JP2019097261A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】サーミスタのリード線を断線等の懸念なくモータ外に配線し得るリード線引き回し構造を備えたブラシレスモータを提供する。【解決手段】ブラシレスモータ1は、コイル16を備えたステータ2と、ステータ2の内側に回転自在に配置されたロータ3と、コイル16に対して給電を行うバスバーユニット6を有する。ステータ2とバスバーユニット6との間には、コイル16の温度を検出するサーミスタ65が配設されたベースバスバー7を配する。ベースバスバー7は、サーミスタ65を保持するサーミスタ保持部67と、サーミスタ65のリード線66をベースバスバー7の径方向内側に案内し軸方向に導出するリード線案内部68と、を有する。リード線66は、リード線案内部68から、バスバーユニット6の内周壁6aに沿って軸方向に配線される。【選択図】図9

Description

本発明は、ブラシレスモータに関し、特に、界磁コイルへの給電手段としてバスバーユニットを用いるブラシレスモータに関する。
一般に、インナーロータ型のブラシレスモータは、モータケースに内嵌固定されたステータと、モータケースの径方向中央に配置されステータに対して回転自在に支持されたロータとを有している。ステータは、略円筒状のステータコアと、このステータコアから径方向内側に突設された複数のティースとを備えている。各ティースには、絶縁材料によって形成されたインシュレータが装着されており、このインシュレータを介して界磁コイルが巻装されている。ロータの外周面には、磁極を構成する複数の永久磁石が配設されており、界磁コイルに対し外部電源から電力が給電されると、コイルに発生する磁束と永久磁石との間に吸引力、または反発力が生じロータが回転する。
また、近年、構造が簡単で堅牢であることなどから、ロータに永久磁石を使用しないSRモータ(スイッチトリラクタンスモータ:Switched Reluctance Motor)の需要が増大している。SRモータは、界磁コイル(励磁コイル)が巻装された複数のティースを有するステータと、ステータの内側に配置され複数の外向突極を備えたロータとから構成されており、ロータには、通常、マグネットは取り付けられていない。そして、コイルを選択的に通電することにより、ステータのティースを順次励磁し、そこにロータの外向突極を磁気吸引させてロータに回転トルクを発生させる。
このようなブラシレスモータでは、界磁コイルへの給電手段として、従来より、バスバーユニットを用いた構成が知られている。バスバーユニットは、略円環状に形成された樹脂モールド体に、金属製の複数のバスバーを互いに絶縁された状態で埋設したものであり、通常、ステータ内の軸方向端部に配置される。例えば、界磁コイルをスター結線方式にて結線するモータでは、樹脂モールド体からなるバスバーホルダ内に、各相のコイルに給電を行うための複数の相用バスバーと、中性点(コモン)をなす中性点用バスバーが埋設される形でバスバーユニットが形成される。
また、ブラシレスモータにおいては、コイルや制御基板等の熱害を防止するため、モータ内に温度検出手段としてサーミスタを配し、コイルの発熱状況を検出することも行われている。この場合、コイルが発する熱の検出精度を向上させるため、サーミスタは、なるべくコイルの近くに配置されることが望ましい。そこで、特許文献1のモータでは、バスバーホルダに加えてベースホルダを設け、そこにサーミスタを保持することにより、コイル近傍にサーミスタを配置している。
特開2017−85756号公報 特開2015−226447号公報 特表2006−509483公報
ところが、サーミスタには検出信号を出力するためのリード線が必要であり、このリード線をモータ外に引き出す際、それをバスバーユニットの外側に配線すると、リード線とバスバーのコイル接続端子が近接して配置される可能性がある。リード線とコイル接続端子が近接すると、両者が接触して端子の熱によってリード線が断線したり、破損により絶縁不良が生じたりするおそれがある。これに対し、リード線をバスバーユニットの内側に配線すれば、コイル接続端子との近接問題は生じない。しかしながら、この場合、リード線に撓みが生じると、リード線がロータと干渉し、リード線が断線したり、ロータの回転動作に支障が生じたりするおそれがある、などの問題があった。
本発明の目的は、サーミスタのリード線を断線等の懸念なくモータ外に配線し得るリード線引き回し構造を備えたブラシレスモータを提供することにある。
