されている。具体的に、包装硬貨搬送ユニット245は、上下一対のローラ245aと、ローラ245aに巻きかけられた搬送ベルト245bと、搬送ベルト245bの周面に突設された包装硬貨支持部245cと、を有している。図6等に示すように、包装硬貨搬送ユニット245は、包装硬貨支持部245cにより支持した包装硬貨を、搬送ベルト245bの動作制御を介して搬送すると共に、分岐部245dの動作制御を介して、包装硬貨出金口242、包装硬貨一括収納箱243、及び、包装硬貨投出口244のいずれかへ送り込む。
プリンタ300は、硬貨処理機200の上面に配設されており、制御部500から出力された制御信号に基づいて、種々の情報が印字された伝票を発行する。
操作表示部400は、貨幣処理装置1へ情報を入力する操作部であり且つ、貨幣処理装置1の情報を出力する表示部でもある。具体的に、操作表示部400は、硬貨処理機200の上面に立設されたタッチパネル401を備えて構成されている。このタッチパネル401は、種々の情報が配置された画面を表示すると共に、操作者による手入力に基づいて、貨幣処理装置1を操作するように構成されている。
図7は、貨幣処理装置1の構成を示すブロック図である。
貨幣処理装置1は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部500を備えている。制御部500には、紙幣処理機100、硬貨処理機200、プリンタ300
、及び、操作表示部400が、信号の送受信可能に接続されている。また、制御部500には、各装置に内蔵されたセンサが接続されており、それらの検出信号が入力されるように構成されている。また、制御部500には、種々の返却ルールが予め記憶された記憶部501も接続されている。
制御部500は、操作表示部400からの入力信号、及び、各種センサから入力された検出信号等に基づいて制御信号を生成し、その制御信号を紙幣処理機100等へ出力する。紙幣処理機100等は、制御部500からの制御信号にしたがって動作する。制御部500は、貨幣処理装置1において、各種の処理を実行するように構成されている。
例えば、制御部500は、入金繰出部202に例示される投入部に投入された貨幣の返却指示を受け付けたとき、投入された貨幣と同額の貨幣を払い出させるように構成されている。具体的に、制御部500は、貨幣の返却指示を受け付けたとき、その返却指示に対応する制御信号を生成し、前記の各部へ出力する。そうした制御信号が出力されると、バラ硬貨返却箱208、バラ硬貨出金箱211、及び、包装硬貨出金口242等に例示される出金部は、投入された貨幣と同額の貨幣を払い出す。
また、制御部500は、所定の入金指示を受け付けたときには、投入部に投入された貨幣を装置内(貨幣処理装置1の内部)に取り込む入金処理を実行するように構成されている。この入金処理は、例えば窓口取引において、顧客から受け取った貨幣を預け入れる際に実行される処理である。この他、装置内に貨幣を取り込む処理としては、例えば装填処理が考えられる。この装填処理は、所定の装填指示を受け付けたときに実行される処理であって、例えば、貨幣処理装置1に貨幣を補充する際に行われるようになっている。
ここで、本実施形態に係る制御部500は、装填処理の最中に、前述の如き返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成されている。
制御部500は、紙幣処理機100、及び、硬貨処理機200の各々において、単独で、又は、同時に、返却処理を実行可能に構成されている。
〈貨幣処理装置の制御例〉
以下、制御部500が行う処理の一例として、硬貨の投入を伴う処理(本実施形態では、装填処理を例示)と、その最中に行われる返却処理について、タッチパネル401に表示される画面を参照しながら、具体的に説明をする。なお、以下の説明に用いる画面S1〜S7は一例であり、画面構成は、適宜、変更することができる。
図8に、待機画面S1の一例を示す。この待機画面S1は、貨幣処理装置1を起動した後、操作受付前の待機時、又は、操作者の接近を検知したときに、タッチパネル401に表示される。待機画面S1には、在高情報が含まれており、図8に示す例では、バラ紙幣、帯封紙幣(図例では“束紙幣”と表示)、新券、バラ硬貨、及び、包装硬貨の各金種について、それぞれの在高を棒グラフ及び数値で表示している。
在高を示す棒グラフは、貨幣の在高に応じて上下するようになっている。なお、棒グラフの横には目盛りが付されており、あとどれくらい収納可能であるかが容易に視認できるようになっている。この目盛りの単位は、適宜、変更可能である。また、在高が0であるエンプティー状態のときには、そのことを操作者へ報知するべく、棒グラフ付近に「エンプティー」と表示されるようになっている(例えば、1円の包装硬貨を参照)。同様に、在高が上限に達したフル状態のときには、「フル」と表示されるようになっている(例え
ば、バラ紙幣の一万円を参照)。
そうした報知の対象となるのは、エンプティー状態とフル状態の他に、二アフル状態、及び、二アエンプティ状態等がある。二アフル状態は、在高がフル付近に達しており、貨幣を入金したときに、入金された貨幣が収容しきれない虞のある状態である。二アフル状態は、在高がエンプティー付近に達しており、貨幣を出金するときに、不足が生じる虞のある状態である(例えば、10円の包装硬貨を参照)。
