JP2007189841A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Koichi Kinashi
好一 木梨
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Abstract

【課題】モータの小型化が可能であり、且つコスト上昇を伴わない磁気センサの配置が可能であるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ブラシレスモータ1は、インシュレータ50を介してコイル21が巻回された複数のティース部24を有するステータ2と、ティース部24と磁気ギャップが隔てられて対向される多極のマグネット31を有し、ステータ2に対して回転自在に設けられたロータ3と、ステータ2に設けられてマグネット31に対向される磁気センサ60とを具備する。ティース部24におけるマグネット31と対向する外周面40に形成された凹溝41により、ティース部24がマグネット31の磁極に対して所定ピッチの複数の小歯42に分割され、インシュレータ50に、ティース部24の凹溝41に嵌合されてマグネット31と対向する爪55,56が形成されるとともに、爪55に磁気センサ60が収容される収容部57が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、インシュレータを介在させて磁界を形成するためのコイルが巻回された複数のティースを有するステータと、上記ティースと磁気ギャップを隔てて対向する多極のマグネットを有し、上記ステータに対して回転自在に設けられたロータと、上記ステータに設けられて上記マグネットに対向する磁気センサと、を具備してなるブラシレスモータに関する。
従来より、磁界を形成するステータに対してロータが回転するブラシレスモータとしてインナーロータ型のものやアウターロータ型のものが知られている。インナーロータ型のブラシレスモータでは、複数のティースが内側へ向かって突出する円筒形状のステータの内側に、多極のマグネットを有するロータが配設され、該ステータの磁界により該ロータが回転される。アウターロータ型のブラシレスモータでは、複数のティースが外側へ放射状に突出するステータの外側に、多極のマグネットを有する円筒形状のロータが配設され、該ステータの磁界により該ロータが回転される。
磁界は、ステータに対するロータの回転角度に基づいて、ステータの各ティースに巻回されたコイルへの通電状態を切り替えることにより形成される。ロータの回転角度は、磁気センサやエンコーダにより検出することができる。磁気センサは、ホールICと称される磁気検出センサが汎用されている。複数の磁気センサが所定の電気角を隔てられてステータに配設され、該磁気センサが検出したロータのマグネットの磁気により、ロータの回転角度が求められる。
図4は、従来のインナーロータ型のブラシレスモータ100の一部を示す拡大断面図である(特許文献1参照)。ブラシレスモータ100のロータ101は、シャフト102の周囲にロータコア103が固定され、該ロータコア103の外周に円筒形状のロータマグネット104が設けられてなる。ロータマグネット104は、ロータ101の周方向に所定の磁極数で着磁されている。ロータマグネット104からシャフト102の軸方向へ隔てられて、センサマグネット取付部105がシャフト102の径方向に突設され、該センサマグネット取付部105の先端にセンサマグネット106が取り付けられている。センサマグネット106も円筒形状であり、ロータマグネット104と同じ磁極数に着磁されている。
ブラシレスモータ100のステータ107は、ハウジングケース108の内面側に、ロータ101へ向けて複数のティースが突設された円筒形状のステータコア109が固定され、ステータコア109の各ティースにコイル110が巻回されてなる。ステータコア109からロータ101の軸方向へセンサ保持部111が延設され、センサ保持部111の先端に磁気センサ112が固定されることにより、磁気センサ112がセンサマグネット106と所定の間隙を隔てて対向されている。
