JP2013005563A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータ側マグネットを安定して保持させることが可能なブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ロータ側のスロット数=ステータ側のスロット数±巻線の極対数となるように設定されたブラシレスモータ(バーニアモータ)において、ステータ側マグネット34の径方向のロータ側端面(内側端面)を少なくとも保持する保持部36と、ステータコア31と軸方向に当接する連結部37とが一体成形されてなる非磁性体からなるマグネットホルダ35を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ブラシレスモータに関するものである。
ブラシレスモータの種類には、例えば特許文献1に示すように、ステータコアの各ティース間(スロット)に配置されたステータ側マグネットを有するステータと、ロータコアの周方向に複数形成されたスロットにそれぞれ配置されたロータ側マグネットを有するロータとから構成される、所謂、埋込PM型バーニアモータがある。このようなブラシレスモータは、低速大トルクが得られ、コギングトルクの抑制の点で有利なモータである。
特開平3−270665号公報
しかしながら、上記のようなブラシレスモータは、ステータ側とロータ側の両方にマグネットが設けられるため、ステータ側マグネットがロータ側マグネットとの間の磁力を常に受けるため、ステータ側マグネットが径方向及び軸方向に位置ずれする虞があり、ステータ側マグネットの安定的な保持が課題としてある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータ側マグネットを安定して保持させることが可能なブラシレスモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のティースを有するステータコアと、前記ティースにインシュレータを介して巻回された極対数Pの巻線と、前記各ティース間に配置されたステータ側マグネットとを有するステータと、回転軸に対して一体回転可能に設けられるロータコアと、該ロータコアの周方向に複数形成されたロータ側スロットにそれぞれ配置されたロータ側マグネットとを有するロータとを備え、前記ロータ側のスロット数R=前記ステータ側のスロット数S±前記巻線の極対数Pとなるように設定されるものであって、前記ステータ側マグネットの径方向のロータ側端面を少なくとも保持する保持部と、前記ステータコアと軸方向に当接する当接部とが一体成形されてなる非磁性体からなるマグネットホルダを備えていることを特徴とする。
この発明では、マグネットホルダの保持部によってステータ側マグネットを径方向に位置ずれすることなく保持させることが可能となる。また、この保持部と一体をなす当接部がステータコアと軸方向に当接するため、ステータ側マグネットを軸方向にも位置ずれすることなく保持させることが可能となり、その結果、ロータ側マグネットとの間の磁力に抗してステータ側マグネットを安定して保持させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記マグネットホルダは、モールド成形によって前記各ステータ側マグネットと一体成形されるものであって、前記保持部は、複数の前記ステータ側マグネットのそれぞれを部分的に覆う態様で前記マグネットホルダに複数形成され、前記当接部は、前記各保持部の軸方向端部の一方のみを連結する環状の連結部であることを特徴とする。
この発明では、マグネットホルダの連結部は、各保持部の軸方向端部の一方のみに形成されるため、ステータ側マグネットを内部に有する各保持部を各ティース間に軸方向から挿入配置することができ、その結果、ステータコアに対するステータ側マグネットの組み付け性を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記インシュレータが前記マグネットホルダを兼ねる構成であり、前記保持部は、前記ステータ側マグネットの軸方向一端部を保持していることを特徴とする。
この発明では、ステータ側マグネットがインシュレータにて保持される構成のため、マグネットホルダをインシュレータとは別に設ける構成に比べて、部品点数の増加を抑えることができる。また、保持部及び当接部がインシュレータに一体に形成されるため、保持部及び当接部をインシュレータとは別体にする構成と比べて組み付け性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記マグネットホルダには、前記巻線と前記ステータ側マグネットとの径方向の間に介在されてその間を電気的に絶縁する絶縁部が一体に形成されていることを特徴とする。
