JP2007192960A - 電源回路及びそれを用いた映像表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
コスト低減が可能で電磁波障害上も問題のない映像表示装置を提供する。
【解決手段】
電源回路を、１枚の回路基板上に、外部のＡＣ電源からの導線が接続されるＡＣインレットと、インダクタンス素子が接続され電磁波の当該映像表示装置外への漏洩を抑えるフィルタ回路と、該フィルタ回路からのＡＣ出力をオン、オフするスイッチとを設けた構成とし、該電源回路の該回路基板全体を電磁遮蔽手段で覆って遮蔽する。電磁遮蔽手段は、例えば、回路基板の側面側を囲む第１の遮蔽部と、該回路基板の上面側を覆う第２の遮蔽部とから成る構成とし、該第２の遮蔽部は、映像表示装置の背面カバーの平面部の一部で構成する。
【選択図】図３

Description

本発明は、映像表示装置の電源回路に係り、特に、装置内で発生する電磁波の装置外への漏洩を防止する技術に関する。

従来、電子機器に対しては、ＥＭＣ（Ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃ Ｃｏｍｐａｔｉｂｉｌｉｔｙ：電磁環境両立性）規格に適合することすなわち意図しない電磁波を放射しないＥＭＩ（Ｅｌｅｃｔｒｏ Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ：電磁妨害）対策と電磁波を受けても誤動作を起こさないＥＭＳ（Ｅｌｅｃｔｒｏ Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｓｕｓｃｅｐｔａｎｃｅ：電磁感受性）対策とが要求されている。日本では、ＣＩＳＰＲ（国際無線障害特別委員会）の勧告に基づき、ＶＣＣＩ（情報処理装置等電波障害自主規制協議会）が設立され、自主的規制が行われている。米国やヨーロッパにおいても同様である。プラズマディスプレイパネル表示装置等の映像表示装置においては、プラズマディスプレイパネル等の表示部から電磁波が発生するため、この規制の対象となり、該電磁波の装置外への漏洩を抑えて所定のレベル以内にすることが求められている。電磁波が装置外へ漏洩する経路の１つに装置の電源部がある。電源部からは電源コードなどを通して電磁波が商用電源側などに漏洩するため、電源部内でフィルタ回路によって電磁波を減衰させるようにしている。

図６は、従来のプラズマディスプレイパネル表示装置の回路構成の概略を示す図である。図６の回路は、電源コード３０'が直接接続され、インダクタンス素子を含むフィルタ回路Ａ'が形成された回路基板１３ａ_１'と、ヒューズ６０'が接続されフィルタ回路Ｂ'が形成された回路基板１３ａ_２'と、該ヒューズ６０'と該フィルタ回路Ｂ'との間の接続をオン、オフするスイッチの回路が形成された回路基板１３ａ_３'とから構成される電源回路と、インダクタンス素子が接続されたフィルタ回路Ｃ'を含む電源ユニットＳ'が形成された回路基板１３ｂ'と、表示部としてのプラズマディスプレイパネル１１'を映像信号に基づき駆動する駆動回路Ｄ_１'が形成された回路基板１２ａ'と、同じく駆動回路Ｄ_２'が形成された回路基板１２ｂ'と、表示装置の背面側を覆う背面カバー１６'を備えて構成される。

また、図７は、図６の回路を用いたプラズマディスプレイパネル表示装置の構成例図である。図７において、回路基板１３ａ_１'、１３ａ_２'、１３ａ_３'を保持した保持金具１４'と、回路基板１３ｂ'と、回路基板１２ａ'、１２ｂ'とがそれぞれ、プラズマディスプレイパネル１１'と背面カバー１６'との間に配されている。前面フィルタ１５'は、プラズマディスプレイパネル１１'の前面に配される。上記構成において、図６の電源回路及び電源ユニットＳ'における電磁波の減衰については、フィルタ回路Ａ'、フィルタ回路Ｂ'及びフィルタ回路Ｃ'により電磁波を減衰させることで対処している。

