JP2007187055A - エンジンの潤滑油供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温下でのエンジンの始動性を高める。
【解決手段】前記エンジン1に供給する潤滑油を、該エンジン外部で貯溜する潤滑油タンク2を備えるエンジンの潤滑油供給装置において、前記エンジン1と潤滑油タンク2との間に潤滑油ポンプ6を有して潤滑油を循環させる潤滑油循環経路3A・3Bを備え、該供給側潤滑油循環経路3Bから分岐して、潤滑油加熱手段7を備える潤滑油加熱経路3Cを設け、該潤滑油ポンプ6と潤滑油加熱手段7とを制御手段10と接続して、潤滑油を循環させながら昇温可能に構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンに供給する潤滑油を、該エンジン外部で貯溜する潤滑油タンクを備えるエンジンの潤滑油供給装置に関する。
従来、ガスエンジンヒートポンプなどに用いられる定置式エンジンにおいては、たとえば潤滑油はエンジン底部付近に設けられたオイルパンに貯溜されているが、エンジンの運転時間の経過にともなって劣化し消耗されるため、エンジンとは別に潤滑油を貯溜する潤滑油タンクが備えられて、該潤滑油タンクからオイルパンに潤滑油が適宜補給されるようにエンジンの潤滑油供給装置が設けられていた。このようなエンジンの潤滑油供給装置では、エンジンのオイルパンと潤滑油タンクとを連通する潤滑油循環経路に浮遊弁や電磁弁などからなる開閉弁が設けられ、該開閉弁の開閉作動により潤滑油タンクからオイルパンへの潤滑油の供給または供給停止が可能とされていた。
特開平11−281199号公報
ところが、従来のような定置式エンジンでは、低温下でエンジンが始動される場合には、エンジンの潤滑油の油温、さらにはエンジン冷却用の冷却水の水温も低下するため、エンジン自体の温度も低くなり、良好な始動性を得ることができなかった。また、定置式エンジンは潤滑油の油温を昇温させるための潤滑油加熱手段としてヒータなどを設けて構成されることもあるが、ヒータはエンジン本体の一側に取り付けられているため、高い熱効率を得ることができず、またエンジン内の潤滑油温に偏りが生じやすく、低温始動時に潤滑油を所定温度まで昇温させるには、ヒータへの通電時間を長く取る必要があり、ヒータの寿命が短くなる可能性があった。さらに、潤滑油タンクからエンジンに供給される潤滑油はエンジン運転時には冷却されず循環され、エンジン内で所定油温を超えた状態で維持されるため、劣化しやすく耐久性が低くなっていた。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、エンジンに供給する潤滑油を、該エンジン外部で貯溜する潤滑油タンクを備えるエンジンの潤滑油供給装置において、前記エンジンと潤滑油タンクとの間に潤滑油ポンプを有して潤滑油を循環させる潤滑油循環経路を備え、該潤滑油循環経路から分岐して、潤滑油加熱手段を備える潤滑油加熱経路を設け、該潤滑油ポンプと潤滑油加熱手段とを制御手段と接続して、潤滑油を循環させながら昇温可能に構成したものである。
請求項2においては、前記潤滑油加熱経路の途中に潤滑油温検知手段を配設して、該潤滑油温検知手段を前記制御手段と接続し、該潤滑油温検知手段で検知される潤滑油温が設定油温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したものである。
請求項3においては、前記潤滑油タンク外周に冷却水通路を形成して、該冷却水通路に冷却水温検知手段を設け、該冷却水温検知手段を制御手段と接続し、該冷却水温検知手段で検知される冷却水温が設定水温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したものである。
請求項4においては、前記制御手段に外気温検知手段を接続し、該外気温検知手段で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したものである。
請求項5においては、前記潤滑油タンク外周に冷却水通路を形成して、該冷却水通路に冷却水温検知手段を設け、該水温検知手段と外気温検知手段とを前記制御手段と接続し、該水温検知手段で検知される冷却水温が設定水温未満であり、かつ該外気温検知手段で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したものである。
請求項6においては、前記潤滑油加熱手段を電気ヒータから構成し、該電気ヒータをPWM制御により作動させて潤滑油を加熱するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、低温でのエンジン始動時に潤滑油の油温を上昇させることで、クランキングを容易に行え、エンジンの始動性を高めることができる。また、潤滑油ポンプにより強制循環させることにより、潤滑油を攪拌して均一に昇温できる。そのため、潤滑油加熱手段7による潤滑油の加熱時間を短縮することが可能となり、潤滑油加熱手段の寿命を長くすることができる。
請求項2においては、前記エンジン始動時に潤滑油温が適切な油温よりも低い場合には、潤滑油を上昇させてエンジンを容易に始動することが可能となる。また、潤滑油温検知手段で潤滑油温を直接に検知して、その検知結果に基づいて潤滑油を昇温させるので、正確に潤滑油を適切な油温まで昇温させることが可能となり、過昇温による潤滑油の劣化を防止でき、また潤滑油加熱手段の寿命を長くすることもできる。