各コイル110には、U相、V相、W相の3相の電力が外部から供給され、これら各相は位相がそれぞれ120°づつ異なる。図には表れていないが、磁気センサ112は、センサマグネット106に対して異なる磁界位置となるように、周方向の異なる位置に3つ設けられている。各磁気センサ112が検出した磁力は、不図示のセンサ回路に出力され、センサ回路の出力信号に基づいて、制御回路がステータ107に対するロータ101の回転角度を判定し、ロータ101の回転角度に対応した電力を各コイル110に出力する。
図5は、従来の他の構成に係るインナーロータ型のブラシレスモータ120の一部を示す拡大断面図である。なお、図に示されている参照符号のうち、上記ブラシレスモータ100と同じ符号は同じ部材を示している。ブラシレスモータ120のロータ121は、シャフト102の周囲にロータコア103が固定され、該ロータコア103の外周に円筒形状のロータマグネット122が設けられてなる。ロータマグネット122は、ロータコア103からシャフト102の軸方向へ突出されており、この突出部分123がセンサマグネットとなる。ブラシレスモータ120のステータ124は、上記ステータ107と同じ構成である。これにより、磁気センサ112がロータマグネット122の突出部分123と対向することになり、突出部分123の磁界が磁気センサ112により検出される。
図6は、従来のさらに他の構成に係るインナーロータ型のブラシレスモータ130の一部を示す拡大断面図である。なお、図に示されている参照符号のうち、上記ブラシレスモータ100と同じ符号は同じ部材を示している。ブラシレスモータ130のロータ131は、センサマグネット取付部105及びセンサマグネット106が設けられていない点を除いて上記ロータ101と同様の構成である。
ブラシレスモータ130のステータ132は、ハウジングケース108の内面側にステータコア109が固定され、ステータコア109の各ティースにコイル110が巻回されている点は、上記ステータ107と同様である。ステータコア109のティースがロータマグネット104と対向する面には、シャフト102の軸方向に切欠溝133が形成されている。この切欠溝133は、例えば、ステータコア109を構成する積層鋼板の同一部位に磁気センサ112に適合した大きさの切欠きが形成されてなる。この切欠溝133内に磁気センサ112が嵌め込まれて固定されることにより、磁気センサ112が、ロータマグネット104と対向する位置に配設されている。
特開2004−304945号公報
従来のブラシレスモータ100では、ロータコア103及びステータコア109からシャフト102の軸方向へ隔てられた位置に、センサマグネット106及び磁気センサ112が配設されているので、ブラシレスモータ100のハウジングケース108内に、これらを配設するためのスペースが設けられる必要がある。そのため、モータの小型化が実現され難いという問題があった。また、センサマグネット106及び磁気センサ112を取り付けられるために、センサマグネット取付部105及びセンサ保持部110が設けられる必要があり、部品コスト及び組立コストともに上昇するという問題もあった。
従来のブラシレスモータ120では、センサマグネット取付部105が設けられる必要がないという利点があるが、ロータマグネット104がシャフト102の軸方向へ延出される必要がある。モータ出力を向上させる等を目的として、例えばネオジ系のマグネットのような高価なマグネットがロータマグネット104に用いられた場合には、ロータマグネット104が延出された分だけコスト上昇が生じるという問題があった。
従来のブラシレスモータ130では、センサマグネット取付部105及びセンサ保持部111が設けられる必要がなく、且つ、ロータマグネット104がシャフト102の軸方向へ延出される必要もないという利点があるが、ステータコア109に切欠溝133が形成される必要がある。この切欠溝133によってステータコア109に損失が生じるとともに、ロータマグネット104との磁気ギャップが拡がるので、モータの出力が低下するという問題があった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、モータの小型化が可能であり、且つコスト上昇を伴わない磁気センサの配置が可能であるブラシレスモータを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、インシュレータを介在させて磁界を形成するためのコイルが巻回された複数のティースを有するステータと、上記ティースと磁気ギャップを隔てられて対向される多極のマグネットを有し、上記ステータに対して回転自在に設けられたロータと、上記ステータに設けられて上記マグネットに対向される磁気センサと、を具備してなるブラシレスモータであって、上記ティースにおける上記マグネットと対向する面に上記ロータの軸方向に延びる溝が形成されることにより、該ティースが上記マグネットの磁極に対して所定ピッチの複数の小歯に分割され、上記インシュレータに、上記ティースの溝に嵌合されて上記マグネットと対向する爪が形成されるとともに、該爪に上記磁気センサが収容される収容部が形成されたものである。