本発明のブラシレスモータは、界磁コイルを備えたステータと、前記ステータの内側に回転自在に配置されたロータと、前記界磁コイルに対して給電を行うバスバーユニットと、を備えてなるブラシレスモータであって、前記ブラシレスモータは、前記ステータと前記バスバーユニットとの間に、前記界磁コイルの温度を検出する温度検出手段が配設されたベースバスバーを備え、該ベースバスバーは、前記温度検出手段を保持する温度検出手段保持部と、前記温度検出手段のリード線を前記ベースバスバーの径方向内側に案内し軸方向に導出するリード線案内部と、を有し、前記リード線は、前記リード線案内部から、前記バスバーユニットの内周壁に沿って軸方向に配線されることを特徴とする。
本発明にあっては、ベースバスバーにリード線案内部を設け、温度検出手段のリード線をベースバスバーの内周側に配線する。このため、リード線は、通常、バスバーユニットの外周側に配置されるコイル接続端子と離間して配置される。したがって、両者が近接し、端子の熱によってリード線が断線するなどの問題は生じない。また、本発明のブラシレスモータでは、リード線は、リード線案内部によって案内された後、バスバーユニットの内周壁に沿って配線される。その際、リード線は、リード線案内部にてカバーされつつ径方向から軸方向に向きを変え、バスバーユニットの内周壁に沿って配線される。このため、リード線に撓みが生じても、リード線案内部やバスバーユニットの内周壁にて保持され、軸方向や径方向への移動が規制される。したがって、撓みによるリード線とロータの干渉を回避できる。
前記ブラシレスモータにおいて、前記リード線案内部に、前記リード線を前記ベースバスバーの径方向内側に導く案内溝と、前記ベースバスバーの内周側に設けられ、前記案内溝により前記ベースバスバーの径方向内側に案内された前記リード線の配線方向を変え、該リード線を軸方向に案内するガイド部と、を設けるようにしても良い。この際、前記ガイド部を、軸方向に延びる前記リード線を三方から囲むように設け、前記リード線の周方向側に側壁部、前記リード線の内側に内壁部、前記リード線の軸方向側に底壁部をそれぞれ配し、前記ベースバスバーの内周壁と、前記側壁部、前記内壁部、前記底壁部に囲まれた内側に、前記リード線が配線されるリード線挿通部を形成するようにしても良い。
また、前記ガイド部に、前記ベースバスバーの一面側に前記リード線挿通部と連通して設けられ、前記案内溝に臨んで開口し、前記リード線が挿通される第1開口部と、前記ベースバスバーの他面側に前記リード線挿通部と連通して設けられ、軸方向に向かって開口し、前記リード線が挿通される第2開口部と、を設け、前記案内溝により前記ベースバスバーの径方向内側に案内された前記リード線を、前記第1開口部から前記リード線挿通部内に導入し、配線方向を変えて、前記第2開口部から軸方向に導出するようにしても良い。
さらに、前記ブラシレスモータにおいて、前記ステータに、前記界磁コイルが巻装されるステータコアを設け、該ステータコアを、円筒状のステータコア本体と、該ステータコア本体の内周面から径方向内側に向かって突出する複数のティースとを有する構成とし、前記ティースに、絶縁性のインシュレータを装着し、該インシュレータを介して前記ティースに前記界磁コイルを巻装し、前記ベースバスバーを、前記インシュレータの軸方向端部に取り付けられる円環状に形成されたベースバスバー本体と、前記ベースバスバー本体の外周から放射状に突設され、隣接する前記インシュレータの間に配置される複数の係合片と、を有する構成とし、前記リード線案内部を前記係合片の部位に設け、前記案内溝を前記係合片の一面側に形成し、前記ガイド部を前記案内溝が形成された前記係合片に対応して、前記ベースバスバー本体の内周側に形成しても良い。この際、前記温度検出手段保持部を、前記リード線案内部が設けられた前記係合片とは異なる前記係合片に設けても良い。
