JP6065397B2 - 電動モータ - Google Patents
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Description
モータの冷却装置として、従来は空冷式のものが一般的であったが、冷却性能向上の観点から、空冷式のものよりも冷却性能を向上させ易い液冷式のモータ冷却装置が開発されている。
図12に示すように、この技術にかかるモータ(又はジェネレータ)1は、ハウジング2の中心にシャフト(回転軸)3が支持され、このシャフト3にロータ4が固定され、ハウジング2の内周にはロータ4と対向するステータ(ステータコイル)5が固定されている。シャフト3は、ハウジング2の両端壁(図12中には示さない)にベアリング6を介して支持される。このハウジング2には、潤滑オイル11を循環させるオイル循環回路10が接続される。
このような潤滑構造によれば、低温時(例えば−5℃)においてオイル11の粘度が大幅に上昇して電動オイルポンプ13が作動できない状況においても、モータ(又はジェネレータ)1のベアリング6は既にオイル11に浸っているため、ベアリング6の潤滑のためのオイル11の循環は不要となる。
オイル供給口と第1のオイル排出口と第2のオイル排出口とに接続したオイル循環回路にオイルクーラを迂回するバイパス流路を設け、潤滑オイルをオイルクーラとバイパス流路との何れかに流入するように制御する切替バルブを装備し、検出された潤滑オイルの温度に基づいて切替バルブを開閉すれば、潤滑オイルの不要な冷却や電動オイルポンプの負担を抑制しながら潤滑オイルの必要な冷却を実施することができる。
図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかる電動モータ並びにその冷却及び潤滑装置を説明するものであり、図5〜図11は本発明の第2実施形態にかかる電動モータ並びにその冷却及び潤滑装置を説明するものであり、これらの図を用いて各実施形態を順に説明する。なお、各実施形態にかかる電動モータ類は電気自動車或いはハイブリッド車等の車両に、走行用の電動発電機として備えられるものとして説明するが、本発明にかかる電動モータ(電動発電機又はジェネレータを含むものとする)はかかる用途に限定されない。
まず、図1〜図4に基づいて本発明の第1実施形態について説明する。
図1,図2に示すように、本装置にかかる電動モータ(以下、単に、モータという)1は、電動発電機であり、ハウジング2の中心にシャフト(回転軸)3が支持され、このシャフト3にロータ4が固定され、ハウジング2の内周にはロータ4と対向するステータ(ステータコイル)5が固定されている。シャフト3は、ハウジング2の両端壁2A,2Bにベアリング6を介して支持される。このハウジング2には、冷却兼潤滑用オイル(潤滑オイル、単に、オイルともいう)11を循環させるオイル循環回路10が接続される。
第1のオイル排出口2bは、ベアリング6の最下部よりも鉛直方向上方に配置され、ハウジング2内の第1のオイル排出口2bの直下までオイル11が溜まると、ハウジング2内のベアリング6の一部がオイル11の液面L1よりも鉛直下方に位置し、ハウジング2内のオイル排出口2bの直下までベアリング6の一部がオイル11に浸るようになっている。
第2のオイル排出管15eには、開閉用電磁バルブ(以下、開閉バルブとも言う)16が介装され、第2のオイル排出口2cを電気的に開閉できるようになっている。
電動オイルポンプ13及び開閉バルブ16を制御するためにECU(制御手段)20が設けられている。ECU(Electronic Control Unit)20は、周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。
なお、ここでは、温度センサ22はオイル溜り12自体の温度若しくはオイル溜り12内のオイルの温度(オイル溜り温度)をオイル温度TOILとして検出するが、オイル温度に相関する温度であれば他の箇所の温度を検出してもよい。また、温度センサ23はハウジング2の温度若しくはハウジング2内のオイルの温度をハウジング2内の機器類(ロータ4やステータ5等)の温度であるモータ温度TMとして検出するが、ハウジング2内の機器類の温度に相関する温度であれば他の箇所の温度を検出してもよい。
つまり、ECU20は、パワースイッチ21のオフからオンへの切り換え信号を受けると、温度センサ23により検出されたモータ温度TMに基づく電動オイルポンプ13の作動制御を開始し、温度センサ22により検出されたオイル温度TOILに基づく開閉バルブ16の開閉制御を開始する。