請求項3においては、前記冷却水温検知手段により検知される冷却水温により潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温でき、同時に冷却水温の昇温を潤滑油との熱交換により図ることもできる。よって、低温下でのエンジン始動性を高めることができる。
請求項4においては、前記外気温検知手段により検知される外気温により潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温できる。これにより、低温始動時における潤滑油の粘度を低くして、エンジンの始動性を向上させることができる。
請求項5においては、冷却水温検知手段で検知される冷却水温と、外気温検知手段により検知される外気温とにより潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温できる。特に、二つの検知手段による検知結果で潤滑油度を推定するので、正確に潤滑油温の制御ができる。これにより、低温下でのエンジン始動性を高めることができる。
請求項6においては、デューティ比を変更することにより、潤滑油温を容易に制御できる。また、潤滑油加熱手段による潤滑油の加熱時間を短縮させることができるため、加熱手段の寿命を長くすることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの低温始動時における潤滑油の流れとを示す図、図2は実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの通常運転時における潤滑油の流れとを示す図、図3は実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図、図4は実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図、図5は実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの低温始動時における潤滑油の流れとを示す図、図6は実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの通常運転時における潤滑油の流れとを示す図、図7は実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図、図8は実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図、図9は実施例3に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図、図10は実施例4に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図、図11は実施例4に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図である。
本発明は、ガスヒートポンプに用いられる定置式エンジン1などに用いられる潤滑油装置であり、図1および図2に示すように、該潤滑油装置にはエンジン本体と別体の潤滑油タンク2が備えられている。潤滑油タンク2はエンジン1に供給する潤滑油を、該エンジン1外部で貯溜するものであり、該エンジン1と潤滑油タンク2とがその間に備えられた潤滑油循環経路3A・3Bで連通されている。潤滑油循環経路3A・3Bは、潤滑油循環経路3Aでエンジン1から潤滑油タンク2に潤滑油を排出可能とし、潤滑油循環経路3Bで潤滑油タンク2からエンジン1に潤滑油を供給可能として、エンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油を循環させることができるように構成されている。
前記排出側潤滑油循環経路3Aの途中には、電磁弁から構成される開閉弁4が設けられ、該開閉弁4によりエンジン1から潤滑油タンク2への潤滑油の排出が遮断可能とされている。前記供給側潤滑油循環経路3Bの途中には、電磁弁から構成される三方弁5が設けられるとともに、該三方弁5と潤滑油タンク2の間に位置するように潤滑油ポンプ6が設けられ、該三方弁5を介して潤滑油タンク2からエンジン1に潤滑油が潤滑油ポンプ6により送られて供給可能とされている。つまり、潤滑油ポンプ6により潤滑油循環経路3A・3Bを通じて潤滑油がエンジン1と潤滑油タンク2との間で強制循環可能とされている。
前記三方弁5の残りのポートは潤滑油タンク2とその間に備えられた潤滑油加熱経路3Cで連通されており、該潤滑油加熱経路3Cは三方弁5を介して供給側潤滑油循環経路3Bから分岐するように形成されて、供給側潤滑油循環経路3Bにより潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6にて送られる潤滑油をエンジン1に供給される前に三方弁5を介して潤滑油タンク2に戻すことが可能とされている。つまり、三方弁5は潤滑油ポンプ6からエンジン1側と潤滑油タンク2側への送油を切替可能に構成されている。そして、該潤滑油加熱経路3Cの途中に、電気ヒータなどからなる潤滑油加熱手段7が設けられ、該電気潤滑油加熱手段7により潤滑油が潤滑油加熱経路3Cを流れる際に加熱可能とされている。なお、潤滑油加熱手段7は、前記供給側潤滑油循環経路3Bの途中に、三方弁5と潤滑油タンク2の間に位置するように設けられたり、潤滑油タンク2に付設されたりすることもある。
また、前記エンジン1内および潤滑油タンク2内における潤滑油の油温を検知する潤滑油温検知手段が備えられている。該潤滑油温検知手段は第一潤滑油温検知手段8Aと第二潤滑油温検知手段8Bとから構成され、第一潤滑油温検知手段8Aでエンジン1内での潤滑油温が検知可能とされ、第二潤滑油温検知手段8Bで潤滑油タンク2内での潤滑油温が検知可能とされている。本実施例では、第一潤滑油温検知手段8Aはエンジン1のオイルパンなどに配置され、第二潤滑油温検知手段8Bは前記潤滑油過熱経路3Cの途中に配置されている。