ブラシレスモータのステータは、複数のティースを有する。各ティースには、絶縁のためのインシュレータを介在させて、磁界を形成するためのコイルが巻回される。ブラシレスモータのロータは、例えばインナーロータ型又はアウターロータ型のように、ステータに対して回転自在に配置される。ロータは多極のマグネットを有し、ステータの各ティースと所定の磁気ギャップを隔てられて対向される。
ステータの各ティースにおけるマグネットと対向される面には、ロータの軸方向に延びる溝が形成されている。この溝により、各ティースは、ロータのマグネットの磁極に対して所定ピッチの複数の小歯に分割される。各ティースを覆うインシュレータは、ティースの溝に嵌合される爪が形成されている。該爪は、ティースの溝に嵌合された状態でロータのマグネットと対向する。また、該爪には、磁気センサを収容する収容部が形成されている。磁気センサは、インシュレータの収容部に収容部に収容されることにより、ステータの所定位置に固定されて、ロータのマグネットに対向する。これにより、磁気センサがロータのマグネットの磁界を検出し、磁気センサの検出信号に基づいて、ロータの回転角度が求められる。
(2) 上記ステータは、3相の磁界を形成するものであり、上記磁気センサは、相互に隣接する3つのティースに設けられた各インシュレータの収容部に配設されたものが好適である。センサ回路が、3つの磁気センサが検知する磁気に基づいて信号を形成し、これに基づいて制御回路がステータに対するロータの回転角度を判断して、3相の磁界を形成すべく、各コイルに所定の位相の電力を供給する。
(3) 上記ステータ及び上記マグネットは、上記ロータの軸方向の長さがほぼ同等であることが好適である。これにより、特にロータの軸方向においてブラシレスモータの小型化が実現される。
(4) 上記ステータが所定のティース毎に分割された分割コアからなるものである場合に、本発明が好適である。
本発明に係るブラシレスモータによれば、ステータの各ティースが、ロータの軸方向に延びる溝により、ロータのマグネットの磁極に対して所定ピッチの複数の小歯に分割され、該溝に嵌合されるインシュレータの爪に磁気センサが収容される収容部が形成されて磁気センサが収容されることとしたので、ロータの軸方向に磁気センサを配置するための空間が必要とされず、モータの小型化が可能となる。また、インシュレータに収容部が形成されているので、磁気センサを保持するための部材が別途に設けられる必要がなく、また、ロータのマグネットが軸方向へ延出されたり、センサ用のマグネットが別途設けられたりする必要がなく、コスト上昇を抑制することが可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態は、本発明に係るブラシレスモータの一態様にすぎず、例えば、アウターロータ型をインナーロータ型に変更するなど、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係るブラシレスモータ1の概略構成を示す断面図である。図2は、分割コア22の詳細な構成を示す斜視図である。図3は、分割コア22に組み付けられるインシュレータ50及び磁気センサ60を示す分解斜視図である。ブラシレスモータ1は、ステータ2とロータ3とから構成されるアウターロータ型のものであり、ステータ2の外周に所定の磁気ギャップを隔てられてロータ3が配設され、ステータ2により形成される磁界によりロータ3が回転されるように構成されている。
