<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1〜図9を参照して以下に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る貨幣処理装置11は、貨幣処理として紙幣の入出金処理を行う紙幣処理部12(貨幣処理手段)と、貨幣処理として硬貨の入出金処理を行う硬貨処理部13(貨幣処理手段)と、操作者に向けた画面表示を行うとともに操作者による操作入力を受け付ける表示操作部14と、貨幣処理装置11の各部に電力供給を行う電源部15とを有している。
また、貨幣処理装置11は、貨幣処理装置11の在高データを含む各処理に関するデータ等を記憶する記憶部18(記憶手段)と、貨幣処理装置11に生じた振動を直接検知する振動検知部19(検知手段)と、貨幣処理装置11の各部を制御する制御部20(保護手段)とを有している。記憶部18は、貨幣処理装置11の貨幣の在高データを記憶する在高データ記憶領域22と、貨幣処理装置11の各種管理に関する管理ログデータを記憶する管理ログ記憶領域23とを有している。在高データ記憶領域22に記憶された貨幣の在高データおよび管理ログ記憶領域23に記憶された管理ログデータは、表示操作部14への操作で表示操作部14等に表示可能となっている。
紙幣処理部12、硬貨処理部13、表示操作部14、電源部15、記憶部18、振動検知部19および制御部20は、貨幣処理装置11の外側部分を構成する筐体21に設けられている。紙幣処理部12、硬貨処理部13および表示操作部14は、筐体21の外部に臨む位置に設けられている。電源部15、記憶部18、振動検知部19および制御部20は、筐体21内に設けられている。ここで、以下の説明において使用する「前」は貨幣処理装置11の操作者側、「後」は貨幣処理装置11の操作者とは反対側、「左右」は貨幣処理装置11の操作者から見た左右である。
[紙幣処理部12]
図2に示すように、紙幣処理部12は、筐体21の前面側の上下方向中間部に、貨幣であるバラ紙幣を搬送する第1紙幣搬送部29を有している。紙幣処理部12は、筐体21の前面側の上下方向中間部に、第1紙幣搬送部29にバラ紙幣を繰り出す紙幣入金部30と、いずれも第1紙幣搬送部29で搬送されてきたバラ紙幣を収容する紙幣出金返却部31および紙幣出金リジェクト庫32とを有している。
紙幣入金部30は、装置外に臨んで設けられて貨幣であるバラ紙幣が投入される。紙幣入金部30は、集積状態に纏められた複数枚のバラ紙幣を収容可能であり、纏めて投入されたバラ紙幣を一枚ずつに分離して第1紙幣搬送部29に繰り出す。紙幣出金返却部31は、装置外に臨んで設けられて第1紙幣搬送部29で搬送されてきたバラ紙幣の出金および返却が行われる。紙幣出金返却部31は、複数枚のバラ紙幣を集積状態に纏めて収容可能である。紙幣出金リジェクト庫32は、筐体21内に設けられており、第1紙幣搬送部29で搬送されてきたバラ紙幣を収納する。紙幣出金リジェクト庫32は、複数枚のバラ紙幣を集積状態に纏めて収容可能である。
紙幣入金部30は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、バラ紙幣の入金処理時にシャッタが開状態とされて装置外からバラ紙幣が投入され、その後、シャッタが閉じられてバラ紙幣を一枚ずつに分離して第1紙幣搬送部29に繰り出す。バラ紙幣は、紙幣処理部12内で、基本的にその短手方向を搬送方向に沿わせた姿勢で搬送される。紙幣出金返却部31は、開閉可能な図示略のシャッタを有しており、バラ紙幣の出金処理時にシャッタが閉状態とされて第1紙幣搬送部29から出金用のバラ紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることでバラ紙幣が装置外に取り出される。紙幣出金返却部31には、バラ紙幣の入金処理時にリジェクトされるバラ紙幣も、シャッタが閉状態とされて第1紙幣搬送部29から繰り出される。紙幣出金リジェクト庫32は、バラ紙幣の出金処理時にリジェクトされる、重送、斜行等の搬送不良のバラ紙幣を収納する。
第1紙幣搬送部29の下方および後方には、第1紙幣搬送部29との間でバラ紙幣を受け渡し可能であって、バラ紙幣を搬送する第2紙幣搬送部34が設けられている。第2紙幣搬送部34は、搬送中のバラ紙幣の表裏を取り揃えることが可能となっている。第2紙幣搬送部34の後方には、第2紙幣搬送部34との間でバラ紙幣を受け渡し可能であって、バラ紙幣を搬送しつつ、その真偽と、真紙幣の金種と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常の有無等を識別し、計数する紙幣識別計数部35が設けられている。紙幣識別計数部35は、例えば、紙幣入金部30から繰り出され、第1紙幣搬送部29および第2紙幣搬送部34で搬送されてきたバラ紙幣を識別し計数する。
第1紙幣搬送部29の後方であって第2紙幣搬送部34の上方には、第1紙幣搬送部29からバラ紙幣を受け取り、整列させて所定の結束単位枚数ずつ集積させる整列部36が設けられている。また、この整列部36の後方には、整列部36で集積された結束単位枚数のバラ紙幣を集積状態のまま上方に搬送する昇降搬送部37が設けられている。また、整列部36の上方には、整列部36で集積され昇降搬送部37で搬送されてきた結束単位枚数の集積紙幣に結束テープを巻き回して束紙幣とする結束部38が設けられている。この結束部38の前側には結束部38で作成された束紙幣を装置外に取り出し可能とする束出金部39が設けられている。束出金部39は、第1紙幣搬送部29の上方に位置しており、装置外に臨んで設けられている。束出金部39も開閉可能な図示略のシャッタを有しており、シャッタが閉状態とされて結束部38から束紙幣が繰り出され、その後、シャッタが開かれることで束紙幣が装置外に取り出される。
第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34および紙幣識別計数部35の下方には、紙幣識別計数部35で識別され計数されたバラ紙幣を搬送する第3紙幣搬送部42が前後方向に延在して設けられている。第3紙幣搬送部42の下側には、後側から順に、紙幣収納出金部45と、紙幣収納部46と、収納カセット47とが設けられている。
紙幣収納出金部45は、第3紙幣搬送部42との間でバラ紙幣を受け渡し可能であって、第3紙幣搬送部42で搬送されてきたバラ紙幣を集積状態に纏めて収容可能である。紙幣収納出金部45は、上部の一時貯留領域に、所定の複数金種のバラ紙幣を入金承認前に金種別に分類して返却可能に一時貯留するとともに、入金承認後に、下部の収納領域に金種別に分類した状態のまま繰り出し可能に収納する。紙幣収納出金部45は、収納領域に収納しているバラ紙幣を金種別に繰り出し可能となっており、還流紙幣を収納する還流庫である。紙幣収納出金部45の一時貯留領域は、紙幣収納出金部45の収納領域に収納しているバラ紙幣とは分離してバラ紙幣を一時貯留する。
紙幣収納部46も、第3紙幣搬送部42との間でバラ紙幣を受け渡し可能であって、第3紙幣搬送部42で搬送されてきたバラ紙幣を集積状態に纏めて収容可能である。紙幣収納部46は、上部の一時貯留領域に、所定の金種等のバラ紙幣を入金承認前に返却可能に一時貯留するとともに、入金承認後に、下部の収納領域に繰り出し不可に収納する。紙幣収納部46は、筐体21に対し着脱可能である。紙幣収納部46の一時貯留領域は、紙幣収納部46の収納領域に収納しているバラ紙幣とは分離してバラ紙幣を一時貯留する。
収納カセット47も、第3紙幣搬送部42との間でバラ紙幣を受け渡し可能であって、第3紙幣搬送部42で搬送されてきたバラ紙幣を集積状態に纏めて収容可能である。収納カセット47は、筐体21に対し着脱可能であり、回収処理時に紙幣収納出金部45から繰り出されたバラ紙幣を第3紙幣搬送部42から取り込んで収納するとともに、補充処理時に補充用のバラ紙幣が装置外で装填され、装填されたバラ紙幣を第3紙幣搬送部42に繰り出す。
第3紙幣搬送部42は、例えば、バラ紙幣の入金処理時に紙幣入金部30から繰り出され、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34および紙幣識別計数部35で搬送されてきたバラ紙幣を、紙幣識別計数部35の識別結果に基づいて、紙幣収納出金部45と、紙幣収納部46と、収納カセット47とに振り分ける。
次に、紙幣処理部12の主要な処理について説明する。
「バラ紙幣入金処理」
バラ紙幣入金処理は、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に入金処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ紙幣入金処理を行う。バラ紙幣入金処理において、制御部20は、紙幣入金部30の図示略のシャッタを開く。この状態で、紙幣入金部30にバラ紙幣が投入されたことを図示略のセンサが検出すると、制御部20は、紙幣入金部30のシャッタを閉じ、投入されたバラ紙幣を、紙幣入金部30で一枚ずつ繰り出し、第1紙幣搬送部29および第2紙幣搬送部34で搬送して、紙幣識別計数部35に識別および計数させる。
制御部20は、紙幣識別計数部35が受け入れ可能と識別した紙幣、すなわち取り扱い可能な金種の真券で正常搬送の正常紙幣を、第3紙幣搬送部42で、紙幣収納出金部45および紙幣収納部46に振り分ける。すなわち、制御部20は、受け入れ可能と識別したバラ紙幣のうち、出金用として使用するバラ紙幣を、第3紙幣搬送部42で金種別に分類して紙幣収納出金部45の上部の一時貯留領域に一時貯留し、出金用として使用しないバラ紙幣を紙幣収納部46の上部の一時貯留領域に一時貯留する。
他方で、制御部20は、紙幣入金部30が繰り出したバラ紙幣のうち、紙幣識別計数部35が受け入れ不可と識別した紙幣、すなわち金種識別できない金種識別不良のバラ紙幣と、重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常のバラ紙幣とについては、紙幣識別計数部35から、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で搬送し紙幣出金返却部31にリジェクトする。このとき、搬送路が重なるため、紙幣入金部30からのバラ紙幣の繰り出しは一時中断する。
以上のバラ紙幣入金処理を行うことによって、紙幣入金部30に装置外から投入されたバラ紙幣がなくなり、紙幣入金部30から繰り出されたすべてのバラ紙幣が、紙幣収納出金部45、紙幣収納部46および紙幣出金返却部31のいずれかに搬送されると、制御部20は、紙幣出金返却部31にバラ紙幣がある場合、紙幣出金返却部31の図示略のシャッタを開いて、リジェクトされたバラ紙幣を紙幣出金返却部31から装置外に取り出し可能にする。
そして、制御部20は、入金処理として後述するバラ硬貨入金処理も並行して行われている場合には、その終了を待って、紙幣識別計数部35で受け入れ可能と判定して紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域に一時貯留したバラ紙幣の金種別の枚数および総額等を表示操作部14に表示させる。後述するバラ硬貨入金処理が行われた場合には、バラ硬貨入金処理で受け入れ可能と判定して一時貯留しているバラ硬貨の金種別の枚数および総額等も併せて表示操作部14に表示させる。そして、制御部20は、表示操作部14への入金承認操作および入金キャンセル操作の入力を待機する状態となってバラ紙幣入金処理を終了する。
「バラ紙幣収納処理」
バラ紙幣収納処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。入金処理後、表示操作部14への入金承認操作が入力された入金承認時に、制御部20は、バラ紙幣収納処理を行う。バラ紙幣収納処理において、制御部20は、記憶部18の在高データ記憶領域22に記憶されている在高データに、入金処理で受け入れ可能としたデータ分を加算し、バラ紙幣入金処理にて紙幣収納出金部45の一時貯留領域に金種別に分類して一時貯留したバラ紙幣を、分類状態のまま紙幣収納出金部45の収納領域に収納するとともに、紙幣収納部46の一時貯留領域に一時貯留したバラ紙幣を紙幣収納部46の収納領域に収納するバラ紙幣収納処理を行う。
「バラ紙幣返却処理」
バラ紙幣返却処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。入金処理後、表示操作部14への入金キャンセル操作が入力された入金キャンセル時に、制御部20は、バラ紙幣返却処理を行う。バラ紙幣返却処理において、制御部20は、記憶部18の在高データ記憶領域22に記憶されている在高データに、入金処理で受け入れ可能としたデータ分を加算することなく、バラ紙幣入金処理にて紙幣収納出金部45および紙幣収納部46に一時貯留したバラ紙幣をすべて、紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域から繰り出し、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で紙幣出金返却部31に搬送する。紙幣収納出金部45および紙幣収納部46に一時貯留したバラ紙幣がすべて紙幣出金返却部31に搬送されると、制御部20は、紙幣出金返却部31のシャッタを開いて、返却されたバラ紙幣を紙幣出金返却部31から装置外に取り出し可能にする。
「バラ紙幣出金処理」