前記第一潤滑油温検知手段8Aと第二潤滑油温検知手段8Bとは、図3に示すように、制御手段10に接続されている。制御手段10には前記排出側潤滑油循環経路3Aの開閉弁4や供給側潤滑油循環経路3Bの三方弁5、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱経路3Cの潤滑油加熱手段7、設定手段9などとも接続されている。そして、該制御手段10で第一潤滑油温検知手段8Aおよび第二潤滑油温検知手段8Bからの検知信号と、該制御手段10のメモリに予め記憶されているプログラムなどとに基づいて開閉弁4や三方弁5、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7それぞれへの制御信号が生成され、該制御信号により各装置の作動制御が可能とされている。
このような構成において、エンジン始動時には次のような流れで制御手段10によりエンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の供給制御が行われる。エンジン1の始動時において、キースイッチがONされると、制御手段10が作動状態となる。そして、エンジン1をクランキング(スタータON)するためのスイッチがONされると、図4に示すように、スタータ信号が制御手段10に入力され(ステップS10)、これに伴ってセルモータが回転されて、クランキングが開始される。
同時にこのときのエンジン1内における潤滑油温が第一潤滑油温検知手段8Aで検知され、この検知信号が制御手段10に入力されて、始動時におけるエンジン1内の潤滑油温Tlo1が制御手段10に読み込まれる(ステップS11)。制御手段10では、始動時におけるエンジン1内での潤滑油温Tlo1が当該制御手段3に予め設定手段9で設定された設定油温Tlo0よりも低いか否かが判定される(ステップS12)。
ここで、前記エンジン1内における潤滑油温Tlo1が設定油温Tlo0よりも高いと判断された場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS13)たうえで、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS14)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図2における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で循環される。このように、エンジン始動時に潤滑油温が設定油温以上であれば、潤滑油の供給制御が行われて、エンジン1が始動される。
一方、前記エンジン1内における潤滑油温Tlo1が設定油温Tlo0よりも低いと判断された場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が閉じられるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられる(ステップS15)。つづいて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動状態とされる(ステップS16)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の閉作動によりエンジン1から潤滑油タンク2への潤滑油の排出が遮断され、三方弁5の潤滑油タンク2方向への切替作動により潤滑油タンク2からエンジン1への潤滑油の供給が遮断され、これによりエンジン1と潤滑油タンク2との間での潤滑油の循環が停止される。この状態で、潤滑油タンク2内から潤滑油ポンプ6にて送りだされる潤滑油は、供給側潤滑油循環経路3Bの途中から三方弁5で潤滑油加熱経路3Cを通じて図1における黒塗矢印の方向に送られ、再び潤滑油タンク2内に戻される。このとき、潤滑油は潤滑油加熱経路3Cで潤滑油加熱手段7により加熱され、潤滑油温が昇温される。
そしてこのように三方弁5を介して供給側潤滑油循環経路3Bの一部と潤滑油加熱経路3Cとで潤滑油タンク2、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7を含み形成される潤滑油タンク2と潤滑油加熱手段7との間のループで、潤滑油が潤滑油加熱手段7で加熱されながら循環される際に、潤滑油タンク2内での潤滑油温が第二潤滑油温検知手段8Bにより定期的に検知され、この検知信号が制御手段10に入力されて、潤滑油タンク2内の潤滑油温Tlo2が制御手段10に読み込まれる(ステップS17)。制御手段10では、潤滑油タンク2内の潤滑油温Tlo2が設定油温Tlo0よりも低いか否かが判定される(ステップS18)。
ここで、前記潤滑油タンク2内の潤滑油温Tlo2が設定油温Tlo0よりも低い場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4は閉じられ、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5は潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられた状態に維持され、また潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7は作動状態に維持される。こうして、前記ループで循環させながら潤滑油の潤滑油加熱手段7による加熱が継続されて、潤滑油タンク2内の潤滑油温のさらなる昇温が図られ、この過程でステップS17・S18の制御が繰り返し行われる。