本発明のブラシレスモータによれば、ベースバスバーにリード線案内部を設け、温度検出手段のリード線をバスバーユニットの内周側に配線するようにしたので、リード線は、通常、バスバーユニットの外周側に配置されるコイル接続端子と離間して配置され、両者が近接し、端子の熱によってリード線が断線することを防止できる。また、本発明のブラシレスモータでは、リード線は、リード線案内部によって案内された後、バスバーユニットの内周壁に沿って配線されるので、リード線に撓みが生じても、リード線案内部やバスバーユニットの内周壁にて保持され、軸方向や径方向への移動が規制される。したがって、撓みによるリード線とロータの干渉を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態であるブラシレスモータの軸方向に沿った断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 インシュレータをリヤブラケット側から見た斜視図である。 バスバーとバスバーホルダの構成を示す分解斜視図である。 リヤブラケット側から見たベースバスバーの斜視図である。 フロントブラケット側から見たベースバスバーの斜視図である。 ステータコアの端部にベースバスバーを取り付けた状態を示す斜視図である。 サーミスタ保持部およびリード線案内部の部位の拡大図である。 リード線の配線状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の軸方向に沿った断面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。図1,2のモータ1は、外側にステータ(固定子)2、内側にロータ(回転子)3を配したインナーロータ型の構成となっている。本実施の形態では、モータ1は、ロータ3にマグネット(永久磁石)を使用しないSRモータとなっている。ステータ2の軸方向両端には、フロントブラケット4とリヤブラケット5が取り付けられており、ロータ3は両ブラケット4,5に回転自在に軸支されている。ステータ2のリヤブラケット5側の端部には、バスバーユニット6が設けられている。
ステータ2は、複数の電磁鋼板を積層して形成されたステータコア11を有している。ステータコア11は、フロントブラケット4とリヤブラケット5の間に挟持され、セットボルト12により、両ブラケット4,5と一体的に固定される。ステータコア11は、円筒状のステータコア本体13と、ステータコア本体13の内周面から径方向内側に向かって突出する複数のティース14とを有している。ティース14は、ここでは12個設けられており、周方向に沿って略等ピッチに配置されている。ティース14には、合成樹脂製のインシュレータ15が取り付けられており、このインシュレータ15を介して、ティース14にはコイル(界磁コイル)16が巻装されている。
図3は、インシュレータ15をリヤブラケット5側から見た斜視図である。インシュレータ15は、絶縁性を有する樹脂により形成されており、ティース14の先端(径方向内側端)側から、ティース14に挿入、装着される。図3に示すように、インシュレータ15は、ティース14の外周面を被覆するように略四角筒状に形成されたインシュレータ本体17を有している。インシュレータ本体17のステータコア本体13側の周縁には、内側フランジ18が全周に亘って一体成形されている。また、インシュレータ本体17の内側フランジ18とは反対側(ティース14の先端側)の周縁には、外側フランジ19が全周に亘って一体成形されている。そして、これらインシュレータ本体17、内側フランジ18、および外側フランジ19によってコイル収納凹部21が形成され、このコイル収納凹部21にコイル16が巻回される。
コイル16は予めインシュレータ15に巻回され、インシュレータ15は、その状態でティース14に装着される。これにより、各ティース14にコイル16が巻回された状態となる。モータ1は、U相、V相、W相の3相のコイル16を備えた3相構成となっており、コイル16は、ティース14に巻回された状態で、周方向に沿ってU相、V相、W相の順に割り当てられる。各コイル16の2つの端末部16aは、それぞれバスバーユニット6側(リヤブラケット5側)に引き出されている。
内側フランジ18のリヤブラケット5側には、バスバーユニット6の位置決めを行うためのバスバー位置決め片22が一体成形されている。図3に示すように、バスバー位置決め片22は、ベース部23と、壁部24とを有する断面略L字形に形成されている。内側フランジ18と壁部24との間には、バスバーユニット6の位置決めを行うための位置決め凹部25が形成されている。ベース部23は、内側フランジ18のリヤブラケット5側の端部から、径方向内側に向かって延出されている。壁部24は、ベース部23の先端からリヤブラケット5側に向かって屈曲延出されており、ベース部23と一体成形されている。また、内側フランジ18には、バスバー位置決め片22を挟んで両側に、つまり、内側フランジ18のリヤブラケット5側の角部に、切り欠き部26が形成されている。
