JP6565439B2 - 冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された回転電機の冷却システムに関する。
従来、車両に搭載された回転電機(例えば、モータやジェネレータ)を冷却する手法の一つとして、回転電機を介装した冷却回路上にポンプとクーラとを介装し、ポンプで圧送した冷却液を冷却回路内に循環させるとともに、その冷却液をクーラで冷やすものが知られている。特許文献1には、この手法を用いてモータ及びジェネレータを冷却するとともに、ジェネレータのハウジング内の底部に形成されるオイル溜まりのオイル(冷却液)の油面を、ポンプの停止中も作動中もステータの下端よりも高くなるようにした冷却装置が開示されている。この技術によれば、ハイブリッド車両のシリーズ走行時において、モータ側を流れてきた比較的温度の低いオイルにより、高温になったジェネレータのステータの下部を冷却することができるとされている。
特開2012-96738号公報
ところで、冷却液は、温度が低いほど粘度が高くなることから、冷却回路内を流れにくくなって、回転電機を適切に冷却できない虞がある。一方で、冷却液は、温度が高いほど回転電機との間で行われる熱交換の効率が低下することから、回転電機を適切に冷却できない虞がある。つまり、回転電機は、冷却液の温度が低すぎても高すぎても適切に冷却されない虞がある。したがって、回転電機を適切に冷却するためには、冷却液の温度を適温にすることが望ましい。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、車両に搭載された回転電機の冷却システムに関し、冷却液の温度を適温にすることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する冷却システムは、車両に搭載された回転電機の冷却システムである。前記回転電機は、ハウジング内の底部に冷却液が溜まる貯留部を有するとともに、前記貯留部内の前記冷却液と巻線とが接触しうるものである。本冷却システムは、前記回転電機を介装した冷却回路上に設けられ、前記冷却回路内に前記冷却液を循環させる電動の第一ポンプと、前記車両に搭載された動力源で駆動する機械式の第二ポンプと、前記貯留部内の前記冷却液の液面高さを検出する液面センサと、前記冷却液の温度を検出する温度センサと、を備える。また、本冷却システムは、前記温度センサで検出された前記温度と前記液面センサで検出された前記液面高さとに基づいて、前記第一ポンプの駆動力を制御する制御装置を備える。前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時における前記温度が第一温度以下である低温状態において、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を維持し、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触しない高さであれば現状の前記駆動力を低下させ、前記温度が前記第一温度よりも低い下限温度以下である極低温状態において前記第二ポンプのみを駆動させるとともに、前記温度が前記下限温度を超えたら前記第一ポンプのみを駆動させる。
)前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時における前記温度が前記第一温度よりも高い第二温度以上である高温状態において、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を上昇させ、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触しない高さであれば現状の前記駆動力を維持することが好ましい。
)前記制御装置は、現状の前記駆動力を低下させる場合には前記液面高さが低いほど前記駆動力の低下量を大きくし、現状の前記駆動力を上昇させる場合には前記液面高さが高いほど前記駆動力の上昇量を大きくすることが好ましい
)前記回転電機が、前記巻線よりも回転軸側に回転子を有するものであることが好ましい。この場合、前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時において、前記液面高さが前記貯留部内の前記冷却液と前記回転子とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を上昇させることが好ましい。
)前記回転電機は、前記ハウジングの回転軸よりも上部に形成され、前記冷却液を前記ハウジング内に取り入れる導入路を有することが好ましい。
開示の冷却システムによれば、検出した冷却液の温度(冷却液の現状の温度)と検出した液面高さ(現状の液面高さ)とに基づき第一ポンプの駆動力を制御するため、冷却液の温度に応じて液面高さを調整することができる。これにより、貯留部内の冷却液と巻線との接触状態を冷却液の温度に応じて制御することができるため、冷却液の温度を適温にすることができる。
一実施形態に係る冷却システムを示す模式図である。 図1の冷却システムにより冷却されるジェネレータの断面図である。 図1の冷却システムで実施される制御内容を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としての冷却システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
以下の説明では、本実施形態に係る冷却システムが水平な姿勢の車両に搭載されている状態を基準にして、重力の方向を下方とし、その逆方向を上方とする。
[1.システム構成]
本実施形態に係る冷却システムは、図1に示すモータ2とジェネレータ3とが搭載された車両1に適用される。この車両1は、車両駆動用のモータ2を搭載した電気自動車またはハイブリッド車である。モータ2は、車載の走行用バッテリ(図示略)に蓄えられた充電電力やジェネレータ3で発電された発電電力を用いて車両1を駆動する。ジェネレータ3は、エンジンや車輪の回転を利用して発電を行い、走行用バッテリやモータ2へ給電する。