なお、開閉バルブ16の開閉制御に用いる基準オイル温度T1,T2は、オイル11が循環によってモータ1のベアリング6に供給されうる粘度状態であるか否かに相当する閾値温度である。オイル温度TOILが基準オイル温度T1,T2よりも低ければ、オイル11の粘度が高くてオイル11の循環によってモータ1のベアリング6にオイル11を十分に供給しえない状態であり、オイル温度TOILが基準オイル温度T1,T2よりも高ければ、オイル11の粘度が低下してオイル11の循環によってモータ1のベアリング6にオイル11を十分に供給できる状態である。
もちろん、必要に応じて、電動オイルポンプ13の作動制御にも、冷却基準温度を2通り設けて制御にヒステリシスを与えてもよい。
この終了制御は、開閉バルブ16を閉鎖すると共に電動オイルポンプ13を作動させ、ハウジング2内の第1のオイル排出口2bの最下部付近まで、即ち、ベアリング6がオイル11に浸るレベルL1までオイルレベルを高めて、電動オイルポンプ13を停止する。
つまり、パワースイッチ21のオフからオンへの切り換え信号を受けると、図3に示すように、電動オイルポンプ13の作動制御と、開閉バルブ16の開閉制御とが実施される。
そして、図3に示すように、開閉バルブ16の開閉状態を確認して(ステップS20)、開閉バルブ16が閉鎖状態なら、第2の基準オイル温度T2(例えば、0℃)を用いて、オイル温度TOILが第2の基準オイル温度T2に達しているか否かを判定し(ステップS30)、オイル温度TOILが第2の基準オイル温度T2に達していなければ開閉バルブ16を閉鎖し(ステップS60)、オイル温度TOILが第2の基準オイル温度T2に達していれば開閉バルブ16を開放する(ステップS40)。
つまり、まず、開閉バルブ16を閉鎖し(ステップS80)、電動オイルポンプ13を作動させる(ステップS90)。そして、この電動オイルポンプ13を作動させてからの経過時間をカウントし、経過時間が予め設定された時間t0を超えたか否かを判定して(ステップS100)、経過時間が予め設定された時間t0を超えたら、ハウジング2内の第1のオイル排出口2bの最下部まで、即ち、ベアリング6がオイル11に浸るレベルL1までオイルレベルが高まったとして、電動オイルポンプ13を停止して制御を終える(ステップS110)。
これにより、次回の始動時には、ベアリング6がオイル11に浸っており、オイルの粘度が高くオイル循環回路10によるオイル循環を十分に行なえなくても、開閉バルブ16が閉鎖されている限り、ベアリング6はオイル11に浸って潤滑される。
本実施形態では、ECU20により、上記の各制御が自動で実施されるので、上記の各効果を容易にかつ確実に得ることができる。
次に、図5〜図11に基づいて本発明の第2の実施形態について説明する。
なお、図5〜図11において、第1の実施形態(図1〜図4)と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
このバイパスバルブ17が閉鎖されるとオイルはバイパス流路15fには進入しないでオイルクーラ14に進入する。逆に、バイパスバルブ17が開放されるとオイルはバイパス流路15fに進入しオイルクーラ14には進入しない。
つまり、ECU20は、パワースイッチ21のオフからオンへの切り換え信号を受けると、温度センサ23により検出されたモータ温度TMに基づく電動オイルポンプ13の作動制御と、温度センサ22により検出されたオイル温度TOILに基づく開閉バルブ16の開閉制御とを開始するのに加えて、温度センサ22により検出されたオイル温度TOILに基づくバイパスバルブ17の開閉制御(流路切替制御)と、温度センサ22により検出されたオイル温度TOILに基づくヒータ18の作動制御とを開始する。
図7に示すように、オイル温度TOILが低温域(TOIL<T1,T2,T3)にあると、図5(a)に示すように、開閉バルブ16は閉鎖され第2オイル排出口からオイルが排出され、ヒータ18はオンとされ、バイパスバルブ17はバイパス流路側に設定さら、オイル流量は高流量とされる。
本発明の第2実施形態にかかる電動モータ及びその冷却,潤滑装置は、叙述のように構成されているので、例えば、図8〜図11に示すように電動モータの冷却及び潤滑にかかる制御が行なわれる。
まず、電動オイルポンプ13の作動制御(ステップS10A)が実施され、バイパスバルブ17の作動制御(ステップS10B)が実施され、ヒータ18の作動制御(ステップS10C)が実施される。その後、開閉バルブ16の作動制御が実施される(ステップS20〜S110)。開閉バルブ16の作動制御(ステップS20〜S110)は、第1実施形態のものと同様なのでここでは説明を省略し、電動オイルポンプ13,バイパスバルブ17及びヒータ18の各作動制御を説明する。
つまり、まず、モータ温度TMを冷却基準温度TSと比較して(ステップS11)、モータ温度TMが冷却基準温度TSに達しなければ、オイル温度TOILが中温域(T3≦TOIL≦T4)にあるか否かを判断し(ステップS13)、オイル温度TOILが中温域(T3≦TOIL≦T4)にあれば、電動オイルポンプ13を間欠作動させる(ステップS14)。