この発明では、巻線とステータ側マグネットとの間を絶縁する絶縁部をマグネットホルダとは別に設ける必要がなくなるため、部品点数の増加を抑えることができる。また、絶縁部がマグネットホルダに一体に形成されるため、絶縁部をマグネットホルダとは別体にする構成と比べて組み付け性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記マグネットホルダは、前記ティースに対して径方向の前記ロータ側に係止されていることを特徴とする。
この発明では、マグネットホルダがティースに対して径方向ロータ側に係止されるため、ロータ側マグネットとの間の磁力に抗してステータ側マグネットをより安定して保持させることができる。
従って、上記記載の発明によれば、ステータ側マグネットを安定して保持させることが可能となる。
(a)第1実施形態のブラシレスモータの概略構成を示す平面図、(b)ステータを部分的に示す平面図。 同実施形態のブラシレスモータを部分的に示す平面図。 同実施形態のステータの斜視図。 同実施形態のステータコアとマグネットホルダの分解斜視図。 第2実施形態のブラシレスモータの概略構成を示す断面図。 同実施形態における別例を示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のブラシレスモータ10(バーニアモータ)は、ハウジング11に収容された略円環状のステータ12の内側にロータ13が配置されて構成されている。
図1及び図2に示すように、ロータ13は、回転軸21と、回転軸21に一体回転可能に固着されたロータコア22と、ロータコア22に埋設された複数(本実施形態では10個)のロータ側マグネット23とを備えている。ロータコア22の外周面近くには、軸方向(紙面直交方向)に延び径方向外側に開口された溝状のマグネット収容部24(ロータ側スロット)が周方向等間隔に10個形成されている。各マグネット収容部24には、ロータ側マグネット23が嵌合固定されている。各ロータ側マグネット23は、周方向に36度間隔で配置されるとともに、外周面側がS極、内周面側がN極となるように設定されている。
ロータコア22には、各マグネット23間において径方向外側に延出する突極部25が形成され、その突極部25の個数は各マグネット23と同数の10個である。尚、周方向に隣り合う突極部25の間の各空間が前記マグネット収容部24となっている。各突極部25には、その先端部(径方向外側端部)から周方向両側にそれぞれ延びる凸部25aが形成されている。凸部25aは、マグネット収容部24内に配置されたロータ側マグネット23の外周面(径方向外側端面)に径方向に係止され、これにより、ロータ側マグネット23の径方向外側への脱落が防止されるようになっている。また、このような突極部25の形状により、ロータ側マグネット23は、その外周面の周方向中間部分(露出面23a)でマグネット収容部24から径方向外側に露出するようになっている。
このようなロータ13では、各突極部25の外周面25bと露出面23aとでロータ13の外周面が構成されている。これにより、各突極部25の外周面25bの開角度(軸線Lを中心とする角度)θr1と、各マグネット23の露出面23aの開角度θr2との合計は360度となっている。本実施形態では、突極部25の外周面25bの開角度θr1とマグネット23の露出面23aの開角度θr2とが等しく設定されており、各開角度θr1,θr2は18度となっている。
ステータ12は、金属製のステータコア31と、ステータコア31に分布巻されてなる巻線32と、ステータコア31と巻線32との間を電気的に絶縁するインシュレータ33とを備えている。
ステータコア31は、円筒部41と、円筒部41から径方向内側に延びて周方向に複数(本実施形態では12個)設けられるティース42とを有している。尚、ステータコア31は、透磁率の高い金属製の板状部材よりなるコアシートが軸方向に積層されて構成されている。各ティース42には、その径方向内側端部から周方向両側にそれぞれ突出する第1延出部42aと、その第1延出部42aよりも径方向外側の位置から周方向両側にそれぞれ延びる第2延出部42bとが形成されている。