モータ2及びジェネレータ3は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えた電動発電機(モータジェネレータ)であり、ジェネレータ3がモータ2の斜め下方に位置するように搭載される。車両1には、モータ2とジェネレータ3とを介装し、これらを冷却するための冷却回路4が設けられる。
冷却回路4は、モータ2及びジェネレータ3を冷却するオイル(冷却液)の流路である。冷却回路4上には、冷却回路4内にオイルを循環させる二つのポンプ11,12と、オイルを冷却するオイルクーラ5とが介装される。冷却回路4では、ポンプ11,12から吐出されたオイルが、オイルクーラ5を通過することで冷却されたのちにモータ2及びジェネレータ3に供給されて、再びポンプ11,12に取り入れられる。このようにオイルが冷却回路4を循環することにより、モータ2及びジェネレータ3が冷却される。
本実施形態の冷却回路4は、四つの配管4a〜4dで形成される。これらのうち、第一,第二及び第三の配管4a〜4cは、何れも二股に分岐した形状に形成される。第一の配管4aは、ジェネレータ3と各ポンプ11,12とを接続し、第二の配管4bは、各ポンプ11,12とオイルクーラ5とを接続する。また、第三の配管4cは、オイルクーラ5とモータ2,ジェネレータ3のそれぞれとを接続する。第四の配管4dは、モータ2とジェネレータ3とを接続する。
二つのポンプ11,12は、一方が電力で駆動する電動のオイルポンプ11であり、他方が機械的な動力で駆動する機械式のオイルポンプ12である。以下、電動のオイルポンプ11を第一ポンプ11ともいい、機械式のオイルポンプ12を第二ポンプ12ともいう。これらのポンプ11,12は、冷却回路4上で並列に配置される。
第一ポンプ11は、車両1に搭載された補機バッテリ(図示略)と電気的に接続され、この補機バッテリの電力が供給されることによって作動する。一方、第二ポンプ12は、車両1に搭載された動力源12aと機械的に連結され、この動力源12aの動力が伝達されることによって作動する。第二ポンプ12の動力源12aとしては、モータ2や駆動輪などが挙げられる。なお、車両1がエンジンを搭載したハイブリッド車である場合には、エンジンが動力源12aであってもよい。これらのポンプ11,12の作動状態は、車載の制御装置13によって制御される。
以下、図1及び図2を参照して、ジェネレータ3の構成について詳述したのち、モータ2の構成を簡単に説明する。
図1及び図2に示すように、ジェネレータ3は、ハウジング30内に回転軸3A,ロータ3B,ステータ3C及びコイル3Dを収容して構成される。回転軸3Aは、車両1のエンジン又は車輪側から入力される駆動力によって回転するものであり、ジェネレータ3が車両1に搭載された状態でその軸心が略水平方向に延設される。図2に示すように、回転軸3Aの入力側(駆動力が伝達される側であり、図2中の右側)の端部はハウジング30の外側に突出して設けられ、回転軸3Aの逆側(図2中の左側)の端部はハウジング30に収容される。回転軸3Aは、これらの端部近傍においてそれぞれ軸受6,6を介してハウジング30に支持される。
ロータ3B(回転子)は、複数の磁性体プレートが回転軸3Aの軸方向に積層されてなり、回転軸3Aの外周面に固定されて回転軸3Aとともに回転する。また、ステータ3Cは、ロータ3Bと同様に複数の磁性体プレートが回転軸3Aの軸方向に積層されてなり、ロータ3Bの外周を囲うように設けられてハウジング30に固定される。ステータ3Cは、回転軸3Aの軸方向の寸法がロータ3Bのそれと略等しく形成される。また、ステータ3Cは、回転軸3Aの軸方向に沿って延びる複数の溝を有する。
コイル3D(巻線)は、ステータ3Cの複数の溝に巻き付けられた導線である。コイル3Dは、ステータ3Cよりも回転軸3Aの軸方向の両側に突出して設けられる。また、コイル3Dは、ステータ3Cの外周面よりも回転軸3A側(径方向内側)に設けられ、ロータ3Bの外周面よりもステータ3C側(径方向外側)に設けられる。言い換えると、ロータ3Bはコイル3Dよりも回転軸3A側に設けられる。ステータ3Cは、コイル3Dが巻き付けられることによって電磁石として機能する。ジェネレータ3は、ロータ3Bが回転軸3Aの回転に伴って回転すると、コイル3Dに誘導電流が流れることでコイル3Dが発熱する。
ハウジング30は、一側面に開口を有し、回転軸3A,ロータ3B,ステータ3C及びコイル3Dを収容する本体部31と、本体部31の開口を塞ぐプレート状の蓋部32とを有する。本実施形態のハウジング30は、一側面全体が開口として設けられる。ハウジング30は、車両搭載状態で、本体部31の開口に対向する面(一側面の逆側にある側面、以下、端面33と呼ぶ)が略鉛直方向に延在する姿勢となる。言い換えると、端面33の法線方向は回転軸3Aの軸方向と略一致し、車両搭載状態で何れも略水平方向となる。ステータ3Cは、本体部31の端面33を除いた内周面に固定される。また、回転軸3A及びロータ3Bは、その軸方向が端面33の法線方向と一致する姿勢で開口から本体部31内に収容される。
蓋部32は、一方の軸受6が固定されるとともに回転軸3Aが挿通される孔部32hを有する。蓋部32の孔部32hにおける軸受6よりも外側には、回転軸3Aの外周面に密着して孔部32hを封鎖するオイルシール7が設けられる。なお、他方の軸受6は、本体部31の端面33側に固定される。
ジェネレータ3は、オイルクーラ5で冷却されたオイルをハウジング30内に取り入れる導入路30aと、ハウジング30内に取り入れられたオイルを軸受6,6に流下させる伝達路30bと、ハウジング30内のオイルを外部へ排出する排出部30cとを有する。これらの導入路30a,伝達路30b,排出部30cは、ハウジング30に設けられたオイルの流路として機能する。