この他、待機画面S1には、処理の通し番号(通番)、日時、及び、操作者にタッチパネル401に触れるように促すメッセージ等が、適宜、配置されている。
図9は、装填処理に関する画面遷移を例示している。まず、制御部500は、操作受付前の初期画面として、前述の待機画面S1を表示する。待機画面S1には、既に説明したように、タッチパネル401への接触を促すメッセージが配置されている。操作者がタッチパネル401に触れることで、制御部500に実行させる処理を選択するメニュー画面S2に遷移するようになっている。ただし、操作者の認証が済んでいない場合には、メニュー画面S2に先立って、操作者のIDを入力するための入力画面(不図示)に遷移する。入力画面において入力したIDが承認されると、その入力画面からメニュー画面S2へ遷移する。
メニュー画面S2には、いずれかの処理を選択するためのボタンが配置されている。具体的に、図9に示す例では、各処理に対応するボタンとして、「入金」、「出金」、「あるだけ入金」、「両替」、「入出金」、「ユーザーメニュー」、「装填」、「回収」、「管理業務」、「照合」、「取消」、及び、「メンテナンス」が配置されており、例えば「装填」を選択すると、貨幣の装填指示を受け付けたものとして、前述の装填処理を実行するようになっている。ここでは、装填処理を実行する場合、特に、硬貨を装填する処理について例示する。その場合、装填処理を行うべく、メニュー画面S2から計数画面S3へ遷移する。
計数画面S3には、現金の投入(セット)を案内する情報と、計数開始ボタンと、計数停止ボタンと、完了ボタンと、返却ボタンと、取消ボタンと、計数明細S3aとが配置されている。詳しくは、本実施形態に係る計数画面S3には、現金の投入を案内する情報として、貨幣の種類(図例では「バラ硬貨」)と、その種類に対応した投入手順のイメージ(例えば、入金繰出部202にバラ硬貨を投入するイメージ)とが配置されるようになっている。そうしたイメージに従って、操作者は、正貨と判断されるバラ硬貨を入金繰出部202に投入する。その後、操作者によって計数開始ボタンが押下されると、制御部500が装填処理を開始する。
装填処理を開始すると、制御部500は、入金搬送部203の動作制御を介して、入金繰出部202に投入されたバラ硬貨を搬送する。搬送されたバラ硬貨は、入金識別部204を通過する際に一枚ずつ識別されると共に、その識別結果に基づいて、各金種に対応する入金一時保留部206へ搬送される。なお、入金識別部204によって識別できなかったバラ硬貨は、入金リジェクト部213へ搬送されて、返却口213bから返却される。
制御部500は、バラ硬貨の装填状況を計数明細(計数画面S3の左部を参照)として出力する。具体的に、計数明細には、貨幣の金種別の装填枚数と、その装填枚数に対応する金種別の金額と、全金種の合計金額とが表示されるようになっている。
装填処理の最中に計数停止ボタンが押下されると、装填処理は、一時的に停止する。また、装填すべき貨幣を全て投入した後、投入した貨幣の計数が完了した場合、操作者は、完了ボタンを押下する。完了ボタンが押下されると、制御部500は、承認操作を受け付けたものとして、入金一時保留部206内のバラ硬貨を収納繰出部207へ放出する。その後、制御部500は、プリンタ300へ制御信号を出力する、プリンタ300は、制御部500より入力された制御信号に基づいて、計数明細の内訳が印字されたレシートを発行する。
その一方で、装填処理の最中に、装填したバラ硬貨の返却が要求された場合、例えば、50枚の100円硬貨を装填すべきところ、誤って、50枚の500円硬貨を投入してしまった場合、操作者は、返却ボタンを押下する。返却ボタンが押下されると、制御部500は、前述の返却指示を受け付けたものとして、返却処理を開始する。
図10は、返却処理に関する画面遷移を例示する図である。まず、制御部500は、返却処理を行う際の初期画面として、返却画面S4を表示する。返却画面には、紙幣処理機100に投入した紙幣の返却を開始するボタン(紙幣部返却)と、硬貨処理機200に投入した硬貨の返却を開始するボタン(硬貨部返却)と、が配置されている。ここでは、「硬貨部返却」が押下されたものとする。後述の「手動設定」が読み込まれた場合、この返却画面S4において、貨幣の返却形態を選択することが可能である。
以下で詳述するように、制御部500は、硬貨に係る返却処理において、バラ硬貨、及び、包装硬貨のうちの少なくとも一方を選択して払い出すように構成されている。包装硬貨を払い出すときには、返却画面S4から包装返却画面S5へ遷移する一方、バラ硬貨を払い出すときには、返却画面S4からバラ返却画面S6へ遷移する。包装返却画面S5とバラ返却画面S6との間で、相互に遷移することも可能である。包装返却画面S5及びバラ返却画面S6には、それぞれ、払い出された硬貨の抜取手順を案内するイメージが配置されている。