バラ紙幣出金処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に出金金額の入力を含めた出金処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ紙幣の出金があればバラ紙幣出金処理を行う。バラ紙幣出金処理において、制御部20は、紙幣収納出金部45からバラ紙幣を第3紙幣搬送部42に繰り出すことになり、繰り出したバラ紙幣を、紙幣識別計数部35で識別および計数し、その結果に基づいて、表裏反転が必要でないバラ紙幣を、第2紙幣搬送部34で表裏反転せずに第1紙幣搬送部29でシャッタが閉状態の紙幣出金返却部31に搬送し、表裏反転が必要なバラ紙幣を、第2紙幣搬送部34で表裏反転して第1紙幣搬送部29で紙幣出金返却部31に搬送する。なお、制御部20は、紙幣識別計数部35が搬送異常と識別したり、金種識別不良と識別した、正常紙幣以外のリジェクト紙幣については、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で紙幣出金リジェクト庫32に収納する。以上のようにして、入力された金種別の出金枚数のバラ紙幣を、金種別に、表裏を取り揃えながら紙幣出金返却部31に繰り出す。その後、制御部20は、紙幣出金返却部31のシャッタを開き、紙幣出金返却部31からバラ紙幣を装置外に取り出し可能にする。
「束紙幣出金処理」
束紙幣返却処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に出金処理の選択操作がなされると、制御部20は、束紙幣の出金があれば束紙幣出金処理を行う。束紙幣出金処理において、制御部20は、紙幣収納出金部45に収納している第1金種のバラ紙幣を結束して出金する場合、紙幣収納出金部45で第1金種のバラ紙幣を繰り出し第3紙幣搬送部42および紙幣識別計数部35で搬送する。そして、制御部20は、紙幣識別計数部35でバラ紙幣を識別および計数し、表裏反転が必要でないバラ紙幣を、第2紙幣搬送部34で表裏反転せずに第1紙幣搬送部29で整列部36に、表裏反転が必要な紙幣を、第2紙幣搬送部34で表裏反転して第1紙幣搬送部29で整列部36に、それぞれ搬送する。これにより、第1金種の紙幣が結束単位枚数だけ整列部36に繰り出される。なお、制御部20は、紙幣識別計数部35が重送、斜行あるいはニアフィード等の搬送異常と識別したり金種識別不良と識別したリジェクト紙幣については、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で紙幣出金リジェクト庫32に収納する。そして、制御部20は、指定された第1金種の結束単位枚数のバラ紙幣を整列部36から、昇降搬送部37で結束部38に搬送し、結束部38で結束させて、結束部38で束出金部39に繰り出す。
束紙幣出金処理では、以上のような処理を、指定された金種毎に指定された束数分行うことになり、指定された全金種のそれぞれについて、指定された全束数の束紙幣を束出金部39に繰り出すことになる。束紙幣出金処理の最後に、制御部20は、束出金部39のシャッタを開いて束出金部39から束紙幣を取り出し可能にする。
「バラ紙幣回収処理」
バラ紙幣回収処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14にバラ紙幣回収処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ紙幣回収処理を行う。バラ紙幣回収処理において、制御部20は、紙幣収納出金部45に収納している第1金種の紙幣を回収する場合、紙幣収納出金部45で第1金種のバラ紙幣を繰り出し第3紙幣搬送部42および紙幣識別計数部35で搬送する。そして、紙幣識別計数部35で搬送中にバラ紙幣を識別および計数し、第2紙幣搬送部34で収納カセット47に搬送する。なお、紙幣識別計数部35で搬送異常と識別したり金種識別不良と識別した、正常紙幣以外のリジェクト紙幣については、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で紙幣出金リジェクト庫32に搬送し、収納する。
「バラ紙幣補充処理」
バラ紙幣補充処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14にバラ紙幣補充処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ紙幣補充処理を行う。バラ紙幣補充処理において、制御部20は、補充用の紙幣が装置外で装填された状態で筐体21にセットされた収納カセット47のバラ紙幣を、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第3紙幣搬送部42の順に搬送し、紙幣収納出金部45に収納する。なお、紙幣識別計数部35で搬送異常と識別したり金種識別不良と識別した、正常紙幣以外のリジェクト紙幣については、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で紙幣出金リジェクト庫32に搬送し、収納する。このとき、搬送路が重なるため、収納カセット47からのバラ紙幣の繰り出しは一時中断する。
[硬貨処理部13]
硬貨処理部13は、図3に示すように、貨幣であるバラ硬貨に関する処理を行うバラ硬貨処理部61と、バラ硬貨を所定の包装単位枚数ずつ一体に纏めた棒金(包装硬貨)に関する処理を行う棒金処理部62とを有している。
{バラ硬貨処理部61}
バラ硬貨処理部61は、外部から入金されたバラ硬貨の入金処理を行う硬貨入金部65と、硬貨入金部65からバラ硬貨を受け入れて収納する収納処理を行うとともに収納しているバラ硬貨を外部に取り出し可能に出金する出金処理を行う硬貨収納出金部66と、硬貨入金部65および硬貨収納出金部66からバラ硬貨を受け入れて収納する収納処理を行う硬貨収納部67とを有している。
硬貨入金部65は、装置外に臨んで設けられてバラ硬貨の入金が行われる入金ホッパ71を有している。入金ホッパ71は、図示略のシャッタを有している。入金ホッパ71は、シャッタが開かれた状態で投入された複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、纏めて収容したバラ硬貨を、シャッタが閉じられた状態で一枚ずつに分離して繰り出す。硬貨入金部65は、入金ホッパ71から繰り出されたバラ硬貨を搬送しつつ真偽、金種および正損を識別して計数する硬貨識別計数部72と、硬貨識別計数部72で搬送中に偽つまり受け入れ不可と識別されたバラ硬貨を収容する入金リジェクト箱75とを有している。
入金リジェクト箱75は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、筐体21に対し着脱可能になっている。入金リジェクト箱75は、筐体21に装填された状態で、硬貨識別計数部72で搬送されてきた受け入れ不可のバラ硬貨を収容し、筐体21から取り外されることで、収容しているバラ硬貨が装置外に取り出し可能となる。
硬貨識別計数部72は、搬送中に真つまり受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を放出シュート81に放出する。放出シュート81は、装置外から図示略の収納袋が装着されることになり、装着された収納袋内に、硬貨識別計数部72で案内されたバラ硬貨を放出する。ここで、入金ホッパ71に投入されたバラ硬貨の中から、設定金種のバラ硬貨を設定枚数だけ収納袋に収納するローカル袋取り処理時に、硬貨識別計数部72が、その識別結果に基づいて、収納袋が装着された放出シュート81に設定金種のバラ硬貨を設定枚数だけ案内し、設定金種以外の硬貨および設定枚数を超える硬貨を入金リジェクト箱75に案内する。
硬貨識別計数部72は、真つまり受け入れ可能と識別されたバラ硬貨を棒金処理部62にも搬送する。ここで、入金ホッパ71に投入されたバラ硬貨の中から、設定金種のバラ硬貨を包装して棒金とするローカル包装処理時に、硬貨識別計数部72が、その識別結果に基づいて、設定金種のバラ硬貨を棒金処理部62に案内し、設定金種以外のバラ硬貨を入金リジェクト箱75に案内する。棒金処理部62は、バラ硬貨処理部61から送り込まれたバラ硬貨を所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させて包装する。
硬貨入金部65は、硬貨識別計数部72で受け入れ可能と識別された硬貨を一時貯留する硬貨一時貯留庫82を有している。硬貨一時貯留庫82は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、硬貨識別計数部72の識別結果に基づいて、受け入れ可能なバラ硬貨のうち汚損のないバラ硬貨を単一金種毎に分類して一時貯留するとともに、これらとは分類して、受け入れ可能な汚損のあるバラ硬貨を全金種一括で一時貯留する。
硬貨入金部65は、硬貨一時貯留庫82が分類して貯留しているバラ硬貨を外部に取り出し可能に返却する硬貨返却箱85を有している。硬貨返却箱85は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、硬貨一時貯留庫82で分類されて一時貯留されているバラ硬貨をその分類状態のままで収容する。硬貨返却箱85は、筐体21に対し着脱可能である。なお、硬貨返却箱85は、バラ硬貨を硬貨一時貯留庫82の分類状態のまま収容せずに、金種混合で一括して収容するものであっても良い。
硬貨収納出金部66は、硬貨一時貯留庫82が分類して貯留しているバラ硬貨のうち汚損のないバラ硬貨を出金可能に収納する硬貨還流庫91を有している。硬貨還流庫91は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、硬貨一時貯留庫82で金種別に分類されて一時貯留されているバラ硬貨を分類状態のままで出金可能に収納する。硬貨還流庫91は収納しているバラ硬貨を金種別に計数しつつ一枚ずつ繰り出し可能となっている。
硬貨収納出金部66は、硬貨一時貯留庫82が分類して貯留しているバラ硬貨のうち汚損のあるバラ硬貨を収納する汚損貨庫92を有している。汚損貨庫92は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、硬貨一時貯留庫82で金種混合で収容された汚損のあるバラ硬貨を出金可能に収納する。汚損貨庫92は、筐体21に対し着脱可能に設けられている。汚損貨庫92は、筐体21から取り外されることで、収納した硬貨が装置外に取り出し可能となる。
硬貨収納出金部66は、硬貨還流庫91および汚損貨庫92から繰り出されたバラ硬貨を搬送する硬貨出金搬送部95と、硬貨出金搬送部95で搬送されてきたバラ硬貨を繰り出し可能に収容する精査搬送部96と、硬貨出金搬送部95で搬送されてきたバラ硬貨を装置外に取り出し可能とする硬貨出金箱97とを有している。硬貨出金搬送部95は、硬貨還流庫91および汚損貨庫92から計数しつつ繰り出されたバラ硬貨を搬送しつつ識別を行って計数する。硬貨還流庫91と精査搬送部96とは、筐体21に対し前方に引き出し可能となっている。硬貨出金箱97は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能である。硬貨出金箱97は、筐体21に対し着脱可能となっており、筐体21から取り外されることで、収容した硬貨が外部に取り出し可能となる。
硬貨収納部67は、硬貨一時貯留庫82が分類して貯留しているバラ硬貨をその分類状態のままで収納する金庫カセット101を有している。金庫カセット101は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、筐体21に対し着脱可能となっている。なお、金庫カセット101は、バラ硬貨を金種別に分類せずに、金種混合で一括して収納するものであっても良い。金庫カセット101は、収納しているバラ硬貨を繰り出し不可となっている。
硬貨収納出金部66の硬貨還流庫91は、バラ硬貨を収納するとともに、収納しているバラ硬貨を金種別に繰り出し可能に構成されている。硬貨収納部67は、硬貨還流庫91とは別に設けられた金庫カセット101にバラ硬貨を収納する。硬貨一時貯留庫82は、バラ硬貨を貯留するとともに貯留しているバラ硬貨の収納先を、硬貨還流庫91および汚損貨庫92と、金庫カセット101と、硬貨返却箱85と、に選択的に切り替える。硬貨一時貯留庫82からのバラ硬貨の収納先となった場合、硬貨還流庫91はバラ硬貨を金種別に分けて繰り出し可能に収納する。
硬貨収納部67は、硬貨出金箱97に収容されているバラ硬貨を収容する出金回収箱104を有している。出金回収箱104は、複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、筐体21に対し着脱可能となっている。出金回収箱104は、筐体21から取り外されることで、収容しているバラ硬貨が装置外に取り出し可能となる。
硬貨出金搬送部95は、搬送中のバラ硬貨を識別し、その結果に基づいて、出金すべきバラ硬貨を硬貨出金箱97に収容したり、硬貨出金箱97での出金に適さないバラ硬貨を、硬貨出金箱97を介して出金回収箱104に収容したりする。また、硬貨出金搬送部95は、識別計数したバラ硬貨を棒金処理部62に搬送する。さらに、硬貨出金搬送部95は、識別計数したバラ硬貨を精査搬送部96に搬送する。精査搬送部96は、硬貨出金搬送部95から受け入れたバラ硬貨を、硬貨還流庫91および汚損貨庫92に搬送する。
貨幣処理装置11は、硬貨処理部13に、貨幣処理装置11の各部に電源を供給する電源部15と、貨幣処理装置11の全体を制御する制御部20とが設けられている。
{棒金処理部62}
棒金処理部62は、硬貨出金搬送部95から繰り出されたバラ硬貨を受け入れて所定の包装単位枚数ずつ集積し包装して一体に纏めた棒金とする包装処理を行う包装部111と、包装部111で作製した棒金を収納する棒金収納部112と、包装部111および棒金収納部112から棒金を受け入れて外部に取り出し可能に出金する棒金出金部113と、を有している。