ステータコア11のリヤブラケット5側(一端側)には、コイル16と電気的に接続されるバスバーユニット6が取り付けられている。バスバーユニット6は、ベースバスバー7を介して、インシュレータ15に回り止めされた状態で取り付けられている。バスバーユニット6は、複数のバスバー31と、バスバー31を互いに絶縁状態に保持する複数のバスバーホルダ32とを有している。バスバーユニット6では、バスバー31は、モータ1の相数に対応した個数(ここでは、U相,V相,W相分の3個と各相同士の接続用の1個の計4個)設けられている。バスバー31は、合成樹脂製のバスバーホルダ32に収容された状態で、軸方向に積層配置され、バスバーユニット6は、全体が略円筒形状に形成される。
図4は、バスバー31とバスバーホルダ32の構成を示す分解斜視図である。図4に示すように、バスバー31は、略C字状に形成されたバスバー本体33と、バスバー本体33の外周部に形成されたコイル接続端子34と、バスバー本体33の一端に形成された外部端子35と、から構成されている。コイル接続端子34は、バスバー本体33の外周部から径方向外側に突出形成され、バスバーユニット6の周囲にはコイル接続端子34が放射状に突出している。放射状に突出配置されたコイル接続端子34には、コイル16の端末部16aが接続される。外部端子35は、バスバー本体33の一端からリヤブラケット5側に向かって屈曲延出され、図示しない外部機器から延びる端子に接続される。
バスバーホルダ32は、バスバー本体33に対応するように円環状に形成されている。バスバーホルダ32の一面32aには、バスバー本体33を収納可能な収納凹部36が形成されている。収納凹部36は、バスバー本体33の形状に対応するように、平面視略C字状に形成されている。バスバーホルダ32には、収納凹部36によって外周壁37と内周壁38が形成される。外周壁37には、バスバー31のコイル接続端子34に対応する位置に、コイル接続端子34を受け入れ可能な凹部39aが形成されている。内周壁38には、バスバー31の外部端子35に対応する位置に、外部端子35を受け入れ可能な凹部39bが形成されている。
さらに、バスバーホルダ32には、複数積層した際の隣り合うバスバーホルダ32同士の位置決めを行うための位置決め部41が設けられている。位置決め部41は、凸部42と、この凸部42と嵌合可能な孔部43と、から構成されている。また、バスバー本体33の内周部には、バスバーホルダ32の凸部42に対応する位置に、この凸部42を避けるように凹部44が形成されている。1つの位置決め部41を構成する凸部42と孔部43との周方向の間隔は、30°に設定されており、複数のバスバーホルダ32を積層する際、所定の孔部43に隣接するバスバーホルダ32の凸部42を嵌合させる。これにより、バスバー31とバスバーホルダ32を組み付けたユニットが周方向に30°ずれながら積層され、各相のコイル接続端子34が同相のコイル16の端末部16aに対応する位置に配置される。
ステータ2の内側にはロータ3が挿入されている。ロータ3は、回転軸51とロータコア52を有している。回転軸51の両端は、軸受53,54によって回転自在に支持されている。フロント側の軸受53は、フロントブラケット4の中央に圧入固定されている。リヤ側の軸受54は、リヤブラケット5の中央に圧入固定されている。回転軸51には、電磁鋼板を積層して形成したロータコア52が圧入固定されている。ロータ3は、回転軸51及びロータコア52と一体となって、軸受53,54によりフロントブラケット4とリヤブラケット5に軸支され、ステータ2の内部で回転する。
ロータコア52の外周には、径方向外側に向かって突設された複数の突極55が設けられている。突極55は、ステータ2側のティース14とは異なる個数設けられている。ロータ3の回転位置は、リヤブラケット中央に設けられたボス部56に配されたレゾルバ(回転検出センサ)57によって検知されている。そして、ロータ回転位置に応じて、各コイル16を選択的に通電することにより、ステータ2のティース14にロータ3の突極55が磁気吸引され、ロータ3に回転トルクが発生してモータ1が回転駆動する。
ここで、当該モータ1では、前述のように、バスバーユニット6は、ベースバスバー7を介してインシュレータ15に取り付けられている。つまり、バスバーユニット6とステータコア11との間にベースバスバー7が介設されている。図5は、リヤブラケット5側から見たベースバスバー7の斜視図、図6は、フロントブラケット4側(ステータ2側)から見たベースバスバー7の斜視図、図7は、ステータコア11の端部にベースバスバー7を取り付けた状態を示す斜視図である。