返却処理を開始するとき、制御部500は、記憶部501から返却ルールを読み込むと共に、その返却ルールに従って、返却する貨幣の形態(以下、「返却パターン」という)を決定する。返却パターンは、バラ貨幣、及び、包装貨幣のうちの少なくとも一方を含んだ組み合わせとして決定される。
具体的に、記憶部501には、複数の返却ルールが記憶されており、制御部500は、複数の返却ルールのうちのいずれか1つにしたがって、返却パターンを決定する。本実施形態では、返却ルールとして、「自動設定(払出枚数)」、「自動設定(所要時間)」、及び、「手動設定」の3種が定められている。これらのうち、「自動設定(払出枚数)」及び「自動設定(所要時間)」は、制御部500が返却パターンを自動的に設定するルールである。一方で、「手動設定」は、返却処理を行うたびに、操作者自身が返却パターンを手動で設定するルールである。
具体的に、自動設定(払出枚数)は、貨幣の払出枚数に基づいたルールである。このルールが読み込まれた場合、制御部500は、返却処理を実行するときに、貨幣を払い出す枚数が所定の包装枚数(通常は50枚)以上か否かを判定し、包装枚数以上の場合には、包装貨幣を含めて選択するように構成されている。例えば、硬貨の返却処理を行うときに、包装枚数が50枚のところ払出枚数が100枚であった場合には、制御部500は、貨幣の形態として、1本以上の包装貨幣を含めた選択を行う。この場合、制御部500は、貨幣の返却パターンとして、2本の包装硬貨を払い出すよう決定する。
尚、自動設定(払出枚数)が読み込まれた場合、制御部500は、端数分の貨幣に基づいた判定も行う。具体的に、制御部500は、返却処理を実行するとき、端数分の貨幣を払い出すか否かを判定し、端数分の貨幣を払い出す場合には、その端数分の貨幣の形態と
して、バラ貨幣を選択するように構成されている。例えば、硬貨の返却処理を行うときに、包装枚数が50枚のところ払出枚数が110枚であった場合には、制御部500は、端数分の貨幣の形態として、バラ硬貨を選択する。この場合、制御部500は、貨幣の返却パターンとして、2本の包装硬貨と、10枚のバラ硬貨を払い出すよう決定する。
また、自動設定(所要時間)は、貨幣を払い出す際の所要時間に基づいたルールである。ここで、貨幣の払い出しに要する所要時間は、貨幣の形態に応じて定まっており、記憶部501に予め記憶されている。具体的に、そうした所要時間は、入金一時保留部206に保留している硬貨の金種や枚数、貨幣全体の収納状況、及び、貨幣処理装置1の構成等に基づいて定まっており、貨幣の形態に紐付いた状態で記憶されている。返却ルールとして自動設定(所要時間)が読み込まれた場合、制御部500は、返却処理を実行するときに、貨幣の形態に応じた所要時間を読み込んで比較する。制御部500は、貨幣の形態として、所要時間が最も短い形態を選択するように構成されている。例えば、硬貨の返却処理を行うとき、バラ硬貨を払い出すよりも、包装硬貨を払い出す方が短時間で済む場合には、制御部500は、貨幣の形態として、包装硬貨を選択する。この場合、制御部500は、貨幣の返却パターンとして、1つ以上の包装硬貨を払い出すよう決定する。
また、手動設定は、操作者による指定に基づいたルールである。このルールが読み込まれた場合、制御部500は、返却処理を実行するとき、貨幣の形態として、操作者が指定した形態を選択する。例えば、操作表示部400を介した入力に基づいてバラ硬貨が指定された場合、制御部500は、貨幣の形態として、バラ硬貨を選択する。この場合、制御部500は、貨幣の返却パターンとして、1枚以上のバラ硬貨を払い出すよう決定する。
なお、制御部500は、返却ルールとして、例えば貨幣処理装置1の初期設定に際して指定されたルールに固定してもよいし、操作者自身が指定したルールに変更してもよい。図11に、返却ルールの指定画面S7を示す。図11に示す例では、各ルールが表記されたボタンが配置されており、いずれかのボタンが押下されると、そのボタンに対応する返却ルールが読み込まれるようになっている。なお、この指定画面S7は、設定権限を有する操作者のIDが認証されているときに、メニュー画面S2において「メンテナンス」ボタンが押下されたときに表示されるようになっている。
また、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、貨幣を返却するときに、投入された現物以外の貨幣を払い出すことができる。例えば、前述の返却処理において包装硬貨を払い出すよう決定された場合、制御部500は、入金繰出部202に投入された現物ではなく、包装硬貨収納ユニット241に収納されていた包装硬貨を代わりに払い出すことになる。
また、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、包装硬貨を払い出すよう決定されたものの、払い出すべき包装硬貨が不足していた場合には、不足分をバラ硬貨によって払い出すようになっている。例えば、50円の包装硬貨を5本払い出すよう決定されたところ、50円の包装硬貨が4本しか収納されていなかった場合、制御部500は、硬貨処理機200の動作制御を介して、50円の包装硬貨を4本払い出すと共に、50円のバラ硬貨を50枚払い出すようになっている。