一方、前記潤滑油タンク2内の潤滑油温Tlo2が設定油温Tlo0よりも高い場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS19)、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS14)。
これによって、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図2における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の循環が開始される。このように潤滑油の供給制御が、エンジン始動時に潤滑油温が設定油温未満であれば行われて、エンジン1が始動される。
以上のように、前記エンジン1に供給する潤滑油を、該エンジン外部で貯溜する潤滑油タンク2を備えるエンジンの潤滑油供給装置において、前記エンジン1と潤滑油タンク2との間に潤滑油ポンプ6を有して潤滑油を循環させる潤滑油循環経路3A・3Bを備え、該供給側潤滑油循環経路3Bから分岐して、潤滑油加熱手段7を備える潤滑油加熱経路3Cを設け、該潤滑油ポンプ6と潤滑油加熱手段7とを制御手段10と接続して、潤滑油を循環させながら昇温可能に構成したことから、低温下でのエンジン始動時に潤滑油の油温を上昇させることで、クランキングを容易に行え、エンジン1の始動性を高めることができる。また、潤滑油ポンプ6により強制循環させることにより、潤滑油を攪拌して均一に昇温できる。そのため、潤滑油加熱手段7による潤滑油の加熱時間を短縮することが可能となり、潤滑油加熱手段7の寿命を長くすることができる。
また、前記潤滑油加熱経路3Cの途中に潤滑油温検知手段8Bを配設して、該潤滑油温検知手段8Bを制御手段10と接続し、該潤滑油温検知手段8Bで検知した潤滑油温が設定油温未満のときには潤滑油加熱手段7を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御する構成としたことから、エンジン始動時に潤滑油温が適切な油温よりも低い場合には、潤滑油を上昇させてエンジン1を容易に始動することが可能となる。また、潤滑油温検知手段8Bで潤滑油温を直接に検知して、その検知結果に基づいて潤滑油を昇温させるので、正確に潤滑油を適切な油温まで昇温させることが可能となり、過昇温による潤滑油の劣化を防止でき、また潤滑油加熱手段の寿命を長くすることもできる。
また、前記実施例のエンジン1の潤滑油供給装置は、エンジン始動時に第一及び第二潤滑油温検知手段8A・8Bで検知される潤滑油温を利用して、排出側潤滑油循環経路3Aの開閉弁4や供給側潤滑油循環経路3Bの三方弁5、潤滑油加熱経路3Cの潤滑油加熱手段7の作動状態を制御手段10にて変更し、潤滑油温が設定油温未満であればその昇温を潤滑油加熱手段7で図りながら、エンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の供給制御を行う構成とされているが、潤滑油温の代わりにエンジン冷却用の冷却水の水温や外気温などを利用して潤滑油の供給制御を行う構成とすることもできる。
たとえば、前記エンジン1の冷却水の水温を検知する冷却水温検知手段を、冷却水流路途中に設け、該冷却水温検知手段で検知される冷却水温を前記第一及び第二潤滑油温検知手段8A・8Bにより検知される潤滑油温の代わりに利用して、制御潤滑油の供給制御を行う構成とすることができる。この場合、図5や図6に示すように、前記エンジン1の潤滑油供給装置は、潤滑油タンク2の外周にエンジン1の冷却に用いられる冷却水を送る冷却水通路11が形成され、ラジエータで熱交換した冷却水が冷却水ポンプから冷却水通路11を介してエンジン1に送られる。この潤滑油タンク2内の潤滑油は、図5、図6において、冷却水通路11を白抜矢印で示す方向に流れる冷却水との間で熱交換が行われるように構成される。
そして、前記冷却水通路11の途中に冷却水温検知手段が備えられる。検知手段は第一冷却水温検知手段12Aと第二冷却水温検知手段12Bとから構成され、第一冷却水温検知手段12Aで前記潤滑油タンク2内の潤滑油との熱交換前の冷却水温が検知可能とされ、第二冷却水温検知手段12Bで熱交換後の冷却水温が検知可能とされている。すなわち、第一冷却水温検知手段12Aは冷却水通路11の潤滑油タンク2と冷却水ポンプとの間の潤滑油タンク2よりも上流側に配置され、第二冷却水温検知手段12Bは冷却水通路11の潤滑油タンク2とエンジン1との間の潤滑油タンク2よりも下流側に配置される。
図7に示すように、前記第一冷却水温検知手段12Aと第二冷却水温検知手段12Bとは制御手段10に接続される。そして、該制御手段10で第一冷却水温検知手段12Aと第二冷却水温検知手段12Bからの検知信号と、該制御手段10のメモリに予め記憶されているプログラムなどとに基づいて開閉弁4や三方弁5、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7それぞれへの制御信号が生成され、該制御信号により各装置の作動制御が可能とされる。
このような構成において、エンジン始動時に前記実施例と同様の流れで制御手段10によりエンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の供給制御が潤滑油温の代わりに冷却水温を用いて行われる。エンジン1の始動時において、キースイッチがONされると、該制御手段10が作動状態となる。そして、エンジン1をクランキング(スタータON)するためのスイッチがONされると、図8に示すように、スタータ信号が制御手段10に入力され(ステップS20)、これに伴ってセルモータが回転されて、クランキングが開始される。