ステータ2は、ブラシレスモータ1の軸となるシャフト20と、9個の分割コア22が円筒形状に連結されたステータコア23と、分割コア22の各ティース部24(本発明のティースに相当)に巻回されたコイル21とからなる。各分割コア22は、円筒形状に連結される配置が異なる他は同形状のものであり、各分割コア22が連結されて1つの円筒形状のステータコア23が形成される。なお、本実施の形態では、分割コア22はティース部24毎に分割されたものとしたが、本発明において分割コア22は必ずしも各ティース部24毎に分割されたものである必要はなく、ステータコア23が複数に分割されていれば、例えば、所定の幾つかのティース部24毎にステータコア23を分割したものであってもよい。
ロータ3は、リング部材30と、リング部材30の内周面に固定された48極のマグネット31とからなる。マグネット31は、円筒形状の永久磁石であり、周方向にN極とS極とが交互となって48極の磁極が形成されている。マグネット31は、円筒形状に焼結された所謂リングマグネットや各磁極で分割されたもの等、周知のモータ用磁石を用いることができる。また、図には示されていないが、ステータ2とロータ3とはブラシレスモータ1のハウジングケース内に収容され、ロータ3は、該ハウジングケースに回転自在に軸支されている。ステータ2の各コイル21には、3相の電力が供給されることにより磁界が形成され、ロータ3は、ステータ2の磁界を受けてシャフト20とともに回転される。これらステータ2とロータ3とにより、9スロット・48極のブラシレスモータ1が構成されている。
図2に示されるように、分割コア22は、コイル21が巻回されるティース部24が、他の分割コア22と連結されるためのコアヨーク部25から突出されたものであり、平面視において同一形状の複数の鋼板が積層され、半抜きされたカシメなどによって上下方向の鋼板が嵌合されることにより一体とされている。コアヨーク部25は、円筒形状のステータコア23の周方向の幅の9分の1となる弧状に形成されている。ティース部24は、コアヨーク部25からステータコア23の径方向外側へ突出されている。
分割コア22のコアヨーク部25の隣接面27には、所謂あり形状の係合凹部28及び係合凸部29がそれぞれ形成されている。隣接面27は、各分割コア22が、図1に示されるような円筒形状のステータコア23として組み合わされる場合に、隣り合う分割コア22のコアヨーク部25と接触する面であり、ステータコア23の径方向となるコアヨーク部25の両端において、ステータコア23の軸方向となる平面をなしている。また、係合凹部28及び係合凸部29は、該隣接面27の上下方向、換言すれば円筒形状のステータコア23の軸方向に沿ってそれぞれ形成されている。
上記係合凹部28と係合凸部29とは、互いに対応した凹凸形状であり、係合凹部28及び係合凸部29は、隣接面27の径方向の略中央に形成されている。そして、図1に示されるように、分割コア22がステータコア23として円筒形状に組み付けられた際には、図2に示すように、隣接する2つの分割コア22を、ステータコア23の軸方向にずらせた状態として、一方の分割コア22の係合凹部28の上面側に、他方の分割コア22の係合凸部29の下面側を嵌入させ、その状態で、2つの分割コア22を軸方向に相対的に移動させて、各分割コア22の上下面を同一面とすることにより係合が完了される。そして、複数の分割コア22が円筒形状に組み付けられたステータコア23の中空部にシャフト20が圧入される。
ティース部24の外周面40、すなわちロータ3のマグネット31と対向する面には、ステータコア23の軸方向、換言すればロータ3の軸方向へ延びる2つの凹溝41(本発明の溝に相当)が周方向に隔てられて形成されている。これら凹溝41により、ティース部24のマグネット31と対向される部分が、3つの小歯42に分割されている。各小歯42のピッチは、マグネット31の磁極ピッチに対応されており、具体的にはマグネット31の2極分と略同一である。この小歯42のピッチや開角(電気角)は、ブラシレスモータ1のコギングトルクの低下や、トルク変動の安定化による振動抑制を考慮して適宜設定される。
また、ティース部24が小歯42に分割されることにより、ロータ3のマグネット31が多極化される。これにより、隣接するマグネット31間においてリング部材30の厚み方向を通過する磁束数が少なくなり、リング部材30の厚みを薄くしてブラシレスモータ1が小型化される。