ステータコア31の各ティース42間(各ステータ側スロット)において、ティース42の第2延出部42bと円筒部41との間の空間は、巻線32が配置される巻線配置部43となっている。この巻線配置部43の内側には、樹脂材料よりなるインシュレータ33が設けられている。インシュレータ33は、巻線配置部43の内周面(即ち、各ティース42間における円筒部41の内周面、各ティース42の周方向端面及び各第2延出部42bの径方向外側端面)に沿った一定の厚みをもつ形状をなしており、そのインシュレータ33の内側に巻線32が通されている。即ち、インシュレータ33は、ステータコア31と巻線32との間に介在されてその間を電気的に絶縁している。
巻線32は、図1に示すように、U相・V相・W相の3相からなり、各相の巻線32には互いの位相が120°ずれた交流電流が流されるようになっている。各相の巻線32は、周方向に連続して並ぶ3つのティース42に跨る態様で巻回されており、U相(正巻き)、V相、W相、バーU相(逆巻き)、バーV相、バーW相、U相、V相、W相、バーU相、バーV相、バーW相の順に時計回りに1スロットずつずれて巻回されている。これにより、同相の巻線32同士(U相同士、バーU相同士等)が180度対向位置に配置されるようになっている。この各相の巻線32にそれぞれ駆動電流が供給されると、各相の巻線32にロータ13を回転させるための回転磁界が発生するようになっている。
上記のステータコア31において、周方向に隣り合うティース42の各第1延出部42aと各第2延出部42bとの径方向の間の空間には、ステータ側マグネット34が配置されるマグネット配置部44が構成されている。即ち、マグネット配置部44は、各ティース42間(各ステータ側スロット)の径方向内側端部に設けられている。各マグネット配置部44内に配置されるステータ側マグネット34は、マグネット配置部44(即ち、ステータ側のスロット数S)と同数の12個設けられ、周方向等間隔(30度毎)に配置されている。また、各ステータ側マグネット34は軸方向に長尺な形状をなしている。各ステータ側マグネット34は、外周面側がS極、内周面側がN極となるように設定されている。
この各ステータ側マグネット34は、図3及び図4に示すマグネットホルダ35を介してマグネット配置部44に配置されている。マグネットホルダ35は、非磁性体としての樹脂材料よりなり、モールド成形によって各ステータ側マグネット34と一体成形されている。マグネットホルダ35は、ステータ側マグネット34のそれぞれを部分的に覆う複数の保持部36と、各保持部36の軸方向一端部(図4において右側端部)を連結する円筒状をなす連結部37と、連結部37から段差を介して軸方向に延びて前記ハウジング11の内面と当接する円筒部38とを有している。尚、図3及び図4では、巻線32及びインシュレータ33の図示を省略している。
保持部36は、ステータ側マグネット34に対応して周方向等間隔に12個形成されている。保持部36は、ステータ側マグネット34の軸方向両端部を覆うとともに、ステータ側マグネット34の径方向内側端面から周方向両端面にかけての各角部分、及びステータ側マグネット34の周方向両端面から径方向外側端面にかけての各角部分を軸方向全体に亘って覆っている。また、保持部36には、ステータ側マグネット34の径方向外側端面における周方向中間部分を軸方向全体に亘って覆う絶縁部36aが形成されている。このような保持部36の形状により、ステータ側マグネット34は、その径方向内側端面の一部、周方向両端面の一部、径方向外側端面の一部(絶縁部36aの周方向両側部分)で保持部36から露出するようになっている。尚、各保持部36は、その径方向内側でティース42の第1延出部42aに径方向に係止されており、これにより、ステータ側マグネット34がマグネット配置部44から径方向内側に脱落してしまうことが防止されている。また、保持部36の絶縁部36aは、ステータ側マグネット34と巻線配置部43内の巻線32との径方向の間に介在されており、これにより、マグネット34と巻線32との間の絶縁が図られている(図1参照)。
このようなマグネットホルダ35では、図3に示すように、連結部37が各ティース42の軸方向端面42cと軸方向に当接している。これにより、マグネットホルダ35並びにステータ側マグネット34が軸方向に位置決めされるようになっている。
ここで、上記のブラシレスモータ10では、ロータ13側のスロット数(即ち、ロータ側マグネット23の個数)をR、ステータ12側のスロット数をS、巻線32の極対数をPとして、R=S±Pとなるように設定されている。本実施形態では、ステータ12側のスロット数Sが「12」、巻線32の極対数Pが「2」であり、スロット数Sから巻線32の極対数Pを差し引き、ロータ13側のスロット数が「10」に設定されている。
また、本実施形態のステータ12の寸法構成について図2に従って説明する。
