JP7471038B2 - 車両用回転電機のステータ - Google Patents

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Description

本発明は、車両用回転電機のステータに係り、特に、車両用回転電機の温度を検出する温度センサの温度検出精度の向上に関する。
特許文献1には、車両用回転電機のステータを構成する中性線バスバーのバスバー本体の端部に、温度センサが収容される収容穴を設け、当該収容穴内に温度センサを収容する構造が開示されている。
特開2017-22820号公報
ところで、特許文献1では、バスバー本体において温度センサが収容される収容穴が形成される部位の断面積と、バスバー本体のそれ以外の部位の断面積と、の差分が大きいため、バスバー本体を流れる電流の電流密度の大きさが異なる。その結果、バスバー本体の収容穴が形成される部位と、バスバー本体の収容穴が形成される部位と異なる部位と、の間での温度変化が大きくなることで、温度センサの温度検出精度が悪化する虞がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両用回転電機のステータにおいて、中性線バスバーのバスバー本体に取り付けられる温度センサの検出精度の悪化が抑制される構造を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)円環状のステータコアと、前記ステータコアに巻き掛けられるステータコイルと、前記ステータコイルに接続される長手状の中性線バスバーと、を含み、前記中性線バスバーは、前記ステータコアの周方向に伸びる円弧状のバスバー本体と、前記バスバー本体に一体的に形成され前記ステータコイルに接続される接続端子と、を備え、前記バスバー本体に温度センサが取り付けられている、車両用回転電機のステータであって、(b)前記バスバー本体には、長手方向が前記バスバー本体の円弧形状に沿って伸びるとともに前記バスバー本体を貫通し、前記温度センサの少なくとも一部が嵌め入れられるセンサ穴が形成され、(c)前記バスバー本体の前記センサ穴が形成される部位の断面積と、前記バスバー本体の前記センサ穴が形成される部位と異なる部位の断面積と、の差分が、ゼロまたはゼロ近傍の所定値以下に設定され、(d)前記バスバー本体の前記センサ穴が形成されている部位は、前記センサ穴よりも前記ステータコイルのコイルエンドに近い側の第1部材と、前記センサ穴よりも前記ステータコイルのコイルエンドから遠い側の第2部材とから構成され、(e)前記第1部材及び前記第2部材は、同じ板厚寸法を有し、前記第1部材の前記ステータの径方向の寸法は、前記第2部材の前記ステータの径方向の寸法よりも大きい値に設定されていることを特徴とする。
第1発明の車両用回転電機ステータによれば、バスバー本体のセンサ穴が形成される部位の断面積と、バスバー本体のセンサ穴が形成される部位と異なる部位の断面積と、の差分が、ゼロまたはゼロ近傍の所定値以下に設定されているため、バスバー本体のセンサ穴が形成される部位の断面積が、バスバー本体のセンサ穴が形成されない部位の断面積と等しいまたは略等しくなる。その結果、バスバー本体のセンサ穴が形成される部位を流れる電流の電流密度を、バスバー本体のセンサ穴が形成されない部位を流れる電流の電流密度に等しいまたは略等しくすることができる。これより、バスバー本体のセンサ穴が形成される部位とバスバー本体のセンサ穴が形成されない部位との間でのバスバー本体の温度変化が小さくなるため、温度センサの温度検出精度の悪化を抑制することができる。
また、バスバー本体のセンサ穴が形成されている部位は、センサ穴よりもステータコイルのコイルエンドに近い側の第1部材と、センサ穴よりもステータコイルのコイルエンドから遠い側の第2部材とから構成され、第1部材及び第2部材は、同じ板厚寸法を有し、第1部材のステータの径方向の寸法は、第2部材のステータの径方向の寸法よりも大きい値に設定されているため、温度センサの熱追従性が向上し、温度検出精度の悪化が抑制される。
本発明が適用された車両に備えられる車両用回転電機のステータの構造を説明するための全体図である。 図1の中性線バスバーおよび中性線バスバーに取り付けられたサーミスタを拡大した拡大図である。 図2の中性線バスバーおよびサーミスタがステータに取り付けられた状態でこれらをステータの軸線方向に見た図およびステータの径方向に見た図である。 図3においてバスバー本体に形成されるセンサ穴が形成される部位を拡大した図である。 バスバー本体のセンサ穴の周辺を簡略化した図であり、ステータへの取付状態において、バスバー本体をステータの軸線方向に見た図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両に備えられる車両用回転電機MGのステータ12の構造を説明するための全体図である。ステータ12は、車両搭載時において車両用回転電機MGの回転軸線CL(以下、軸線CL)を中心にして配置される。なお、図示しないが車両搭載時において、ステータ12の内周側に車両用回転電機MGのロータが配置される。以下、ステータ12および後述するステータコア14の径方向は、軸線CLを中心とする径方向を指し、ステータ12およびステータコア14の軸線方向は、軸線CLに平行な方向を指し、ステータ12およびステータコア14の周方向は、軸線CLの周りの方向を指すものとする。
ステータ12は、円環状のステータコア14と、ステータコア14に巻き掛けられたステータコイル16と、を含んで構成されている。