包装部111は、硬貨収納出金部66の硬貨還流庫91から繰り出され、硬貨出金搬送部95で棒金処理部62に搬送されてきたバラ硬貨を受け取って包装する。また、包装部111は、入金ホッパ71から繰り出され、硬貨識別計数部72から棒金処理部62に搬送されてきたバラ硬貨を受け取って包装する。
ここで、硬貨処理部13は、硬貨還流庫91のいずれか一金種の硬貨量が所定量である包装基準値を超えると、自動包装処理を行うことになる。自動包装処理においては、硬貨還流庫91が、収納しているバラ硬貨のうち硬貨量が包装基準値を超えた金種のバラ硬貨を繰り出し、硬貨出金搬送部95が棒金処理部62に搬送して、包装部111が包装する。
また、硬貨処理部13は、入金ホッパ71に投入された硬貨を包装するローカル包装処理において、硬貨識別計数部72が、入金ホッパ71に投入されたバラ硬貨のうち指定された金種以外の硬貨を入金リジェクト箱75に案内する一方、指定された金種の硬貨を棒金処理部62に搬送して、包装部111が包装する。
包装部111は、バラ硬貨処理部61からバラ硬貨を受け入れるとともに、受け入れたバラ硬貨を、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ繰り出す包装用硬貨計数部121と、包装用硬貨計数部121から繰り出された包装単位枚数の硬貨を集積させて紙あるいは樹脂フィルムからなる包装紙を巻き回し、この包装紙を切断した後、集積方向に両側の包装紙の余長部分を内側に丸めるように加締めることにより棒金とする硬貨集積包装部122と、を有している。包装用硬貨計数部121は、受け入れた複数枚のバラ硬貨を纏めて収容可能であり、これらのバラ硬貨を一枚ずつ分離し繰り出して識別および計数する。
包装部111は、硬貨集積包装部122から繰り出された棒金を振り分けて搬送する棒金振分搬送部123と、棒金振分搬送部123からの棒金を収納するクリアボックス124と、棒金振分搬送部123からの棒金を収納する出金リジェクト庫125とを有している。クリアボックス124は、例えば、自動包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を収納することになり、出金リジェクト庫125は、ローカル包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を収納することになる。クリアボックス124および出金リジェクト庫125は、いずれも筐体21に対し着脱可能となっている。クリアボックス124および出金リジェクト庫125は、いずれも筐体21から取り外されることで、収容した棒金が外部に取り出し可能となる。
棒金出金部113は、棒金振分搬送部123からの棒金を受け取って昇降搬送する棒金出金リフト131を有している。棒金振分搬送部123から棒金出金リフト131に搬送される棒金は、端数棒金以外の棒金つまり包装単位枚数の硬貨を包装して作製した正常棒金である。棒金出金部113は、棒金出金リフト131で搬送されてきた棒金を外部に放出する棒金放出口132と、棒金出金リフト131で搬送されてきた棒金を受け取って外部に取り出し可能に収容する棒金出金口133と、棒金出金リフト131で搬送されてきた棒金を外部に取り出し可能に収納する棒金一括収納庫134と、を有している。
棒金放出口132は、装置外部に臨んで設けられており、棒金出金リフト131から受け取った棒金を外に置かれた図示略の受箱に向けて放出する。棒金出金口133は、図示略のシャッタを有している。棒金出金口133は、装置外部に臨んで設けられており、棒金出金リフト131から受け取った棒金を外部に取り出し可能に収容する。棒金一括収納庫134は、箱状であって、筐体21に対し着脱可能である。棒金一括収納庫134は、筐体21に装填された状態で、棒金出金リフト131から受け取った棒金を収容し、筐体21から取り外されることで、収容した棒金が纏めて外部に取り出し可能となる。
棒金収納部112は、棒金出金リフト131で搬送されてきた棒金を受け取って金種別に分類して収納する。また、棒金収納部112は、収納している棒金を計数しつつ棒金出金リフト131に繰り出す。棒金出金リフト131は、棒金収納部112から繰り出された棒金を受け取って、棒金出金口133および棒金一括収納庫134に振り分ける。
次に、硬貨処理部13の主要な処理について説明する。
「バラ硬貨入金処理」
バラ硬貨入金処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に入金処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ硬貨入金処理を行う。バラ硬貨入金処理において、制御部20は、入金ホッパ71の図示略のシャッタを開く。この状態で、入金ホッパ71内にバラ硬貨が投入されたことを図示略のセンサが検出すると、制御部20は、入金ホッパ71のシャッタを閉じ、入金ホッパ71でバラ硬貨を一枚ずつ分離して硬貨識別計数部72に繰り出し、硬貨識別計数部72で搬送しながら、真偽、金種および正損を識別して計数する。そして、硬貨識別計数部72は、偽つまり受け入れ不可と識別されたバラ硬貨を入金リジェクト箱75に搬送する。他方、硬貨識別計数部72は、受け入れ可能と識別された硬貨を分類して硬貨一時貯留庫82に一時貯留する。
そして、入金ホッパ71内にあった全てのバラ硬貨が入金リジェクト箱75あるいは硬貨一時貯留庫82に搬送されると、制御部20は、入金処理として前述したバラ紙幣入金処理も並行して行われている場合には、その終了を待って、硬貨識別計数部72の識別結果から、受け入れ可能なバラ硬貨の金種別の枚数および総額等を表示操作部14に表示させる。前述したバラ紙幣入金処理が行われている場合には、バラ紙幣入金処理で受け入れ可能と判定して一時貯留しているバラ紙幣の金種別の枚数および総額等も併せて表示操作部14に表示させる。そして、制御部20は、表示操作部14への入金承認操作および入金キャンセル操作の入力を待機する状態となってバラ硬貨入金処理を終了する。
「バラ硬貨収納処理」
バラ硬貨収納処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。入金処理後、表示操作部14への入金承認操作が入力された入金承認時に、制御部20は、バラ硬貨収納処理を行う。バラ硬貨収納処理において、制御部20は、記憶部18の在高データ記憶領域22に記憶されている在高データに、入金処理で受け入れ可能としたデータ分を加算するとともに、硬貨還流庫91がバラ硬貨を繰り出す繰出処理を行っているか否かと、硬貨還流庫91のいずれかの金種の収納量が今回のバラ硬貨を受け入れ不可であるか否かとを判定する。硬貨還流庫91がバラ硬貨を繰り出す繰出処理を行っている場合および硬貨還流庫91のいずれかの金種の収納量が今回のバラ硬貨を受け入れ不可な場合、制御部20は、硬貨一時貯留庫82からバラ硬貨を分類状態のままで硬貨収納部67の金庫カセット101に収納する。他方、硬貨還流庫91がバラ硬貨を繰り出す繰出処理を行っておらず、硬貨還流庫91のいずれの金種も今回のバラ硬貨を受け入れ可能な場合、制御部20は、硬貨一時貯留庫82からバラ硬貨を分類状態のままで硬貨収納出金部66の硬貨還流庫91および汚損貨庫92に収納する。
「バラ硬貨返却処理」
バラ硬貨返却処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。入金処理後、表示操作部14への入金キャンセル操作が入力された入金キャンセル時に、制御部20は、バラ硬貨返却処理を行う。バラ硬貨返却処理において、制御部20は、記憶部18の在高データ記憶領域22に記憶されている在高データに、入金処理で受け入れ可能としたデータ分を加算することなく、硬貨一時貯留庫82からバラ硬貨を分類状態のままで硬貨返却箱85に収容し、硬貨返却箱85の筐体21へのロックを解除して、返却されたバラ硬貨を硬貨返却箱85から装置外に取り出し可能にする。
「バラ硬貨出金処理」
バラ硬貨出金処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に出金金額の入力を含めた出金処理の選択操作がなされると、制御部20は、バラ硬貨の出金があればバラ硬貨出金処理を行う。バラ硬貨出金処理において、制御部20は、硬貨還流庫91から対応する金種のバラ硬貨を計数しつつ硬貨出金搬送部95に繰り出し、硬貨出金搬送部95が識別および計数しつつ硬貨出金箱97に搬送する。このようにして、入力された金種別の出金枚数のバラ硬貨を硬貨出金箱97に搬送する。そして、制御部20は、硬貨出金箱97の筐体21へのロックを解除し、硬貨出金箱97からバラ硬貨を装置外に取り出し可能にする。ここで、バラ硬貨出金処理において、硬貨出金搬送部95が、出金させるバラ硬貨に含まれない金種のバラ硬貨や、出金枚数を超える枚数のバラ硬貨を検出した場合、制御部20は、硬貨出金箱97に貯留していた全てのバラ硬貨を、出金回収箱104に収容して、バラ硬貨出金処理をやり直す。
「棒金出金処理」
棒金出金処理も、貨幣処理装置11で通常行われる貨幣処理の一つである。表示操作部14に出金金額の入力を含めた出金処理の選択操作がなされると、制御部20は、棒金の出金があれば棒金出金処理を行う。棒金出金処理において、制御部20は、棒金収納部112から対応する金種の棒金を計数しつつ棒金出金リフト131に繰り出し、棒金出金リフト131が棒金出金口133に搬送する。このようにして、入力された金種別の本数の棒金を金種別に棒金出金口133に搬送する。そして、制御部20は、棒金出金口133の図示略のシャッタを開いて、棒金出金口133から棒金を装置外に取り出し可能にする。
第1実施形態において、貨幣処理装置11は、上記したように貨幣処理装置11に生じた振動を直接検知する振動検知部19を有している。そして、制御部20は、この振動検知部19により検知された振動に応じて、紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護する保護処理を行う。その際に、記憶部18は、振動検知部19により検知された振動に関する情報と制御部20により実行した保護処理に関する情報とが対応付けられた管理ログデータを管理ログ記憶領域23に記憶するようになっている。ここで、振動検知部19は、振動値と、この振動値の震度換算値とを検知可能である。すなわち、振動検知部19は、感震センサであり、震度との相関関係があるスペクトル強度を計測することで震度も検知可能となっている。なお、単純な振動検知センサでは地震による振動と人為的な衝撃とを区別することが困難であるが、振動検知に感震センサを使用することで、地震と人為的衝撃等とを区別できる。
「保護処理」
保護処理について説明する。
制御部20は、電源スイッチが操作されて装置電源がオンされると、上記した通常行われる貨幣処理と並行して保護処理を行うことになる。保護処理において、制御部20は、図4に示すように、貨幣処理装置11が貨幣処理動作中であるか否かを判定し(ステップS1)、貨幣処理動作中である場合には(ステップS1:YES)、振動検知部19で振動値を検知させる(ステップS2)。制御部20は、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上であるか否かを判定し(ステップS3)、検知した振動値が所定の閾値以上でなければ(ステップS3:NO)、振動検知部19で検知した振動値の震度換算値が所定の震度、具体的には震度5相当以上であるか否かを判定する(ステップS4)。制御部20は、震度換算値が所定の震度以上でなければ(ステップS4:NO)、今回の保護処理を終了し、ステップS1に戻る。
制御部20は、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上である場合(ステップS3:YES)、紙幣処理部12がバラ紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていれば、紙幣処理部12に対しこの搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、紙幣処理部12が集積紙幣あるいは束紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていれば、紙幣処理部12に対しこの搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、硬貨処理部13がバラ硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていれば、硬貨処理部13に対しバラ硬貨のこの搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、硬貨処理部13が集積硬貨あるいは棒金の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていれば、硬貨処理部13に対し棒金のこの搬送の上流側の繰り出し動作を停止させる(ステップS5)。
そして、制御部20は、ステップS5の直前まで紙幣処理部12がバラ紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、紙幣処理部12に対し、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
また、制御部20は、ステップS5の直前まで紙幣処理部12が集積紙幣あるいは束紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、紙幣処理部12に対し、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中の集積紙幣あるいは束紙幣の場所を確定できるまで搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
