JP2007193141A - 電子写真用転写紙及び画像記録方法 - Google Patents

電子写真用転写紙及び画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007193141A
JP2007193141A JP2006011680A JP2006011680A JP2007193141A JP 2007193141 A JP2007193141 A JP 2007193141A JP 2006011680 A JP2006011680 A JP 2006011680A JP 2006011680 A JP2006011680 A JP 2006011680A JP 2007193141 A JP2007193141 A JP 2007193141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
image
electrostatic latent
electrophotographic
latent image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006011680A
Other languages
English (en)
Inventor
Chizuru Koga
千鶴 古賀
Tsukasa Matsuda
司 松田
Toshiyuki Kasahara
敏幸 笠原
Kozo Ota
耕造 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006011680A priority Critical patent/JP2007193141A/ja
Priority to US11/443,371 priority patent/US7998592B2/en
Priority to CN2006101101999A priority patent/CN101004562B/zh
Priority to KR1020060077033A priority patent/KR100861520B1/ko
Priority to TW095137483A priority patent/TWI346261B/zh
Publication of JP2007193141A publication Critical patent/JP2007193141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成装置におけるトナー像の熱定着時の臭気を低減する。
【解決手段】電子写真用転写紙において、用紙からのフラン化合物の放散量を所定量以下にすることにより、電子写真方式の画像形成装置におけるトナー像の熱定着時の臭気を低減することができる。また、電子写真方式の画像記録方法において、連続プリントしながら用紙排出口から吸引したガス中の、フラン化合物の量を所定量以下にすることにより、トナー像の熱定着時の臭気を低減することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真用転写紙及び画像記録方法に関するものである。
レーザープリンタや複写機といった電子写真方式の画像形成装置はいまやほとんどのオフィスに浸透している。オフィスは多くの人々が一日の大半をすごす生活の場であり、そのような場所に設置される性格上、プリンタ、複写機等は騒音、臭気、熱といった人に不快感を与えるものの排出を低減するように努力されてきた。
特に、臭気に関しては、電子写真方式では用紙上に転写されたトナー像を熱定着するため、その際に放散されるトナー、用紙、定着部材などに含まれる低分子成分が臭いの一因となっていた。
この熱定着時の低分子成分放散を低減するためにさまざまな検討がなされてきた。例えば、ケミカルトナー製造時の連鎖移動剤の種類を特定することでトナーからの悪臭成分を低減する方法(例えば特許文献1参照)や、トナーの製造工程や梱包時に消臭剤を添加する方法、トナーの粒子径を規定し、トナー内の未反応モノマ量を低減する方法など、トナーの由来の臭気を低減する方法が多数提案されてきている。また、用紙に消臭剤を含有するマイクロカプセルを保持させて、トナーを熱定着する際に消臭成分を揮発させる方法(例えば特許文献2参照)もある。
特開2002−40711号公報 特開2002−268260号公報
このように、トナーの熱定着時に発生する臭気に関してはかなり改善されてきているものの、環境上の問題等からよりいっそうの低減が求められている。また、用紙由来の臭気成分自体の低減や、原因物質への対策を打つという方法は、これまで提案されていない。
本発明は、電子写真方式の画像形成装置におけるトナー像の熱定着時の臭気を低減することが可能な電子写真用転写紙及び画像記録方法である。
本発明は、電子写真方式の画像形成における記録用紙として用いられる電子写真用転写紙であって、ヘッドスペース法で測定した、1cm×1cmの大きさの前記転写紙2枚を120℃で3分間保持した際に発生するガスのクロマトグラフにおいて、フラン化合物の発生量がピーク面積率で3%以下、且つピーク面積で1000以下である。
また、本発明は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、前記静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電画像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程とを含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、前記定着工程において前記記録用紙に加えられる総熱供給量が0.25以上であり、連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルを加熱脱着法でガスクロマトグラフ・質量分析計にて測定した時の、フラン化合物の量が、ピーク面積率で0.8%以下である。
また、本発明は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、前記静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電画像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程とを含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、前記定着工程において前記記録用紙に加えられる総熱供給量が0.25未満であり、連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルを加熱脱着法でガスクロマトグラフ・質量分析計にて測定した時の、フラン化合物の量が、ピーク面積率で0.5%以下である。