ステータ側マグネット34は、その内周面(径方向内側端面)の周方向中間部分(露出面34a)で各ティース42間のマグネット配置部44から露出されており、その露出面34aとティース42の先端面42d(径方向内側端面)とでステータ12の内周面が構成されている。これにより、各ティース42の先端面42dの開角度θs3(1つのティース42における各第1延出部42aの周方向端部間の角度)と、各ステータ側マグネット34の露出面34aの開角度θs2との合計は360度となっている。
本実施形態では、ティース42の先端面42dの開角度θs3は、ステータ側マグネット34の露出面34aの開角度θs2よりも大きく設定されているため、θs2<360/(S×2)<θr3(Sはステータ12のスロット数)という関係となっている。また、ステータ側マグネット34の露出面34aの開角度θs2は、1つのティース42における両第1延出部42aの根元間の開角度θs1(周方向に隣り合うステータ側マグネット34に挟まれた部分のティース42の開角度)よりも大きく設定されている。
更に、ティース42の先端面42dの開角度θs3は、ステータ側マグネット34の開角度θs4よりも小さく、また、そのマグネット34の開角度θs4は、1つのティース42の各第2延出部42bの周方向端部間の開角度θs5よりも小さく設定されている。以上の寸法構成をまとめると、本実施形態のステータ12は、θs1<θs2<360/(S×2)<θr3<θs4<θs5となるように設定されている。
次に、上記実施形態の作用について説明する。
このような構成のブラシレスモータ10において、ステータコア31の各マグネット配置部44にステータ側マグネット34を配置する際には、ステータ側マグネット34と一体にモールド成形されたマグネットホルダ35の各保持部36を各マグネット配置部44に軸方向から嵌入する。そして、マグネットホルダ35の連結部37がティース42の軸方向端面42cと突き当たるまでマグネットホルダ35を押し込む。これにより、マグネットホルダ35並びにステータ側マグネット34がステータコア31に対して軸方向に位置決めされた状態で組み付けられる。また、このとき、マグネット配置部44の内周面とステータ側マグネット34との間に保持部36の一部が介在されているため、その保持部36が緩衝材となってティース42及びステータ側マグネット34へのダメージが抑えられるようになっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)ロータ13側のスロット数R=ステータ12側のスロット数S±巻線32の極対数Pとなるように設定されたブラシレスモータ10(バーニアモータ)において、ステータ側マグネット34の径方向内側端面を少なくとも保持する保持部36と、ステータコア31と軸方向に当接する連結部37とが一体成形されてなる非磁性体からなるマグネットホルダ35を備える。これにより、マグネットホルダ35の保持部36によってステータ側マグネット34を径方向に位置ずれすることなく保持させることが可能となる。また、この保持部36と一体をなす連結部37がステータコア31と軸方向に当接するため、ステータ側マグネット34を軸方向にも位置ずれすることなく保持させることが可能となり、その結果、ロータ側マグネット23との間の磁力に抗してステータ側マグネット34を安定して保持させることが可能となる。
(2)マグネットホルダ35は、モールド成形によって各ステータ側マグネット34と一体成形される。マグネットホルダ35の保持部36は、複数のステータ側マグネット34のそれぞれを部分的に覆う態様でマグネットホルダ35に複数形成され、その各保持部36の軸方向端部の一方のみが環状の連結部37にて連結される。即ち、マグネットホルダ35の連結部37は、各保持部36の軸方向端部の一方のみに形成されるため、ステータ側マグネット34を内部に有する各保持部36を各ティース42間に軸方向から挿入配置することができ、その結果、ステータコア31に対するステータ側マグネット34の組み付け性を向上させることが可能となる。
(3)マグネットホルダ35には、巻線32とステータ側マグネット34との径方向の間に介在されてその間を電気的に絶縁する絶縁部36aが一体に形成される。これにより、絶縁部36aをマグネットホルダ35とは別に設ける必要がなくなるため、部品点数の増加を抑えることができる。また、絶縁部36aがマグネットホルダ35に一体に形成されるため、絶縁部36aをマグネットホルダ35とは別体にする構成と比べて組み付け性を向上させることができる。