また、制御部20は、ステップS5の直前まで硬貨処理部13がバラ硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、硬貨処理部13に対し、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中のバラ硬貨の場所を確定できるまで搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
また、制御部20は、ステップS5の直前まで硬貨処理部13が集積硬貨あるいは棒金の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、硬貨処理部13に対し、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中の集積硬貨あるいは棒金の場所を確定できるまで搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
ここで、貨幣処理装置11内で貨幣の場所を確定できる場所は、入金処理、返却処理および出金処理等の、保護処理以外の通常の貨幣処理で、貨幣を停止させずに連続して搬送する搬送の終点となる場所である。貨幣がバラ紙幣およびバラ硬貨である場合は、複数枚を移動させずに収容しておくことが通常の貨幣処理に行われる収容場所である。
そして、制御部20は、紙幣処理部12がステップS5の直前までバラ紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中のバラ紙幣の場所を確定後、紙幣処理部12に対し、このようにバラ紙幣を搬送していた部分の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
また、制御部20は、紙幣処理部12がステップS5の直前まで集積紙幣あるいは束紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中の集積紙幣あるいは束紙幣の場所を確定後、紙幣処理部12に対し、このように集積紙幣あるいは束紙幣を搬送していた部分の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
また、制御部20は、硬貨処理部13がステップS5の直前までバラ硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中のバラ硬貨の場所を確定後、硬貨処理部13に対し、バラ硬貨を搬送していた部分の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
また、制御部20は、硬貨処理部13がステップS5の直前まで集積硬貨あるいは棒金の搬送の上流側の繰り出し動作を行っていた場合、この搬送の上流側の繰り出し動作で繰り出されて搬送中の集積硬貨あるいは棒金の場所を確定後、硬貨処理部13に対し、このように集積硬貨あるいは棒金を搬送していた部分の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
以上のステップS5〜S7が、紙幣処理部12のバラ紙幣、集積紙幣および束紙幣の少なくともいずれか一つからなる紙幣の貨幣処理の動作中に、振動検知部19により所定値以上の振動が検知されると、紙幣処理部12に対し、紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、搬送中の紙幣の場所を確定後、搬送動作すなわち貨幣処理動作を停止させる第1の保護処理である。また、ステップS5〜S7は、硬貨処理部13のバラ硬貨、集積硬貨および棒金のうちの少なくともいずれか一つからなる硬貨の貨幣処理の動作中に、振動検知部19により所定値以上の振動が検知されると、硬貨処理部13に対し、硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、搬送中の硬貨の場所を確定後、搬送動作すなわち貨幣処理動作を停止させる第1の保護処理である。
制御部20は、第1の保護処理を行うと、この貨幣処理装置11の識別情報と、ステップS2において振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、制御部20により実行した、第1の保護処理に関する情報とを、対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる(ステップS8)。
ここで、ステップS8で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる振動値は、貨幣処理動作を停止する基準である所定の閾値以上である。よって、この振動値は、基準以上の外部衝撃の検知により貨幣処理動作を停止した旨を示すことになる。言い換えれば、ステップS8で記憶部18に記憶される管理ログデータは、外部衝撃の検知により貨幣処理動作を停止した旨の情報を含んでいる。
また、管理ログデータに含まれる第1の保護処理に関する情報は、例えば、第1の保護処理で停止させた搬送の始点の識別情報と、第1の保護処理の搬送の終点の場所すなわち第1の保護処理によって確定した貨幣の場所についての識別情報と、第1の保護処理で場所が確定した貨幣の数量情報等である。
例えば、一のバラ紙幣入金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ紙幣入金処理の搬送の始点である紙幣入金部30によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ紙幣入金処理でそれまでに紙幣入金部30から繰り出されて、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第3紙幣搬送部42のいずれかで搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第3紙幣搬送部42によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ紙幣入金処理の搬送の始点である紙幣入金部30から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる紙幣収納出金部45の一時貯留領域、紙幣収納部46の一時貯留領域および紙幣出金返却部31のいずれかに搬送されると、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35、第3紙幣搬送部42、紙幣収納出金部45、紙幣収納部46および紙幣出金返却部31に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、紙幣入金部30の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を、紙幣収納出金部45の一時貯留領域、紙幣収納部46の一時貯留領域および紙幣出金返却部31のうちのバラ紙幣が搬送されたものに確定することができる。
その際に、紙幣識別計数部35の識別結果から、紙幣収納出金部45の一時貯留領域に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、紙幣収納部46の一時貯留領域に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数とについても確定することができる。他方、紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれなければ、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。このとき、この一のバラ紙幣入金処理の開始時に紙幣入金部30に投入されたバラ紙幣は、紙幣入金部30に残っているバラ紙幣と、紙幣出金返却部31に繰り出されたバラ紙幣と、紙幣収納出金部45の一時貯留領域に一時貯留されているバラ紙幣と、紙幣収納部46の一時貯留領域に一時貯留されているバラ紙幣とを合わせたものになる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一のバラ紙幣入金処理において、ステップS5の紙幣入金部30の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第3紙幣搬送部42の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ紙幣入金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ紙幣入金処理の識別情報と、この一のバラ紙幣入金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた搬送の始点となる紙幣入金部30の識別情報と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣収納出金部45の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣収納出金部45に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣入金処理において紙幣収納出金部45に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣収納部46の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣収納部46に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣入金処理において紙幣収納部46に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金返却部31の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣入金処理において紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。ここで、紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣に重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合、その金種別の枚数は、推定値として記憶する。
また例えば、一のバラ紙幣返却処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ紙幣返却処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ紙幣返却処理でそれまでに紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域から繰り出されて、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ紙幣返却処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる紙幣出金返却部31に搬送されると、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34、第1紙幣搬送部29および紙幣出金返却部31に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を紙幣出金返却部31に確定することができる。
なお、このとき、紙幣識別計数部35の識別結果から、紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれなければ、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。また、このとき、この一のバラ紙幣返却処理で返却すべきバラ紙幣は、紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域に残っているものと、紙幣出金返却部31に搬送されたものとからなる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一のバラ紙幣返却処理において、紙幣収納出金部45および紙幣収納部46の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ紙幣返却処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ紙幣返却処理の識別情報と、この一のバラ紙幣返却処理で第1の保護処理を実行した旨と、紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣収納部46の一時貯留領域のうち、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた搬送の始点となるものの識別情報と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金返却部31の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣返却処理において紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この一のバラ紙幣返却処理の直前のバラ紙幣入金処理時に受け入れ可能と識別され計数されたバラ紙幣の金種別の枚数と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