また、前記画像記録方法において、前記記録用紙として前記電子写真用転写紙を使用することが好ましい。
本発明では、電子写真用転写紙において、用紙からのフラン化合物の放散量を所定量以下にすることにより、電子写真方式の画像形成装置におけるトナー像の熱定着時の臭気を低減することが可能である。
また本発明では、電子写真方式の画像記録方法において、連続プリントしながら用紙排出口から吸引したガス中の、フラン化合物の量を所定量以下にすることにより、トナー像の熱定着時の臭気を低減することが可能である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明者らは、電子写真方式の画像形成装置における熱定着時の臭気発生について鋭意検討した結果、用紙由来の臭気成分に着目し、用紙からのその臭気成分の放散量を低減することにより、トナー像の熱定着時の臭気が低減することを見出した。
<電子写真用転写紙>
本発明の実施形態に係る電子写真用転写紙(以下、適宜、単に「用紙」と称する場合がある。)は、ヘッドスペース法で測定した、1cm×1cmの用紙を2枚、120℃で3分加熱した際に放散されるガスのクロマトグラフにおいて、フラン化合物の発生量がピーク面積率で3%以下であり、1.0%以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る電子写真用転写紙においては、熱定着時の臭気をより低減させるという観点から、ヘッドスペース法で測定した、1cm×1cmの用紙を2枚、120℃で3分間加熱した場合に放散されるガスのクロマトグラフにおいて、該フラン化合物のピーク面積は1000以下であり、500以下であることが好ましい。
ここで、「ヘッドスペース法」とは液体、もしくは固体の試料を密閉容器に挿入し、容器ごと加熱して液気平衡化、または気固平衡化させた状態で、試料上部の空間(この部分をヘッドスペースという)に抽出されたガスサンプルを採取して、ガスクロマトグラフで分析する方法である。本実施形態では、20mLのバイアル中に用紙を1cm×1cmの大きさに二枚切り出したものを投入し、120℃に保持されたトラップサンプラー内で3分間保持した後に窒素ガスを120kPaの圧力でバイアルに供給しインジェクションタイム0.15分で、ガスクロマトグラフ・質量分析計にヘッドスペースガスを導入して測定したものである。熱分解と異なり、実際に電子写真方式で熱定着過程を通過するのに近い条件での放散物を確認することができるため、複写機やプリンタから大気中に放散される化学物質と同じ構造の物質が得られやすい。
フラン化合物は、複写機やプリンタの排気成分として確認されることがあり、低分子のセルロース、低分子の澱粉、内添サイズ剤であるアルケニル無水コハク酸(ASA)など用紙中に含まれる多くの物質から放散される物質である。加熱した時のフラン化合物の発生量が少ない電子写真用転写紙は、熱定着時にも放散物中のフラン化合物が少なくなり、熱定着時の臭気を低減することができる。したがって、用紙に使用される個々の材料について、フラン化合物の含有量を低減することが重要である。
用紙中にはセルロースの高分子であるαセルロースだけでなく、低分子であるβ、γセルロースが含有されている。また少量ではあるが、5炭糖の重合体であるペントサン類も数%の割合で用紙に含有されている。また、コストが安価である等の点から用紙に多用される材料として澱粉があり、これは天然の澱粉を酸化処理もしくは酵素処理等によって低分子化し、粘度調整した工業製品であるが、これらの処理の工程において、低分子量のアミロースもしくはアミロペクチンが発生する場合がある。これらの低分子グルカン及びペントサン類等が用紙加熱時にフラン化合物となり、放散物として発生する可能性があるため、パルプ及び澱粉から低分子物質を除去することで放散物中のフラン化合物を低減することができる。また、ASAはセルロース繊維と結合して用紙内に存在するもののほか、未反応で加水分解しアルケニルコハク酸となって物理的に捕捉されているものがある。この未反応物を除去することでも、放散物中のフラン化合物を低減することができ、その結果、複写機・プリンタからの排気の臭気を低減することが可能となる。
本実施形態の電子写真用転写紙のように加熱時のフラン化合物放散量を低減するためには、抄紙に使用されるパルプと澱粉等から低分子量成分を除去することが効果的である。その手法としては、(1)パルプスラリーとして抄紙に用いる前に離解、洗浄という処理を行う方法、(2)澱粉についても、蒸煮してスラリーに添加したり、表面サイズあるいはコート層の接着剤に用いる前に洗浄する方法、また(3)ASAを用いる際には、ASAを添加した後、定着剤であるカチオン性薬品を添加した後に一度紙料をろ過、洗浄し、その後抄紙を行うという方法等がある。これらのうち少なくともいずれかの方法を用いることにより、好ましくは複数の方法を組み合わせることにより、熱定着時のフラン化合物の放散を抑制することができる。
(1)パルプスラリーとして抄紙に用いる前に離解、洗浄処理を行う方法
上記のように、フラン化合物の発生量を低減した電子写真用転写紙を得るためには、低分子セルロースであるβ、γセルロースの含有量を低減することが一つの好ましい態様である。特に5炭糖の重合物であるペントサンを除去することによって複素5員環であるフランの化合物が形成されにくくなる。洗浄は、例えば、30℃以下の冷水を用いた条件で数十分から数時間撹拌する方法で行うことができる。
(2)澱粉を蒸煮してスラリーに添加したり表面サイズあるいはコート層の接着剤に用いる前に洗浄する方法
澱粉を使用する際にも、水洗後に蒸煮、添加する方法も一つの好ましい態様である。これによって低分子量の澱粉分子は除去され、熱分解性生物であるフラン化合物が発生しにくくなる。洗浄は例えば、澱粉を0.1〜10質量%の固形分量になるように0〜30℃の水に添加し、0.5〜3時間程度撹拌後、グラスフィルタ等によりろ過する方法等により行うことができる。
(3)ASAを添加し、定着剤を添加した後に一度紙料をろ過、洗浄し、その後抄紙を行う方法
また、ASA等のサイズ剤を添加する際にサイズ剤を添加した後、カチオン性の定着剤を添加し、その後スラリーをろ過、水洗してから抄紙する方法も一つの好ましい態様である。これによって、繊維とは未反応の状態で用紙中に留まっているASAの加水分解物であるアルケニルコハク酸が除去され、フラン化合物が発生しにくくなるからである。ろ過及び洗浄は例えば、30℃以下の水中に固形分濃度10%以下の条件で0.5〜1時間撹拌した後、グラスフィルタを用いてろ過する方法で行うことができる。