同時にこのときの冷却水温が第一冷却水温検知手段12Aで検知され、この検知信号が制御手段10に入力されて、潤滑油タンク2の通過前の冷却水温Tcw1が制御手段10に読み込まれる(ステップS21)。制御手段10では、潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が設定手段9で設定された設定水温Tcw0よりも低いか否かが判定される(ステップS22)。
ここで、前記潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が設定水温Tcw0よりも高いと判断された場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS23)たうえで、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS24)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図6における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で循環される。このように潤滑油の供給制御が、エンジン始動時に冷却水温が設定水温以上であれば行われて、エンジン1が始動される。
一方、前記潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が設定水温Tcw0よりも低いと判断された場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が閉じられるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられる(ステップS25)。つづいて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動状態とされる(ステップS26)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の閉作動によりエンジン1から潤滑油タンク2への潤滑油の排出が遮断され、三方弁5の潤滑油タンク2方向への切替作動により潤滑油タンク2からエンジン1への潤滑油の供給が遮断され、これによりエンジン1と潤滑油タンク2との間での潤滑油の循環が停止される。この状態で、潤滑油タンク2内から潤滑油ポンプ6にて送りだされる潤滑油は、供給側潤滑油循環経路3Bの途中から三方弁5で潤滑油加熱経路3Cを通じて図5における黒塗矢印の方向に送られ、再び潤滑油タンク2内に戻される。このとき、潤滑油は潤滑油加熱経路3Cで潤滑油加熱手段7により加熱され、潤滑油温が昇温される。
このように三方弁5を介して供給側潤滑油循環経路3Bの一部と潤滑油加熱経路3Cとで潤滑油タンク2、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7を含み形成される潤滑油タンク2と潤滑油加熱手段7との間のループで、潤滑油が潤滑油加熱手段7で加熱されながら循環される際に、冷却水が冷却水通路11を通って潤滑油タンク2を通過することにより、冷却水と潤滑油とで熱交換が行われて、潤滑油により冷却水温が昇温される。
そして、潤滑油タンク2で熱交換された冷却水の水温が第二冷却水温検知手段12Bにより定期的に検知され、この検知信号が制御手段10に入力されて、潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が制御手段10に読み込まれる(ステップS27)。制御手段10では、潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が設定水温Tcw0よりも低いか否かが判定される(ステップS28)。
ここで、前記潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が設定水温Tcw0よりも低い場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4は閉じられ、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5は潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられた状態に維持され、また潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7は作動状態に維持される。こうして、前記ループで循環させながら潤滑油の潤滑油加熱手段7による加熱が継続されて、該潤滑油と熱交換による冷却水温のさらなる昇温が図られ、この過程でステップS27・S28の制御が繰り返し行われる。
一方、前記潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が設定水温Tcw0よりも高い場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS29)、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS24)。