ここで、この一のバラ紙幣返却処理において、紙幣識別計数部35が、バラ紙幣の重送や識別不良を検出した場合には、紙幣収納出金部45の一時貯留領域、紙幣収納部46の一時貯留領域および紙幣出金返却部31のバラ紙幣の金種別の枚数が推定値となるため、推定値として記憶させる。
また例えば、一のバラ紙幣出金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ紙幣出金処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ紙幣出金処理でそれまでに紙幣収納出金部45から繰り出されて、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ紙幣出金処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる紙幣出金返却部31および紙幣出金リジェクト庫32のいずれかに搬送されると、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34、第1紙幣搬送部29、紙幣出金返却部31および紙幣出金リジェクト庫32に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を紙幣出金返却部31および紙幣出金リジェクト庫32のバラ紙幣が搬送されたものに確定することができる。
なお、このとき、紙幣識別計数部35の識別結果から、紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣については、金種別の枚数も確定できる。また、紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれなければ、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一のバラ紙幣出金処理において、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ紙幣出金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ紙幣出金処理の識別情報と、この一のバラ紙幣出金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた始点である紙幣収納出金部45の識別情報と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金返却部31の識別情報と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理で紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣出金処理において紙幣出金返却部31に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金リジェクト庫32の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣出金処理において紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一の束紙幣出金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一の束紙幣出金処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一の束紙幣出金処理でそれまでに紙幣収納出金部45から繰り出されて、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一の束紙幣出金処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる整列部36および紙幣出金リジェクト庫32のいずれかに搬送されると、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34、第1紙幣搬送部29、整列部36および紙幣出金リジェクト庫32に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を整列部36および紙幣出金リジェクト庫32のうちのバラ紙幣が搬送されたものに確定することができる。
なお、このとき、紙幣識別計数部35の識別結果から、整列部36に搬送されたバラ紙幣については、金種別の枚数も確定できる。他方、紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれない場合は、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一の束紙幣出金処理において、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一の束紙幣出金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一の束紙幣出金処理の識別情報と、この一の束紙幣出金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた始点である紙幣収納出金部45の識別情報と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる整列部36の識別情報と、この第1の保護処理で整列部36に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一の束紙幣入金処理において整列部36に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金リジェクト庫32の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、この第1の保護処理が実行された一の束紙幣入金処理において紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一の束紙幣出金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一の束紙幣出金処理の搬送の始点である整列部36による集積紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一の束紙幣出金処理でそれまでに整列部36から繰り出されて、昇降搬送部37で搬送中の集積紙幣の場所が確定できるまで、昇降搬送部37による集積紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一の束紙幣出金処理の搬送の始点である整列部36から、停止直前までに繰り出された集積紙幣が、終点となる結束部38に搬送されると、昇降搬送部37および結束部38に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、搬送中であった集積紙幣の場所を、結束部38に確定することができる。その際に、紙幣識別計数部35の識別結果から、結束部38に搬送された集積紙幣の金種および枚数についても確定することができる。
このようにして集積紙幣の場所を確定後、この一の束紙幣出金処理において、結束部38に集積紙幣を搬送していた昇降搬送部37の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一の束紙幣出金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一の束紙幣出金処理の識別情報と、この一の束紙幣出金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理で集積紙幣の繰り出し動作を停止させた搬送の始点である整列部36の識別情報と、この第1の保護処理で集積紙幣の搬送の終点となる結束部38の識別情報と、この第1の保護処理で結束部38に搬送された集積紙幣の金種別の枚数と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一のバラ紙幣回収処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ紙幣回収処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ紙幣回収処理でそれまでに紙幣収納出金部45から繰り出されて、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29で搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ紙幣回収処理の搬送の始点である紙幣収納出金部45から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる収納カセット47および紙幣出金リジェクト庫32のいずれかに搬送されると、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34、第1紙幣搬送部29、収納カセット47および紙幣出金リジェクト庫32に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を収納カセット47および紙幣出金リジェクト庫32のうちのバラ紙幣が搬送されたものに確定することができる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一のバラ紙幣回収処理において、紙幣収納出金部45の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第3紙幣搬送部42、紙幣識別計数部35、第2紙幣搬送部34および第1紙幣搬送部29の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
なお、このとき、紙幣識別計数部35の識別結果から、収納カセット47に搬送されたバラ紙幣については、金種別の枚数も確定できる。他方、紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれない場合は、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ紙幣回収処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ紙幣回収処理の識別情報と、この一のバラ紙幣回収処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた搬送の始点である紙幣収納出金部45の識別情報と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる収納カセット47の識別情報と、この第1の保護処理で収納カセット47に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣回収処理において収納カセット47に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金リジェクト庫32の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣回収処理において紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一のバラ紙幣補充処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ紙幣補充処理の搬送の始点である収納カセット47によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ紙幣補充処理でそれまでに収納カセット47から繰り出されて、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第1紙幣搬送部29で搬送中のバラ紙幣の場所が確定できるまで、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第1紙幣搬送部29によるバラ紙幣の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ紙幣補充処理で収納カセット47から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ紙幣が、終点となる紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣出金リジェクト庫32のいずれかに搬送されると、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35、第1紙幣搬送部29、紙幣収納出金部45および紙幣出金リジェクト庫32に設けられた図示略の紙幣検知センサの検知結果から、収納カセット47の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ紙幣の場所を紙幣収納出金部45の一時貯留領域および紙幣出金リジェクト庫32のうちのバラ紙幣が搬送されたものに確定することができる。
このようにしてバラ紙幣の場所を確定後、この一のバラ紙幣補充処理において、収納カセット47の繰り出し動作の停止時点でバラ紙幣を搬送していた、第3紙幣搬送部42、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第1紙幣搬送部29の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