また、上記(2)の水洗等により、フラン化合物以外にも例えば炭素数5〜20の直鎖アルキル基を持つアルデヒド化合物等の臭気の原因となる低分子量成分を除去することができる。
(原紙)
次に、本実施形態に係る電子写真用転写紙に用いられる原紙について説明する。本実施形態に係る電子写真用転写紙に用いられる原紙は、パルプ繊維と填量とを主成分として含むものが好ましい。特に環境負荷を低減させるという観点から原紙としては、古紙パルプを30質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
原紙を構成するパルプ繊維としては、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の他、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作成されたパルプ等が好ましく挙げられる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液をしみこませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及びチップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ、中でも高収率が特徴であるケミサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを配合してもよい。
特に前記バージンパルプとしては、塩素ガスを使用せずに二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chlorine Free:ECF)や、塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素などを主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free:TCF)等で漂白処理されたものであることが好ましい。
また、前記古紙パルプの原料としては、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆等で筆記された古紙;印刷された中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙;等を配合することができる。
本実施形態に用いられる原紙において使用する古紙パルプは、前記古紙原料を、オゾン処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものであることが好ましい。また、より白色度の高い電子写真用転写紙を得るという観点から、前記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50〜100質量%の範囲とすることが好ましい。さらに資源の再利用という観点から、前記古紙パルプの配合率を70〜100質量%の範囲とすることがより好ましい。
前記オゾン処理漂白処理は上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、前記過酸化水素漂白処理は、脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。前記古紙パルプは、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
また、本実施形態に用いられる原紙には、パルプ繊維に加えて不透明度、白さ、及び表面性を調整するため填料を添加する。また、電子写真用転写紙中のハロゲン量を低減したい場合にはハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、ドロマイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、尿素樹脂などの有機顔料を挙げることができる。
また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分をあらかじめ推定して、その添加量を調整する必要がある。
本実施形態における原紙には内添サイズ剤を配合してもよい。ここでも用紙中のハロゲン量を低減するためにハロゲンを含まない内添サイズ剤や定着剤を使用することが望ましい。具体的には、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などを使用することができ、さらに硫酸バンド、カチオン化澱粉など、サイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせて使用してもよい。このとき上記の通り、カチオン化澱粉は使用前にグラスフィルタ等を用いて水洗して、フラン化合物を発生しやすい低分子量成分を除去するのが好ましい。また、用紙保存性を向上させる観点から中性サイズ剤を使用することが好ましい。
(サイズプレス液)
本実施形態の電子写真用転写紙は、上述の原紙の表面に下記に示すサイズプレス液を塗布してなることが好ましい。
サイズプレス液に用いるバインダは、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの未加工澱粉を始めとして、加工澱粉として酵素変性澱粉、燐酸エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉などを使用することができる。ただし、これらの未加工澱粉、加工澱粉を使用する場合には上記の通り、グラスフィルタ等を用いて水洗し、フラン化合物を発生しやすい低分子量成分を除去して使用するのが好ましい。また、その他にもポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、グアーガム、カゼイン、カードランなどの水溶性高分子及びそれらの誘導体などを単独あるいは混合して使用することができるがこれに限定されるものではない。ただし、製造コストの観点からは、より安価である澱粉を使用する場合が多い。
本実施形態の電子写真用転写紙のサイズ度は、使用するバインダの量、種類のみによっても必要な値に調整することができる。しかし、それだけではサイズ度の調整が十分でない場合には、さらに表面サイズ剤を使用してもよい。このような表面サイズ剤としてはロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などを使用することができる。これら表面サイズ剤の具体例としては、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の電子写真用転写紙は表面に塗布されるサイズプレス液中に導電剤を配合することで、表面電気抵抗率が調整されることが好ましい。但し、電子写真用転写紙中のハロゲン量を低減するためにハロゲンを含まない導電剤を使用することが好ましい。