すなわち、本実施形態に係る制御部500は、返却処理を実行するとき、投入部に投入された貨幣(現物貨幣)を払い出すか、又は、収納部(例えば、収納繰出部207、及び、包装硬貨収納ユニット241等)に収納されている貨幣(代替貨幣)を払い出すかを切替可能に構成されている。現物貨幣と代替貨幣との切替は、前述の返却パターンに応じて行われる。
なお、本実施形態では、投入時と返却時とで貨幣の形態が異なる場合や、現物貨幣に代えて代替貨幣を払い出す場合であっても、金種の内訳は、投入時と返却時とで同じである。例えば、50枚の100円硬貨(バラ硬貨)を投入した後、投入した硬貨の返却指示を入力した場合、返却される硬貨がバラ硬貨か包装硬貨かに拘わらず、及び、返却される硬貨が現物硬貨か代替硬貨かに拘わらず、50枚の100円硬貨が払い出されるようになっている。
続いて、硬貨の装填処理と返却処理とについて、図12に示すフローチャートを参照しながら、さらに詳細に説明する。ここでは、返却ルールとして、自動設定(払出枚数)が読み込まれた場合について説明する。
まず、ステップT1〜T6にかけて、制御部500が装填処理を実行する。
具体的に、ステップT1においては、入金口202aに硬貨が投入される。
続いて、ステップT2において、制御部500が、投入された硬貨の繰出と、繰り出された硬貨の識別と、その識別内容に基づいた硬貨の選別と、選別された硬貨の一時保留と、を実行する。リジェクト硬貨については、一時保留されることなく、入金リジェクト部213へ搬送されるようになっている。
次に、ステップT3において、制御部500が、前述の返却指示を受け付けたか否かを判定する。この判定がYESであれば、装填処理から返却処理へ移行するべく、ステップT3からステップT7へ進む一方、NOであれば、装填処理を続行する。後者の場合(ステップT7:NO)、ステップT3からステップT4へ進み、装填処理を完了するか否かの判定を行う。
具体的に、ステップT4においては、制御部500は、前述の承認操作を受け付けた否かを判定する。この判定がYESであれば、制御部500は、装填処理を完了するべくステップT5へ進む一方、NOであればステップT3へ戻る。
ステップT5において、制御部500は、一時保留している硬貨を収納する。
続くステップT6において、制御部500は、プリンタ300の動作制御を介して、レシートを発行して処理を終了する。レシートには、硬貨処理機200に装填された硬貨の内訳が印字されるようになっている。
その一方で、ステップT3からステップT7へ進んだ場合(返却指示を受けた場合)、制御部500は、装填処理を中止すると共に、返却処理を実行する。
まず、ステップT7において、制御部500は、入金識別部204による識別結果に基づいて、入金繰出部202に投入された硬貨に汚損硬貨や旧硬貨等のリサイクル使用に適していない貨幣が含まれているか否かを判定する。この判定がNOであれば、ステップT8に進んで返却パターンを決定する一方、YESであれば、ステップT11へ進む。後者の場合(ステップT7:YES)、制御部500は、返却パターンを決定することなく、一時保留された硬貨(入金繰出部202に投入された硬貨の現物)を払い出す。
ステップT8において、制御部500は、予め定められた返却ルールにしたがって、硬貨の返却パターンを決定する。
続いて、ステップT9において、制御部500は、ステップT8で決定した返却パターンに基づいて、返却処理において払い出す硬貨に包装硬貨が含まれているか否かを判定する。この判定がYESであれば、ステップT9からステップT10へ進み、包装硬貨の払出を実行する一方、NOであれば、ステップT9からステップT11へ進み、バラ硬貨のみを払い出す。
ステップT10において、制御部500は、包装硬貨の払出を実行する。具体的に、制御部500は、包装硬貨収納ユニット241から包装硬貨を繰り出すと共に、包装硬貨搬送ユニット245の動作制御を通じて、その包装硬貨を包装硬貨出金口242から払い出す。この場合、実際に投入した硬貨の現物ではなく、現物の代替が払い出されることになる。
ステップT11において、制御部500は、バラ硬貨のみの払出を実行する。具体的に、制御部500は、入金一時保留部206の動作制御を通じて、一時保留中のバラ硬貨をバラ硬貨返却箱208から払い出して処理を終了する。この場合、実際に投入した硬貨の現物が返却されることになる。
ステップT10から続くステップT12において、制御部500は、端数分のバラ硬貨を払い出すか否かを判定する。この判定は、ステップT8で決定した返却パターンに基づいて行われる。この判定がYESであれば、ステップT13へ進んで端数分の払出を実行する一方、NOであれば、ステップT13及びステップT14をスキップしてステップT15へ進む。
ステップT13において、制御部500は、端数分のバラ硬貨を払い出す。具体的に、制御部500は、収納繰出部207から端数分のバラ硬貨を繰り出して、バラ硬貨出金箱211から払い出す。この場合、実際に投入された硬貨の現物ではなく、現物の代替が払い出されることになる。
ステップT14において、制御部500は、入金一時保留部206の動作制御を通じて、一時保留している硬貨を収納繰出部207に収納すると共に、処理を終了する。