図5,6に示すように、ベースバスバー7は、バスバーホルダ32に対応するように、円環状に形成されたベースバスバー本体61を有している。この場合、ベースバスバー7は、図7に示すように、インシュレータ15上に載置され、ベースバスバー本体61は、インシュレータ15のバスバー位置決め片22に設けられた位置決め凹部25に嵌り込むように形成されている。また、ベースバスバー本体61の一面61aには、バスバーホルダ32の孔部43に対応する位置に、この孔部43に嵌合される複数(本実施形態では4つ)の凸部62が一体成形されている。凸部62は、最下段のバスバーホルダ32の孔部43に嵌合し、これにより、ベースバスバー7とバスバーホルダ32が一体化される。
ベースバスバー本体61には、周方向で隣り合うインシュレータ15の間に嵌り込む複数(本実施形態では12個)の係合片63が一体成形されている。図7に示すように、インシュレータ15の隣接するバスバー位置決め片22の間には、係合凹部64が形成される。係合片63は、この係合凹部64に対応するように扇形状に形成されており、インシュレータ15の内側フランジ18に形成された切り欠き部26の間に嵌まり込む形で、インシュレータ15上に載置される。ベースバスバー7上には、凸部62と孔部43の嵌合によりバスバーユニット6が固定され、これにより、ステータ2上にバスバーユニット6が取り付けられる。
また、ベースバスバー7には、コイル16や図示しない制御基板への熱害を防止するため、サーミスタ(温度検出手段)65が設けられている。図6に示すように、モータ1のベースバスバー7は、サーミスタ65を保持するためのサーミスタ保持部67(温度検出手段保持部)や、サーミスタ65のリード線66を案内するリード線案内部68を有している。図8は、サーミスタ保持部67およびリード線案内部68の部位の拡大図であり、サーミスタ保持部67とリード線案内部68の使用状態を示している。図6,8に示すように、サーミスタ保持部67は、サーミスタ65を保持するとともに、リード線66をベースバスバー7の周方向に沿って保持、案内する構成となっている。一方、リード線案内部68は、リード線66をベースバスバー7の径方向内側に案内するとともに、それをリヤブラケット5側に導出する構成となっている。
サーミスタ保持部67は、ベースバスバー7の隣り合う所定の2つの係合片63a,63bの一面69側に設けられている。サーミスタ保持部67は、係合片63の径方向外側端部に設けられており、径方向に並ぶ2つの挟持壁71と、挟持壁71の間に形成されたリード線保持溝72とから構成されている。サーミスタ保持部67には、図示しない制御基板から延びるリード線66が保持されるとともに、リード線66に接続されているサーミスタ65が支持される。リード線保持溝72の深さ、すなわち、挟持壁71の高さは、リード線66を十分に抱え込むことができる量が確保されており、サーミスタ保持部67からリード線66が外れないようになっている。リード線保持溝72には、リード線66が軽圧入状態にて収容保持され、隣接する係合片63の間の間隙73にサーミスタ65が配される。すなわち、サーミスタ65が、ベースバスバー7に保持された状態でコイル16の直上に配置される。これにより、サーミスタ65をコイル16に近接して配置でき、コイル16の温度を精度良く検出することが可能となる。
リード線案内部68は、サーミスタ保持部67が設けられた係合片63bの隣の係合片63cに設けられている。リード線案内部68には、リード線66をベースバスバー7の径方向内側に導く案内溝74と、内側(中心側)に案内されたリード線66をリヤブラケット5側に導出するガイド部75が設けられている。案内溝74は、係合片63cの周方向端縁76から径方向内側に向かって形成され、係合片63cの内端縁77に至り(案内溝74a)、そこから内周壁78を厚さ方向(軸方向)に沿って延び(案内溝74b)、係合片63cの他面79側まで設けられている。また、ガイド部75は、係合片63cの内端縁77に、内周壁78に形成された案内溝74を覆うように、径方向内側に向かって突設されている。