導入路30aは、オイルクーラ5で冷却されたオイルをステータ3C,コイル3D,軸受6等に供給するための流路であり、第三の配管4cの一方の下流端とハウジング30の内部空間(ハウジング30内)とを連通する。導入路30aは、回転軸3Aよりも上部の本体部31に形成され、オイルを第三の配管4cから取り入れる一つの開口(入口)と、オイルをハウジング30内へ排出する複数の開口(出口)とを有する。
本実施形態の導入路30aは、入口が本体部31の外周面の頂部に設けられ、複数の出口が本体部31の内周面の頂部において回転軸3Aの軸方向に沿って設けられる。なお、ここでいう頂部とは、ジェネレータ3が車両1に搭載された状態で最も上方に位置する部分である。導入路30aの入口と複数の出口との間の部分は、本体部31の頂部の壁部内(外周面の頂部と内周面の頂部との間の部分)において回転軸3Aの軸方向に沿う直線状に形成される。導入路30aの複数の出口は、ステータ3C,コイル3D,蓋部32及び端面33にそれぞれ近接して設けられる。導入路30aを流通したオイルは、複数の出口から排出されることにより、ステータ3C及びコイル3Dを冷却するとともに、伝達路30bへと流れる。
伝達路30bは、導入路30aの複数の出口のうち蓋部32及び端面33に近接した二つの出口から流下したオイルを軸受6に供給するための流路であり、二つの出口から軸受6の上部まで延設される。本実施形態の伝達路30bは、蓋部32及び端面33の各内側の面に凹設された溝状の部位で形成される。オイルは、伝達路30bを伝って流下して軸受6に供給されることにより、軸受6を潤滑する。
排出部30cは、ハウジング30内のオイルを再びオイルクーラ5へ送るための流路である。本実施形態の排出部30cは、蓋部32の下端部に穿設された貫通孔として設けられる。すなわち、排出部30cの入口は、蓋部32の内面に開口し、排出部30cの出口は、蓋部32の外面に開口するとともに第一の配管4aの上流端に接続される。
本体部31は、その底面がステータ3C及びコイル3Dから下方に離隔するように下方向へ拡張された形状に形成される。本実施形態の本体部31の底面は、回転軸3Aの軸方向と略平行な平面状に形成され、車両搭載状態で略水平方向に延在する。この底面を含む底部は、ハウジング30内に取り入れられたオイルが溜まる貯留部34として機能する。貯留部34は、ポンプ11,12に空気が吸い込まれることを防止するための機能を有し、常時オイルが溜まるようになっている。貯留部34には、排出部30cの入口(すなわち貫通孔)が開口している。
貯留部34に溜まるオイルの量は、ポンプ11,12の作動状態(オンオフ状態)とその駆動力とに応じて変化する。具体的には、貯留部34内のオイルの量は、ポンプ11,12が何れもオフ状態のときに最も多くなり、ポンプ11,12の何れかがオン状態であってその駆動力が大きいほど少なくなる。つまり、貯留部34に溜まるオイルの液面の高さ(液面高さ)Hは、ポンプ11,12の停止時に最も高くなり、ポンプ11,12の駆動力が大きくなるほど低くなる。
ジェネレータ3は、コイル3Dが貯留部34内のオイルと接触しうるように(すなわち、ポンプ11,12の停止時の液面高さH′がコイル3Dの下端の高さH0よりも高くなるように)構成される。また、冷却回路4も、ポンプ11,12の作動状態によっては貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触するように構成される。なお、ここでは本体部31の底面(下側の内周面)を基準として、液面高さH及びコイル3Dの下端の高さH0(以下、コイル高さH0と呼ぶ)を定める。
貯留部34には、液面高さHを検出する液面センサ14と、オイルの温度T(以下、油温Tという)を検出する温度センサ15とが配設される。
本実施形態の液面センサ14は、コイル高さH0と同じ高さに設けられ、液面高さHがコイル高さH0以上であるか否かを検出する。液面高さHがコイル高さH0以上(H0≦H)である場合には、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触する。一方、液面高さHがコイル高さH0よりも低い(H<H0である)場合には、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触しない。これらより、液面センサ14は、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触するか否かを検出するものであるともいえる。液面センサ14は、検出した情報を制御装置13に伝達する。
また、本実施形態の温度センサ15は、貯留部34内のオイルに常時接触する位置(例えば貯留部34の下端)に設けられ、貯留部34内のオイルの油温Tを検出する。温度センサ15は、検出した情報を制御装置13に伝達する。なお、温度センサ15の位置はこれに限られず、貯留部34以外の位置(例えばハウジング30の外部における冷却回路4内)に設けられてもよい。ただし、オイルの油温Tを常時検出できる位置であることが好ましい。
図1に示すように、モータ2は、ジェネレータ3から貯留部34を除いたものである。モータ2は、ジェネレータ3の回転軸3A,ロータ3B,ステータ3C,コイル3Dとそれぞれ同様に構成された、回転軸2A,ロータ2B,ステータ2C及びコイル2Dと、これらを収容するハウジング20とを有する。モータ2のハウジング20は、ジェネレータ3のハウジング30と比べて、貯留部34の分だけ小さく形成される。
また、モータ2は、ジェネレータ3の導入路30a,伝達路30b,排出部30cとそれぞれ同様に構成された、導入路20a,伝達路(図示略),排出部20cを有する。モータ2の導入路20aは、オイルクーラ5で冷却されたオイルをハウジング20内に取り入れるための流路であり、ハウジング20の回転軸2Aよりも上部に形成され、その入口が第三の配管4cの他方の下流端に接続される。また、モータ2の排出部20cは、ハウジング20内のオイルを外部に排出するための流路であり、ハウジング20におけるロータ2Bの下端よりも下部に形成され、その出口が第四の配管4dの上流端に接続される。