このような導電剤としては硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、メタ珪酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、メタ燐酸ナトリウムなどの無機電解質;スルホン酸塩、硫酸エステル塩、カルボン酸塩、リン酸塩などのアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビット等の非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤;高分子電解質などの導電剤を使用することができる。
また、サイズプレス液は、サイズプレス処理のほか、シムサイズ、ゲートロール、ロールコータ、バーコータ、エアナイフコータ、ロッドブレードコータ、ブレードコータ等の通常使用されている塗工手段によって原紙の表面に塗布することができる。サイズプレス液を塗布された原紙は乾燥工程を経て、本実施形態に係る電子写真用転写紙を得ることができる。
また、サイズプレス液によって用紙表面に処理される固形分量が0.1g/mより少ないと用紙の表面被覆が不十分となり、紙粉が発生する原因となる場合がある。従って表面に塗布される水溶性高分子などの固形分の総量は0.1g/m以上であることが好ましい。また、サイズプレスを施して乾燥し、完成した電子写真用転写紙では、サイズプレス液によって用紙表面に処理される固形分量が5.0g/mを越えるといわゆる普通紙としての風合いを損なう場合がある。従って、その場合は表面塗布される水溶性高分子などの固形分の総量は0.1〜5.0g/mの範囲であることが好ましい。
(コート層)
また、本実施形態の電子写真用転写紙はサイズプレスを施した上から顔料を含むコート層を付与することもできる。その場合、コート層に用いられる顔料としては、通常の一般コート紙に用いられる顔料、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイトなどの無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子およびその他の有機系顔料などが挙げられ、これらを単独あるいは複数組合せで使用することができる。
コート層に用いられる接着剤としては、合成接着剤や天然系の接着剤が使用できる。合成接着剤としてはスチレンブタジエン系、スチレンアクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエンメチルメタクリルート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系などの各種共重合体などが挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて1種類以上を使用することができる。これらの接着剤は顔料100質量%当たり5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%程度の範囲で使用されることが好ましい。
また、天然系接着剤として、澱粉類、カゼイン、大豆蛋白などを使用することができる。これらも顔料100質量%当たり0.1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%程度の範囲で使用される。
ここで、天然系水溶性接着剤を使用する際には表面サイズの場合と同様に、上記の通りグラスフィルタ等を用いて水洗し、フラン化合物を発生しやすい低分子量成分を除去して使用するのが好ましい。また、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤など通常のコート紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
上述したような成分を含むように調整されたコート層組成物は一般のコート紙製造に使用されるコーティング装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータなどを用いてオンマシンあるいはオフマシンによって基材上に一層あるいは多層に分けて塗布量が乾燥質量で片面に2〜15g/m程度となるようにコート層を設ける。
<電子写真方式の画像記録方法>
本実施形態における電子写真方式の画像記録方法は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電画像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程とを含み、前記記録用紙が既述の本実施形態に係る電子写真用転写紙であって、連続印刷する際に、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルにおける、フラン化合物の量が、総熱供給量0.25以上の場合にピーク面積率0.8%以下、総熱供給量0.25未満の場合にピーク面積率0.5%以下である。本実施形態に係る電子写真方式の画像記録方法を用いれば、熱定着時に複写機・プリンタから排出される臭気を大幅に低減できる。
また、本実施形態の画像記録方法においては、連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルにおける、フラン化合物の量が、用紙への総熱供給量が0.25以上である場合にピーク面積率で0.8%以下であり、0.5%以下であることが好ましい。
また、本実施形態の画像記録方法においては、連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルにおける、フラン化合物の量が、用紙への総熱供給量が0.25未満である場合にピーク面積率で0.5%以下であり、検知限界以下、具体的には0%であることが好ましい。
ここで総熱供給量とは、電子写真記録方式での熱定着部で用紙に加えられる熱供給量を計算したものであり、次式で表される。
総熱供給量=(走行時定着ロール平均温度(℃)−室温(℃))×定着部材間に挟まれる時間(秒)×用紙1枚当たりの面積(m)×プリント速度(枚/秒)
定着部の温度が高い場合は、放散物も増加することが安易に予測される。また、一定時間での放散物を吸引・測定しているため、プリント速度が速くなる場合も用紙由来の放散物は増加すると思われる。