なお、ステップT10及びステップT13において現物の代替が払い出された際、及び、ステップT14において投入貨幣が収納された際には、対応する在高情報が更新されるようになっている。
なお、ステップT14において、制御部500は、収納された硬貨の内訳が印字されたレシートを発行してもよい。
〈まとめ〉
以上説明したように、貨幣処理装置1の制御部500は、予め定めたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば返却指示を受け付けたときの状況等に適した形態を選択することが可能になり、ひいては貨幣を返却するときの利便性を向上することが可能になる。
具体的には、金庫や貨幣保管装置から取り出してきた包装貨幣の包装を解いて、バラ状態になった貨幣を貨幣処理装置1に投入した場合、投入した貨幣を返却するときに、包装が解かれたバラ貨幣の現物ではなく、包装貨幣の代替を返却することで、払い出された包装硬貨を金庫等にそのまま戻すことができる。
また、制御部500は、貨幣の包装枚数に基づいたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば払い出された貨幣を金庫に戻すことが要求されるときに、その要求に適した形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、端数分の貨幣の返却に関するルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、貨幣の払出枚数に対応した形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、所要時間に基づいたルールにしたがって、貨幣の形態を選択する。そうすることで、例えば処理時間の短縮が望まれたときに、その要求を満足するような形態を選択することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、操作者の指定にしたがって、貨幣の形態を選択する。そうする
ことで、操作者の要望に適した形態で返却することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、貨幣の現物を返却するか、又は、現物の代替を返却するかを切替可能である。そうすることで、例えば投入された貨幣の状態に応じた返却を行うことが可能になる。そのことで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、投入された貨幣に汚損貨幣や旧貨幣が含まれていた場合には、貨幣処理装置1の内部に収納されている貨幣ではなく、投入された貨幣の現物を返却する。そうすることで、リサイクル使用が困難な貨幣の取込を回避することが可能になり、ひいては、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、返却処理において、現物ではなく代替を払い出したときには、投入された現物を、実際に払い出した代替の代わりに収納する。そうすることで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
また、制御部500は、装填処理において返却指示を受け付けたときに、返却処理を実行する。そうすることで、貨幣を返却するときの利便性を向上する上で有利になる。
前述の如く、入金処理は、顧客から受け取った貨幣を預け入れる処理であるため、返却に際しては、原則として、貨幣の現物を払い出すことが要求される。その場合、貨幣の形態を選択してしまっては、現物ではなく代替を払い出す虞があるため、返却処理が不都合を招く虞がある。
その一方で、装填処理は、貨幣を補充するときのように、貨幣処理装置1が設置された施設内で現金を循環させる処理であることから、現物での払出は必須ではない。したがって、装填処理においては、前述の返却処理が有効となる。
〈別の制御例〉
前記の制御例では、制御部500が行う処理の一例として、硬貨処理機200に投入されたバラ硬貨を返却する場合について説明したが、既に述べたように、紙幣処理機100においても、前述のような返却処理を実行可能である。
そこで、制御部500が行う処理の別例として、紙幣の返却処理について説明する。
具体的な説明を行う前に、硬貨に係る処理との対応関係を明確にするべく、紙幣処理機100の構成について簡単に説明する。
図13は、紙幣処理機100の概略構成を示している。なお、図13では、図面左側の側面が紙幣処理機100の前面となっており、図面右側の側面が紙幣処理機100の後面となっている。
前述の如く、紙幣処理機100は、バラ紙幣を処理するバラ紙幣処理部100Aと、バラ紙幣を結束して帯封紙幣を形成する紙幣結束部100Cと、帯封紙幣を処理する帯封紙幣処理部100Bと、から構成されている。