図5,6,8に示すように、ガイド部75は案内溝74bを三方から囲むように設けられており、周方向の側壁部81,91と、内側の内壁部82、軸方向の底壁部83から構成されている。側壁部81は、係合片63cの内周壁78から径方向内側に突設されており、案内溝74bの周方向側を塞ぐように配置されている。内壁部82は、側壁部81の内端部81aから周方向に沿って延び、案内溝74bの内周側を塞ぐように配置されている。底壁部83は、側壁部81の軸方向端部81bから、内壁部82の軸方向端部82aと一体に周方向に沿って延び、案内溝74bの軸方向側を塞ぐように配置されている。側壁部91は、側壁部81の対向位置に配置されている。そして、ガイド部75内には、側壁部81,91、内壁部82、底壁部83によって囲まれた内側には、リード線66が配線されるリード線挿通部84が形成される。リード線挿通部84内には、リード線66がロータ3と隔離された状態で挿通される。
ガイド部75内に形成されたリード線挿通部84には、係合片63cの一面69側に、リード線66を挿入する第1開口部85が、また、他面79側に、リード線66を引き出す第2開口部86が設けられている。ガイド部75では、リード線66は、係合片63b側から係合片63cの案内溝74aに入り、案内溝74aに沿って係合片63cの内端縁77に配線され、第1開口部85からリード線挿通部84内に導入される。リード線挿通部84内に導入されたリード線66は、延伸方向を変え、内周壁78の案内溝74bに沿ってリード線挿通部84内を配線され、第2開口部86からガイド部75の外へ引き出される。
このようにして、リード線66は、ガイド部75によってベースバスバー7の内周側に案内され、軸方向に引き出される。ガイド部75から軸方向に引き出されたリード線66は、図9に示すように、バスバーユニット6の内周壁6aに沿って軸方向に配線される。モータ1では、バスバーユニット6の内周壁6aは、リヤブラケット5の中央部に設けられたボス部56と対向しており、内周壁6aとボス部56の間には間隙87が形成されている。したがって、リード線66は、この間隙87内を内周壁6aに沿って軸方向に配線される。
このように、本発明によるモータ1では、ベースバスバー7にリード線案内部68を設け、リード線案内部68のガイド部75により、サーミスタ65のリード線66をバスバーユニット6の内周側に配線する。このため、リード線66は、バスバー31のコイル接続端子34と離間して配置される。したがって、両者が近接し、端子の熱によってリード線が断線するなどの問題は生じない。
また、モータ1では、リード線66をバスバーユニット6の内側に配線する際、リード線66は、ガイド部75によって案内された後、バスバーユニット6の内周壁6aに沿って配線される。すなわち、リード線66は、ガイド部75にてカバーされつつ径方向から軸方向に向きを変え、間隙87内を内周壁6aに沿って配線される。このため、リード線66に撓みが生じても、ガイド部75や間隙87内にて保持され、軸方向や径方向への移動が規制される。したがって、撓みによりリード線がロータと干渉することがなく、リード線の断線や、ロータ回転動作への支障を防止でき、モータの信頼性向上が図られる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、本発明をブラシレスモータの一種であるSRモータに適用した例を示したが、その適用対象はSRモータに限られるものではなく、さまざまなリラクタンスモータやブラシレスモータ等に本発明は適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ロータ
4 フロントブラケット
5 リヤブラケット
6 バスバーユニット
6a 内周壁
7 ベースバスバー
11 ステータコア
12 セットボルト
13 ステータコア本体
14 ティース
15 インシュレータ
16 コイル(界磁コイル)
16a 端末部
17 インシュレータ本体
18 内側フランジ
19 外側フランジ
21 コイル収納凹部
22 バスバー位置決め片
23 ベース部
24 壁部
25 位置決め凹部
26 切り欠き部
31 バスバー
32 バスバーホルダ
32a 一面
33 バスバー本体
34 コイル接続端子
35 外部端子
36 収納凹部
37 外周壁
38 内周壁
39a 凹部
39b 凹部
41 位置決め部
42 凸部
43 孔部
44 凹部
51 回転軸
52 ロータコア
53 軸受
54 軸受
55 突極
56 ボス部
57 レゾルバ
61 ベースバスバー本体
61a 一面
62 凸部
63 係合片
63a 係合片
63b 係合片
63c 係合片
64 係合凹部
65 サーミスタ(温度検出手段)
66 リード線
67 サーミスタ保持部
68 リード線案内部
69 一面
71 挟持壁
72 リード線保持溝
73 間隙
74 案内溝