円環状のステータコア14は、複数枚の電磁鋼板が軸線CLの方向に積層されて形成されている。ステータコア14の内周側には、ステータコイル16の収容される空間であるスロットが、ステータコア14の周方向で等角度間隔に複数個形成されている。スロットは、ステータコア14の内周面から放射状に伸びる溝穴である。また、ステータコア14の内周面にスロットが形成されることに関連して、ステータコア14の周方向で各スロットの間に、ステータコア14の内周側に向かって突き出すティースが形成される。なお、図1では、各スロットにステータコイル16が収容された状態が示されるため、スロットおよびティースについては図示されない。
ステータコイル16は、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルの三相コイルからなる。各コイルの巻線は、ステータコア14の所定のスロットに跨って挿入されてティースに巻き掛けられた複数個のセグメントコイル22が、所定の接続方法で順次接続されて形成される。セグメントコイル22は、両端部を除く導体線の周囲に絶縁皮膜を被覆し、略U字形状に成形された絶縁皮膜付の導体線である。絶縁被膜付の導体線の素線として、銅線、銅錫合金線等が用いられる。
セグメントコイル22がステータコア14に巻き掛けられることにより、ステータコア14の軸線方向の端部からセグメントコイル22の一部が軸線CL方向に突き出すコイルエンド24が形成されている。コイルエンド24は、ステータコア14の軸線方向の両側に形成される。なお、図1では、ステータコア14の軸線方向の一方のコイルエンド24のみ示されている。
図1に示すように、ステータ12には、コイルエンド24からステータコア14の径方向外側に伸びるとともに、その端部からステータコア14の軸線方向に伸びる、3個のU相リード端子26U、V相リード端子26V、およびW相リード端子26Wが設けられている。U相リード端子26U、V相リード端子26V、およびW相リード端子26Wは、それぞれL字形状を有している。U相リード端子26UがU相コイルの一端に接続され、V相リード端子26VがV相コイルの一端に接続され、W相リード端子26WがW相コイルの一端に接続されている。以下、これらU相リード端子26U、V相リード端子26V、およびW相リード端子26Wを特に区別しない場合には、これらを各リード端子26と記載する。
U相リード端子26Uは、コイルエンド24から引き出されたU相コイルの動力線用のリード端子である。U相リード端子26Uは、U相動力線28Uに接続されている。また、U相動力線28Uは、U相動力線接続部30Uに接続されている。なお、U相動力線接続部30Uは、図示しない駆動回路に配線等を介して電気的接続されている。
V相リード端子26Vは、コイルエンド24から引き出されたV相コイルの動力線用のリード端子である。V相リード端子26Vは、V相動力線28Vに接続されている。また、V相動力線28Vは、V相動力線接続部30Vに接続されている。なお、V相動力線接続部30Vは、図示しない駆動回路に配線等を介して電気的に接続されている。
W相リード端子26Wは、コイルエンド24から引き出されたW相コイルの動力線用のリード端子である。W相リード端子26Wは、W相動力線28Wに接続されている。また、W相動力線28Wは、W相動力線接続部30Wに接続されている。なお、W相動力線接続部30Wは、図示しない駆動回路に配線等を介して電気的に接続されている。
コイルエンド24の外周側には、中性線バスバー32が配置されている。中性線バスバー32は、ステータコイル16を構成するU相コイル、V相コイル、およびW相コイルのそれぞれの端部同士を接続し、Y結線の中性点を形成している。
図2は、図1の中性線バスバー32および中性線バスバー32に取り付けられたサーミスタ40を拡大した拡大図である。また、図3は、図2の中性線バスバー32およびサーミスタ40がステータ12に取り付けられた状態で、これら中性線バスバー32およびサーミスタ40をステータ12の軸線CL方向に見た図(図3(a))およびステータ12の径方向に見た図(図3(b))である。なお、サーミスタ40が、本発明の温度センサに対応している。
中性線バスバー32は、円弧状に形成されているバスバー本体34と、バスバー本体34に一体的に形成された、U相接続端子36U、V相接続端子36V、およびW相接続端子36Wとを、有している。バスバー本体34は、中性線バスバー32がコイルエンド24の外周側に配置された状態、すなわちステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態において、ステータコア14の周方向に沿って円弧状に伸びている。このとき、U相接続端子36UがU相コイル(ステータコイル16)の端部に接続され、V相接続端子36VがV相コイル(ステータコイル16)の端部に接続され、W相接続端子36WがW相コイル(ステータコイル16)の端部に接続される(図1参照)。以下、U相接続端子36U、V相接続端子36V、およびW相接続端子36Wを特に区別しない場合には、これらを各接続端子36と記載する。なお、U相接続端子36U、V相接続端子36V、およびW相接続端子36Wが、それぞれ本発明のステータコイルに接続される接続端子に対応している。