具体的に、バラ紙幣処理部100Aは、バラ紙幣が投入される入金部(投入部)102と、バラ紙幣を収納するバラ紙幣収納部(収納部)103と、バラ紙幣を一時的に保留する一時保留部(出金部)104と、バラ紙幣を出金するバラ紙幣出金部(出金部)105と、入金部102、バラ紙幣収納部103、一時保留部104、及び、バラ紙幣出金部105を相互に連結することにより、各部の間でバラ紙幣を搬送するように構成された第1搬送部106と、第1搬送部106に設けられかつ、第1搬送部106により搬送されたバラ紙幣を一枚ずつ識別する識別部107とを備えている。バラ紙幣処理部100Aはまた、出金時にリジェクト紙幣を集積する出金リジェクト部117と、第1搬送部106に設けられ、識別部107を通過した紙幣の表裏を反転する表裏反転部108とを備えて構成されている。なお、一時保留部104に保留したバラ紙幣は、筐体101の前部に枢設された下部扉101bが開いたときに、外部へ取り出すことができる(図1を参照)。
一方で、紙幣結束部100Cは、第1搬送部106に接続され、バラ紙幣を集積する2つの集積部109と、各集積部109に集積されたバラ紙幣を搬送する第2搬送部110と、第2搬送部110により搬送された紙幣を結束し、帯封紙幣を結束する結束部111と、を備えている。
また、帯封紙幣処理部100Bは、結束部111から送られた帯封紙幣を搬送する第3搬送部112と、帯封紙幣を収納する帯封紙幣収納部115と、帯封紙幣を出金する帯封紙幣出金部(出金部)116と、を備えている。なお、第3搬送部112は、帯封紙幣を揚送するように構成された揚送部113と、揚送部113と帯封紙幣収納部115との間で帯封紙幣を搬送するように構成された横送部114と、を有している。
以下、返却処理の一例として、150枚の一万円札が投入された場合の処理について説明する。
紙幣処理機100において装填処理を開始すると、制御部500は、第1搬送部106の動作制御を介して、入金部102に投入されたバラ紙幣を搬送する。搬送されたバラ紙幣は、識別部107を通過する際に一枚ずつ識別された後、一旦、一時保留部104へ搬送される。
装填処理の最中にタッチパネル401上に配置された返却ボタンが押下されると、制御部500は、返却指示を受け付けたものとして返却処理を開始する。
制御部500は、紙幣に係る返却処理において、バラ紙幣、及び、帯封紙幣のうちの少なくとも一方を払い出すように構成されている。具体的に、返却処理を開始すると、制御部500は、記憶部501から読み込んだ返却ルールに従って、貨幣の返却パターンを決定する。
ここで、制御部500がバラ紙幣のみを払い出すように決定した場合、一時保留部104に保留していたバラ紙幣がバラ紙幣出金部105から払い出されたり、タッチパネル401上に、下部扉101bを開けてバラ紙幣を取り出すガイダンスが表示されたりする。この場合、硬貨の返却処理と同様に、入金部102に投入された紙幣の現物が払い出されることになる。
その一方で、制御部500が帯封紙幣を払い出すように決定した場合、帯封紙幣収納部115に収納されていた1つの帯封紙幣(100枚の一万円札から形成された帯封紙幣)が、帯封紙幣出金部116から払い出されると共に、端数分の紙幣として、バラ紙幣収納部103に収納されていた50枚の一万円札が、バラ紙幣出金部105から払い出されることになる。その後、一時保留部104に保留していたバラ紙幣(150枚の一万円札)は、バラ紙幣収納部103に収納される。この場合、硬貨の返却処理と同様に、投入された紙幣の現物ではなく、代替の紙幣が払い出されることになる。
〈在高の表示態様に関する処理〉
前記実施形態では、タッチパネル401に表示される画面として、図8の待機画面S1を例示した。前述の如く、この待機画面S1には、各金種の在高が棒グラフ及び数値で表示されている。
ところで、貨幣処理装置1の在高は、取引を通じて変動する。在高が変動すると、前述のフル状態、ニアフル状態、エンプティー状態、又は、ニアエンプティ状態となる場合がある。それらの状態は、貨幣処理装置1を用いた取引を継続する上で不都合であるから、早期にかつ、確実に解除することが要求される。
そうした要求を満足するためには、例えば出金処理によってニアエンプティ状態となったときに、その処理を実行させた操作者に対し、「自らが行った取引によってニアエンプティ状態となった」という事実を報知することが考えられる。
このように、自らの取引でニアエンプティ状態になったことが報知されると、注意喚起となるため、直前の取引を行った操作者自らがニアエンプティ状態を解除したり、担当者に通知したりすることが期待される。
ところが、従来の構成では、取引が終了した後に待機画面S1を目視しても、画面上には、取引後の情報しか表示されていないため、操作者は、取引を行う前からニアエンプティ状態だったのか、あるいは、自らが行った取引によってニアエンプティ状態となったのかを区別することができなかった。このことは、前述の如き注意喚起を行うには不十分であり、その結果、ニアエンプティ状態を解除する行動が取られないまま放置されることがあった。
そこで、本実施形態では、貨幣処理装置1において、入金処理や出金処理を行った結果、フル状態、ニアフル状態、エンプティー状態、又は、ニアエンプティ状態となった場合に、そのことを待機画面S1上に表示するタイミングを遅らせるようにした。
具体的に、本実施形態に係る制御部500は、在高の変動を棒グラフの高さに反映させるときに、その高さの変化を動画表示するようにした。