74a 案内溝
74b 案内溝
75 ガイド部
76 周方向端縁
77 内端縁
78 内周壁
79 他面
81 側壁部
81a 内端部
81b 軸方向端部
82 内壁部
82a 軸方向端部
83 底壁部
84 リード線挿通部
85 第1開口部
86 第2開口部
87 間隙
91 側壁部

Claims (6)

  1. 界磁コイルを備えたステータと、前記ステータの内側に回転自在に配置されたロータと、前記界磁コイルに対して給電を行うバスバーユニットと、を備えてなるブラシレスモータであって、
    前記ブラシレスモータは、前記ステータと前記バスバーユニットとの間に、前記界磁コイルの温度を検出する温度検出手段が配設されたベースバスバーを備え、
    該ベースバスバーは、前記温度検出手段を保持する温度検出手段保持部と、前記温度検出手段のリード線を前記ベースバスバーの径方向内側に案内し軸方向に導出するリード線案内部と、を有し、
    前記リード線は、前記リード線案内部から、前記バスバーユニットの内周壁に沿って軸方向に配線されることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
    前記リード線案内部は、
    前記リード線を前記ベースバスバーの径方向内側に導く案内溝と、
    前記ベースバスバーの内周側に設けられ、前記案内溝により前記ベースバスバーの径方向内側に案内された前記リード線の配線方向を変え、該リード線を軸方向に案内するガイド部と、を有することを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 請求項2記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ガイド部は、軸方向に延びる前記リード線を三方から囲むように設けられ、前記リード線の周方向側に配置される側壁部と、前記リード線の内側に配置される内壁部と、前記リード線の軸方向側に配置される底壁部と、を有し、
    前記ベースバスバーの内周壁と、前記側壁部、前記内壁部、前記底壁部に囲まれた内側には、前記リード線が配線されるリード線挿通部が形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  4. 請求項3記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ガイド部は、
    前記ベースバスバーの一面側に前記リード線挿通部と連通して設けられ、前記案内溝に臨んで開口し、前記リード線が挿通される第1開口部と、
    前記ベースバスバーの他面側に前記リード線挿通部と連通して設けられ、軸方向に向かって開口し、前記リード線が挿通される第2開口部と、を有し、
    前記案内溝により前記ベースバスバーの径方向内側に案内された前記リード線は、前記第1開口部から前記リード線挿通部内に導入され、配線方向を変えて、前記第2開口部から軸方向に導出されることを特徴とするブラシレスモータ。
  5. 請求項2〜4の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ステータは、前記界磁コイルが巻装されるステータコアを有し、
    前記ステータコアは、円筒状のステータコア本体と、該ステータコア本体の内周面から径方向内側に向かって突出する複数のティースとを有し、
    前記ティースには、絶縁性のインシュレータが装着され、該インシュレータを介して前記ティースに前記界磁コイルが巻装され、
    前記ベースバスバーは、前記インシュレータの軸方向端部に取り付けられる円環状に形成されたベースバスバー本体と、前記ベースバスバー本体の外周から放射状に突設され、隣接する前記インシュレータの間に配置される複数の係合片と、を有し、
    前記リード線案内部は前記係合片の部位に設けられ、前記案内溝は、前記係合片の一面側に形成され、前記ガイド部は、前記案内溝が形成された前記係合片に対応して、前記ベースバスバー本体の内周側に形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  6. 請求項5記載のブラシレスモータにおいて、
    前記温度検出手段保持部は、前記リード線案内部が設けられた前記係合片とは異なる前記係合片に設けられることを特徴とするブラシレスモータ。
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