制御装置13は、車載ネットワークの通信ラインに接続された電子制御装置であり、例えば周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。制御装置13は、第一ポンプ11への給電状態を制御することで、第一ポンプ11の駆動力D(デューティ比,駆動率)を制御する。すなわち制御装置13は、第一ポンプ11のオン(作動),オフ(停止)の切り替えや、第一ポンプ11の作動時における吐出圧の大きさを制御する。
また、制御装置13は、動力源12aのオン(作動),オフ(停止)の切り替え(あるいは動力源12aと第二ポンプ12との連結状態)を制御することで、第二ポンプ12のオン(作動),オフ(停止)の切り替えを制御する。なお、第二ポンプ12の駆動力(吐出圧)の大きさは、動力源12aで生成される動力の大きさに依存するものとする。
本実施形態では、制御装置13によって実施される油温制御について詳述する。
[2.制御構成]
油温制御とは、冷却回路4内においてオイルを循環させる場合に油温Tを所定の温度範囲内にする制御である。油温Tが低い場合、オイルの粘度が高いため、オイルが冷却回路4内を流れにくくなり、モータ2やジェネレータ3の冷却不足や軸受6の潤滑不足を招く虞がある。そのため、この場合には油温Tを上昇させることが望ましい。一方、油温Tが高い場合には、オイルとモータ2及びジェネレータ3との熱交換の効率が悪くなるため、モータ2及びジェネレータ3の冷却不足を招く虞がある。そのため、この場合には油温Tの上昇を抑えることが望ましい。
油温制御は、上述のように油温Tを上昇させることが望ましい場合には、貯留部34内のオイルとジェネレータ3のコイル3Dとを接触させることにより、コイル3Dの発熱を利用してオイルを温める。また、上述のように油温Tの上昇を抑えることが望ましい場合には、貯留部34内のオイルとコイル3Dとを接触させない(接触を回避する)ことにより、オイルがコイル3Dの発熱により温められることを抑制する。これらによって、油温Tが所定の温度範囲内に収まり、モータ2やジェネレータ3が適切に冷却されるとともに、軸受6が適切に潤滑される。
油温制御では、現状の油温Tと現状の液面高さHとに基づいて第一ポンプ11の駆動力Dが制御される。具体的には、現状の油温Tが低い場合には、現状の液面高さHがコイル高さH0以上となるように(すなわち貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触するように)、第一ポンプ11の駆動力Dが制御される。また、現状の油温Tが高い場合には、現状の液面高さHがコイル高さH0よりも低くなるように(すなわち貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触しないように)、第一ポンプ11の駆動力Dが制御される。
また、本実施形態の油温制御では、現状の油温Tに基づいて第一ポンプ11と第二ポンプ12とが使い分けられる。具体的には、油温Tが非常に低くなるような環境(例えば極寒環境)では、第一ポンプ11を停止させて第二ポンプ12のみを駆動させる。これは、このような環境下では、油温Tの低下に伴いオイルの粘度が高くなるため、第一ポンプ11の駆動力だけではオイルを適切に循環させられない虞があるからである。すなわち、このような環境では機械式の第二ポンプ12を活用することで、オイルを適切に循環させることができ、油温Tを上昇させることができる。また、本実施形態では、第一ポンプ11を駆動できる環境では第一ポンプ11のみを駆動させる。これにより、第二ポンプ12の機械的な駆動ロスが回避され、オイルを効率よく循環させることができる。
制御装置13は、上述の油温制御を実施するための機能要素として、判定部13Aと駆動部13Bとを有する。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、これらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
判定部13Aは、温度センサ15で検出された油温Tに基づいて現状のオイルの状態を判定するものである。ここで判定されるオイルの状態には、極低温状態,低温状態,適温状態,高温状態,極高温状態が含まれる。本実施形態の判定部13Aは、温度センサ15から伝達される油温Tの情報と、予め設定された四つの温度閾値TL,T1,T2,THとを比較することにより、オイルの状態を判定する。
なお、四つの温度閾値TL,T1,T2,THは、この順で高くなるように予め設定された値である(TL<T1<T2<TH)。以下、これらを小さい方から順に、下限温度TL,第一温度T1,第二温度T2,上限温度THという。下限温度TL(第三温度)は、第一ポンプ11のみを駆動させたのではオイルが冷却回路4を循環しえない油温Tの最高値である。また、第一温度T1は、オイルの粘度が高いためにモータ2やジェネレータ3が適切に冷却されない、あるいは軸受6が適切に潤滑されない油温Tの最高値である。また、第二温度T2は、オイルとモータ2及びジェネレータ3との熱交換効率が悪いためにモータ2やジェネレータ3が適切に冷却されない油温Tの最低値である。なお、オイルは、第一温度T1よりも高く第二温度T2よりも低い温度であるときが適温状態である。
上限温度THは、本実施形態の油温制御が実施される油温Tの最高値である。言い換えると、本実施形態の制御装置13は、油温Tが上限温度THよりも高い場合には油温制御を実施しない。油温Tが上限温度THよりも高い場合とは、モータ2及びジェネレータ3をできるだけ速く冷却することが望ましい場合である。本実施形態の制御装置13は、この場合には油温Tを適温にすることよりもモータ2及びジェネレータ3をできるだけ速く冷却することを優先して第一ポンプ11の駆動力Dを制御する。