(4)マグネットホルダ35は、ティース42に対して径方向内側(ロータ13側)に係止されるため、ロータ側マグネット23との間の磁力に抗してステータ側マグネット34をより安定して保持させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態は、上記実施形態のマグネットホルダ35を省略し、ステータ側マグネット34をインシュレータに保持させた点で上記第1実施形態とは異なっている。従って、以下には、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態のブラシレスモータ50では、ステータ側マグネット34は、樹脂材料(非磁性体)からなるインシュレータ51を介してマグネット配置部44に配置されている。インシュレータ51は、前記第1実施形態のインシュレータ33の内周部位(径方向内側部位)が繋がる形状をなしている。即ち、インシュレータ51は、その内周部51aがステータ側マグネット34と巻線配置部43内の巻線32との径方向の間に介在されており、これにより、マグネット34と巻線32との間の絶縁が図られている。尚、この内周部51aは、ティース42の第2延出部42bに対して径方向内側(ロータ13側)に係止されている。また、インシュレータ51は、軸方向中央部で2分割されており、その組み付けの際にはステータコア31に対して軸方向両側から挟み込む態様で装着される。
インシュレータ51の内周部51aの軸方向一端部(図5において上端部)には、ステータ側マグネット34の軸方向一端部34bを保持する保持部52が形成されている。保持部52には、マグネット34の軸方向一端部34bと軸方向に当接する当接部52aと、当接部52aから径方向内側に延出されるとともにマグネット34の軸方向一端部34bの径方向内側に形成されたテーパ面34cに密着する係止部52bとが形成されている。係止部52bは、マグネット34のテーパ面34cに対して径方向及び軸方向に係止されている。
一方、インシュレータ51の外周部51bは、巻線32とステータコア31の円筒部41との間に介在されている。外周部51bには、その軸方向一端部(図5において上端部)から外周側に延びてステータコア31の円筒部41の軸方向端面41aと当接する被覆部51c(当接部)が形成されている。
このインシュレータ51の保持部52は、ハウジング11と係合する円筒状の第1支持部材61にて径方向及び軸方向に支持されている。また、軸方向において第1支持部材61とは反対側の箇所には、ハウジング11と係合する円筒状の第2支持部材62が設けられており、この第2支持部材62は、マグネット34の軸方向他端部(軸方向一端部34bとは反対側の端部)を径方向及び軸方向に支持している。これにより、ステータ12は、第1及び第2支持部材61,62を介してハウジング11に支持されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
このようなブラシレスモータ50では、ステータ側マグネット34の軸方向一端部34bにおいてその少なくとも径方向内側端面(テーパ面34c)がインシュレータ51に一体成形された保持部52にて保持されている。また、インシュレータ51に一体成形された被覆部51cは、ステータコア31の円筒部41と軸方向に当接されている。これにより、ステータ側マグネット34を軸方向にも位置ずれすることなく保持させることが可能となり、その結果、ロータ側マグネット23との間の磁力に抗してステータ側マグネット34を安定して保持させることが可能となっている。
本実施形態では、前記第1実施形態と略同様の効果に加えて、以下の特徴的な効果を奏する。
(5)インシュレータが前記マグネットホルダを兼ねる構成であり、前記保持部は、前記ステータ側マグネットの軸方向一端部を保持していることを特徴とする。
この発明では、ステータ側マグネットがインシュレータにて保持される構成のため、マグネットホルダをインシュレータとは別に設ける構成に比べて、部品点数の増加を抑えることができる。また、保持部及び当接部がインシュレータに一体に形成されるため、保持部及び当接部をインシュレータとは別体にする構成と比べて組み付け性を向上させることができる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、マグネットホルダ35の保持部36に絶縁部36aが形成され、この絶縁部36aによってステータ側マグネット34と巻線32との間の電気的絶縁が図る構成としているが、これ以外に例えば、マグネット34と巻線32との間にインシュレータ33を介在させて電気的絶縁を図る構成としてもよい。
・上記第2実施形態の保持部52の形状等の構成は、ステータ側マグネット34等の構成に応じて適宜変更してもよい。例えば、上記第2実施形態の保持部52では、係止部52bがテーパ面34cを有するマグネット34の軸方向一端部34bに応じた形状とされたが、図6に示すように、マグネット34の軸方向一端部34bにテーパ面34cの代わりに段差部34dを形成し、係止部52bを段差部34dに応じた形状としてもよい。