なお、このとき、紙幣識別計数部35の識別結果から、紙幣収納出金部45の一時貯留領域に搬送されたバラ紙幣については、金種別の枚数も確定できる。また、紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣については、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれない場合は、金種別の枚数を確定することができるが、重送や識別不良のバラ紙幣が含まれる場合は、有無を確定することができるものの、金種別の枚数は推定値となる。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ紙幣補充処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ紙幣補充処理の識別情報と、この一のバラ紙幣補充処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ紙幣の繰り出し動作を停止させた搬送の始点となる収納カセット47の識別情報と、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣収納出金部45の一時貯留領域の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣収納出金部45の一時貯留領域に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣補充処理において紙幣収納出金部45の一時貯留領域に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理でバラ紙幣の搬送の終点となる紙幣出金リジェクト庫32の識別情報と、この第1の保護処理で紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、この第1の保護処理が実行された一のバラ紙幣回収処理において紙幣出金リジェクト庫32に搬送されたバラ紙幣の金種別の枚数(推定値の場合あり)と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一のバラ硬貨入金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一のバラ硬貨入金処理の搬送の始点である入金ホッパ71によるバラ硬貨の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ硬貨入金処理でそれまでに入金ホッパ71から繰り出されて、硬貨識別計数部72で搬送中のバラ硬貨の場所が確定できるまで、硬貨識別計数部72によるバラ硬貨の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ硬貨入金処理の搬送の始点である入金ホッパ71から、停止直前までに繰り出されたすべてのバラ硬貨が、終点となる硬貨一時貯留庫82および入金リジェクト箱75のいずれかに搬送されると、硬貨識別計数部72、硬貨一時貯留庫82および入金リジェクト箱75に設けられた図示略の硬貨検知センサの検知結果から、入金ホッパ71の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ硬貨の場所を硬貨一時貯留庫82および入金リジェクト箱75のうちのバラ硬貨が搬送されたものに確定することができる。その際に、硬貨一時貯留庫82に搬送されたバラ硬貨の金種別の枚数についても確定することができる。
このとき、この一のバラ硬貨入金処理の開始時に入金ホッパ71に投入されたバラ硬貨は、入金ホッパ71に残っているバラ硬貨と、入金リジェクト箱75に繰り出されたバラ硬貨と、硬貨一時貯留庫82に一時貯留されているバラ硬貨とを合わせたものになる。
このようにしてバラ硬貨の場所を確定後、この一のバラ硬貨入金処理において、入金ホッパ71の繰り出し動作の停止時点でバラ硬貨を搬送していた硬貨識別計数部72の搬送動作を停止させる(ステップS7)。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ硬貨入金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ硬貨入金処理の識別情報と、この一のバラ硬貨入金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ硬貨の繰り出し動作を停止させた始点である入金ホッパ71の識別情報と、この第1の保護処理でバラ硬貨の搬送の終点となる硬貨一時貯留庫82の識別情報と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理で硬貨一時貯留庫82に搬送されたバラ硬貨の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ硬貨入金処理において硬貨一時貯留庫82に搬送されたバラ硬貨の金種別の枚数と、この第1の保護処理でバラ硬貨の搬送の終点となる入金リジェクト箱75の識別情報と、この第1の保護処理で入金リジェクト箱75に搬送されたバラ硬貨の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ硬貨入金処理において入金リジェクト箱75に搬送されたバラ硬貨の枚数と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一のバラ硬貨出金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、搬送の始点である硬貨還流庫91によるバラ硬貨の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一のバラ硬貨出金処理でそれまでに硬貨還流庫91から繰り出されて、硬貨出金搬送部95で搬送中のバラ硬貨の場所が確定できるまで、硬貨出金搬送部95によるバラ硬貨の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一のバラ硬貨出金処理の搬送の始点である硬貨還流庫91から、停止直前までに硬貨出金搬送部95に繰り出されたすべてのバラ硬貨が、終点となる硬貨出金箱97に搬送されると、硬貨出金搬送部95および硬貨出金箱97に設けられた図示略の硬貨検知センサの検知結果から、硬貨還流庫91の繰り出し動作の停止時点で搬送中であったバラ硬貨の場所を硬貨出金箱97に確定することができる。
このようにしてバラ硬貨の場所を確定後、この一のバラ硬貨出金処理において、硬貨出金搬送部95の繰り出し動作停止時点でバラ硬貨を搬送していた、硬貨出金搬送部95の搬送動作を停止させる(ステップS7)。なお、このとき、硬貨出金箱97に繰り出したバラ硬貨については、金種別の枚数も確定できる。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一のバラ硬貨出金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一のバラ硬貨出金処理の識別情報と、この一のバラ硬貨出金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理でバラ硬貨の繰り出し動作を停止させた始点である硬貨還流庫91の識別情報と、この第1の保護処理でバラ硬貨の搬送の終点となる硬貨出金箱97の識別情報と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理で硬貨出金箱97に搬送されたバラ硬貨の金種別の枚数と、この第1の保護処理が実行された一のバラ硬貨出金処理において硬貨出金箱97に搬送されたバラ硬貨の金種別の枚数と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また例えば、一の棒金出金処理の動作中(ステップS1:YES)に、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS3:YES)、制御部20は、第1の保護処理として、この一の棒金出金処理の搬送の始点である棒金収納部112による棒金の繰り出し動作を停止させ(ステップS5)、この一の棒金出金処理でそれまでに棒金収納部112から繰り出されて、棒金出金リフト131で搬送中の棒金の場所が確定できるまで、棒金出金リフト131による棒金の搬送を継続させる搬送中貨幣の場所確定動作を行う(ステップS6)。
そして、この一の棒金出金処理の搬送の始点である棒金収納部112から、停止直前までに繰り出されたすべての棒金が、終点となる棒金出金口133に搬送されると、棒金出金リフト131および棒金出金口133に設けられた図示略の棒金検知センサの検知結果から、棒金収納部112の繰り出し動作の停止時点で搬送中であった棒金の場所を棒金出金口133に確定することができる。
このようにして棒金の場所を確定後、この一の棒金出金処理において、棒金収納部112の繰り出し動作の停止時点で棒金を搬送していた、棒金出金リフト131の搬送動作を停止させる(ステップS7)。なお、このとき、棒金出金口133に繰り出した棒金については、金種別の本数も確定できる。
加えて、制御部20は、この貨幣処理装置11の識別情報と、この一の棒金出金処理中に振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、この一の棒金出金処理の識別情報と、この一の棒金出金処理において第1の保護処理を実行した旨と、この第1の保護処理で棒金の繰り出し動作を停止させた始点である棒金収納部112の識別情報と、この第1の保護処理で棒金の搬送の終点となる棒金出金口133の識別情報と、を関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
これらに、この第1の保護処理で棒金出金口133に搬送された棒金の金種別の本数と、この第1の保護処理が実行された一の棒金出金処理において棒金出金口133に搬送された棒金の金種別の本数と、をさらに関連付けて、管理ログデータとして記憶部18に記憶させる(ステップS8)。
また、例えば、バラ硬貨を包装して棒金とする一の包装処理中に、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると、制御部20は、第1の保護処理として、硬貨集積包装部122において硬貨が集積中であって包装前の場合、硬貨集積包装部122を停止させる一方、硬貨が集積後包装中の場合、包装してから硬貨集積包装部122を停止させる。この場合、硬貨集積包装部122の棒金の包装状態に異常がないかを確認させるためのアラームを表示操作部14に発生させる。
図4に示すように、ステップS2において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上であるとステップS3において判定し、ステップS5〜S7で第1の保護処理を行い、ステップS8で、検知した振動に関する情報と第1の保護処理に関する情報とが対応付けられた管理ログデータを記憶部18に記憶すると、制御部20は、復旧動作の実行を促す画面表示を表示操作部14に表示させる(ステップS9)。制御部20は、例えば図8に示すように、振動を検知したことを示す「振動を検知しました。」のテキスト表示A1と、復旧動作の実行の入力を受け付ける「復旧」の操作入力表示B1とを表示させる。
その後、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作である操作入力表示B1へのタッチ操作が入力されると(ステップS10:YES)、制御部20は、貨幣処理装置11の復旧動作を行う(ステップS11)。この復旧動作は、例えば、装置内の搬送路に残留物がないか搬送ベルトを動かし、残留検知センサで確認する。残留物があれば、エラーを通知し、残留物が無く正常であれば、計数を再開する。
他方、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS10:NO)、制御部20は、振動検知部19で振動値を検知させるとともに(ステップS12)、この振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上であるか否か(ステップS13)と、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されるか否か(ステップS10)とを、所定時間監視し(ステップS10,S12,S13,S14)、この所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上にならず、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS10:NO、ステップS13:NO、ステップS14:YES)、待機モードに移行する(ステップS15)。この所定時間の間に、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されると(ステップS10:YES)、制御部20は、貨幣処理装置11の復旧動作を行う(ステップS11)。
待機モードでは、制御部20は、復旧動作の実行を促す画面表示を表示操作部14に表示させる。制御部20は、例えば図8に示すように、振動を検知したことを示す「振動を検知しました。」のテキスト表示A1と、復旧動作の実行の入力を受け付ける「復旧」の操作入力表示B1とを表示させ、その後、復旧動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されると、制御部20は、上記したステップS11と同様、貨幣処理装置11の復旧動作を行って、待機モードを終了する。
