JP5983989B2 - 貨幣処理装置 - Google Patents
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特許文献1では、硬貨用釣銭機が提案されている。この硬貨用釣銭機には、投入された硬貨を受け入れる硬貨受入部と、受け入れられた硬貨を金種別に収納する硬貨収納部と、硬貨収納部に収納された硬貨を機外へ放出する硬貨放出部と、硬貨受入部と硬貨収納部との間や、硬貨収納部と硬貨放出部との間をむすぶ硬貨搬送路とが設けられている。硬貨受入部に受け入れられた硬貨は、硬貨搬送路内を搬送され、その途中で硬貨計数部によって計数されてから、硬貨収納部に収納される。硬貨収納部に収納された硬貨は、硬貨搬送路によって硬貨放出部まで搬送された後に、硬貨放出部から機外へ放出される。
具体的には、ばら硬貨やばら紙幣の場合には、これらのばら貨幣は、機内に戻されたときに1枚ずつ計数されるので、エラーの際に取り除かれた貨幣の数と機内に戻された貨幣の数とは整合する。しかし、包装貨幣の場合には、機内に戻された各包装貨幣において、ばら貨幣が何らかの原因で何枚か抜けていれば、エラーの際に取り除かれた包装貨幣と機内に戻された包装貨幣との数は整合するものの、エラーの際に取り除かれた(包装貨幣を構成する)ばら貨幣の総数と、機内に戻された(包装貨幣を構成する)ばら貨幣の総数とが整合しない。つまり、包装貨幣を機内に戻す場合には、機内に戻された包装貨幣のそれぞれに、前記所定数のばら貨幣が含まれているか否かがわからない。これでは、貨幣を厳格に管理することが困難である。
請求項4記載の発明によれば、エラー解除により機外へ取り出された包装貨幣は、ばら貨幣にばらされた状態で機内に戻されても、包装手段によって元通りの状態(包装貨幣の状態)に戻される。そのため、エラー解除により機外へ取り出された包装貨幣を、元通りの状態に戻してから第2収納庫に収納し直すことができるので、包装貨幣処理ユニットでエラーが発生しても、包装貨幣処理ユニットをエラー発生前の状態に戻すことができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る貨幣処理装置1の正面側の外観を示す斜視図である。
図1に示す貨幣処理装置1は、たとえば、銀行等に設置される出納機である。
貨幣処理装置1は、ばら紙幣処理ユニット2(ばら貨幣処理ユニット)と、包装紙幣処理ユニット3(包装貨幣処理ユニット)と、包装硬貨処理ユニット4(包装貨幣処理ユニット)と、ばら硬貨処理ユニット5(ばら貨幣処理ユニット)とを含んでいる。これらの処理ユニットは、図1における左側から順に、包装紙幣処理ユニット3、ばら紙幣処理ユニット2、包装硬貨処理ユニット4、ばら硬貨処理ユニット5の順で配置されている。それぞれの処理ユニットは、対応する貨幣(硬貨または紙幣)の入出金処理を行う。ここで、ばら紙幣は、1枚毎に分離した状態の個々の紙幣を指していて、包装紙幣は、所定数毎にまとめられて帯封(包装)された紙幣(まとまった紙幣の束)を指していて、単に「束」と呼ばれることもある。同様に、ばら硬貨は、1枚毎に分離した状態の個々の硬貨を指していて、包装硬貨は、所定数毎にまとめられて包装された硬貨(硬貨のまとまりによって構成された棒状体)を指している。包装紙幣および包装硬貨は、ばら貨幣(ばら紙幣およびばら硬貨のうち対応する方)を所定数毎にまとめて包装することによって構成された包装貨幣に含まれる。
図2は、貨幣処理装置1におけるばら紙幣処理ユニット2の模式的な縦断面図である。
図2を参照して、ばら紙幣処理ユニット2は、その筐体10内に、入金部11と、複数(ここでは5つ)のカセット12(第1収納庫)と、複数(ここでは2つ)の整理一時保留部13と、出金リジェクト部14と、入金リジェクト部15と、搬送機構16とを備えている。
図3を参照して、包装紙幣処理ユニット3は、その筐体40内に、帯封機構41(包装手段)と、第1搬送機構42と、リフト43と、第2搬送機構44と、複数(ここでは5つ)のカセット45(第2収納庫)とを含んでいる。また、包装紙幣処理ユニット3は、ばら紙幣処理ユニット2との間で搬送機構16を共有している。つまり、搬送機構16は、ばら紙幣処理ユニット2および包装紙幣処理ユニット3のどちらにも属している。搬送機構16は、筐体40内では、奥寄り(筐体40の後側(図3の右側))に配置される。
リフト43は、水平方向に平坦に延びるベース50と、ベース50上に積層された載置板51とを含んでいる。載置板51は、その前端部の支点77を中心として、ベース50と平行な水平位置(実線の載置板51を参照)と、後側へ向かうのに従ってベース50から浮くように傾斜した傾斜位置(点線の載置板51を参照)との間で回動可能である。リフト43全体は、移動スペース49内で上下移動可能である。図3に示されたときのリフト43の上下方向位置を、待機位置ということにする。リフト43は、待機位置を下限として、待機位置から移動スペース49内の任意の位置まで上昇することができる。