これによって、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図6における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の循環が開始される。このように潤滑油の供給制御が、エンジン始動時に冷却水温が設定水温未満であれば行われて、エンジン1が始動される。
以上のように、前記エンジンの潤滑油供給装置において、潤滑油タンク2外周に冷却水通路11を形成し、該冷却水通路11に第一冷却水温検知手段12Aと第二冷却水温検知手段12Bとからなる冷却水温検知手段を設け、該冷却水温検知手段を制御手段10と接続し、該冷却水温検知手段で検知した冷却水温が設定水温以下のときには潤滑油加熱手段7を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御する構成としたことから、冷却水温により潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温でき、同時に冷却水温の昇温を潤滑油との熱交換により図ることもできる。よって、低温下でのエンジン始動性を高めることができる。
また、前記外気温を検知する外気温検知手段15を設け、該外気温検知手段15で検知される外気温を前記第一及び第二潤滑油温検知手段8A・8Bにより検知される潤滑油温の代わりに利用して、潤滑油の供給制御が行う構成とすることができる。この場合、図9に示すように、外気温検知手段15が制御手段10に接続され、該制御手段10で外気温検知手段15からの検知信号と、該制御手段10のメモリに予め記憶されているプログラムなどとに基づいて開閉弁4や三方弁5、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7それぞれへの制御信号が生成され、該制御信号により各装置の作動制御が可能とされる。
そして、エンジン始動時に前記実施例と同様の流れで制御手段10によりエンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の供給制御が潤滑油温の代わりに外気温を用いて行われる。この制御の過程では、外気温検知手段15で検知される外気温が制御手段10に予め設定手段9で設定された設定気温と比べて高いか低いかが判定され、外気温が設定気温未満であれば潤滑油加熱手段7により潤滑油が加熱され、この潤滑油温の昇温に伴って昇温される外気温が設定気温以上となるまで昇温される。
このように前記エンジンの潤滑油供給装置において、前記制御手段に外気温検知手段を接続し、該外気温検知手段で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御する構成としたことから、外気温により潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温できる。これにより、低温始動時における潤滑油の粘度を低くして、エンジンの始動性を向上させることができる。
また、前記第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bで検知される冷却水温と、前記外気温検知手段15で検知される外気温とを前記第一及び第二潤滑油温検知手段8A・8Bにより検知される潤滑油温の代わりに利用して、制御潤滑油の供給制御を行う構成とすることもできる。この場合、図10に示すように、第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bと、外気温検知手段15とが制御手段10に接続され、該制御手段10で第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bからの検知信号と、外気温検知手段15からの検知信号と、該制御手段10のメモリに予め記憶されているプログラムなどとに基づいて開閉弁4や三方弁5、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7それぞれへの制御信号が生成され、該制御信号により各装置の作動制御が可能とされる。
このような構成において、エンジン始動時に次のような流れで制御手段10によりエンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の供給制御が潤滑油温の代わりに冷却水温及び外気温を用いて行われる。エンジン1の始動時において、キースイッチがONされると、該制御手段10が作動状態となる。そして、エンジン1をクランキング(スタータON)するためのスイッチがONされると、図11に示すように、スタータ信号が制御手段10に入力され(ステップS40)、これに伴ってセルモータが回転されて、クランキングが開始される。
同時にこのときの冷却水温が第一冷却水温検知手段12Aで検知されるとともに、外気温が外気温検知手段で検知され、これらの検知信号が制御手段10に入力されて、潤滑油タンク2の通過前の冷却水温Tcw1と外気温Toa1とが制御手段10に読み込まれる(ステップS41)。制御手段10では、潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が当該制御手段10に予め設定手段9で設定された設定水温Tcw0よりも低いか否かが、さらに外気温Toaが当該制御手段10に予め記憶された設定気温Toa0よりも低いか否かが判定される(ステップS42)。