判定部13Aは、温度センサ15から伝達された情報を参照して、オイルの状態が上記の五つの状態の何れに該当するかを判定する。具体的には、判定部13Aは、油温Tが下限温度TL以下(T≦TL)である場合に極低温状態であると判定し、油温Tが下限温度TLよりも高く第一温度T1以下(TL<T≦T1)である場合に低温状態であると判定する。また、判定部13Aは、油温Tが第一温度T1よりも高く第二温度T2よりも低い(T1<T<T2である)場合に適温状態であると判定し、油温Tが第二温度T2以上であり上限温度TH以下(T2≦T≦TH)である場合に高温状態であると判定する。また、判定部13Aは、油温Tが上限温度THよりも高い(TH<Tである)場合に極高温状態であると判定する。判定部13Aは、判定した結果を駆動部13Bに伝達する。
駆動部13Bは、判定部13Aで判定された結果に基づいて、第一ポンプ11及び第二ポンプ12の何れか一方をオン状態に制御するとともに、第一ポンプ11をオン状態にした場合にその駆動力Dを制御するものである。駆動部13Bは、判定部13Aにおいてオイルの状態が極低温状態であると判定された場合には、第二ポンプ12をオン状態に制御し、第一ポンプ11をオフ状態に制御する。すなわちこの場合には、第二ポンプ12のみが作動する。
一方、駆動部13Bは、判定部13Aでオイルの状態が極低温状態以外(低温状態,適温状態,高温状態,極高温状態の何れか)であると判定された場合には、第一ポンプ11をオン状態に制御し、第二ポンプ12をオフ状態に制御する。すなわちこの場合には、第一ポンプ11のみが作動する。
駆動部13Bは、第一ポンプ11をオン状態に制御する場合に、少なくとも温度センサ15で検出された油温Tに基づいて、第一ポンプ11の駆動力Dを制御する。本実施形態の駆動部13Bは、まず、第一ポンプ11をオフからオンに切り替えるときに、駆動力Dの初期値を、温度センサ15で検出された油温Tが低いほど小さな値に設定する。なお、第一ポンプ11の駆動力Dの初期値は、第一ポンプ11の駆動直前(第一ポンプ11がオン状態に制御される直前)に設定される値であり、第一ポンプ11が動き始めるときの駆動力Dに相当する。
駆動部13Bは、第一ポンプ11が既に駆動しているとき(第一ポンプ11の駆動時)には、判定部13Aで判定されたオイルの状態と、液面センサ14で検出された液面高さHとに基づいて現状の駆動力Dを調整する。
具体的には、駆動部13Bは、第一ポンプ11の駆動時におけるオイルの状態が低温状態である場合に、現状の液面高さHがコイル高さH0以上であれば現状の駆動力Dを維持し、現状の液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ液面高さHがコイル高さH0以上となるように現状の駆動力Dを低下させる。つまり駆動部13Bは、オイルが低温状態である場合には、コイル3Dの少なくとも一部が貯留部34内のオイルに浸かっていれば現状の液面高さHを維持し、コイル3Dの一部でも貯留部34内のオイルに浸かっていなければ現状の液面高さHを高くするように駆動力Dを制御する。このときの駆動力Dの制御量(低下量)は、液面高さHがコイル高さH0以上となる値である。
また、駆動部13Bは、第一ポンプ11の駆動時におけるオイルの状態が高温状態である場合に、現状の液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ現状の駆動力Dを維持し、現状の液面高さHがコイル高さH0以上であれば液面高さHがコイル高さH0よりも低くなるように現状の駆動力Dを上昇させる。つまり駆動部13Bは、オイルが高温状態である場合には、コイル3Dの少なくとも一部が貯留部34内のオイルに浸かっていれば現状の液面高さHを低くし、コイル3Dの一部でも貯留部34内のオイルに浸かっていなければ現状の液面高さHを維持するように駆動力Dを制御する。このときの駆動力Dの制御量(上昇量)は、液面高さHがコイル高さH0よりも低くなる値である。
一方、駆動部13Bは、第一ポンプ11の駆動時におけるオイルの状態が適温状態である場合には、現状の駆動力Dを維持する。また、駆動部13Bは、第一ポンプ11の駆動時におけるオイルの状態が極高温状態である場合には、駆動力Dを所定の最大値に設定する。この所定の最大値は、例えば、液面高さHがハウジング30の排出部30cの入口よりもやや高くなるような第一ポンプ11の駆動力Dであり、予め設定される。
なお、本実施形態において現状の駆動力Dを変更する(低下または上昇させる)場合の駆動力Dの変更量(低下量,上昇量)は、液面高さH,コイル高さH0に加え、例えば第一ポンプ11の容量や貯留部34の容積等に応じて設定される。
本実施形態の油温制御の内容を下記の表にまとめる。
Figure 0006565439
[3.フローチャート]
図3は、本実施形態の制御内容を例示するフローチャートである。このフローチャートは、車両1の電源がオン状態である場合に、制御装置13において所定の演算周期で繰り返し実施される。
ステップS1では、液面センサ14で検出された液面高さHの情報と、温度センサ15で検出された油温Tの情報とが入力される。ステップS2では、判定部13Aにおいて油温Tが下限温度TLよりも高いか否かが判定され、油温Tが下限温度TLよりも高い(TL<Tである)場合はステップS3に進み、第一ポンプ11を駆動させる。ここで第一ポンプ11がオフ状態からオン状態に切り替えられる場合には、第一ポンプ11の駆動力Dが初期値に設定され、第二ポンプ12がオン状態であればオフ状態に切り替えられる。一方、前回の演算周期において第一ポンプ11が既に駆動している(今回の演算周期でオン状態が維持される)場合には、その駆動状態が維持される。
ステップS2において油温Tが下限温度TL以下(T≦TL)である場合は、判定部13Aにおいてオイルの状態が極低温状態であると判定され、ステップS13に進んで第二ポンプ12を駆動させる。ここで第一ポンプ11がオン状態であればオフ状態に切り替えられる。そして、このフローをリターンする。