筐体40内において、各カセット45の真上かつベルト55よりも低い位置には、本体シャッター61が1つずつ設けられている。そして、筐体40内には、ガイド部材62が設けられている。ガイド部材62は、水平に延びる板状である。ガイド部材62は、隣り合う本体シャッター61の間や、移動スペース49に最も近い本体シャッター61から移動スペース49までの間を塞いでいる。ガイド部材62と本体シャッター61とのまとまりは、水平に延びる1枚の板状をなしていて、ベルト55の下側外周面に対して隙間を隔てて下から対向しており、当該隙間は、束搬送路63となっている。束搬送路63は、筐体40内の全てのカセット45の真上に位置していて、これらのカセット45を上方から跨るように前後(水平)に延びている。
帯封機構41からの束Tは、前述したように、第1搬送機構42の上下のベルト48によって、移動スペース49へ向けて搬送される。このとき、移動スペース49内のリフト43は、第1搬送機構42の位置まで上昇していて、この位置で待機している。第1搬送機構42によって移動スペース49まで搬送された束Tは、リフト43に受け渡され、水平位置の載置板51上に載せられる。
リフト43への束Tの積み込みが完了した後、今まで進出位置にあった回動ユニット58が退避位置まで回動し、リフト43は、移動スペース49内において、上限位置(移動スペース49の上端)まで上昇する。この状態で、シャッター52が開いて入出金口53が開放され、係員によって、リフト43上の束Tが取り出される。これによって、カセット45内の束Tの出金が完了する。
また、包装紙幣処理ユニット3に束Tを入金することもできる。その場合、リフト43が前記上限位置(移動スペース49の上端)で待機した状態で、シャッター52が開いて入出金口53が開放され、係員によって、入出金口53から束Tが入金され、リフト43上にセットされる。その後、係員による操作部6(図1参照)の操作等に応じて、シャッター52が閉じる。その後は、帯封機構41からの束Tがカセット45に収納される場合と同様の手順で、リフト43上にセットされた束Tが、収納先のカセット45に収納される。
次に、貨幣処理装置1の電気的構成について説明する。
図4は、貨幣処理装置1の制御回路ブロック図であり、この発明の特徴と関連する部分のみを示すブロック図である。
制御部70には、ばら紙幣処理ユニット2、包装紙幣処理ユニット3、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5のそれぞれが電気的に接続されている。また、制御部70には、前述した搬送機構16が電気的に接続されている。ここで、搬送機構16は、前述したようにばら紙幣処理ユニット2および包装紙幣処理ユニット3のどちらにも属していることから、説明の便宜上、図4では、単独で示している。また、制御部70には、必要な情報を記憶するメモリ部72(在庫数管理手段)が電気的に接続されている。
ここで、前述したシャッター17、リフト43、本体シャッター61、シャッター52、カセットシャッター60およびステージ64のそれぞれでは、厳密には、それぞれを移動させる機構(モータ等)が、制御部70に接続されている。また、前述した紙幣搬送機構71、搬送機構16、帯封機構41、第1搬送機構42および第2搬送機構44のそれぞれでは、それぞれにおけるモータ等の駆動部品が、制御部70に接続されている。
制御部70は、搬送機構16の駆動を制御することによって、ばら紙幣処理ユニット2の整理一時保留部13におけるばら紙幣Sのまとまりを、包装紙幣処理ユニット3まで搬送することができる。
ばら紙幣処理ユニット2において、入金の際、1枚のばら紙幣Sが識別部20(図2参照)によって識別され、収納先のカセット12に収納されると、その都度、制御部70は、メモリ部72において、該当する(収納先の)カセット12における在庫数を1枚加算して更新する。逆に、出金の際、カセット12から取り出された1枚のばら紙幣Sが識別部27によって識別され、筐体10の外に投出されると、その都度、制御部70は、メモリ部72において、当該カセット12における在庫数を1枚減算して更新する。そして、識別部20,27は、ばら紙幣S(入金口18から入金されたばら紙幣Sまたはカセット12から出金されたばら紙幣S)が1枚識別部20,27を通過する度に当該ばら紙幣Sを1枚ずつカウントする(計数する)計数センサも兼ねている。識別部20に関し、カセット12は、識別部20によって計数されたばら紙幣Sを収納し、その計数値を確定させるためのものであることがわかる。
図5を参照して、包装紙幣処理ユニット3において、前述した通常処理中である場合において(ステップS1でYES)、前述したエラーが発生すると(ステップS2でYES)、制御部70は、当該エラーを検知したことに応じて、当該通常処理を中止して束Tの移動を途中で止め、表示部7にエラー表示する(ステップS3)。ここで、通常処理が中止するということは、収納先に収納されるべき束Tや、カセット45から取り出されて入出金口53や投出口65から出金されるべき束Tが包装紙幣処理ユニット3内(カセット45以外の領域)に留まっていることであり、エラーが発生したとき、制御部70は、当該領域に留まっている束Tの金種および数を把握している。