また、走行時定着ロール平均温度とは、加熱ロールの用紙と接触する部分の表面に熱電対を取り付け、通紙しながらモニターした表面温度の平均値である。定着部材間に挟まれる時間とは、定着部材間の接触部の幅と通紙速度との積から算出する。プリント速度は、1分間に排出される枚数を確認し、1秒当たりの枚数に計算したものを用いる。
「加熱脱着法」とは排出ガス中有機物の測定法として多用されている方法である。まず最初に空気中の揮発物質を、カーボン吸着剤が充填されたチューブであるTenax管に、ポンプを使用して濃縮捕集する。その後二段階デソープションシステムにてキャリアガスを供給しながら加熱し、チューブ内に吸着した揮発物質をコールドトラップに移動させる。その後トラップを加熱して揮発物質をキャリアガスとともにガスクロマトグラフ・質量分析計に導入して測定する。本実施形態では、複写機・プリンタの排紙口において、幅方向の中央に、出口から下流方向へ向かって2cm、用紙が排出される面から直上に向かって1cmの位置にテナックス管の端部が位置するように設置し、画像密度5%の原稿を連続プリントさせながら20分間ポンプで吸引して放散物を吸着した。ソーターなど後処理装置が設置されている場合は、それを外し、熱定着部から最短で機外に用紙が排出される部分を排紙口として測定を実施する。その後、加熱脱着を行ってガスクロマトグラフ・質量分析計に試料を導入して測定したものである。測定に使用する用紙はガスを採取する環境と同じ環境条件下に24時間以上放置したものとする。
本実施形態の電子写真方式の画像記録方法に用いられる画像形成装置は、前記帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程を有する電子写真方式を利用するものであれば特に限定されない。例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色のトナーを用いる場合には1つの感光体に各色のトナーを含む現像剤を順次付与してトナー像を形成する4サイクルの現像方式によるカラー画像形成装置や、各色ごとに対応した感光体ユニットを4つ備えたカラー画像形成装置等が利用できる。
画像形成に際して用いられるトナーも公知のものであれば特に限定されないが、例えば、高精度な画像が得られる点で、球状で、粒度分布の小さいトナーを用いたり、省エネルギに対応するために低温定着が可能な融点の低い結着樹脂を用いたりすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理してろ水度500mLになるように叩解調整したパルプを固形分量1質量%となるように20℃の水中に分散させ、30分撹拌した後100メッシュのグラスフィルタを用いてろ過、水洗した。このパルプを100質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.1質量部、100メッシュのグラスフィルタで水洗したカチオン化澱粉を0.05質量部配合して紙料を調製した。この紙料を固形分量1質量%となるように20℃の水中に分散させ、30分撹拌した後、100メッシュのグラスフィルタでろ過、水洗した。その後、再度この紙料を固形分1質量%となるように水に分散させたものを用いて抄紙を行い、坪量が68g/mの原紙を作成した。なお、カチオン化澱粉の水洗は、カチオン化澱粉を固形分10質量%となるように20℃の水に添加し、30分撹拌後、100メッシュのグラスフィルタによりろ過することによって行った。
続いて、表面サイズ剤として水93質量部と、水洗したコーンスターチを5質量部と、導電剤として硫酸ナトリウムを2質量部とを含む塗工液を調整して、得られた原紙の表面に処理を行った。これにより原紙の表面に処理された固形分量が3g/mであり、坪量が71g/mの電子写真用転写紙を得た。
このようにして得られた電子写真用転写紙を1cm×1cmの大きさに2枚切り出し、20mL容量のバイアルに密封し、120℃に設定されたTurboMatrix40(PerkinElmer社製)内で3分間加熱し、インジェクションタイム0.15分にて、ガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)に投入して測定を行った。使用した非極性カラムはRTX−1(Restek製、φ0.25mm×15m)、温度条件は、最初に40℃で3分間保持した後に、10℃/分で250℃まで昇温、その後250℃で6分間保持し、計30分間で完了とした。その結果、2,5−メチルエチルフランが検出され、ピーク面積率は2%、ピーク面積は500であった。ピーク閾値は0とした以外は、測定装置の自動波形処理によってSlope調整、Drift調整およびベースライン作成を行い、ピーク面積は時間軸での積分で求めた。
次にこの電子写真用転写紙を、モノクロ複写機DC285(富士ゼロックス(株)製)を用いて画像密度5%の画像を連続印刷し、排紙部からの放散ガスを採取した。この複写機の総熱供給量は、0.17であった。複写機は50mのチャンバー内に設置し、常時500m/hの換気を行いながら、温度25℃、相対湿度45%RHの環境下で、排紙部において、幅方向の中央に、出口から下流方向へ向かって2cm、用紙が排出される面から直上に向かって1cmの位置にTenax管の端部が位置するように設置し、1mL/sで20分間吸引してガスを採取した。ここで、使用する用紙はガスを採取する環境と同じ環境条件下に24時間放置したものとした。
このようにして採取したガスを、Tenax−TA(PerkinElmer製)を用いて加熱脱着し、ガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。温度条件、使用カラムは、用紙の加熱放散物を測定した条件と同一とした。その結果、2,5−メチルエチルフランは検出されなかった(ピーク面積:検出限界0以下)。
さらにこの用紙を画像密度5%の画像で連続印刷しながら、15人の評価者に排紙口からのにおいを嗅いでもらい、臭気を感じた人数を確認した。
<実施例2>
針葉樹クラフトパルプをTCF多段漂白法にて漂白処理してろ水度480mLになるように叩解調整したパルプを100質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.1質量部、100メッシュのグラスフィルタで水洗したカチオン化澱粉を0.05質量部配合して紙料を調整した。この紙料を固形分量1質量%となるように20℃の水中に分散させ、30分撹拌した後、100メッシュのグラスフィルタでろ過、水洗した。その後、再度この紙料を固形分1質量%となるように水に分散させたものを用いて抄紙を行い、坪量が65g/mの原紙を作成した。なお、カチオン化澱粉の水洗は、実施例1と同様の方法で行った。