ステップS14で判断される所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS13:YES)、制御部20は、ステップS12において振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、装置電源をオフすることとを、上記した第1の保護処理の管理ログデータと対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる(ステップS16)。
そして、制御部20は、電源部15を制御して、貨幣処理装置11の装置電源をオフする(ステップS17)。装置電源をオフした後、制御部20は、ユーザーによる電源オンの操作が入力されると装置電源をオンする。このステップS17が、ステップS5〜S7の第1の保護処理およびステップS8での管理ログデータの記憶後、ステップS12,S13において振動検知部19により所定値以上の振動が再度検知されると、装置電源をオフする第2の保護処理である。このステップS17の第2の保護処理は、閾値以上の振動値の複数回の検知から意図的な衝撃と想定される衝撃を受けると、装置電源をオフする処理である。
ここで、上記したステップS8で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる振動値は、貨幣処理動作を停止する基準である所定の閾値以上であり、これと関連づけられてステップS16で記憶部18に記憶される管理ログデータも所定の閾値以上であり、よって、これらの振動値は、閾値以上の振動値の複数回の検知から意図的な衝撃と想定される衝撃を受けた旨の情報となる。
ステップS17は、待機時に意図的な衝撃と想定される衝撃を受けたことにより装置電源をオフする処理である。
制御部20は、上記したステップS4において、ステップS2で振動検知部19が検知した振動値の震度換算値が所定の震度である震度5相当以上であると(ステップS4:YES)、図5に示すステップS18〜S20において、上記したステップS5〜S7と同様の第1の保護処理を行う。
そして、ステップS21において、上記したステップS8と同様、この貨幣処理装置11の識別情報と、ステップS2において振動検知部19により検知された振動に関する情報である、振動値、その所定の震度以上の震度換算値およびその検知時刻と、制御部20により実行した、第1の保護処理に関する情報とを、対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる。ステップS21で記憶部18に記憶される管理ログデータには、所定震度以上の震度換算値が含まれており、この所定震度以上の震度換算値は、地震と想定される衝撃を受けたことにより貨幣処理動作を停止した旨の情報となる。
そして、制御部20は、ステップS22において、所定時間経過後に装置電源をオフすることを通知する画面表示を表示操作部14に表示させる。制御部20は、例えば図9に示すように、地震を検知したことを示す「地震を検知しました。」のテキスト表示C1と、所定時間X経過後に装置電源をオフすることを通知する「X秒後に電源をOFFします。」のテキスト表示D1と、装置電源のオフのキャンセルの入力を受け付ける「キャンセル」の操作入力表示E1とを表示させる。その後、ステップS23において、キャンセルの実行を選択するオペレーション操作である操作入力表示E1へのタッチ操作が入力されると(ステップS23:YES)、ステップS24において、上記したステップS11と同様、貨幣処理装置11の復旧動作を行う。キャンセル機能を設けることで、強制的に装置電源をオフすることを止めることができ、ユーザーへ装置電源のオフを実行するか否かの判断を委ねることが可能となる。
他方、ステップS23において、キャンセルの実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ、制御部20は、ステップS23,S25〜S27において、上記したステップS10,S12〜S14と同様、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になるか否かと、キャンセルの実行を選択するオペレーション操作が入力されるか否かとを所定時間監視する。そして、この所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上にならず、キャンセルの実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS23:NO、ステップS26:NO、ステップS27:YES)、ステップS28において装置電源をオフする。装置電源をオフした後、制御部20は、ユーザーによる電源オンの操作が入力されると装置電源をオンする。
ステップS27で判断される所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS26:YES)、制御部20は、ステップS29において、ステップS16と同様に、ステップS25で振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、装置電源をオフすることとを、上記したステップS18〜S20の第1の保護処理の管理ログデータと対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる。
そして、制御部20は、ステップS30において、ステップS17と同様に、電源部15を制御して、貨幣処理装置11の装置電源をオフする。このステップS30が、ステップS18〜S20の第1の保護処理後、ステップS25,S26で振動検知部19により所定値以上の振動が再度検知されると、装置電源をオフする第2の保護処理である。このステップS30の第2の保護処理は、所定の震度以上の震動を検知した後の閾値以上の振動値の検知から余震と想定される衝撃を受けると、装置電源をオフする処理である。
ここで、上記したステップS21で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる震度換算値は、貨幣処理動作を停止する基準である所定の震度以上であり、これと関連づけられてステップS29で記憶部18に記憶される管理ログデータは、所定の閾値以上であり、よって、これらの振動値は、地震と想定される衝撃を受けた後、余震と想定される衝撃を受けた旨の情報となる。
制御部20は、図4に示すステップS1において、貨幣処理動作中でない場合には(ステップS1:NO)、図6に示すステップS31〜S33において、上記したステップS2〜S4と同様に、振動検知部19で振動値を検知させ、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上であるか否かを判定し、検知した振動値が所定の閾値以上でなければ、振動検知部19で検知した振動値の震度換算値が所定の震度、具体的には震度5以上であるか否かを判定する。制御部20は、震度換算値が所定の震度以上でなければ(ステップS33:NO)、今回の保護処理を終了し、ステップS1に戻る。
制御部20は、ステップS31において振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上である場合(ステップS32:YES)、この貨幣処理装置11の識別情報と、振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻を、対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる(ステップS34)。
ここで、ステップS34で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる振動値は、貨幣処理動作を停止する基準である所定の閾値以上である。よって、この振動値は、待機時に基準以上の外部衝撃を検知した旨を示すことになる。言い換えれば、ステップS34で記憶部18に記憶される管理ログデータは、待機時に外部衝撃を検知した旨の情報を含んでいる。
ステップS34で、管理ログデータを記憶部18に記憶すると、制御部20は、復旧動作またはイニシャル動作の実行を促す画面表示を表示操作部14に表示させる(ステップS35)。
その後、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されると(ステップS36:YES)、制御部20は、貨幣処理装置11の復旧動作あるいはイニシャル動作を行う(ステップS37)。復旧動作は、例えば、装置内の搬送路に残留物がないか搬送ベルトを動かし、残留検知センサで確認する。残留物があれば、エラーを通知し、残留物が無く正常であれば、待機モードに移行する。
他方、ステップS36において、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS36:NO)、制御部20は、ステップS36,S38〜S40において、上記したステップS23,S25〜S27と同様、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になるか否かと、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されるか否かとを、所定時間監視する。そして、ステップS40で判断される所定時間の間に、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上にならず、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS36:NO、ステップS39:NO、ステップS40:YES)、ステップS41において、ステップS15と同様の待機モードに移行する。
ステップS40で判断される所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS39:YES)、制御部20は、ステップS42において、ステップS38で振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、装置電源をオフすることとを、上記したステップS34で記憶した管理ログデータと対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる。そして、制御部20は、ステップS43において、ステップS17と同様に、電源部15を制御して、貨幣処理装置11の装置電源をオフする。
ここで、上記したステップS34で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる振動値は、所定の閾値以上であり、これと関連づけられてステップS42で記憶部18に記憶される管理ログデータも所定の閾値以上であり、よって、これらの振動値は、閾値以上の振動値の複数回の検知から意図的な衝撃と想定される衝撃を受けた旨の情報となる。ステップS43は、待機時に意図的な衝撃と想定される衝撃を複数回受けたことにより装置電源をオフする処理である。
制御部20は、上記したステップS33において、振動検知部19が検知した振動値の震度換算値が所定の震度である震度5相当以上であると(ステップS33:YES)、図7に示すステップS44において、上記したステップS34と同様、この貨幣処理装置11の識別情報と、ステップS31において振動検知部19により検知された振動に関する情報である、振動値、その所定の震度以上の震度換算値およびその検知時刻とを、対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させ、ステップS45において、上記したステップS35と同様、復旧動作またはイニシャル動作の実行を促す画面表示を表示操作部14に表示させる。ステップS44で記憶部18に記憶される管理ログデータに含まれる、所定の震度以上の震度換算値は、待機時に地震と想定される衝撃を受けた旨を示している。
その後、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されると(ステップS46:YES)、制御部20は、ステップS37と同様、貨幣処理装置11の復旧動作またはイニシャル動作を行う(ステップS47)。
他方、ステップS46において、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ、制御部20は、ステップS46,S48〜S50において、上記したS36,S38〜S40と同様、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になるか否かと、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されるか否かとを所定時間監視し、ステップS50で判断される所定時間の間に振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上にならず、復旧動作またはイニシャル動作の実行を選択するオペレーション操作が入力されなければ(ステップS46:NO、ステップS49:NO、ステップS50:YES)、ステップS51において、ステップS28と同様、装置電源をオフする。