ステップS4では、判定部13Aにおいて油温Tが第一温度T1以下であるか否かが判定される。油温Tが第一温度T1以下(TL<T≦T1)である場合はオイルの状態が低温状態であると判定されてステップS5に進み、それ以外の場合(T1<Tの場合)はステップS7に進む。
ステップS5では、液面高さHがコイル高さH0以上であるか否かが判断される。液面高さHがコイル高さH0以上(H0≦H)であれば、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触しているため、第一ポンプ11の現状の駆動力Dが維持されて(ステップS8)、このフローをリターンする。一方、液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ(H<H0であれば)、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していないため、第一ポンプ11の現状の駆動力Dが下げられ(ステップS6)、このフローをリターンする。これにより、貯留部34内のオイルの液面が上昇する。次の演算周期でもオイルが低温状態であればステップS5の判定に進む。このとき、液面高さHがコイル高さH0に達していなければ(ステップS5)、さらに駆動力Dが下げられて(ステップS6)、このフローをリターンする。これらの処理が繰り返されることにより液面高さHがコイル高さH0以上になれば、そのときの駆動力Dが維持される(ステップS8)。
ステップS7では、判定部13Aにおいて油温Tが第二温度T2以上であるか否かが判定される。油温Tが第二温度T2以上(T2≦T)である場合はステップS9に進み、それ以外の場合(T1<T<T2の場合)はオイルの状態が適温状態であると判定されてステップS8に進む。オイルが適温状態の場合には、そのときの駆動力Dが維持されて(ステップS8)、このフローをリターンする。
ステップS9では、判定部13Aにおいて油温Tが上限温度THよりも高いか否かが判定される。油温Tが上限温度THよりも高い(TH<Tである)場合はオイルの状態が極高温状態であると判定されてステップS12に進み、それ以外の場合(T2≦T≦THである場合)はオイルの状態が高温状態であると判定されてステップS10に進む。ステップS12では、第一ポンプ11の駆動力Dが所定の最大値に設定される。これにより、貯留部34の液面が下げられる。そして、このフローをリターンする。
ステップS10では液面高さHがコイル高さH0以上であるか否かが判断される。液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ(H<H0であれば)、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していないため、第一ポンプ11の現状の駆動力Dが維持されて(ステップS8)、このフローをリターンする。一方、液面高さHがコイル高さH0以上(H0≦H)であれば、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触しているため、第一ポンプ11の現状の駆動力Dが上げられ(ステップS11)、このフローをリターンする。これにより、貯留部34内のオイルの液面が低下する。次の演算周期でもオイルが高温状態であればステップS10の判定に進む。このとき、液面高さHがコイル高さH0より低くなっていなければ(ステップS10)、さらに駆動力Dが上げられて(ステップS11)、このフローをリターンする。これらの処理が繰り返されることにより液面高さHがコイル高さH0よりも低くなれば、そのときの駆動力Dが維持される(ステップS8)。
[4.効果]
(1)上述の冷却システムは、温度センサ15で検出された油温Tと液面センサ14で検出された液面高さHとに基づいて、第一ポンプ11の駆動力Dを制御する。第一ポンプ11の駆動力Dを変更すると液面高さHが変わるため、貯留部34内のオイルとコイル3Dとの接触状態が変化する。この接触状態は油温Tに影響を及ぼす。具体的には、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していれば、コイル3Dの発熱によりオイルが温められ、オイルとコイル3Dとが接触していなければ、オイルがコイル3Dの発熱により温められることが抑制される。
つまり、上述の冷却システムによれば、第一ポンプ11の駆動力Dを制御することで液面高さHを調整することができ、これにより、貯留部34内のオイルとコイル3Dとの接触状態を油温Tに応じて制御することができる。したがって、油温Tを適温にすることができる。
(2)上述の冷却システムは、オイルが低温状態である場合に、液面高さHがコイル高さH0以上であれば現状の駆動力Dを維持し、液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ現状の駆動力Dを低下させる。すなわち低温状態において、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していれば、その状態が保持されるように現状の液面高さHを維持し、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していなければ、オイルとコイル3Dとが接触するように貯留部34内のオイルの液面を上昇させる。つまり、上述の冷却システムによれば、低温状態では貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触した状態になるため、コイル3Dの発熱を利用してオイルを温めることができる。したがって、オイルが低温状態である場合に油温Tを速やかに上昇させて適温にすることができる。