続いて、表面サイズ剤として水93質量部と、水洗したタピオカ澱粉を6質量部と、導電剤として硫酸ナトリウムを1質量部とを含む塗工液を調整して、得られた原紙の表面に処理を行った。タピオカ澱粉の水洗は、タピオカ澱粉を固形分1質量%となるように10℃の水に添加し、90分撹拌後、100メッシュのグラスフィルタによりろ過することによって行った。これにより原紙の表面に処理された固形分量が両面で3g/mであり、坪量が68g/mの電子写真用転写紙を得た。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは、プロピルフランが検出され、ピーク面積率は1.5%、ピーク面積は1000であった。また、走行時放散ガスからはプロピルフランは検出されなかった(検出限界以下)。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<実施例3>
針葉樹サルファイトパルプを塩素ガスを使用した多段漂白にて漂白処理してろ水度200mLになるように叩解調整したパルプを100質量部、軽質炭酸カルシウム填料を20質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.2質量部、カチオン化PAMを0.1質量部配合して紙料を調整した。この紙料を固形分量1質量%となるように15℃の水中に分散させ、30分撹拌した後、100メッシュのグラスフィルタでろ過、水洗した。その後、再度この紙料を固形分1質量%となるように水に分散させたものを用いて抄紙を行い、62g/mの原紙を作成した。
続いて、表面サイズ剤として水93質量部と、水洗した酸化澱粉エースA(王子コーンスターチ製)を6質量部と、導電剤として硫酸ナトリウムを1質量部とを含む塗工液を調整して、得られた原紙の表面に処理を行った。これにより原紙の表面に処理された固形分量が3g/mであり、坪量が65g/mの電子写真用転写紙を得た。酸化澱粉の水洗は、酸化澱粉を固形分10質量%となるように15℃の水に添加し、60分撹拌後、100メッシュのグラスフィルタによりろ過することによって行った。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは、プロピルフランが検出され、ピーク面積率は0.3%、ピーク面積は500であった。また、走行時放散ガスからはプロピルフランは検出されなかった(検出限界以下)。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<実施例4>
実施例1と同様にして、抄紙を行い、70g/mの原紙を作成し、原紙の表面に処理を行った。表面処理後、更に顔料としてカオリンクレー(Milagloss OP:エンゲルハード社製)を100質量部に対して、接着剤としてSBRラテックス5質量部、澱粉(酸化澱粉エースA:王子コーンスターチ製)を7質量部、潤滑剤、染料、保水剤などの助剤を含むコート液を調整して、コート層を形成した。澱粉は、固形分10質量%となるように10℃の水に添加し、60分撹拌後、100メッシュのグラスフィルタによりろ過したものを使用した。これにより原紙の表面に処理された固形分量が両面で20g/mであり、坪量が90g/mの電子写真用転写紙を得た。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは、プロピルフランが検出され、ピーク面積率は1.2%、ピーク面積は800であった。また、走行時放散ガスからはプロピルフランは検出されなかった(検出限界以下)。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<比較例1>
実施例1と同様のパルプ100質量部を用いて、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.1質量部、カチオン化澱粉を0.05質量部配合して紙料を調製した。この紙料を用いて65g/mの原紙を作成した。なお、紙料について水洗等の処理は行わなかった。
続いて、表面サイズ剤として水93質量部、酸化澱粉エースA(王子コーンスターチ製)を5質量部、導電剤として硫酸ナトリウムを2質量部からなる塗工液を調整して得られた原紙の表面に処理を行った。酸化澱粉に水洗などの前処理は加えなかった。これにより原紙の表面に処理された固形分量が両面で2g/mであり、坪量が67g/mの電子写真用転写紙を得た。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは、2,5−メチルエチルフランが検出され、ピーク面積率は4%、ピーク面積は2000であった。また、走行時放散ガスからも、2,5−メチルエチルフランが検出され、ピーク面積率は0.6%であった。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<比較例2>
比較例1と同様にして、紙料について水洗等の処理は行わずに、原紙を作成した。続いて、表面サイズ剤として水90質量部と、乾式酸化澱粉(王子コーンスターチ製)8質量部と、導電剤として硫酸ナトリウム2質量部とを含む塗工液を調整して、得られた原紙の表面に処理を行った。なお、乾式酸化澱粉に、水洗などの前処理は加えなかった。これにより原紙の表面に処理された固形分量が両面で3g/mであり、坪量が68g/mの電子写真用転写紙を得た。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは2,5−メチルエチルフランが検出され、ピーク面積率は3.3%、ピーク面積は3000であった。また、走行時放散ガスからも2,5−メチルエチルフランが検出され、ピーク面積率は0.8%であった。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<比較例3>
実施例1と同様にして原紙を作成し、原紙の表面に処理を行ったが、パルプ、紙料、カチオン化澱粉に、水洗などの前処理は加えなかった。表面処理後、実施例4と同様に、更に顔料としてカオリンクレー(Milagloss OP:エンゲルハード社製)を100質量部に対して、接着剤としてSBRラテックス5質量部、澱粉(酸化澱粉エースA:王子コーンスターチ製)を7質量部、潤滑剤、染料、保水剤などの助剤を含むコート液を調整して、コート層を形成した。澱粉に、水洗などの前処理は加えなかった。これにより原紙の表面に処理された固形分量が両面で20g/mであり、坪量が90g/mの電子写真用転写紙を得た。
実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010(島津製作所製)にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からは、プロピルフランが検出され、ピーク面積率は3%、ピーク面積は3000であった。また、走行時放散ガスからも、プロピルフランが検出され、ピーク面積率は1.2%であった。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<比較例4>