図1に示されるように、ティース部24には、絶縁のためのインシュレータ50を介してコイル21が巻回される。図3に示されるように、インシュレータ50は、1つのティース部24に対して軸方向の一対が設けられる。一対のインシュレータ50は同一形状なので、一方のインシュレータ50を例に説明する。なお、図3においては、円筒形状のステータコア23の周方向が矢印x、径方向が矢印y、軸方向が矢印zで表されてており、ステータコア23の周方向、径方向及び軸方向と、ロータ3の周方向、径方向及び軸方向とが一致する。
インシュレータ50は、例えば絶縁性の合成樹脂から成形される。インシュレータ50は、概略すると、ティース部24の軸方向(矢印z方向)の端面を覆う基部51から、ティース部24の周方向(矢印x方向)の両側面を覆う一対の側壁部52が延出されてなる。一対のインシュレータ50の各基部51及び側壁部52により、ティース部24の周囲が覆われて絶縁される。基部51には、径方向(矢印y方向)に隔てられて一対の支持壁53,54が軸方向へ突設されている。この一対の支持壁53,54間にコイル21が巻回され、該コイル21が支持壁53,54に支持されて巻き崩れが防止される。
なお、コイル21の巻回方法は特に限定されるものではないが、フライヤ式又はノズル式の巻線機を用いて複数の分割コア22に対して1本の銅線を連続巻線し、該複数の分割コア22をコイル21間の渡り線により連結させて1群のものとすれば、複数の分割コア22の1群を、例えばU相、V相、W相の各相に対応させて所定の配置で円環状に連結することができ、結線作業が簡略化される。一方、各分割コア22のティース部24にコイル21を並列巻線することにより、分割コア22の係合に際して、隣接する分割コア22を軸方向にずらせることが容易なので、分割コア22の組み付けが容易である。
インシュレータ50の径方向外側の端部、すなわちティース部24の外周面40に対応する端部には、ティース部24の凹溝41に対応して2つの爪55,56が軸方向へ突設されている。各爪55,56は、インシュレータ50がティース部24に組み付けられることにより、凹溝41に嵌合されて外周面40とほぼ同一面をなし、ロータ3のマグネット31と対向される。なお、本発明においてティース部24の凹溝41の形状は特に限定されず、例えば断面形状が円弧状であっても角形であってもよい。したがって、インシュレータ50の爪55,56の形状も凹溝41の形状に対応して適宜変更することが可能である。
一方の爪55には、磁気センサ60が収容されるための収容部57が形成されている。収容部57は、磁気センサ60の外形に対応したポケット形状のものであり、ティース部24の軸方向外側へ開口されている。該開口を挿入口として、収容部57内に磁気センサ60が挿入される。収容部57の深さは、ティース部24の凹溝41内に対応する位置に達しており、収容部57に収容された磁気センサ60は、図3に示される位置61に位置せしめられる。また、収容部57におけるロータ3のマグネット31に対向する部分は一部開口されており、該開口を通じて、ティース部24の凹溝41内において磁気センサ60が外周面40側に一部露呈される。このような収容部57に磁気センサ50が収容されることにより、磁気センサ50が分割コア22のティース部24の凹溝41内(位置61)に位置せしめられるので、分割コア22の外周面40の軸方向の長さと、ロータ3のマグネット31の軸方向の長さとをほぼ同等としても、磁気センサ60を、ロータ3のマグネット31と対向させることができ、ブラシレスモータ1の小型化が実現される。
磁気センサ60は、ロータ3のマグネット31の磁界の変化を検出するものであり、例えば、ホール素子やホールICである。図1に示されるように、ブラシレスモータ1においては、3つの磁気センサ60が、9個の分割コア22のうち相互に隣接する3つの分割コア22の各ティース部24に設けられた各インシュレータ50の収容部57に収容されている。これにより、隣接する3つの分割コア22における同じ位置に配置された3つの磁気センサ60は、それぞれ、ロータ3のマグネット31のN極とS極間、N極、S極に対向した位置となる。つまり、3つの磁気センサ60により、マグネット31の異なる磁界が検出される。