本発明に関連した従来技術で特許文献に記載されたものとしては、例えば特開２００４−２９２６４号公報（特許文献１）に記載された技術がある。該公報には、可聴域のノイズ音が発生しないプラズマディスプレイ装置を提供するために、プラズマディスプレイパネルの背面側に設けたノイズフィルタ回路を磁性金属材料のカバーで覆い、該カバーのノイズフィルタ回路に近接した部分をシャーシ部材に固定するとした構成が記載されている。

特開２００４−２９２６４号公報

プラズマディスプレイパネル表示装置等においては、今後のますますの普及化を図るために、所定の性能を確保した上でさらに大幅なコスト低減が望まれる。上記図６及び図７に示す従来の構成においては、電磁波の、電源部からの装置外への漏洩は阻止されてはいるものの、上記のように、電源回路が、回路基板１３ａ_１'と回路基板１３ａ_２'と回路基板１３ａ_３'との３枚の回路基板から構成されているため、これらの回路基板のそれぞれに相互間を接続するための接続部を設けたり、装置の組み立て時に該接続部間を接続したり、該各回路基板の製作を別個に行ったりする必要があり、コスト増大化の要因となっている。また、上記特開２００４−２９２６４号公報には、ノイズフィルタを有するノイズフィルタ回路及びカバーの開示はあるものの、ＡＣ電源周波数に連動したＡＣ電流による漏洩磁束の強弱に基づき、ノイズフィルタとカバーとの間の吸引力の強弱で発生する可聴域のノイズ音を抑えることを目的とした発明であるため、該ノイズフィルタ回路を、装置の背面全体を覆うカバーで覆うとした構成が記載されているに過ぎない。

本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、プラズマディスプレイパネル表示装置等の映像表示装置において、表示部から発生する電磁波の装置外への漏洩を阻止し、電源回路の低コスト化が図れるようにすることである。
本発明の目的は、上記課題点を解決し、コスト低減が可能で電磁波障害上も問題のない映像表示装置を提供することにある。

上記課題点を解決するために、本発明では、映像表示装置として、電源回路を、１枚の回路基板上に、外部のＡＣ電源からの電源コードが接続されるＡＣインレットと、インダクタンス素子が接続され電磁波を減衰させるフィルタ回路と、該フィルタ回路からのＡＣ出力をオン、オフするスイッチとを設けた構成とするとともに、該電源回路の該回路基板全体を電磁遮蔽手段で覆って電磁波を遮蔽した構成とする。電磁遮蔽手段は、例えば、上記回路基板の側面側を囲む第１の遮蔽部と、該回路基板の上面側を覆う第２の遮蔽部とから成る構成とし、該第２の遮蔽部を、映像表示装置の背面カバーの平面部の一部で構成する。

本発明によれば、コスト低減が可能で電磁波障害上も問題のない映像表示装置を提供することができる。

以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図１〜図５は、本発明の実施例の説明図である。図１は、本発明の実施例としてのプラズマディスプレイパネル表示装置の構成例図、図２は、図１の装置における回路構成の概略図、図３は、図１の装置における回路のうちの電源回路と電磁遮蔽手段の外観の斜視図、図４は、図１の装置における回路のうちの電源回路と電源ユニットの構成例を示す図、図５は、図４の電源回路中に用いるスイッチの構成例図である。

図１において、１は、本発明の映像表示装置の実施例としてのプラズマディスプレイパネル表示装置、１１は、マトリクス状に配された電極間の放電により映像表示を行う表示部としてのプラズマディスプレイパネル、１２ａ、１２ｂはそれぞれ、映像信号に基づきプラズマディスプレイパネル１１の電極を駆動するための駆動回路が形成された回路基板、１３ａは、外部のＡＣ電源からＡＣ入力を取り込み、ノイズ成分を除去して出力する電源回路（図示なし）が設けられた回路基板、１３ｂは、ＡＣ／ＤＣ電圧変換する電源ユニット（図示なし）が形成された回路基板、１４は、回路基板１３ａが固定される保持金具、２０は、金属材から成り、回路基板１３ａの側面側を囲む電磁遮蔽手段の第１の遮蔽部としてのシールド用フレーム部材、１６は、金属材で構成され、プラズマディスプレイパネル１１の背面側（Ｘ軸方向側）に配され、該プラズマディスプレイパネル１１、回路基板１２ａ、１２ｂ、回路基板１３ａ、回路基板１３ｂを覆う背面カバー、１５は、プラズマディスプレイパネル１１の前面（−Ｘ軸方向側）に配される前面フィルタである。