市販用紙C2(富士ゼロックスオフィスサプライ製)を用いて実施例1と同様にして、用紙加熱時の放散物と複写機での走行時放散ガスをガスクロマトグラフ・質量分析計GC2010にて測定を行った。その結果、用紙加熱時の放散物からはプロピルフランが検出され、ピーク面積率は3.5%、ピーク面積は2500であった。また、走行時放散ガスからもプロピルフランが検出され、ピーク面積率は0.7%であった。また、実施例1と同様にして臭気を感じた人数を確認した。
<実施例5〜8、比較例5〜8>
また、モノクロ複写機DC1100(富士ゼロックス(株)製)を用いて同様の測定を実施し、実施例5〜8、比較例5〜8とした。この複写機の総熱供給量は、0.41であった。
以上の結果を表1に示す。臭気を感じた人数は15人中1名以内であることを合格とした。
Figure 2007193141
このように、実施例1〜8の電子写真用転写紙は比較例1〜8に比べて、用紙加熱時のフラン化合物放散が少なく、電子写真方式の画像形成装置にて印刷した際にも用紙由来のフラン化合物放散が少ないことがわかる。この結果、本発明の電子写真用転写紙及び画像記録方法は臭気低減に優れることがわかる。

Claims (4)

  1. 電子写真方式の画像形成における記録用紙として用いられる電子写真用転写紙であって、
    ヘッドスペース法で測定した、1cm×1cmの大きさの前記転写紙2枚を120℃で3分間保持した際に発生するガスのクロマトグラフにおいて、フラン化合物の発生量がピーク面積率で3%以下、且つピーク面積で1000以下であることを特徴とする電子写真用転写紙。
  2. 静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、前記静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電画像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程とを含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、
    前記定着工程において前記記録用紙に加えられる総熱供給量が0.25以上であり、
    連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルを加熱脱着法でガスクロマトグラフ・質量分析計にて測定した時の、フラン化合物の量が、ピーク面積率で0.8%以下であることを特徴とする画像記録方法。
  3. 静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、前記静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電画像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を記録用紙上に転写する転写工程と、前記記録用紙上に転写されたトナー画像を定着する定着工程とを含む電子写真記録方式の画像記録方法であって、
    前記定着工程において前記記録用紙に加えられる総熱供給量が0.25未満であり、
    連続プリントしながら、用紙排出口から20分間、吸引速度1mL/sで吸引したガスサンプルを加熱脱着法でガスクロマトグラフ・質量分析計にて測定した時の、フラン化合物の量が、ピーク面積率で0.5%以下であることを特徴とする画像記録方法。
  4. 請求項2または3記載に記載の画像記録方法であって、
    前記記録用紙として請求項1に記載の電子写真用転写紙を使用することを特徴とする画像記録方法。
JP2006011680A 2006-01-19 2006-01-19 電子写真用転写紙及び画像記録方法 Pending JP2007193141A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006011680A JP2007193141A (ja) 2006-01-19 2006-01-19 電子写真用転写紙及び画像記録方法
US11/443,371 US7998592B2 (en) 2006-01-19 2006-05-31 Recording paper used for an electrophotographic system and image recording method
CN2006101101999A CN101004562B (zh) 2006-01-19 2006-08-14 用于电子照相系统的记录纸和图像记录方法
KR1020060077033A KR100861520B1 (ko) 2006-01-19 2006-08-16 전자 사진용 기록지 및 화상 기록 방법
TW095137483A TWI346261B (en) 2006-01-19 2006-10-12 Recording paper used for an electrophotographic system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006011680A JP2007193141A (ja) 2006-01-19 2006-01-19 電子写真用転写紙及び画像記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007193141A true JP2007193141A (ja) 2007-08-02

Family

ID=38448880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006011680A Pending JP2007193141A (ja) 2006-01-19 2006-01-19 電子写真用転写紙及び画像記録方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2007193141A (ja)
CN (1) CN101004562B (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08202069A (ja) * 1995-01-20 1996-08-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電子写真用透明転写紙の製造方法