ステップS50で判断される所定時間の間に、ステップS48で振動検知部19によって検知した振動値が所定の閾値以上になると(ステップS49:YES)、制御部20は、ステップS52において、ステップS48で振動検知部19により検知された振動に関する情報である、所定の閾値以上の振動値、その震度換算値およびその検知時刻と、装置電源をオフすることとを、上記したステップS44で記憶した管理ログデータと対応付けて管理ログデータとして記憶部18の管理ログ記憶領域23に記憶させる。
そして、制御部20は、ステップS53において、ステップS43と同様に、電源部15を制御して、貨幣処理装置11の装置電源をオフする。このステップS53は、所定の震度以上の震動を検知した後の閾値以上の振動値の検知から余震と想定される衝撃を受けると、装置電源をオフする処理である。ステップS52で記憶部18に記憶される管理ログデータには、待機時に地震と想定される衝撃を受けた後、余震と想定される衝撃を受けたことにより電源オフした旨の情報を含んでいる。
以上に述べた第1実施形態によれば、振動を検知する振動検知部19が貨幣処理装置11に、振動検知時の保護対象の紙幣処理部12および硬貨処理部13とともに具備されており、この振動検知部19により実際に検知された振動に応じて、制御部20が紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護する保護処理を行うため、緊急地震速報に基づいて制御を行う場合と比べて、トラブル回避の正確性を高めることができる。すなわち、緊急地震速報が発生されない状況で、地震や外部からの強い衝撃等が生じた場合に、誤動作や現金障害又は装置故障等が発生するリスクを低減することができる。また、緊急地震速報に基づいて制御を行う場合は、緊急地震速報が発生されると、建物自体に免震構造が備わっている場合でも、装置の処理動作が停止してしまうが、実際に装置に生じた振動を検知した情報により装置の保護を実行することで過剰な動作停止や電源のオフを抑制することができる。
また、記憶部18が、外的要因によるトラブルが発生した場合の記録として、振動検知部19により検知された振動に関する情報と、制御部20により実行した保護処理に関する情報とが対応付けられた管理ログデータを記憶して残すため、外的要因によるトラブルが発生しても、トラブルの原因追求が可能となる。すなわち、振動検知時に確定貨幣計数記録を直ちに保存することにより、電断が発生した場合でも違算の発生を抑制することができる。
また、紙幣処理部12の紙幣処理の動作中に振動検知部19により所定値以上の振動が検知されると、制御部20が、紙幣処理部12に対し、紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、搬送中の紙幣の場所を装置内外のいずれか確定可能な場所に確定後、搬送動作を停止させる第1の保護処理を行う。よって、紙幣の搬送の上流側の繰り出し動作を継続してしまうことによるトラブルと、紙幣の搬送を中断してしまうことによるトラブルとを回避できる。加えて、単に行員が装置にぶつかってしまった場合や単発的な地震の発生の場合は、オペレータの操作により容易に復旧可能である。
また、硬貨処理部13の硬貨処理の動作中に振動検知部19により所定値以上の振動が検知されると、制御部20が、硬貨処理部13に対し、硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を停止させ、搬送中の硬貨の場所を装置内外のいずれか確定可能な場所に確定後、搬送動作を停止させる第1の保護処理を行う。よって、硬貨の搬送の上流側の繰り出し動作を継続してしまうことによるトラブルと、硬貨の搬送を中断してしまうことによるトラブルとを回避できる。
また、第1の保護処理後、振動検知部19により所定値以上の振動が再度検知されると、制御部20は、装置電源をオフする第2の保護処理を行う。よって、意図的な衝撃を複数回受けた場合や地震発生後に余震が発生した場合に、装置電源をオフすることになり、重大なトラブルに発展することを抑制することができる。
また、制御部20が、第2の保護処理において、装置電源のオフのキャンセルの入力を受け付けるため、装置電源をオフすることを止めることができ、ユーザーへ装置電源のオフを実行するか否かの判断を委ねることが可能となる。
なお、第1実施形態では、貨幣処理中の第1の保護処理において、貨幣処理の搬送中の貨幣を本来の行き先に搬送してから搬送を停止するようにしたが、これに限定されることはなく、搬送中の貨幣を搬送経路的に最も近い、場所を確定可能な場所に搬送してから搬送を停止するようにしても良い。
例えば、一のバラ紙幣入金処理の動作中に、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると、制御部20は、この一のバラ紙幣入金処理の搬送の始点である紙幣入金部30によるバラ紙幣の繰り出し動作を停止させ、この一のバラ紙幣入金処理でそれまでに紙幣入金部30から繰り出されて、第1紙幣搬送部29、第2紙幣搬送部34、紙幣識別計数部35および第3紙幣搬送部42で搬送中のバラ紙幣を、本来の行き先が紙幣収納部46や紙幣出金返却部31であったとしても、可能なものは、本来の行き先よりも搬送距離が短くなる紙幣収納出金部45に搬送し、紙幣収納出金部45の一時貯留領域に一時貯留させることによって、場所を紙幣収納出金部45に確定するようにする。
また例えば、一のバラ硬貨入金処理の動作中に、振動検知部19で検知した振動値が所定の閾値以上になると、制御部20は、この一のバラ硬貨入金処理の搬送の始点である入金ホッパ71によるバラ硬貨の繰り出し動作を停止させ、この一のバラ硬貨入金処理でそれまでに入金ホッパ71から繰り出されて、硬貨識別計数部72で搬送中のバラ硬貨を、識別結果を無視して強制排除して、搬送距離が短くなる入金リジェクト箱75に搬送することによって、場所を入金リジェクト箱75に確定するようにする。
また、紙幣処理部12に対する保護処理として、結束部38の施封用ヒータをオフするようにしても良い。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を主に図10を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
図10に示すように、第2実施形態に係る管理装置201は、複数の貨幣処理装置11Bと別体で別位置に設置されてこれら貨幣処理装置11Bを個別に制御する。管理装置201は、複数の貨幣処理装置11Bとともに貨幣処理システム202を構成している。
そして、管理装置201は、管理装置201に生じた振動を直接検知する振動検知部19と、貨幣処理装置11Bの各種管理に関する管理ログデータを記憶する管理ログ記憶領域23を有する記憶部18A(記憶手段)と、管理装置201および貨幣処理装置11Bの各部を制御する制御部20A(保護手段)とを有している。管理装置201は、各貨幣処理装置11Bと通信可能であり、各貨幣処理装置11Bと通信するための通信部205(送信手段,受信手段)を備えている。記憶部18A、振動検知部19、制御部20Aおよび通信部205は、管理装置201の外側部分を構成する筐体207内に設けられている。
貨幣処理装置11Bは、第1実施形態と同様の紙幣処理部12と、第1実施形態と同様の硬貨処理部13と、第1実施形態と同様の表示操作部14と、第1実施形態と同様の電源部15と、貨幣の在高データを記憶する在高データ記憶領域22を有する記憶部18Bと、貨幣処理装置11Bの各部を制御する制御部20Bとを有している。貨幣処理装置11Bは、管理装置201と通信可能であり、管理装置201と通信するための通信部211を備えている。第2実施形態では、紙幣処理部12、硬貨処理部13、表示操作部14、電源部15、記憶部18B、制御部20Bおよび通信部211が、貨幣処理装置11Bの外側部分を構成する筐体21Bに設けられている。
第2実施形態では、貨幣処理装置11Bについての第1実施形態の保護処理以外の各貨幣処理は、貨幣処理装置11Bの制御部20Bの制御で行うことになり、貨幣処理装置11Bに対して行われる第1実施形態と同様の保護処理を、管理装置201の制御部20Aの制御で行う。
すなわち、管理装置201の制御部20Aは、管理装置201に設けられた振動検知部19により検知された振動に応じて、接続されたすべての貨幣処理装置11Bの紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護する保護処理を行う。その際に、管理装置201は、通信部205が、振動検知部19により検知された振動に応じた制御部20Aの、貨幣処理装置11Bの紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護するための制御信号を、管理装置201と通信可能に接続されたすべての貨幣処理装置11Bの通信部211に送信する。管理装置201と通信可能に接続されたすべての貨幣処理装置11Bが、この制御信号に基づいて第1実施形態と同様の保護処理を行う。
また、管理装置201は、その通信部205が、貨幣処理装置11Bの通信部211に送信した制御部20Aの制御信号によりすべての貨幣処理装置11Bが実行した保護処理に関する情報を、すべての貨幣処理装置11Bの通信部211から受信する。そして、管理装置201は、記憶部18Aが、振動検知部19により検知された振動に関する情報と、通信部205により受信した、制御部20Aの制御信号により実行した各貨幣処理装置11Bの保護処理に関する情報とが対応付けられた、各貨幣処理装置11B毎の第1実施形態と同様の管理ログデータを管理ログ記憶領域23に記憶するようになっている。
管理装置201と複数台の貨幣処理装置11Bとが通信可能に接続されて構成される貨幣処理システム202では、管理装置201の振動検知部19で検知した振動が、複数台の貨幣処理装置11Bにも同様に生じていると判断できる範囲内に複数台の貨幣処理装置11Bを設置するのが好ましい。貨幣処理システム202は、管理装置201と複数台の貨幣処理装置11Bとが、例えば、同じ店舗内に設置されることになる。同じ店舗内でフロアが複数階に分かれる場合は、フロアごとに振動の大きさが異なる可能性があるため、フロアごとに、管理装置201と複数台の貨幣処理装置11Bとで構成される貨幣処理システム202を設置するのが好ましい。
以上に述べた第2実施形態によれば、振動を検知する振動検知部19が管理装置201に具備されており、この振動検知部19により実際に検知された振動に応じて、管理装置201の通信部205が、貨幣処理装置11Bを保護するための制御信号を、通信可能に接続されたすべての貨幣処理装置11Bに送信する。すると、通信可能に接続されたすべての貨幣処理装置11Bが、この制御信号により制御されて保護処理を実行する。よって、第1実施形態と同様、トラブル回避の正確性を高めることができる。
そして、管理装置201の通信部205が、通信可能なすべての貨幣処理装置11Bから、制御信号により実行した保護処理に関する情報を受信すると、管理装置201の記憶部18Aが、振動検知部19により検知された振動に関する情報と、通信部205により受信した、制御信号により実行した保護処理に関する情報とが対応付けられた管理ログデータを記憶する。よって、第1実施形態と同様、トラブルの原因追求が可能となる効果を奏することができる。
加えて、管理装置201は、振動検知部19を備えており、1台で複数台の貨幣処理装置11Bを制御することができることになるため、各貨幣処理装置11Bに振動検知部を設ける必要がなくなる。したがって、特に管理装置201が複数の貨幣処理装置11Bを制御する場合に貨幣処理システム202全体の低コスト化が図れる。勿論、1台の管理装置201と1台の貨幣処理装置11Bとで貨幣処理システム202を構成することも可能である。
なお、第1実施形態の貨幣処理装置11に第2実施形態の通信部205を設けることで、第1実施形態の貨幣処理装置11と第2実施形態の複数の貨幣処理装置11Bとを通信可能として、貨幣処理装置11を貨幣処理親機とし、複数の貨幣処理装置11Bを貨幣処理子機とする貨幣処理システムを構成しても良い。
その場合、貨幣処理装置11の制御部20が、この貨幣処理装置11に第1実施形態と同様の保護処理を行うとともに、管理装置201の制御部20Aと同様に、通信可能な複数の貨幣処理装置11Bについても、第1実施形態と同様の保護処理を行う。すなわち、貨幣処理装置11の制御部20は、この貨幣処理装置11に設けられた振動検知部19により検知された振動に応じてこの貨幣処理装置11の紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護する保護処理を行うとともに、管理装置201の制御部20Aと同様に、この貨幣処理装置11に設けられた振動検知部19により検知された振動に応じて、通信可能なすべての貨幣処理装置11Bの紙幣処理部12および硬貨処理部13を保護する保護処理を行う。
そして、貨幣処理装置11の記憶部18は、この貨幣処理装置11が実行した保護処理に関する情報と、この貨幣処理装置11の振動検知部19により検知された振動に関する情報とが対応付けられた、この貨幣処理装置11についての第1実施形態と同様の管理ログデータを管理ログ記憶領域23に記憶するとともに、貨幣処理装置11Bに送信した制御部20の制御信号によりすべての貨幣処理装置11Bが実行した保護処理に関する情報を、この貨幣処理装置11の振動検知部19により検知された振動に関する情報と対応付けた、各貨幣処理装置11B毎の第1実施形態と同様の管理ログデータを管理ログ記憶領域23に記憶する。
以上の第1,第2実施形態においては、貨幣処理として紙幣の入出金処理および硬貨の入出金処理を行う貨幣処理装置11,11Bを例にとり説明したが、貨幣処理装置11,11Bは、紙幣の入金処理、紙幣の出金処理、硬貨の入金処理および硬貨の出金処理のうちの少なくともいずれか一つの貨幣処理を行う貨幣処理装置であれば良い。