・上記各実施形態では、ステータ12側のスロット数Sが「12」、巻線32の極対数Pが「2」であり、スロット数Sから巻線32の極対数Pを差し引いてロータ13側のスロット数を「10」と設定したが、これに特に限定されるものではない。例えば、スロット数Sに巻線32の極対数Pを足してロータ13側のスロット数を「14」と設定してもよい。また、ステータ12側のスロット数Sを「12」以外に設定してもよく、また、巻線32の極対数Pを「2」以外に設定してもよい。
・上記各実施形態では、ステータ12の寸法構成をθs1<θs2<360/(S×2)<θr3<θs4<θs5となるように設定したが、特にこれに限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。
・上記各実施形態では、突極部25の外周面25bの開角度θr1とマグネット23の露出面23aの開角度θr2とが等しく設定されたが、特にこれに限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。
・上記各実施形態では、ロータ側マグネット23の外周面側がS極、ステータ側マグネット34の内周面側がN極となるようにそれぞれ設定されたが、これに限らず、ロータ側マグネット23の外周面側がN極、ステータ側マグネット34の内周面側がS極となるようにそれぞれ設定してもよい。
・上記各実施形態では、インナロータ型のブラシレスモータ(バーニアモータ)に本発明を適用したが、アウタロータ型のブラシレスモータに適用してもよい。
10,50…ブラシレスモータ、12…ステータ、13…ロータ、21…回転軸、22…ロータコア、23…ロータ側マグネット、24…マグネット収容部(ロータ側スロット)、31…ステータコア、32…巻線、33…インシュレータ、34…ステータ側マグネット、34b…軸方向一端部、35…マグネットホルダ、36,52…保持部、36a…絶縁部、37…連結部(当接部)、42…ティース、51…マグネットホルダとしてのインシュレータ、51a…インシュレータの内周部(絶縁部)、51c…被覆部(当接部)。

Claims (5)

  1. 複数のティースを有するステータコアと、前記ティースにインシュレータを介して巻回された極対数Pの巻線と、前記各ティース間に配置されたステータ側マグネットとを有するステータと、
    回転軸に対して一体回転可能に設けられるロータコアと、該ロータコアの周方向に複数形成されたロータ側スロットにそれぞれ配置されたロータ側マグネットとを有するロータとを備え、
    前記ロータ側のスロット数R=前記ステータ側のスロット数S±前記巻線の極対数Pとなるように設定されるものであって、
    前記ステータ側マグネットの径方向のロータ側端面を少なくとも保持する保持部と、前記ステータコアと軸方向に当接する当接部とが一体成形されてなる非磁性体からなるマグネットホルダを備えていることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記マグネットホルダは、モールド成形によって前記各ステータ側マグネットと一体成形されるものであって、
    前記保持部は、複数の前記ステータ側マグネットのそれぞれを部分的に覆う態様で前記マグネットホルダに複数形成され、
    前記当接部は、前記各保持部の軸方向端部の一方のみを連結する環状の連結部であることを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記インシュレータが前記マグネットホルダを兼ねる構成であり、
    前記保持部は、前記ステータ側マグネットの軸方向一端部を保持していることを特徴とするブラシレスモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記マグネットホルダには、前記巻線と前記ステータ側マグネットとの径方向の間に介在されてその間を電気的に絶縁する絶縁部が一体に形成されていることを特徴とするブラシレスモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記マグネットホルダは、前記ティースに対して径方向の前記ロータ側に係止されていることを特徴とするブラシレスモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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