回路基板１３ａには、外部のＡＣ電源からの導線（電源コード）が接続されるＡＣインレット（図示なし）と、インダクタンス素子が接続され電磁波を減衰させるフィルタ回路（図示なし）と、該フィルタ回路からのＡＣ出力をオン、オフするスイッチ（図示なし）と、過大電流から回路を保護するためのヒューズ（図示なし）とが設けられている。また、背面カバー１６は、その平面の一部がシールド用フレーム部材２０のＺ軸方向側の開口の蓋をするようにして該シールド用フレーム部材２０に結合される構成を有し、該背面カバー１６の平面の一部が、電源回路の回路基板１３ａの上面側を覆う電磁遮蔽手段の第２の遮蔽部を形成している。回路基板１２ａ、１２ｂ上の駆動回路（図示なし）は、回路基板１３ｂ上の電源ユニットからの電力供給によって作動し、電源ユニットへは、回路基板１３ａ上の電源回路から該電源回路内のスイッチを介してＡＣ電力が供給される。
以下、説明中で用いる図１の構成要素には、図１の場合と同じ符号を付して用いるとする。また、以下の図中で用いる座標軸は、図１と同じ座標軸を用いるとする。

図２は、図１のプラズマディスプレイパネル表示装置１における回路構成の概略図である。
図２において、１３１は、電源回路の回路基板１３ａ上に形成され、インダクタンス素子を含む構成を有し、該プラズマディスプレイパネル１１で発生する電磁波のうち特にの高周波側の成分を減衰させるフィルタ回路Ａ、１３２は、フィルタ回路Ａ１３１に接続され、コンデンサを含む構成を有し、プラズマディスプレイパネル１１で発生する電磁波のうち特に低周波側の成分を減衰させるフィルタ回路Ｂ、１３３は、電源ユニットＳの回路基板１３ｂ上に形成され、インダクタンス素子を含む構成を有し、プラズマディスプレイパネル１１で発生する電磁波のうち特に高周波側の成分を減衰させるフィルタ回路Ｃ、１２ａは、映像信号に基づきプラズマディスプレイパネル１１の電極を駆動するための駆動回路Ｄ_１が形成された回路基板、１２ｂは、同じく駆動回路Ｄ_２が形成された回路基板、３０は電源コード、４０は、電源コード３０が接続されたＡＣインレット、５０は、フィルタ回路ＢからのＡＣ出力をオン、オフするスイッチ、６０は、過大電流からフィルタ回路Ａ１３１やフィルタ回路Ｂ１３２を保護するためのヒューズである。他の符号は、図１の場合と同様である。フィルタ回路Ｂは、スイッチ５０を介して電源ユニットＳのフィルタ回路Ｃ１３３に接続される。電源回路の回路基板１３ａは、側面側を電磁遮蔽手段の第１の遮蔽部としてのシールド用フレーム部材２０で囲まれ、上面側を電磁遮蔽手段の第２の遮蔽部としての背面カバー１６の平面部の一部によって覆われる。