以下、棒グラフの動画表示について詳細に説明する。
図14は、棒グラフの動画表示を例示する図である。図14の(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、待機画面S1の一部を拡大して示している(図8の囲み部Cを参照)。
ここでは、貨幣処理装置1を用いた取引として、500円のバラ硬貨を出金した結果、その金種においてニアエンプティ状態に変化した場合を例示する。
取引前は、図14の(a)に示すように、500円のバラ硬貨が500枚程度収納されている。このときは、フル状態、ニアフル状態、エンプティー状態、及び、ニアエンプティ状態のいずれにも該当していない。
取引が終了すると、図14(b)に示すように、500円に対応する棒グラフに、その取引内容が反映されはじめる。具体的に、この例では、500円のバラ硬貨が480枚出金されたことを受けて、棒グラフは、20枚分の高さへ至るように変化する。そのときの変化は、タッチパネル401上の表示が待機画面S1に切り替わった後に、動画表示される。つまり、棒グラフの高さは、500枚分の高さから20枚分の高さへ至るように、連続的に経時変化する。
動画表示が完了すると、図14(c)に示すように、500円に対応する棒グラフは、20枚分の高さに至る。このとき、棒グラフ付近には、ニアエンプティ状態になったことが表示される。
このように、一取引が完了したとき、その取引結果は、棒グラフに後れて反映される。そうすることで、直前の取引の影響を、その取引を行った操作者自らに対し、より確実に報知することが可能になる。このことは、ニアエンプティ状態等を早期にかつ、確実に解除する上で有効である。
図15に、動画表示の別例を示している。図15に示すように、棒グラフの高さが変化するときに、その変化分を強調表示してもよい。強調表示の具体例としては、例えば、表示態様を変更すること、具体的には、変化分の色を変更すること等が考えられる。また、入出金された貨幣(金種)に対応する在高表示全体を点滅させるようにしてもよい。
《その他の実施形態》
前記実施形態では、返却ルールの一例として、自動設定(払出枚数)、自動設定(所要時間)、及び、手動設定の3種が開示されていたが、この3種には限られない。例えば、操作者のIDに応じて返却パターンを決定したり、或いは、返却処理を行う時間帯(繁忙/閑散)に応じて返却パターンを決定したりしてもよい。
また、前記実施形態では、包装貨幣を払い出す場合、端数分の貨幣については、投入された現物ではなく、現物の代替を払い出すように構成されていたが、この構成には限られない。例えば、端数分の貨幣に関しては、投入部に投入された現物を払い出すようにしてもよい。つまり、返却貨幣の一部を現物とする一方、他部を代替としてもよい。そのように構成した場合、投入部に投入された貨幣のうち、端数以外の分の貨幣については、操作者へ払い出されることなく、収納部に収納されるようになる。そうした構成を実施するためには、例えば硬貨処理機200において、一時保留部の底板部を金種別に設けることで、バラ硬貨を金種別に返却可能にすればよい。
また、前記実施形態では、返却ルールの一例として手動設定が開示されていたが、手動設定を用いた場合、操作者が貨幣の形態を選択するタイミングは、適宜、変更可能である。例えば、いずれかの返却パターンをデフォルトに設定し、その設定を変更するときのみ、操作者による選択を受け付けるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、包装貨幣が不足していた場合、不足分をバラ貨幣で払い出すように構成されていたが、この構成には限られない。例えば、包装貨幣が足りていた場合であっても、その在高がニアエンプティ状態だったときには、次の出金処理に悪影響を及ぼし得ることから、返却ルールに拘わらず、バラ貨幣の現物による払出を優先してもよい。
また、前記実施形態では、貨幣処理装置1は、投入時と返却時とで金種の内訳が同じになるように構成されていたが、この構成には限られない。金種の内訳を変更してもよい。
なお、前記実施形態に係る貨幣処理装置1は、外部の操作端末2と通信可能に接続し、システム化(貨幣処理システムS)して用いてもよい。
図16は、貨幣処理システムSのシステム構成を例示する図である。図16に示す例では、貨幣処理装置1には、操作端末2として、タブレット21と、パーソナルコンピュータ22と、が接続されている。貨幣処理装置1と、タブレット21及びパーソナルコンピュータ22とが、本実施形態に係る貨幣処理システムSを構成している。このように、貨幣処理装置1に接続される端末は1台に限らず、複数台に接続し、いずれか1つの端末を選択的に切り替えて用いることもできる。
また、前記実施形態では、制御部500には、記憶部501が接続されていたが、この構成には限られない。例えば、図16の如くシステム化した場合、記憶部を操作端末2に内蔵させてもよい。
S 貨幣処理システム
1 貨幣処理装置
2 操作端末
21 タブレット
22 パーソナルコンピュータ
100 紙幣処理機
102 入金部(投入部)
103 バラ紙幣収納部(収納部)