JPH09265204A (ja) * 1996-03-27 1997-10-07 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電子写真用透明転写紙
JP2004058395A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Kishu Paper Co Ltd 記録用紙
JP2004143612A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Mitsubishi Paper Mills Ltd カールを防止した紙およびその製造方法
JP2004162208A (ja) * 2002-11-13 2004-06-10 Sanzen Seishi Kk 消臭剤を含む紙およびその製造方法
JP2004302304A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙
JP2005313454A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Fuji Xerox Co Ltd 記録用紙及びこれを用いた画像記録方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3072817B2 (ja) * 1993-11-04 2000-08-07 キヤノン株式会社 記録紙、これを用いた画像形成方法および記録紙の製造方法
JP3943159B2 (ja) * 1995-05-31 2007-07-11 三菱製紙株式会社 インクジェット記録シート
JP4119012B2 (ja) * 1998-07-16 2008-07-16 三菱製紙株式会社 インクジェット記録・電子写真記録共用紙

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08202069A (ja) * 1995-01-20 1996-08-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電子写真用透明転写紙の製造方法
JPH09265204A (ja) * 1996-03-27 1997-10-07 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電子写真用透明転写紙
JP2004058395A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Kishu Paper Co Ltd 記録用紙
JP2004143612A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Mitsubishi Paper Mills Ltd カールを防止した紙およびその製造方法
JP2004162208A (ja) * 2002-11-13 2004-06-10 Sanzen Seishi Kk 消臭剤を含む紙およびその製造方法
JP2004302304A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙
JP2005313454A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Fuji Xerox Co Ltd 記録用紙及びこれを用いた画像記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101004562A (zh) 2007-07-25
CN101004562B (zh) 2011-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077373B2 (ja) 再生葉書用紙
JP2003076051A (ja) 記録用紙、及びそれを用いた画像記録方法
JP2011206987A (ja) 再生葉書用用紙
JP2007199139A (ja) 電子写真用転写紙及び画像記録方法
JP2011208333A (ja) 再生葉書用紙
US7998592B2 (en) Recording paper used for an electrophotographic system and image recording method
JP2009057667A (ja) 新聞用紙
JP2007193141A (ja) 電子写真用転写紙及び画像記録方法
JP4543841B2 (ja) 記録用紙及びこれを用いた画像記録方法
JP2010229565A (ja) 印刷用紙
JP2010181622A (ja) 電子写真用塗被紙
JP2008163506A (ja) グラビア印刷用塗工紙
JP2006077357A (ja) 記録用紙およびこれを用いた画像形成方法
JP2007092203A (ja) オフセット印刷用中性新聞用紙
JP3225097B2 (ja) 電子写真用転写紙
JP2887003B2 (ja) 電子写真用転写紙
JPH10305656A (ja) 情報記録用紙
JP2007162173A (ja) オフセット印刷新聞用紙
JP2001164490A (ja) 印刷・情報用紙
JPH07261445A (ja) 再使用が可能な複写用紙
JP2008242220A (ja) 電子写真用転写紙
JPH11124792A (ja) 易離解性耐水印刷用紙
JP5477692B2 (ja) オフセット印刷用新聞用紙
JP2011208334A (ja) 再生葉書用紙ならびにその製造方法
JP2011025506A (ja) はがきおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20081225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100603

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Effective date: 20100726

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20101102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20101227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110517

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20110714

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111206