図には表されていないが、3つの磁気センサ60は、ブラシレスモータ1の回転を制御するためのセンサ回路に電気的に接続されている。各磁気センサ60の検知信号は、センサ回路により例えばパルス状の磁極検出信号として、各コイル21にU相、V相、W相の3相の電力を供給するための制御回路に出力される。制御回路は、センサ回路の磁極検出信号に基づいて、ステータ2に対するロータ3の回転角度を判断して、所定の位相の3相の電力を各コイル21に供給すべく電力制御を行うが、このようなセンサ回路及び制御回路は周知のものなので、詳細な説明は省略される。
このようにブラシレスモータ1では、ステータ2の各ティース部24が軸方向に延びる凹溝41により、ロータ3のマグネット31の磁極に対して所定ピッチの複数の小歯42に分割され、凹溝41に嵌合されるインシュレータ50の爪55に、磁気センサ60が収容される収容部57が形成されて磁気センサ60が収容されるので、ロータ3の軸方向に、磁気センサ60が配置されるための空間が必要とされず、モータの小型化が実現される。また、インシュレータ50に収容部57が形成されているので、磁気センサ60が保持されるための部材が別途に設けられる必要がなく、また、ロータ3のマグネット31がステータ2からはみ出すように軸方向へ延出されたり、センサ用のマグネットが別途に設けらえたりする必要がないので、ブラシレスモータ1のコストダウンが実現される。
なお、本実施形態では、インシュレータ50の一方の爪55にのみ収容部57を形成したが、双方の爪55,56に収容部57がそれぞれ形成され、ブラシレスモータの構成態様に併せて磁気センサ60の収容位置が適宜選択されるものとされてもよい。また、本実施形態では、収容部57はポケット形状のものとしたが、本発明に係る収容部の形状は、磁気センサが所定位置に保持されることが可能であれば特に限定されない。また、磁気センサ60がマグネット31の磁界の変化を検出することが可能であれば、磁気センサ60は、必ずしもマグネット31に対して露呈されている必要はなく、インシュレータ50内に埋め込まれるような形状の収容部57が採用されてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係るブラシレスモータ1の概略構成を示す断面図である。 図2は、分割コア22の外観構成を示す斜視図である。 図3は、分割コア22へのインシュレータ50及び磁気センサ60の組付けを示す斜視図である。 図4は、従来のインナーロータ型のブラシレスモータ100の構成の一部を示す拡大断面図である。 図5は、従来のインナーロータ型のブラシレスモータ120の構成の一部を示す拡大断面図である。 図6は、従来のインナーロータ型のブラシレスモータ130の構成の一部を示す拡大断面図である。
符号の説明
1・・・ブラシレスモータ
2・・・ステータ
3・・・ロータ
21・・・コイル
22・・・分割コア
24・・・ティース部
31・・・マグネット
41・・・凹溝(溝)
42・・・小歯
50・・・インシュレータ
55,56・・・爪
57・・・収容部
60・・・磁気センサ

Claims (4)

  1. インシュレータを介在させて磁界を形成するためのコイルが巻回された複数のティースを有するステータと、
    上記ティースと磁気ギャップを隔てられて対向される多極のマグネットを有し、上記ステータに対して回転自在に設けられたロータと、
    上記ステータに設けられて上記マグネットに対向される磁気センサと、を具備してなるブラシレスモータであって、
    上記ティースにおける上記マグネットと対向する面に上記ロータの軸方向に延びる溝が形成されることにより、該ティースが上記マグネットの磁極に対して所定ピッチの複数の小歯に分割され、
    上記インシュレータに、上記ティースの溝に嵌合されて上記マグネットと対向する爪が形成されるとともに、該爪に上記磁気センサが収容される収容部が形成されたものであるブラシレスモータ。
  2. 上記ステータは、3相の磁界を形成するものであり、上記磁気センサは、相互に隣接する3つのティースに設けられた各インシュレータの収容部に配設されたものである請求項1に記載のブラシレスモータ。
  3. 上記ステータ及び上記マグネットは、上記ロータの軸方向の長さがほぼ同等である請求項1又は2に記載のブラシレスモータ。
  4. 上記ステータは、所定のティース毎に分割された分割コアからなるものである請求項1から3のいずれかに記載のブラシレスモータ。
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