(3)上述の冷却システムは、オイルが高温状態である場合に、液面高さHがコイル高さH0以上であれば現状の駆動力Dを上昇させ、液面高さHがコイル高さH0よりも低ければ現状の駆動力Dを維持する。すなわち高温状態において、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していれば、オイルとコイル3Dとが接触しないように貯留部34内のオイルの液面を低下させ、貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触していなければ、その状態が保持されるように現状の液面高さHを維持する。つまり、上述の冷却システムによれば、高温状態では貯留部34内のオイルとコイル3Dとが接触しない状態になるため、コイル3Dの発熱によってオイルが温められることを抑制することができる。これにより、オイルが高温状態である場合に、油温Tの上昇を抑制して油温Tを適温に近づけることができ、ひいては油温Tを適温にすることができる。
(4)上述の冷却システムは、機械式の第二ポンプ12を備え、オイルが極低温状態である場合に第二ポンプ12のみを駆動させる。極低温状態では、第一ポンプ11の駆動力だけではオイルを適切に循環させることができない虞がある。しかしながら、上述の冷却システムによれば、極低温状態では第二ポンプ12を活用するため、オイルを適切に循環させることができ、油温Tを上昇させることができる。また、上述の冷却システムでは、オイルが極低温状態ではなくなったら(すなわち油温Tが下限温度TLを超えたら)第一ポンプ11のみを駆動させる。これにより、第二ポンプ12の機械的な駆動ロスを回避することができ、オイルを効率よく循環させることができる。
(5)上述のジェネレータ3は、ハウジング30の回転軸3Aよりも上部に形成された導入路30aを有するため、導入路30aを通じてハウジング30内にオイルを取り入れることができる。これにより、回転軸3Aの上方から取り入れたオイルを回転軸3Aの軸受6に流下させることができ、軸受6を適切に潤滑することができる。また、ジェネレータ3は、導入路30aを通じてハウジング30内にオイルを取り入れることにより、そのオイルをハウジング30内の回転軸3A,ロータ3B,ステータ3C及びコイル3Dに向かって上方から掛け流すことができる。これにより、油温Tが低い場合には、ハウジング30内を広範囲に冷却しながら、これらの発熱を利用して油温Tをより速やかに上昇させることができる。反対に油温Tが高い場合には、冷却性能の低下を抑制することができる。
[5.その他]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、本冷却システムがモータ2及びジェネレータ3を冷却する場合を例示したが、本冷却システムが冷却する対象は、回転する電機子または界磁を有し、少なくとも発電機および電動機の何れかとして機能する回転電機であればよい。例えば、本冷却システムを、発電機および電動機の何れか一方を冷却するものに適用してもよい。
また、本冷却システムが冷却する回転電機は、少なくともハウジング内の底部に冷却液が溜まる貯留部を有するとともに、この貯留部内の冷却液と巻線とが接触しうるものであればよい。すなわち、上述の実施形態で示したハウジング30の形状は一例であり、適宜変更可能である。例えば、導入路30aはハウジング30の頂部よりも下方に形成されてもよいし、その出口が一つの開口で形成されてもよい。また、導入路30aの出口を軸受6の近傍に設けて伝達路30bを省略してもよい。さらに、排出部30cは、本体部31の底面や本体部31の端面33に穿設された貫通孔として設けられてもよい。また、モータ2がジェネレータ3の下方に位置するように車両1に搭載される場合には、上述の冷却システムをモータ2に適用すればよい。すなわち、上述のハウジング20内の底部にオイルが溜まる貯留部を設け、この貯留部に溜まったオイルとコイル2D(巻線)とが接触しうるように構成すればよい。この場合、ジェネレータ3に貯留部34を設ける必要はない。
また、例えば図2に二点鎖線で示すように、上述の液面センサ14とは別の液面センサ14′をロータ3Bの下端の高さH1(以下、ロータ高さH1と呼ぶ)に設けて、液面高さHがロータ高さH1以上であるか否かを検出するようにしてもよい。液面高さHがロータ高さH1以上(H1≦H)である場合には、貯留部34内のオイルとロータ3Bとが接触する。一方、液面高さHがロータ高さH1よりも低い(H<H1である)場合には、貯留部34内のオイルとロータ3Bとが接触しない。つまり、液面センサ14′を用いれば、現状の液面高さHが貯留部34内のオイルとロータ3Bとが接触する高さであるか否かを検出できる。
現状の液面高さHがオイルとロータ3Bとが接触する高さ(H1≦H)であれば、制御装置13は現状の駆動力Dを上昇させることが好ましい。すなわち、制御装置13は、低温状態において駆動力Dを維持するときであっても、H1≦Hであれば、液面高さHがコイル高さH0を下回らない程度に駆動力Dを上昇させることが好ましい。また、適温状態において駆動力Dを維持するときであっても、H1≦Hであれば駆動力Dを上昇させることが好ましい。これにより液面高さHが低下するため、オイルとロータ3Bとが接触しない状態となり、ロータ3Bの回転が貯留部34内のオイルによって阻害されることを抑制することができる。
なお、上述の実施形態で示した液面センサ14の位置は一例である。すなわち、液面センサ14は上述のようにコイル高さH0と同じ高さに設けられなくてもよい。例えば、液面センサ14をコイル高さH0よりもやや高い位置に設けて、オイルが低温状態である場合に液面高さHが液面センサ14の高さ以上となるように駆動力Dを制御してもよい。この場合、上述の実施形態のものに比べて貯留部34内のオイルに浸かるコイル3Dの体積が増大することから、油温Tをより速やかに上昇させることができる。反対に、液面センサ14をコイル高さH0よりもやや低い位置に設けて、オイルが高温状態である場合に液面高さHが液面センサ14の高さよりも低くなるように駆動力Dを制御してもよい。この場合、上述の実施形態のものに比べて貯留部34内のオイルの液面がコイル3Dの下端からより離れることから、油温Tの上昇をより確実に抑制することができる。