中性線バスバー32は、所定の厚みを有する板状の金属部材がプレス加工されて形成される。バスバー本体34は、コイルエンド24の輪郭に沿うような円弧状に形成されている。各接続端子36は、曲げ加工が施されることにより、バスバー本体34の平坦な面に対して垂直方向に伸びている。すなわち、各接続端子36は、ステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態において、軸線CLと平行に伸びている。
バスバー本体34の円弧形状に沿った長手方向において、V相接続端子36VとW相接続端子36Wとの間に、センサ穴38が形成されている。図4は、図3のバスバー本体34のセンサ穴38が形成される部位を拡大した図である。
センサ穴38は、長手方向がバスバー本体34の円弧形状に沿って伸びている。また、センサ穴38は、バスバー本体34を板厚方向に貫通している。すなわち、ステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態において、センサ穴38は、バスバー本体34をステータ12の軸線CL方向に貫通している。なお、センサ穴38は、中性線バスバー32のプレス加工の際に併せて形成される。
センサ穴38には、温度センサとして機能するサーミスタ40の一部である後述するセンサ固定部42が嵌め入れられて固定される。サーミスタ40は、センサ穴38に嵌め入れられるセンサ固定部42と、図示しない配線が図示しないコネクタを介して接続されるコネクタ部44と、センサ固定部42とコネクタ部44とを連結する連結部45と、を共通のサーミスタケース46に備えている。
サーミスタケース46は、樹脂から構成されている。センサ固定部42は、センサ穴38の穴の形状に沿って長手状に伸びる直方体形状に形成されている。また、センサ固定部42の内部に、温度検出用のサーミスタ素子部48が内蔵されている。センサ固定部42がセンサ穴38に嵌め入れられることで、サーミスタ40の中性線バスバー32に対する相対移動が規制される。その結果、サーミスタ40の中性線バスバー32への組付位置がずれることによるサーミスタ40の温度検出精度の悪化が抑制される。なお、図1に示すようにコイルエンド24、中性線バスバー32、およびサーミスタ40が組み付けられた後、これらが樹脂によって固められることで、サーミスタ40がバスバー本体34に対して脱落不能に取り付けられる。
コネクタ部44は、ステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態において、バスバー本体34よりもステータ12の径方向で外側に位置している。また、コネクタ部44のステータ12の径方向で外周側には、ステータ12の径方向外側に突き出す2本のリード線54a、54bが伸びている。これら2本のリード線54a、54bとサーミスタ素子部48とは、サーミスタケース46内に収容されている図示しない配線を介して電気的に繋がっている。なお、2本のリード線54a、54bは、図示しないコネクタに接続される。連結部45は、センサ固定部42とコネクタ部44との間を連結している。
バスバー本体34にセンサ穴38が形成されることで、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される部位では、バスバー本体34が二股に形成される。具体的には、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される部位では、バスバー本体34が第1部材50および第2部材52から構成される。なお、バスバー本体34の第1部材50および第2部材52が、本発明のバスバー本体のセンサ穴が形成される部位に対応している。
第1部材50は、ステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態(以下、バスバー取付状態)において、ステータ12の径方向で第2部材52よりも内側(内周側)に配置されている。言い換えれば、第2部材52は、バスバー取付状態において、ステータ12の径方向で第1部材50よりも外側(外周側)に配置されている。
第1部材50は、バスバー取付状態において、ステータ12の径方向で内側に位置する壁面50aが、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56、すなわちセンサ穴38が形成される部位と異なる部位のステータ12の径方向で内側に位置する壁面34aに対して、ステータ12の周方向で連続するように形成されている。すなわち、第1部材50は、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56よりも、ステータ12の径方向で内側に突き出さないように形成されている。
一方、第2部材52は、バスバー取付状態において、ステータ12の径方向で外側に位置する壁面52aが、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56のステータ12の径方向で外側に位置する壁面34bよりも、ステータ12の径方向で外側に形成されている。すなわち、第2部材52は、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56よりも、ステータ12の径方向で外側に突き出すようにして形成されている。このように、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される部位では、第2部材52側がステータ12の径方向外側に突き出し、第1部材50についてはステータ12の径方向内側に突き出さないことで、バスバー取付状態において、バスバー本体34がコイルエンド24に干渉することが防止される。