ここで、前記潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が設定水温Tcw0よりも高く、かつ外気温Toa1が設定気温Toa0よりも高いと判断された場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS43)たうえで、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS44)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図6における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で循環される。このように潤滑油の供給制御が、エンジン始動時に冷却水温が設定水温以上であれば行われて、エンジン1が始動される。
一方、前記潤滑油タンク2通過前の冷却水温Tcw1が設定水温Tcw0よりも低い、あるいは外気温Toa1が設定気温Toa0よりも低いと判断された場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が閉じられるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられる(ステップS45)。つづいて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動状態とされる(ステップS46)。
この状態で潤滑油ポンプ6の作動に伴って、前記開閉弁4の閉作動によりエンジン1から潤滑油タンク2への潤滑油の排出が遮断され、三方弁5の潤滑油タンク2方向への切替作動により潤滑油タンク2からエンジン1への潤滑油の供給が遮断され、これによりエンジン1と潤滑油タンク2との間での潤滑油の循環が停止される。この状態で、潤滑油タンク2内から潤滑油ポンプ6にて送りだされる潤滑油は、供給側潤滑油循環経路3Bの途中から三方弁5で潤滑油加熱経路3Cを通じて図5における黒塗矢印の方向に送られ、再び潤滑油タンク2内に戻される。このとき、潤滑油は潤滑油加熱経路3Cで潤滑油加熱手段7により加熱され、潤滑油温が昇温される。
このように三方弁5を介して供給側潤滑油循環経路3Bの一部と潤滑油加熱経路3Cとで潤滑油タンク2、潤滑油ポンプ6、潤滑油加熱手段7を含み形成される潤滑油タンク2と潤滑油加熱手段7との間のループで、潤滑油が潤滑油加熱手段7で加熱されながら循環される際に、冷却水が冷却水通路11を通って潤滑油タンク2を通過することにより、冷却水と潤滑油とで熱交換が行われて、潤滑油により冷却水温が昇温される。
そして、潤滑油タンク2で熱交換された冷却水の水温が第二冷却水温検知手段12Bにより定期的に検知されるとともに、外気温が外気温検知手段15で検知され、これらの検知信号が制御手段10に入力されて、潤滑油タンク2の通過後の冷却水温Tcw2と外気温Toa1とが制御手段10に読み込まれる(ステップS47)。制御手段10では、潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が当該制御手段10に予め記憶された設定水温Tcw0よりも低いか否かが、さらに外気温Toaが当該制御手段10に予め記憶された設定気温Toa0よりも低いか否かが判定される(ステップS48)。
ここで、前記潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が設定水温Tcw0よりも低い、あるいは外気温Toa1が設定気温Toa0よりも低い場合には、制御手段10にて排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4は閉じられ、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5は潤滑油タンク2から送られる潤滑油を潤滑油タンク2に潤滑油加熱経路3Cを通じて戻すように切り替えられた状態に維持され、また潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7は作動状態に維持される。こうして、前記ループで循環させながら潤滑油の潤滑油加熱手段7による加熱が継続されて、該潤滑油と熱交換による冷却水温のさらなる昇温が図られ、またこれらに伴う外気温の昇温が図られ、この過程でステップS47・S48の制御が繰り返し行われる。
一方、前記潤滑油タンク2通過後の冷却水温Tcw2が設定水温Tcw0よりも高く、かつ外気温Toa1が設定気温Toa0よりも高い場合には、制御手段10にて潤滑油加熱経路3Cに備えられた潤滑油加熱手段7が作動停止状態とされ(ステップS49)、排出側潤滑油循環経路3Aに備えられた開閉弁4が開かれるとともに、供給側潤滑油循環経路3Bに備えられた三方弁5が潤滑油を潤滑油タンク2から潤滑油ポンプ6でエンジン1に送るように切り替えられる(ステップS44)。
これによって、前記開閉弁4の開作動によりエンジン1内の潤滑油が潤滑油タンク2に排出され、前記三方弁5のエンジン1方向への切替作動により潤滑油タンク2内の潤滑油が潤滑油ポンプ6によりエンジン1に供給されるように、潤滑油が排出側潤滑油循環経路3Aと供給側潤滑油循環経路3Bとを通じて図6における黒塗矢印の方向に送られて、エンジン1と潤滑油タンク2との間で潤滑油の循環が開始される。このように潤滑油の供給制御が、エンジン始動時に冷却水温が設定水温未満であれば行われて、エンジン1が始動される。