かかる構成において、電源コード３０からＡＣ入力は、ＡＣインレット４０を通って回路基板１３ａ内の取り込まれ、ヒューズ６０を経てフィルタ回路Ａ１３１に入力され、該フィルタ回路Ａ１３１において、プラズマディスプレイパネル１１で発生し電源部に入った電磁波のうちの高周波側の成分が減衰され、さらにフィルタ回路Ｂ１３２において、プラズマディスプレイパネル１１で発生した電磁波のうちの低周波側の成分が減衰される。フィルタ回路Ｂ１３２からのＡＣ出力は、スイッチ５０を経て電源ユニットＳの回路基板１３ｂ上のフィルタ回路Ｃに入力される。フィルタ回路Ｃにおいても、電磁波のうちの高周波側の成分が減衰される。プラズマディスプレイパネル１１で発生した電磁波は、電源ユニットＳ側から電源回路側に伝達される、すなわち、フィルタ回路Ｃ１３３側から、フィルタ回路Ｂ１３２、フィルタ回路Ａ１３１の順で伝達される。このため、電磁波は、フィルタ回路Ｃ１３３で減衰しきれなかった電磁波が、フィルタ回路Ｂ１３２、フィルタ回路Ａ１３１で減衰される。電源ユニットＳの出力は、回路基板１２ａ上の駆動回路Ｄ_１、回路基板１２ｂ上の駆動回路Ｄ_２に入力される。駆動回路Ｄ_１、Ｄ_２では、映像信号に基づく駆動信号が形成され、プラズマディスプレイパネル（表示部）１１は、該駆動信号によって駆動されて映像表示を行う。
以下、説明中で用いる図２の構成要素には、図２の場合と同じ符号を付して用いるとする。

図３は、図１のプラズマディスプレイパネル表示装置１における電源回路と電磁遮蔽手段の外観を示す斜視図である。
図３において、７０ａ〜７０ｄは、背面カバー１６を、シールド用フレーム部材２０の上面側（Ｘ軸方向側）に結合するためのビスである。他の符号は、図１、図２の場合と同様である。ＡＣインレット４０やヒューズ６０やフィルタ回路Ａ１３１やフィルタ回路Ｂ１３２やスイッチ５０が設けられた回路基板１３ａが、保持金具１４の面上に固定され、該回路基板１３ａの側面側が、シールド用フレーム部材２０で囲まれる。該シールド用フレーム部材２０も保持金具１４の面上に固定される。背面カバー１６が、シールド用フレーム部材２０の上面側（Ｘ軸方向側）に電気的結合されることで、回路基板１３ａが、該シールド用フレーム部材２０と該背面カバー１６によって覆われ、プラズマディスプレイパネルから輻射される電磁波が遮蔽される。ＡＣインレット４０はピンと孔による接続構成を備える。

図４は、図１の装置における回路のうちの電源回路と電源ユニットの構成例を示す図である。
図４において、Ｃ_１、Ｒ_１、Ｌ_１はそれぞれ、フィルタ回路Ａ１３１を構成するコンデンサ、抵抗、インダクタンス素子、Ｃ_２、Ｃ_３、Ｃ_４はそれぞれ、フィルタ回路Ｂ１３２を構成するコンデンサ、Ｃ_５〜Ｃ_８、Ｌ_２〜Ｌ_３はそれぞれ、電源ユニットＳのフィルタ回路Ｃ１３３を構成するコンデンサ、インダクタンス素子である。回路基板１３ａと回路基板１３ｂとの間は、導線８３とコネクタ８１、８２とにより接続される。

図５は、図４の電源回路中に用いるスイッチ５０の構成例図である。
図５において、５０ａは、スイッチ５０の本体部（以下、スイッチ本体部という）、５０ｂは、スイッチ５０のアーム部（以下、スイッチアーム部という）、５０ｃは、スイッチ５０に対し操作用の外力が加えられる操作部（以下、スイッチ操作部という）である。スイッチ操作部５０ｃは、ユーザによる被操作性の点から、プラズマディスプレイパネル（表示部）１１の略側面部または、表示部側の位置に配される。このため、該プラズマディスプレイパネル（表示部）１１の位置からはＸ軸方向に離れた位置の回路基板１３ａ上に設けられたスイッチ本体部５０ａと、該スイッチ操作部５０ｃとの間は、スイッチアーム部５０ｂによって連結されている。例えば、スイッチ操作部５０ｃに±Ｚ軸方向の外力が加えられると、スイッチアーム部５０ｂを介して該外力がスイッチ本体部５０ａに作用し、該スイッチ本体部５０ａ内の接点をオン、オフする。該接点のオン、オフにより、回路基板上１３ａのフィルタ回路Ｂと回路基板１３ｂ上のフィルタ回路Ｃとの間の接続がオン、オフされる。