また、上述したように、サーミスタ素子部48がセンサ固定部42の内部に内蔵される、言い換えれば、サーミスタ素子部48が第1部材50と第2部材52との間に挟まされる位置に配置されるため、サーミスタ素子部48が第1部材50および第2部材52の両方からの熱を受けることで、サーミスタ40の熱追従性が向上し、サーミスタ40の温度測定の安定性が向上する。また、センサ穴38が長手状に形成されることに関連して、センサ固定部42と第1部材50および第2部材52との接触面積が大きくなるため、サーミスタ素子部48が熱を受けやすくなる。従って、サーミスタ40の熱追従性が向上し、サーミスタ40の温度測定の安定性が向上する。
また、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される部位である第1部材50および第2部材52の断面積S1と、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56の断面積S2と、の差分ΔS(=|S1-S2|)が、ゼロまたはゼロ近傍の所定値α以下に設定されている。なお、部位56が、本発明のバスバー本体のセンサ穴が形成される部位と異なる部位に対応し、断面積S1が、本発明のバスター本体のセンサ穴が形成される部位の断面積に対応し、断面積S2が、本発明のバスバー本体のセンサ穴が形成される部位と異なる部位の断面積に対応している。
図5は、バスバー本体34のセンサ穴38の周辺を簡略化した図であり、バスバー取付状態において、バスバー本体34をステータ12の軸線方向(軸線CL方向)に見た図である。
図5において、センサ穴38が形成される部位の断面積S1は、第1部材50の断面積Sbと第2部材52の断面積Scとの和(S1=Sb+Sc)となる。ここで、バスバー本体34の板厚の寸法H(図3(b)参照)、すなわち図5の紙面に対して垂直な方向の寸法H(板厚寸法H)としたとき、断面積Sbが、第1部材50のステータ12の径方向の寸法Bと板厚寸法Hの積(=B×H)で算出される。また、断面積Scが、第2部材52のステータ12の径方向の寸法Cと板厚寸法Hの積(=C×H)で算出される。また、断面積S2が、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56におけるステータ12の径方向の寸法Aと板厚寸法Hとの積(=A×H)で算出される。なお、バスバー本体34の板厚寸法Hは、どの部位でも同じ値とされている。
上記より、差分ΔSは、下式(1)で算出される。下式(1)に基づくと、寸法Bと寸法Cとの和(B+C)が寸法Aに近いほど差分ΔSが小さくなる。また、差分ΔSがゼロまたはゼロ近傍の所定値α以下に設定されていることから、第1部材50の断面積Sbと第2部材52の断面積Scとの和である断面積S1(=Sb+Sc)が、部位56の断面積S2と等しい(S1=S2)または略等しく(S1≒S2)なる。これに関連して、寸法Aが、寸法Bおよび寸法Cよりも大きくなり(A>B、A>C)、寸法Aが、寸法Bおよび寸法Cの和と等しい(A=B+C)または略等しく(A≒B+C)なる。
ΔS=|(Sb+Sc)-S2|=|{(B+C)-A}×H|・・・(1)
このように断面積の差分ΔSが、ゼロまたはゼロ近傍の所定値αとされることで、第1部材50の断面積Sbと第2部材52の断面積Scとの和である断面積S1が、センサ穴38が形成されない部位56の断面積S2と等しいまたは略等しくなる。従って、第1部材50および第2部材52を流れる電流の電流密度が、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56を流れる電流の電流密度と等しいまたは略等しくなる。その結果、バスバー本体34の第1部材50および第2部材52と、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56と、の間での温度変化が小さくなるため、サーミスタ40の温度検出精度の悪化が抑制される。なお、上記所定値αは、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される第1部材50および第2部材52の温度と、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56の温度との温度差が許容値以下となる値に設定される。
また、第1部材50の寸法Bが、第2部材52の寸法C以上(B≧C)となるように設定されている。第2部材52は、ステータ12の径方向で第1部材50よりもコイルエンド24から離れた位置に配置されているため、第1部材50に比べて熱が引きやすい。これに対して、ステータ12の径方向で第2部材52よりも内側に位置する第1部材50の寸法Bが、第2部材52の寸法Cよりも大きくされることで、第2部材52での熱の引きによる影響が小さくなる。その結果、サーミスタ40の熱追従性が向上し、サーミスタ40の温度検出精度の悪化も抑制される。