このように前記エンジンの潤滑油供給装置において、前記潤滑油タンク2外周に冷却水通路11を形成し、該冷却水通路11に第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bを設け、該第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bと外気温検知手段15とを前記制御手段10と接続し、該第一及び第二冷却水温検知手段12A・12Bで検知される冷却水温が設定水温未満であり、かつ該外気温検知手段15で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段7を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御する構成としたことから、冷却水温と外気温とにより潤滑油温を推定して低温時には潤滑油温を昇温できる。特に、二つの検知手段による検知結果で潤滑油度を推定するので、正確に潤滑油温の制御ができる。これにより、低温下でのエンジン始動性を高めることができる。
また、前記実施例1から実施例4においては、潤滑油加熱手段7を電気ヒータから構成され、該電気ヒータがPWM制御により作動されて、潤滑油が加熱される。このような構成により、デューティ比を変更することで潤滑油温を容易に制御できる。また、潤滑油加熱手段7による潤滑油の加熱時間を短縮させることができるため、潤滑油加熱手段7の寿命を長くすることができる。
なお、前述の実施例では、潤滑油タンク2からエンジン1への潤滑油の供給制御に、潤滑油温、冷却水温、外気温、冷却水温および外気温を利用した場合について説明しているが、潤滑油温および冷却水温、潤滑油温および外気温などを利用することもできる。
実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの低温始動時における潤滑油の流れとを示す図。 実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの通常運転時における潤滑油の流れとを示す図。 実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図。 実施例1に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図。 実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの低温始動時における潤滑油の流れとを示す図。 実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の構成と、エンジンの通常運転時における潤滑油の流れとを示す図。 実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図。 実施例2に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図。 実施例3に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図。 実施例4に係るエンジンの潤滑油供給装置の制御機構を示すブロック図。 実施例4に係るエンジンの潤滑油供給装置における潤滑油の供給制御の流れを示す図。
符号の説明
1 エンジン
2 潤滑油タンク
4 開閉弁
5 三方弁
6 潤滑油ポンプ
7 潤滑油加熱手段
8A・8B 潤滑油温検知手段
10 制御手段
11 冷却水通路
12A・12B 冷却水温検知手段
15 外気温検知手段

Claims (6)

  1. エンジンに供給する潤滑油を、該エンジン外部で貯溜する潤滑油タンクを備えるエンジンの潤滑油供給装置において、前記エンジンと潤滑油タンクとの間に潤滑油ポンプを有して潤滑油を循環させる潤滑油循環経路を備え、該潤滑油循環経路から分岐して、潤滑油加熱手段を備える潤滑油加熱経路を設け、該潤滑油ポンプと潤滑油加熱手段とを制御手段と接続して、潤滑油を循環させながら昇温可能に構成したことを特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  2. 前記潤滑油加熱経路の途中に潤滑油温検知手段を配設して、該潤滑油温検知手段を前記制御手段と接続し、該潤滑油温検知手段で検知される潤滑油温が設定油温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給装置。
  3. 前記潤滑油タンク外周に冷却水通路を形成して、該冷却水通路に冷却水温検知手段を設け、該冷却水温検知手段を制御手段と接続し、該冷却水温検知手段で検知される冷却水温が設定水温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給装置。
  4. 前記制御手段に外気温検知手段を接続し、該外気温検知手段で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給装置。
  5. 前記潤滑油タンク外周に冷却水通路を形成して、該冷却水通路に冷却水温検知手段を設け、該水温検知手段と外気温検知手段とを前記制御手段と接続し、該水温検知手段で検知される冷却水温が設定水温未満であり、かつ該外気温検知手段で検知される外気温が設定気温未満のときには潤滑油加熱手段を作動させて潤滑油を加熱し、潤滑油温を昇温させるように制御したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給装置。
  6. 前記潤滑油加熱手段を電気ヒータから構成し、該電気ヒータをPWM制御により作動させて潤滑油を加熱することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のエンジンの潤滑油供給装置。
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