そこで、ばら紙幣処理ユニット2において、シャッター17(入金口18)が開いた後に、係員が、先程のエラー解除で取り出した(回収した)束Tの帯封を解いて、当該束Tをばら紙幣Sへとばらしてから、これらのばら紙幣Sを、(開かれた)入金口18から入金部11にセット(入金)する(図2参照)。ここで、入金部11には、ばら紙幣Sがセットされたことを検知して制御部70に伝えるセンサ(図示せず)が設けられている。
このように、エラー解除により機外へ取り出された束Tを、束Tのままの状態で入出金口53から入金するか(包装紙幣処理ユニット3に直接戻すか)、ばら紙幣Sにばらしてから入金口18から入金するか(ばら紙幣処理ユニット2に戻すか)を、状況に応じて任意に選択することができるので、使い勝手がよい。
たとえば、エラー解除の際に回収された束Tを、ばら紙幣Sにばらしてから、ばら紙幣処理ユニット2の入金口18に入金する場合、入金されたばら紙幣Sは、カセット12に収納されることなく、整理一時保留部13経由で包装紙幣処理ユニット3に搬送されて、再度帯封されて束Tになってもよい。つまり、エラー解除により機外へ取り出された束Tは、ばら紙幣Sにばらされた状態で機内に戻されても、帯封機構41によって元通りの状態(束Tの状態)に戻される。そのため、エラー解除により機外へ取り出された束Tを、元通りの状態に戻してから元のカセット45に収納し直すことができるので、包装紙幣処理ユニット3でエラーが発生しても、包装紙幣処理ユニット3をエラー発生前の状態に戻すことができる。
また、貨幣処理装置1では、ばら紙幣処理ユニット2および包装紙幣処理ユニット3と、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5とが揃っている(図1参照)。しかし、本発明は、ばら紙幣処理ユニット2および包装紙幣処理ユニット3だけで構成された貨幣処理装置1や、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5だけで構成された貨幣処理装置1にも適用可能である。
2 ばら紙幣処理ユニット
3 包装紙幣処理ユニット
4 包装硬貨処理ユニット
5 ばら硬貨処理ユニット
12 カセット
16 搬送機構
18 入金口
20 識別部
41 帯封機構
45 カセット
53 入出金口
70 制御部
71 紙幣搬送機構
72 メモリ部
73 ジャムセンサ
86 第1ボタン
87 第2ボタン
S ばら紙幣
T 包装紙幣(束)
Claims (4)
- ばら貨幣が入金される第1入金口が形成され、前記第1入金口から入金されたばら貨幣を1枚ずつ計数するための計数部と、前記計数部によって計数されたばら貨幣を収納するための第1収納庫とを有するばら貨幣処理ユニットと、
所定数のばら貨幣をまとめて包装することによって構成された包装貨幣が入金される第2入金口が形成され、包装貨幣を収納するための第2収納庫を有する包装貨幣処理ユニットと、
前記包装貨幣処理ユニットでの処理中におけるエラーを検知するエラー検知手段と、
前記エラー検知手段がエラーを検知したことに応じて、エラー解除により機外へ取り出された包装貨幣がばら貨幣にばらされてから機内に戻されるように、前記第2入金口を閉じて前記第1入金口を開き、前記第1入金口からの戻し入れを受け付ける制御手段と、
を含むことを特徴とする、貨幣処理装置。 - 前記第1入金口から入金されたばら貨幣を前記第1収納庫に収納する戻し処理を実行する戻し制御手段と、
前記第1収納庫におけるばら貨幣の在庫数と前記第2収納庫における包装貨幣の在庫数とを管理する在庫数管理手段と、
前記戻し制御手段が前記戻し処理を実行したことに応じて、前記戻し処理で前記第1収納庫に収納されたばら貨幣の数に応じて、前記第2収納庫の在庫数を減算して前記第1収納庫の在庫数を加算する在庫数更新手段と、
を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。 - 前記エラー解除により機外へ取り出された包装貨幣を前記第2入金口から入金するか、ばら貨幣にばらしてから前記第1入金口から入金するかを選択するための選択手段を含み、
前記エラー解除により機外へ取り出された包装貨幣を前記第2入金口から入金することが前記選択手段によって選択された場合に、前記制御手段は、前記第2入金口からの戻し入れを受け付けることを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。 - 前記第1入金口から入金されたばら貨幣を前記包装貨幣処理ユニットまで搬送する搬送手段と、
前記包装貨幣処理ユニットに設けられ、前記搬送手段によって搬送されたばら貨幣を包装して包装貨幣にする包装手段と、
を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。
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