一方、モータ温度TMが冷却基準温度TSに達したら電動オイルポンプ13を連続作動させる(ステップS12)。
このように本実施形態の構成では、オイルクーラ14を迂回するバイパス流路15fを設けて、オイル11の温度帯に応じた制御を行うことができるので、特にヒータ18の制御も加わるので気温が低い地域において有用である。
例えば、上記の各実施形態では、オイル循環回路10にはオイルクーラ14が設けられ、オイル11は冷却兼潤滑用のオイルとして機能するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、オイルクーラ14は省略可能であり、オイル11は潤滑用としてのみ用いられるオイルであってもよい。
2 ハウジング
2a オイル供給口
2b 第1のオイル排出口
2c 第2のオイル排出口
3 シャフト(回転軸)
4 ロータ
5 ステータ(ステータコイル)
6 ベアリング
10 オイル循環回路
11 潤滑オイル
12 オイル溜り
13 電動オイルポンプ
14 オイルクーラ
15a オイル供給管(オイル供給路)
15b 第1のオイル排出管(第1のオイル排出路)
15e 第2のオイル排出管(第2のオイル排出路)
15f オイル配管(バイパス流路)
16 開閉用電磁バルブ(開閉バルブ)
17 切替用電磁バルブ(切替バルブ、バイパスバルブ)
18 ヒータ
20 ECU(制御手段)
21 パワースイッチ
22 温度センサ(オイル温度検出手段)
23 温度センサ(モータ温度検出手段)
Claims (4)
- ハウジングと、前記ハウジング内にベアリングを介して回転可能に設けられた回転軸と、前記回転軸に固定されて前記ハウジング内に装備されたロータと、前記ハウジング内に固定されて前記ロータと対向するステータと、前記ハウジング内に潤滑オイルを供給するオイル供給口と、前記ハウジングから前記潤滑オイルを排出するオイル排出口と、を備える電動モータであって、
前記オイル排出口は、前記ベアリングの少なくとも一部よりも鉛直上方に配置される第1のオイル排出口と、前記ベアリングよりも鉛直下方に配置されると共に開閉可能に設けられた第2のオイル排出口とから構成され、
前記第2のオイル排出口に、開閉バルブが装備され、
前記オイル供給口と前記第1のオイル排出口と前記第2のオイル排出口とに接続されて前記潤滑オイルが循環するオイル循環回路を備え、
前記電動モータをオンオフ操作するパワースイッチを備え、
前記オイル供給口は、前記第1のオイル排出口よりも鉛直上方に配置され、
前記オイル循環回路には、前記第1のオイル排出口から排出された前記潤滑オイルを貯留するオイル溜りと、前記オイル溜りに貯留された前記潤滑オイルを前記ハウジングに送給する電動オイルポンプと、前記電動オイルポンプの下流に装備され前記ハウジングに送給する前記潤滑オイルを冷却するオイルクーラとが設けられ、
前記オイル循環回路は、前記オイル供給口に接続するオイル供給路と、前記第1のオイル排出口と前記オイル溜りとを連絡する第1のオイル排出路と、前記第2のオイル排出口と前記オイル溜りとを前記開閉バルブを介して連絡する第2のオイル排出路とから構成され、
前記パワースイッチがオフにされると、前記開閉バルブが閉鎖し、前記第1のオイル排出口の高さまで前記ハウジング内に前記潤滑オイルが満たされたら前記電動オイルポンプが停止する
ことを特徴とする、電動モータ。 - 前記潤滑オイルの温度を検出するオイル温度検出手段を備え、
前記オイル温度検出手段により検出された前記潤滑オイルの温度を予め設定された基準オイル温度と比較して、前記潤滑オイルの温度が前記基準オイル温度に達しなければ前記開閉バルブを閉鎖し、前記潤滑オイルの温度が前記基準オイル温度に達したら前記開閉バルブを開放する制御手段をそなえている
ことを特徴とする、請求項1記載の電動モータ。 - 前記電動モータの温度であるモータ温度を検出するモータ温度検出手段を備え、
前記モータ温度検出手段により検出された前記モータ温度に基づいて前記電動オイルポンプの作動状態が変更される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電動モータ。 - 前記オイル循環回路に前記オイルクーラを迂回するバイパス流路が設けられると共に、前記潤滑オイルを前記オイルクーラと前記バイパス流路との何れかに流入するように制御する切替バルブが装備され、前記オイル温度検出手段により検出された前記潤滑オイルの温度に基づいて前記切替バルブが開閉する
ことを特徴とする、請求項2又は請求項2を引用する請求項3に記載の電動モータ。
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