また、液面センサ14,14′の個数は特に限定されない。例えば複数の液面センサを貯留部34において互いに異なる高さに設ければ、貯留部34内のオイルの液面高さHをより詳細に把握することができる。そのため、液面高さHを現状の油温Tに応じてより細かく制御することが可能となり、油温Tをより正確に適温にすることができる。
また、液面高さHの程度に応じて現状の駆動力Dの変更量(低下量または上昇量)を変えるようにしてもよい。具体的には、現状の駆動力Dを低下させる場合に、現状の液面高さHが低いほど駆動力Dの低下量を大きくしてもよい。このように、貯留部34内のオイルの液面を上昇させる場合に現状の液面高さHが低いほど駆動力Dを大きく低下させれば、液面高さHをより速やかに上昇させることができる。したがって、油温Tをより速やかに適温にすることができる。同様に、現状の駆動力Dを上昇させる場合には、現状の液面高さHが高いほど駆動力Dの上昇量を大きくしてもよい。このように、貯留部34内のオイルの液面を低下させる場合に現状の液面高さHが高いほど駆動力Dを大きく上昇させれば、液面高さHをより速やかに低下させることができる。したがって、この場合にも油温Tをより速やかに適温にすることができる。
上述の実施形態では、オイルの状態が予め設定された四つの温度閾値TL,T1,T2,THに基づいて極低温状態,低温状態,適温状態,高温状態,極高温状態の何れであるかを判定するものとしたが、オイルの状態や温度閾値の種類は上述のものに限定されない。例えば、車両1が極寒環境下で使用されるものではない場合には、上述の極低温状態や下限温度TLを省略してもよい。この場合、上述の第二ポンプ12も省略可能である。
また、上述の実施形態では、オイルの状態が極高温状態である場合に第一ポンプ11の駆動力Dが所定の最大値(固定値)に設定されるものとしたが、極高温状態における第一ポンプ11の駆動力Dはこれに限られず、例えばモータ2やジェネレータ3の温度に基づいて設定される可変値であってもよい。また、駆動力Dの初期値は、上述のように油温Tに基づいて設定されるものに限られず、例えば予め設定された固定値であってもよい。
なお、上述の実施形態では、オイルが冷却回路4を循環することによりモータ2及びジェネレータ3を冷却する場合を例示したが、モータ2及びジェネレータ3の冷却に用いられる冷媒は、少なくとも絶縁性を有する液体であればよく、上述のオイルに限定されない。
1 車両
3 ジェネレータ(回転電機)
3A 回転軸
3B ロータ(回転子)
3C ステータ
3D コイル(巻線)
4 冷却回路
11 第一ポンプ
12 第二ポンプ
12a 動力源
13 制御装置
14 液面センサ
15 温度センサ
30 ハウジング
30a 導入路
34 貯留部

Claims (5)

  1. 車両に搭載された回転電機の冷却システムにおいて、
    前記回転電機は、ハウジング内の底部に冷却液が溜まる貯留部を有するとともに、前記貯留部内の前記冷却液と巻線とが接触しうるものであって、
    前記回転電機を介装した冷却回路上に設けられ、前記冷却回路内に前記冷却液を循環させる電動の第一ポンプと、
    前記車両に搭載された動力源で駆動する機械式の第二ポンプと、
    前記貯留部内の前記冷却液の液面高さを検出する液面センサと、
    前記冷却液の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出された前記温度と前記液面センサで検出された前記液面高さとに基づいて、前記第一ポンプの駆動力を制御する制御装置と、を備え
    前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時における前記温度が第一温度以下である低温状態において、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を維持し、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触しない高さであれば現状の前記駆動力を低下させ、前記温度が前記第一温度よりも低い下限温度以下である極低温状態において前記第二ポンプのみを駆動させるとともに、前記温度が前記下限温度を超えたら前記第一ポンプのみを駆動させる
    ことを特徴とする、冷却システム
  2. 前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時における前記温度が前記第一温度よりも高い第二温度以上である高温状態において、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を上昇させ、前記液面高さが前記冷却液と前記巻線とが接触しない高さであれば現状の前記駆動力を維持する
    ことを特徴とする、請求項記載の冷却システム。
  3. 前記制御装置は、現状の前記駆動力を低下させる場合には前記液面高さが低いほど前記駆動力の低下量を大きくし、現状の前記駆動力を上昇させる場合には前記液面高さが高いほど前記駆動力の上昇量を大きくする
    ことを特徴とする、請求項又は記載の冷却システム
  4. 前記回転電機が、前記巻線よりも回転軸側に回転子を有するものであり、
    前記制御装置は、前記第一ポンプの駆動時において、前記液面高さが前記貯留部内の前記冷却液と前記回転子とが接触する高さであれば現状の前記駆動力を上昇させる
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の冷却システム。
  5. 前記回転電機は、前記ハウジングの回転軸よりも上部に形成され、前記冷却液を前記ハウジング内に取り入れる導入路を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の冷却システム。
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