105 バラ紙幣出金部(出金部)
116 帯封紙幣出金部(出金部)
200 硬貨処理機
202 入金繰出部(投入部)
207 収納繰出部(収納部)
208 バラ硬貨返却箱(出金部)
211 バラ硬貨出金箱(出金部)
242 包装硬貨出金口(出金部)
243 包装硬貨一括収容箱(出金部)
244 包装硬貨投出口(出金部)
500 制御部

Claims (11)

  1. 貨幣を処理する貨幣処理装置であって、
    貨幣が投入される投入部と、
    前記投入部に投入された貨幣の返却指示を受け付けたとき、貨幣を払い出すように構成された出金部と、
    前記返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、前記出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成された制御部と、を備えている貨幣処理装置。
  2. 前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣を払い出す枚数が所定の包装枚数以上か否かを判定し、前記包装枚数以上の場合には、貨幣の形態として、包装貨幣を含めて選択するように構成されている請求項1に記載の貨幣処理装置。
  3. 前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記包装枚数に満たない端数分の貨幣を払い出すか否かを判定し、端数分の貨幣を払い出す場合には、該端数分の貨幣の形態として、バラ貨幣を選択するように構成されている請求項2に記載の貨幣処理装置。
  4. 貨幣の払い出しに要する所要時間が、貨幣の形態に応じて定まっており、
    前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣の形態として、前記所要時間が最も短い形態を選択するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  5. 前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、貨幣の形態として、操作者が指定した形態を選択するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  6. 貨幣を収納する収納部を備え、
    前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記投入部に投入された貨幣を払い出すか、又は、前記収納部に収納されている貨幣を払い出すかを切替可能に構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  7. 前記制御部は、前記返却処理を実行するとき、前記投入部に投入された貨幣にリサイクル使用に適していない貨幣が含まれているか否かを判定し、リサイクル使用に適していない貨幣が含まれていた場合には、前記投入部に投入された貨幣を払い出すように構成されている請求項6に記載の貨幣処理装置。
  8. 前記制御部は、前記返却処理を実行したときに、前記収納部に収納されていた貨幣を払い出した場合には、前記投入部に投入された貨幣を前記収納部に収納するように構成されている請求項6又は7に記載の貨幣処理装置。
  9. 前記制御部は、所定の入金指示を受け付けたときには、前記投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む入金処理を実行すると共に、所定の装填指示を受け付けたときには、前記投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む装填処理を実行するように構成されており、
    前記制御部はまた、前記装填処理において前記返却指示を受け付けたときに、前記返却処理を実行するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  10. 貨幣を処理する貨幣処理装置と、操作者による入力に基づいて、前記貨幣処理装置を操作する操作端末と、を備えた貨幣処理システムであって、
    貨幣が投入される装置の投入部と、
    前記操作端末が返却指示を受け付けたとき、貨幣を払い出すように構成された装置の出金部と、
    前記返却指示を受け付けたとき、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態の貨幣を、前記出金部を介して払い出す返却処理を実行するように構成された制御部と、を備えている貨幣処理システム。
  11. 投入部に投入された貨幣を装置内に取り込む工程と、
    返却指示を受け付ける工程と、
    返却貨幣として払い出す貨幣の形態を、予め定めたルールに従って、バラ貨幣及び包装貨幣から選択した少なくとも一の形態に決定する工程と、
    決定した形態の貨幣を、出金部を介して払い出す工程と、を備えている貨幣処理方法。
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