上述のように、本実施例によれば、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される第1部材50および第2部材52の断面積S1(=Sb+Sc)と、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56の断面積S2との差分ΔSがゼロまたはゼロ近傍の所定値α以下に設定されているため、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される第1部材50および第2部材52の断面積S1が、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56の断面積と等しいまたは略等しくなる。その結果、バスバー本体34の第1部材50および第2部材52を流れる電流の電流密度を、バスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位56を流れる電流の電流密度に等しいまたは略等しくすることができる。これより、バスバー本体34のセンサ穴38が形成される第1部材50および第2部材52とバスバー本体34のセンサ穴38が形成されない部位との間でのバスバー本体34の温度変化が小さくなるため、サーミスタ40の温度検出精度の悪化を抑制することができる。
また、本実施例では、バスバー本体34に形成されるセンサ穴38がプレス加工によって形成されるため、センサ穴38を容易に形成することができる。また、第1部材50の寸法Bが第2部材52の寸法Cよりも大きくされることで、サーミスタ40の熱追従性が向上し、その結果、サーミスタ40の温度検出精度の悪化が抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、バスバー本体34に形成されるセンサ穴38が、ステータ12に中性線バスバー32が取り付けられた状態において軸線CL方向に貫通するようにして形成されるものであったが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。具体的には、センサ穴が、ステータに中性線バスバーが取り付けられた状態において、ステータの径方向に貫通するものであっても構わない。
また、前述の実施例では、3相のU相コイル、V相コイル、W相コイルにそれぞれ1個の接続端子36が、接続されるものであったが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、3相のU相コイル、V相コイル、W相コイルが、それぞれ2個以上のコイルを並列接続することで構成され、これに関連して、接続端子36の数が6個以上になる場合であっても構わない。
また、前述の実施例では、バスバー本体34の長手方向でV相接続端子36VとW相接続端子36Wとの間にセンサ穴38が形成されていたが、バスバー本体34の長手方向でU相接続端子36UとV相接続端子36Vとの間にセンサ穴38が形成されるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、第1部材50のステータ12の径方向の寸法Bが、第2部材52のステータ12の径方向の寸法Cよりも大きい値に設定されていたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、第1部材50の寸法Bと第2部材52の寸法Cとが同じ値であってもよく、第2部材52の寸法Cが、第1部材50の寸法よりも大きくされても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:ステータ
14:ステータコア
16:ステータコイル
32:中性線バスバー
34:バスバー本体
36U:U相接続端子(接続端子)
36V:V相接続端子(接続端子)
36W:W相接続端子(接続端子)
38:センサ穴
40:サーミスタ(温度センサ)
50:第1部材(バスバー本体のセンサ穴が形成される部位)
52:第2部材(バスバー本体のセンサ穴が形成される部位)
56:部位(バスバー本体のセンサ穴が形成される部位と異なる部位)
MG:車両用回転電機
S1(Sb+Sc):バスバー本体のセンサ穴が形成される部位の断面積
S2:バスバー本体のセンサ穴が形成される部位と異なる部位の断面積
α:所定値

Claims (1)

  1. 円環状のステータコアと、前記ステータコアに巻き掛けられるステータコイルと、前記ステータコイルに接続される長手状の中性線バスバーと、を含み、前記中性線バスバーは、前記ステータコアの周方向に伸びる円弧状のバスバー本体と、前記バスバー本体に一体的に形成され前記ステータコイルに接続される接続端子と、を備え、前記バスバー本体に温度センサが取り付けられている、車両用回転電機のステータであって、
    前記バスバー本体には、長手方向が前記バスバー本体の円弧形状に沿って伸びるとともに前記バスバー本体を貫通し、前記温度センサの少なくとも一部が嵌め入れられるセンサ穴が形成され、
    前記バスバー本体の前記センサ穴が形成される部位の断面積と、前記バスバー本体の前記センサ穴が形成される部位と異なる部位の断面積と、の差分が、ゼロまたはゼロ近傍の所定値以下に設定され
    前記バスバー本体の前記センサ穴が形成されている部位は、前記センサ穴よりも前記ステータコイルのコイルエンドに近い側の第1部材と、前記センサ穴よりも前記ステータコイルのコイルエンドから遠い側の第2部材とから構成され、
    前記第1部材及び前記第2部材は、同じ板厚寸法を有し、前記第1部材の前記ステータの径方向の寸法は、前記第2部材の前記ステータの径方向の寸法よりも大きい値に設定されている
    ことを特徴とする車両用回転電機のステータ。
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