上記本発明の実施例によれば、ＡＣインレット４０、ヒューズ６０、フィルタ回路Ａ１３１、フィルタ回路Ｂ１３２及びスイッチ５０を含む電源回路を、１枚の回路基板１３ａ上に配した構成のため、回路基板の製造コストの低減化や電源回路の組み立てコストの低減化を図ることができ、かつ、電源コード側で電源回路を形成する回路基板１３ａを、シールド用フレーム部材２０と背面カバー１６で覆った構成としてあるため、電源部から装置外に漏洩する電磁波を有効に遮蔽することが可能となる。

本発明の実施例としてのプラズマディスプレイパネル表示装置の構成例図である。 図１のプラズマディスプレイパネル表示装置における回路構成の概略図である。 図１のプラズマディスプレイパネル表示装置における電源回路と電磁遮蔽手段の外観の斜視図である。 図１のプラズマディスプレイパネル表示装置における電源回路と電源ユニットの構成例を示す図である。 図４の電源回路中に用いるスイッチの構成例図である。 従来のプラズマディスプレイパネル表示装置の回路構成の概略図である。 従来のプラズマディスプレイパネル表示装置の構成例図である。

符号の説明

１…プラズマディスプレイパネル表示装置、
１１…プラズマディスプレイパネル、
１２ａ、１２ｂ…駆動回路の回路基板、
１３ａ…電源回路の回路基板、
１３ｂ…電源ユニットの回路基板、
１３１、１３２、１３３…フィルタ回路、
１４…保持金具、
１５…前面フィルタ、
１６…背面カバー、
２０…シールド用フレーム部材、
３０…電源コード、
４０…ＡＣインレット、
５０…スイッチ、
５０ａ…スイッチ本体部、
５０ｂ…スイッチアーム部、
５０ｃ…スイッチ操作部、
６０…ヒューズ、
７０ａ〜７０ｄ…ビス。

Claims (5)

1. 装置内で発生する電磁波の装置外への漏洩を抑える構成を備えた映像表示装置用の電源回路であって、
   外部のＡＣ電源から電力を取り込む電源コードが接続されるＡＣインレットと、
   インダクタンス素子が接続され電磁波を減衰させるフィルタ回路と、
   上記フィルタ回路からのＡＣ出力をオン、オフするスイッチと、
   同一の基板上に、上記フィルタ回路が形成されかつ上記ＡＣインレット及び上記スイッチが搭載された回路基板と、
   を備えた構成を特徴とする電源回路。
2. 映像信号に基づく映像表示を行う映像表示装置であって、
   １枚の回路基板上に、外部のＡＣ電源から電力を取り込む電源コードが接続されるＡＣインレットと、インダクタンス素子が接続され電磁波を減衰させるフィルタ回路と、該フィルタ回路からのＡＣ出力をオン、オフするスイッチとを備えた電源回路と、
   上記回路基板を覆って電磁波を遮蔽する電磁遮蔽手段と、
   映像を表示する表示部と、
   上記電源回路の出力に基づく電力を供給され、上記表示部を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
   上記表示部の背面側に配され、上記電源回路、上記表示部及び上記駆動回路を覆う背面カバーと、
   を備えたことを特徴とする映像表示装置。
3. 上記電磁遮蔽手段は、上記回路基板の側面側を囲む第１の遮蔽部と、該回路基板の上面側を覆う第２の遮蔽部とから成り、該第２の遮蔽部が、映像表示装置の表示部の背面に設けられた背面カバーの平面部の一部で構成される請求項２に記載の映像表示装置。
4. 上記スイッチは、操作用のＬ字状のアームを有し、該アームにより伝達される力により作動する構成である請求項２に記載の映像表示装置。
5. 上記表示部は、マトリクス状に配された電極間の放電により映像表示を行うプラズマディスプレイパネルである請求項２から４のいずれかに記載の映像表示装置。

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