JP2007191807A - 立体編地 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも中間層は撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を含有し、両外層は非収縮繊維を含有して構成されていることを特徴とし、また、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を5〜80重量%以上含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明において、立体編地とは表裏2層の外層構造に中間層を有する構造体であり、より具体的には、表裏のニードルループと、表裏を連結するループを有する構造である。
本発明における立体編地は、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を含有する中間層と、非収縮繊維を含有する両外層を有する構造であることを特徴とする。本発明の立体編地において、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を含有する中間層は、両外層を連結するような構造で、例えば丸編地では両方の外層でニットとして編成する方法、一方をニット、他方をタックとして編成する方法、あるいは、両外層をタックで連結する方法が行える。
本発明による立体編地の厚みは、最も厚い部分で1.5mm以上有しているのが好ましく、厚みが1.5mm未満では吸汗時に形成される凹部が僅かであり、本発明の効果が発揮され難い。この厚みの調整については、丸編機、経編機ともに両針床の間隔を広げて編成する方法が最も用意に調整可能であり、針床の間隔を広げるほど厚みの厚い編地が編成できる。
本発明においてセルロース繊維とは、キュプラ、レーヨン、竹繊維、綿などであり、好ましくは再生セルロース繊維である。また、これらの長繊維、短繊維(紡績糸)であっても良く、長繊維では11dt(デシテックス:以下同じ記号を使用)〜400dt、短繊維では160S(綿番手:以下同じ記号)〜10S、またこれらの双糸、3子糸、さらに、引き揃えて編成、織布することができ、それぞれ組織にあった太さとして使用できるが、長繊維では40dtから170dt、短繊維では30S〜120S程度が扱いやすく好ましい。
本発明において、中間層に用いられる撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維は単独でも、他糸との複合糸であっても良い。例えば、ポリエステルとの複合糸などが有用であるが、撚り係数6000〜35000であるセルロース繊維の吸汗時の収縮を阻害しないように複合することが重要である。
さらに、非収縮繊維が形成する両外層は、非収縮繊維の割合が100%、あるいは、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維が50%未満の割合で混用されていても本発明の目的は達成されるが、非収縮繊維の割合が多い方が好ましく、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維が50%以上の場合は吸汗時に布帛の寸法変化が大きくなり好ましくない。なお、外層部における混率の算出は、繊維の表面露出量とし、具体的な測定は表面写真等により繊維の露出量を測定する。
また、非収縮繊維以外の繊維の使用についても任意である。
本発明において立体編地の製造は、丸編機、経編機に於いて製造可能であり、編地密度についても任意に設定できる。
なお、実施例における評価は以下の方法により測定した。
(1)撚り係数
セルロース繊維の撚り係数を下記により求めた。
撚り係数=(繊度)0.5×撚り数 (単位:撚り数/m)
(2)編地製造性
編地製造時、撚糸したセルロース繊維の製編性を評価した。
ルート生産可能なのは下記3以上である。
5 : 問題なく編地製造できる
4 : ビリなどがやや発生するが、合格反が製造できる
3 : 僅かに糸切れ等の問題発生したが、合格反が製造できる
2 : 糸切れ等発生、編地製造できるが不合格反となる。
1 : ビリ発生、糸切れ等により編地製造困難
厚みが薄くなれば放熱性も増加するため、乾燥時と吸汗時(吸水時)の厚みを測定し、厚み変化量を放熱性の代用として等級化した。なお、厚み変化が部分的になるように設計した編地では、厚み変化部のみを測定した。
厚み変化量=乾燥時厚み−吸汗時(吸水時)厚み
5 : 厚み変化0.07mm以上で効率良く放熱性が促進される
4 : 厚み変化が0.05〜0.06mmでかなり放熱性が促進される
3 : 厚み変化が0.03〜0.04mmで放熱性が促進される。
2 : 厚み変化が0.01〜0.02mmで僅かに放熱性は促進される
1 : 厚み変化が0.01mm未満で放熱性の変化は無い。
28ゲージの丸編機により図1に示す組織をシリンダーとダイアルの釜間4mmに設定し、(1)、(2)には非収縮糸として84dt/36fのポリエステル繊維の2ヒーター仮撚り加工糸を天竺組織で編成し、(3)には撚り係数18000のキュプラ繊維84dt/45fを用いて編成した。
編成した生機を液流染色機に投入し、80℃20分精練し、その後130℃でエステル側のみ染色を行い、吸水剤に浸漬後ピンテンターにて皺が伸びる程度に170℃60秒にて巾出しセットを行った。
得られた編地の性能を評価し、結果を表1に示す。
実施例1に於いて、表1に示す、撚り係数を変えたセルロース繊維を用いて編地製造を行い評価を行った。結果を表1に示す。
28ゲージ釜間4mmの丸編機を使用し、図4の組織を編成するにあたり、(1)(3)(4)(5)(7)(8)には非収縮糸として84dt/36fのポリエステル繊維2ヒーター仮撚り加工糸で編成し、(2)(6)には撚り係数18000のキュプラ繊維84dt/30fを用い、まず、(1)〜(4)を8回繰り返した。次いで、(5)〜(8)を8回繰り返して編成し、これらを繰り返して生機編成した。
編成した生機を液流染色機に投入し、80℃20分精練し、その後130℃でエステル側のみ染色を行い、吸水剤に浸漬後ピンテンターにて皺が伸びる程度に170℃60秒にて巾出しセットを行った。
得られた編地は、吸汗時には部分的に凹部ができる布帛となり、この布帛性能を評価し、結果を表1に示す。
実施例8において、(2)(6)の撚り係数18000のキュプラ繊維、および、(4)(8)の非収縮繊維を配置した組織において、ダイアル側のタックの針本数を変化させ、該キュプラ繊維の混率を表1に示すように変えて編地製造を行った。得られた編地の性能を評価し、結果を表1に示す。なお、実施例14においては、編地製造性および放熱性は非常に優れていたが、収縮量が非常に大きいため、吸水時にやや編地の収縮が見られた。
28ゲージのフロントとバックの釜間が3mmのダブルラッセル経編機を使用し、フロント筬に非収縮繊維として56dt/36fのポリアミド繊維を配置し、バック筬に撚り係数10000のキュプラ繊維56dt/30fを配置、これらを使用してフロントニードル、バックニードルにてそれぞれ別々にデンビー組織を編成し、ミドル筬には非収縮繊維として56dt/36fのポリアミド繊維を配置し、1イン1アウトの針抜きとしてフロントニードルとバックニードルの両方を連結編成するような組織を編成した。
編成した生機を液流染色機に投入し、80℃20分精練し、その後100℃でポリアミド側のみ染色を行った。染色上がりの生地を吸水剤に浸漬後、ピンテンターにて皺が伸びる程度に170℃60秒にて巾出しセットを行った。
得られた編地の撚り係数10000のキュプラ繊維の混率は36%であり、この編地を使用してランジェリーを縫製して着用したところ、発汗時には編地に凹部発現し、放熱性が高く、且つ、べとつき感のない快適なインナーとなった。
2 撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維
(1)(2)(3) 〜 (8) 編成順
Claims (2)
- 少なくとも中間層に撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を含有し、両外層は非収縮繊維を含有して構成されていることを特徴とする立体編地。
- 請求項1に於いて、撚り係数が6000〜35000であるセルロース繊維を5〜80重量%以上含有することを特徴とする立体編地。
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